JP2005198841A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】悪徳行為防止に貢献でき、検査等の確認にかかる手間を簡略化して、確認作業を非常に容易なものとすることのできる遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機の外枠1には前枠2が回動自在に装着されている。前枠2には遊技盤3が設けられている。遊技盤3の前面側ではハンドル7の操作に基づいて所定の遊技が進行されるが、その遊技は遊技盤3の背面側に設けられた制御用のICによって制御される。制御用のICは被包部材にて被包され封印状態にて維持される。被包部材内の少なくとも1箇所には、遊技の制御とは無関係の固有の情報を記憶してなる記憶手段を、制御用のICとは独立して設けるとともに、前記閉鎖状態を維持したままで、前記記憶手段に記憶された固有の情報を、外部確認装置との間で無線通信できるよう構成した。
【選択図】 図1
【解決手段】パチンコ機の外枠1には前枠2が回動自在に装着されている。前枠2には遊技盤3が設けられている。遊技盤3の前面側ではハンドル7の操作に基づいて所定の遊技が進行されるが、その遊技は遊技盤3の背面側に設けられた制御用のICによって制御される。制御用のICは被包部材にて被包され封印状態にて維持される。被包部材内の少なくとも1箇所には、遊技の制御とは無関係の固有の情報を記憶してなる記憶手段を、制御用のICとは独立して設けるとともに、前記閉鎖状態を維持したままで、前記記憶手段に記憶された固有の情報を、外部確認装置との間で無線通信できるよう構成した。
【選択図】 図1
Description
本発明は、パチンコ遊技機等の弾球遊技機やスロットマシン等の回胴式遊技機に代表される遊技機に係り、特に遊技を司る制御手段を備えた遊技機に関する。
近年、パチンコ遊技機、スロットマシン等の遊技機の制御は、かかる制御を主として司るCPU、制御プログラムを記憶したROM、及び遊技状況を記憶するRAM等を含む制御回路基板を備えることによって行われている。制御回路基板は、例えばパチンコ遊技機では遊技盤の背面側に配設される専用の基板ボックス内に収納されており、スロットマシンでは本体を画定する本体ボックス内に収納されているのが現状である。
ところで、かかる基板ボックス又は本体ボックス内に収納された制御回路基板から遊技内容等に関する制御プログラムが記憶されたROM等を取り外し交換して、遊技機の遊技内容を変更等する不正行為が近年問題になっている。
そこで、基板ボックスのボックスベースとボックスカバーとをねじや接着剤で接合固定して閉鎖状態に維持することが行われる。また、不正行為をより確実に防止するために、基板ボックスを封印したり、或いは、ボックスベースとボックスカバーとに跨るように封印シールを貼付したりするといった種々の不正防止対策も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、不正行為が行われたか否かを検査することも、必要に応じて或いは定期的に行われている。かかる検査に際しては、例えば基板ボックスの閉鎖状態を解除した上で、基板ボックスからROM等を一旦取り外し、当該取り外したROM等に記憶されている制御プログラムが正規のものと符合するか否かを判断する。そして、制御プログラムが正規のものと符合しない場合には、不正なROM等と交換されたものとして、この時点で不正が発見されることとなる。
以上のように、従来では、基板ボックスの封印等によって基板ボックスを不正に開放されるのを防止するという不正防止対策、及び、ROM等の検査を行うことで不正を発見するという不正発見対策が行われていた。なお、不正発見対策も、間接的な側面からの不正防止対策であるといえる。また、かかる対策はパチンコ遊技機に限られず、スロットマシン等の他の遊技機にも適用することが考えられている。
特開2001−300091号公報
ところが、上記検査に際し、基板ボックスの閉鎖状態を解除した上でROM等を取り出さなければならないとすると、検査の完了までに著しい手間がかかってしまう。特に、基板ボックスを封印するといったような厳重な構成が採用されていると、基板ボックスの閉鎖状態の解除により一層の手間がかかってしまう。
また、検査等のために一旦閉鎖状態が解除された後、再度基板ボックスを利用に供しようとした場合、再度封印等の不正防止対策を講じなければならず、ここでも著しい手間がかかってしまう。すなわち、ROM等の検査を行うことで不正を発見しようとした場合、各作業において著しい手間を要してしまう。
また、封印シール等を貼付したとしても、巧妙に取り外しが行われるおそれがあり、係る意味では十分な効果が得られないおそれがある。
本発明は以上の事情に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、不正行為の防止に貢献することができ、しかも検査等の確認にかかる手間を簡略化して、確認作業を非常に容易なものとすることのできる遊技機を提供することを主目的とする。
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
手段1.少なくとも遊技を司る機能を有するICを備えてなる回路基板と、
前記回路基板を被包した状態で閉鎖状態に維持可能な被包部材とを備えてなる遊技機において、
前記被包部材内の少なくとも1箇所には、遊技の制御とは無関係の固有の情報を記憶してなる記憶手段を、前記ICとは独立して設けるとともに、
前記閉鎖状態を維持したままで、前記記憶手段に記憶された固有の情報を、外部確認装置との間で無線通信できるよう構成したことを特徴とする遊技機。
前記回路基板を被包した状態で閉鎖状態に維持可能な被包部材とを備えてなる遊技機において、
前記被包部材内の少なくとも1箇所には、遊技の制御とは無関係の固有の情報を記憶してなる記憶手段を、前記ICとは独立して設けるとともに、
前記閉鎖状態を維持したままで、前記記憶手段に記憶された固有の情報を、外部確認装置との間で無線通信できるよう構成したことを特徴とする遊技機。
手段1によれば、少なくとも遊技を司る機能を有するICを備えてなる回路基板を被包した状態で、被包部材が閉鎖状態に維持される。従って、ICや回路基板に不正を行いにくくすることができる。また、記憶手段には、少なくとも遊技の制御とは無関係の固有の情報が記憶されている。そして、確認作業に際しては、前記閉鎖状態を維持したままで、外部確認装置との間で、固有の情報が無線通信でき、これにより確認作業ができる。このため、ICを回路基板から取外し不能又は困難とするよう構成したとしても、或いは回路基板を被包部材から取外し不能又は困難とするよう構成したとしても、確認に支障が生じない。従って、かかる構成を採用することで、IC等が取り外されるという不正行為が抑制される。また、確認に際しては、閉鎖状態を解除する手間及び確認後閉鎖状態に復帰させる手間をかけることなく確認することができる。しかも、外部確認装置との間で無線通信できる情報は、遊技の制御とは無関係の固有の情報であるため、たとえどのような者が確認作業を行ったとしても、遊技の制御に関わる情報が漏洩したりしてしまうおそれがない。このことは、記憶手段が、前記ICとは独立して設けられていることと相俟って導出される作用である。それ故、確認作業に際し、厳格な条件(例えば厳格な警戒条件)を課す必要が無く、例えば遊技場関係者が簡易に不正チェックを行うことができる。
なお、「記憶」に代えて、「格納」或いは「書込」としてもよい。また、「固有の情報」には、プログラム、データ及びアドレスの少なくとも1つが含まれていることとしてもよい。ここで、プログラムとしては、例えば通信のための設定プログラム等が挙げられる。また、データとしては、例えば、遊技とは無関係の遊技機固有のデータ(IDデータ)等が挙げられる。従って、「前記固有の情報は、遊技機固有のIDデータであること」としてもよい(以降各手段において同様)。
手段2.少なくとも遊技を司る機能を有するICを備えてなる回路基板と、
前記回路基板を被包した状態で閉鎖状態に維持可能な被包部材とを備えてなる遊技機において、
前記被包部材内の少なくとも1箇所には、遊技の制御とは無関係の固有の情報を記憶してなる記憶手段及び外部通信手段を、前記ICとは独立して設けるとともに、
前記閉鎖状態を維持したままで、前記記憶手段に記憶された固有の情報を、前記外部通信手段を介して外部確認装置との間で無線通信できるよう構成したことを特徴とする遊技機。
前記回路基板を被包した状態で閉鎖状態に維持可能な被包部材とを備えてなる遊技機において、
前記被包部材内の少なくとも1箇所には、遊技の制御とは無関係の固有の情報を記憶してなる記憶手段及び外部通信手段を、前記ICとは独立して設けるとともに、
前記閉鎖状態を維持したままで、前記記憶手段に記憶された固有の情報を、前記外部通信手段を介して外部確認装置との間で無線通信できるよう構成したことを特徴とする遊技機。
手段2によれば、基本的には手段1と同様の作用効果が奏される。特に、手段2では固有の情報が外部通信手段(例えば外部アンテナ)を介して無線通信される。
手段3.前記ICを内包するように封止体にて封止し、封止体には前記ICに接続される導電体の内端側を内包する一方、該導電体の外端側を封止体から露出させ、該導電体の外端側を基板側に接続することにより前記回路基板を構成するとともに、
少なくとも前記記憶手段を、前記封止体内において前記ICとは離間した位置に封止したことを特徴とする手段1又は2に記載の遊技機。
少なくとも前記記憶手段を、前記封止体内において前記ICとは離間した位置に封止したことを特徴とする手段1又は2に記載の遊技機。
なお、ICの具体的な態様としては、例えばCPU、ROM、RAM等を含むICチップなどが挙げられる。また、前記封止体としては樹脂又はセラミックによるパッケージが一般的であるが、他にもケース状のものや蓋状のものであってもよい。また、前記導電体としては例えばリードが挙げられ、前記導電体の外端側のうち封止体から露出した部位は例えばリードの一部であるピンが挙げられる。
手段3によれば、少なくとも記憶手段(手段2にあっては記憶手段及び外部通信手段)が封止体内においてICとは離間した位置に封止されている。従って、封止体が不正に別のものに取り替えられたような場合には、簡易な確認作業で容易に不正発見を行うことができる。
手段4.前記導電体の本数は、10本以上であることを特徴とする手段3に記載の遊技機。
一般に、封止体がCPUやROMといった重要なものを内蔵していない場合、警戒という点においてはおろそかにされがちである。ところが導電体の本数が10本以上である場合、そのような封止体がたとえCPU等の重要なものを含んでいない場合であっても、不正に改ざんし、制御機能を具備せしめた別の封止体に取り替えることで、制御機能を不正に付与させてしまうことが行われることが懸念される。この点、手段4のように、10本以上の導電体の本数を具備している封止体に関し、記憶手段が封止されていることから、上記のように取り替えられた場合でも、容易に不正を発見することができる。なお、「10本以上」に変えて、「20本以上」「30本以上」としてもよく、また、「・・本以上、100本以下」或いは「・・以上、80本以下」としてもよい。
手段5.前記回路基板には複数の封止体が設けられ、複数の封止体内において少なくとも前記記憶手段が封止されていることを特徴とする手段3又は4に記載の遊技機。
手段5によれば、特に、複数の封止体内においてそれぞれ記憶手段が封止されているため、各記憶手段に記憶された固有の情報同士をチェックすることにより、より確実な検査を行うことができる。また、検査の精度を一層向上させることができる。
手段6.前記記憶手段に記憶された固有の情報を改ざん不能に構成したことを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の遊技機。
手段6によれば、いったん固有の情報が記憶手段に記憶されてしまえば、二度と改ざんすることができないため、記憶手段に別の情報を記憶させ、これにより不正の隠滅を図るという悪質な行為を抑制することができる。
手段7.前記記憶手段は、前記外部確認装置からの無線波の発信に伴い、自ら起電可能に構成され、前記固有の情報を前記外部確認装置に対して無線送信可能となっていることを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の遊技機。
手段7によれば、記憶手段は、外部確認装置からの無線波の発信に伴い、自ら起電可能であるため、遊技機の電源を投入しなくても、容易かつ速やかに確認作業を行うことができる。
特に、「回路基板(被包部材)が遊技機本体とは別に遊技場に搬送され、遊技場内において回路基板が組み立てられる」タイプの遊技機においては、上記効果は顕著なものとなる。すなわち、このような場合には、遊技場内において、組立の前段階において、回路基板のみを検査等することができる。そのため、遊技場での稼動前段階において、不正が行われた遊技機の設置を規制することができる。結果として遊技場の信用失墜を抑止することができる。
手段8.前記ICは、少なくとも遊技の制御とは無関係の事項を予め記憶してなる独立記憶部を備えており、前記閉鎖状態を維持したまま前記独立記憶部と、有線外部確認装置との間での通信を許容するための通信端子を前記回路基板に設け、該通信端子の少なくとも一部が、前記被包部材の所定部位から露出した状態又は露出可能な状態となるよう構成したことを特徴とする遊技機。
手段8によれば、有線外部確認装置を用いた確認作業を行うこともできる。当該作業に際しては、前記閉鎖状態を維持したまま、被包部材の所定部位から少なくとも一部が露出した状態又は露出可能な状態で設けられた通信端子を介して、独立記憶部と有線外部確認装置との間での通信が許容される。このため、ICを回路基板から取外し不能又は困難とするよう構成したとしても、或いは回路基板を被包部材から取外し不能又は困難とするよう構成したとしても、確認に支障が生じない。従って、かかる構成を採用したとしても、IC等が取り外されるという不正行為が抑制される。また、確認に際しては、閉鎖状態を解除する手間及び確認後閉鎖状態に復帰させる手間をかけることなく前記独立記憶部に記憶されている事項を確認することができる。さらに、独立記憶部を介して、ICの情報(例えば遊技に直接関係のあるプログラム)をも有線外部確認装置に送信可能に構成されている場合には、安易に有線外部確認装置で確認できない事情が生ずることとなる。つまり、このような場合、厳格な条件の下、確認作業を行う必要がある。この点、上述したように、記憶手段に記憶された固有の情報が、外部確認装置との間で無線通信できるようになっているため、厳格な条件を課さずとも、無線での確認作業を行うことができる。従って、厳格な条件での検査、簡便な検査の双方を行うことができるという意味でメリットが大きい。
手段9.手段1乃至8のいずれかにおいて、遊技機はパチンコ遊技機であること。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては、操作ハンドルを備えていてそのハンドル操作に応じて遊技球を所定の遊技領域に発射させ、遊技球が遊技領域内の所定の位置に配置された作動口に入賞することを必要条件として可変表示装置において変動表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されることが挙げられる。また、特別遊技状態発生時には遊技領域内の所定の位置に配置された可変入賞装置が所定の態様で開放されて遊技球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへの書き込み等も含む)が付与されることが挙げられる。なお、パチンコ遊技機にあっては、被包部材は遊技盤の背面側に配設される。
手段10.手段1乃至8のいずれかにおいて、遊技機は回胴式遊技機であること。ここで、回胴式遊技機の構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列(具体的にはリールであり、識別情報はリールに付されたシンボルである)を変動表示(具体的にはリールの回動である)した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して或いは所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段を備えた回胴式遊技機」となる。なお、回胴式遊技機にあっては、被包部材は遊技機本体を画定する本体ボックス内に収納される。なお、回胴式遊技機にあっては、被包部材は、遊技機本体とは別に遊技場に搬送されることが多い。
手段11.手段1乃至8のいずれかにおいて、遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させた遊技機であること。中でも、前記融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列(具体的にはリールであり、識別情報はリールに付されたシンボルである)を変動表示(具体的にはリールの回動である)した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して或いは所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として遊技球を使用するとともに、前記識別情報の変動開始に際しては所定数の遊技球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの遊技球が払い出されるよう構成されてなる遊技機」となる。なお、かかる遊技機にあっては、被包部材は遊技機本体を画定する本体ボックスを備えたものであればその本体ボックス内に収容され、本体ボックスを有しないものであれば遊技機背面側に配設される。なお、本遊技機にあっては、被包部材は、遊技機本体とは別に遊技場に搬送されることが多い。
以下に、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)についての一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、パチンコ機の外形を構成する外枠1には前枠2が一側の回動軸を中心に回動可能に装着されている。同図では前枠2は閉じた状態にある。前枠2には、遊技盤3(図2参照)、遊技盤3の前方に設けられガラス板4aを有してなるガラス扉枠4、上皿5、下皿6、ハンドル7等が装着されている。上皿5の側方であって、前枠2の内部にはスピーカ8が埋設されている。スピーカ8は、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を音声にて報知する。前記遊技盤3の後部には機構盤が配設されている。
次に、遊技盤3の遊技面上の構成について説明する。図2に示すように、遊技盤3には、作動口ユニット11及び大入賞口ユニット12が設けられている。作動口ユニット11は、遊技媒体としての遊技球Bが入賞したり通過する作動口11a及び作動ゲート11bを備えており、その作動口11aの入口には羽根13が開閉可能に支持されている。
また、大入賞口ユニット12は、大入賞口12a及びシャッタ14を備えている。シャッタ14は、大入賞口12aの側部に設けられた図示しない大入賞口用ソレノイドにより作動させられ、大入賞口12aを開閉する。詳しくは、当該ソレノイドが励磁状態となることにより、シャッタ14が略水平に傾き、これにより大入賞口12aが開かれる。また、ソレノイドが非励磁状態となることにより、シャッタ14が略垂直状態となり、これにより大入賞口12aは閉鎖される。
さらに、遊技盤3の側部には、一般入賞口ユニット15,16,17,18が設けられている。一般入賞口ユニット15〜18は、一般入賞口15a,16a,17a,18aを備えている。
遊技盤3の中央部分(大入賞口ユニット12の上方)には、特別図柄表示装置(以下、単に「表示装置」という)19が組込まれている。表示装置19は、液晶ディスプレイ(LCD)よりなる表示部19aを備えており、ここに複数の(例えば3つの)図柄列が表示される。図柄列は、基本的には、複数種類の図柄によって構成されている。これらの図柄は、特別遊技図柄としての大当たり図柄、外れリーチ図柄及び外れ図柄のいずれかになりうる。
表示装置19の表示部19aでは、各図柄列の図柄変動(回転変動)が、遊技球Bの作動口11aへの入賞に基づいて開始させられる。また、大当たり図柄、外れリーチ図柄、外れ図柄の中から1つが選択され、これが停止図柄として設定される。停止図柄とは、各図柄列が図柄変動を停止したときに表示される図柄である。
大当たり図柄は、いわゆるリーチ状態を経た後、遊技者に有利な大当たり状態を発生させるための図柄である。詳しくは、全ての図柄列の変動が停止させられたとき、表示されている図柄の組合せが、予め定められた大当たりの組合せ、すなわち、同一種類の図柄が大当たりラインに沿って並んでいるときの同図柄の組合せ(例えば、「7」、「7」、「7」の図柄)となる場合がある。この組合せを構成する図柄が「大当たり図柄」である。大当たりの組合せが成立すると、大入賞口12aが開かれ、遊技者にとって有利な大当たり状態の到来、すなわち、より多くの景品球を獲得することが可能となる。
表示装置19において、表示部19aの上方には、発光ダイオード(LED)からなる保留ランプ21a,21b,21c,21dが組み込まれている。保留ランプ21a〜21dは、基本的には作動口11aへの入賞に基づく変動表示の保留毎に点灯させられ、その保留に対応した変動表示の実行に伴い消灯させられる。
また、表示装置19の上部には、LEDよりなる7セグ表示部22が設けられている。さらに、前記表示装置22の左右両側方には一対の通過ゲート23a,24aを備えた通過ゲートユニット23,24が配設されている。同通過ゲート23a,24aを遊技球Bが通過することに基づいて、前記7セグ表示部22が作動する。本実施形態では、7セグ表示部22は、「0」から「9」までの数字を可変表示する。そして、その数字が所定値(本実施形態では「7」)で停止することに基づいて、作動口ユニット11の羽根13が所定秒数開放するようになっている。この開放により、作動口11aへの入賞が比較的容易なものとなる。7セグ表示部22の周辺近傍においては、遊技球Bの通過ゲート23a,24aの通過回数が4回まで記憶表示され、図示しない4つの保留ランプでその保留数が表示される。
また、遊技盤3の複数箇所には、遊技効果を高めるための各種ランプ等の他の役物が取付けられている(ランプ風車、コーナー飾り等)。
本実施形態では、遊技者の操作に応じて変化するパチンコ機の遊技状態を検出するべく、遊技盤3には、遊技球Bの入賞を検出するための種々の検出スイッチが取付けられている。より詳しくは、作動ゲート11bには、作動ゲート用スイッチ31が設けられている。また、作動口11a近傍には作動口用スイッチ32が設けられている。本実施形態では、作動口用スイッチ32にて遊技球Bの入賞が検出された場合、遊技者に対し、1入賞あたり5個の景品球が払い出されるようになっている。
また、大入賞口12a近傍には、2つの大入賞口用スイッチ33,34が設けられている。シャッタ14の内側面には、逆ハの字状をなす図示しない案内レールが一体形成されており、該案内レールにより、大入賞口12aに入賞した入賞球は円滑に、かつ、速やかにいずれかの大入賞口用スイッチ33,34を通過しうる。本実施形態では、大入賞口用スイッチ33,34にて遊技球Bの入賞が検出された場合、遊技者に対し、1入賞あたり15個の景品球が払い出されるようになっている。さらに、一般入賞口15a〜18a近傍には、一般入賞口用スイッチ35,36,37,38が設けられている。本実施形態では、一般入賞口用スイッチ35〜38にて遊技球Bの入賞が検出された場合、遊技者に対し、1入賞あたり10個の景品球が払い出されるようになっている。なお、上記景品球の払い出し数(「5個」又は「10個」又は「15個」)に関する数値はあくまでも例示であって、上記数値に何ら限定されるものではない。従って、例えば「6個」「7個」「11個」「12個」「13個」「14個」「16個」或いはそれ以上(例えば「25個」)等の数値を採用しても何ら差し支えない。併せて、通過ゲート23,24には、通過ゲート用スイッチ39,40が設けられている。
そして、これらスイッチ31〜40により、遊技球Bの作動ゲート11bの通過や作動口11aへの入賞、大入賞口12aへの入賞、或いは一般入賞口15a〜18aへの入賞や、通過ゲート23a,24aの通過等が検出される。また、各スイッチ32〜38の検出結果に基づき、図示しない景品球払出装置等の駆動制御が導出されるようになっている。景品球払出装置等は、パルスモータを備えており、該モータが駆動させられることにより、タンク64(図4参照)等に貯留されている景品球(遊技球B)が、払い出し通路を通って、上皿5(又は下皿6)へと払い出されるようになっている。
本実施形態では、上記各スイッチ31〜40の検出結果に基づき、各種ソレノイドや、表示装置19、各保留ランプ21a〜21d、各種ランプ、スピーカ8、パルスモータ等の各種外部装置をそれぞれ駆動制御するために制御装置50が設けられている。制御装置50は、図3,4に示すように、主基板(回路基板、制御基板、遊技制御基板を構成する)51、払出制御基板52、図柄表示装置制御基板53、音声制御基板54、ランプ制御基板55及び発射制御基板56等を備えており、これらは例えばそれぞれ透明樹脂等よりなる被包部材を構成する基板ボックス(例えば51B,52B,56B)内に収容されている。
前記遊技盤3の後部に設けられた機構盤の上部には、主たる電源(電源電圧)が供給される電源スイッチ基板61が設けられているとともに、機構盤の下部には、前記電源スイッチ基板61からの電源を適宜供給するための電源分配基板62が設けられている。前記主基板51の基板ボックス51Bは、機構盤の後部において、前記表示装置19の背面側に設けられた図柄表示装置制御基板53の下方に設けられている。図4に示すように、機構盤には、表示装置19を覆うようにして樹脂製の保護部材としての保護カバー63が装着されており、これにより、上部のタンク64等から落下してくる遊技球B等から表示装置19及び図柄表示装置制御基板53が保護されるようになっている。そして、主基板51の基板ボックス51Bの大部分は、前記保護カバー63からはみ出すようにして横長に配置されている(これについては後述する)。
また、払出制御基板52は、前記主基板51の側方に設けられている。当該主基板51及び払出制御基板52には、前記電源分配基板62からの分配された電源電圧がそれぞれ印加(供給)される。また、これとともに、図柄表示装置制御基板53、音声制御基板54及びランプ制御基板55には、主基板51からの電源電圧がそれぞれ供給される。さらに、発射制御基板56には、前記払出制御基板52からの電源電圧が供給されるようになっている。景品球払出装置は、払出制御基板52からの出力信号に基づいて駆動制御されるようになっている。なお、電源スイッチ基板61に隣接して、情報端子65が設けられている。該情報端子65からホールコンピュータや外部のカウント表示装置等へ当該パチンコ機における各種遊技情報(例えば本日の大当たり回数、図柄の変動回数、出玉に関する情報等)が出力されるようになっている。
主基板51、払出制御基板52をはじめとする各種基板には、制御用のICパッケージが実装されている。ここで、図8に示すように、基板ボックス51B内の主基板51に実装されるICパッケージ71は、IC、制御手段を構成するICチップ72と、複数本のリード73と、これらを封止する封止体74とによって構成されており、リード73が主基板51に対しハンダ接合により実装されている(ハンダは固着手段を構成する)。本実施形態では、このようにリード73が主基板51に対し強固に固着されていることで、ICパッケージ71が主基板51から取外し不能又は困難となっており、ICパッケージ71の取外し、交換による不正行為の抑制が図られている。もちろん、主基板51に設けられた図示しないソケット等の「中間部材」を介して装着される構成としてもよい。
本実施形態において、ICチップ72は、リード73の大部分とともに封止体74にてパッケージングされている。封止体74は透明なエポキシ樹脂材料によって構成されている。これにより、ICチップ72及びリード73は、外部から透視可能となっている。なお、リード73とICチップ72とはワイヤでボンディングされることにより電気的な導通が可能となっている。また、ICパッケージ71は、ZIP(Zig−zag Inline Package)構造を有している。すなわち、ICパッケージ71は、リード73の引出面(リード73が外部に突出している面)が封止体74の1側面であるいわゆる縦型タイプである。これにより、封止体74が表裏両面から視認可能となっている。また特に、本実施形態の封止体74は透明であるため、その内部のICチップ72及びリード73についても表裏両面から視認可能となっている。
また、特に、本実施形態ではICパッケージ71の周辺には、プリント配線等を除いて主基板51上にほぼ何も配設されていない。これにより、ICパッケージ71をより一層視認しやすくなっている。この場合、「IC、制御手段の周辺において、視認を阻害する他部材の配設を規制したこと」が特徴点となる。なお、ICパッケージ71の視認をより容易ならしめるべく、照明手段、ミラー、或いはレンズ(いずれも図示せず)等の「視認補助手段」を設けることとしてもよい。
さらに、上記ICパッケージ71に関しては、ZIP構造の中でもリード73間のピッチが狭く、かつ、特殊なSZIP(Shrink Zig−zag Inline Package)構造が採用されている。すなわち、上記SZIP構造におけるリード73間のピッチは、例えば0.82mmに設定されている。
さて、図9は、ICチップ72等の電気的構成を示すブロック図である。同図に示すように、ICチップ72には、中央処理装置(CPU)81を中心して、プログラムROM82、HWパラメータ83、ユーザワークRAM84、内部I/Oブロック85、I/Oポート86等が備えられており、これらは互いにバス87によって接続されている。また、これらはバスモニタ88を介して管理ブロック89に接続されている。
本実施形態においてプログラムROM82は、光学的作用による書換不能であり、かつ、不揮発性の記憶部であるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)により構成され、ここに所定の制御プログラムや初期データが予め記憶されている。CPU81は、I/Oポート86を介して入力されてくる各種信号等に基づき前記プログラムROM82の制御プログラム等に従って各種演算処理を実行する。HWパラメータ83もEEPROMによって構成され、クロック等に関する各種設定事項等が記憶されている。ユーザワークRAM84はCPU81による演算結果等の各種データを一時的に記憶するようになっている。また、ユーザワークRAM84の所定の端子にはコンデンサが接続され、これにより停電時等におけるデータバックアップが可能となっている。内部I/Oブロック85は、カウンタ・タイマ、割込みコントローラ及び高速HWカウンタ等の機能ブロックにより構成されている。
さらに、バスモニタ88は、CPU81の演算データ等を管理ブロック89へ出力する。管理ブロック89は、独立記憶部を構成し、検査ポート91並びにミラードRAM92、ステータスRAM93及びID用RAM94等を備えている。
検査ポート91は書込みエラーやシーケンス異常等を検出可能となっており、ミラードRAM92はユーザワークRAM84のデータをミラーリング(複写)するものである。
また、ステータスRAM93には、HWパラメータ83の設定事項等の各種設定事項や各種状態が書き込まれる。すなわち、ステータスRAM93の所定ステータスには、予め設定されている各種の状態が随時指定されたアドレスに書き込まれ、指定アドレスの各種状態を示すデータは、検査ポートから読み出すことができるようになっている。
書き込まれるデータとしては、例えば次のようなものが挙げられる。
(1)遊技球Bの作動口11aへの入賞に基づく記憶個数や、遊技球Bの通過ゲート23a,24aの通過に基づく記憶個数、すなわち、表示装置19の表示部19aにおける図柄の変動表示分の記憶回数や、7セグ表示部22における普通図柄の変動表示分の記憶回数。
(2)表示装置19の表示部19aにおける図柄の状態(変動中或いは停止中)や、7セグ表示部22における普通図柄の状態(変動中或いは停止中)。
(3)大入賞口12a用のシャッタ14(大入賞口用ソレノイド)や、作動口11a用の羽根13(ソレノイド)の作動状態(開閉状態)。もちろん、他の役物(例えば大羽根等の第2種特別電動役物と称される役物を有するタイプの遊技機にあっては当該役物)の作動状態にも適用可能である。
(4)作動口11aへの入賞、大入賞口12aへの入賞、或いは一般入賞口15a〜18aへの入賞や、通過ゲート23a,24aの通過等の検出情報或いは各種入賞に伴う払出個数情報。
(5)前枠2やガラス扉枠4の開閉等に関する外部情報。
(6)特定の動作(例えばセット動作)を行った場合や電源投入後所定期間のみの特定情報。
これらの数値、状態、情報等は、例えばビット対応で特定番地に設定することで、所定ステータスの指定アドレスに随時書き込まれ、書き込まれたデータが、検査ポートから読み出されうる。これにより、パチンコ機の動作中、つまり遊技中において状態等を把握することができる。
従って、例えば後述する検査を行うに際し、パチンコ機を動作させた状態で、作動口11a等に遊技球Bを所定個数入賞させる等して、保留ランプ21a〜21dの点灯状態と、読み出したデータとを比較したりすることで、管理ブロック89、ひいてはICパッケージ71(ICチップ72)が正常に動作しているか否か、特に、CPU、CPUの入出力、周辺基板等との動的組合せが正常に機能しているか否かをきわめて簡易に判定することができる。
なお、これらの数値、状態、情報等を、異種遊技機(パチンコ機)間で統一規格化して同型の所定ステータスに書き込み(記憶させ)、随時読み出し可能とすることとしてもよい。かかる構成とすることで、異種遊技機同士において随時検査等が可能となるというメリットが生ずる。
さらに、ID用RAM94には、ICチップ72固有の(パチンコ機固有の)データ(IDデータ)としてのIDコードが書き込まれている。IDコードには、メーカ側で設定されたIDコード、機種に対応したIDコード、ロット番号、製造年月日、等の遊技内容とは無関係のデータが含まれる。
次に、基板ボックス51Bについて説明する。図5,6,7に示すように、前記主基板51が被包されてなる基板ボックス51Bは、略箱状をなし、ボックス本体101と、そのボックス本体101に覆設されるボックス蓋体102とを備えている。ここで、「被包」とあるのは、主基板51を外部から遮断するべく、カバーすること、覆うこと、被せ包むこと等を含んでおり、外部から完全に遮断されている場合のみならず、部分的に露出している場合をも含む趣旨である。また、基板ボックス51Bは、上記例のように2つの部材101,102で構成される場合以外にも単一の部材によって構成されていてもよいし、3つ以上の部材によって構成されていてもよい。また、「被包」する材質は、破壊困難な剛体により構成されていることが望ましいが、部分的に柔軟な素材が含まれていたとしても差し支えない。
ボックス本体101には、前記主基板51が固定されている。そして、該主基板51を覆うようにしてボックス蓋体102が取着固定されている。より詳しくは、ボックス本体101及びボックス蓋体102の一側部には、相互に係合可能なヒンジ機構103が設けられており、該ヒンジ機構103にて両者の係合及び位置合わせ等が行われるようになっている(図5,6参照)。上述したように、ボックス本体101及びボックス蓋体102は透明な樹脂材料により構成されており、内部の主基板51、特に、ICパッケージ71を容易に外部から視認できるようになっている。
また、ヒンジ機構103を除く部位において基板ボックス51Bのほぼ四隅部には、封印手段104が設けられている。図10に示すように、封印手段104は、ボックス本体101から突出するよう形成された本体側封印部105と、ボックス蓋体102から突出するよう形成された蓋体側封印部106とを備えている。本体側封印部105には上部の開口する凹部107が形成されているとともに、その付け根部分において係合溝108が形成されている。一方、蓋体側封印部106には前記凹部107に対応するようにして段差部を有してなる透孔109が形成されているとともに、その付け根部分において係合突起110が形成されている。但し、係合溝108及び係合突起110は、少なくとも前記凹部107の直径よりも長く形成されている。
そして、ボックス本体101に主基板51がセットされた状態でボックス蓋体102が接合され、このとき係合溝108に係合突起110が係合されることで、凹部107及び透孔109がそれぞれ位置合わせされる。さらに、この位置合わせ状態で、凹部107及び透孔109内に接着剤が流し込まれ、その状態で樹脂製の係止ピン111が凹部107及び透孔109に嵌め込まれている。これにより、本体側封印部105と蓋体側封印部106とが相互に固定され、基板ボックス51Bが封印状態に維持されている。従って、このように一旦封印されてしまうと、該封印手段104を破壊することなく開封することができないようになっている。換言すれば、ボックス本体101からボックス蓋体102を開封しようとした場合には、本体側封印部105及び蓋体側封印部106の付け根の括れ部分をニッパ等で切断しなければ、開封できないように構成されている。なお、上述した係合溝108及び係合突起110の存在により、段差が形成されることから、流動状態にある接着剤が本体側封印部105及び蓋体側封印部106の接合面を伝って基板ボックス51B内部の主基板51側へ漏出するといった事態が防止されるようになっている。
図5及び図7において、主基板51の側部(パチンコ機の裏面側から見て上部)には、接合端子を構成する複数のソケット112が設けられており、該ソケット112は前記ICパッケージ71内のICチップ72のI/Oポート86と電気的に接続されている。各ソケット112は、基板ボックス51Bから露出した状態となっており、ここに、「他の装置」を構成する他の基板(例えば図柄表示装置制御基板53、音声制御基板54、ランプ制御基板55等)や各種外部装置(例えばソレノイドや検出スイッチ)等から延びるコネクタが接続されている。但し、該ソケット112部分は、前述した保護カバー63で被覆されている(図4参照)。これにより、タンク64等からの遊技球Bの落下等から、ソケット112やコネクタが保護されるようになっている。また、ソケット112やコネクタが保護カバー63で保護されていることから、検出スイッチと主基板51との間、或いは、主基板51と図柄表示装置制御基板との間に、不正な基板をぶら下げて(「ぶら下げ基板」を取付けて)、不当に特別遊技状態を発生させるといった、いわゆる「ぶら下げ」と称される不正行為の抑制をも図ることができるようになっている。
さらに、基板ボックス51Bの下端部に対応して、媒介手段、通信端子を構成するモジュラージャック113が設けられている。該モジュラージャック113は主基板51に実装されており、前記ICパッケージ71内のICチップ72の管理ブロック89に対し主基板51上のプリント配線、リード73等を介して電気的に接続されている。モジュラージャック113は、基板ボックス51Bの下方に向けて一端が露出した状態で開口しており、そこに図9に示すような有線外部確認装置を構成する外部リーダ121のコネクタ122が差し込まれるようになっている。かかる構成により、基板ボックス51Bには、モジュラージャック113が設けられることに伴う開口が設けられることとなる。なお、本実施形態において、モジュラージャック113は、ICパッケージ71の近傍に設けられており、これにより、検査時のノイズの低減が図られている。
外部リーダ121は、本実施形態におけるシステムに関して専用のものであって、その本体部分は操作用のキー123及び表示部124を備えている。また、本体部分からは先端に前記コネクタ122の設けられてなるフレキシブルなコード125が延びており、前記コネクタ122がモジュラージャック113に差し込まれることで、外部リーダ121及び上記管理ブロック89間での通信が許容されるようになっている。例えば、コネクタ122をモジュラージャック113に差し込んだ上で所定のキー操作を行うことで、ID用RAM94に書き込まれたICチップ72固有のIDコードが読み出され、それが表示部124に表示されるようになっている。また、例えばIDコードを入力した上で、さらに所定のキー操作を行うことで、ミラードRAM92に書き込まれたユーザワークRAM84のデータや、或いは、ステータスRAM93に書き込まれたHWパラメータ83の設定事項等が読み出され、それらが表示部124に適宜表示されるようになっている。
また、万一ICパッケージ71やICチップ72が不正に交換されたような場合には、(1)外部リーダ121と管理ブロック89との間で通信そのものができないこと、(2)また、仮に通信ができたとしても、IDコードが表示されないこと、各種データや設定事項を読み出すことができないこと等から、不正行為を容易に発見することができるようになっている。特に、上記(1)に関しては、外部リーダ121が、管理ブロック89との間で通信可能か否かをテストできる一種のテスタとしての役割が果たされることとなり、極めて簡易に不正行為のチェックを行うことができる。
尚、本実施形態において、前記モジュラージャック113は、パチンコ機の裏面側からみて基板ボックス51Bの周辺部分、特に、下端部に設けられており、上述した保護カバー63からはみ出した位置に存在している。このため、保護カバー63や基板ボックス51Bを機構板から取り外したりすることなく、上記設置状態のまま、コネクタ122を差し込んで外部リーダ121との間で通信を行うことができる。もちろん、このときには基板ボックス51Bを開封したりする必要がなく、さらには、管理ブロック89の設けられてなるICパッケージ71(ICチップ72)を取り外す必要もない。
また、パチンコ機の外周側にモジュラージャック113が設けられているため、コネクタ122の接続作業を行いやすくなるとともに、検査等の確認作業に際し、コード125が邪魔になりにくいというメリットもある。ちなみに、上記例では、いわゆる検査時において、外部リーダ121のコネクタ122をモジュラージャック113に差し込むように構成されている。すなわち、一般にはホール(遊技場)の非営業時において検査が行われるようになっている。
また、モジュラージャック113は、その開口部以外についてはボックス蓋体102及び周壁114で覆われている。このため、モジュラージャック113については上記保護カバー63で覆われてはいないものの、タンク64等から落下してくる遊技球Bやゴミ等の異物が当たったり、入ったりしにくいようになっている。特に、モジュラージャック113は下端側に開口しているため、異物等が重力に逆らった動きをしない限り開口部から侵入することはない。そのため、遊技球Bのみならず、ゴミやホコリ等の異物の侵入による不具合をも確実に回避できる。
ところで、モジュラージャック113の前記開口部にシール部材や蓋部材、或いは檻状のリブ等を設けておくこととしてもよい。或いは、開口部にスライド、或いは開閉可能な可動窓部材を設けることとしてもよい。このように構成することで、開口部からの異物の侵入をより一層確実に規制することができるとともに、モジュラージャック113の主要部が経時的に劣化しにくくなり、製造から長期間経過した場合でも、適切な検査を実行することができる。また、この場合、検査に際してはシール部材や蓋部材等を切断、剥離等によって取り外すことで、或いは、窓部材を開くことで、検査を行うことが可能となる。
さて次に、本実施形態の特徴的部分について説明する。図8に示すように、前記ICパッケージ71内には、ICチップ72の外に、当該ICチップ72とは比較にならないほど小さい(例えば0.4mm角の)超小型無線認識用ICチップ(超小型チップ)201がモールドされている。この超小型チップ201には外部アンテナ202が設けられている。当該超小型チップ201には、例えば128ビット程度の改ざん不能なデータが製造時に書き込み可能となっている。当該改ざん不能なデータとしては、上述した管理ブロック89のID用RAM94に書き込まれるのと同等のデータ、つまり、メーカ側で設定されたIDコード、機種に対応したIDコード、ロット番号、製造年月日、等の遊技内容とは無関係のデータを例示することができる。
上記超小型チップ201のデータ内容を読み出すに際しては、無線外部確認装置としての無線外部リーダ301が用いられる。当該無線外部リーダ301は、本実施形態におけるシステムに関して専用のものであって、その本体部分は操作用のキー302及び表示部303を備えている。但し、当該無線外部リーダ301は、上述した有線の外部リーダ121とは異なり、コード125やコネクタ122等は設けられていない。つまり、コネクタをモジュラージャックに差し込んだりすることなく、無線外部リーダ301を基板ボックス51Bに近づけておいて、所定のキー操作を行うことで、IDコード等のデータが読み出しが可能となる。より詳しくは、所定のキー操作が行われることで、無線外部リーダ301からは無線波が発信される。これを受信した超小型チップ201は、自ら電源を起電し、自身に書き込まれた(記憶、格納された)固有のIDコード等のデータを無線外部リーダ301に返信する。当該返信を受けた無線外部リーダ301では、上記データが読み出され、それが表示部303に表示されるのである。
従って、万一ICパッケージ71が不正に交換されたような場合には、上述した外部リーダ121を持ち出すまでもなく、無線外部リーダ301でもってその旨を確認することができる。つまり、無線外部リーダ301と超小型チップ201との間で通信そのものができないこと、(2)また、仮に通信ができたとしても、適正なIDコード等が表示されないこと、各種データや設定事項を読み出すことができないこと等から、不正行為を容易に発見することができるようになっている。特に、上記(1)に関しては、無線外部リーダ301が、超小型チップ201との間で無線通信可能か否かをテストできる一種のテスタとしての役割が果たされることとなり、極めて簡易に不正行為のチェックを行うことができる。しかも、外部リーダ121を用いる場合には、逐一パチンコ機1の電源を投入してモジュラージャック113にコネクタ122を差し込んでチェックする必要があるのに対し、無線外部リーダ301を用いてチェックする場合には、わざわざ電源を投入せずに確認作業を行うこともできる。そのため、非営業状態で確認を行うような場合には、確認作業の著しい簡素化を図ることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、超小型記チップ201には、少なくとも遊技の制御とは無関係の固有のIDデータ等が記憶されている。そして、確認作業に際しては、前記基板ボックス51Bの閉鎖状態を維持したままで、無線外部リーダ301との間で、前記固有のIDデータ等が無線通信でき、これにより確認作業ができる。このため、ICチップ72やICパッケージ71を取外し不能又は困難とするよう構成したとしても、或いは基板を基板ボックス51Bから取外し不能又は困難とするよう構成したとしても、確認に支障が生じない。従って、かかる構成を採用することで、ICチップ72やICパッケージ71等が取り外されるという不正行為が抑制される。また、確認に際しては、閉鎖状態を解除する手間及び確認後閉鎖状態に復帰させる手間をかけることなく確認することができる。しかも、無線外部リーダ301との間で無線通信できる情報は、遊技の制御とは無関係の固有の情報であるため、たとえどのような者が確認作業を行ったとしても、遊技の制御に関わる情報が漏洩したりしてしまうおそれがない。このことは、超小型チップ201が、前記遊技の制御を司るICチップ72とは独立して設けられていることと相俟って導出される作用である。それ故、確認作業に際し、警察が立ち会う等の厳格な条件を課す必要が無く、例えば遊技場関係者が独自に簡易に不正チェックを行うことができる。
また、超小型チップ201に記憶された固有のIDデータ等が改ざん不能に構成されているため、いったん固有のIDデータ等が記憶されてしまえば、二度と改ざんすることができない。そのため、超小型チップ201に別の情報を記憶させ、これにより不正の隠滅を図るという悪質な行為を抑制することができる。
さらに、超小型チップ201は無線外部リーダ301からの無線波の発信に伴い、自ら起電可能に構成されているため、パチンコ機1の電源を投入しなくても、例えば非営業中等において容易かつ速やかに確認作業を行うことができる。なお、特に、基板ボックスが遊技機本体とは別に遊技場に搬送され、遊技場内において基板ボックスが組み立てられるタイプの遊技機においては、上記効果は顕著なものとなる。すなわち、このような場合には、遊技場内において、組立の前段階において、基板ボックス(基板)のみを検査等することができる。そのため、遊技場での稼動前段階において、不正が行われた遊技機の設置を規制することができる。結果として遊技場の信用失墜を抑止することができる。
併せて、本実施形態におけるICチップ72は、独立記憶部たる管理ブロック89を備えており、モジュラージャック113に対し外部リーダ121のコネクタ122が差し込むことで、管理ブロック89及び外部リーダ121間での通信が許容されることとしている。つまり、有線での外部リーダ121を用いた確認作業を行うこともできる。但し、当該作業に際しては、ICチップ72の内容(例えばCPU81やプログラムROM82の内容9までも読み出されてしまうことも懸念されるため、安易に有線の外部リーダ121で確認できない事情が生ずることとなる。つまり、このような場合、警察が立ち会う等の厳格な条件の下で、確認作業を行う必要がある。この点、本実施形態では上述したように、固有のIDデータ等は、無線外部リーダ301との間で無線通信できるようになっているため、厳格な条件を課さずとも、無線での確認作業を行うことができる。従って、厳格な条件での検査、簡便な検査の双方を行うことができるという意味でメリットが大きい。
尚、上述した実施形態の記載内容に限定されることなく、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、本体側封印部105の凹部107及び蓋体側封印部106の透孔109内に接着剤が流し込まれ、その状態で係止ピン111が嵌め込まれることにより、基板ボックス51Bが封印状態に保持されることとなっているが、他の封印構成を採用しても何ら差し支えない。但し、上述したように検査等に際しては封印状態を解除する必要がないため、その封印構造は、容易に封印が解除されるものよりは、開封が困難なように構成されていることが望ましい。
例えば図11(a)に示す例では、本体側封印部131及び蓋体側封印部132が共に位置合わせされた状態で、樹脂封止体133にて封止された基板ボックスが図示されている。また、図11(b)に示す例では、本体側封印部134及び蓋体側封印部135に、それぞれ透孔136,137を形成するとともに、量透孔136,137を位置合わせした状態で、樹脂封止体138にて封止された基板ボックスが示されている。特に後者の例では、透孔136,137内にまで樹脂封止体138の樹脂が回り込むため、より確実に封印状態を確保することができる。もちろん、従来技術で説明したような特殊ネジ等の封印具を用いて接合固定したりしてもよい。さらに、上記例においては、樹脂製の係止ピン111を凹部107及び透孔109に嵌め込むといった構成を採用しているが、該係止ピン111を省略して、接着剤又は流動状態にある硬化性樹脂を凹部107及び透孔109に流し込む構成としてもよい。併せて、完全な封印状態としなくても、ボックス本体及びボックス蓋体を略閉鎖状態に維持できるものであれば、ボックス本体及びボックス蓋体間を接着剤やねじ等で固定したりしてもよい。
(b)上記実施形態では、主基板51の基板ボックス51BのICパッケージ71内に超小型チップ201を封止することとしているが、別のICパッケージ内に封止することとしてもよいし、複数のICパッケージ内に封止することとしてもよい。この場合、固有のIDデータ同士をチェックすることにより、より確実な検査を行うことができる。また、検査の精度を一層向上させることができる。
なお、別のICパッケージに封止する場合にあっては、当該ICパッケージから延びるリードの本数は、10本以上、より好ましくは20本以上であることが望ましい。一般に、ICパッケージがたとえCPUやROMといった重要なものを含んでいない場合、警戒という点においてはおろそかにされがちである。ところがリードの本数が10本以上である場合、そのようなICパッケージがたとえCPU等の重要なものを含んでいない場合であっても、不正に改ざんし、制御機能を具備せしめた別のパッケージに取り替えることで、制御機能を不正に付与させてしまうことが行われることが懸念される。この点、10本以上の導電体の本数を具備しているICパッケージに関し、超小型チップが封止されるよう構成すると、上記のように取り替えられた場合でも、容易に不正を発見することができる。
(c)上記実施形態におけるモジュラージャック113及び管理ブロック89を省略した構成としても差し支えない。
(d)基板ボックス51Bは必ずしも透明樹脂素材により構成されていなくてもよい。従って、例えば金属により構成されていてもよい。但し、この場合には、内部構造を視認できるよう、除き窓等が設けられているのが望ましい。
(e)上記実施形態では主基板51に対しICチップ72を内包したICパッケージ71を実装する構成を採用しているが、パッケージングを施すことなくCPU、ROM等を基板に設けることとしてもよい。また、ICパッケージ71を採用する場合であっても、封止体74を透明でない例えば黒色の樹脂材料により構成してもよい。また、上記実施の形態ではZIPタイプ等の縦型のICパッケージ71を採用しているが、他のいかなるタイプをも適用することができる。例えば、上記ZIP構造と同様にリード引出面が1側面のタイプ(縦型)としては、他にもSIP(Single Inline Package)等を挙げることができる。また、リード突出面が2側面のタイプとしては上記DIP(Dual Inline Package)タイプ(SDIP(Shrink DIP)を含む)を例示することができる。
なお、これらは、いずれもソケットを介して基板に実装される挿入型である。これに対し、面実装型のタイプを適用してもよい。面実装型としては、第1にリード突出面が2側面のタイプとして、SOP(Small Outline Package)タイプ(SSOP(Shrink SOP)を含む)、TSOP(Thin Small Outline Package)タイプ、SOJ(Small Outline J−leaded Package)タイプ等を例示することができ、第2にリード突出面が4側面のタイプとして、QFP(Quad Flat Package)タイプ、TQFP(Thin Quad Flat Package)タイプ、QFJ(Quad Flat J−leaded Package)タイプ等を例示することができる。また、BGA(Ball Grid Array)タイプであってもよい。
(f)本発明は、上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等にも適用できる。例えば、大当たり図柄が表示された後に所定の領域に遊技球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、表示装置19のないパチンコ機(例えば大羽根やクルーンといった役物が搭載されているタイプや、いわゆる多くのチューリップが搭載されているタイプ等)にも応用できる。また、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン等の各種遊技機として実施することも可能である。なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、遊技球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく、所定量の遊技球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して或いは所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の遊技球が払い出されるものである。
(g)上記実施の形態では、主基板51及び主基板51用の基板ボックス51Bを代表例として説明しているが、このような構成を払出制御基板52、図柄表示装置制御基板53、音声制御基板54、ランプ制御基板55、発射制御基板56等の他の基板及び各基板ボックスについても同様に適用してもよい。
3…遊技盤、50…制御装置、51…主基板、52…払出制御基板、53…図柄表示装置制御基板、54…音声制御基板、55…ランプ制御基板、56…発射制御基板、51B,52B,56B…基板ボックス、61…電源スイッチ基板、62…電源分配基板、63…保護部材としての保護カバー、71…ICパッケージ、72…ICチップ、73…リード、74…封止体、81…中央処理装置(CPU)、82…プログラムROM、83…ユーザワークRAM、89…独立記憶部を構成する管理ブロック、101…ボックス本体、102…ボックス蓋体、104…開封維持手段を構成する封印手段、112…ソケット、113…通信端子を構成するモジュラージャック、121…有線外部確認装置としての外部リーダ、122…コネクタ、201…記憶手段としての超小型チップ、202…外部通信手段としての外部アンテナ、301…外部確認装置としての無線外部リーダ。
Claims (1)
- 少なくとも遊技を司る機能を有するICを備えてなる回路基板と、
前記回路基板を被包した状態で閉鎖状態に維持可能な被包部材とを備えてなる遊技機において、
前記被包部材内の少なくとも1箇所には、遊技の制御とは無関係の固有の情報を記憶してなる記憶手段を、前記ICとは独立して設けるとともに、
前記閉鎖状態を維持したままで、前記記憶手段に記憶された固有の情報を、外部確認装置との間で無線通信できるよう構成したことを特徴とする遊技機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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2004
- 2004-01-15 JP JP2004008458A patent/JP2005198841A/ja not_active Withdrawn
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