JP2005198537A - 根菜の噴気水耕栽培法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 農薬や化学肥料を用いずに促成栽培もできる根菜の噴気水耕栽培法の提供。
【解決手段】 (1)ハウス内に高設架台を設け、高設架台の上面に、穴を開けた栽培ケース支持板を載置し、この穴に、無菌培地を入れた通気性及び通水性を有する栽培ケースを差し込み、高設架台の下部空間に養液(液肥)のミスト散布設備を設け、高設架台の両側面に高設架台の下部空間をミスト散布室とするための覆いを設け、高設架台の地面に近い底部に、ミスト散布した養液の余りを回収して再利用するための受け皿を設けた根菜の噴気水耕栽培法。
(2)栽培ケースが、ネットを円錐状に捲いたもので且つ根菜の収穫時の大きさに応じた径と長さのものである(1)記載の根菜の噴気水耕栽培法。
(3)高設架台の上部にCO供給トンネルを設けて葉面付近のCO濃度を高めるようにした(1)又は(2)記載の根菜の噴気水耕栽培法。
【選択図】 図2

Description

本発明は、根菜の根に直接養液をミスト散布する噴気水耕栽培に関し、特に農薬や化学肥料を用いない噴気水耕栽培法に関する。
現在の農業は、長年に亘る農薬や化学肥料の使用により土壌の活力が失われたため植物の生命力が低下し、益々多くの農薬や化学肥料を必要とするという悪循環に陥っているのが実情である。昭和20年代の作物と最近の作物の栄養価を比較したところ、産地により差はあるが、総じて1/2〜1/10程度に低下しているという驚くべきデータも報告されている。更に、従来の農薬は、環境汚染、農業従事者への直接的薬害、残留農薬を含有する作物を食べたことによる免疫力低下などを引き起すため、癌やアレルギー疾患などの原因の一つとなっている可能性も否定できない。従って、従来の農薬や化学肥料を用いない農業の普及が望まれる。
土壌の劣化に対応可能な植物栽培方法として水耕栽培が知られており、培養土を用いることも公知である(特許文献1〜2など)。しかし、これらの技術は噴気水耕栽培ではなく、培養土を用いる目的や方法が本発明と全く異なる。一方、植物の根に直接ミスト状の液肥を供給する噴気水耕栽培も公知であるが(特許文献3)、従来の噴気水耕栽培の場合、装置の制御トラブルなどにより根に散布するミスト量が適正を欠くことがある。ミスト量が過剰になると根の表面が長時間水滴で覆われることになるし、不足すると根が乾燥するため、生育に悪影響を及ぼしたり最悪の場合には枯死することもある。また栽培植物の支持材が栽培ベッドのみであるから、支持の安定性や植物の生育条件の点で改善の余地がある。
このような従来の噴気水耕栽培の問題点を解決するため、本出願人は先に特願2002−124977号(特開2003−274774号公報)の発明を出願した。しかし、根菜の栽培には以下に述べるように問題点が多数残っている。
根菜の栽培は病害虫(線虫、有翅類など)との戦いであり、かつ土壌の温度や水分率に大きく左右されるため本来は栽培適期が狭い。ところが最近は栽培技術が進歩しトンネルやポリマルチを用いることにより適期が大幅に拡大し、保管技術の向上もあって年間を通じて市場に流通している。しかし、土耕であることに変わりはなく、栽培土壌の完全殺菌は不可能であるから、病害虫対策は農薬に頼らざるを得ないのが実情である。寒冷期収穫の場合には、他の時期に収穫する場合と比べて、土壌の温度や水分率を栽培に適した条件に合わせ易いが、病害の回避は難しく、やはり農薬漬けになっている。
土壌水分率については、生育前期は多量の水分を必要とするが、中期以降は余剰水分があると根圏が酸欠になり易く、生育障害を引き起こすため収量に大きく影響する。土壌水分率が生育過程に適さず水分が過剰になれば、根が育つ前に葉が繁茂しすぎて却って光合成(炭酸同化作用)を阻害し、貯蔵養分が不足して根の肥大、充実が損なわれるし、葉の繁茂により光が土壌に射し込み難くなるため土壌の温度が下がり、栄養成分の合成も損なわれるため栄養成分の少ない野菜となる。また、生育後期に過剰に潅水すると、肥料成分の過剰吸収を招き、生育が盛んになり過ぎて根の形成層での細胞分裂が旺盛となり、内部の若い細胞の膨圧に対し外側(師部)の肥大が伴わないため裂開する場合がある。
従って土壌水分率の制御は極めて重要であるが、抜本的な対策は見出されていない。
また、肥料成分も発育初期と根の肥大が顕著になる中期以降では要求される内容が異なる。根菜では特にカリウムが非常に重要であり、適期に充分に施肥する必要がある。
更に、根菜は全て土壌が膨軟な(軟らかくふわふわした)状態であることが根の発育に必須であり、トラクターで深耕しても土壌成分が雨水などで硬化し栽培中期頃には好ましい膨軟な状態は失われる。その対策として、近年、土壌に大量の砂を混和する砂耕栽培法が開発され、膨軟な土壌の確保を図ろうとしているが、化学肥料中心で栽培するため腐植質が不足し、CEC(陽イオン交換容量)が下がって元肥が雨水などで溶脱し易くなり、生育不良を引き起こし易い土壌となっている場合が多い。
一方、根菜は葉菜や果菜に比べて薬効成分を豊富に含有することが知られている。例えば「ダイコン」は、緑黄色野菜の1種であって非常に豊富な成分を含み、健胃、慢性下痢、便秘、消化促進、美容、打ち身や捻挫、風邪の初期症状、浴湯料として冷え性、リューマチ、神経痛などに有効であるとされている。また「ニンジン」も重要な緑黄色野菜の1種であって、口内炎や扁桃炎などのうがい薬、浴湯料、乳児の下痢止めなどに利用できるとされている。また「ゴボウ」には、食欲増進、胆汁分泌促進、発汗利尿、抗菌、血糖降下、血管拡張などの作用があるとされている。
しかしながら、上記したように、現在の農薬や化学肥料を用いた栽培法では、栄養価が低下している上に、残留農薬の問題があって、安心してこれらの薬理効果を利用することはできない。
特開平11−46577号公報 特開平9−275831号公報 特開平7−213180号公報
本発明は、農薬や化学肥料を用いずに促成栽培もできる根菜の噴気水耕栽培法の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)〜6)の発明によって解決される。
1) ハウス内に高設架台を設け、高設架台の上面に、穴を開けた栽培ケース支持板を載置し、この穴に、無菌培地を入れた通気性及び通水性を有する栽培ケースを差し込み、高設架台の下部空間に養液(液肥)のミスト散布設備を設け、高設架台の両側面に高設架台の下部空間をミスト散布室とするための覆いを設け、高設架台の地面に近い底部に、ミスト散布した養液の余りを回収して再利用するための受け皿を設けたことを特徴とする根菜の噴気水耕栽培法。
2) 栽培ケースが、ネットを円錐状に捲いたもので且つ根菜の収穫時の大きさに応じた径と長さのものであることを特徴とする1)記載の根菜の噴気水耕栽培法。
3) 栽培期に合わせて培地内の温度を制御することを特徴とする1)又は2)記載の根菜の噴気水耕栽培法。
4) 高設架台の上部にCO供給トンネルを設けて葉面付近のCO濃度を高めるようにしたことを特徴とする1)〜3)の何れかに記載の根菜の噴気水耕栽培法。
5) ハウス内に人畜無害の消臭剤の散布設備を設けたことを特徴とする1)〜4)の何れかに記載の根菜の噴気水耕栽培法。
6) 消臭剤がホウセンカから抽出されたものであることを特徴とする5)記載の根菜の噴気水耕栽培法。
7) 植物から抽出した忌避剤を用いてハウス内への昆虫の侵入やハウス内での真菌類の繁殖を防止することを特徴とする1)〜6)の何れかに記載の根菜の噴気水耕栽培法。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
本発明は、ハウス内で高設架台を用いて行う噴気水耕栽培法(高設ミスト栽培法)であり、農薬や化学肥料を用いずに促成栽培もできる。
図1〜図3に一例を示すが、根菜の収穫時の大きさに応じて径と長さを変えた専用の栽培ケースに膨軟な培地を入れ、高設架台上に載置した栽培ケース支持板に開けた穴に栽培ケースを差し込む。穴の径は栽培ケースの最大径よりもやや小さくする。
高設架台の構造の一例を図3に示す。図3(a)は、高設架台上にCO供給トンネルを設けた(組み付けた)構造の一例を示す図であり、図3(b)は、それを上から見た図(部材の配置を説明するために透視的に示した)である。高設架台はφ25程度のメッキパイプなどで作製し、高さ80〜120cm程度、幅60〜70cm程度とするが、作業環境や根菜の種類によって適宜変更可能である。長さはハウスの大きさよって変わるので任意である。高設架台の下部空間には養液(液肥)のミスト散布設備(例えばミストノズルを一定間隔で有する塩ビ製パイプ)を設ける。高設架台の地面に近い底部には、ミスト散布した養液の余りを回収して再利用するための受け皿(例えばドレーンパン)を設ける。高設架台の両側面はビニールシートなどで覆い高設架台の下部空間を簡易なミスト散布室とする。ビニールシートなどの下端は必ずしも閉じる必要はない。栽培ケース支持板には軽量で加工が容易な発泡スチロールパネルなどを用いる。
栽培ケースは、通気性及び通水性が極めて高く且つ培地を保持することができる材質、構造とする。例えば図1に示すようにポリエチレンなどの樹脂からなる2〜3mm目程度のネットを円錐状に捲いて端部を熱融着したものが簡便である。これにより、根菜の根圏を常に好気性環境に維持でき、散布される養液ミストの吸収性も非常によく、適時に養分と水分を栽培ケース内の培地に供給できる。円錐の下端は折り返して固定するとよい。栽培ケースの最大径は、根菜の種類によっても異なるが、通常10〜20cm程度とする。また栽培ケースは、その下端と受け皿の間に20〜40cm程度の隙間ができるように設置する。
培地は、膨軟な状態を維持する必要があり、完熟堆肥をベースにして無菌処理した土、ゼオライト、バーミキュライト等のCECを高める資材で構成することが好ましい。完熟堆肥の配合割合は培地全体の30〜40容積%程度とする。例えば無菌処理した土1に対して、ピートモス1、ゼオライト0.2、バーミキュライト0.2、完熟堆肥1〜1.6の割合(容積比)で混合する。この配合では、完熟堆肥が1(約30容積%)のとき、全体の容積は3.4、1.6(40容積%)のとき、全体の容積は4となる。
無菌処理した土は、例えば90〜100℃程度の高温水蒸気を用いて無菌化する方法などにより作成すればよい。また、培地は1作毎に加熱消毒して無菌化し、完全リサイクルを行うことが好ましい。
更に、高設架台の上部にCO供給トンネルを設けて葉面付近のCO濃度を高めるようにすれば、炭酸同化作用が活発になり主根の肥大化を促進することもできる。
CO供給トンネルは、例えば農業用資材の一つである自在支柱(日東化成社製ダンポールなど)を用いて幅60〜70cm、高さ60〜90cm程度のアーチを作り、アーチ頂部内側に、CO放出用の穴を設けた軽量な樹脂などからなるパイプ(φ5〜6の穴を30〜40cm間隔で開けたφ50〜65の塩ビ製パイプなど)を架台の長さと同じ長さで取り付けて作製する。そして、このCO供給トンネルを高設架台上に載置した栽培ケース支持板の上に設置し、薄いシート(厚さ0.2mm程度のポリエチレンシートなど)で覆う。被覆シートの両下端は閉じないでそのままにしておく。この状態で、トンネルにCOを含む25〜30℃程度の乾燥した空気を圧送すると、この空気がパイプの穴から放出され、根菜の葉面を根菜の上端から栽培ケース支持板面に向かって下降し、葉面付近のCO濃度が高くなると共に、被覆シートの下端からトンネル内の余剰な湿気も排出される。
CO濃度の制御は、CO濃度をセンサーで検出しCO発生器の運転を制御することにより行う。CO発生器としては、灯油を燃焼させて発生させる市販の機種(例えばネポン社の製品)を利用してもよい。栽培時のCO濃度は、通常500〜1000ppmの範囲で調整する。
更に、冷暖房装置を用い養液を常に好ましい温度に制御してミスト散布することにより、培地内の温度を作物の栽培期(初期、中期、後期)に合った温度に維持すれば、促成栽培効果を上げることができると共に栽培適期を通年化できる。
外気温の低い環境或いは期間の場合は、高設架台下部のミスト散布室内及びCO供給トンネル内(トンネルを設ける場合)に温風を送るようにすれば、養液の温度調節のみでは不十分な培地内の温度制御を補完することができ、また、葉面温度を高めることにより相対湿度が低減するので病害を抑制することもできる。
水耕栽培に限らず農薬を用いないで栽培しようとすると病害虫の影響を無視できない。また収量が減ってしまうことも多い。しかし、本発明者の研究によれば、空中を飛ぶ虫は匂いに誘引されて集まってくる習性があるから、栽培環境から虫が感知できる匂いを消してしまえば、農薬を用いなくても虫による害を防止できる。そこで、本発明では人畜無害の消臭剤を栽培ハウス内に散布して匂いを消すという手段を採用する。このような消臭剤の例としては、特開2003−691号(本出願人の先願)に開示されたホウセンカから抽出されたもの(商品名「サンインプレス」)が挙げられる。サンインプレスには、消臭効果を有するケンフェノール、クエルセチン(何れもフラボノイド)、微生物活性効果を有するフェルラ酸、植物成長促進効果を有するスコポレチン、抗酸化作用を有するナフトキノン、抗菌作用を有するパラヒドロキシンなどが含まれており、消臭作用の他に植物成長促進作用も有するので、本発明に最適である。消臭剤の散布設備としては、例えばハウス内の天井近辺に1〜3m程度の間隔でミストノズルを設けたポリエチレン製の高圧ホースなどを設ければよい。
また、アブラムシなどの微小昆虫やカビなどの真菌類に対する人畜無害の忌避剤を用いて、ハウス内への微小昆虫の侵入やハウス内での真菌類の繁殖を防止することができる。忌避剤の具体例としては苦参(通称クララ)の根の抽出液が挙げられる。その製法としては、クララの根を乾燥し微粉砕したのち25%エタノールに約60日漬け込んで抽出すればよい。得られた抽出液を300〜500倍に希釈し動力噴霧装置でハウス内に散布するが、本発明では消臭剤の散布設備があるから、これを利用すればよい。
このように人畜無害の消臭剤や忌避剤を用いることにより、残留農薬の無い根菜を栽培することができる。また、根菜に対する農薬の悪影響がなくなるので根菜の生命力が向上し、従来の方法よりも大きく成長すると共に、収量も確実に増える。
養液としては、化学肥料や化学薬品を含むものは用いないで、人畜無害の有機肥料を用いることが望ましく、特に、窒素、リン酸、カリに加えて、カルシウム及び微量要素である他のミネラルを総合的に含むことから、アミノ酸含有有機液肥と天然の酸性ミネラルで卵殻を溶解したものを混合した養液が好ましい。なお、アミノ酸含有有機液肥とは、フィッシュソリブル(魚の粗から魚油を分離し濃縮した液体)を蛋白質分解微生物で醗酵処理し、蛋白質をアミノ酸、ペプチド、核酸などに分解した液体のことである。また、天然の酸性ミネラルの代表的なものとしては、火山の火口付近で採取される極酸性の液を用いて麦斑石を溶解したpHが2.5程度の酸性液が挙げられ、この酸性液を用いれば極めて簡単に卵殻を溶かしてpH5前後の溶解液を作成することができる。
本発明の噴気水耕栽培法は、栽培ケースの形状に馴染む根菜であれば全て適用可能であるが、円錐状ケースを用いる場合には棒状の根菜が対象となる。代表的なものを例示すると、ダイコン、ニンジン、ゴボウ、朝鮮人参が挙げられる。
本発明によれば、農薬や化学肥料を用いずに促成栽培もできる根菜の噴気水耕栽培法を提供できる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
本発明をダイコンに適用した実施例を示す。栽培施設の概要は図1〜図3に示す通りである。ダイコンには図4に外観スケッチを示したような種々の品種があるが、本実施例では最もポピュラーな「みの早生」を用いた。この品種の収穫時の平均的な大きさは、径が6.5cm、長さが45cmである。
まず、農業用亜鉛メッキ鋼管を用いて縦40m、横25m、高さ4mのパイプハウスを建設した。
このハウス内に、φ25の亜鉛メッキパイプからなる幅60cm、長さ120cm、高さ90cmの高設架台を630台設置し、その上に、幅60cm、長さ120cm、厚さ2cmの穴明き発泡スチロール板を載置した。また、高設架台の下部空間の真中上部には養液をミスト散布するため、ミストノズルを1m間隔で設けた径が27mmの塩ビ製パイプを設け、下部には厚さ0.5mmのポリエチレンシート製のドレーンパンを設け、両側面を厚さ0.2mmのポリエチレンシートで覆ってミスト散布室を形成した。養液には、フィッシュソリブルを蛋白質分解微生物で醗酵処理し、蛋白質をアミノ酸、ペプチド、核酸などに分解したアミノ酸含有有機液肥と、火山の火口付近で採取される極酸性の液を用いて麦斑石を溶解した酸性液により卵殻を溶かしたpH5前後の溶解液を容量比100:15で混合したものを用いた。
更に、高設架台の上に、自在支柱(日東化成社製ダンポール)を用いて作成した幅60cm、高さ60cmのアーチの頂部内側にCO放出用のφ5〜6の穴を30〜40cm間隔で開けたφ50〜65の塩ビ製パイプを架台の長さと同じ長さで取り付け、アーチ全体を厚さ0.2mmのポリエチレンシートで被覆しCO供給トンネルを設けた。
栽培ケースには、2mm目のポリエチレン製ネットを円錐状に撒き端部を熱融着すると共に下端を折り返して固定した最大径5cm、長さ50cmのものを用い、これを発泡スチロール板の穴に差し込んで4200個設置した。
この栽培ケースに、無菌処理した土1に対して、ピートモス1、ゼオライト0.2、バーミキュライト0.2、完熟堆肥1の割合(容積比)で混合した無菌培地を下端から30cmまで充填した。土の無菌処理は約90℃の高温水蒸気を用いて行った。
更にハウスには、換気扇、天窓、側窓、防虫ネット、CO発生器(ネポン社製)、CO濃度センサー(ワールドウイング社製の白金型)、温風発生器、送風機、消臭剤の散布設備(ハウス内の天井近辺にミストノズルを2m間隔で設けた径が13mmのポリエチレン製高圧ホース)、養液の管理、循環及び温度調整を行う制御機構を付設した。
上記のようなハウス内で、次のような手順で栽培を行った。
・各栽培ケースに4粒づつ播種した。
・発芽したところで葉が重なり合わない程度に間引きした。
・本葉が2〜3枚になったところで2回目の間引きをし、2〜3株とした。
・本葉が5〜6枚になったところで3回目の間引きをし、1本立ち(1株)とした。
(この間引きは、草勢の強すぎるものと弱いもの、胚軸の曲がったもの、徒長したもの等を中心に行う。生育初期はある程度密生している方が生育は順調であり、間引きが早すぎると初期成育が遅れ、気象変化や病害虫による被害を受けて欠株を生じ易い。)
・1本立ち後は、培地を胚軸に寄せ、垂直に立つように養生した。
・播種後、30〜40日で根部が培地より露出し始めるので、栽培ケースに新しい培地
を充填し、茎際まで埋まるように土寄せを行った。
・播種後、約2ヶ月で収穫できる大きさになった。
「みの早生」の場合、通常の栽培法では播種から収穫までに3ヶ月以上の期間を要するので、本発明の栽培法の促成栽培効果の高さが確認された。
本発明で用いる栽培ケースの一例を示す図。 高設架台に栽培ケースを差し込んだ状態の一例を示す図。 (a)高設架台上にCO供給トンネルを設けた(組み付けた)構造の一例を示す図。 (b)上から見た図(部材の配置を説明するために透視的に示した)。 ダイコンの種類を示す図。

Claims (7)

  1. ハウス内に高設架台を設け、高設架台の上面に、穴を開けた栽培ケース支持板を載置し、この穴に、無菌培地を入れた通気性及び通水性を有する栽培ケースを差し込み、高設架台の下部空間に養液(液肥)のミスト散布設備を設け、高設架台の両側面に高設架台の下部空間をミスト散布室とするための覆いを設け、高設架台の地面に近い底部に、ミスト散布した養液の余りを回収して再利用するための受け皿を設けたことを特徴とする根菜の噴気水耕栽培法。
  2. 栽培ケースが、ネットを円錐状に捲いたもので且つ根菜の収穫時の大きさに応じた径と長さのものであることを特徴とする請求項1記載の根菜の噴気水耕栽培法。
  3. 栽培期に合わせて培地内の温度を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の根菜の噴気水耕栽培法。
  4. 高設架台の上部にCO供給トンネルを設けて葉面付近のCO濃度を高めるようにしたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の根菜の噴気水耕栽培法。
  5. ハウス内に人畜無害の消臭剤の散布設備を設けたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の根菜の噴気水耕栽培法。
  6. 消臭剤がホウセンカから抽出されたものであることを特徴とする請求項5記載の根菜の噴気水耕栽培法。
  7. 植物から抽出した忌避剤を用いてハウス内への昆虫の侵入やハウス内での真菌類の繁殖を防止することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の根菜の噴気水耕栽培法。
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