JP2005198193A - 圧電振動部品 - Google Patents

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Hiroaki Kaida
弘明 開田
Hitoshi Sakaguchi
仁志 坂口
Takashi Hase
貴志 長谷
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Abstract

【課題】 厚み縦振動の高調波を利用しており、該高調波よりも低次の厚み縦振動になる不要モードを効果的に抑圧することができ、良好な共振特性を有するエネルギー閉じ込め型の圧電振動部品を提供する。
【解決手段】 厚み縦振動の高調波を利用したエネルギー閉じ込め型の圧電振動子3と、圧電振動子3を保持している保持部材2と、圧電振動子3の振動減衰領域を保持部材2に連結しており、厚み縦振動の高調波よりも低次の厚み縦振動である不要モードを圧電振動子2側に反射させない不要モード非反射層4a,4bとを備え、圧電振動子3の密度をρ1、不要モード非反射層の密度をρ2としたときに、ρ2/ρ1が0.4以上とされている、圧電振動部品1。
【選択図】 図1

Description

本発明は、厚み縦振動の高調波を利用した圧電振動部品に関し、より詳細には、利用する厚み縦振動の高調波に対してスプリアスとなる低次の厚み縦振動を抑圧する構造が備えられた圧電振動部品に関する。
従来、発振回路等を構成するために、厚み縦振動の高調波を利用した圧電共振部品が種々提案されている。
例えば、下記の特許文献1には、図8(a)及び(b)に示す圧電振動部品が開示されている。圧電共振部品101では、板状の圧電共振子102の上下に封止基板103,104が積層されている。圧電共振子102は、厚み縦振動の3倍波を利用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振子である。ここでは、圧電板105の上面中央に振動電極106が、下面中央に振動電極107が形成されている。振動電極106,107が対向している部分が、励振部を構成しており、該励振部の外側領域が減衰領域を構成している。
また、封止基板103,104の内側の面には、凹部103a、104aがそれぞれ形成されており、それによって3倍波の振動を妨げないための封止空間110,111が形成されている。特許文献1に記載の圧電共振子101では、上記圧電板105の厚みをt、振動電極106,107から封止部までの最短距離をdとしたときに、0<d/t<5となるように封止空間110,111が構成されている。このような封止空間の110,111を構成することにより、3倍波より大きな減衰領域の必要な基本波による応答を抑圧することができるとされている。
他方、下記の特許文献2には、図9に示す厚み縦圧電共振子が開示されている。厚み縦圧電共振子121は、ストリップ型の形状を有し、厚み縦振動モードの3倍波を利用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振子である。厚み縦圧電共振子121は、ストリップ型の矩形板状の圧電体122を有する。圧電体122の上面中央に振動電極123が形成されており、下面中央に振動電極124が形成されている。振動電極123,124は、圧電体122の長さ方向中央において圧電体122を介して対向されている。振動電極123,124が対向している部分が励振部を構成しており、その長手方向両側の圧電体部分が振動減衰領域を構成している。
特許文献2に記載の構成では、圧電体122の圧電定数d31の絶対値が20×10-12C/N以下の圧電材料により構成されており、それによって所望でないスプリアスを抑圧し得るとされている。
特開2000−138554号公報 特開平11−4136号公報
上記のように、特許文献1や特許文献2に記載のエネルギー閉じ込め型の圧電共振子は、厚み縦振動の3倍波を利用したものであり、スプリアスを抑圧するために、d/t比や圧電体を構成する圧電材料の圧電定数を特定範囲としている。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の構成では、必ずしも低次の厚み縦振動、特に厚み縦振動の基本波の振動を充分に抑圧することはできなかった。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、厚み縦振動の高調波を利用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振部品であって、利用しようとする高調波よりも低次の厚み縦振動である不要モードを効果的に抑圧することができ、従って良好な共振特性を有する圧電振動部品を提供することにある。
本発明に係る圧電振動部品は、励振部と、励振部の周囲に配置された振動減衰領域とを有する厚み縦振動の高調波を利用したエネルギー閉じ込め型の圧電振動子と、前記圧電振動子を保持している保持部材と、前記圧電振動子の振動減衰領域を保持部材に連結しており、前記厚み縦振動の高調波よりも低次の厚み縦振動である不要モードを圧電振動子側に反射させない不要モード非反射層とを備え、前記圧電振動子の密度をρ1、前記不要モード非反射層の密度をρ2としたとき、ρ2/ρ1≧0.4とされていることを特徴とする。
本発明に係る圧電振動部品のある特定の局面では、前記振動減衰領域の大きさが、利用する厚み縦振動の高調波を閉じ込めるが、該高調波よりも大きな振動減衰領域を必要とする低次の振動を閉じ込めることができない大きさとされている。
本発明に係る圧電振動部品のある特定の局面では、前記保持部材の上面に複数の前記不要モード非反射層が固定されており、該複数の不要モード非反射層上に前記圧電振動子の減衰領域の端部付近が固定されている。
本発明に係る圧電振動部品では、好ましくは、上記不要モード非反射層は導電性材料により構成される。
本発明に係るに圧電振動部品のさらに他の特定の局面では、前記保持部材の不要モード非反射層が連結される部分において、保持部材面に電極が形成されており、該電極に不要モード非反射層が連結されている。
本発明に係る圧電振動部品では、エネルギー閉じ込め型の圧電振動子の振動減衰領域と保持部材とが不要モード非反射層により連結されており、かつ圧電振動子の密度をρ1、不要モード非反射層の密度をρ2としたとき、ρ2/ρ1≧0.4とされているため、利用する厚み縦振動の高調波よりも低次の厚み縦振動である不要モードの反射が抑制され、それによって該不要モードによるスプリアスを効果的に抑圧することができる。
すなわち、利用する厚み縦振動の高調波の波長に比べて、不要モードとなる低次の厚み縦振動の波長は長い。そのため、目的とする高調波を閉じ込めるのに必要な大きさの振動減衰領域では、上記不要モードは減衰されない。そのため、従来の圧電共振部品では、減衰されなかった不要モードが、振動減衰領域の端部に達し、反射されていた。特に、基本波はポワソン比が0.33以上の圧電材料を用いた場合を除いて、振動減衰領域を如何に大きくしたとしても減衰しない。すなわち、基本波は振動減衰領域の端部に必ず到達し、反射されていた。
これに対して、本発明に係る圧電振動部品では、上記不要モード非反射層が圧電振動子に連結されており、振動減衰領域の端部に達した不要モードは不要モード非反射層により反射されず、吸収される。そのため、不要モードによるスプリアスが抑圧される。従って、本発明に係る圧電振動部品では、利用しようとする厚み縦振動の高調波による共振特性を利用し、しかもスプリアスとなる低次の厚み縦振動を効果的に抑圧することができ、それによって良好な特性を得ることができる。
よって、本発明に係る圧電振動部品を例えば発振回路などに用いた場合、不要モードによる異常発振などを確実に防止することができる。
本発明において、振動減衰領域の大きさが、利用する厚み縦振動の高調波を閉じ込めるが、それよりも大きな振動減衰領域を必要とする低次の振動を閉じ込められない大きさとされている場合には、上記不要モード非反射層を設けたことにより、利用する厚み縦振動の高調波よりも低次の不要モードの反射が抑制され、該不要モードによるスプリアスを効果的に抑圧することができる。従って、圧電振動部品の振動減衰領域の大きさをさほど大きくすることなく、上記不要モードを抑制することができるので、共振特性に優れており、かつ小型の圧電振動部品を提供することができる。
保持部材の上面に複数の不要モード非反射層が固定されており、複数の不要モード非反射層上に圧電振動子が固定されている構造では、保持部材、不要モード非反射層及び圧電振動子をこの順序で積層することにより、本発明に係る良好な特性を有する圧電振動部品を容易に製造することができるとともに、特性の良好な積層型の厚み縦振動の高調波を利用した圧電振動部品を提供することができる。
不要モード非反射層が導電性材料により構成されている場合には、本発明に係る圧電振動子の振動電極と、保持部材側に設けられた電極とを、不要モード非反射層を利用して電気的に接続することができる。すなわち、不要モード非反射層に、不要モードを吸収してスプリアスを抑圧する機能と、電気的接続機能との双方の機能を持たせることができる。
例えば、保持部材の不要モード非反射層が連結される部分において、保持部材面に電極が形成されており、該電極に不要モード非反射層が連結されている構成の場合には、不要モード非反射層は導電性材料により構成されることにより、保持部材上の電極と、圧電振動子と、不要モード非反射層を用いて電気的に接続することができる。従って、不要モード非反射層が設けられている部分以外に、電気的接続部分をさらに別途設ける必要がない。
以下、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1は、本発明の一実施形態に係る圧電振動部品の正面断面図であり、図2はその分解斜視図である。
圧電振動部品1では、矩形板状の絶縁基板からなる保持部材2上に、圧電振動子3が積層されている。
上記保持部材2は、絶縁性セラミックスや絶縁性樹脂などの適宜の絶縁性材料により構成されている。
保持部材2の上面2aには、電極5,6が形成されている。図2に示すように、電極5,6は、保持部材2の上面2aから側面2bに至るように形成されている。図2では明らかではないが、保持部材2の側面2bとは対向している他方側の側面2cにも至るように電極5,6が形成されている。
電極5,6は、保持部材2の外表面上に、AuやCuなどの適宜の導電膜を形成することにより構成されている。
圧電振動子3は、ストリップ状の矩形板状の圧電板7を有する。圧電板7は、厚み方向に分極処理されている。圧電板7の長さ方向中央において、圧電板7の上面に振動電極8が形成されている。圧電板7の下面中央には振動電極9が形成されている。振動電極8,9が圧電板7を介して対向している部分が励振部を構成しており、励振部の外側の圧電板部分が振動減衰領域を構成している。圧電板7に振動電極8,9を介して交流電界が印加されると、圧電板7の励振部が励振し、厚み縦振動の3倍波が励振部に閉じ込められる。
なお、本実施形態では、上記振動減衰領域の大きさは、利用する厚み縦振動の3倍波を閉じ込めることができるが、該3倍波よりも低次の大きな振動減衰領域を必要とする振動を閉じ込めることができない大きさとされている。従って、圧電振動子3の振動減衰領域は、上記低次の振動を閉じ込めることができる振動減衰領域に比べて小さくされている。
他方、振動電極8,9は、圧電板7の中央から圧電板7の異なる端部に至って延ばされている。すなわち、振動電極8は、圧電板7の一方の端面7aに至るように形成されており、端面7aから下面7c上に至る電極延長部8aを有する。同様に、振動電極9は、端面7aとは反対側の端面7bに至っており、端面7bから上面7dに至る電極延長部9aを有する。
圧電振動子3を構成している圧電板7は、チタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスなどの適宜の圧電セラミックス、あるいは圧電単結晶などにより構成される。
また、振動電極8,9は、Al、Cu、Agなどの金属もしくは合金等により構成され得る。
振動電極8の電極延長部8aの圧電板7の下面7cに至っている部分においては、圧電振動子3は不要モード非反射層4aに接合されている。また、圧電振動子3は、振動電極9の端面7b側に向かって延ばされている部分において、不要モード非反射層4bに接合されている。すなわち、圧電振動子3は、振動減衰領域において、不要モード非反射層4a,4bに連結されている。
上記不要モード非反射層4a,4bは、エポキシ系接着剤に導電性粉末としてAg充填剤を20〜50重量%の割合で含有している導電性接着剤であって、固化後に比重が3〜5の範囲となる導電性接着剤で構成されている。
また、不要モード非反射層4a,4bの密度ρ2、圧電振動子3を構成している圧電体7の密度ρ1としたとき、ρ2/ρ1は0.4以上とされている。
さらに、上記不要モード非反射層4a,4bの厚みは、例えば上記導電性接着剤を充分な厚さで塗布し、硬化させた後、削ることによりその厚みが調整されている。
また、上記不要モード非反射層4a,4bが設けられた圧電振動子3は、不要モード非反射層4a,4bに比べて充分に薄い固定用導電性接着剤10a,10bを用いて保持部材2の上面に形成された電極5,6に接合されている。言い換えれば、圧電振動子3は、不要モード非反射層4a,4bを介して間接的に保持部材2に固定されている。もっとも、固定用導電性接着剤10a,10bを用いることなく、不要モード非反射層4a,4bを直接電極5,6に接合してもよい。
上記固定用導電性接着剤は、物理的な固定と、電気的接続機能とを果たす限り、適宜の導電性接着剤により構成され得る。また、導電性接着剤として、不要モード非反射層4a,4bを構成している導電性接着剤と同じ材料を用いてもよく、異なる導電性接着剤を用いてもよい。
また、本実施形態では、不要モード非反射層4a,4bは導電性材料により構成されているため、振動電極8,9は、不要モード非反射層4a,4bを介して保持部材2に形成されている電極5,6に電気的に接続されている。
もっとも、不要モード非反射層4a,4bは、後述の不要モードを反射させない機能を有する限り、導電性材料で構成される必要は必ずしもない。その場合には、振動子電極8,9と電極5,6との電気的接続を、不要モード非反射層4a,4bが設けられている部分以外で行えばよい。不要モード非反射層4a,4bが導電性材料以外の材料で構成されている場合には、不要モード非反射層4a,4bを介さず直接圧電振動子3を保持部材2に連結してもよい。すなわち、圧電振動子3は、電気的には直接または間接に保持部材2に連結され得る。
本実施形態では、電気的接続に必要な部分において、不要モード非反射層4a,4bを導電性材料で構成することにより、電気的接続部分として設けなければならない部分において不要モード非反射層4a,4bが配置されているため、製造工程の煩雑さを招くことなく、不要モードの反射を抑制し、それによって良好な特性を得ることができる。
本実施形態では、上記圧電振動子3を封止するように、下方に開いた開口を有する金属ケース11が保持部材2に固定されている。金属ケース11のような封止用ケース部材は必ずしも必要ではないが、圧電振動子3を封止することにより、耐湿性等の耐環境特性を高めることができる。
本実施形態の圧電振動部品1の特徴は、上記不要モード非反射層4a,4bにより圧電振動子3が保持部材2に連結されていること、並びに圧電振動子3を構成している圧電板7の密度をρ1、不要モード非反射層4a,4bの密度をρ2としたとき、ρ2/ρ1が0.4以上とされていることにより、それによって厚み縦振動の3倍波よりも低次の厚み縦振動である不要モード、特に厚み縦振動の基本波が効果的に抑圧される。これを具体的な実験例に基づき説明する。
本実施形態の圧電振動部品1において、圧電振動子3を構成している圧電板7の材料と、不要モード非反射層4a,4bを構成する材料を種々異ならせ、ρ2/ρ1を種々変化させ、種々の圧電振動部品1を作製した。なお、圧電振動子3としては、共振周波数が30MHzである厚み縦振動の3倍波を利用した圧電振動子を用い、保持部材2はセラミック基板により、固定用導電性接着剤10a,10bはエポキシ系導電性接着剤により構成した。このようにして得られた種々の圧電振動部品におけるスプリアスとなる厚み縦振動の基本波の位相最大値を測定した。結果を図3に示す。図3の横軸は密度比ρ2/ρ1であり、縦軸は基本波の位相最大値である。
図3から明らかなように、密度比ρ2/ρ1が大きくなるほど、不要モードである基本波の位相最大値が小さくなることがわかる。一般に、スプリアスによる異常発振を回避するには不要モードの位相は、70度以下であることが必須であるとされており、温度変化による位相最大値のばらつきを考慮すると、常温では基本波の位相最大値は65度以下であることが望まれる。従って、図3か明らかなように、密度比ρ2/ρ1を0.4以上とすれば、基本波によるスプリアスを効果的に抑圧でき、それによって例えば発振回路を構成した場合の異常発振を確実に防止することができる。よって、本実施形態では、密度比ρ2/ρ1は、0.4以上とされている。
次に、上記圧電振動部品1における不要モード非反射層4a,4bの厚みを種々異ならせ、利用する厚み縦振動の3倍波の位相最大値と、スプリアスとなる厚み縦振動の基本波の位相最大値とを求めた。用意した圧電振動子3は、上記と同様に共振周波数が30MHzである、厚み縦振動の3倍波を利用した圧電振動子である。結果を図4に示す。図4から明らかなように、不要モード非反射層4a,4bの厚みが45μmあるいは70μmである場合に、スプリアスとなる基本波の位相最大値が充分に小さくなることがわかる。
すなわち、図4から明らかなように不要モード非反射層4a,4bの厚みが特定の範囲にあるときに、不要モードである厚み縦振動の基本波の応答が小さくなることがわかる。ここで、不要モードである厚み縦振動の基本波の波長は90μmである。
次に、上記不要モード非反射層4a,4bの厚みを変化させた場合に、不要モードである厚み縦振動の基本波の比帯域幅dF/Faの変化を調べた。結果を図5に示す。図5の縦軸は、厚みモードの基本波の帯域幅変化率dF/Fa(%、但し、Faは反共振周波数、dFは(Fa−Fr)で帯域の幅をいうものとする)。なお、Frは共振周波数である。また、横軸は、不要モード非反射層の厚みを厚み縦振動の基本波の波長λで規格化した値である。図5から明らかなように、不要モード非反射層の厚みを異ならせた場合に、スプリアスとなる基本波の応答が小さくなる領域は周期的に現れることがわかる。すなわち、不要モード非反射層の厚みについては、適切な範囲があり、図5からは、λ/2の整数倍付近が好ましいと考えられる。もっとも、λ/2の整数倍から不要モード非反射層4a,4bの厚みが外れた場合であっても、本発明に従って、スプリアスとなる基本波の応答を小さくし得ることがわかる。
なお、上記実施形態では、保持部材2上に不要モード非反射層4a,4bが積層され、不要モード非反射層4a,4b上に圧電振動子3が積層されているため、不要モード非反射層4a,4bの厚みを適切な値とすることが望ましい。
これに対して、本発明では、保持部材と不要モード非反射層と圧電振動子との連結構造は、上記積層構造に限定されない。例えば、図6に略図的に示すように、厚み縦圧電共振子21の長さ方向両側に不要モード非反射層22,23が連結されており、該不要モード非反射層22,23の外側に保持部材24,25が連結されていてもよい。この場合厚み縦圧電共振子21としては、例えば、特許文献2に記載の厚み縦圧電共振子などを用いることができる。このように、圧電振動子、不要モード非反射層及び保持部材が横方向において直線状に配置されていてもよい。この場合には、不要モード非反射層22,23の厚みとは、不要モード非反射層22,23の圧電共振子21側端面22a,23aと、保持部材24,25側の端面22b,23bとの間の長さをいうものとする。
図7は、本発明のさらに他の実施形態に係る圧電振動部品を示す分解斜視図である。図7に示す圧電振動部品31では、厚み縦振動の3倍波を利用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振子32が用いられている。圧電共振子32は、矩形板状の圧電板33を有する。圧電板33の上面中央には、振動電極34が形成されている。図7では、図示を省略されているが、下面中央にも、振動電極34と対向する振動電極が形成されている。振動電極34と下面に設けられた振動電極が対向している部分が、励振部を構成しており、該励振部の外側の圧電板部分が振動減衰領域を構成している。
ここでは、圧電振動子32の上面側に保持部材としての封止基板35が、下面側にも保持部材としての封止基板36が積層される。封止基板36の上面には、凹部36aが形成されている。凹部36aは、圧電振動子32の3倍波の振動を妨げないための封止空間を形成するために設けられている。封止基板35の下面にも同様の凹部が形成されている。
そして、本実施形態では、上記封止基板35,36は、それぞれ、矩形枠状の接着剤層からなる不要モード非反射層37、38を用いて、封止基板35,36が圧電振動子32に接着されている。
すなわち、矩形枠状の絶縁性接着剤からなる不要モード非反射層37,38は封止基板35,36を圧電振動子32に直接連結する機能と、本発明に従って不要モードである厚み縦振動の低次の振動を反射させない機能の双方を有する。
なお、上述してきた実施形態では、厚み縦振動の3倍波を利用した圧電振動子を用いた圧電振動部品につき説明したが、3倍波以外の5倍波等の他の厚み縦振動の高調波を利用した圧電振動部品にも本発明を適用することができる。
また、本発明により抑圧される不要モードは、必ずしも厚み縦振動の基本波に限定されず、厚み縦振動の高調波を利用する際に、利用する高調波よりも低次の厚み縦振動の範囲であればよい。
本発明の一実施形態に係る圧電振動部品の正面断面図。 図1に示した圧電振動部品の分解斜視図。 図1に示した圧電振動部品における不要モード非反射層の密度ρ2と圧電振動子の密度ρ1との比ρ2/ρ1を変化させた場合の不要モードである厚み縦振動の基本波の位相最大値の変化を示す図。 不要モード非反射層の厚みを異ならせた場合の厚み縦振動の3倍波と、不要モードである厚み縦振動の基本波の位相最大値の変化を示す図。 不要モード非反射層の厚みを異ならせた場合の不要モード非反射層の厚み縦振動の基本波の波長が規格化された値と、不要モードである厚み縦振動の基本波の比帯域幅変化率dF/Faとの関係を示す図。 本発明に係る圧電振動部品の他の実施形態を示す略図的正面図。 本発明に係る圧電振動部品のさらに他の実施形態を示す分解斜視図。 (a)及び(b)は、従来の圧電振動部品の一例を説明するための正面断面図及び(a)中のA−Aに沿う断面図。 従来の厚み縦圧電共振子を示す斜視図。
符号の説明
1…圧電振動部品
2…保持部材
2a…上面
2b,2c…側面
2d…下面
3…圧電振動子
4a,4b…不要モード非反射層
5,6…電極
7…圧電板
7a,7b…端面
7c…下面
7d…上面
8,9…振動電極
10a,10b…固定用導電性接着剤
11…金属ケース
21…圧電振動子
22,23…不要モード非反射層
22a,22b,23a,23b…端面
24,25…保持部材
31…圧電振動部品
32…圧電振動子
33…圧電板
34…振動電極
35,36…保持部材としての封止基板
37,38…不要モード非反射層

Claims (5)

  1. 励振部と、励振部の周囲に配置された振動減衰領域とを有する厚み縦振動の高調波を利用したエネルギー閉じ込め型の圧電振動子と、前記圧電振動子を保持している保持部材と、前記圧電振動子の振動減衰領域を保持部材に連結しており、前記厚み縦振動の高調波よりも低次の厚み縦振動である不要モードを圧電振動子側に反射させない不要モード非反射層とを備え、前記圧電振動子の密度をρ1、前記不要モード非反射層の密度をρ2としたとき、ρ2/ρ1≧0.4とされていることを特徴とする、圧電振動部品。
  2. 前記振動減衰領域の大きさが、利用する厚み縦振動の高調波を閉じ込めるが、該高調波よりも大きな振動減衰領域を必要とする低次の振動を閉じ込めることができない大きさとされている、請求項1に記載の圧電振動部品。
  3. 前記保持部材の上面に複数の前記不要モード非反射層が固定されており、該複数の不要モード非反射層上に前記圧電振動子の減衰領域の端部付近が固定されている、請求項1または2に記載の圧電振動部品。
  4. 前記不要モード非反射層が導電性材料により構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧電振動部品。
  5. 前記保持部材の不要モード非反射層が連結される部分において、保持部材面に電極が形成されており、該電極に不要モード非反射層が連結されている、請求項4に記載の圧電振動部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20210109342A1 (en) * 2019-10-11 2021-04-15 Masayuki FUJISHIMA Light deflector, deflecting device, distance-measuring apparatus, image projection device, and vehicle

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