JP2005198044A - 電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 「B−CASカード」等のように貨幣と同様の価値を有する一定の識別情報カードを使用する電子機器において、その識別情報カードが素手によって簡単に取り外すことができる場合には盗難のおそれがある。
【解決手段】 識別情報カード10が出し入れされるスロット状のカード挿入口15を有する外装ケース6と、カード挿入口15から挿入された識別情報カード10の抜き取りを防止するカードホルダ30と、を備えて構成されている。
【選択図】 図7
【解決手段】 識別情報カード10が出し入れされるスロット状のカード挿入口15を有する外装ケース6と、カード挿入口15から挿入された識別情報カード10の抜き取りを防止するカードホルダ30と、を備えて構成されている。
【選択図】 図7
Description
本発明は、B−CASカード、C−CASカード、ICカード、キャッシュカード等のように各種の識別情報が記憶された識別情報カードが用いられる電子機器に関し、特に、電子機器に装着された識別情報カードを素手では簡単に取り出すことはできないが、所定の道具を用いることにより電子機器を傷つけることなく識別情報カードを簡単に取り出すことができるカード取出し制限機構に関するものである。
従来、一般に、この種の識別情報カードが用いられる電子機器としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1には、電子機器の筐体に形成されている開口部を開閉自在な二重扉の開閉装置を有する電子機器に関するものが記載されている。この二重扉の開閉装置を有する電子機器は、筐体の開口部を開閉自在な二重扉の開閉装置を有する電子機器であり、前記二重扉の開閉装置は、前記筐体の開口部を操作者の操作により開閉自在に閉じるための第1扉であり、前記筐体の開口部を開く際には単独で開くことが可能な前記第1扉と、前記第1扉の内側に配置されて、前記操作者の操作により前記筐体の開口部の一部分を開閉自在に閉じるための第2扉であり、前記第1扉が前記筐体の開口部を開いている状態では単独で前記筐体の開口部の一部分を開閉自在であり、前記第1扉により前記筐体の開口部を閉じる動作に連動して前記筐体の開口部の一部分を閉じる前記第2扉とを備えることを特徴としている。
このような構成を有する二重扉の開閉装置を有する電子機器によれば、前側に位置する扉が閉まっている場合には、後側の扉も必ず閉めることができ、前川の扉が開いている状態では、後側の扉が閉まっている状態を目視で確認することができる、という効果が期待される。
近年、複数の放送事業者やサービス提供事業者に対する視聴契約や会員登録を行うことにより、登録された情報に基づいて登録した者のみが特定の放送番組を見ることができたり、特定のサービスを受けることができる、いわゆる限定視聴システム(CAS)が提供されている。例えば、限定視聴システムを用いたデジタル放送では、視聴者が電子商取引(=Tコマース)や商品購入(=Tショッピング)を行ったり、クイズ番組等へリアルタイムに参加する等、ユーザーとのインタラクティブなデータ放送が提供されている。
このようなデジタル放送において、例えば、BSデジタル放送の場合は、まず、BSデジタルチューナとアンテナからなるBS放送用受信機を設置し、無料の放送番組を視聴する場合には設置後すぐに視聴可能となるが、インタラクティブなデータ放送を視聴する場合には、各放送事業者やサービス提供会社等と個別に視聴契約や会員契約を行うことにより視聴可能となる。
例えば、日本衛生放送(株)[WOWWOW]、(株)スターチャンネルの場合には、それぞれの放送事業者と個別の視聴契約を行い、(株)ビーエスフジ[BSフジ]と(株)ビーエスアイ[BS−i]と(株)ビーエス朝日[BS朝日]の場合には、3社共通の視聴会員登録を行い、BS(株)ビーエス日本[BS日本]と(株)ビー・エス・ジャパン[BSジャパン]の場合は、2社共通の会員登録を行うようになっている。
視聴契約の方法は、各放送事業者とも略同様であり、購入したBSデジタルチューナに同梱されている「B−CASカード」と呼ばれるデジタル放送を視聴するためのICカードに記録されているカード番号(同カード番号が記載されたハガキやシールの場合もある。)と、住所、氏名、生年月日、年齢、性別、電話/FAX番号、E−mailアドレス、TコマースやTショッピングの料金支払い方法(口座振替/クレジットカード等)及び選択した支払い方法に用いる口座番号、クレジットカード番号等の登録情報を、申込用紙(ハガキ)等に記入して郵送やFAXしたり、所定のWebサイトや各方法事業者が放送している登録申し込み用のデータ放送(のコンテンツ)を利用して、登録情報を入力する等の方法により契約(登録)が行われている。この契約(登録)の後、その電子機器に付属されている「B−CASカード」の使用が可能となる。
このようにして使用可能とされる「B−CASカード」は、一般に、視聴した時間や受けたサービスの時間等に応じて決定される料金の課金システムに利用されるが、場合によってはフリーパスカードとして使用されることがある。例えば、電気店の店舗や博覧会の会場等において、データ放送の内容を実際に視聴者に見せて視聴契約を勧誘する等の場合である。
この場合、BS放送用受信機等の電子機器から「B−CASカード」を素手で簡単に取り出せるときには、「B−CASカード」は貨幣と同じ価値を有するため、盗難の恐れが生ずる。そのため、「B−CASカード」がフリーパスカードとして使用される場合等においては、電子機器から「B−CASカード」が容易に取り出せないようにする必要がある。一方、同じ電子機器であっても「B−CASカード」を用いる必要のない場合には、「B−CASカード」のための盗難防止機構(装置)は無用のものであって、製品コストのアップにつながることになる。
その一方、盗難防止機構(装置)を必要とする場合においては、その電子機器がユーザーによって使用されるものであることを考慮すると、一定の条件を満足するものである必要があると考えられる。その条件を挙げると、その1は、「B−CASカード」の着脱時に本体の電子機器を傷つけないこと、その2は、中間ユーザー(商店主等)の取り扱いが容易であること、その3は、最終ユーザー(一般消費者等)が容易に取り外せないこと、である。
特開2002−27356号公報
解決しようとする問題点は、「B−CASカード」等のように貨幣と同様の価値を有する一定の識別情報カードを使用する電子機器において、その識別情報カードが素手によって簡単に取り外すことができる場合には盗難のおそれがある点である。
本発明の電子機器は、識別情報カードが出し入れされるスロット状のカード挿入口を有する外装ケースと、カード挿入口から挿入された識別情報カードの抜き取りを防止するカード抜取防止機構と、を備えたことを最も主要な特徴とする。
本発明の請求項2記載の電子機器は、カード抜取防止機構は、カード挿入口に着脱自在に挿入されるカードホルダからなり、そのカードホルダは、カード挿入口に挿入された識別情報カードの外端面と略等しいか又はその外端面より外側に表面が突出するホルダ本体と、そのホルダ本体の識別情報カード先端部の上下に開口される一対の開口部と、外装ケースに係止するための可撓性を具えた係止片と、を有し、一対の開口部を撓ませて識別情報カードを挟持することにより識別情報カードと一緒にカードホルダを抜き取り可能としたことを特徴としている。
本発明の請求項3記載の電子機器は、カードホルダのホルダ本体には、識別情報カードが挿入されるスリットを設け、そのスリットの上下に一対の開口部を開口したことを特徴としている。
本発明の請求項4記載の電子機器は、カードホルダは、可撓性を有する合成樹脂によって形成されていることを特徴としている。
本発明の請求項5記載の電子機器は、カード抜取防止機構は、外装ケースに着脱自在に取り付けられ、その取付時、カード挿入口に装着された識別情報カードの前面まで張り出してその識別情報カードの抜き取りを阻止する頭部を有するネジ部材からなることを特徴としている。
本発明の請求項6記載の電子機器は、カード抜取防止機構は、外装ケースに取り付けられると共にカード挿入口に装着された識別情報カードの前面に出没可能とされた抜取防止片と、その抜取防止片を識別情報カードの前面に出没させる操作具と、からなることを特徴としている。
本発明の請求項7記載の電子機器は、カード挿入口は、外装ケースに回動自在に支持された開閉蓋によって開閉自在としたことを特徴としている。
本発明の電子機器によれば、外装ケースにカード抜取防止機構を装着することにより、カード挿入口に挿入された識別情報カードが簡単に抜き取ることができないようにして、識別情報カードの盗難防止を図ることができる。
本発明の請求項2記載の電子機器によれば、表面部と一対の開口部と係止片とを有するカードホルダでカード抜取防止機構を構成することにより、そのカードホルダをカード挿入口に装着するだけで識別情報カードを簡単に抜き取ることができないようにできると共に、一定の工具を用いて一対の開口部を撓ませて識別情報カードを挟持することにより、そのカードホルダと一緒に識別情報カードを容易に取り出すことができる。
本発明の請求項3記載の電子機器によれば、例えば、ラジオペンチ50の一対の先端を一対の開口部にそれぞれ挿入した後、ラジオペンチ50を締め付けてスリットを撓ませて識別情報カードを挟持することにより、そのカードホルダと一緒に識別情報カードを容易に取り出すことができる。
本発明の請求項4記載の電子機器によれば、可撓性を有する合成樹脂でカードホルダを形成することにより、構造が簡単であって安価に製造できると共に、取り付け・取り外し操作の容易なカード抜取防止機構を構成することができる。
本発明の請求項5記載の電子機器によれば、ネジ部材を外装ケースに取り付けるだけでカード挿入口に挿入された識別情報カードが簡単に抜き取ることができないようにできると共に、そのネジ部材を取り外すだけで識別情報カードをカード挿入口から容易に抜き取ることができる。
本発明の請求項6記載の電子機器によれば、抜取防止片と操作具とでカード抜取防止機構を構成することにより、操作具の操作で抜取防止片を識別情報カードの前面に出没させて、識別情報カードの抜き取り操作と、その抜き取り防止操作を自由に制御することができる。
本発明の請求項7記載の電子機器によれば、カード挿入口を開閉蓋で開閉自在に構成することにより、識別情報カードの着脱時以外のときには、開閉蓋でカード挿入口を覆ってホコリの侵入を阻止したり、外観上の見映えを良くしたりすることができる。
識別情報カードを素手によっては簡単に抜き取ることはできないが、一定の工具(道具)を用いるときには容易に識別情報カードを抜き取ることができるようにする、という目的を、簡単な構造であって安価に製造できると共に、取り扱いが容易であって電子機器本体を傷つけるおそれのないカード抜取防止機構によって実現した。
以下、本発明の実施例を、添付図面を参照して説明する。図1〜図9は本発明の実施の例を示すもので、図1は電子機器の一実施例を示す斜視図、図2はカード挿入口を開閉蓋で閉じた状態の斜視図、図3はカード挿入口を開いた状態の斜視図、図4はカード挿入口の背面図、図5はカード抜取防止機構の第1の実施例を示すカードホルダの斜視図、図6はカード挿入口に識別情報カードを挿入する状態を示す説明図、図7はカード挿入口を開閉蓋で閉じた状態を断面して示す説明図、図8はカードホルダと一緒に識別情報カードを工具で摘まんだ状態を示す説明図、図9はカード抜取防止機構の第2の実施例を断面して示す説明図である。
本発明の第1実施例の全体構成を示す図1は、電子機器の一具体例としてプラズマテレビに適用した例を示すものである。このプラズマテレビ1は、図1に示すように、画像が表示されるディスプレイ部2と、このディスプレイ部2を下方から支持するスタンド部3とから構成されている。ディスプレイ部2には、チャンネルを切り換えるためのチャンネル切換ボタンや音量を切り換えるための音量切換ボタンその他の操作ボタンが取り付けられている。更に、ディスプレイ部2には、スピーカやBSチューナその他の必要な装置が内蔵されている。
このプラズマテレビ1には、登録された情報に基づいて登録した者のみが特定の放送番組を見ることができたり、特定のサービスを受けることができる、いわゆる限定視聴システム(CAS)に対応した装置が内蔵されている。すなわち、内蔵されたBSデジタルチューナに同梱されている「B−CASカード」と呼ばれるデジタル放送を視聴するための識別情報カード(ICカード)が使用可能とされている。ぞのため、ディスプレイ部2の側面には、識別情報カード4が着脱自在に装着されるカード装着部4が設けられている。
カード装着部4は、プラズマディスプレイ5の上下、左右及び背面を囲う外装ケース6の側面部に設けられていて、外装ケース6に回動軸11で回動自在に取り付けられた外装蓋7によって開閉自在とされている。このカード装着部4は、フレームパネル8と開閉蓋9等から構成されている。フレームパネル8は細長い板状の部材からなり、その長手方向と交差する幅方向両側の長辺には、図2及び図3に示すように、このフレームパネル8を外装ケース6に着脱可能に固定するための適度な可撓性を有する多数の固定片12が設けられている。このフレームパネル8の長手方向の一側に、開閉蓋9が開閉自在に装着される凹陥部13が設けられている。
フレームパネル8の凹陥部13の底面には、開閉蓋9が出し入れされるコ字状の切欠き部14と、識別情報カード10が出し入れされるスリット状のカード挿入口15とが設けられている。切欠き部14は、凹陥部13の下辺及び左右の側辺に沿って連続するように形成されており、残された部分の中央やや一側寄りに横方向に延在されたカード挿入口15が配置されている。カード挿入口15は、後述するカードホルダを着脱自在に保持可能なように識別情報カード10の大きさ(長さ及び幅)よりも大きく形成されている。
このカード挿入口15の長辺側中央部の上下には、指先が入り込むのを許容して識別情報カード10をつまみ易くするための指先逃げ部16a,16bが設けられている。同様の理由で、凹陥部13の上辺には、指先の侵入を許容する円弧状に切り欠かれた指先逃げ部17が設けられている。
また、開閉蓋9は、カード挿入口15を開閉自在に覆う蓋部9aと、この蓋部9aの長手方向両側に連続して形成されたアーム部9b,9cとを有している。更に、各アーム部9b,9cには、図4に示すように、それぞれ側方に突出する回動軸部18a,18bが設けられている。これらの回動軸部18a,18bを回動自在に軸支するための一対の軸受部20a,20bがフレームパネル8に設けられて居る。更に、各回動軸部18a,18bには、それぞれ捩りコイルバネ21のコイル部が緩く嵌合されている。これら捩りコイルバネ21のバネ力によって開閉蓋9が、常時、カード挿入口14を閉じる方向に付勢されている。
図5は、この実施例に係るカード抜取防止機構の第1の実施例を示すカードホルダの図である。このカードホルダ30は、カード挿入口15よりも適宜に大きく形成されたホルダ本体31と、このホルダ本体31を外装ケース6に着脱可能に保持する一対の係止片32,33とからなり、適当な材質の合成樹脂によって一体に形成されている。カードホルダ30の材質としては、例えば、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)、POM(ポリアセタール)、ポリエチレン(PE)等のように適当な強さの可撓性を有する合成樹脂が好適であるが、その他の合成樹脂を適用できることは勿論である。
カードホルダ30のホルダ本体31には、識別情報カード10が出し入れされる横長のスリット口35が設けられている。更に、ホルダ本体31には、スリット口35の中央部近傍において当該スリット口35を挟むように一対の開口部36,37が設けられている。一対の開口部36,37は、スリット口35と同方向に延在されていて、一定の工具、例えば、ラジオペンチ50のつまみ側の各先端部がそれぞれ挿入可能な大きさに設定されている。これら開口部36,37の後方に連続するように、前記一対の係止片32,33が一体に形成されている。
すなわち、一対の係止片32,33は、スリット口35の幅と同じ隙間をあけて上下に対向するように設けられている。この一対の係止片32,33が、フレームパネル8のカード挿入口15に挿入される。一方の係止片32の先端部には、カードホルダ30をフレームパネル8に係合保持するための爪部32aが外向きの凸部として設けられている。少なくとも係止片32には適当な強さの可撓性を持たせ、その係止片32を撓み変形可能に構成する。なお、この実施例では、一対の係止片32,33を設けたが、少なくとも一方の係止片32があればよく、その係止片32のみであっても、カードホルダ30をフレームパネル8に確実に係合保持することができる。
このような構成を有するプラズマテレビ1によれば、次のようにしてカードホルダ30を使用することにより、「B−CASカード」等の識別情報カード10がユーザー等によって素手で簡単に抜き取られるのを防止することができ、その識別情報カード10の盗難防止を図ることができる。
次に、カードホルダ30の使用方法について説明する。図6は、ケース蓋7と開閉蓋9を共に開いてカード挿入口15を開放すると共に、そのカード挿入口15に識別情報カード10を挿入する状態を示すものである。このとき、開閉蓋9は、捩りコイルバネ21のバネ力に抗して開放させる。なお、カードホルダ30は、通常、識別情報カード10を挿入した後に装着するものであるため、ここではカードホルダ30を二点鎖線で示している。
次に、図6において、識別情報カード10をカード挿入口15に挿入し、所定の深さまで識別情報カード10を差し込む。これにより、フレームパネル8の背面側に設置される図示しないカード情報読取装置の接続部に、識別情報カード10の差込側に内蔵された図示しないICチップが電気的に接続される。その結果、識別情報カード10に予め記録されている識別情報が読み取り可能となり、特定のデジタル放送を視聴することができるようになる。
このとき、二点鎖線で示すカードホルダ30が無いものとすると、識別情報カード10の外端部がカード挿入口15の前方に大きく突出することになるため、その外端部をユーザーが簡単に摘まむことが可能となり、その突出部を摘まんで抜き取ることができる。そこで、カード挿入口15にカードホルダ30を装着し、そのカードホルダ30で識別情報カード10の外端部を覆い隠すのである。
すなわち、カード挿入口15の所定深さまで挿入された識別情報カード10の上から、重ねるようにしてカードホルダ30を装着する。このとき、カードホルダ30の一対の係止片32,33を、ホルダ本体31の背面が凹陥部13の底面に当接するまで差し込むことにより、一方の係止片32に設けた爪部32aがカード挿入口15を貫通してフレームパネル8の角部に係合される。これにより、カードホルダ30の抜け出しが防止され、カードホルダ30がフレームパネル8にしっかりと固定される。
この状態では、図7に示すように、識別情報カード10の外端面がホルダ本体31の表面と略同じ位置となるため、ユーザーがその外端面を摘まもうとしてもこれを摘まむことができない。また、ホルダ本体31は、それ自体が蒲鉾形をなしていて摘み難い形状となっており、しかも、ホルダ本体31を引っ張っても係止片32でしっかりと固定されているため、カードホルダ30と一緒に識別情報カード10を抜き取ることもできない。
このように識別情報カード10を所定位置まで差し込んだ後、開閉蓋9を開放することにより、その開閉蓋9は、捩りコイルバネ21のバネ力によってその回動軸部18a,18bを回動中心として、図6において時計方向に回動される。その結果、開閉蓋9は、図7に示す状態となり、その蓋部9aによってホルダ本体31の前面全体が覆われる。そのため、この開閉蓋9によって、ホコリ等がカード挿入口15から外装ケース6内に入り込むのを防止することができる。その後、外装蓋7を閉じることにより、開閉蓋9も同様に覆い隠すことができる。
このように装着された識別情報カード10を抜き取る場合には、図8に示すように、一対の開口部36,37と共に識別情報カード10を摘まむことができる一定の工具(道具)を用いることによって簡単に実行することができる。図8に示す実施例は、一定の工具としてラジオペンチ50を用いたものであり、その一対のつまみ側の先端部をカードホルダ30の一対の開口部36,37にそれぞれ挿入する。その後、にぎり側を握って一対の開口部36,37に弾性変形を生じさせ、その変形部分で識別情報カード10を挟持する。
この状態のままラジオペンチ50を引っ張ることにより、カードホルダ30と一緒に識別情報カード10を抜き取ることができる。しかも、ラジオペンチ50等のつまみ工具は、比較的どこにでもあるものであって、その操作も簡単であるため、熟練していない一般のユーザーによっても簡単且つ確実に識別情報カード10を抜き取ることができる。
図9は、本発明の電子機器に係るカード抜取防止機構の第2の実施例を示すものである。この第2の実施例は、カード抜取防止機構としてネジ部材40を用いたものである。このネジ部材40は、識別情報カード10の抜き取りを阻止する円盤状の頭部41と、この頭部41の中心部分に設けたネジ軸部42とから構成されている。このネジ部材40を着脱自在に取付可能とするため、フレームパネル44にはネジ穴45が設けられている。
また、頭部41のネジ軸部42と反対側の面の中央部には、工具(道具)の第2の実施例を示す十字形ドライバの先端部が挿入される工具穴46が設けられている。更に、頭部41の外周縁は、素手ではつまみ難いように面取り部47が設けられている。フレームパネル44のネジ穴45は、ネジ部材40の頭部41の外周部がカード挿入口48に掛かる位置に設定されている。
このような構成とすることによっても、前述した本願発明の目的を、極めて簡単な構造の部品によって達成することができる。しかも、識別情報カード10の抜き取りを阻止するための部品がネジ部材40の1個であるため、装置全体のコストアップを最小限に抑えることができる。更に、ネジ部材40の回動操作だけで取り付け・取り外し作業を行うことができるため、熟練していない一般のユーザーによっても簡単且つ確実に着脱作業を行うことができる。
なお、図示しないが、カード抜取防止機構は、外装ケース6に取り付けられる抜取防止片とその操作具とで構成することもできる。例えば、カード挿入口の前面に抜取防止片を出没可能に取り付けると共に、その抜取防止片を出没ための操作具を別個独立に設ける。このカード抜取防止機構は、例えば、鍵とその開放具との関係をなすようなものであり、操作具で抜取防止片をカード挿入口の前面に出没させることにより、前述した第2の実施例と同様の効果を得ることができる。
以上説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、例えば、前記実施例では、識別情報カードとして「B−CASカード」を適用した例について説明したが、「C−CASカード」、「ICカード」、「キャッシュカード」、「プリペイドカード」その他の識別及び/又は情報用に使用される各種のカードに適用できるものである。また、前記実施例では、電子機器としてプラズマテレビを適用した例について説明したが、その他の電子機器、例えば、通常のアナログテレビやデジタルテレビ、これらに使用されるBSチューナやCSチューナ等は勿論のこと、ビデオテープレコーダ、カセットプレーやその他の電子機器に適用できることは勿論である。
1‥プラズマテレビ(電子機器)、 2‥ディスプレイ部、 4‥カード装着部、 6‥外装ケース、 7‥外装蓋、 8,44‥フレームパネル、 9‥開閉蓋、 10‥識別情報カード、 15,48‥カード挿入口、 30‥カードホルダ(カード抜取防止機構)、 31‥ホルダ本体、 32,33‥係止片、 35‥スリット口、 36,37‥開口部、 40‥ネジ部材、 50‥ラジオペンチ(工具)
Claims (7)
- 識別情報カードが出し入れされるスロット状のカード挿入口を有する外装ケースと、
前記カード挿入口から挿入された前記識別情報カードの抜き取りを防止するカード抜取防止機構と、を備えたことを特徴とする電子機器。 - 前記カード抜取防止機構は、前記カード挿入口に着脱自在に挿入されるカードホルダからなり、
前記カードホルダは、前記カード挿入口に挿入された前記識別情報カードの外端面と略等しいか又は当該外端面より外側に表面が突出するホルダ本体と、前記ホルダ本体の前記識別情報カード外端部の上下に開口される一対の開口部と、前記外装ケースに係止するための可撓性を具えた係止片と、を有し、
前記一対の開口部を撓ませて前記識別情報カードを挟持することにより当該識別情報カードと一緒に前記カードホルダを抜き取り可能としたことを特徴とする請求項1記載の電子機器。 - 前記カードホルダの前記ホルダ本体には、前記識別情報カードが挿入されるスリットを設け、前記スリットの上下に上記一対の開口部を開口したことを特徴とする請求項2記載の電子機器。
- 前記カードホルダは、可撓性を有する合成樹脂によって形成されていることを特徴とする請求項2記載の電子機器。
- 前記カード抜取防止機構は、前記外装ケースに着脱自在に取り付けられ、当該取付時、前記カード挿入口に装着された前記識別情報カードの前面まで張り出して当該識別情報カードの抜き取りを阻止する頭部を有するネジ部材からなることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
- 前記カード抜取防止機構は、前記外装ケースに取り付けられると共に前記カード挿入口に装着された前記識別情報カードの前面に出没可能とされた抜取防止片と、前記抜取防止片を前記識別情報カードの前面に出没させる操作具と、からなることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
- 前記カード挿入口は、前記外装ケースに回動自在に支持された開閉蓋によって開閉自在としたことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
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