JP2005197842A - 音声処理装置 - Google Patents

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秀樹 廣澤
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Abstract

【課題】入力信号に応じてカットオフ周波数を変化させることにより、音割れの発生を防止して、良好な再生音を得る。
【解決手段】設定値記憶部34にはスピーカSLF,SRF,SCF,SLR,SRRの許容限界周波数の情報を保持する。レベル周波数検出部4は、これらの各スピーカ用の入力音声信号のレベル及び周波数を検出する。制御回路31は、レベル及び周波数の検出結果から、入力周波数が許容限界周波数を超えているか否かを判定する。超えている場合には、制御回路31は、入力レベル及び周波数に応じた許容限界周波数を求め、カットオフ周波数をこの許容限界周波数以上の値に設定する。これにより、スピーカSLF,SRF,SCF,SLR,SRRの音割れ等が防止される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ディジタルテレビ放送やAVアンプ、DVDプレーヤ等、2チャネル以上の音響信号を再生するものに好適な音声処理装置に関する。
従来、映像と音声を同時に楽しむと共にその総合効果を得るために臨場感溢れる音場が要求されている。このため、AV機器においても、ドルビーディジタル(登録商標)方式やDTS(ディジタルシアターシステム)方式等が導入されている。
ドルビーディジタル5.1chは、ドルビーサラウンドシステムのディジタルアプリケーションであり、前方左右の2つのステレオスピーカ(メインスピーカ)の間に1つのセンタースピーカを設け、後方にも2つのステレオスピーカ(リアスピーカ)を配置し、更に、LFE(Low Frequency Effect)という低域成分専用のサブウーハーのための1つのスピーカ(サブウーハー)を備えたシステムである。なお、サブウーハーは低域のみであるので、0.1チャンネルとされている。
また、近年、5.1chサラウンドシステムだけでなく、低域成分専用のサブウーハーを用いた、各種サウンドシステムが普及している。これらのシステムでは、サブウーハーと各スピーカを室内に適宜配置し、これらのスピーカーに対応する信号を供給することで、臨場感溢れる音場を構築することができる。
例えば、サブウーハーに所定の周波数(以下、カットオフ周波数という)以下の周波数帯域の信号のみを与え、他のスピーカーに、カットオフ周波数以上の周波数帯域の信号を与えるのである。サブウーハーによって他のスピーカの低域再生限界を超えた低域成分をブーストすることで、バランスのよい音場を構築することができる。
ところで、サブウーハーを採用したシステムにおいては、1個のサブウーハーで低域成分をブーストするようになっていることから、設置場所が認識されない程度にサブウーハーは指向性を持たないように設定する必要がある。人間は、周波数が高くなると音源の位置を認識しやすく、逆に、比較的低い周波数では音源の位置を認識することができない。この理由から、カットオフ周波数としては、サブウーハーの指向特性を考慮して、例えば50Hz程度の比較的低い周波数に設定されている。なお、サブウーハーを使用したオーディオシステムについては、例えば、特許文献1に記載のものがある。
特開2003−274483号公報
ところで、スピーカに例えば大振幅の入力信号を印加すると、振動板やスピーカユニットのダンパ、エッジ、ボイスコイル等の振動部が過大に振動してしまい、スピーカユニットの部材間でぶつかりが生じることがある。このような振動部の過大な振動によって、スピーカの再生音にはぶつかり音等の音割れが生じ、或いは、スピーカ自体が破損してしまうこともある。また、部材間のぶつかりが生じないまでも、スピーカ再生音に歪が生じることがある。
このような振動部の過大な振動に伴う再生音の不良が生じない振動板の限界の振幅量(以下、最大振幅量という)は、スピーカユニットのサイズの影響を受ける。例えば、小口径のスピーカほど最大振幅量は小さい。
スピーカは、入力信号のレベルが一定である場合でも、入力信号の周波数が低いほど、振動板の振幅量は大きくなってしまう。サブウーハー以外の、低域用に設計されていないスピーカでは、比較的低い周波数で比較的高いレベルの入力信号が入力された場合には、最大振幅量を超えて音割れ等が生じることがある。特に、近年、小型化及び薄型化の要求から、小口径のスピーカが多くなっており、サブウーハー以外のスピーカから、音割れ等が生じやすくなっているという問題点があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、入力信号に応じてカットオフ周波数を変化させることにより、音割れ等の発生を防止して、良好な再生音を得ることができる音声処理装置を提供することを目的とする。
本発明に係る音声処理装置は、低域専用スピーカ用の第1の音声信号成分及びその他の1つ以上のスピーカ用の第2の音声信号成分を含む入力音声信号が入力され、前記その他の1つ以上のスピーカ用の音声信号のレベル及び周波数を逐次検出する検出手段と、前記入力音声信号を遅延させる遅延手段と、前記その他の1つ以上のスピーカ用の第2の音声信号成分のレベル及び周波数の検出結果に基づいて検出した周波数が前記1つ以上のスピーカの許容限界周波数を超えているか否かを判定し、超えていると判定した場合には、前記1つ以上のスピーカの入力信号周波数が前記許容限界周波数を超えないように前記遅延手段によって遅延された前記入力音声信号のカットオフ周波数を変更するカットオフ周波数変更手段とを具備したものである。
本発明において、入力音声信号には、低域専用スピーカ用の第1の音声信号成分とその他の1つ以上のスピーカ用の第2の音声信号成分とが含まれる。検出手段は、その他の1つ以上のスピーカ用の第2の音声信号成分について、そのレベル及び周波数を逐次検出する。この検出結果に基づいて、検出した周波数がその他の1つ以上のスピーカの許容限界周波数を超えているか否かを判定する。超えていると判定した場合には、遅延手段によって遅延された入力音声信号のカットオフ周波数を変更する。これにより、その他の1つ以上のスピーカに入力される信号の周波数が許容限界周波数を超えないように変更される。こうして、その他の1つ以上のスピーカは音割れ等を生じることなく、良好な再生音を出力する。
本発明によれば、入力信号に応じてカットオフ周波数を変化させることにより、音割れ等の発生を防止して、良好な再生音を得ることができるという効果を有する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明に係る音声処理装置の一実施の形態を示すブロック図である。なお、図1は5.1chドルビーサラウンドシステムに適用したものである。
図1において、音声処理装置は、AVアンプ1、制御回路31、信号発生器32、許容限界値記憶部33、設定値記憶部34、音量操作部35及び遅延制御回路37によって構成されている。AVアンプ1のデコード・音声処理回路2には、各種音声信号が入力される。デコード・音声処理回路2に入力される音声信号としては、例えば、DVD Video規格、DVD Audio規格、マルチSACD規格、SACD規格、CD規格、2chアナログ規格、Dollby Digital/dts/MPEG2規格等の各種規格のアナログ又はディジタル音声信号がある。
デコード・音声処理回路2は入力された音声信号をデコードして、エンコード前のベースバンド音声信号に変換する。また、例えば、入力音声信号がアナログ信号である場合には、デコード・音声処理回路2はディジタル信号への変換処理を行う。更に、デコード・音声処理回路2は、入力された音声信号に所定の音声信号処理を施すと共に、方式の変換等も行う。例えば、デコード・音声処理回路2は、入力信号のレベル調整等をすると共に、2.1chの音声信号が入力された場合には、入力された2.1chの音声信号を5.1cHドルビーサラウンドシステムの各信号、即ち、左メインスピーカSLF、右メインスピーカSRF、センタースピーカSCF、左リアスピーカSLR、右リアスピーカSRR及びサブウーハーSSW用の各音声信号LF,RF,CF,LR,RR,SWに変換して切換スイッチ3に出力する。
切換スイッチ3には信号発生器32の出力も与えられている。切換スイッチ3はデコード・音声処理回路2からの出力と信号発生器32の出力とを切換えてカットオフ周波数制御部20に出力するようになっている。
信号発生器32は、制御回路31に制御されてレベル及び周波数を変えながら信号を発生する。制御回路31は、各部を制御するようになっている。制御回路31は、スピーカの最大振幅量から、この最大振幅量以内で振動板を振動させるためのスピーカ入力信号の周波数の限界値(以下、許容限界値又は許容限界周波数という)を求めるようになっている。図2は横軸に周波数をとり縦軸にスピーカの振幅量をとって、スピーカの許容限界値を説明するためのグラフである。
上述したように、スピーカは入力信号のレベル及び周波数によって振幅が変化する。図2は振幅が一定の入力信号に対して一定のゲインを与えた場合において、入力信号周波数を変化させたときの各周波数毎のスピーカ振幅を示している。これに対し、スピーカの最大振幅は、各スピーカ固有の値であり、一定の値をとる。例えば、図2の特性を有するスピーカについて、最大振幅量が10mmであるものとすると、図2で特性を示す所定レベルの入力信号については、周波数が110Hz以下となった場合に、スピーカが最大振幅量を超えて振動することが分かる。即ち、この場合の許容限界値は110Hzである。なお、入力信号のレベルが変化した場合には、図2の特性が比例的に変化するものと考えることができる。従って、1つ又は数種類のレベルについて特性を求めることで、全ての入力レベルについての特性を得ることができる。
制御回路31は、音声出力を行う各スピーカSLF,SRF,SCF,SLR,SRR(サブウーハーSSWを除く)について、実使用前に、図2の特性に基づく許容限界値を求めるようになっている。即ち、制御回路31は、許容限界値検出モード時において、信号発生器32に対して、所定レベルで周波数が変化する信号を発生させる。信号発生器32が発生した信号は切換スイッチ3を介してカットオフ周波数制御部20に与えられる。
許容限界値検出モード時には、制御回路31は、カットオフ周波数制御部20に対して所定の固定のゲイン制御のみを行わせる。切換スイッチ3からの信号は、カットオフ周波数制御部20によって一定ゲインが付与された後、アンプ42〜46を夫々介してスピーカSLF,SRF,SCF,SLR,SRRに出力される。
ユーザは、各スピーカSLF,SRF,SCF,SLR,SRRの再生音声を聞きながら音割れ等が生じた周波数を計測して、或いは各スピーカの振動板の振動量を計測することで、各スピーカ毎に、図2の特性を求めるための情報を図示しない入力装置によって制御回路31に入力する。これにより、制御回路31は、各スピーカ毎に、所定レベルの入力信号に対する図2の特性を取得する。上述したように、図2の特性は信号レベルに比例するので、制御回路31は、各レベル毎に図2の特性を算出することができる。
制御回路31は、サブウーハーSSWを除く各スピーカ毎に求めた図2と同様の特性情報を許容限界値記憶部33に与えて記憶させる。また、制御回路31は、許容限界値記憶部33に記憶させた特性情報から、サブウーハーSSWを除く各スピーカ毎に、入力信号のレベルと許容限界値(周波数)との関係を求め、これらの関係を示す設定値テーブルを各スピーカ毎に作成して設定値記憶部34に与えて記憶させるようになっている。
なお、各スピーカについて図2と同様の特性情報が既知である場合、或いは、入力信号の入力レベルと許容限界値(周波数)との関係が既知である場合には、許容限界値検出モードを省略可能であることは明らかである。この場合には、切換スイッチ3及び信号発生器32は省略可能である。また、本実施の形態においては、入力信号の入力レベルと許容限界値(周波数)との関係を設定値テーブルとして保持する例を示しているが、各スピーカについての図2の特性が明らかであれば、許容限界値は設定値テーブルを用いることなく、実使用時に算出することによって得てもよいことは明らかである。
カットオフ周波数制御部20はレベル・周波数検出部4を有している。レベル・周波数検出部4は、切換スイッチ3からの各音声信号LF,RF,CF,LR,RRに夫々対応したレベル・周波数検出回路5乃至9によって構成される。レベル・周波数検出回路5乃至9は、夫々入力された各音声信号LF,RF,CF,LR,RRの振幅レベル及び周波数を検出して、検出結果を制御回路31に出力するようになっている。
レベル及び周波数が検出された各音声信号LF,RF,CF,LR,RR及びサブウーハー用の音声信号SWは、夫々遅延回路10乃至14及び27に供給されるようになっている。遅延回路10乃至14及び27は、入力された音声信号LF,RF,CF,LR,RR,SWを所定の遅延量だけ遅延させて、夫々可変ハイパスフィルタ(HPF)15乃至19又は可変ローパスフィルタ(LPF)28に出力するようになっている。
制御回路31は、後述するように、入力された音声信号のレベル及び周波数の検出結果に基づいて、そのレベルにおけるスピーカ入力信号の周波数が許容限界値を超えているか否かを判定し、超えていると判定した場合には、各スピーカ用の音声信号のカットオフ周波数を求めた許容限界値以上の値、例えば許容限界値に一致させるようになっている。この場合において、カットオフ周波数を急激に変化させると、この変化点において音声再生出力の変化が大きくなり、再生音に違和感を感じることになる。そこで、本実施の形態においては、充分な時間をかけてカットオフ周波数を変更させるようになっている。また、本実施の形態においては、入力された音声信号のレベル及び周波数をレベル・周波数検出部4において検出した後、検出結果に基づいて、音声信号の対応するタイミングのカットオフ周波数を変更するようになっている。これらの理由から、本実施の形態においては、レベル及び周波数の検出結果に基づくカットオフ周波数の変更を有効にするために、音声信号を遅延させるようになっている。
なお、各スピーカには、後述するように、フィルタによって帯域制限された音声信号が入力されるようになっているので、本実施の形態においては、許容限界周波数はフィルタのカットオフ周波数の初期値以上の値とする。
制御回路31は、入力信号のレベル及び周波数の検出結果が与えられると共に、音量操作部35のボリューム操作に基づく音量制御レベルの情報を取得する。制御回路31はこれらの情報に基づいて、各スピーカに入力される信号の周波数が許容限界値に到達するか否かを判定する。制御回路31は、到達しないと判定した場合には、可変ハイパスフィルタ(HPF)15乃至19及び可変ローパスフィルタ(LPF)28のカットオフ周波数を所定の初期値(例えば50Hz等の固定値)に維持させるようになっている。制御回路31は、入力信号のレベル及び周波数等から、各スピーカに入力される信号の周波数が許容限界値に到達するものと判断した場合には、各スピーカに入力される信号の周波数が許容限界値に達しないように、可変HPF15乃至19及び可変LPF28のカットオフ周波数を、設定値記憶部34の設定値テーブルに従って変更するように指示を与えるようになっている。
可変HPF15乃至19は、夫々制御回路31から指示されたカットオフ周波数で動作して、入力された音声信号をカットオフ周波数以上の周波数成分に制限して音量制御回路22乃至26に出力するようになっている。また、可変LPF28は、制御回路31から指示されたカットオフ周波数で動作して、入力された音声信号をカットオフ周波数以下の周波数成分に制限して音量制御回路20に出力するようになっている。
音量制御部21乃至26は、音量操作部35のユーザ操作に基づくゲインが指示されて、夫々入力された各音声信号に対して指示されたゲインで増幅して出力するようになっている。音量操作部35は、図示しないボリューム釦等を有しており、ユーザの各スピーカ毎の音量操作に基づく信号を制御回路31に出力するようになっている。制御回路31内の音量制御レベル検出部36は、音量操作部35のボリューム操作のレベル(音量制御レベル)を検出し、検出結果を音量制御信号として遅延制御回路37を介して各音量制御回路21乃至26に供給するようになっている。
遅延制御回路37は、遅延回路10〜14,27による音声信号の遅延量に相当する時間だけ音量制御信号を遅延させて、各音量制御回路21乃至26に与える。これにより、各音量制御回路21乃至26は、カットオフ周波数の制御に同期させて、ユーザ操作に基づくゲインを各音声信号に付与することができる。
音量制御回路21乃至26の出力は夫々アンプ41乃至46に与えられる。アンプ41乃至46は、入力された各音声信号SW,LF,RF,CF,LR,RRを増幅して、夫々スピーカSSW,SLF,SRF,SCF,SLR,SRRに出力する。スピーカSSW,SLF,SRF,SCF,SLR,SRRは、入力された各音声信号SW,LF,RF,CF,LR,RRに基づいて再生音声出力を出力するようになっている。
制御回路31は、カットオフ周波数を初期値以外の値に設定する場合には、LED49を例えば点灯させて、カットオフ周波数を変更したことをユーザに認識させるようになっている。なお、LED49ではなく、モニタ画面等の適宜の表示部を採用しても良い。
次に、このように構成された実施の形態について実使用時の動作を図3のタイミングチャートを参照して説明する。図3(a)は複数の入力信号のうちの所定の入力信号の信号波形を示している。図3(b)は図3(a)の信号を遅延回路(10〜14,27)によって遅延させて得られる信号(遅延信号)の波形を示している。また、図3(c)は、カットオフ周波数の変化の様子を示している。
設定値記憶部34には、各スピーカSLF,SRF,SCF,SLR,SRR毎に、入力信号の信号レベルと許容限界値との関係を示す設定値テーブルが記憶されているものとする。AVアンプ1には、所定の規格の音声信号が入力される。AVアンプ1のデコード・音声処理回路2は、入力された音声信号をデコードし、オーディオシステムに対応した音声信号に変換する。図1の例では、5.1chドルビーシステムを採用しているので、デコード・音声処理回路2は、入力された音声信号から各スピーカSSW,SLF,SRF,SCF,SLR,SRR用の音声信号LF,RF,CF,LR,RRを生成して出力する。
実使用時は、切換スイッチ3は、デコード・音声処理回路2の出力を選択してレベル・周波数検出部4に与える。切換スイッチ3からの各音声信号LF,RF,CF,LR,RRは夫々レベル・周波数検出回路5乃至9に与えられる。レベル・周波数検出回路5乃至9は、夫々入力された信号のレベル及び周波数を逐次検出し、検出結果を逐次制御回路31に出力する。
いま、各音声信号LF,RF,CF,LR,RRの信号レベルが比較的低く且つ周波数が比較的高く、また、ユーザのボリューム調整のレベル(ボリュームレベル)も比較的低く、各スピーカSLF,SRF,SCF,SLR,SRRに入力される信号の周波数が許容限界値に達してないものとする。この場合には、制御回路31は、逐次入力される各音声信号LF,RF,CF,LR,RRの信号レベル及び周波数と設定値記憶部34の設定値テーブルとを比較することで、各スピーカSLF,SRF,SCF,SLR,SRRに入力される信号の周波数が許容限界値に達していないことを判断することができる。この場合には、制御回路31は、可変HPF15乃至19及び可変LPF28のカットオフ周波数を初期値(例えば50Hz)のままに維持させる。
レベル・周波数検出回路5乃至9からの各音声信号LF,RF,CF,LR,RR及び切換スイッチ3からの音声信号SWは、夫々遅延回路10乃至14及び27によって所定時間遅延された後、可変HPF15乃至19及び可変LPF28に与えられる。音声信号LF,RF,CF,LR,RRについては、夫々可変HPF15乃至19によってカットオフ周波数以上の周波数に帯域制限され、音声信号SWについては可変LPF28によってカットオフ周波数以下の周波数に帯域制限される。
カットオフ周波数制御部20からの各音声信号SW,LF,RF,CF,LR,RRは、夫々音量制御回路21乃至26によって、ユーザのボリューム制御に応じたゲインが付与されて出力される。これらの各音声信号SW,LF,RF,CF,LR,RRは、夫々アンプ41乃至46を介して各スピーカSSW,SLF,SRF,SCF,SLR,SRRに供給され、音声出力される。
ここで、ユーザのボリューム調整が所定のレベルの場合に、各音声信号LF,RF,CF,LR,RRの信号レベルが比較的高く且つ周波数が比較的低くなり、カットオフ周波数を変化させなければ、各スピーカSLF,SRF,SCF,SLR,SRRに入力される信号の周波数が許容限界値を超えてしまう入力信号が入力されるものとする。図3(a)はこのような入力信号の波形を示している。図3(a)のタイミングT1 において、入力信号の振幅レベルが高くなって、許容限界値を超えていることを示している。
この場合には、制御回路31は、逐次入力される各音声信号LF,RF,CF,LR,RRの信号レベル、周波数及びユーザ設定のボリュームレベルと設定値記憶部34の設定値テーブルとを比較することで、タイミングT1 の時点において、許容限界値に達することになるものと判断する。そうすると、制御回路31は、設定値テーブルから図3(a)のタイミングT1 の時点の信号レベルに対応した許容限界値を求める。そして、制御回路31は、例えば、この許容限界値以上の周波数をカットオフ周波数とするように、可変HPF15乃至19及び可変LPF28を制御する。
この場合には、制御回路31は、図3(c)に示すように、許容限界値に到達した時点T1 から所定の時間をかけてカットオフ周波数を所望の値に変化させる。図3(c)の例では、カットオフ周波数を初期値である50Hzから132Hzに変化させることを示している。
入力信号は遅延回路10〜14,27によって図3(a)の矢印で示す期間だけ遅延される。図3(b)はこの遅延信号を示している。遅延信号は可変HPF15乃至19に与えられる。遅延信号が可変PHF15乃至19に入力される場合には、図3(c)に示すように、タイミングT1 に相当するタイミングT1’の所定時間前の時間から、カットオフ周波数は初期値から徐々に変化して132Hzに到達している。これにより、カットオフ周波数の変化に伴う音声出力の変化は緩やかで、違和感を感じにくい。
遅延信号が許容限界値を超えようとするタイミングでは、既にカットオフ周波数が許容限界値以上の周波数になっており、各スピーカSLF,SRF,SCF,SLR,SRRには許容限界値よりも大きい周波数の信号が入力される。
入力音声信号のレベルが低くなると、制御回路31は、ボリュームレベル、信号レベル及び周波数と設定値テーブルの値から許容限界値がカットオフ周波数の初期値(50Hz)になったことを検出する。これにより、制御回路31は、カットオフ周波数を所定の時間をかけて元の初期値(50Hz)に復帰させる。なお、制御回路31は、カットオフ周波数を初期値から変更している期間には、LED49を発光させて、ユーザにカットオフ周波数を変更していることを認識させるようになっている。
なお、カットオフ周波数を高くすることによって、サブウーハーSSWに入力される信号周波数が高くなって、若干サブウーハーの再生出力の指向性が高くなる。しかし、カットオフ周波数の変更は比較的短い期間だけ生じるものと考えることができ、その影響は問題とならない。
このように、本実施の形態においては、ユーザ操作によるボリュームレベル、入力信号のレベル及び周波数を逐次検出し、検出結果に基づいてカットオフ周波数を変更することで、各スピーカに許容限界値を超える周波数の信号が入力されないようにしている。これにより、スピーカの再生音声に音割れ等が生じることはなく、また、スピーカが破損することを防止するこができる。スピーカの音割れ及び破損等が生じないので、ユーザは、安心してボリュームを上げることができる。また、カットオフ周波数は緩やかに変更するようになっており、カットオフ周波数の変更時に再生出力に違和感を感じることはない。また、カットオフ周波数の変更及び音量ボリュームの制御は、遅延させた入力音声信号に対して行っており、フィードバック制御することなく、入力音声信号のレベル及び周波数の検出結果等を利用して、対応するタイミングの音声信号に対して制御を行うことができる。
なお、上記実施の形態においては、カットオフ周波数を変更することで、サブウーハー以外のスピーカについても、許容限界値を越えない振幅量に抑えているが、許容限界値を超えそうな入力音声信号については、更に音量制御を加えることによって、振動板の振幅量を確実に抑えることも可能である。
また、上記実施の形態においては、ドルビーディジタルの5.1chの例を説明したが、それ以外の方式にも適用することができ、例えばチャンネル数は限定されないこと等は明らかである。
ところで、上記実施の形態においては、制御回路は、許容限界値を越えそうな周波数の信号が入力されると判断した場合には、サブウーハー及びその他のスピーカのカットオフ周波数を変更することによって、その他のスピーカに入力される信号が許容限界値を越えないように制御していた。しかし、サブウーハーを有していないシステムにおいては、カットオフ周波数の変更だけでは、許容限界値を越えないように制御することは困難である。
そこで、サブウーハーを有していないシステムでは、ゲイン周波数を変更することによって、許容限界値を越えないように制御する方法を採用することができる。この場合においても、各スピーカについて、図2と同様の特性を事前に取得し、設定値記憶部に、入力信号のレベルと許容限界値との情報を蓄積しておく。そして、例えば、ユーザ操作のボリュームレベル、入力音声信号のレベル及び周波数の検出によって複数のスピーカのうちのいずれか1つのスピーカについて、許容限界値に達してしまいそうになるものとする。この場合には、許容限界値に達しそうな1つのスピーカと他のスピーカとの間で、周波数帯域毎にゲインを変化させる。
例えば、図4(a)は許容限界値に到達しそうな1つのスピーカに対するゲイン特性を示し、図4(b)はそれ以外の各スピーカに対するゲイン特性を示している。図4(a)に示すゲイン特性は、高周波域に比して低周波域におけるゲインが十分に低くなっている。一方、図4(b)に示すゲイン特性は、図4(a)のゲイン特性の逆特性であり、低周波域に比して高周波域におけるゲインが低くなっている。なお、図4(b)に示すゲイン特性は、図4(a)に示すゲイン特性に比して、スピーカの台数の比に応じた分だけゲインの変化が小さくなっている。
許容限界値に到達しそうな1つのスピーカに対して図4(a)の特性でゲインを付与することによって、許容限界値に到達することを防止することができる。また、他のスピーカに与える音声信号に図4(a)の逆特性である図4(b)に示すゲイン特性を付与していることから、総合的な周波数特性を略フラットにすることができ、音質が劣化することを防止することができる。
なお、本発明は、上記各実施の形態以外にも提案の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
本発明に係る音声処理装置の一実施の形態を示すブロック図。 横軸に周波数をとり縦軸にスピーカの振幅量をとって、スピーカの許容限界値を説明するためのグラフ。 本実施の形態の動作を説明するためのタイミングチャート。 本実施の形態の変形例を説明するためのグラフ。
符号の説明
1…AVアンプ、4…レベル周波数検出部、10〜14,27…遅延回路、16〜19…可変HPF、20…カットオフ周波数制御部、21〜26…音量制御回路、28…可変LPF、31…制御回路、32…信号発生器、34…設定値記憶部、SSW…サブウーハー、SLF,SRF,SCF,SLR,SRR…スピーカ。
代理人 弁理士 伊 藤 進

Claims (4)

  1. 低域専用スピーカ用の第1の音声信号成分及びその他の1つ以上のスピーカ用の第2の音声信号成分を含む入力音声信号が入力され、前記その他の1つ以上のスピーカ用の音声信号のレベル及び周波数を逐次検出する検出手段と、
    前記入力音声信号を遅延させる遅延手段と、
    前記その他の1つ以上のスピーカ用の第2の音声信号成分のレベル及び周波数の検出結果に基づいて検出した周波数が前記1つ以上のスピーカの許容限界周波数を超えているか否かを判定し、超えていると判定した場合には、前記1つ以上のスピーカの入力信号周波数が前記許容限界周波数を超えないように前記遅延手段によって遅延された前記入力音声信号のカットオフ周波数を変更するカットオフ周波数変更手段とを具備したことを特徴とする音声処理装置。
  2. 前記カットオフ周波数変更手段は、前記その他の1つ以上のスピーカの各スピーカ毎に、入力レベルと許容限界周波数との関係を示す情報を保持する記憶手段を具備し、
    前記記憶手段に記憶された情報を読み出して前記カットオフ周波数を変更することを特徴とする請求項1に記載の音声処理装置。
  3. 前記カットオフ周波数変更手段は、前記カットオフ周波数の変更を所定の期間をかけて徐々に行うことを特徴とする請求項1に記載の音声処理装置。
  4. 前記カットオフ周波数変更手段は、前記遅延手段からの前記低域専用スピーカ用の第1の音声信号成分について前記カットオフ周波数以下の周波数帯域成分のみを前記低域専用スピーカに与えるための低域通過フィルタと、前記遅延手段からの前記その他の1つ以上のスピーカ用の第2の音声信号成分について前記カットオフ周波数以上の周波数帯域成分のみを前記その他の1つ以上のスピーカに与えるための高域通過フィルタとを具備したことを特徴とする請求項1に記載の音声処理装置。
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