JP2005197454A - 冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の発熱体を均一に冷却することができる冷却装置を提供する。
【解決手段】 複数の半導体素子1、2を有する被冷却体の直下に設置された冷却水の流路としての第1、第2の流路a、bを備え、各流路a、bの両者がそれぞれで各半導体素子1、2の下面全体を覆うように配設されている冷却装置において、第1の流路aが各半導体素子1、2の直下を順次通過した後、折り返して再び各半導体素子1、2の直下を逆向きに順次通過して第2の流路bとして配設され、各半導体素子1、2の直下の第1および第2の流路a、bの接触面積がそれぞれ各半導体素子1、2の半分の接触面積となるように配設される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の発熱体を均一に冷却することができる冷却装置に関するものである。
従来の冷却装置は、冷却水入口から渦巻の中心部までの流路部分と、渦巻の中心部から冷却水出口までの流路部分とが接触面の全面にわたって並行して配置されている。冷却水の温度は、冷却水入口から冷却水出口に向かうにしたがって徐々に上昇するが、接触面のどの部分においても、相対的に冷たい冷却水と温かい冷却水とが流通することとなり、電機部品の発熱体を均一に冷却している。
特開平8−97337号公報
従来の冷却装置は上記のよう構成されているため、互いの流路間隔が一定の渦巻形状の流路上に発熱体を設置しているが、冷却水の流路と発熱体の接触面積との関係が考慮されていない。例えば、半導体素子は通常矩形であり、矩形形状を渦巻き状の円弧の流路を有する冷却装置上に無配慮に設置すると、相対的に冷たい冷却水、温かい冷却水の接触面積がそれぞれ異なり、半導体素子に温度分布を生じさせる一因となる。
また、近年複数の半導体素子を束ねたIPM(Intelligent Power Moduleの略、以下IPMと略す)が開発されており、IPM内の半導体素子は、異なるサイズの半導体素子が使用されている場合がある。この様に様々なサイズの部品を冷却する場合、互いの流路間隔が一定の渦巻形状の流路を有するヒートシンクでは、相対的に冷たい冷却水、温かい冷却水が流れる流路の半導体素子に対する接触面積が異なり、半導体素子間の温度ばらつきを増大させる原因となる。
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、複数の発熱体を均一に冷却することができる冷却装置を得ることを目的とする。
本発明は、複数の発熱体を有する被冷却体の直下に設置された冷却水の流路としての第1の流路および第2の流路を備え、第1の流路および第2の流路の両者がそれぞれで各発熱体の下面全体を覆うように配設されている冷却装置において、
第1の流路が各発熱体の直下を順次通過した後、折り返して再び各発熱体の直下を逆向きに順次通過して第2の流路として配設され、各発熱体の直下の第1および第2の流路の接触面積がそれぞれ各発熱体の半分の接触面積となるように配設されたものである。
本発明の冷却装置、複数の発熱体を有する被冷却体の直下に設置された冷却水の流路としての第1の流路および第2の流路を備え、第1の流路および第2の流路の両者がそれぞれで各発熱体の下面全体を覆うように配設されている冷却装置において、
第1の流路が各発熱体の直下を順次通過した後、折り返して再び各発熱体の直下を逆向きに順次通過して第2の流路として配設され、各発熱体の直下の第1および第2の流路の接触面積がそれぞれ各発熱体の半分の接触面積となるように配設されたので複数の発熱体を均一に冷却することができる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1の冷却装置の構成を示す図、図2は図1に示した冷却装置の原理を説明するための任意の発熱体の部分における冷却装置の構成を示す図である。IPM3は、発熱体となる半導体素子をn個備え、それらの半導体素子は大きな矩形の半導体素子1や小さな矩形の半導体素子2を複数個備えている。そして、このIPM3の下に、グリースを介して冷却装置としての冷却プレート4が配設されている。そして、この冷却プレート4には、各半導体素子1、2は第1の流路aおよび第2の流路bの両者がそれぞれで下面全体を覆うように配設され形成されている。
任意の半導体素子iについて図2を用いて説明する。まず、任意の半導体素子iの直下の第1の流路aと任意の半導体素子iとの接触部分の面積をSaiとし、任意の半導体素子iの直下の第1の流路aの冷却水の温度をTaiとし、第1の流路aの熱伝達率をhai、任意の半導体素子iから冷却水に移動する熱量をQaiとする。また、第2の流路bと任意の半導体素子iとの接触部分の面積をSbiとし、任意の半導体素子iの直下の第2の流路bの冷却水の温度をTbiとし、第2の流路bの熱伝達率をhbiとし、発熱体から冷却水に移動する熱量をQbiとする。任意の半導体素子iから冷却水に移動する総熱量をQiとし、冷却プレート4の表面温度をTpiとすると、以下の関係式(1)が成り立つ。
Qi=Qai+Qbi=(Tpi−Tai)×hai×Sai+(Tpi−Tbi)×hbi×Sbi …(1)
ここで、互いに対向する冷却水の流路の熱伝達率がほぼ同一である場合(hai=hbi)、以下の式(2)となる。
Qi/h=(Tpi−Tai)×Sai+(Tpi−Tbi)×Sbi …(2)
発熱体から冷却プレート表面に至るまでに熱は広がるが、ここではモデル簡略化のため発熱面積S=Sai+Sbiとすると、冷却水の平均上昇温度ΔTiは以下の式で定義できる。
ΔTi=Qi/h/S=((Tpi−Tai)×Sai+(Tpi−Tbi)×Sbi)/S
=Tpi−(Tai×Sai+Tbi×Sbi)/S
従って
Tpi=ΔTi+(Tai×Sai+Tbi×Sbi)/S …(3)
この式は冷却プレート下面の温度Tpiが対向する冷却水の温度、面積の変数であることを示している。すなわち、第1および第2の流路はそれぞれの半導体素子の直下を流れているため、冷却水の温度は一定とならず温度変化を有している。よって、これら冷却水の温度の異なる第1および第2の流路と半導体素子との接触する面積の割合を変更するだけで、その半導体素子の温度上昇量を調整することができる。また、第1および第2の流路の温度は、それぞれの第1および第2の流路の各半導体素子の通過順序により変更することができ、それらによっても半導体素子の温度上昇量を調整することができる。よってこれらを調整することにより各半導体素子の平均温度上昇量を同一となるように調整することができる。
具体的な各流路の設置としては、例えば図1に示すように、冷却水入り口5より流入した冷却水は、先に各半導体素子1、2の直下のそれぞれの半分の領域に順次流れる。これを第1の流路aとする。そして、全ての半導体素子1、2を流れた後、折り返して各半導体素子1、2直下を逆向に順次通過して流れ、各半導体素子1、2の残りの半分の領域と接触する流路を第2の流路bとする。その際の任意の冷却プレート下面の温度TpiはSai=Sbi=S/2であるため、(3)式より以下の式(4)が成り立つ。
Tpi=ΔTi+(Tai+Tbi)/2 …(4)
冷却水は先に各半導体素子直下の半分の領域を順次流れた後、逆向きで順次各半導体素子直下の残りの半分の領域を流れる。従って、冷却水は流路を流れるにつれて、冷却水入り口5付近の冷却水の温度Tが、半導体素子の熱を吸収して、T、T、T、T、T、T、T、Tと上昇して出口付近で温度Tとなる。ここで、発熱量Qiが一定であれば、ΔTiは各素子間で一定(−ΔT)である。その場合、半導体素子1A直下の冷却プレート下面の温度はΔT+(T1+T8)/2、半導体素子2AではΔT+(T2+T7)/2、半導体素子2BではΔT+(T3+T6)/2、半導体素子1BではΔT+(T4+T5)/2のように、冷却プレート下面の温度のばらつきが小さくなる組み合わせとなる。従って、各半導体素子の平均温度上昇量のばらつきを小さくできる。なお、発熱量が各素子間で異なる場合、それに応じて各流路の面積を変更してもよい。
従って、動作が安定すると共に、効率よく半導体素子を冷却することができる。さらに、このように流路を設定することで、簡便に流路と半導体素子との位置関係を設定することができ、流路の設計が容易になる。そして、このように発熱体が半導体素子である場合には、出力に温度依存性があるため、各半導体素子間の出力値の変動を小さくすることができる。また、冷却水温度の平均化により、結果として、発熱体の温度上昇を抑制することができる。
なお、本実施の形態では半導体直下の各流路を第1の流路a、第2の流路bの2本としたが、3本以上の流路の場合でも、いずれかを第1および第2の流路と考えると同様に行うことができ同様の効果を奏することは言うまでもない。また、各流路a、b内にはフィンなどをとりつけ、熱伝達率を向上させる手段が追加されていても同様の効果を奏する。
実施の形態2.
図3は本発明の実施の形態2の冷却装置の構成を示す図である。ここではIPM3内の異なる半導体素子1、2の使用条件において、半導体素子1の温度は半導体素子2と比較して半導体素子動作を保証する温度に対して余裕が無く、半導体素子1の温度上昇を抑える必要がある。そこで、図3に示すように、先に温度許容値の厳しい半導体素子1を冷却してから、温度許容値の緩い半導体素子2を冷却する。
すなわち、冷却水の入り口から順次半導体素子1の第1の流路5−1を形成し、全ての半導体素子1を通過した後に折り返し逆向きに順次通過する第2の流路5−2を形成する。次に、半導体素子2の第1の流路5−3を形成し、全ての半導体素子2を通過した後に折り返し逆向きに順次通過する第2の流路5−4を形成する。このように各流路を形成することにより、温度上昇を半導体素子2より抑制したい半導体素子1の温度上昇を確実に押さえることができる。
実施の形態3.
図4は本発明の実施の形態3の冷却装置の構成を示す図である。ここでは、半導体素子2の発熱量は半導体素子1の発熱量と比較して極めて小さい場合について説明する。この様な場合、半導体素子1の第1の流路5−5、5−6から第2の流路5−7に至る。この際、半導体素子2の発熱量が小さいため、半導体素子1の第2の流路5−7と半導体素子2の第1の流路5−8とを同一の流路上に設定する。そして、半導体素子2の第2の流路5−9、第1の流路5−10を経る。そして、再び半導体素子2の第2の流路5−11と半導体素子1の第2の流路5−12とを同一の流路上に設定する。
このように半導体素子2の発熱量が小さいため、半導体素子1の流路と兼ねたとしても平均温度上昇を均一にすることができる。このため、流路幅の自由度が増すこととなる。また、そのことにより各流路の流路幅を同一に設定することも可能となり、各流路における冷却水の流速が一定となり、半導体素子から冷却水へ流れる熱の熱伝達率を、すべての半導体素子に対して同一にすることができる。
この発明の実施の形態1の冷却装置の構成を示す図である。 図1に示した冷却装置の第1の流路と第2の流路との位置関係を説明するための図である。 この発明の実施の形態2の冷却装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態3の冷却装置の構成を示す図である。
符号の説明
1,1A,1B,2,2A,2B 半導体素子、4 冷却プレート、
5−1,5−3,5−5,5−6,5−8,5−10,a 第1の流路、
5−2,5−4,5−7,5−9,5−11,5−12,b 第2の流路。

Claims (3)

  1. 複数の発熱体を有する被冷却体の直下に設置された冷却水の流路としての第1の流路および第2の流路を備え、上記第1の流路および上記第2の流路の両者がそれぞれで上記各発熱体の下面全体を覆うように配設されている冷却装置において、
    上記第1の流路が上記各発熱体の直下を順次通過した後、折り返して再び上記各発熱体の直下を逆向きに順次通過して上記第2の流路として配設され、上記各発熱体の直下の上記第1および第2の流路の接触面積がそれぞれ上記各発熱体の半分の接触面積となるように配設することを特徴とする冷却装置。
  2. 上記各発熱体の内、その温度許容値が他の発熱体の温度許容値より小さい発熱体、または、その発熱量が他の発熱体より大きい発熱体を、上記各流路の上流側に配設されたことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  3. 上記複数の発熱体が矩形形状の半導体素子にて成ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷却装置。
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