JP2005197140A - 光励起式機能デバイス及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高温や紫外光に対する耐久性が乏しい基板材料にも適用でき、使用時の光の入射方向が制限されることのない、太陽電池や光触媒等を構成する光励起式機能デバイス及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 透明なプラスチックフィルム基板1aの上に、焼結時に照射する紫外光(波長λ0 )を選択的に反射する反射層10を予め形成しておく。反射層10は、波長λ0の光に対して透明で、屈折率の高い誘電体層と屈折率の低い誘電体層を、交互に繰り返し積層した誘電体多層膜である。反射層10の上にITO等の透明電極2、及び酸化チタン等の半導体微粒子層3aを積層する。この半導体微粒子層3aに対し、基板1aの耐熱温度未満の低い温度に加熱しながら紫外光を照射して半導体微粒子を焼結し、半導体層3を形成する。紫外光の照射は、半導体微粒子層3aの側から行い、例えば、低圧水銀灯から出射される波長253.7nmの光を用いる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光を吸収することによって機能が発現する、太陽電池や光触媒等を構成する光励起式機能デバイス及びその製造方法に関するものである。
化石燃料に代わるエネルギー源として、太陽光を利用する太陽電池が注目され、種々の研究が行われてきた。太陽電池は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光励起式機能デバイスの1例である。また、基材上に酸化チタン膜を形成し活性化した酸化チタン光触媒薄膜は、光を吸収すると、その光触媒作用に基づく酸化作用により、有機物汚れや、窒素酸化物、硫黄酸化物並びに悪臭物質等の大気汚染物質などを酸化分解することが知られており、これも光励起式機能デバイスの1例である。
シリコンなどの半導体材料のpn接合を利用する太陽電池は、現在最も普及しているが、高純度の半導体材料を製造する工程やpn接合を形成する工程が必要であり、製造工程におけるエネルギー消費が大きく、設備コストも高いという問題点がある。
一方、光誘起電子移動を応用した色素増感型光化学電池が、グレーツェルらによって提案され(特許公報第2664194号、J. Am. Chem. Soc. (1993), 115, 6382-6390、Nature(1991), 353, 737-740等参照。)、新世代の太陽電池として期待されている。
色素増感型光化学電池の第1の利点は、二酸化チタン等の安価な酸化物半導体を用いて低コストで光電変換素子を製造できることであり、第2の利点は、用いる光増感色素を変えることで吸収する光の波長を選択したり、或いは複数の光増感色素を組み合わせて広い波長領域の光を利用したりできることである。
図8は、従来の代表的な色素増感型光化学電池の例を示す概略断面図である。この色素増感型光化学電池は、主として、ガラスなどの透明基板11、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電膜からなる透明電極(負極)12、半導体層13、半導体層13の表面に吸着された光増感色素14、対向電極(正極)16、半導体層13と対向電極16との間に挟持された電解質層15、対向基板17、及び封止材18等で構成されている。
半導体層13としては、酸化チタンTiO2の微粒子を焼結させた多孔質のものが用いられることが多い。この半導体層13の電解質層15側の表面に、光増感色素14が吸着されている。光増感色素14としては、ルテニウム錯体など、可視光領域付近に吸収スペクトルを有する物質が用いられる。電解質層15としては、I- 2/I2(但し、実際には、I2 はI-と結びついてI3 -として存在する)等の酸化還元系(レドックス対)を含む電解質溶液が用いられる。
図8の装置は、光化学電池として機能させる時には、光を透明基板11側から入射させるように作られており、光が入射すると、対向電極16を正極、透明電極12を負極とする電池として動作する。その原理は次の通りである。
透明基板11、透明電極12、及び半導体層13を透過した光子を光増感色素14が吸収すると、光増感色素14中の電子が基底状態から励起状態へ励起される。励起状態の電子は、光増感色素14と半導体層13との間の電気的結合を介して、すみやかに半導体層13の伝導帯に引き出され、半導体層13内を通って透明電極12に到達する。
一方、電子を失って酸化された光増感色素14は、電解質層15中の還元剤(例えばI-)から電子を受け取り、還元される。電子を失った還元剤(例えばI2)は拡散により対向電極16に到達し、対向電極16から電子を受け取り、もとの還元剤に還元される。
このようにして、透明電極12と対向電極16との間が外部回路によって結ばれている場合には、電子が外部回路を透明電極12側から対向電極16側へ流れ、光増感色素14や電解質層15に何の変化も残さず、光エネルギーが電気エネルギーに変換される。
光電変換素子を効果的に動作させる上で最も重要な点は、光を効率よく吸収すること、そして、光エネルギーを吸収して生じた励起状態から電子などの電荷キャリアを効率よく生成・分離して、すみやかに電流として外部へ取り出すことである。
色素増感型光化学電池では、光吸収は、光増感色素14によって担われるから、半導体層13における色素吸着量を増やして光吸収率を高めることが望ましい。このため、表面積ができるだけ大きくなるように、半導体層13は多孔質の微粒子層から作られている。
励起状態からの電荷キャリアの生成と分離は、光増感色素14と半導体層13との界面において行われ、励起状態の光増感色素14から電子が半導体層13の導電帯に引き出される一方、電子を失った光増感色素14は半導体層13の表面にとどまり、電荷分離が達成される。この電子を効率よく透明電極12に取り出すには、半導体層13を比較的高い温度、例えば400〜500℃に加熱し、半導体微粒子を焼結して、その電気伝導性を向上させるのが効果的である。
しかし、高温焼結の工程は、エネルギー消費を低減する上で障害となる。また、色素増感型光化学電池を低コスト化したり、曲面等に設置できるように柔軟性を持たせたりするためには、透明基板11としてプラスチックフィルムを用いることが望ましいが、400〜500℃の高温に耐え得るプラスチック材料はなく、上記のような高温での焼結を行う場合、透明基板11としてプラスチックフィルムを用いることは不可能である。
従って、透明基板11としてプラスチックフィルム等の耐熱性の乏しい材料を用い、且つ半導体微粒子のプラスチックフィルムへの密着性を高め、半導体層13の電気伝導性と機械的強度を高めるためには、プラスチックフィルムの耐熱温度(軟化点)未満、例えば200℃未満、好ましくは120℃未満の低温下で焼結を行う方法が必要になる。
このため、後述の特許文献1及び2には、半導体微粒子が吸収しやすい光、具体的には紫外光を照射することによって、プラスチックフィルムの軟化点未満の温度で半導体微粒子を焼結する方法が提案されている。
特開2002−100416号公報(第5頁、図1) 特開平10−138385号公報(第4−6頁、図1及び表1)
図9は、従来の光電変換素子の作製工程において、紫外光の照射によって半導体微粒子層13aを焼結して半導体層13を形成する工程を示す概略断面図である。特許文献1の実施の形態には、半導体微粒子層13aを低温で焼結する際、該微粒子が吸収する光を半導体微粒子層13aに照射することが好ましいこと、その理由として、半導体を光励起することによって、微粒子層内に混入した不純物を光分解して微粒子層を洗浄するとともに、微粒子の間の物理的接合を強め得ると期待できることが記載されている。
しかしながら、図9に示すように、半導体微粒子層13aに強い紫外光を照射すると、半導体微粒子層13aや透明電極12を透過した紫外光がプラスチックフィルム11aに入射し、そこで吸収された紫外光がプラスチックフィルム11aの分解等の変成を引き起こし、プラスチックフィルム11aが変形してしまうという問題がある。
そこで、特許文献2では、プラスチックフィルムと、半導体微粒子層である酸化物半導体層との間に銀又は銅の薄膜を形成し、この薄膜によって紫外光を反射することによってプラスチックフィルムの分解を防ぐと共に、酸化物半導体層の焼結をより効果的に行う方法が開示されている。
しかしながら、銀又は銅の単層の膜は、色素増感型光化学電池で利用する波長の光も紫外光と同様に反射してしまう。従って、銀又は銅の単層膜を設けたプラスチックフィルムを基板11として用いた場合には、図8に示したように透明基板11の側から光を入射させる色素増感型光化学電池を作製することは不可能になる。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、高温や紫外光に対する耐久性が乏しい基板材料にも適用でき、使用時の光の入射方向が制限されることのない、太陽電池や光触媒等を構成する光励起式機能デバイス及びその製造方法を提供することにある。
即ち、本発明は、透光性の基体上に透光性の導電層と、光増感色素を保有した半導体層とが積層して形成され、前記光増感色素への光入射により発生した電子が前記半導体層を介して前記導電層へ取り出される色素増感型光電変換装置として構成された光励起式機能デバイスの製造方法において、前記基体上に具体的には光の干渉によって紫外光を反射する反射層を形成する工程と、前記反射層上に前記導電層を形成する工程と、前記導電層上に半導体微粒子層を形成する工程と、前記紫外光を前記半導体微粒子層の側から照射することにより前記半導体微粒子層を焼結して前記半導体層を形成する工程とを有することを特徴とする、光励起式機能デバイスの製造方法に係わるものであり、また、少なくとも基体と、光触媒作用のある半導体層とを有する光触媒用の光励起式機能デバイスの製造方法において、前記基体上に具体的には光の干渉によって紫外光を反射する反射層を形成する工程と、この反射層の上に半導体微粒子層を積層する工程と、前記半導体微粒子層の側から前記紫外光を照射することにより前記半導体微粒子層を焼結して前記半導体層を形成する工程とを有することを特徴とする、光励起式機能デバイスの製造方法に係わるものでもある。
更に、透光性の基体上に透光性の導電層と、光増感色素を保有した半導体層とが積層して形成され、前記光増感色素への光入射により励起された電子が前記半導体層を介して前記導電層へ取り出される色素増感型光電変換装置として構成され、前記基体と前記導電層との間に具体的には光の干渉によって紫外光を反射し、且つ前記色素増感用の入射光は透過させる反射層が設けられている光励起式機能デバイスに係わるものであり、また、少なくとも基体、具体的には光の干渉によって紫外光を反射する反射層、及び光触媒作用のある半導体層をこの順に有する光触媒用の光励起式機能デバイスに係わるものでもある。
本発明の光励起式機能デバイスの製造方法によれば、前記基体上に具体的には光の干渉によって紫外光を反射する反射層を形成する工程と、前記反射層の上、又は前記反射層上に形成された前記導電層の上に半導体微粒子層を形成する工程と、前記紫外光を前記半導体微粒子層の側から照射することにより前記半導体微粒子層を焼結して前記半導体層を形成する工程とを有するので、比較的低い温度で前記半導体微粒子層を焼結することができ、焼結工程におけるエネルギー消費が抑制されると共に、高温に対する耐久性が乏しい基体材料、例えば安価で柔軟性に富むプラスチック材料を前記基体の材料として用いて、前記光励起式機能デバイスを製造することができる。
この際、前記基体と前記半導体微粒子層との間に前記反射層を設けているので、前記焼結工程において前記基体に入射する前記紫外光の量を低減し、前記紫外光による前記基体の損傷や変形を防止できると共に、反射された紫外光が再度前記半導体微粒子層の前記焼結に用いられるので、効果的に前記焼結を行うことができる。
特に、色素増感型光電変換装置として構成される前記光励起式機能デバイスでは、透光性の前記基体上に透光性の前記導電層と、前記光増感色素を保有した前記半導体層とが積層して形成され、前記基体と前記導電層との間に光の干渉によって紫外光を反射し、且つ前記色素増感用の入射光は透過させる反射層が設けられているので、使用時において透光性の前記基体の側から光を入射させる型の色素増感型光電変換装置とすることができ、反射層を設けたことによって使用時の光の入射方向が制限されることがない。
本発明において、前記基体の耐熱温度未満の温度に前記半導体微粒子層を加熱しながら前記焼結工程を行うのがよい。紫外線照射と加熱とを併用することで、紫外光の照射強度と加熱温度とを共に穏やかな条件とすることができ、紫外線による損傷及び加熱による損傷のいずれをも低減することができる。
この際、前記基体としてプラスチック材料を用いるのがよい。これにより、安価な前記光励起式機能デバイス、或いは、柔軟性を有し曲面等に設置できる前記光励起式機能デバイスを製造することができる。
好適な前記プラスチック材料として、ポリ塩化ビニルPVC(80℃)、トリアセチルセルロースTAC(120℃)、ポリカーボネートPC(120℃)、ポリエチレンテレフタラートPET(130℃)、ポリアリレートPAr(140℃)、ポリエーテルイミドPEI(170℃)、ポリエーテルスルホンPES(180℃)、ポリフェニレンサルファイドPPS(220℃)等を挙げることができる(括弧内の数値は軟化点である。)。
また、前記反射層を、互いに屈折率の異なる誘電体層が複数積層された誘電体多層膜で構成するのがよい。この際、前記誘電体層の、膜厚と屈折率の積である光学的膜厚を、前記紫外光の波長の1/4とすると、前記紫外光に対して最良の反射率を実現できる。誘電体膜は、スパッタリング法や蒸着法によって容易に形成でき、膜厚の制御も容易である。
また、前記反射層を、酸化チタン層と、酸化シリコン層又は六フッ化アルミン酸ナトリウム層とで構成するのがよい。いずれも、前記色素増感型光電変換装置が利用する可視光領域近辺の光をよく透過させると共に、酸化チタンTiO2の屈折率は2.73と大きく、酸化シリコンSiO2の屈折率は1.47、六フッ化アルミン酸ナトリウムの屈折率は1.35と小さく、その差が大きいので、少ない積層数で反射率の高い誘電体多層膜を形成することができる。
前記反射層を形成する好適な材料は、上記の他に、高屈折率材料としてHfO2(2.0)、Y23(1.9)、MgO(1.7)、LaF3(1.6)、Al23(1.6)、NdF3(1.6)、BaF2(1.5)等を、低屈折率材料としてCaF2(1.4)、AlF3(1.4)、MgF2(1.4)、LiF(1.3)、NaF(1.3)等を挙げることができる(括弧内の数値は屈折率である。)。
また、前記半導体微粒子層を酸化チタンによって形成するのがよい。酸化チタンは、自身が光電変換機能を有する半導体材料であるばかりでなく、種々の光増感色素と組み合わせて、色素増感型の光電変換を効果的に行い得る材料である。
また、酸化チタン光触媒薄膜は、光を吸収すると、その光触媒作用に基づく酸化作用により、有機物汚れや、窒素酸化物、硫黄酸化物並びに悪臭物質等の大気汚染物質等を酸化分解することが知られている。そこで、こうした酸化チタン光触媒薄膜を形成するのに、本発明に基づいて、上記した紫外線照射により酸化チタン等の半導体微粒子層を焼結することができる。
前記半導体微粒子層を作製する好適な材料として、TiO2、SnO2、Fe23、WO3、ZnO、Nb25、CdS、ZnS、PbS、Bi23、CdSe、CdTe、SrTiO3、GaP、InP、GaAs、CuInS2、CuInSe2等を挙げることができる。
次に、本発明の好ましい実施の形態につき図面参照下に詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に基づき、紫外光の照射によって半導体微粒子層を比較的低い温度で焼結して、半導体層を形成する工程を示す概略断面図である。
透明基板である透明なプラスチックフィルム基板1aの上には、焼結時に照射する紫外光(波長λ0 )を選択的に反射する反射層10を予め形成しておく。反射層10は、誘電体多層膜が好ましく、スパッタリング法または蒸着法などの方法で形成する。ここでは、波長λ0の光に対して透明で、互いに屈折率nが異なる2種類の誘電体からなる誘電体層が、交互に繰り返し積層されているものとする。
図1では、光電変換素子の作製を想定して、反射層10の上にITO等の透明電極2、及び酸化チタン等の半導体微粒子層3aが積層されている。半導体微粒子層3aは、後述する電着法又はゾル−ゲル法等によって形成する。作製する光励起式機能デバイスが光電変換素子ではなく、光触媒作用を有する光触媒である場合には、透明電極2は不要であり、プラスチックフィルム基板1aが透明である必要はない。
上記の半導体微粒子層3aに対し、半導体微粒子同士の電子的接触の強化と、透明電極2との密着性の向上のために、比較的低い温度に加熱しながら紫外光を照射して半導体微粒子を焼結し、半導体層3を形成する焼結工程を行う。
加熱温度の範囲としては、プラスチックフィルム基板のように耐熱温度(一般的には融点、プラスチック材料では軟化点)の低い基板を用いる場合には、加熱温度はできる限り低温、例えば200℃未満、より好ましくは150℃未満、更に好ましくは120℃未満であるのがよい。
加熱処理時間は、熱処理温度と半導体粒子の種類によって異なるが,通常10分〜10時間の範囲で最適化した時間で行われる。半導体微粒子が酸化チタン微粒子である場合には、低圧水銀灯から出射されるピーク波長253.7nm近辺の紫外光を、120℃に加熱しながら5分間〜30分間照射すると、酸化チタン層が焼結される。
図1に示すように、焼結時の紫外光の照射は、半導体微粒子層3aの側から行い、例えば、低圧水銀灯から出射される光のうち、ピーク波長253.7nm近辺の紫外光を利用する。後述する誘電体多層膜等によって、253.7nmの光に対して90%以上の反射率を有する反射層10を形成することができる。従って、反射層10がない、図9に示した従来の例と比べると、プラスチックフィルム基板1aに入射する紫外光の量は10%未満に減少し、焼結時の紫外線照射によるプラスチックフィルム基板1aの損傷は、大きく減少する。
図2は、反射層10を形成する誘電体多層膜の1例10Aの構造を示す拡大概略断面図である。誘電体多層膜10Aでは、高屈折率の誘電体(例えば、酸化チタンTiO2:屈折率2.73)からなる第1誘電体層10aと低屈折率の誘電体(例えば、酸化シリコンSiO2:屈折率1.47)からなる第2誘電体層10bとがそれぞれ数層ずつ交互に積層され、各層の光学的膜厚(膜厚と屈折率との積)は、反射したい光の波長λ0の1/4、又はその整数倍に等しく作られている。
つまり、第1誘電体層10aの膜厚と屈折率とをそれぞれL1とn1とおき、第2誘電体層10bの膜厚と屈折率とをそれぞれL2とn2とおくと、次式
1×L1=n2×L2=iλ0/4
が成り立つ。但し、iは正の整数で、ここでは1とする。
図3は、誘電体多層膜10Aが波長λ0の近辺の光を選択的に反射する原理を示す説明図である。以下、その原理を説明する。
一般に、屈折率がnである媒質Xから光が入射して、屈折率がnである媒質Yとの界面で反射される場合、入射波の電場ベクトルAと反射波の電場ベクトルRとの間には、フレネルの式で示される関係が成り立つ。特に界面に垂直に入射する場合には、フレネルの式は次の簡単な式になる。
R/A=(n−n)/(n+n
上式によると、n<nのとき、R/Aは負になり、これはRの位相がAの位相とπだけずれることを意味している。一方、n>nのときは、R/Aは正であり、Rの位相がAの位相とずれることはない。以上の関係をまとめて、入射波と比べて反射波の位相のずれがない場合を実線、位相がπだけずれる場合を点線で示すと、図3(a)に示すようになる。即ち、(1)屈折率の小さい方の媒質から光が入射して反射されるときには位相がπだけずれ、(2)屈折率の大きい方の媒質から光が入射して反射されるときには位相のずれは起こらない。
次に、図3(b)に示すように、一例として、ITO(屈折率2.00)からなる透明電極2の側から界面に垂直に入射した光が、酸化チタンからなる第1誘電体層10aと酸化シリコンからなる第2誘電体層10bとが積層された誘電体多層膜10Aの、最上部における3つの界面で反射される場合について調べてみる。上記の関係を適用すると、3つの反射波の電場ベクトルR1〜R3の間の位相関係は、次の通りである。
ITOと第1誘電体層10aとの界面である第1の界面での反射は、n0<n1であるから、R1の位相はAの位相とπだけ異なる。第1誘電体層10aと第2誘電体層10bとの界面である第2の界面での反射は、n1>n2であるから、R2の位相はAの位相と同じである。第2誘電体層10bと第1誘電体層10aとの界面である第3の界面での反射は、n2<n1であるから、R3の位相はAの位相とπだけ異なる。
最後に、反射波の電場ベクトルR1〜R3が第1の界面において示す時間変化を、第1の界面に入射してから、反射されて再びそこへ戻ってくるまでに進んだ行路の長さの違いを考慮して調べる。但し、ここではその大きさは問題にせず、R1〜R3の位相関係にのみ注目する。そこで、位相の基準として、図3(c−1)には、第1の界面での入射波の電場ベクトルAの時間変化を実線で示し、それとπだけ位相がずれている波動の例として−Aの時間変化を点線で示した。
第1の界面での反射では、行路長が0であるから、反射時の位相のずれπがそのまま、第1の界面におけるAとR1との位相差となり、R1は−Aと同位相である(図3(c−2)参照。)。第2の界面での反射では、行路長が第1誘電体層10aを1往復する距離、即ち第1誘電体層10aの光学的膜厚の2倍分、2×(λ0/4)=λ0/2であるので、この距離を進む時間だけ、即ち位相にしてπだけ遅れることになる。反射による位相のずれは無かったから、まとめると、R2はAよりπだけ位相が遅れ(図3(c−3)参照。)、結局、−Aと同位相になる。第3の界面での反射では、行路長が第1誘電体層10aと第2誘電体層10bとを1往復する距離、即ち各層の光学的膜厚の4倍分、4×(λ0/4)=λ0であるので、この距離を進む時間だけ、即ち位相にして2πだけ遅れることになる。反射時の位相のずれπを考慮すると、R3は−Aから2πだけ位相が遅れており(図3(c−4)参照。)、ちょうど1周期分遅れて−Aと同位相になる。
ここでは便宜上、最上部の3つの界面を例として調べたが、上記の関係は、4つ以上の界面についても、界面の数に関係なく、成り立つ。即ち、波長がλ0であるか、或いはその近傍である光では、誘電体多層膜10Aの各界面からの反射波の電場ベクトルの位相は揃っており、互いに加算されて強い反射波を形成する。しかし、波長がλ0からはずれた光では反射波の位相が揃うことはなく、互いに相殺し合って、強い反射波が形成されることはない。
このように、図2に示した構造を有し、各層の光学的膜厚が反射させたい光の波長λ0の1/4に等しく作られている誘電体多層膜10Aは、波長λ0、或いはそれに近い波長の光を選択的に反射するフィルターとして機能する。1つの界面での反射率は小さくとも、多数の誘電体層を積層することで大きな反射率が得られる。また、前述したフレネルの式から、第1誘電体層10aと第2誘電体層10bとの屈折率の差が大きいほど、1つの界面での反射率は向上することがわかる。
図4は、誘電体多層膜の反射スペクトルを有効フレネル係数法で見積もった計算結果の例である。ここでは、第1誘電体層10aの屈折率をn1=2.30、第2誘電体層10bの屈折率をn2=1.38とし、7層を積層したものとした。波長λ0における反射率は90%以上に達していて、満足できるものである。また、半値幅は広く、波長λ0の40%程度である。
従って、λ0=253.7nmとすると半値幅は約100nmとなり、低圧水銀灯から出射される波長200〜300nmの紫外光は、誘電体多層膜10Aによって効果的に反射される。一方、太陽電池として色素増感型光化学電池が利用する、波長が330nmより長い波長の光は、ほとんど反射されることなく誘電体多層膜10Aを透過するので、誘電体多層膜10Aを設けることによって色素増感型光化学電池の発電能力が損なわれることはほとんどない。
但し、注意深く見ると、誘電体多層膜10Aには、反射率がやや大きくなる波長領域が波長370nm付近や460nm付近などに存在する。図5は、この点を改良した誘電体多層膜10Bの構造を示す概略断面図である。誘電体多層膜10Bでは、高屈折率の誘電体(例えば、酸化チタンTiO:屈折率2.73)からなる厚さ17.5nmの第1誘電体層10c、低屈折率の誘電体(例えば、六フッ化アルミン酸ナトリウムNaAlF:屈折率1.35)からなる厚さ25nmの第2誘電体層10d、高屈折率の誘電体(例えば、酸化チタンTiO)からなる厚さ5.0nmの第3誘電体層10e、そして低屈折率の誘電体(例えば、六フッ化アルミン酸ナトリウムNaAlF)からなる厚さ25nmの第4誘電体層10fが積層され、この4層の誘電体層10c〜10fの組み合わせからなる積層構造11gが、例えば5層重ねられている。
図6は、誘電体多層膜10Bの反射スペクトルの計算結果である。波長λ0における反射率は90%以上に達していて、満足できるものである。また、誘電体多層膜10Aにおいて波長領域330〜550nmに存在した、反射率がやや大きくなる領域が、誘電体多層膜10Bには存在しないことがわかる。この結果、後述する図7の色素増感型光化学電池に誘電体多層膜10Bを用いれば、色素増感型光化学電池の光利用効率が向上する。
図7は、本実施の形態に基づく色素増感型光化学電池の一例を示す概略断面図である。この色素増感型光化学電池は、主として、プラスチック基板などの透明基板1、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電膜からなる透明電極(負極)2、反射層(誘電体多層膜)10、半導体層3、半導体層3の表面に吸着された光増感色素4、対向電極(正極)6、半導体層3と対向電極6との間に挟持された電解質層5、対向基板7、及び封止材8等で構成されている。
図7の装置は、光化学電池として機能させる時には、光を透明基板1側から入射させるように作られており、光が入射すると、対向電極6を正極、透明電極2を負極とする電池として動作する。その原理は、図8に示した従来の色素増感型光化学電池と同様である。
即ち、透明基板1、透明電極2、反射層(誘電体多層膜)10、及び半導体層3を透過した光子を光増感色素4が吸収すると、光増感色素4中の電子が基底状態から励起状態へ励起される。励起状態の電子は、光増感色素4と半導体層3との間の電気的結合を介して、すみやかに半導体層3の伝導帯に引き出され、半導体層3内を通って透明電極2に到達する。
一方、電子を失って酸化された光増感色素4は、電解質層5中の還元剤(例えばI-)から電子を受け取り、還元される。電子を失った還元剤(例えばI2)は拡散により対向電極6に到達し、対向電極6から電子を受け取り、もとの還元剤に還元される。
このようにして、透明電極2と対向電極6との間が外部回路によって結ばれている場合には、電子が外部回路を透明電極2側から対向電極6側へ流れ、光増感色素4や電解質層5に何の変化も残さず、光エネルギーが電気エネルギーに変換される。
以下、作製方法も含めて、色素増感型光化学電池の各部について詳細に説明する。
透明基板1として、ガラス基板を用いることもできるが、色素増感型光化学電池を低コスト化したり、曲面等に設置できるように柔軟性を持たせたりするためには、透明なプラスチックフィルム、例えば透明なポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタラート、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド等を用いることが望ましい。同様の理由で、もう一方の基板7にも、透明又は不透明なプラスチックフィルム等を用いるのがよい。
透明基板1の上には、スパッタリング法または蒸着法などの方法で、半導体微粒子層3aの焼結時に照射する紫外光(波長λ0 )を選択的に反射する反射層として、誘電体多層膜10Aまたは10Bなどの誘電体多層膜10を形成する。誘電体多層膜10Aまたは10Bの光反射特性および光透過特性は、既述した通りである。
誘電体多層膜10の上には、電子取り出し電極(負極)として透明電極2を形成する。透明電極2は、スズをドープした酸化インジウム(ITO)、或いは、アンチモン又はフッ素をドープした酸化スズ(ATO又はFTO)等からなる透明導電膜であるのがよい。好ましくは、ITOをスパッタリング法によって厚さ数100nm程度に形成する。また、透明電極2を、真空蒸着法または塗布法等によって形成してもよい。
次に、透明電極2の上に、市販の酸化チタン粉末を溶媒に分散した液体を用い、特開2002−100416号公報に記載されている電着法によって酸化チタンを吸着させ、半導体微粒子層3aを形成する。以下、電着法について概説する。
まず、半導体微粒子を適当な低伝導度の溶媒に添加し、凝集の無いよう均一に分散させる。溶媒は、電気伝導度を下げるために解離性の電解質塩を実質的に含まないこと、及び半導体微粒子層3aの形成の障害とならないように電気化学活性な酸化還元性化合物を含まないことが重要である。より具体的には、溶媒として、純水、アルコール、アセトニトリル、及びTHF(テトラヒドロフラン)などの極性溶媒、ヘキサンやクロロホルムなどの非極性溶媒、あるいはこれらの混合溶媒が好ましい。
次に、半導体微粒子を付着させる対象物である基板電極(本実施の形態では透明電極2)と電着用の対向電極とを一定の間隔で平行に対向させ、この間隙に上記の分散液を注入する。両電極の間隔は通常0.1mm〜2mmであり、0.2mm〜0.5mmが好ましい。
次に、両電極間に直流電圧を印加する。具体的には、粒子の性質(表面電荷)に応じて基板電極側を正もしくは負に設定し、その印加電圧を50V/cm〜300V/cm、好ましくは60V/cm〜200V/cmの電界の強さとなるように設定して、1分間から10分間かけて印加する。これにより、半導体微粒子は、まず電気泳動により基板電極方向に移動し、続いて電極上に付着する。
以上のようにして、分散液の濃度と電極間隔を選択することにより、基板電極上に、任意の厚みの均一な半導体微粒子層3aを形成することができる。電着法によって形成する半導体微粒子層3aの厚みは、好ましくは2μm〜20μmである。
半導体微粒子及び半導体微粒子層の作製法としては、作花済夫の「ゾル−ゲル法の科学」アグネ承風社(1998年)等に記載されているゾル−ゲル法を用いてもよい。
上記のようにして作製した半導体微粒子層3aに対し、半導体微粒子同士の電子的接触の強化と、透明電極2との密着性の向上のために、比較的低い温度に加熱しながら紫外光を照射して半導体微粒子を焼結し、半導体層3を形成する焼結工程を行う。
加熱温度の範囲としては、透明基板1としてガラス基板を用いる場合には、100℃〜400℃程度の温度がよいが、プラスチックフィルム基板のように融点や軟化点の低い基板を用いる場合には、加熱温度はできる限り低温、例えば200℃未満、より好ましくは150℃未満、更に好ましくは120℃未満であるのがよい。
加熱処理時間は、熱処理温度と半導体粒子の種類によって異なるが,通常10分〜10時間の範囲で最適化した時間で行われる。半導体微粒子が酸化チタン微粒子である場合には、120℃で加熱しながら低圧水銀灯から出射されるピーク波長253.7nm近辺の紫外光を5分間〜30分間照射すると酸化チタン層が焼結される。
このようにして形成した半導体層3の上に光増感色素4を吸着させる。光増感色素4は、200nmから1500nmに吸収帯を持つ色素、例えば、シス−ビス(イソチオシアナト)ビス(2,2′−ビピリジル−4,4′−ジカルボン酸)ルテニウム(II)等のルテニウム系金属錯体等を用いる。
光増感色素4を半導体層3の上に吸着させるには、例えば上記のルテニウム錯体の場合では、半導体層3を5.0×10-4 mol/lのルテニウム錯体のエタノール溶液に20時間浸漬し、その後、エタノールを蒸発させる。
対向電極6としては、白金、金等の金属が好ましい。対向電極6は、基板17の上に真空蒸着等により作製する。半導体層3と対向電極6とを対向させて配置し、両電極間を電解質層5で満たす。
電解質層5としては、電解質溶液、又はゲル状あるいは固体状の電解質が使用可能である。電解質溶液としては、例えば、I-/I2等の酸化還元系(レドックス対)を含む溶液が挙げられる。具体的には、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネイトとの質量比が1:1の混合溶媒に、ヨウ化リチウムLiI 0.5mol/lとヨウ素I 5×10-2 mol/lとを溶解させた溶液などを使用する。
電池の側面は、エポキシ系熱硬化性樹脂、アクリル系紫外線硬化樹脂、又は水ガラス等の封止材8によって密閉する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、紫外光照射によって半導体微粒子層3aを比較的低い温度で焼結するので、エネルギーコストを下げることができる。また、透明基板1としてプラスチックフィルムを用いることができ、低コストで、曲面等に設置できる柔軟性を有する色素増感型光化学電池を製造することができる。
この際、透明基板1と半導体微粒子層3aとの間に紫外線反射層として誘電体多層膜10を設けているので、用いる紫外光の波長に合わせて適切に誘電体層の膜厚を制御することで、透明基板1であるプラスチックフィルムへの紫外線照射量を100%近く減らすことができ、その結果、プラスチックフィルムの損傷や変形を防ぐことができると共に、反射された紫外光が再度半導体微粒子層3aの焼結に用いられるので、効果的に焼結を行うことができる。
誘電体多層膜10は、焼結に用いられる紫外光は反射するが、色素増感型光化学電池が利用する波長領域の光は透過させるので、誘電体多層膜10によって電池の発電能力が低下する心配はほとんど無い。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの例に何ら限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは言うまでもない。
例えば、図1の例において、透明電極2を書略した状態で紫外線照射により、酸化チタン微粒子層3aを焼結して、光触媒薄膜を有する機能デバイスを製造することができる。
本発明の光励起式機能デバイスの製造方法によれば、比較的低い温度で半導体微粒子層を焼結することができ、焼結工程におけるエネルギー消費が抑制されると共に、高温に対する耐久性が乏しい基体材料、例えば安価で柔軟性に富むプラスチック材料を基体の材料として用いて、光励起式機能デバイスを製造することができる。特に、使用時において透光性の基体の側から光を入射させる型の色素増感型光電変換装置とすることができ、反射層を設けたことによって使用時の光の入射方向が制限されることがない。
本発明の実施の形態に基づき、紫外光の照射によって半導体微粒子層を比較的低い温度で焼結して、半導体層を形成する工程を示す概略断面図である。 同、透明基板の上に積層された誘電体多層膜10Aの構造を示す概略断面図である。 同、誘電体多層膜が波長λ0の光を選択的に反射する原理を示す説明図である。 同、誘電体多層膜の反射スペクトルを有効フレネル係数法で見積もった計算結果の例である。 同、透明基板の上に積層された誘電体多層膜10Bの構造を示す概略断面図である。 同、誘電体多層膜の反射スペクトルの計算結果である。 同、色素増感型光化学電池の一例を示す概略断面図である。 従来の色素増感型光化学電池の一例を示す概略断面図である。 従来の色素増感型光化学電池の作製工程において、紫外光の照射によって半導体微粒子層を焼結する工程を示す概略断面図である。
符号の説明
1…透明基板、1a…プラスチック基板(透明基板)、2…透明電極(負極)、
3…半導体層、3a…半導体微粒子層、4…光増感色素、5…電解質層、
6…対向電極(正極)、7…対向基板、8…封止材、10…反射層(誘電体多層膜)、
10A、10B…誘電体多層膜、10a…第1誘電体層、10b…第2誘電体層、
10c…第1誘電体層、10d…第2誘電体層、10e…第3誘電体層、
10f…第4誘電体層、10g…積層構造、11…透明基板、
11a…プラスチック基板(透明基板)、12…透明電極(負極)、13…半導体層、
13a…半導体微粒子層、14…光増感色素、15…電解質層、
16…対向電極(正極)、17…対向基板、18…封止材

Claims (15)

  1. 透光性の基体上に透光性の導電層と、光増感色素を保有した半導体層とが積層して形成され、前記光増感色素への光入射により発生した電子が前記半導体層を介して前記導電層へ取り出される色素増感型光電変換装置として構成された光励起式機能デバイスの製造方法において、前記基体上に紫外光を反射する反射層を形成する工程と、前記反射層上に前記導電層を形成する工程と、前記導電層上に半導体微粒子層を形成する工程と、前記半導体微粒子層の側から前記紫外光を照射することにより前記半導体微粒子層を焼結して前記半導体層を形成する工程とを有することを特徴とする、光励起式機能デバイスの製造方法。
  2. 少なくとも基体と、光触媒作用のある半導体層とを有する光触媒用の光励起式機能デバイスの製造方法において、前記基体上に紫外光を反射する反射層を形成する工程と、この反射層の上に半導体微粒子層を積層する工程と、前記半導体微粒子層の側から前記紫外光を照射することにより前記半導体微粒子層を焼結して前記半導体層を形成する工程とを有することを特徴とする、光励起式機能デバイスの製造方法。
  3. 前記基体の耐熱温度未満の温度に前記半導体微粒子層を加熱しながら前記焼結工程を行う、請求項1又は2に記載した光励起式機能デバイスの製造方法。
  4. 前記反射層を、互いに屈折率の異なる誘電体層を複数積層した誘電体多層膜で構成する、請求項1又は2に記載した光励起式機能デバイスの製造方法。
  5. 前記誘電体層の、膜厚と屈折率の積である光学的膜厚を、前記紫外光の波長の1/4とする、請求項4に記載した光励起式機能デバイスの製造方法。
  6. 前記誘電体多層膜を、酸化チタン層と、酸化シリコン層又は六フッ化アルミン酸ナトリウム層とで構成する、請求項4に記載した光励起式機能デバイスの製造方法。
  7. 前記基体の材料としてプラスチック材料を用いる、請求項1又は2に記載した光励起式機能デバイスの製造方法。
  8. 前記半導体微粒子層を酸化チタンによって形成する、請求項1又は2に記載した光励起式機能デバイスの製造方法。
  9. 透光性の基体上に透光性の導電層と、光増感色素を保有した半導体層とが積層して形成され、前記光増感色素への光入射により励起された電子が前記半導体層を介して前記導電層へ取り出される色素増感型光電変換装置として構成され、前記基体と前記導電層との間に紫外光を反射し、且つ前記色素増感用の入射光は透過させる反射層が設けられている、光励起式機能デバイス。
  10. 少なくとも基体、紫外光を反射する反射層、及び光触媒作用のある半導体層をこの順に有する光触媒用の光励起式機能デバイス。
  11. 前記反射層が、互いに屈折率の異なる誘電体層が複数積層された誘電体多層膜からなる、請求項9又は10に記載した光励起式機能デバイス。
  12. 前記誘電体層の、膜厚と屈折率の積である光学的膜厚が、前記紫外光の波長の1/4である、請求項11に記載した光励起式機能デバイス。
  13. 前記誘電体多層膜が、酸化チタン層と、酸化シリコン層又は六フッ化アルミン酸ナトリウム層とからなる、請求項11に記載した光励起式機能デバイス。
  14. 前記基体がプラスチック材料からなる、請求項9又は10に記載した光励起式機能デバイス。
  15. 前記半導体微粒子層が酸化チタンからなる、請求項9又は10に記載した光励起式機能デバイス。
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