JP2005196101A - ポリマーおよびこれを含むフォトレジスト組成物 - Google Patents

ポリマーおよびこれを含むフォトレジスト組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリマーおよびこれを含むフォトレジスト組成物
【解決手段】 本発明は新規ポリマーおよび前記のポリマーのフォトレジスト、特に200nm以下、特に193nmなどの短波長で有効にイメージングすることができる化学増幅ポジ型レジスト組成物の樹脂バインダー成分としての使用に関する。本発明の好ましいポリマーは、下層無機表面、SiONおよびSi表面などに対して良好な付着性を示すことができ、ヘテロ原子置換基を有するペンダント部分を有する繰り返し単位を含むターポリマーおよびテトラポリマーである。
【選択図】なし

Description

本出願は、米国特許仮出願番号60/534,061(2003年12月31日提出)の利益を主張し、その全体を本発明の一部として参照する。
本発明は、新規ポリマーおよび前記のポリマーのフォトレジスト組成物、特に200nm以下などの短い波長で有効にイメージングすることができる化学増幅ポジ型レジストの樹脂成分としての使用に関する。好ましいポリマーは、SiONおよびSiなどの下層無機表面に対して良好な付着性を示すことができるターポリマーおよびテトラポリマーであり、ヘテロ原子置換を有するペンダント部分を有する繰り返し単位を含む。
フォトレジストは、イメージを基体に転写するために用いられる感光性フィルムである。フォトレジストのコーティング層が基体上に形成され、フォトレジスト層は次いでフォトマスクを通して活性化放射線源に露光される。フォトマスクは活性化放射線に対して不透明な部分と活性化放射線に対して透明な他の部分を有する。活性化放射線への露光により、光により誘発される化学的変換がフォトレジストコーティングに起こり、これによりフォトマスクのパターンがフォトレジストでコートされた基体に転写される。露光後、フォトレジストを現像してレリーフイメージを得、これにより基体の選択的加工が可能になる。
フォトレジストは、ポジ型またはネガ型のいずれかとなることができる。ほとんどのネガ型フォトレジストについては、活性化放射線に露光されたこれらのコーティング層部分は、光活性化合物とフォトレジスト組成物の重合可能な物質との反応によって重合または架橋される。その結果として、露光されたコーティング部分が露光されていない部分よりも現像液中に溶解しにくくなる。ポジ型フォトレジストについては、露光された部分は現像液中により溶解しやすくなるが、露光されていない部分は比較的現像液に溶解しにくいままである。
現在入手することができるフォトレジストは多くの用途に適しているが、現在用いられているレジストはまた、特に高解像度の0.25ミクロン以下および0.1ミクロン以下の形状の形成などの高性能用途において重大な欠点を示す可能性がある。
従って、約200nm以下、たとえば193nmの露光放射線を含む短い波長の放射線でフォトイメージングすることができるフォトレジストに対する関心が増してきている。
脂環式ポリマーは、200nm以下の波長でイメージングされるフォトレジストの樹脂成分として興味深く、これは露光放射線に対する前記の樹脂の吸収が比較的低いのためである。脂環式モノマーたとえばノルボルネンのポリマーは、金属による付加または開環メタセシス重合(ROMP)により調製されてきたが、これはコストが高いこと、および金属汚染の可能性があるという欠点がある。別法として、電子リッチなノルボルネンモノマーは、電子不足無水マレイン酸とラジカル共重合させて交互コポリマーを得ることができ、これは193nm(ArFエキシマーレーザー)レジストポリマーとして評価されている。米国特許第6,509,134号参照せよ。また、T.Wallowら、Proc.SPIE2724(1996)334;S.J.Choiら、J.Photopolymer Sci.Technology、10(1997)521;およびS.J.Choiら、Proc.SPIE3999(2000)54;米国特許第5,843,624号;米国特許第6,306,554号;および米国特許第6,517,990号参照せよ。
酸窒化ケイ素(SiONと記載されることが多い)層および他の無機物、たとえば窒化ケイ素(Siと記載されることが多い)コーティングは半導体デバイス製造において、たとえばエッチストップ層および無機反射防止層として用いられている。たとえば、米国特許第6,124,217号;第6,153,504号;および第6,245,682号参照せよ。
米国特許仮出願番号60/534,061号 米国特許第6,509,134号 米国特許第5,843,624号 米国特許第6,306,554号 米国特許第6,517,990号 米国特許第6,124,217号 米国特許第6,153,504号 米国特許第6,245,682号 T.Wallowら、Proc.SPIE2724(1996)334 S.J.Choiら、J.Photopolymer Sci.Technology、10(1997)521 S.J.Choiら、Proc.SPIE3999(2000)54
本発明者らは、有機コーティング組成物、たとえばフォトレジストおよび有機反射防止組成物は、酸窒化ケイ素または窒化ケイ素を含有する表面などの下層無機表面と比較的不十分にしか付着し得ないことを見いだした。不十分な付着は、パターン化されたフォトレジストレリーフイメージの解像度を低下させ、この結果、製品の欠点が生じるか、またはレジストが意図される用途に向かなくなる。
本発明者らは、本発明のフォトレジストはSiON層および窒化ケイ素層を含む前記の無機表面層に対して良好に付着することができることを見いだした。たとえば、後記の実施例9および10に記載する比較データを参照せよ。本発明のフォトレジスト組成物はさらに、非常に短い波長、特に200nm以下の波長、たとえば193nmに露光されると解像度の高いレリーフイメージを提供することができる。
本発明のポリマーは、少なくとも次の3つの異なる繰り返し単位:
1)重合したノルボルニル基などの重合した炭素脂環式基を含む繰り返し単位;
2)重合したアクリレート基(メタクリレートなどの置換アクリレートを包含する)を含む繰り返し単位;
3)重合したアンヒドリド基、たとえば無水マレイン酸を含む繰り返し単位を含む。ポリマーはさらに、i)フォト酸レイビル部分(たとえば、フォト酸レイビルエステルまたはアセタール基)、およびii)フォト酸レイビル部分と異なった、アルコール、アルキルスルフィド、ラクトン、エステルなどの成分として存在し得る1以上のヘテロ原子(特に、N、OまたはS、好ましくはOまたはS)を含むペンダント基も含む。
本発明の特に好ましいポリマーはテトラポリマーであり、前記単位1)、2)および3、および第四の異なる単位(4)を含む。好ましくは、第四の単位はフォト酸レイビル基と異なり、ペンダント基であり、かつ1以上のヘテロ原子を含む前記基ii)を含む。フォト酸レイビル部分は、1)、2)、3)または4)のいずれかの単位上に存在することができ、好ましくは、炭素脂環式単位またはアクリレート単位の成分である。
いずれの理論によっても拘束されないが、ヘテロ含有ポリマー成分(すなわち、ポリマー部分ii))は、ポリマーもしくは該ポリマーを含有するフォトレジストのコーティング層の下層無機基体表面、たとえば酸窒化ケイ素および/または窒化ケイ素(たとえば、SiONまたはSi)層に対する付着性を少なくとも一部向上させると考えられる。
好ましくは、ヘテロ含有ポリマー成分(すなわち、ポリマー部分ii))はレジストのSiON表面層に対する付着性を明らかに増大させる。付着性における明らかな増大は、対照レジスト(同じ方法で処理された同じレジストであって、唯一の違いはレジスト樹脂がヘテロ含有ポリマー成分を含まないことである)と比較して解像度が増大していることにより示される。このように増大した解像度は、ヘテロ含有ポリマー成分ii)を有するレジスト(試験レジスト)および対照レジストの走査電子顕微鏡写真(SEM)の視覚的な観察により確認することができる。従って、所定のレジスト系についての好ましいヘテロ含有ポリマー成分ii)(無機下層に対する付着性を明らかに増大させるポリマー成分)は実験的に容易に識別することができる。好ましいヘテロ含有ポリマー成分(すなわち、成分ii))およびポリマーを本明細書において詳細に開示する。
本発明のポリマーは前記基以外の単位も含むことができる。たとえば、本発明のポリマーは、ポリマー主鎖に融合した酸素および/または硫黄含有ヘテロ脂環式環(すなわち、ポリマー主鎖の一部として少なくとも2つのヘテロ脂環式環原子)を含む。ヘテロ脂環式環は、1以上の酸素および/または硫黄原子を環要素として適宜有する。本発明のポリマーは、メタクリロニトリルおよびアクリロニトリルの重合により提供されるようなニトリル単位を含むことができる。さらなるコントラスト増強基も本発明のポリマー中に存在することができ、たとえばメタクリル酸、アクリル酸の重合により提供される基、およびフォト酸レイビルエステルとして保護された酸、たとえば、エトキシエチルメタクリレート、t−ブトキシメタクリレート、t−ブチルメタクリレートなどの反応により提供されるものをはじめとする。
本発明のポリマーは、好ましくは200nm以下、たとえば193nmでイメージングされるフォトレジストにおいて用いられ、従って好ましくは任意のフェニルまたは他の芳香族基を実質的に含まない。たとえば、好ましいポリマーは約5モル%未満の芳香族基、さらに好ましくは約1または2モル%未満の芳香族基、さらに好ましくは0.1、0.02、0.04および0.08モル%未満の芳香族基、さらに一層好ましくは約0.01モル%未満の芳香族基を含有する。特に好ましいポリマーは芳香族基を全く含有しない。芳香族基は200nm以下の放射線を非常によく吸収することができ、このような短波長放射線でイメージングされるフォトレジストにおいて使用されるポリマーには望ましくない。
本発明はさらにレリーフイメージを形成する方法を提供し、これは各ラインが本質的に垂直なサイドウォール(sidewall)を有し、線幅が約0.40ミクロン以下であり、さらには線幅が約0.25、0.20または0.16ミクロン以下であるラインのパターンなどの高解像度レリーフイメージを形成する方法を含む。前記の方法において、好ましくは、本発明のレジストのコーティング層は、短波長放射線、特に300nm以下または200nm以下の放射線、特に248nm、193nm、および157nmの放射線、ならびに高エネルギー放射線、たとえば100nm未満の波長を有する放射線、EUV、電子ビーム、イオンビームまたはX線イメージングでイメージングされる。
本発明はさらに、その上に本発明のポリマー、フォトレジストまたはレジストレリーフイメージがコートされている、たとえばマイクロエレクトロニクスウェハ基体または液晶ディスプレイまたは他のフラットパネルディスプレイ基体等の基体を含む製品を提供する。
本発明はさらに本明細書において開示されているフォトレジストによりコートされた基体を包含し、たとえばコーティングされた酸窒化ケイ素(たとえばSiON)および/または窒化ケイ素(たとえばSi)のなどの無機表面を有する基体をはじめとする。
環式基(たとえば、炭素脂環式またはヘテロ脂環式基)をポリマー主鎖と融合させるというのは、環式基の2つの環要素、典型的には環式基の2つの隣接する炭素原子がポリマー主鎖の一部でもあることを意味する。このような融合環は、環内二重結合を有する環式モノマーを重合させることにより、たとえば任意に置換されたノルボルネン基を重合させることにより提供することができる。
本発明において記載する場合、「炭素脂環式基」なる用語は、非芳香族環式基の各環要素が炭素であることを意味する。炭素脂環式基は、1以上の環内炭素−炭素二重結合を有することができるが、ただし環は芳香族ではない。
本発明のある態様において、好ましいポリマーは、ポリマー主鎖と融合した任意のヘテロ脂環式基(アンヒドリド基以外)、特にポリマー主鎖と融合した環式エーテルまたは環式チオエーテルを有さない。
本発明の他の態様を以下に開示する。
前記のように、本発明者らは少なくとも次の3つの繰り返し単位:
1)重合した炭素脂環式基を含む繰り返し単位;
2)重合したアクリレート基を含む繰り返し単位;
3)重合したアンヒドリド基を含む繰り返し単位
を含むポリマーを提供する。
本発明のポリマーは、前記繰り返し単位1)、2)および3)のいずれかの成分として存在するか、またはさらなる異なる繰り返し単位の成分として存在する次の2つの異なる基:
i)フォト酸レイビル部分(たとえば、フォト酸レイビルエステルまたはアセタール基)、および
ii)1以上のヘテロ原子を含むペンダント基
を含む。
特に好ましい本発明のポリマーはテトラポリマーであり、前記単位1)、2)および3)、ならびに第四の異なる単位(4)を含む。好ましくは、第四の単位は、ポリマー主鎖にペンダントであり、かつ1以上のヘテロ原子を含有する基ii)を含む。
単位1)、2)および3)または単位1)、2)、3)および4)が異なるというのは、どの2つの単位も構造的に同一でないことを意味する。
本明細書において記載される1以上のヘテロ原子を含むペンダント基とは、1以上のヘテロ原子が直線状ポリマー主鎖の一部ではないか、またはポリマー主鎖に融合した環式基の環要素の一部ではないことを意味する。
ポリマーの繰り返し単位1)
本発明のポリマーは、ポリマー主鎖に融合した炭素脂環式基(すなわち、該基は全てが炭素である環要素を有する)を含む少なくとも1つの繰り返し単位1)を含む。すなわち、炭素脂環式環はポリマー主鎖を構成する少なくとも2の炭素環要素を有する。好ましい融合炭素脂環式基は、環式オレフィン(環内二重結合)化合物、たとえば任意に置換されたノルボルネン基を重合することにより提供される。
ポリマーの繰り返し単位2)
本発明のポリマーは、重合したアクリレート基を含む少なくとも1つの繰り返し単位2)を含有する。重合したアクリレート基はフォト酸レイビルエステル部分を含むのが適当である。
さらに詳細には、ポリマー繰り返し単位2)はアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレート、特に脂環式部分を有するアクリレート、たとえばメチルアダマンチルアクリレートまたはメチルアダマンチルメタクリレートの重合により提供することができる。好ましい非環式フォト酸レイビル部分は、2以上の融合環または架橋環を有する三級エステル脂環式炭化水素基である。好ましい三級エステル基としては、任意に置換されたアダマンチル、特に前記のようなメチルアダマンチル;任意に置換されたフェンキル基、特にエチルフェンキル;任意に置換されたピナニル;および任意に置換されたトリシクロデカニル、特にアルキル置換トリシクロデカニル、たとえば8−エチル−8−トリシクロデカニル(たとえば8−エチル−8−トリシクロデカニルアクリレートおよび8−エチル−8−トリシクロデカニルメタクリレートの重合により得られるもの)が挙げられる。さらなる二環式、三環式および他の多環式部分を含むさらなる脂環式エステル基も適当であろう。重合したアクリレートは脂環式であってもよく、好ましくはフォト酸の存在下で開裂反応を受け、これはたとえばt−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレートおよび他の脂環式アクリレートの重合、たとえば米国特許第6,136,501号(Trefonasら)において開示されている重合による。
ポリマーの繰り返し単位3)
本発明のポリマーは重合したアンヒドリド基を含む少なくとも1つの繰り返し単位3)も含む。様々なアンヒドリド基が適当であり、たとえば無水マレイン酸、無水イタコン酸などをはじめとする。重合した無水マレイン酸基が一般に好ましい。
ポリマーの繰り返し単位4)
ポリマーは任意に、好ましくはポリマー主鎖(すなわち、直線状ポリマー鎖を形成する、共有結合した原子)にペンダントであって、かつ1以上のヘテロ原子を含む部分を含む第四の異なる繰り返し単位4)を含むことができる。
様々な部分が好適なペンダントヘテロ含有部分であり、たとえば、任意に置換されたアルコール、たとえば任意に置換されたC1−16アルコール、さらに好ましくは任意に置換されたC1−8アルコール(一級および二級アルコールが一般に好ましいことが多く、三級アルコールも好適であり得る);ラクトン、たとえば二環式、三環式および他の多環式ラクトン、たとえばアルファ−ブチロラクトンなどのブチロラクトンをはじめとする。
好ましいペンダント基はポリマー主鎖から少なくとも2、3、4または5の他の原子、たとえば炭素原子、典型的には飽和炭素原子、により隔てられたヘテロ原子(特に酸素または硫黄)を含有し、これはたとえばヒドロキシアルキル(アルコール)基、C1−16アルキルスルフィドまたはペンダントラクトン基の炭素環要素として存在するものはじめとする。
繰り返し単位4)は前記のアクリレート基2)およびアンヒドリド基3)とは異なる。
好ましいヘテロ含有基としては、該基を含有する樹脂の水性アルカリ溶液中への溶解を促進することができる基、たとえばチオールおよびアルキルチオール、たとえばC1−8チオール、スルホンアミド基(ハロゲン化スルホンアミド基、たとえばフッ素化スルホンアミド基を包含する)、アルコール(ハロゲン化、特にフッ素化アルコール、たとえばハロゲン化、特にフッ素化されていてもよいC1−8アルコールを包含する)が挙げられる。
さらに詳細には、好ましい基としては、−CHC(OH)(CF、−CHCH(OH)(CF)、−CH(OH)(CF)、−NHSOCF、−NHSOCH、−N(CH)SOCF、−N(CH)SOCHFなどをはじめとする。
前記の基は、任意に置換されたC1−8アルキル鎖などの非環式基を含む様々な基を介して、または脂環式基を介してポリマー主鎖と結合することができ、ここにおいて、該ヘテロ基はアダマンチル、ノルボルニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、フェンキル等の脂環式基の置換基である。特に、このタイプのポリマー基は、次のものを含む:
Figure 2005196101
フォト酸レイビル基およびペンダントヘテロ原子含有基
フォトレジスト組成物において使用するために、本発明のポリマーはフォト酸レイビル部分を含む1以上の単位も含有する。フォト酸レイビル基は、前記の繰り返し単位1)、2)、3)または4)の1以上の置換基、たとえば重合した炭素脂環式基の置換基または重合したアクリレート基のフォト酸レイビルエステル成分であってもよい。フォト酸レイビル部分はまた追加のポリマー単位として存在してもよく、たとえば単位2)と異なる重合したアクリレート基として、あるいは好ましくはポリマー主鎖と融合し、好ましくは1以上の酸素もしくは硫黄原子を環要素として有する重合したヘテロ脂環式基の置換基として存在してもよい。
好ましいフォト酸レイビル基は、前記の重合したアクリレート基、すなわち、重合したアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレート、特に三級脂環式エステル基(多環式基、たとえばアダマンチル、エチルフェンキルまたはトリシクロデカニル部分を含む)を有するアクリレートを含む。本発明において記載される「三級脂環式エステル基」または他の類似した用語は、三級脂環式環炭素がエステル酸素に共有結合していることを示し、すなわち、−C(=O)O−TR’(式中、Tは脂環式基R’の三級環炭素である)を示す。少なくとも多くの場合において、好ましくは、脂環式部分の三級環炭素は、たとえば以下に図示する特に好ましいポリマーにより例示されるように、エステル酸素と共有結合する。しかしながら、エステル酸素と結合する三級炭素は、典型的には脂環式環が環外三級炭素の置換基の一つである場合に脂環式環に対して環外である。典型的には、エステル酸素と結合する三級炭素は、脂環式環自身、および/または1ないし約12個の炭素、さらに典型的には1ないし約8個の炭素、さらに一層典型的には1、2、3または4個の炭素を有する1、2または3個のアルキル基により置換される。脂環式基は、好ましくは芳香族置換を含まない。脂環式基は適宜単環、または多環、特に二環または三環基であってもよい。
本発明のポリマーのフォト酸レイビルエステル基の好ましい脂環式部分(たとえば、−C(=O)O−TR’のTR’基)は、かなり大きな体積を有する。このような嵩だかい脂環式基は、本発明のコポリマーにおいて使用される場合に、向上された解像度を提供することができることが判明している。
さらに詳細には、フォト酸レイビルエステル基の好ましい脂環式基は、少なくとも約125または約130Åの分子体積、さらに好ましくは、少なくとも約135、140、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、または200Åの分子体積を有する。約220または250Åより大きな脂環式基は少なくともいくつかの用途においてはあまり好ましくない。本発明において分子体積とは、最適化された化学結合長さおよび角度を提供する標準的コンピューターモデリングにより決定される所定の体積の大きさを示す。本明細書において記載される分子体積を決定するための好ましいコンピュータープログラムは、Triposから入手可能なAlchemy2000である。コンピューターに基づく分子サイズの決定についてのさらなる議論については、T Omoteら、Polymers for Advanced Technologies、第4巻、277〜287ページ参照せよ。
フォト酸レイビル単位の特に好ましい三級脂環式基としては、次のものが挙げられる(式中、波線はエステル基のカルボニル酸素への結合を表し、Rは適宜、任意に置換されたアルキル、特にC1−8アルキル、たとえばメチル、エチルなどである)。
Figure 2005196101
本発明のポリマーは脂環式部分を含まないフォト酸レイビル基を含有することができる。たとえば、本発明のポリマーは、フォト酸レイビルエステル単位、たとえば、フォト酸レイビルアルキルエステルを含むことができる。一般に、フォト酸レイビルエステルのカルボキシル酸素(すなわち、次のような下線を施したカルボキシル酸素:−C(=O))は四級炭素と共有結合する。分岐したフォト酸レイビルエステル、たとえばt−ブチルおよび−C(CHCH(CHが一般に好ましい。
適当なフォト酸レイビル基はさらに、アセタール基、たとえば、エチルビニルエーテルなどのビニルエーテルとヒドロキシ基の反応により得られるものを包含する。
本発明の好ましいポリマーは、ポリマーの全単位に基づいて少なくとも約2〜5モル%の融合した炭素脂環式単位(すなわち、単位1))を含有し;さらに好ましくはポリマーの全単位に基づいて約5〜50モル%の融合した炭素脂環式単位を含有し;なお一層好ましくはポリマーの全単位に基づいて約5または10〜約40または50%の融合した炭素脂環式単位を含有する。
本発明の好ましいポリマーは、ポリマーの全単位に基づいて少なくとも約2〜5モル%の重合したアクリレート単位(すなわち、単位2))を含有し;さらに好ましくはポリマーの全単位に基づいて約5〜50モル%の重合したアクリレート単位を含有し;なお一層好ましくはポリマーの全単位に基づいて約5または10〜約40または50モル%の重合したアクリレート単位を含有する。
本発明の好ましいポリマーは、ポリマーの全単位に基づいて少なくとも約2〜5モル%の重合したアンヒドリド基、たとえば無水マレイン酸基(すなわち、単位3))を含む繰り返し単位を含有し;さらに好ましくはポリマーの全単位に基づいて約5〜50モル%の重合したアンヒドリド基、たとえば無水マレイン酸基を含む繰り返し単位を含有する。
本発明の好ましいポリマーは、少なくとも約2〜5モル%の、ペンダントヘテロ原子含有部分、たとえばラクトンまたはアルコールを含む、単位1)、2)および3)と異なる追加の繰り返し単位(すなわち、単位4))を含有し;さらに好ましくは約5〜30または40モル%のペンダントヘテロ原子含有部分、たとえばラクトンまたはアルコールを含む前記の異なる繰り返し単位を含有する。
好ましいフォト酸レイビル基はエステル基、特に三級脂環式炭化水素エステル部分を含有するエステルである。
本発明のポリマーは、追加の単位、たとえばシアノ単位、ラクトン単位またはアンヒドリド単位を含むことができる。たとえば、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルを重合させて、ペンダントシアノ基を得ることができるか、あるいは無水マレイン酸を重合させて、融合したアンヒドリド単位を得ることができる。
前記のように、様々なポリマー部分は任意に置換されていてよい。「置換された」ポリマー部分または置換基は、1以上の可能な位置、典型的には1、2または3位で、1以上の適当な基、たとえば、ハロゲン(特にF、ClまたはBr);シアノ;C1−8アルキル;C1−8アルコキシ;C1−8アルキルチオ;C1−8アルキルスルホニル;C2−8アルケニル;C2−8アルキニル;ヒドロキシ;ニトロ;アルカノイル、たとえば、C1−6アルカノイル、たとえば、アシルなどにより置換されていてもよい。
本発明のポリマーは、様々な方法により調製することができる。適当な1つの方法は、フリーラジカル重合を含む付加反応であり、たとえば、ラジカル開始剤の存在下、不活性雰囲気(たとえば、Nまたはアルゴン)において、高温、たとえば約70℃以上(反応温度は用いられる特定の物質の反応性および反応溶媒(もし溶媒を用いるならば)の沸点によって変わる)で選択されたモノマーの反応によって前記のような様々な単位を提供する。適当な反応溶媒としては、たとえば、テトラヒドロフラン、乳酸エチルなどが挙げられる。特定の系について適当な反応温度は、本開示に基づいて当業者らは経験的に容易に決定することができる。様々なフリーラジカル開始剤を用いることができる。たとえば、アゾ化合物、たとえば、アゾ−ビス−2,4−ジメチルペンタンニトリルを用いることができる。過酸化物、過酸エステル、過酸および過硫酸塩も用いることができる。
反応して本発明のポリマーを提供することができる他のモノマーは、当業者により同定することができる。たとえば、フォト酸レイビル単位を提供するために、適当なモノマーとしては、たとえば、エステル基のカルボキシ酸素上に適当な基置換(たとえば、三級脂環式、t−ブチルなど)を含むメタクリレートまたはアクリレートが挙げられる。無水マレイン酸は、融合したアンヒドリドポリマー単位を提供するのに好ましい物質である。無水イタコン酸もアンヒドリドポリマー単位を提供するのに好ましい物質であり、好ましくは、無水イタコン酸は重合前にクロロホルムでの抽出になどによって精製されている。ビニルラクトン、たとえばアルファ−ブチロラクトンは重合することができる。重合されうるいくつかの適当なビニル(環内二重結合)ヘテロ環式モノマーは、米国特許第6,306,554号(Barclayら)に開示されているものを包含する。
本発明の特に好ましい物質、反応条件およびポリマーは、後記の実施例1〜4に記載されている。
好ましくは、本発明のポリマーは、約800または1,000〜約100,000、さらに好ましくは約2,000〜約30,000、さらに一層好ましくは約2,000〜15,000または20,000の重量平均分子量(Mw)を有し、分子量分布(Mw/Mn)は約3以下、さらに好ましくは分子量分布は約2以下である。本発明のポリマーの分子量(MwまたはMnのいずれか)はゲル透過クロマトグラフィーにより適当に決定することができる。
フォトレジスト処方において用いられる本発明のポリマーは、必要に応じてレジストレリーフイメージの形成を可能にするために十分な量のフォト酸レイビル基を含有するべきである。たとえば、前記の酸レイビルエステル基の適当な量は、ポリマーの全単位の少なくとも1モル%、さらに好ましくは約2〜50モル%、なおさらに典型的には全ポリマー単位の約3〜30または40モル%である。好ましいポリマーの例については後記の実施例を参照せよ。
前記のように、本発明のポリマーは、フォトレジスト組成物、特に化学増幅ポジ型レジストにおける樹脂成分として非常に有用である。本発明のフォトレジストは一般に光活性成分および前記のポリマーを含む樹脂成分を含む。
樹脂成分はレジストのコーティング層を水性アルカリ性現像液で現像することができるようにするために十分な量において用いるべきである。
本発明のレジスト組成物の光活性成分は、活性化放射線への露光によりレジストのコーティング層において潜像を生成するために十分な量において用いられるのが適当である1以上のフォト酸発生剤(すなわち、「PAG」)を適宜含む。193nmおよび248nmでのイメージングに好ましいPAGとしては、イミドスルホネート、たとえば、次式の化合物:
Figure 2005196101
(式中、Rはカンファー、アダマンタン、アルキル(たとえば、C1−12アルキル)およびパーフルオロアルキル、たとえば、パーフルオロ(C1−12アルキル)、特にパーフルオロオクタンスルホネート、パーフルオロノナンスルホネートなどである)が挙げられる。特に好ましいPAGは、N−[(パーフルオロオクタンスルホニル)オキシ]−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドである。
スルホネート化合物、特にスルホネート塩も適当なPAGである。193nmおよび248nmでのイメージングに適した2つの物質は次のPAG1および2である:
Figure 2005196101
前記のスルホネート化合物は、欧州特許出願番号96118111.2(公開番号0783136)において開示されているようにして調製することができ、これは前記PAG1の合成を詳細に記載する。
前記に図示したカンファースルホネート基以外のアニオンと錯体形成する前記の2つのヨードニウム化合物も好適である。特に、好ましいアニオンとしては、式RSO−(式中、Rはアダマンタン、アルキル(たとえば、C1−12アルキル)およびパーフルオロアルキル、たとえば、パーフルオロ(C1−12アルキル)、特にパーフルオロオクタンスルホネート、パーフルオロブタンスルホネートなどである)のものが挙げられる。
他の公知のPAGも本発明のレジストにおいて用いることができる。特に193nmでのイメージングについて、一般に好ましいのは芳香族基を含まないPAG、たとえば前記したイミドスルホネートであり、これは向上された透明性を提供する。
本発明のレジストの好ましい任意の添加剤は、付加塩基、特にテトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)、またはテトラブチルアンモニウムラクテートであり、これは現像されたレジストレリーフイメージの解像度を向上させることができる。193nmでイメージングされるレジストについて、好ましい付加塩基はヒンダードアミン、たとえばジアザビシクロウンデセンまたはジアザビシクロノネンである。付加塩基は全固形分に対して比較的少量、たとえば約0.03〜5重量%で適宜用いられる。
本発明のフォトレジストは他の任意の物質も含むことができる。たとえば、他の任意の添加剤としては、抗光条剤(anti−striation agent)、可塑剤、速度向上剤などが挙げられる。前記の任意の添加剤は、典型的にはフォトレジスト組成物において低濃度で存在し、ただし、比較的高濃度、たとえばレジストの乾燥成分の全重量の約5〜30重量%の量で存在し得るフィラーおよび染料を除く。
本発明のレジストは、当業者により容易に調製することができる。たとえば、本発明のフォトレジスト組成物は、フォトレジストの成分を適当な溶媒、たとえば、乳酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートおよび3−エトキシエチルプロピオネート中に溶解させることにより調製することができる。典型的には、組成物の固形分は、フォトレジスト組成物の全重量の約5〜35重量%の間で変化する。樹脂バインダーおよび光活性成分は、フィルムコーティング層を提供し、良質の潜像およびレリーフイメージを形成するために十分な量において存在するべきである。レジスト成分の好ましい量の例については後記の実施例を参照せよ。
本発明の組成物は、一般に知られた手順に従って用いられる。本発明の液体コーティング組成物は、スピニング、ディッピング、ローラーコーティングまたは他の慣例のコーティング技術などにより基体に施用される。スピンコーティングの場合、コーティング溶液の固形分含量は、用いられる特定のスピニング装置、溶液の粘度、スピンナーの速度およびスピニングに許容される時間に基づいて所望のフィルム厚を得るために調節することができる。
本発明のレジスト組成物はフォトレジストでのコーティングを含むプロセスにおいて通常用いられる基体に適宜施用される。たとえば、組成物はマイクロプロセッサおよび他の集積回路コンポーネントの製造のために、シリコンウェハあるいは二酸化珪素でコートされたシリコンウェハ上に施用することができる。アルミニウム−酸化アルミニウム、ヒ化ガリウム、セラミック、石英、銅、ガラス基体なども適宜用いられる。
表面上にフォトレジストをコーティングした後、加熱することにより乾燥して、好ましくはフォトレジストコーティングが不粘着性になるまで溶媒を除去する。その後、従来方法でマスクを通してイメージングする。露光は、フォトレジスト系の光活性成分を有効に活性化して、レジストコーティング層においてパターン化されたイメージを生じるために十分なものであり、より詳細には露光エネルギーは典型的に約1〜100mJ/cmの範囲であり、これは露光ツールおよびフォトレジスト組成物の成分に依存する。
前記のように、本発明のレジスト組成物のコーティング層は、好ましくは、短い露光波長、特に300nm以下および200nm以下の露光波長により光活性化される。前記のように193nmが特に好ましい露光波長である。しかしながら、本発明のレジスト組成物は、さらに長い波長でも適当にイメージングすることができる。たとえば、本発明の樹脂は適当なPAGおよび必要ならば増感剤とともに処方することができ、さらに長い波長、たとえば248nmまたは365nmでイメージングすることができる。
露光後、組成物のフィルム層を好ましくは約70℃〜約160℃の範囲の温度でベークする。その後、フィルムを現像する。極性現像液、好ましくは水性ベースの現像液、たとえば、水酸化四級アンモニウム溶液、たとえば、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド溶液;さまざまなアミン溶液、好ましくは0.26Nのテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、たとえば、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、またはメチルジエチルアミン;アルコールアミン、たとえば、ジエタノールアミンまたはトリエタノールアミン;環式アミン、たとえば、ピロール、ピリジンなどを用いることにより、露光されたレジストフィルムをポジ型にする。一般に、現像は当該技術分野において承認されている方法に従う。
基体上のフォトレジストコーティングの現像後、現像された基体をレジストのない基体部分において選択的に加工することができ、たとえば、当該技術分野において知られている方法に従ってレジストのない基体部分に化学的エッチングまたはメッキすることによる。マイクロエレクトロニクス基体の製造、たとえば二酸化珪素ウェハの製造に関して、適当なエッチング剤としては、ガスエッチング剤、たとえば、ハロゲンプラズマエッチング剤、たとえば、塩素またはフッ素ベースのエッチング剤、たとえば、プラズマ流れとして適用されるClまたはCF/CHFエッチング剤が挙げられる。前記の加工後、レジストを公知ストリッピング法を用いて加工された基体から除去することができる。
本明細書において記載するすべての文献を本発明の一部として参照する。以下の非制限的な実施例は本発明を例示するものである。実施例1から4において、開示された手順において製造されるポリマーの構造を実施例標題のすぐ下に示す。
実施例1:MAMA/BLA/MA/Norテトラポリマーの合成
Figure 2005196101
混合物(1):メチルアダマンタンメタクリレート(14.06g;0.06モル)、β−ブチロラクトンアクリレート(8.51g;0.04モル)および無水マレイン酸(3.92g;0.05モル)の、阻害剤を含まないテトラヒドロフラン26.49g中の混合物を丸底フラスコ中に入れた。窒素バブリング雰囲気中で1時間撹拌した後、混合物を100mlシリンジに移した。
混合物(2);混合物2について同じ手順を用いた。ノルボルネン(4.71g;0.05モル)およびV601(0.92g;0.004モル)の、アンヒドリド阻害剤を含まないテトラヒドロフラン50g中の混合物(5.63g)を丸底フラスコ中に入れた。
重合および沈殿;窒素発泡雰囲気中で1時間混合物(2)を撹拌した後、フラスコを予熱された75℃の油浴中に入れた。撹拌をこの温度で続けた。同時に、混合物(1)を連続してシリンジポンプにより反応フラスコ中に3.5時間供給した。供給が完了した後、全反応混合物を同じ温度(75℃)で30分間撹拌した。冷却後、100gのテトラヒドロフランを反応混合物に添加した。ポリマーを2Lのイソプロピルアルコール中に沈殿させることによって単離した。懸濁液を30分間撹拌した。次いで、ポリマーを濾過し、濾過されたポリマーを追加の300mlのイソプロピルアルコールで洗浄した。ポリマーを一夜真空オーブン中で45℃で乾燥した(約20時間)。ポリマー収率は65%であった。
実施例2 MAMA/NLA/MA/Norテトラポリマーの合成
Figure 2005196101
8.23g(0.04モル)のノルボルネンラクトンアクリレートをβ−ブチロラクトンアクリレートの代わりに用いる以外は前記実施例1において記載した同じ手順により、標記ポリマーを調製した。ポリマー収率は63%であった。
実施例3 MAMA/HAdA/MA/Norテトラポリマーの合成
Figure 2005196101
8.89g(0.04モル)のヒドロキシアダマンタン−1−アクリレートをβ−ブチロラクトンアクリレートの代わりに用い、2Lのイソプロピルアルコール/ヘキサン1:1混合物中に沈殿させることによりポリマーを単離し、濾過されたポリマーを追加の300mlのイソプロピルアルコール/ヘキサン1:1混合物で洗浄する以外は前記実施例1に記載した同じ手順により標記ポリマーを調製した。ポリマー収率は60%であった。
実施例4 MAMA/BLA/MA/NIPOHテトラポリマーの合成
Figure 2005196101
7.61g(0.05モル)の5−ノルボルネン−2−イソプロピルアルコールをノルボルネンの代わりに使用する以外は前記実施例3に記載した同じ手順により標記ポリマーを調製した。ポリマー収率は63%であった。
実施例5 MAMA/BLA/MA/Norテトラポリマーを含有するフォトレジスト
シクロヘキサノンを用いてMAMA/BLA/MA/Norレジスト物質を調製した。結果として得られる溶液は約10重量%ポリマーであった。フォト酸発生剤、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネートおよびトリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネートを、溶液中のポリマーの量に対して約1.5重量%の量において溶液に添加した。0.2ミクロン未満の平均ポアサイズを有するPTFE膜を用いて溶液を濾過した。
実施例6 MAMA/NLA/MA/Norテトラポリマーを含有するフォトレジスト
MAMA/NLA/MA/NorテトラポリマーをMAMA/BLA/MA/Norテトラポリマーの代わりに使用する以外は前記実施例5に記載した同じ手順により、MAMA/NLA/MA/Norテトラポリマーの処方を調製した。
実施例7 MAMA/HAdA/MA/Norテトラポリマーを含有するフォトレジスト
MAMA/HAdA/MA/NorテトラポリマーをMAMA/BLA/MA/Norテトラポリマーの代わりに使用する以外は前記実施例5に記載した同じ手順により、MAMA/HAdA/MA/Norテトラポリマーの処方を調製した。
実施例8 MAMA/BLA/MA/NIPOHテトラポリマーを含有するフォトレジスト
MAMA/BLA/MA/NIPOHテトラポリマーをMAMA/BLA/MA/Norテトラポリマーの代わりに使用する以外は前記実施例5において記載されたのと同じ手順によりMAMA/BLA/MA/NIPOHテトラポリマーの処方を調製した。
実施例9 実施例5〜8のフォトレジストのパターン化試験
前記実施例5〜8において調製されたフォトレジスト組成物のそれぞれを2500rpmで、その上にSiON(厚さ=300Å)が堆積されたHMDSプライムされたシリコンウェハ上でスピンさせた。コートされたウェハを、ホットプレート上で120℃で90秒間ベークし、レジストフィルムの厚さは約300Åであった。ウェハを次いでパターンごとにISI 193ステッパーを用いて、193nmの波長で放射線に露光させた。
露光されたウェハを次いで120℃で60秒間ベークした。ウェハを水性ベースの溶液(0.262Nのテトラメチルアンモニウムヒドロキシド溶液)中で約60秒間現像した。これらの現像されたウェハをインラインSEMまたはX−SEMによりチェックした。
パターン化結果を図1の走査電子顕微鏡写真(SEM)として示す。特に、図1Aは、MAMA/BLA/MA/Norのテトラポリマーを含有する実施例5のフォトレジストにより得られるレリーフイメージを示し;図1BはMAMA/NLA/MA/Norのテトラポリマーを含有する実施例6のフォトレジストにより得られるレリーフイメージを示し;図1CはMAMA/HAdA/MA/Norのテトラポリマーを含有する実施例7のフォトレジストにより得られるレリーフイメージを示し;図1DはMAMA/BLA/MA/NIPOHのテトラポリマーを含有する実施例8のフォトレジストにより得られるレリーフイメージを示す。
実施例10 比較結果
樹脂成分が次の繰り返し単位:1)ノルボルネンイソプロピルアルコール、2)無水マレイン酸;3)ジヒドロピラン;および4)メチルアダマンチルメタクリレートを含む、すなわち、ポリマーがヘテロ環式置換を有するペンダント部分を有さず、その代わりに融合ヘテロ脂環式部分(すなわち、重合したジヒドロピラン)を有する以外は実施例5において記載したようにしてフォトレジストを調製した。
このフォトレジストを実施例9において記載されたSiON層上に加工した。現像されたイメージの走査電子顕微鏡写真は、パターン化された全てのレリーフイメージはSiON基体表面から盛り上がり、すなわち不完全な接着が起こっていたことを示した。
本発明の前記載事項は単に例示的であって、次の請求の範囲に記載されているような本発明の精神または範囲を逸脱することなく変更および修正を行うことができると理解される。
図1(図1A、1B、1Cおよび比較図1Dを含む)は、後記の実施例9において得られるレジストレリーフイメージのSEMを示す。

Claims (16)

  1. 光活性成分および
    1)重合した炭素脂環式基を含む繰り返し単位;
    2)重合したアクリレート基を含む繰り返し単位;および
    3)重合したアンヒドリド基を含む繰り返し単位;
    i)フォト酸レイビル部分;および1以上のヘテロ原子を含むペンダント基
    (ここにおいて、繰り返し単位1)、2)および3)のそれぞれは異なるポリマー単位である)を含むポリマー
    を含むフォトレジスト組成物。
  2. ポリマーが:
    4)ポリマー主鎖に対してペンダントであって、かつ1以上のヘテロ原子を含む基ii)を含む繰り返し単位をさらに含む
    (ここにおいて、繰り返し単位1)、2)、3)および4)のそれぞれは異なるポリマー単位である)請求項1記載のフォトレジスト。
  3. 重合した炭素脂環式基が任意に置換されたノルボルニル基である請求項1記載のフォトレジスト。
  4. 重合したアクリレート基がフォト酸レイビルエステルを含む請求項1記載のフォトレジスト。
  5. アンヒドリドが無水マレイン酸である請求項1記載のフォトレジスト。
  6. ペンダント基がラクトンまたはアルコールである請求項1記載のフォトレジスト。
  7. ポリマーが融合したヘテロ脂環式基を含まない請求項1記載のフォトレジスト。
  8. ポリマーが芳香族基を少なくとも実質的に含まない請求項1記載のフォトレジスト。
  9. ポリマーがテトラポリマーであり:
    1)重合した、任意に置換されたノルボルネン脂環式基を含む繰り返し単位;
    2)フォト酸レイビルエステル部分を含有する重合したアクリレート基を含む繰り返し単位;
    3)重合した無水マレイン酸基を含む繰り返し単位;
    4)ペンダントラクトンまたはアルコール基を含む繰り返し単位;
    (ここにおいて、繰り返し単位1)、2)、3)および4)のそれぞれは異なるポリマー単位である)
    を含む請求項1記載のフォトレジスト。
  10. 基体上に、請求項1記載のフォトレジストのコーティング層を有する前記基体。
  11. 無機表面と該無機表面上に請求項1記載のフォトレジストを有する基体。
  12. 該表面が酸窒化ケイ素および/または窒化ケイ素である請求項11記載の基体。
  13. フォトレジストレリーフイメージを形成する方法であって:
    請求項1記載のフォトレジストを基体表面上に適用し;
    フォトレジストをパターン化された放射線に露光し;さらに
    露光されたフォトレジストを現像して、レリーフイメージを得ることを含む前記方法。
  14. 基体表面が、酸窒化ケイ素および/または窒化ケイ素を含む請求項13記載の方法。
  15. 放射線が200nm未満の波長を有する請求項13記載の方法。
  16. 放射線が193nmの波長を有する請求項13記載の方法。
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