JP2005196034A - 光学系の光伝搬構造および光学表示装置、並びに光学系の光伝搬方法および光学表示装置の表示方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 投射型表示装置100は、光源10と、光源からの光を入射しかつ透過率を独立に制御可能な複数の画素を有する輝度変調ライトバルブと、輝度変調ライトバルブからの光を入射しかつ透過率を独立に制御可能な複数の画素を有する色変調ライトバルブとを備え、輝度変調ライトバルブの出射側にマイクロレンズアレイ508を設けるとともに、輝度変調ライトバルブおよび色変調ライトバルブを近接させて配置した。
【選択図】 図2
Description
光学表示装置のなかでも、液晶プロジェクタ、DLPプロジェクタといった投射型表示装置は、大画面表示が可能であり、表示画像のリアリティさや迫力を再現する上で効果的な装置である。この分野では、上記の課題を解決するために、次のような提案がなされている。
特許文献2記載の発明は、光源と、第1光変調素子と、第1光変調素子からの光をRGB3原色の光に分離する光分離部と、光分離部で分離した光をそれぞれ入射する複数の第2光変調素子と、各第2光変調素子からの光を合成するクロスプリズムとを備え、第1光変調素子および各第2光変調素子を介して光源からの光を変調して画像を表示するようになっている。特許文献2記載の発明においては、第1光変調素子は照明光学系を構成する光学レンズによって第2光変調素子上に結像されるようになっている。
図20の光学系では、フライアイレンズ112a,112bを挟んで光源側に輝度変調用の第1光変調素子130を配置し、フライアイレンズ112a,112bを挟んで光源の反対側に色変調用の第2光変調素子140を配置している。この光学系では、第1光変調素子130から近いフライアイレンズ112aを構成する各要素レンズの光学像が第2光変調素子140の画素面に結像されている。そのため、所望の輝度分布を得るためには、各要素レンズごとに、この輝度分布を形成しなければならない。ところで、フライアイレンズ112a,112bは、輝度分布を均一化する目的で使用される光学素子であり、その目的においては、要素レンズの数が多いことが望まれる。すると、必然的に各要素レンズのサイズは、第2光変調素子140の各画素サイズに比して小さいものとなる。具体的には、1/3〜1/5程度の大きさのものが用いられる。いま、第2光変調素子140の画素と第1光変調素子130の画素を1対1に対応させることを考えると、第1光変調素子130の画素密度は、第2光変調素子140の画素密度の3〜5倍必要になる。しかしながら、現在の光変調素子(例えば、液晶ライトバルブ)は、高精細化のために微細加工技術の上限に近い画素密度を有しており、その点を考慮すると、第1光変調素子130で3〜5倍の画素密度を実現しようとすることは困難である。したがって、第1光変調素子130で形成可能な輝度分布の精度は、第2光変調素子140の画素密度の3〜5倍粗いものとならざるを得ない。さらに、各要素レンズの光学像は、第1光変調素子130から遠いフライアイレンズ112bと集光レンズ12dのたかだか2枚のレンズで第2光変調素子140の画素面に結像されるため、十分な収差補正ができず、かなりぼけの伴ったものとならざるを得ない。よって、従来の投射型表示装置にあっては、高精度な輝度調整を行うのが困難であるという問題もあった。
光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第1光変調素子、および光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第2光変調素子を介して光源からの光を変調する光学系に適用される構造であって、
前記第1光変調素子および前記第2光変調素子の間に集光手段を設けるとともに、前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を近接させて配置したことを特徴とする。
また、光源は、光を発生する媒体であればどのようなものを利用することもでき、例えば、ランプのような光学系に内蔵の光源であってもよいし、太陽や室内灯のような外界の光源であってもよい。以下、発明13の光学系の光伝搬方法において同じである。
光源と、前記光源からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第1光変調素子と、前記第1光変調素子からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第2光変調素子とを備え、前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を介して前記光源からの光を変調して画像を表示する装置であって、
マイクロレンズアレイからなる集光手段を前記第1光変調素子の出射側に設けるとともに、前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を近接させて配置したことを特徴とする。
マイクロレンズアレイからなる第2集光手段を前記第2光変調素子の入射側に設けたことを特徴とする。
このような構成であれば、光学表示装置では、第1光変調素子により、光源からの光が1次変調され、第1光変調素子の光学像が2つのマイクロレンズアレイを介して第2光変調素子に伝達される。
前記集光手段のマイクロレンズアレイのレンズ径を前記第1光変調素子の画素と同一またはほぼ同一の大きさとし、前記第2集光手段のマイクロレンズアレイのレンズ径を前記第2光変調素子の画素と同一またはほぼ同一の大きさとしたことを特徴とする。
このような構成であれば、第1光変調素子の各画素の光学像は、その画素に対応する集光手段の要素レンズを介して第2光変調素子に出射される。また、第2光変調素子の各画素に対しては、その画素に対応する第2集光手段の要素レンズを介して第1光変調素子の光学像が入射される。
〔発明5〕 さらに、発明5の光学表示装置は、発明2の光学表示装置において、
セルフォックレンズからなる第2集光手段を前記第1光変調素子および前記第2光変調素子の間に設けたことを特徴とする。
これにより、マイクロレンズアレイおよびセルフォックレンズを設けたので、集光性能をさらに向上することができる。したがって、光の拡散等による輝度の減少をさらに抑制することができるので、表示画像の輝度を向上することができるという効果が得られる。また、第1光変調素子の光学像を第2光変調素子の画素面に比較的精度よく結像することができるという効果も得られる。
光源と、前記光源からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第1光変調素子と、前記第1光変調素子からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第2光変調素子とを備え、前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を介して前記光源からの光を変調して画像を表示する装置であって、
マイクロレンズアレイからなる集光手段を前記第2光変調素子の入射側に設けるとともに、前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を近接させて配置したことを特徴とする。
光源と、前記光源からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第1光変調素子と、前記第1光変調素子からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第2光変調素子とを備え、前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を介して前記光源からの光を変調して画像を表示する装置であって、
セルフォックレンズからなる集光手段を前記第1光変調素子および前記第2光変調素子の間に設けるとともに、前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を近接させて配置したことを特徴とする。
前記第1光変調素子、前記集光手段および前記第2光変調素子は、接着して一体化したことを特徴とする。
このような構成であれば、第1光変調素子、集光手段および第2光変調素子が密接しているので、光の拡散等による輝度の減少をさらに抑制することができる。したがって、表示画像の輝度を向上することができるという効果が得られる。
さらに、前記光源からの光を異なる複数の特定波長領域の光に分離する光分離手段と、前記光分離手段で分離した光をそれぞれ入射する複数の光変調手段と、前記各光変調手段からの光を合成する光合成手段とを備え、
前記光変調手段は、前記第1光変調素子、前記集光手段および前記第2光変調素子からなることを特徴とする。
ここで、特定波長領域は、RGB3原色ごとに設定するに限らず、必要に応じて任意に設定することができる。ただし、RGB3原色ごとに設定すれば、既存の液晶ライトバルブ等をそのまま利用することができ、コスト面で有利である。以下、発明21の光学表示装置の表示方法において同じである。
前記光源と前記光分離手段との光路上に、前記光源からの光の輝度分布を均一化する輝度分布均一化手段を設けたことを特徴とする。
このような構成であれば、輝度分布均一化手段により、光源からの光の輝度分布が均一化されて光分離手段に入射される。
ここで、輝度は、人間の視覚特性を考慮しない物理的な放射輝度(Radiance=W/(sr・m2))を指標としてもよいし、人間の視覚特性を考慮した輝度(luminance=cd/m2)を指標としてもよい。以下、発明22の光学表示装置の表示方法において同じである。
前記輝度分布均一化手段は、前記光源からの光を第1光変調素子の入射可能偏光方向に応じて偏光する偏光変換素子を有することを特徴とする。
このような構成であれば、偏光変換素子により、光源からの光が第1光変調素子の入射可能偏光方向に応じて偏光され、偏光された光が第1光変調素子に入射される。
〔発明12〕 さらに、発明12の光学表示装置は、発明2ないし11のいずれかの光学表示装置において、
前記第1光変調素子および前記第2光変調素子は、液晶ライトバルブであることを特徴とする。
このような構成であれば、既存の光学部品を利用することができるので、コストの上昇をさらに抑えることができるという効果が得られる。
光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第1光変調素子、および光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第2光変調素子を介して光源からの光を変調する光学系に適用される方法であって、
前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を近接させて配置し、前記第1光変調素子と前記第2光変調素子の光路において、集光手段を介して前記第1光変調素子の光学像を前記第2光変調素子の画素面に結像することを特徴とする。
これにより、発明1の光学系の光伝搬構造と同等の効果が得られる。
光源と、前記光源からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第1光変調素子と、前記第1光変調素子からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第2光変調素子とを備え、前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を介して前記光源からの光を変調して画像を表示する光学表示装置の表示方法であって、
前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を近接させて配置し、前記第1光変調素子と前記第2光変調素子の光路において、前記第1光変調素子の出射側に設けたマイクロレンズアレイからなる集光手段を介して前記第1光変調素子の光学像を前記第2光変調素子の画素面に結像することを特徴とする。
これにより、発明2の光学表示装置と同等の効果が得られる。
前記第1光変調素子と前記第2光変調素子の光路において、前記集光手段、および前記第2光変調素子の入射側に設けたマイクロレンズアレイからなる第2集光手段を介して前記第1光変調素子の光学像を前記第2光変調素子の画素面に結像することを特徴とする。
これにより、発明3の光学系の光伝搬構造と同等の効果が得られる。
前記集光手段のマイクロレンズアレイのレンズ径を前記第1光変調素子の画素と同一またはほぼ同一の大きさとし、前記第2集光手段のマイクロレンズアレイのレンズ径を前記第2光変調素子の画素と同一またはほぼ同一の大きさとしたことを特徴とする。
これにより、発明4の光学系の光伝搬構造と同等の効果が得られる。
前記第1光変調素子と前記第2光変調素子の光路において、前記集光手段、およびセルフォックレンズからなる第2集光手段を介して前記第1光変調素子の光学像を前記第2光変調素子の画素面に結像することを特徴とする。
これにより、発明5の光学系の光伝搬構造と同等の効果が得られる。
光源と、前記光源からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第1光変調素子と、前記第1光変調素子からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第2光変調素子とを備え、前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を介して前記光源からの光を変調して画像を表示する光学表示装置の表示方法であって、
前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を近接させて配置し、前記第1光変調素子と前記第2光変調素子の光路において、前記第2光変調素子の入射側に設けたマイクロレンズアレイからなる集光手段を介して前記第1光変調素子の光学像を前記第2光変調素子の画素面に結像することを特徴とする。
これにより、発明6の光学表示装置と同等の効果が得られる。
光源と、前記光源からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第1光変調素子と、前記第1光変調素子からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第2光変調素子とを備え、前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を介して前記光源からの光を変調して画像を表示する光学表示装置の表示方法であって、
前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を近接させて配置し、前記第1光変調素子と前記第2光変調素子の光路において、セルフォックレンズからなる集光手段を介して前記第1光変調素子の光学像を前記第2光変調素子の画素面に結像することを特徴とする。
これにより、発明7の光学表示装置と同等の効果が得られる。
前記第1光変調素子、前記集光手段および前記第2光変調素子は、接着して一体化したことを特徴とする。
これにより、発明8の光学表示装置と同等の効果が得られる。
前記光学表示装置は、さらに、前記光源からの光を異なる複数の特定波長領域の光に分離する光分離手段と、前記光分離手段で分離した光をそれぞれ入射する複数の光変調手段と、前記各光変調手段からの光を合成する光合成手段とを備え、
前記光変調手段は、前記第1光変調素子、前記集光手段および前記第2光変調素子からなることを特徴とする。
これにより、発明9の光学表示装置と同等の効果が得られる。
前記光源と前記光分離手段との光路において、輝度分布均一化手段を介して前記光源からの光の輝度分布を均一化することを特徴とする。
これにより、発明10の光学表示装置と同等の効果が得られる。
前記光源と前記光分離手段との光路において、偏光変換素子を介して前記光源からの光を第1光変調素子の入射可能偏光方向に応じて偏光することを特徴とする。
これにより、発明11の光学表示装置と同等の効果が得られる。
前記第1光変調素子および前記第2光変調素子は、液晶ライトバルブであることを特徴とする。
これにより、発明12の光学表示装置と同等の効果が得られる。
本実施の形態は、本発明に係る光学系の光伝搬構造および光学表示装置、並びに光学系の光伝搬方法および光学表示装置の表示方法を、図1に示すように、投射型表示装置100に適用したものである。
図1は、投射型表示装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
投射型表示装置100は、図1に示すように、光源10と、光源10から入射した光の輝度分布を均一化する輝度分布均一化部12と、輝度分布均一化部12から入射した光の波長領域のうちRGB3原色の輝度をそれぞれ変調する光変調部18と、光変調部18から入射した光をスクリーン(不図示)に投射する投射部20とで構成されている。
光変調部18は、透過率を独立に制御可能な複数の画素をマトリクス状に配列した3つの光変調素子群40R,40G,40Bと、5枚のフィールドレンズ42R,42G,42B1〜42B3と、2枚のダイクロイックミラー44a,44bと、3枚のミラー46a,46b,46cと、ダイクロイックプリズム48とで構成されている。まず、輝度分布均一化部12からの光をダイクロイックミラー44a,44bにより赤色、緑色および青色のRGB3原色に分光するとともに、フィールドレンズ42R,42G,42B1〜42B3およびミラー46a〜46cを介して光変調素子群40R〜40Bに入射する。そして、分光したRGB3原色の光の輝度を各光変調素子群40R〜40Bにより変調し、変調したRGB3原色の光をダイクロイックプリズム48により集光して投射部20に出射する。
図2は、光変調素子群40Rの光軸方向の断面図である。
液晶ライトバルブ50Rは、偏光板501、対向基板502、対向電極503、データ配線504、封止材505、パネル基板506、液晶507およびマイクロレンズアレイ508で構成されている。パネル基板506の入射側(光源10からの光が入射する側)には、各画素へのデータ配線504と所定間隔をもって配列された画素電極および画素電極(不図示)に制御電圧を印加するための能動素子(不図示)が形成されているとともに、対向電極503が対向基板502上に形成されている。パネル基板506と対向基板502の間には、液晶507が充填され、封止材505によって液晶507が封止されている。対向基板502の入射側には、偏光板501が接着されている。一方、パネル基板506の出射側(光源10からの光が出射する側)には、凸方向を出射側に向けてマイクロレンズアレイ508が接着されている。なお、マイクロレンズアレイ508は、例えば、特開2000−305472号公報に開示されている製造方法により製造することができる。
また、図示しないが、以下の説明において、光変調素子群40Gについては、液晶ライトバルブ50R,52Rに対応するものを液晶ライトバルブ50G,52G、光変調素子群40Bについては、液晶ライトバルブ50R,52Rに対応するものを液晶ライトバルブ50B,52Bと称する。
図3は、表示制御装置200のハードウェア構成を示すブロック図である。
表示制御装置200は、図3に示すように、制御プログラムに基づいて演算およびシステム全体を制御するCPU70と、所定領域にあらかじめCPU70の制御プログラム等を格納しているROM72と、ROM72等から読み出したデータやCPU70の演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAM74と、外部装置に対してデータの入出力を媒介するI/F78とで構成されており、これらは、データを転送するための信号線であるバス79で相互にかつデータ授受可能に接続されている。
記憶装置82は、HDR表示データを記憶している。
HDR表示データは、従来のsRGB等の画像フォーマットでは実現できない高い輝度ダイナミックレンジを実現することができる画像データであり、画素の輝度レベルを示す画素値を画像の全画素について格納している。現在は、特にCGの世界において、CGオブジェクトを実際の風景に合成するために用いられている。画像形式としては様々なものが存在するが、従来のsRGB等の画像フォーマットよりも高い輝度ダイナミックレンジを実現するために浮動小数点形式で画素値を格納する形式が多い。また、格納する値としては、人間の視覚特性を考慮しない物理的な放射輝度(Radiance=W/(sr・m2))や、人間の視覚特性を考慮した輝度(luminance=cd/m2)に関する値であるという点も特徴である。本実施の形態では、HDR表示データとして、1つの画素についてRGB3原色ごとに放射輝度レベルを示す画素値を浮動小数点値として格納した形式を用いる。例えば、1つの画素の画素値として(1.2,5.4,2.3)という値が格納されている。
Rp = Tp×Rs …(1)
Tp = T1×T2×G …(2)
ただし、上式(1),(2)において、Rsは光源10の輝度、Gはゲインであり、いずれも定数である。また、Tpは、光変調率である。
輝度変調ライトバルブおよび色変調ライトバルブがそれぞれ異なる解像度を有する場合、輝度変調ライトバルブの1つの画素p1について画素p1が色変調ライトバルブの複数の画素と光路上で重なり合い、また逆に、色変調ライトバルブの1つの画素p2について画素p2が輝度変調ライトバルブの複数の画素と光路上で重なり合うことがある。ここで、輝度変調ライトバルブの画素p1について透過率T1を算出する場合、色変調ライトバルブの重なり合う複数の画素の透過率T2が決定されていれば、それら透過率T2の平均値等を算出し、算出した平均値等を色変調ライトバルブの画素p1に対応する画素の透過率T2と見立てて、上式(1),(2)により透過率T1を算出することが考えられる。しかしながら、あくまで平均値等を色変調ライトバルブの透過率T2と見立てているので、そこにはどうしても誤差が生じる。この誤差は、輝度変調ライトバルブの透過率T1の方を先に決定する場合でも、色変調ライトバルブの透過率T2の方を先に決定する場合でも、決定順序にかかわらず発生するが、輝度変調ライトバルブおよび色変調ライトバルブのうち表示解像度を決定するものについては、視覚的な影響力が大きいので誤差を極力小さくした方がよい。
以上のことから、画質を向上する観点からは、輝度変調ライトバルブおよび色変調ライトバルブのうち表示解像度を決定するものの透過率の方を後に決定する方が誤差の影響が少なくてよいという結論が得られる。本実施の形態では、色変調ライトバルブが表示解像度を決定するので、色変調ライトバルブの透過率T2の方を後に決定する。
図4は、制御値登録テーブル400Rのデータ構造を示す図である。
制御値登録テーブル400Rには、図4に示すように、輝度変調ライトバルブの各制御値ごとに1つのレコードが登録されている。各レコードは、輝度変調ライトバルブの制御値を登録したフィールドと、赤色に対応する輝度変調ライトバルブ(液晶ライトバルブ50R)の画素の透過率を登録したフィールドとを含んで構成されている。
図5は、制御値登録テーブル420Rのデータ構造を示す図である。
制御値登録テーブル420Rには、図5に示すように、色変調ライトバルブの各制御値ごとに1つのレコードが登録されている。各レコードは、色変調ライトバルブの制御値を登録したフィールドと、赤色に対応する色変調ライトバルブ(液晶ライトバルブ52R)の画素の透過率を登録したフィールドとを含んで構成されている。
CPU70は、マイクロプロセッシングユニット(MPU)等からなり、ROM72の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図6のフローチャートに示す表示制御処理を実行するようになっている。
図6は、表示制御処理を示すフローチャートである。
ステップS100では、HDR表示データを記憶装置82から読み出す。
図7は、トーンマッピング処理を説明するための図である。
HDR表示データを解析した結果、HDR表示データに含まれる輝度レベルの最小値がSminで、最大値がSmaxであるとする。また、投射型表示装置100の輝度ダイナミックレンジの最小値がDminで、最大値がDmaxであるとする。図7の例では、SminがDminよりも小さく、SmaxがDmaxよりも大きいので、このままでは、HDR表示データを適切に表示することができない。そこで、Smin〜SmaxのヒストグラムがDmin〜Dmaxのレンジに収まるように正規化する。
次いで、ステップS106に移行して、色変調ライトバルブの解像度に合わせてHDR画像をリサイズ(拡大または縮小)する。このとき、HDR画像のアスペクト比を保持したままHDR画像をリサイズする。リサイズ方法としては、例えば、平均値法、中間値法、ニアレストネイバー法(最近傍法)が挙げられる。
次いで、ステップS110に移行して、色変調ライトバルブの各画素の透過率T2として初期値(例えば、0.2)を与え、色変調ライトバルブの各画素の透過率T2を仮決定する。
次いで、ステップS116に移行して、輝度変調ライトバルブの各画素ごとに、その画素について算出した透過率T1に対応する制御値を制御値登録テーブル400R〜400Bから読み出し、読み出した制御値をその画素の制御値として決定する。制御値の読出では、算出した透過率T1に最も近似する透過率を制御値登録テーブル400R〜400Bのなかから検索し、検索により索出した透過率に対応する制御値を読み出す。この検索は、例えば、2分探索法を用いて行うことにより高速な検索を実現する。
次に、本実施の形態の動作を図8ないし図11を参照しながら説明する。
以下では、色変調ライトバルブはいずれも、横18画素×縦12画素の解像度および4ビットの階調数を有し、輝度変調ライトバルブは、横15画素×縦10画素の解像度および4ビットの階調数を有する場合を例にとって説明を行う。
次いで、ステップS110を経て、色変調ライトバルブの各画素の透過率T2が仮決定される。色変調ライトバルブの左上4区画の画素をp21(左上)、p22(右上)、p23(左下)、p24(右下)とした場合、画素p21〜p24の透過率T2には、図8に示すように、初期値T20が与えられる。
次いで、ステップS112を経て、色変調ライトバルブの画素単位で輝度変調ライトバルブの透過率T1’が算出される。画素p21〜p24に着目した場合、これに対応する輝度変調ライトバルブの透過率T11〜T14は、図9に示すように、画素p21〜p24の光変調率をTp1〜Tp4、ゲインGを「1」とすると、下式(3)〜(6)により算出することができる。
T11 = Tp1/T20 …(3)
T12 = Tp2/T20 …(4)
T13 = Tp3/T20 …(5)
T14 = Tp4/T20 …(6)
図10は、輝度変調ライトバルブの各画素の透過率T1を決定する場合を示す図である。
T15=(T11×25+T12×5+T13×5+T14×1)/36 …(7)
画素p12〜p14の透過率T16〜T18についても、画素p11と同様に、面積比による重み付け平均値を算出することにより求めることができる。
次いで、ステップS118を経て、色変調ライトバルブの各画素の透過率T2が決定される。画素p24は、図11(a)に示すように、色変調ライトバルブと輝度変調ライトバルブの解像度が異なることから、画素p11〜画素p14と光路上で重なり合う。色変調ライトバルブの解像度が18×12で、輝度変調ライトバルブの解像度が15×10であるので、画素p24は、その最小公倍数から5×5の矩形領域に区分することができる。そして、画素p24と画素p11〜p14との重なり合う面積比は、図11(b)に示すように、1:4:4:16となる。したがって、画素p24に着目した場合、これに対応する輝度変調ライトバルブの透過率T19は、下式(8)により算出することができる。そして、画素p24の透過率T24は、ゲインGを「1」とすると、図11(c)に示すように、下式(9)により算出することができる。
T19=(T15×1+T16×4+T17×4+T18×16)/25 …(8)
T24=Tp4/T19 …(9)
画素p21〜p23の透過率T21〜T23についても、画素p24と同様に、面積比による重み付け平均値を算出することにより求めることができる。
投射型表示装置100では、輝度分布均一化部12により、光源10からの光の輝度分布が均一化され、ダイクロイックミラー44a,44bにより、輝度分布均一化部12からの光がRGB3原色の光に分離されてそれぞれ色変調素子40R〜40Bに入射される。輝度分布均一化部12からの光は、輝度変調ライトバルブにより1次変調され、輝度変調ライトバルブの光学像がマイクロレンズアレイ508を介して色変調ライトバルブに伝達される。このとき、輝度変調ライトバルブの光学像は、マイクロレンズアレイ508により集光されて色変調ライトバルブの画素面に結像されるので、光の拡散等による輝度の減少を抑制しつつ色変調ライトバルブに伝達される。そして、色変調ライトバルブにより、輝度変調ライトバルブからの光が2次変調され、ダイクロイックプリズム48により、色変調ライトバルブからの光が合成されて画像が表示される。
これにより、輝度変調ライトバルブおよび色変調ライトバルブを介して光源10からの光を変調するので、比較的高い輝度ダイナミックレンジおよび階調数を実現することができる。また、輝度変調ライトバルブおよび色変調ライトバルブを近接させて配置し、マイクロレンズアレイ508を介して輝度変調ライトバルブの光学像を色変調ライトバルブの画素面に結像するので、輝度変調ライトバルブの光学像を色変調ライトバルブの画素面に比較的精度よく結像することができるとともに、輝度変調ライトバルブの画素面を小さくしなくてすむことから比較的高精度な変調を行うことができる。したがって、従来に比して、画質が劣化する可能性を低減することができる。さらに、照明光学系の光学部品に高精度のものを用いなくてもすむので、コストの上昇を抑えることができる。
これにより、輝度変調ライトバルブ、マイクロレンズアレイ508および色変調ライトバルブが密接しているので、光の拡散等による輝度の減少をさらに抑制することができる。したがって、表示画像の輝度を向上することができる。
さらに、本実施の形態では、光源10と光変調部18との光路上に、光源10からの光の輝度分布を均一化する輝度分布均一化部12を設けた。
これにより、輝度ムラが生じる可能性を低減することができる。
これにより、光源10からの光量の多くが輝度変調ライトバルブの変調対象となるので、表示画像の輝度を向上することができる。
さらに、本実施の形態では、輝度変調ライトバルブおよび色変調ライトバルブは、液晶ライトバルブである。
さらに、本実施の形態では、色変調ライトバルブの各画素の透過率T2を仮決定し、仮決定した透過率T2およびHDR表示データに基づいて輝度変調ライトバルブの各画素の透過率T1を決定し、決定した透過率T1に基づいて輝度変調ライトバルブの各画素の制御値を決定し、決定した透過率T1およびHDR表示データに基づいて色変調ライトバルブの各画素の透過率T2を決定し、決定した透過率T2に基づいて色変調ライトバルブの各画素の制御値を決定するようになっている。
さらに、本実施の形態では、仮決定した透過率T2およびHDR表示データに基づいて、色変調ライトバルブの画素単位で輝度変調ライトバルブの透過率T1’を算出し、算出した透過率T1’に基づいて輝度変調ライトバルブの各画素の透過率T1を算出するようになっている。
これにより、輝度変調ライトバルブおよび色変調ライトバルブがそれぞれ異なる解像度を有する場合に、輝度変調ライトバルブの各画素の透過率T1が、その画素と光路上で重なり合う色変調ライトバルブの画素の透過率T2に対して比較的適切な値となるので、画質が劣化する可能性をさらに低減することができる。また、輝度変調ライトバルブの各画素の透過率T1をさらに簡単に算出することができる。
これにより、輝度変調ライトバルブおよび色変調ライトバルブがそれぞれ異なる解像度を有する場合に、輝度変調ライトバルブの各画素の透過率T1が、その画素と光路上で重なり合う色変調ライトバルブの画素の透過率T2に対してさらに適切な値となるので、画質が劣化する可能性をさらに低減することができる。また、輝度変調ライトバルブの各画素の透過率T1をさらに簡単に算出することができる。
これにより、輝度変調ライトバルブおよび色変調ライトバルブがそれぞれ異なる解像度を有する場合に、色変調ライトバルブの各画素の透過率T2が、その画素と光路上で重なり合う輝度変調ライトバルブの画素の透過率T1に対して比較的適切な値となるので、画質が劣化する可能性をさらに低減することができる。また、色変調ライトバルブの各画素の透過率T2を比較的簡単に算出することができる。
これにより、輝度変調ライトバルブおよび色変調ライトバルブがそれぞれ異なる解像度を有する場合に、色変調ライトバルブの各画素の透過率T2が、その画素と光路上で重なり合う輝度変調ライトバルブの画素の透過率T1に対してさらに適切な値となるので、画質が劣化する可能性をさらに低減することができる。また、色変調ライトバルブの各画素の透過率T2をさらに簡単に算出することができる。
これにより、従来の投射型表示装置に光変調素子を1つだけ追加すればよいので、投射型表示装置100を比較的容易に構成することができる。
上記第1の実施の形態において、輝度変調ライトバルブは、発明1、2、8、9、11ないし14、20、21、23または24の第1光変調素子に対応し、色変調ライトバルブは、発明1、2、8、9、12ないし14、20、21または24の第2光変調素子に対応している。また、輝度分布均一化部12は、発明10、11または22の輝度分布均一化手段に対応し、光変調素子群40R〜40Bは、発明9または21の光変調手段に対応し、ダイクロイックミラー44a,44bは、発明9、10、21ないし23の光分離手段に対応している。
次に、本発明の第2の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図12は、本発明に係る光学系の光伝搬構造および光学表示装置、並びに光学系の光伝搬方法および光学表示装置の表示方法の第2の実施の形態を示す図である。
図12は、光変調素子群40Rの光軸方向の断面図である。
光変調素子群40Rは、図12に示すように、液晶ライトバルブ50R,52Rで構成されている。
投射型表示装置100では、輝度分布均一化部12により、光源10からの光の輝度分布が均一化され、ダイクロイックミラー44a,44bにより、輝度分布均一化部12からの光がRGB3原色の光に分離されてそれぞれ色変調素子40R〜40Bに入射される。輝度分布均一化部12からの光は、輝度変調ライトバルブにより1次変調され、輝度変調ライトバルブの光学像がマイクロレンズアレイ528を介して色変調ライトバルブに伝達される。このとき、輝度変調ライトバルブの光学像は、マイクロレンズアレイ528により集光されて色変調ライトバルブの画素面に結像されるので、光の拡散等による輝度の減少を抑制しつつ色変調ライトバルブに伝達される。そして、色変調ライトバルブにより、輝度変調ライトバルブからの光が2次変調され、ダイクロイックプリズム48により、色変調ライトバルブからの光が合成されて画像が表示される。
これにより、輝度変調ライトバルブおよび色変調ライトバルブを介して光源10からの光を変調するので、比較的高い輝度ダイナミックレンジおよび階調数を実現することができる。また、輝度変調ライトバルブおよび色変調ライトバルブを近接させて配置し、マイクロレンズアレイ528を介して輝度変調ライトバルブの光学像を色変調ライトバルブの画素面に結像するので、輝度変調ライトバルブの光学像を色変調ライトバルブの画素面に比較的精度よく結像することができるとともに、輝度変調ライトバルブの画素面を小さくしなくてすむことから比較的高精度な変調を行うことができる。したがって、従来に比して、画質が劣化する可能性を低減することができる。さらに、照明光学系の光学部品に高精度のものを用いなくてもすむので、コストの上昇を抑えることができる。
次に、本発明の第3の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図13は、本発明に係る光学系の光伝搬構造および光学表示装置、並びに光学系の光伝搬方法および光学表示装置の表示方法の第3の実施の形態を示す図である。
図13は、光変調素子群40Rの光軸方向の断面図である。
光変調素子群40Rは、図13に示すように、液晶ライトバルブ50R,52Rと、液晶ライトバルブ50R,52Rの間に設けられたセルフォックレンズ54とで構成されている。
次に、本実施の形態の動作を説明する。
投射型表示装置100では、輝度分布均一化部12により、光源10からの光の輝度分布が均一化され、ダイクロイックミラー44a,44bにより、輝度分布均一化部12からの光がRGB3原色の光に分離されてそれぞれ色変調素子40R〜40Bに入射される。輝度分布均一化部12からの光は、輝度変調ライトバルブにより1次変調され、輝度変調ライトバルブの光学像がセルフォックレンズ54を介して色変調ライトバルブに伝達される。このとき、輝度変調ライトバルブの光学像は、セルフォックレンズ54により集光されて色変調ライトバルブの画素面に結像されるので、光の拡散等による輝度の減少を抑制しつつ色変調ライトバルブに伝達される。そして、色変調ライトバルブにより、輝度変調ライトバルブからの光が2次変調され、ダイクロイックプリズム48により、色変調ライトバルブからの光が合成されて画像が表示される。
これにより、輝度変調ライトバルブおよび色変調ライトバルブを介して光源10からの光を変調するので、比較的高い輝度ダイナミックレンジおよび階調数を実現することができる。また、輝度変調ライトバルブおよび色変調ライトバルブを近接させて配置し、セルフォックレンズ54を介して輝度変調ライトバルブの光学像を色変調ライトバルブの画素面に結像するので、輝度変調ライトバルブの光学像を色変調ライトバルブの画素面に比較的精度よく結像することができるとともに、輝度変調ライトバルブの画素面を小さくしなくてすむことから比較的高精度な変調を行うことができる。したがって、従来に比して、画質が劣化する可能性を低減することができる。さらに、照明光学系の光学部品に高精度のものを用いなくてもすむので、コストの上昇を抑えることができる。
なお、上記第1の実施の形態においては、輝度変調ライトバルブの出射側にマイクロレンズアレイ508を設けて構成したが、これに限らず、色変調ライトバルブの入射側にもマイクロレンズアレイを設けて構成することができる。具体的には、次のような構成を採用することができる。
液晶ライトバルブ52Rは、図14に示すように、偏光板521、マイクロレンズアレイ528、対向基板522、対向電極523、データ配線524、封止材525、パネル基板526、液晶527および偏光板531で構成されている。パネル基板526の入射側には、データ配線524と所定間隔をもって配列された画素電極および画素電極(不図示)に制御電圧を印加するための能動素子(不図示)が形成されているとともに、対向電極523が対向基板522上に形成されている。パネル基板526と対向基板522の間には、液晶527が充填され、封止材525によって液晶527が封止されている。対向基板522の内部には、凸方向を出射側に向けてマイクロレンズアレイ528が埋設されている。また、対向基板522の入射側には、偏光板521が接着されている。一方、パネル基板526の出射側には、偏光板531が接着されている。
これにより、2枚のマイクロレンズアレイ508,528を設けるとともに、マイクロレンズアレイ508,528のレンズ径を同一またはほぼ同一としたので、集光性能をさらに向上することができる。したがって、光の拡散等による輝度の減少をさらに抑制することができるので、表示画像の輝度を向上することができる。また、輝度変調ライトバルブの光学像を色変調ライトバルブの画素面にさらに精度よく結像することができる。
また、上記第3の実施の形態においては、輝度変調ライトバルブおよび色変調ライトバルブの間にセルフォックレンズ54を設けて構成したが、これに限らず、色変調ライトバルブの入射側にもマイクロレンズアレイを設けて構成することができる。具体的には、次のような構成を採用することができる。
液晶ライトバルブ52Rは、図15に示すように、偏光板521、マイクロレンズアレイ528、対向基板522、対向電極523、データ配線524、封止材525、パネル基板526、液晶527および偏光板531で構成されている。パネル基板526の入射側には、データ配線524と所定間隔をもって配列された画素電極および画素電極(不図示)に制御電圧を印加するための能動素子(不図示)が形成されているとともに、対向電極523が対向基板522上に形成されている。パネル基板526と対向基板522の間には、液晶527が充填され、封止材525によって液晶527が封止されている。対向基板522の内部には、凸方向を出射側に向けてマイクロレンズアレイ528が埋設されている。また、対向基板522の入射側には、偏光板521が接着されている。一方、パネル基板526の出射側には、偏光板531が接着されている。
これにより、セルフォックレンズ54およびマイクロレンズアレイ528を設けたので、集光性能をさらに向上することができる。したがって、光の拡散等による輝度の減少をさらに抑制することができるので、表示画像の輝度を向上することができる。また、輝度変調ライトバルブの光学像を色変調ライトバルブの画素面にさらに精度よく結像することができる。
また、上記第1ないし第3の実施の形態においては、色変調ライトバルブと輝度変調ライトバルブの解像度が異なる場合について説明したが、この場合において、図14の例のように、輝度変調ライトバルブの出射側および色変調ライトバルブの入射側にマイクロレンズアレイを設ける構成を採用するときは、それぞれのレンズ径を異ならせるのが好ましい。具体的には、次のような構成を採用することができる。
図16において、輝度変調ライトバルブの出射側には、マイクロレンズアレイ508が、色変調ライトバルブの入射側には、マイクロレンズアレイ528がそれぞれ設けられている。マイクロレンズアレイ508のレンズ径は、輝度変調ライトバルブの画素と同一またはほぼ同一の大きさを有している。また、マイクロレンズアレイ528のレンズ径は、色変調ライトバルブの画素と同一またはほぼ同一の大きさを有している。
また、上記第1ないし第3の実施の形態においては、光源10からみて前段に配置される光変調素子を輝度変調ライトバルブとし、光源10からみて後段に配置される光変調素子を色変調ライトバルブとして構成したが、これに限らず、光源10からみて前段に配置される光変調素子を色変調ライトバルブとし、光源10からみて後段に配置される光変調素子を輝度変調ライトバルブとして構成することもできる。
そのために、図18の入力値登録テーブル440を用いれば、通常のRGB画像の0〜255という入力値から物理的な透過率Tpへの変換を行うことができ、かつ、このテーブルの透過率Tpの設定の仕方によって簡単に通常のRGB画像に対する表示の見た目(階調特性)を変更することが可能となる。このテーブルにおける透過率Tpは、上式(2)におけるTpであるため、この値が決定されれば後は、上記第1ないし第3の実施の形態と同様の処理を行うことにより、複数の光変調素子の透過率T1,T2が決定され表示が行える。
図19の入力値登録テーブル460は、透過率Tpの代わりに輝度Rpを用いたものである。このテーブルにおける輝度Rpは、上式(1)におけるRpであるため、この値が決定されれば後は、上記第1ないし第3の実施の形態と同様の処理を行うことにより、複数の光変調素子の透過率T1,T2が決定され表示が行える。
また、上記第1ないし第3の実施の形態においては、説明を簡単にするため、画素数および階調数が小さい光変調素子を用いているが、画素数および階調数が大きい光変調素子を用いる場合においても上記第1ないし第3の実施の形態と同様に処理することができる。
また、上記第1ないし第3の実施の形態において、図6のフローチャートに示す処理を実行するにあたっては、ROM72にあらかじめ格納されている制御プログラムを実行する場合について説明したが、これに限らず、これらの手順を示したプログラムが記憶された記憶媒体から、そのプログラムをRAM74に読み込んで実行するようにしてもよい。
Claims (16)
- 光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第1光変調素子、および光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第2光変調素子を介して光源からの光を変調する光学系に適用される構造であって、
前記第1光変調素子および前記第2光変調素子の間に集光手段を設けるとともに、前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を近接させて配置したことを特徴とする光学系の光伝搬構造。 - 光源と、前記光源からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第1光変調素子と、前記第1光変調素子からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第2光変調素子とを備え、前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を介して前記光源からの光を変調して画像を表示する装置であって、
マイクロレンズアレイからなる集光手段を前記第1光変調素子の出射側に設けるとともに、前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を近接させて配置したことを特徴とする光学表示装置。 - 請求項2において、
マイクロレンズアレイからなる第2集光手段を前記第2光変調素子の入射側に設けたことを特徴とする光学表示装置。 - 請求項3において、
前記集光手段のマイクロレンズアレイのレンズ径を前記第1光変調素子の画素と同一またはほぼ同一の大きさとし、前記第2集光手段のマイクロレンズアレイのレンズ径を前記第2光変調素子の画素と同一またはほぼ同一の大きさとしたことを特徴とする光学表示装置。 - 請求項2において、
セルフォックレンズからなる第2集光手段を前記第1光変調素子および前記第2光変調素子の間に設けたことを特徴とする光学表示装置。 - 光源と、前記光源からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第1光変調素子と、前記第1光変調素子からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第2光変調素子とを備え、前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を介して前記光源からの光を変調して画像を表示する装置であって、
マイクロレンズアレイからなる集光手段を前記第2光変調素子の入射側に設けるとともに、前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を近接させて配置したことを特徴とする光学表示装置。 - 光源と、前記光源からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第1光変調素子と、前記第1光変調素子からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第2光変調素子とを備え、前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を介して前記光源からの光を変調して画像を表示する装置であって、
セルフォックレンズからなる集光手段を前記第1光変調素子および前記第2光変調素子の間に設けるとともに、前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を近接させて配置したことを特徴とする光学表示装置。 - 請求項2ないし7のいずれかにおいて、
前記第1光変調素子、前記集光手段および前記第2光変調素子は、接着して一体化したことを特徴とする光学表示装置。 - 請求項2ないし8のいずれかにおいて、
さらに、前記光源からの光を異なる複数の特定波長領域の光に分離する光分離手段と、前記光分離手段で分離した光をそれぞれ入射する複数の光変調手段と、前記各光変調手段からの光を合成する光合成手段とを備え、
前記光変調手段は、前記第1光変調素子、前記集光手段および前記第2光変調素子からなることを特徴とする光学表示装置。 - 請求項9において、
前記光源と前記光分離手段との光路上に、前記光源からの光の輝度分布を均一化する輝度分布均一化手段を設けたことを特徴とする光学表示装置。 - 請求項10において、
前記輝度分布均一化手段は、前記光源からの光を第1光変調素子の入射可能偏光方向に応じて偏光する偏光変換素子を有することを特徴とする光学表示装置。 - 請求項2ないし11のいずれかにおいて、
前記第1光変調素子および前記第2光変調素子は、液晶ライトバルブであることを特徴とする光学表示装置。 - 光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第1光変調素子、および光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第2光変調素子を介して光源からの光を変調する光学系に適用される方法であって、
前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を近接させて配置し、前記第1光変調素子と前記第2光変調素子の光路において、集光手段を介して前記第1光変調素子の光学像を前記第2光変調素子の画素面に結像することを特徴とする光学系の光伝搬方法。 - 光源と、前記光源からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第1光変調素子と、前記第1光変調素子からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第2光変調素子とを備え、前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を介して前記光源からの光を変調して画像を表示する光学表示装置の表示方法であって、
前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を近接させて配置し、前記第1光変調素子と前記第2光変調素子の光路において、前記第1光変調素子の出射側に設けたマイクロレンズアレイからなる集光手段を介して前記第1光変調素子の光学像を前記第2光変調素子の画素面に結像することを特徴とする光学表示装置の表示方法。 - 光源と、前記光源からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第1光変調素子と、前記第1光変調素子からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第2光変調素子とを備え、前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を介して前記光源からの光を変調して画像を表示する光学表示装置の表示方法であって、
前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を近接させて配置し、前記第1光変調素子と前記第2光変調素子の光路において、前記第2光変調素子の入射側に設けたマイクロレンズアレイからなる集光手段を介して前記第1光変調素子の光学像を前記第2光変調素子の画素面に結像することを特徴とする光学表示装置の表示方法。 - 光源と、前記光源からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第1光変調素子と、前記第1光変調素子からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第2光変調素子とを備え、前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を介して前記光源からの光を変調して画像を表示する光学表示装置の表示方法であって、
前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を近接させて配置し、前記第1光変調素子と前記第2光変調素子の光路において、セルフォックレンズからなる集光手段を介して前記第1光変調素子の光学像を前記第2光変調素子の画素面に結像することを特徴とする光学表示装置の表示方法。
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