JP2005234539A - 光学系の光伝搬構造、光学表示装置および光変調素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 輝度ダイナミックレンジおよび階調数の拡大を実現し、視野角の低下を防止するとともに画質を向上するのに好適な光学系の光伝搬構造を提供する。
【解決手段】 投射型表示装置100は、光源10と、透過率T1を独立に制御可能な複数の画素を有する輝度変調ライトバルブと、輝度変調ライトバルブからの光を入射しかつ透過率T2を独立に制御可能な複数の画素を有する色変調パネルとを備え、色変調パネルの光入射面に光拡散部材32を密着させて設けた。
これにより、視野角の低下を抑制することができるとともに、輝度変調ライトバルブの光学像を色変調パネルの画素面に比較的精度よく結像することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 投射型表示装置100は、光源10と、透過率T1を独立に制御可能な複数の画素を有する輝度変調ライトバルブと、輝度変調ライトバルブからの光を入射しかつ透過率T2を独立に制御可能な複数の画素を有する色変調パネルとを備え、色変調パネルの光入射面に光拡散部材32を密着させて設けた。
これにより、視野角の低下を抑制することができるとともに、輝度変調ライトバルブの光学像を色変調パネルの画素面に比較的精度よく結像することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、複数の光変調素子を介して光源からの光を変調する光学系に適用される構造および装置、並びに方法に係り、特に、輝度ダイナミックレンジおよび階調数の拡大を実現し、視野角の低下を防止するとともに画質を向上するのに好適な光学系の光伝搬構造、光学表示装置および光変調素子に関する。
近年、LCD(Liquid Crystal Display)、EL、プラズマディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)、プロジェクタ等の光学表示装置における画質改善は目覚しく、解像度、色域については人間の視覚特性にほぼ匹敵する性能が実現されつつある。しかしながら、輝度ダイナミックレンジについてみると、その再現範囲は、たかだか1〜102[nit]程度にとどまり、また、階調数は、8ビットが一般的である。一方、人間の視覚は、一度に知覚し得る輝度ダイナミックレンジが10-2〜104[nit]程度であり、また、輝度弁別能力は、0.2[nit]程度で、これを階調数に換算すると、12ビット相当といわれている。このような視覚特性を通じて現在の光学表示装置の表示画像をみると、輝度ダイナミックレンジの狭さが目立ち、加えてシャドウ部やハイライト部の階調が不足しているため表示画像のリアリティさや迫力に対して物足りなさを感じることになる。
また、映画やゲーム等で使用されるコンピュータグラフィックス(以下、CGと略記する。)では、人間の視覚に近い輝度ダイナミックレンジや階調数を表示データ(以下、HDR(High Dynamic Range)表示データという。)に持たせて描写のリアリティを追求する動きが主流になりつつある。しかしながら、それを表示する光学表示装置の性能が不足しているため、CGコンテンツが本来有する表現力を充分に発揮することができないという課題がある。
さらに、次期OS(Operating System)においては、16ビット色空間の採用が予定されており、現在の8ビット色空間と比較して輝度ダイナミックレンジや階調数が飛躍的に増大する。そのため、16ビット色空間を生かすことができる光学表示装置の実現が望まれる。
光学表示装置のなかでも、液晶プロジェクタ、DLPプロジェクタといった投射型表示装置は、大画面表示が可能であり、表示画像のリアリティさや迫力を再現する上で効果的な装置である。この分野では、上記の課題を解決するために、次のような提案がなされている。
高ダイナミックレンジの投射型表示装置としては、例えば、特許文献1に開示されている技術があり、光源と、光の全波長領域の輝度を変調する第1光変調素子と、光の波長領域のうちRGB3原色の各波長領域についてその波長領域の輝度を変調する第2光変調素子とを備え、光源からの光を第1光変調素子で変調して所望の輝度分布を形成し、その光学像を第2光変調素子の画素面に結像して色変調し、2次変調した光を投射するというものがある。第1光変調素子および第2光変調素子の各画素は、HDR表示データから決定される第1制御値および第2制御値に基づいてそれぞれ別個に制御される。光変調素子としては、透過率が独立に制御可能な画素構造またはセグメント構造を有し、二次元的な透過率分布を制御し得る透過率変調素子が用いられる。その代表例としては、液晶ライトバルブが挙げられる。また、透過率変調素子の代わりに反射率変調素子を用いてもよく、その代表例としては、DMDが挙げられる。
いま、暗表示の透過率が0.2%、明表示の透過率が60%の光変調素子を使用する場合を考える。光変調素子単体では、輝度ダイナミックレンジは、60/0.2=300となる。上記従来の投射型表示装置は、輝度ダイナミックレンジが300の光変調素子を光学的に直列に配置することに相当するので、300×300=90000の輝度ダイナミックレンジを実現することができる。また、階調数についてもこれと同等の考えが成り立ち、8ビット階調の光変調素子を光学的に直列に配置することにより、8ビットを超える階調数を得ることができる。
またその他に、高い輝度ダイナミックレンジを実現する投射型表示装置としては、例えば、非特許文献1に開示されている投射型表示装置、および特許文献2に開示されている表示装置が知られている。
またその他に、高い輝度ダイナミックレンジを実現する投射型表示装置としては、例えば、非特許文献1に開示されている投射型表示装置、および特許文献2に開示されている表示装置が知られている。
非特許文献1および特許文献2記載の発明とも、第2光変調素子としてLCDを、第1光変調素子としてLEDまたは蛍光灯等の変調可能な照明を用いている。
一方、高い輝度ダイナミックレンジを実現するものではないが、投射型表示装置の画質を向上する技術としては、例えば、特許文献3,4に開示されている表示装置が知られている。
特許文献3記載の発明は、光源と、映像表示素子と、投写レンズと、スクリーンとを備え、スクリーンの光入射面および光出射面にそれぞれ光拡散部材を設けたものである。
特許文献4記載の発明は、集光、拡散等の光学的機能を有するレンズシートに、光の透過方向に分離した少なくとも2つの光拡散部材を設けたものである。
Helge Seetzen, Lorne A. Whitehead, Greg Ward, "A High Dynamic Range Display Using Low and High Resolution Modulators", SID Symposium 2003, pp.1450-1453 (2003)
特開2001−100689号公報
特開2002−99250号公報
特開平8−313865号公報
WO98/03898号公報
非特許文献1および特許文献1,2記載の発明のように、第1光変調素子および第2光変調素子を介して光源からの光を変調し、高い輝度ダイナミックレンジおよび階調数を実現するためには、例えば、第1光変調素子で表示画像の輝度分布を形成し、第2光変調素子で表示画像の色分布を形成する場合、第1光変調素子の光学像を第2光変調素子の画素面にそれら分布が一致するように精度よく結像する必要がある。
また、非特許文献1および特許文献2記載の発明のように第2光変調素子を直接観察する構成においては、表示視野角を広げるために、特許文献3,4記載の発明のように光路上に光拡散部材を設け、第2光変調素子からの出射光を拡散することで視野角の低下を防止する工夫が必要である。
しかしながら、第1光変調素子および第2光変調素子を介して光源からの光を変調する構成において、第1光変調素子および第2光変調素子の間に光拡散部材を設けると、第1光変調素子からの光が光拡散部材によって拡散されてしまうため、視野角の低下は抑えられるものの、第1光変調素子の光学像を第2光変調素子の画素面に精度よく結像することができず、画質が低下するという問題があった。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、輝度ダイナミックレンジおよび階調数の拡大を実現し、視野角の低下を防止するとともに画質を向上するのに好適な光学系の光伝搬構造、光学表示装置および光変調素子を提供することを目的としている。
〔発明1〕 上記目的を達成するために、発明1の光学系の光伝搬構造は、
光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第1光変調素子、および光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第2光変調素子を介して光源からの光を変調する光学系に適用される構造であって、
前記第1光変調素子および前記第2光変調素子のうち前記光源からみて後段に配置されるものの光入射面に光拡散部材を密着または近接させて設けたことを特徴とする。
光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第1光変調素子、および光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第2光変調素子を介して光源からの光を変調する光学系に適用される構造であって、
前記第1光変調素子および前記第2光変調素子のうち前記光源からみて後段に配置されるものの光入射面に光拡散部材を密着または近接させて設けたことを特徴とする。
このような構成であれば、第1光変調素子が光源側に配置されている場合、第1光変調素子により、光源からの光が1次変調され、第1光変調素子の光学像が光拡散部材により拡散されて第2光変調素子に伝達される。このとき、第2光変調素子の光入射面には、光拡散部材が密着または近接して設けられているので、第1光変調素子からの光が第2光変調素子の画素面に到達するまでの間で拡散される度合いを小さくすることができる。そして、第2光変調素子により、第1光変調素子からの光が2次変調される。
これにより、第1光変調素子および第2光変調素子を介して光源からの光を変調するので、比較的高い輝度ダイナミックレンジおよび階調数を実現することができるという効果が得られる。また、第1光変調素子および第2光変調素子の間に光拡散部材が設けられているので、視野角の低下を抑制することができるという効果も得られる。また特に、後段の光変調素子の光入射面に光拡散部材が密着または近接して設けられているので、第1光変調素子および第2光変調素子の間における光拡散度合いを小さくすることができる。したがって、前段の光変調素子の光学像を後段の光変調素子の画素面に比較的精度よく結像することができるので、画質が劣化する可能性を低減することができるという効果も得られる。
ここで、光伝搬特性とは、光の伝搬に影響を与える特性をいい、例えば、光の透過特性、反射特性、屈折特性その他の伝搬特性が含まれる。以下、発明2および10の光学表示装置、並びに発明11および12の光変調素子において同じである。
また、光源は、光を発生する媒体であればどのようなものを利用することもでき、例えば、ランプのような光学系に内蔵の光源であってもよいし、太陽や室内灯のような外界の光源であってもよい。
また、第1光変調素子は、光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する光変調素子であればどのような構成であってもよく、構造としては、例えば、単一の光変調素子からなる単板式のものであってもよいし、複数の光変調素子からなる多板式のものであってもよい。また、機能としては、例えば、光の全波長領域の輝度を変調するようになっていてもよいし、光の波長領域のうち異なる複数の特定波長領域についてその特定波長領域の輝度を変調するようになっていてもよい。このことは、第2光変調素子についても同様である。以下、発明2および10の光学表示装置において同じである。
〔発明2〕 一方、上記目的を達成するために、発明2の光学表示装置は、
光源と、前記光源からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第1光変調素子と、前記第1光変調素子からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第2光変調素子とを備え、前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を介して前記光源からの光を変調して画像を表示する装置であって、
前記第2光変調素子の光入射面に光拡散部材を密着または近接させて設けたことを特徴とする。
光源と、前記光源からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第1光変調素子と、前記第1光変調素子からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第2光変調素子とを備え、前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を介して前記光源からの光を変調して画像を表示する装置であって、
前記第2光変調素子の光入射面に光拡散部材を密着または近接させて設けたことを特徴とする。
このような構成であれば、第1光変調素子により、光源からの光が1次変調され、第1光変調素子の光学像が光拡散部材により拡散されて第2光変調素子に伝達される。このとき、第2光変調素子の光入射面には、光拡散部材が密着または近接して設けられているので、第1光変調素子からの光が第2光変調素子の画素面に到達するまでの間で拡散される度合いを小さくすることができる。そして、第2光変調素子により、第1光変調素子からの光が2次変調される。
これにより、第1光変調素子および第2光変調素子を介して光源からの光を変調するので、比較的高い輝度ダイナミックレンジおよび階調数を実現することができるという効果が得られる。また、第1光変調素子および第2光変調素子の間に光拡散部材が設けられているので、視野角の低下を抑制することができるという効果も得られる。また特に、第2光変調素子の光入射面に光拡散部材が密着または近接して設けられているので、第1光変調素子および第2光変調素子の間における光拡散度合いを小さくすることができる。したがって、第1光変調素子の光学像を第2光変調素子の画素面に比較的精度よく結像することができるので、画質が劣化する可能性を低減することができるという効果も得られる。
〔発明3〕 さらに、発明3の光学表示装置は、発明2の光学表示装置において、
前記第2光変調素子は、液晶表示素子であり、
前記液晶表示素子の光入射側に入射側偏光板を設け、前記入射側偏光板および前記液晶表示素子の間に前記光拡散部材を配置したことを特徴とする。
前記第2光変調素子は、液晶表示素子であり、
前記液晶表示素子の光入射側に入射側偏光板を設け、前記入射側偏光板および前記液晶表示素子の間に前記光拡散部材を配置したことを特徴とする。
第2光変調素子を液晶表示素子で構成する場合、液晶表示素子の光入射側には、通常、入射側偏光板が設けられる。この場合、入射側偏光板の光入射側に光拡散部材を配置すると、光拡散部材で光の偏光方向が散乱し、その光のうち入射側偏光板の偏光方向と一致しない光が入射側偏光板で遮断されるため、表示画像の輝度が低下する可能性がある。そこで、本発明のように、入射側偏光板および液晶表示素子の間に光拡散部材を配置すれば、輝度の低下を抑制することができるという効果が得られる。
〔発明4〕 さらに、発明4の光学表示装置は、発明2および3のいずれかの光学表示装置において、
前記光拡散部材の光入射側および光出射側のいずれかに第2光拡散部材を設けたことを特徴とする。
前記光拡散部材の光入射側および光出射側のいずれかに第2光拡散部材を設けたことを特徴とする。
このような構成であれば、スペックルが発生するのを抑制することができるという効果が得られる。
〔発明5〕 さらに、発明5の光学表示装置は、発明4の光学表示装置において、
前記第2光変調素子の光出射側に前記第2光拡散部材を配置したことを特徴とする。
前記第2光変調素子の光出射側に前記第2光拡散部材を配置したことを特徴とする。
このような構成であれば、スペックルが発生するのを抑制することができるとともに、光学表示装置の表示面に外光が映り込むのを抑制することができるという効果が得られる。
〔発明6〕 さらに、発明6の光学表示装置は、発明5の光学表示装置において、
前記第2光拡散部材の光出射側に透明部材を設けたことを特徴とする。
前記第2光拡散部材の光出射側に透明部材を設けたことを特徴とする。
このような構成であれば、透明部材が観測者側に面しているので、光沢感をともなったつややかな表示画質を得ることができるという効果が得られる。
〔発明7〕 さらに、発明7の光学表示装置は、発明4ないし6のいずれかの光学表示装置において、
前記第2光変調素子は、液晶表示素子であり、
前記液晶表示素子の光出射側に出射側偏光板を設け、前記出射側偏光板の光出射側に前記第2光拡散部材を配置したことを特徴とする。
前記第2光変調素子は、液晶表示素子であり、
前記液晶表示素子の光出射側に出射側偏光板を設け、前記出射側偏光板の光出射側に前記第2光拡散部材を配置したことを特徴とする。
第2光変調素子を液晶表示素子で構成する場合、液晶表示素子の光出射側には、通常、出射側偏光板が設けられる。この場合、液晶表示素子および出射側偏光板の間に光拡散部材を配置すると、光拡散部材で光の偏光方向が散乱し、その光のうち出射側偏光板の偏光方向と一致しない光が出射側偏光板で遮断されるため、表示画像の輝度が低下する可能性がある。そこで、本発明のように、出射側偏光板の光出射側に光拡散部材を配置すれば、輝度の低下を抑制することができるという効果が得られる。
〔発明8〕 さらに、発明8の光学表示装置は、発明5ないし7のいずれかの光学表示装置において、
前記第2光拡散部材のヘイズ率を70%以下に設定したことを特徴とする。
前記第2光拡散部材のヘイズ率を70%以下に設定したことを特徴とする。
このような構成であれば、光学表示装置の表示面に白ボケが発生するのを抑制することができるという効果が得られる。
〔発明9〕 さらに、発明9の光学表示装置は、発明5ないし8のいずれかの光学表示装置において、
前記光拡散部材のヘイズ率を10%以下に設定したことを特徴とする。
前記光拡散部材のヘイズ率を10%以下に設定したことを特徴とする。
このような構成であれば、光学表示装置の表示面に照明輝度分布ボケが発生するのを抑制することができるという効果が得られる。
〔発明10〕 さらに、発明10の光学表示装置は、
光源と、前記光源からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第1光変調素子と、前記第1光変調素子からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第2光変調素子とを備え、前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を介して前記光源からの光を変調して画像を表示する装置であって、
前記第2変調素子は、内部に光拡散性を有することを特徴とする光学表示装置。
光源と、前記光源からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第1光変調素子と、前記第1光変調素子からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第2光変調素子とを備え、前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を介して前記光源からの光を変調して画像を表示する装置であって、
前記第2変調素子は、内部に光拡散性を有することを特徴とする光学表示装置。
このような構成であれば、第1光変調素子により、光源からの光が1次変調され、第1光変調素子の光学像が第2光変調素子に伝達される。そして、第2光変調素子により、第1光変調素子からの光が2次変調され、画像が表示される。このとき、第2変調素子の内部に光拡散性を有しているので、第1光変調素子の光学像が拡散されるとともに、第2光変調素子が内部に光拡散性を有するので、第1光変調素子からの光が第2光変調素子の画素面に到達するまでの間で拡散される度合いを小さくすることができる。
これにより、第1光変調素子および第2光変調素子を介して光源からの光を変調するので、比較的高い輝度ダイナミックレンジおよび階調数を実現することができるという効果が得られる。また、第2光変調素子は内部に光拡散性を有しているので、視野角の低下を抑制することができるという効果も得られる。また特に、第2光変調素子の内部に光拡散性を有しているので、第1光変調素子および第2光変調素子の間における光拡散度合いを小さくすることができる。したがって、第1光変調素子の光学像を第2光変調素子の画素面に比較的精度よく結像することができるので、画質が劣化する可能性を低減することができるという効果も得られる。
さらに、発明10の光学装置において、前記第2変調素子はカラーフィルタを有し、前記カラーフィルタは、光拡散性を有することを特徴とする。
このような構成であれば、第1光変調素子により、光源からの光が1次変調され、第1光変調素子の光学像が第2光変調素子に伝達される。そして、第2光変調素子により、1光変調素子からの光が2次変調され、カラーフィルタを介して画像が表示される。このとき、第2光変調素子のカラーフィルタが光拡散性を有しているので、第1光変調素子の光学像が拡散されるとともに、カラーフィルタが第2光変調素子の一部を構成するので、第1光変調素子からの光が第2光変調素子の画素面に到達するまでの間で拡散される度合いを小さくすることができる。
これにより、第1光変調素子および第2光変調素子を介して光源からの光を変調するので、比較的高い輝度ダイナミックレンジおよび階調数を実現することができるという効果が得られる。また、第2光変調素子のカラーフィルタが光拡散性を有しているので、視野角の低下を抑制することができるという効果も得られる。また特に、カラーフィルタが第2光変調素子の一部を構成するので、第1光変調素子および第2光変調素子の間における光拡散度合いを小さくすることができる。したがって、第1光変調素子の光学像を第2光変調素子の画素面に比較的精度よく結像することができるので、画質が劣化する可能性を低減することができるという効果も得られる。
〔発明11〕 一方、上記目的を達成するために、発明11の光変調素子は、
光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する素子であって、
光透過面に光拡散部材を密着または近接させて設けたことを特徴とする。
光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する素子であって、
光透過面に光拡散部材を密着または近接させて設けたことを特徴とする。
このような構成であれば、発明2の光学表示装置における第2光変調素子として適用した場合、発明2の光学表示装置と同等の作用および効果が得られる。
ここで、本発明に係る光変調素子は、光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する光変調素子であればどのような構成であってもよく、構造としては、例えば、単一の光変調素子からなる単板式のものであってもよいし、複数の光変調素子からなる多板式のものであってもよい。また、機能としては、例えば、光の全波長領域の輝度を変調するようになっていてもよいし、光の波長領域のうち異なる複数の特定波長領域についてその特定波長領域の輝度を変調するようになっていてもよい。以下、発明12の光変調素子において同じである。
〔発明12〕 さらに、発明12の光変調素子は、
光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する素子であって、
光拡散性を有するカラーフィルタを備えることを特徴とする。
光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する素子であって、
光拡散性を有するカラーフィルタを備えることを特徴とする。
このような構成であれば、発明10の光学表示装置における第2光変調素子として適用した場合、発明10の光学表示装置と同等の作用および効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1ないし図15は、本発明に係る光学系の光伝搬構造、光学表示装置および光変調素子の実施の形態を示す図である。
本実施の形態は、本発明に係る光学系の光伝搬構造、光学表示装置および光変調素子を、図1に示すように、投射型表示装置100に適用したものである。
まず、投射型表示装置100の構成を図1を参照しながら説明する。
図1は、投射型表示装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
投射型表示装置100は、図1に示すように、光源10と、光源10から入射した光の輝度分布を均一化する輝度分布均一化部12と、輝度分布均一化部12から入射した光の全波長領域の輝度を変調する輝度変調部14と、輝度変調部14から入射した光を投射する投射部16と、投射部16から入射した光の波長領域のうちRGB3原色の輝度をそれぞれ変調する色変調部18とで構成されている。
光源10は、高圧水銀ランプ等のランプ10aと、ランプ10aからの出射光を反射するリフレクタ10bとで構成されている。
輝度変調部14は、透過率を独立に制御可能な複数の画素をマトリクス状に配列した液晶ライトバルブ14aと、フィールドレンズ14bとで構成されている。そして、輝度分布均一化部12からの光をフィールドレンズ14bを介して入射し、入射した光の全波長領域の輝度を液晶ライトバルブ14aにより変調し、変調した光を投射部16に出射する。
液晶ライトバルブ14aは、画素電極およびこれを駆動するための薄膜トランジスタ素子や薄膜ダイオード等のスイッチング素子がマトリクス状に形成されたガラス基板と、全面にわたって共通電極が形成されたガラス基板との間にTN型液晶を挟み込むとともに、外面に偏光板を配置したアクティブマトリックス型の液晶表示素子である。液晶ライトバルブ14aは、電圧非印加状態で白/明(透過)状態、電圧印加状態で黒/暗(非透過)状態となるノーマリーホワイトモードまたはその逆のノーマリーブラックモードで駆動され、与えられた制御値に応じて明暗間の階調がアナログ制御される。
輝度分布均一化部12は、2枚のフライアイレンズ12a,12bと、偏光変換素子12cと、集光レンズ12dとで構成されている。そして、光源10からの光の輝度分布をフライアイレンズ12a,12bにより均一化し、均一化した光を偏光変換素子12cにより液晶ライトバルブ14aの入射可能振幅方向に偏光し、偏光した光を集光レンズ12dにより集光して輝度変調部14に出射する。
偏光変換素子12cは、例えば、PBSアレイと、1/2波長板とで構成されている。波長板は、特定の波長の光が通過する際、S偏光とP偏光との間に位相差が生じる複屈折素子である。特定の波長に対応してそれぞれに厚みを設定して人工水晶を研磨し、各々の結晶の光学軸が直交するように貼り合わせてある。1/2波長板は、直線偏光をそれと直交する直線偏光に変換し、その位相差を180°(π)にするものである。
色変調部18は、透過率を独立に制御可能な複数の画素をマトリクス状に配列しかつ液晶ライトバルブ14aよりも高い解像度を有するカラー液晶パネル30と、カラー液晶パネル30の光入射面に密着して設けられた光拡散部材32と、光拡散部材32の光入射側に設けられたフレネルレンズ34とで構成されている。そして、投射部16からの光をフレネルレンズ34により平行化し、フレネルレンズ34からの光を光拡散部材32により拡散し、光拡散部材32からの光の波長領域のうちRGB3原色の輝度をそれぞれカラー液晶パネル30により変調する。フレネルレンズ34で光を平行化することにより、表示画像に輝度ムラが生じるのを抑制することができる。
光拡散部材32の形成方法としては、例えば、基材にガラスビーズ等の透明微小粒子を含む層を各種のコーティング手法により設けて表面に凹凸形状を作りこんだり、層のバインダー成分と透明微小粒子の屈折率を異ならせてそれらの界面で乱反射を起こさせたり、基材そのものをサンドブラスト法等によってあらして凹凸形状を作りこんだりする方法を採用することができる。
次に、カラー液晶パネル30の構成を図2を参照しながら詳細に説明する。
図2は、カラー液晶パネル30の光軸方向の断面図である。
カラー液晶パネル30は、図2(a)に示すように、入射側偏光板501、入射側ガラス基板502、画素電極503、薄膜トランジスタアレイ504、液晶505、共通電極506、カラーフィルタ507、出射側ガラス基板508および出射側偏光板509で構成されている。入射側ガラス基板502の光出射面には、画素電極503および薄膜トランジスタアレイ504が形成されている。出射側ガラス基板508の光入射面には、カラーフィルタ507および共通電極506がその順で積層して設けられている。入射側ガラス基板502と出射側ガラス基板508とは、所定の間隔をもって配置され、その間に液晶505が充填されている。また、入射側ガラス基板502の光入射面には入射側偏光板501が、出射側ガラス基板508の光出射面には出射側偏光板509がそれぞれ設けられている。
カラー液晶パネル30は、液晶ライトバルブ14aと同様に、電圧非印加状態で白/明(透過)状態、電圧印加状態で黒/暗(非透過)状態となるノーマリーホワイトモードまたはその逆のノーマリーブラックモードで駆動され、与えられた制御値に応じて明暗間の階調がアナログ制御される。
なお、図2(a)は説明の便宜上、各構成要素501〜509を実際の厚みの比率とは異なる比率で記載してある。実際には、液晶層510の厚さが10[μm]以下であるのに対し、ガラス基板502,508の厚さは1[mm]を超えるものであり、図2(b)に模式的に示すように、カラー液晶パネル30の厚さ全体に占める液晶層510の厚さは極めて僅かしかない。以降の説明では、カラー液晶パネル30の断面図として図2(b)を用いることにする。
本実施の形態の特徴は、図1に示すように、カラー液晶パネル30の光入射面に光拡散部材32を密着させて設けることにあるが、その利点を図3ないし図6を参照しながら説明する。
図3は、表示画像520の一例を示す図である。
カラー液晶パネル30に図3に示す表示画像520を表示することを考える。表示画像520は、中心部のウインドウ部522を最も明るい階調で、ウインドウ部522以外の領域524を最も暗い階調で表示した画像である。表示画像520を表示するためには、液晶ライトバルブ14aで表示画像520の輝度分布を形成し、カラー液晶パネル30で表示画像520の色分布を形成し、液晶ライトバルブ14aの光学像をカラー液晶パネル30の画素面にそれら分布が一致するように結像する必要がある。
図4は、表示画像520を表示する場合のカラー液晶パネル30の制御方法を示す図である。
したがって、カラー液晶パネル30では、図4に示すように、ウインドウ部522に対応する画素の透過率を最大にし、ウインドウ部522以外の領域524に対応する画素の透過率を最小にすればよい。液晶ライトバルブ14aの光学像を適切にカラー液晶パネル30の画素面に結像できれば、投射部16からの投影光のうち明るい部分は、カラー液晶パネル30のウインドウ部522に対応する画素に、投射部16からの投影光のうち暗い部分は、カラー液晶パネル30のウインドウ部522以外の領域524に対応する画素にそれぞれ照射される。しかしながら、この状態では、観察者からみたときの視野角が狭いため、光拡散部材32を光路上に配置し、投射部16からの投影光を光拡散部材32により拡散することで視野角の低下を防止する工夫が必要である。光拡散部材32の配置位置としては、カラー液晶パネル30の光入射側および光出射側が考えられるが、光出射側だけに光拡散部材32を配置することは望ましくない。なぜなら、充分な視野角を得るためには、光拡散部材32のヘイズ率を90%以上にする必要があるが、このような高いヘイズ率の部材をカラー液晶パネル30の光出射側に配置すると、いわゆる白ボケが生じて色再現性が著しく低下してしまうからである。したがって、光拡散部材32を配置するには、カラー液晶パネル30の光入射側および光出射側にそれぞれ配置するか、または光出射側には配置せず光入射側にのみ配置するのが好ましい。
図5は、カラー液晶パネル30の光入射面から離隔して光拡散部材32を設けた場合を示す図である。
図6は、カラー液晶パネル30の光入射面に光拡散部材32を密着させて設けた場合を示す図である。
図5に示すように、カラー液晶パネル30の光入射面から離隔して光拡散部材32を設けた場合は、投射部16からの投射光が光拡散部材32によって大きく拡散されてしまうため、視野角の低下は抑えられるものの、液晶ライトバルブ14aの光学像をカラー液晶パネル30の画素面に精度よく結像することができない。そこで、図6に示すように、カラー液晶パネル30の光入射面に密着させて設ければ、視野角の低下を抑制しつつ、液晶ライトバルブ14aおよびカラー液晶パネル30の間における光拡散度合いを小さくすることができる。
一方、投射型表示装置100は、液晶ライトバルブ14aおよびカラー液晶パネル30を制御する表示制御装置200(不図示)を有している。以下、カラー液晶パネル30を色変調パネルと総称し、色変調パネルと区別するため、液晶ライトバルブ14aを輝度変調ライトバルブという。また、本実施の形態では、色変調パネルが表示解像度(投射型表示装置100の表示画像を観測者が見たときに観測者が知覚する解像度をいう。)を決定する。
次に、表示制御装置200の構成を図7ないし図11を参照しながら詳細に説明する。
図7は、表示制御装置200のハードウェア構成を示すブロック図である。
表示制御装置200は、図7に示すように、制御プログラムに基づいて演算およびシステム全体を制御するCPU70と、所定領域にあらかじめCPU70の制御プログラム等を格納しているROM72と、ROM72等から読み出したデータやCPU70の演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAM74と、外部装置に対してデータの入出力を媒介するI/F78とで構成されており、これらは、データを転送するための信号線であるバス79で相互にかつデータ授受可能に接続されている。
I/F78には、外部装置として、輝度変調ライトバルブおよび色変調パネルを駆動するライトバルブ駆動装置80と、データやテーブル等をファイルとして格納する記憶装置82と、外部のネットワーク199に接続するための信号線とが接続されている。
記憶装置82は、HDR表示データを記憶している。
HDR表示データは、従来のsRGB等の画像フォーマットでは実現できない高い輝度ダイナミックレンジを実現することができる画像データであり、画素の輝度レベルを示す画素値を画像の全画素について格納している。現在は、特にCGの世界において、CGオブジェクトを実際の風景に合成するために用いられている。画像形式としては様々なものが存在するが、従来のsRGB等の画像フォーマットよりも高い輝度ダイナミックレンジを実現するために浮動小数点形式で画素値を格納する形式が多い。また、格納する値としては、人間の視覚特性を考慮しない物理的な放射輝度(Radiance=W/(sr・m2))や、人間の視覚特性を考慮した輝度(luminance=cd/m2)に関する値であるという点も特徴である。本実施の形態では、HDR表示データとして、1つの画素についてRGB3原色ごとに放射輝度レベルを示す画素値を浮動小数点値として格納した形式を用いる。例えば、1つの画素の画素値として(1.2,5.4,2.3)という値が格納されている。
HDR表示データは、高い輝度ダイナミックレンジのHDR画像を撮影し、撮影したHDR画像に基づいて生成する。しかしながら、現在のフィルムカメラおよびデジタルスチルカメラでは、自然界における高い輝度ダイナミックレンジのHDR画像を一度に撮影することはできない。そこで、何らかの方法で露出を変化させた複数の撮影画像から1枚のHDR画像を生成する。なお、HDR表示データの生成方法の詳細については、例えば、公知文献1「P.E.Debevec, J.Malik, "Recovering High Dynamic Range Radiance Maps from Photographs", Proceedings of ACM SIGGRAPH97 , pp.367-378 (1997)」に掲載されている。
HDR表示データにおける画素pの輝度レベルをRp、輝度変調ライトバルブの画素pに対応する画素の透過率をT1、色変調パネルの画素pに対応する画素の透過率をT2とすると、下式(1),(2)が成立する。
Rp = Tp×Rs …(1)
Tp = T1×T2×G …(2)
ただし、上式(1),(2)において、Rsは光源10の輝度、Gはゲインであり、いずれも定数である。また、Tpは、光変調率である。
Tp = T1×T2×G …(2)
ただし、上式(1),(2)において、Rsは光源10の輝度、Gはゲインであり、いずれも定数である。また、Tpは、光変調率である。
上式(1),(2)から、画素pについてT1およびT2の組み合わせが無数に存在することが分かる。しかしながら、T1およびT2を任意に決定してよいわけではない。決定の仕方によっては画質が劣化することがあるので、T1およびT2は、画質を考慮して適切に決定する必要がある。
輝度変調ライトバルブおよび色変調パネルがそれぞれ異なる解像度を有する場合、輝度変調ライトバルブの1つの画素p1について画素p1が色変調パネルの複数の画素と光路上で重なり合い、また逆に、色変調パネルの1つの画素p2について画素p2が輝度変調ライトバルブの複数の画素と光路上で重なり合うことがある。ここで、輝度変調ライトバルブの画素p1について透過率T1を算出する場合、色変調パネルの重なり合う複数の画素の透過率T2が決定されていれば、それら透過率T2の平均値等を算出し、算出した平均値等を色変調パネルの画素p1に対応する画素の透過率T2と見立てて、上式(1),(2)により透過率T1を算出することが考えられる。しかしながら、あくまで平均値等を色変調パネルの透過率T2と見立てているので、そこにはどうしても誤差が生じる。この誤差は、輝度変調ライトバルブの透過率T1の方を先に決定する場合でも、色変調パネルの透過率T2の方を先に決定する場合でも、決定順序にかかわらず発生するが、輝度変調ライトバルブおよび色変調パネルのうち表示解像度を決定するものについては、視覚的な影響力が大きいので誤差を極力小さくした方がよい。
そこで、決定順序の違いで誤差の大きさがどのように変化するかを検討してみる。まず、色変調パネルの透過率T2の方を先に決定することを考える。輝度変調ライトバルブの画素p1の透過率T1は、色変調パネルの重なり合う複数の画素の透過率T2の平均値等を算出し、算出した平均値等およびHDR表示データに基づいて上式(1),(2)により算出することができる。その結果、輝度変調ライトバルブの画素p1からみれば、その透過率T1は、色変調パネルの重なり合う複数の画素の透過率T2に対して誤差が生じるものの、誤差の度合いは、平均値等の統計的演算により生じる誤差程度である。これに対し、色変調パネルの画素p2からみれば、その透過率T2は、輝度変調ライトバルブの重なり合う複数の画素の透過率T1の平均値等を算出しても、その平均値等に対して上式(1),(2)を満たさないほど大きな誤差が生じることがある。これは、画素p1を基準として色変調パネルの重なり合う複数の画素との関係(上式(1),(2)を満たす関係)を規定しても、その逆の関係が必ずしも成立しないことに起因するものと考えられる。したがって、色変調パネルの透過率T2の誤差の方が大きくなる可能性が高い。
逆の場合も同様であり、輝度変調ライトバルブの透過率T1の方を先に決定する場合は、輝度変調ライトバルブの透過率T1の誤差の方が大きくなる可能性が高い。
以上のことから、画質を向上する観点からは、輝度変調ライトバルブおよび色変調パネルのうち表示解像度を決定するものの透過率の方を後に決定する方が誤差の影響が少なくてよいという結論が得られる。本実施の形態では、色変調パネルが表示解像度を決定するので、色変調パネルの透過率T2の方を後に決定する。
また、記憶装置82は、輝度変調ライトバルブの制御値を登録した制御値登録テーブル400を記憶している。
図8は、制御値登録テーブル400のデータ構造を示す図である。
制御値登録テーブル400には、図8に示すように、輝度変調ライトバルブの各制御値ごとに1つのレコードが登録されている。各レコードは、輝度変調ライトバルブの制御値を登録したフィールドと、輝度変調ライトバルブの透過率を登録したフィールドとを含んで構成されている。
図8の例では、第1段目のレコードには、制御値として「0」が、透過率として「0.003」がそれぞれ登録されている。これは、輝度変調ライトバルブに対して制御値「0」を出力すると、輝度変調ライトバルブの透過率が0.3%となることを示している。なお、図8は、輝度変調ライトバルブの階調数が4ビット(0〜15値)である場合の例を示したが、実際には、輝度変調ライトバルブの階調数に相当するレコードが登録される。例えば、階調数が8ビットである場合は、256個のレコードが登録される。
また、記憶装置82は、RGB3原色ごとに、色変調パネルの制御値を登録した制御値登録テーブル420R,420G,420Bを記憶している。
図9は、制御値登録テーブル420Rのデータ構造を示す図である。
制御値登録テーブル420Rには、図9に示すように、色変調パネルの各制御値ごとに1つのレコードが登録されている。各レコードは、色変調パネルの制御値を登録したフィールドと、色変調パネルの画素のうちカラーフィルタ507の赤色に対応する画素の透過率を登録したフィールドとを含んで構成されている。
図9の例では、第1段目のレコードには、制御値として「0」が、透過率として「0.004」がそれぞれ登録されている。これは、色変調パネルの画素のうちカラーフィルタ507の赤色に対応する画素に対して制御値「0」を出力すると、その画素の透過率が0.4%となることを示している。なお、図9は、色変調パネルの階調数が4ビット(0〜15値)である場合の例を示したが、実際には、色変調パネルの階調数に相当するレコードが登録される。例えば、階調数が8ビットである場合は、256個のレコードが登録される。
また、制御値登録テーブル420G,420Bのデータ構造については特に図示しないが、制御値登録テーブル420Rと同様のデータ構造を有している。ただし、制御値登録テーブル420Rと異なるのは、制御値登録テーブル420Gがカラーフィルタ507の緑色に対応する画素の透過率を登録し、制御値登録テーブル420Bがカラーフィルタ507の青色に対応する画素の透過率を登録している点である。
次に、CPU70の構成およびCPU70で実行される処理を説明する。
CPU70は、マイクロプロセッシングユニット(MPU)等からなり、ROM72の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図10のフローチャートに示す表示制御処理を実行するようになっている。
図10は、表示制御処理を示すフローチャートである。
表示制御処理は、HDR表示データに基づいて輝度変調ライトバルブおよび色変調パネルの制御値をそれぞれ決定し、決定した制御値に基づいて輝度変調ライトバルブおよび色変調パネルを駆動する処理であって、CPU70において実行されると、図10に示すように、まず、ステップS100に移行するようになっている。
ステップS100では、HDR表示データを記憶装置82から読み出す。
次いで、ステップS102に移行して、読み出したHDR表示データを解析し、画素値のヒストグラムや、輝度レベルの最大値、最小値および平均値等を算出する。この解析結果は、暗めのシーンを明るくしたり、明るすぎるシーンを暗くしたり、中間部コントラストを協調するなどの自動画像補正に使用したり、トーンマッピングに使用したりするためである。
次いで、ステップS104に移行して、ステップS102の解析結果に基づいて、HDR表示データの輝度レベルを投射型表示装置100の輝度ダイナミックレンジにトーンマッピングする。
図11は、トーンマッピング処理を説明するための図である。
HDR表示データを解析した結果、HDR表示データに含まれる輝度レベルの最小値がSminで、最大値がSmaxであるとする。また、投射型表示装置100の輝度ダイナミックレンジの最小値がDminで、最大値がDmaxであるとする。図11の例では、SminがDminよりも小さく、SmaxがDmaxよりも大きいので、このままでは、HDR表示データを適切に表示することができない。そこで、Smin〜SmaxのヒストグラムがDmin〜Dmaxのレンジに収まるように正規化する。
なお、トーンマッピングの詳細については、例えば、公知文献2「F.Drago, K.Myszkowski, T.Annen, N.Chiba, "Adaptive Logarithmic Mapping For Displaying High Contrast Scenes", Eurographics 2003, (2003)」に掲載されている。
次いで、ステップS106に移行して、色変調パネルの解像度に合わせてHDR画像をリサイズ(拡大または縮小)する。このとき、HDR画像のアスペクト比を保持したままHDR画像をリサイズする。リサイズ方法としては、例えば、平均値法、中間値法、ニアレストネイバー法(最近傍法)が挙げられる。
次いで、ステップS108に移行して、リサイズ画像の各画素の輝度レベルRpおよび光源10の輝度Rsに基づいて、上式(1)により、リサイズ画像の各画素ごとに光変調率Tpを算出する。
次いで、ステップS110に移行して、色変調パネルの各画素の透過率T2として初期値(例えば、0.2)を与え、色変調パネルの各画素の透過率T2を仮決定する。
次いで、ステップS112に移行して、算出した光変調率Tp、仮決定した透過率T2およびゲインGに基づいて、上式(2)により、色変調パネルの画素単位で輝度変調ライトバルブの透過率T1'を算出する。ここで、色変調パネルがカラー液晶パネル30から構成されていることから、同一の画素についてRGB3原色ごとに透過率T1'が算出される。これに対し、輝度変調ライトバルブが液晶ライトバルブ14aから構成されていることから、それらの平均値等をその画素のT1'として算出する。
次いで、ステップS114に移行して、輝度変調ライトバルブの各画素ごとに、その画素と光路上で重なり合う色変調パネルの画素について算出した透過率T1'の重み付け平均値をその画素の透過率T1として算出する。重み付けは、重なり合う画素の面積比により行う。
次いで、ステップS116に移行して、輝度変調ライトバルブの各画素ごとに、その画素について算出した透過率T1に対応する制御値を制御値登録テーブル400から読み出し、読み出した制御値をその画素の制御値として決定する。制御値の読出では、算出した透過率T1に最も近似する透過率を制御値登録テーブル400のなかから検索し、検索により索出した透過率に対応する制御値を読み出す。この検索は、例えば、2分探索法を用いて行うことにより高速な検索を実現する。
次いで、ステップS118に移行して、色変調パネルの各画素ごとに、その画素と光路上で重なり合う輝度変調ライトバルブの画素について決定した透過率T1の重み付け平均値を算出し、算出した平均値、ステップS108で算出した光変調率TpおよびゲインGに基づいて、上式(2)により、その画素の透過率T2を算出する。重み付けは、重なり合う画素の面積比により行う。
次いで、ステップS120に移行して、色変調パネルの各画素ごとに、その画素について算出した透過率T2に対応する制御値を制御値登録テーブル420R〜420Bから読み出し、読み出した制御値をその画素の制御値として決定する。制御値の読出では、算出した透過率T2に最も近似する透過率を制御値登録テーブル420R〜420Bのなかから検索し、検索により索出した透過率に対応する制御値を読み出す。この検索は、例えば、2分探索法を用いて行うことにより高速な検索を実現する。
次いで、ステップS122に移行して、ステップS116,S120で決定した制御値をライトバルブ駆動装置80に出力し、輝度変調ライトバルブおよび色変調パネルをそれぞれ駆動して表示画像を投影し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
次に、本実施の形態の動作を図12ないし図15を参照しながら説明する。
以下では、色変調パネルはいずれも、横18画素×縦12画素の解像度および4ビットの階調数を有し、輝度変調ライトバルブは、横15画素×縦10画素の解像度および4ビットの階調数を有する場合を例にとって説明を行う。また、色変調パネルおよび輝度変調ライトバルブの図はいずれも光源10の側から見たものである。
表示制御装置200では、ステップS100〜S104を経て、HDR表示データが読み出され、読み出されたHDR表示データが解析され、その解析結果に基づいて、HDR表示データの輝度レベルが投射型表示装置100の輝度ダイナミックレンジにトーンマッピングされる。次いで、ステップS106を経て、色変調パネルの解像度に合わせてHDR画像がリサイズされる。
次いで、ステップS108を経て、リサイズ画像の各画素ごとに光変調率Tpが算出される。例えば、リサイズ画像における画素pの光変調率Tpは、画素pの輝度レベルRp(R,G,B)が(1.2,5.4,2.3)、光源10の輝度Rs(R,G,B)が(10000,10000,10000)であるとすると、(1.2,5.4,2.3)/(10000,10000,10000)=(0.00012,0.00054,0.00023)となる。
図12は、色変調パネルの透過率T2を仮決定する場合を示す図である。
次いで、ステップS110を経て、色変調パネルの各画素の透過率T2が仮決定される。色変調パネルの左上4区画の画素をp21(左上)、p22(右上)、p23(左下)、p24(右下)とした場合、画素p21〜p24の透過率T2には、図12に示すように、初期値T20が与えられる。
図13は、色変調パネルの画素単位で輝度変調ライトバルブの透過率T1'を算出する場合を示す図である。
次いで、ステップS112を経て、色変調パネルの画素単位で輝度変調ライトバルブの透過率T1'が算出される。画素p21〜p24に着目した場合、これに対応する輝度変調ライトバルブの透過率T11〜T14は、図13に示すように、画素p21〜p24の光変調率をTp1〜Tp4、ゲインGを「1」とすると、下式(3)〜(6)により算出することができる。
実際に数値を用いて計算する。Tp1=0.00012、Tp2=0.05、Tp3=0.02、Tp4=0.01、T20=0.1である場合は、下式(3)〜(6)によりT11=0.0012、T12=0.5、T13=0.2、T14=0.1となる。
T11 = Tp1/T20 …(3)
T12 = Tp2/T20 …(4)
T13 = Tp3/T20 …(5)
T14 = Tp4/T20 …(6)
図14は、輝度変調ライトバルブの各画素の透過率T1を決定する場合を示す図である。
T12 = Tp2/T20 …(4)
T13 = Tp3/T20 …(5)
T14 = Tp4/T20 …(6)
図14は、輝度変調ライトバルブの各画素の透過率T1を決定する場合を示す図である。
次いで、ステップS114を経て、輝度変調ライトバルブの各画素の透過率T1が決定される。輝度変調ライトバルブと色変調パネルは投射部16の投射レンズによって互いに倒立結像する関係にあるので、色変調パネルの左上4区画の画素は輝度変調ライトバルブの右下部に結像される。輝度変調ライトバルブの右下4区画の画素をp11(右下)、p12(左下)、p13(右上)、p14(左上)とした場合、画素p11は、図14(a)に示すように、色変調パネルと輝度変調ライトバルブの解像度が異なることから、画素p21〜画素p24と光路上で重なり合う。色変調パネルの解像度が18×12で、輝度変調ライトバルブの解像度が15×10であるので、画素p11は、その最小公倍数から6×6の矩形領域に区分することができる。そして、画素p11と画素p21〜p24との重なり合う面積比は、図14(b)に示すように、25:5:5:1となる。したがって、画素p11の透過率T15は、図14(c)に示すように、下式(7)により算出することができる。
実際に数値を用いて計算する。T11=0.0012、T12=0.5、T13=0.2、T14=0.002である場合は、下式(7)によりT15=0.1008となる。
T15=(T11×25+T12×5+T13×5+T14×1)/36 …(7)
画素p12〜p14の透過率T16〜T18についても、画素p11と同様に、面積比による重み付け平均値を算出することにより求めることができる。
画素p12〜p14の透過率T16〜T18についても、画素p11と同様に、面積比による重み付け平均値を算出することにより求めることができる。
次いで、ステップS116を経て、輝度変調ライトバルブの各画素ごとに、その画素について算出された透過率T1に対応する制御値が制御値登録テーブル400から読み出され、読み出された制御値がその画素の制御値として決定される。例えば、T15=0.1008であるので、制御値登録テーブル400を参照すると、図8に示すように、0.09が最も近似した値となる。したがって、制御値登録テーブル400からは、画素p11の制御値として「8」が読み出される。
図15は、色変調パネルの各画素の透過率T2を決定する場合を示す図である。
次いで、ステップS118を経て、色変調パネルの各画素の透過率T2が決定される。画素p24は、図15(a)に示すように、色変調パネルと輝度変調ライトバルブの解像度が異なることから、画素p11〜画素p14と光路上で重なり合う。色変調パネルの解像度が18×12で、輝度変調ライトバルブの解像度が15×10であるので、画素p24は、その最小公倍数から5×5の矩形領域に区分することができる。そして、画素p24と画素p11〜p14との重なり合う面積比は、図15(b)に示すように、1:4:4:16となる。したがって、画素p24に着目した場合、これに対応する輝度変調ライトバルブの透過率T19は、下式(8)により算出することができる。そして、画素p24の透過率T24は、ゲインGを「1」とすると、図15(c)に示すように、下式(9)により算出することができる。
実際に数値を用いて計算する。T15=0.09、T16=0.33、T17=0.15、T18=0.06、Tp4=0.01である場合は、下式(8),(9)によりT19=0.1188、T24=0.0842となる。
T19=(T15×1+T16×4+T17×4+T18×16)/25 …(8)
T24=Tp4/T19 …(9)
画素p21〜p23の透過率T21〜T23についても、画素p24と同様に、面積比による重み付け平均値を算出することにより求めることができる。
T24=Tp4/T19 …(9)
画素p21〜p23の透過率T21〜T23についても、画素p24と同様に、面積比による重み付け平均値を算出することにより求めることができる。
次いで、ステップS120を経て、色変調パネルの各画素ごとに、その画素について算出された透過率T2に対応する制御値が制御値登録テーブル420R〜420Bから読み出され、読み出された制御値がその画素の制御値として決定される。例えば、色変調パネルの画素p24についてT24=0.0842である場合、制御値登録テーブル420Rを参照すると、図9に示すように、0.07が最も近似した値となる。したがって、制御値登録テーブル420Rからは、画素p24の制御値として「7」が読み出される。
そして、ステップS122を経て、決定された制御値がライトバルブ駆動装置80に出力される。これにより、輝度変調ライトバルブおよび色変調パネルがそれぞれ駆動し、輝度変調ライトバルブおよび色変調パネルの画素面に光学像が形成される。
投射型表示装置100では、輝度変調ライトバルブにより、光源10からの光が1次変調され、輝度変調ライトバルブの光学像が光拡散部材32により拡散されて色変調パネルに伝達される。このとき、色変調パネルの光入射面には、光拡散部材32が密着または近接して設けられているので、輝度変調ライトバルブからの光が色変調パネルの画素面に到達するまでの間で拡散される度合いを小さくすることができる。そして、色変調パネルにより、輝度変調ライトバルブからの光が2次変調される。
このようにして、本実施の形態では、光源10と、透過率T1を独立に制御可能な複数の画素を有する輝度変調ライトバルブと、輝度変調ライトバルブからの光を入射しかつ透過率T2を独立に制御可能な複数の画素を有する色変調パネルとを備え、色変調パネルの光入射面に光拡散部材32を密着させて設けた。
これにより、輝度変調ライトバルブおよび色変調パネルを介して光源10からの光を変調するので、比較的高い輝度ダイナミックレンジおよび階調数を実現することができる。また、輝度変調ライトバルブおよび色変調パネルの間に光拡散部材32が設けられているので、視野角の低下を抑制することができる。また特に、色変調パネルの光入射面に光拡散部材32が密着して設けられているので、輝度変調ライトバルブおよび色変調パネルの間における光拡散度合いを小さくすることができる。したがって、輝度変調ライトバルブの光学像を色変調パネルの画素面に比較的精度よく結像することができるので、画質が劣化する可能性を低減することができる。
さらに、本実施の形態では、光源10と輝度変調部14との光路上に、光源10からの光の輝度分布を均一化する輝度分布均一化部12を設けた。
これにより、表示画像に輝度ムラが生じるのを抑制することができる。
さらに、本実施の形態では、輝度分布均一化部12は、光源10からの光を輝度変調ライトバルブの入射可能振幅方向に偏光する偏光変換素子12cを有する。
これにより、光源10からの光量の多くが輝度変調ライトバルブの変調対象となるので、表示画像の輝度を向上することができる。
さらに、本実施の形態では、色変調パネルの各画素の透過率T2を仮決定し、仮決定した透過率T2およびHDR表示データに基づいて輝度変調ライトバルブの各画素の透過率T1を決定し、決定した透過率T1に基づいて輝度変調ライトバルブの各画素の制御値を決定し、決定した透過率T1およびHDR表示データに基づいて色変調パネルの各画素の透過率T2を決定し、決定した透過率T2に基づいて色変調パネルの各画素の制御値を決定するようになっている。
これにより、表示解像度を決定する色変調パネルの透過率T2の方を後に決定するので、誤差の影響を抑制することができ、画質が劣化する可能性をさらに低減することができる。さらに、階調数に相当する数の階調テーブルを保持しなくてもすむので、階調数を増加させても、階調テーブルのサイズおよび生成時間がさほど増大することがない。
さらに、本実施の形態では、仮決定した透過率T2およびHDR表示データに基づいて、色変調パネルの画素単位で輝度変調ライトバルブの透過率T1'を算出し、算出した透過率T1'に基づいて輝度変調ライトバルブの各画素の透過率T1を算出するようになっている。
輝度変調ライトバルブおよび色変調パネルがそれぞれ異なる解像度を有する場合は、仮決定された透過率T2に基づいて輝度変調ライトバルブの各画素の透過率T1を直接算出するよりも、一旦、仮決定された透過率T2に基づいて色変調パネルの画素単位で輝度変調ライトバルブの透過率T1'を算出してから、輝度変調ライトバルブの各画素の透過率T1を算出した方が処理が簡単になる。したがって、輝度変調ライトバルブおよび色変調パネルがそれぞれ異なる解像度を有する場合に、輝度変調ライトバルブの各画素の透過率T1を比較的簡単に算出することができる。
さらに、本実施の形態では、輝度変調ライトバルブの各画素ごとに、その画素と光路上で重なり合う色変調パネルの画素について算出した透過率T1'に基づいて、その画素の透過率T1を算出するようになっている。
これにより、輝度変調ライトバルブおよび色変調パネルがそれぞれ異なる解像度を有する場合に、輝度変調ライトバルブの各画素の透過率T1が、その画素と光路上で重なり合う色変調パネルの画素の透過率T2に対して比較的適切な値となるので、画質が劣化する可能性をさらに低減することができる。また、輝度変調ライトバルブの各画素の透過率T1をさらに簡単に算出することができる。
さらに、本実施の形態では、輝度変調ライトバルブの各画素ごとに、その画素と光路上で重なり合う色変調パネルの画素について算出した透過率T1'の重み付け平均値を、その画素の透過率T1として算出するようになっている。
これにより、輝度変調ライトバルブおよび色変調パネルがそれぞれ異なる解像度を有する場合に、輝度変調ライトバルブの各画素の透過率T1が、その画素と光路上で重なり合う色変調パネルの画素の透過率T2に対してさらに適切な値となるので、画質が劣化する可能性をさらに低減することができる。また、輝度変調ライトバルブの各画素の透過率T1をさらに簡単に算出することができる。
さらに、本実施の形態では、色変調パネルの各画素ごとに、その画素と光路上で重なり合う輝度変調ライトバルブの画素について決定した透過率T1に基づいて、その画素の透過率T2を算出するようになっている。
これにより、輝度変調ライトバルブおよび色変調パネルがそれぞれ異なる解像度を有する場合に、色変調パネルの各画素の透過率T2が、その画素と光路上で重なり合う輝度変調ライトバルブの画素の透過率T1に対して比較的適切な値となるので、画質が劣化する可能性をさらに低減することができる。また、色変調パネルの各画素の透過率T2を比較的簡単に算出することができる。
さらに、本実施の形態では、色変調パネルの各画素ごとに、その画素と光路上で重なり合う輝度変調ライトバルブの画素について決定した透過率T1の重み付け平均値を算出し、その平均値に基づいてその画素の透過率T2を算出するようになっている。
これにより、輝度変調ライトバルブおよび色変調パネルがそれぞれ異なる解像度を有する場合に、色変調パネルの各画素の透過率T2が、その画素と光路上で重なり合う輝度変調ライトバルブの画素の透過率T1に対してさらに適切な値となるので、画質が劣化する可能性をさらに低減することができる。また、色変調パネルの各画素の透過率T2をさらに簡単に算出することができる。
上記実施の形態において、液晶ライトバルブ14aは、発明1または2の第1光変調素子に対応し、カラー液晶パネル30は、発明1または2の第2光変調素子に対応している。
なお、上記実施の形態においては、入射側偏光板501の光入射側に光拡散部材32を配置して構成したが、これに限らず、図16に示すように、入射側偏光板501および入射側ガラス基板502の間に光拡散部材32を配置して構成することもできる。
図16は、入射側偏光板501および入射側ガラス基板502の間に光拡散部材32を配置した場合を示す図である。
入射側偏光板501の光入射側に光拡散部材32を配置した場合は、光拡散部材32で光の偏光方向が散乱し、その光のうち入射側偏光板501の偏光方向と一致しない光が入射側偏光板501で遮断されるため、表示画像の輝度が低下する可能性がある。そこで、図16の構成を採用することにより、上記実施の形態に比して、輝度の低下を抑制することができる。
この場合において、カラー液晶パネル30は、発明3の第2光変調素子、または発明3の液晶表示素子に対応している。
また、上記実施の形態においては、光拡散部材32を1つだけ設けて構成したが、これに限らず、図17に示すように、複数の光拡散部材32,36を設けて構成することもできる。
図17は、複数の光拡散部材32,36を設けた場合を示す図である。
図17においては、カラー液晶パネル30の光入射面および光出射面にそれぞれ光拡散部材32,36が設けられている。これにより、スペックルが発生するのを抑制することができるとともに、投射型表示装置100の表示面に外光が映り込むのを抑制することができる。
また特に、入射側偏光板501および入射側ガラス基板502の間に光拡散部材32が配置され、出射側偏光板509の光出射側に光拡散部材36が配置されている。これにより、上記実施の形態に比して、輝度の低下を抑制することができる。
この場合において、カラー液晶パネル30は、発明3、5若しくは7の第2光変調素子、または発明3若しくは7の液晶表示素子に対応し、光拡散部材36は、発明4、5または7の第2光拡散部材に対応している。
また、図17の構成に限らず、図18に示すように、光拡散部材36を設けることなく、ガラスビーズ等の光拡散材をフレネルレンズ34に混合することにより、フレネルレンズ34に光拡散性をもたせて構成することもできる。
図18は、フレネルレンズ34に光拡散性をもたせて構成した場合を示す図である。
このような構成であっても、スペックルが発生するのを抑制することができる。また、この場合、カラー液晶パネル30の光出射側には光拡散部材36がないので、色再現性が向上するとともに光沢感をともなったつややかな表示画質を得ることができる。
この場合において、カラー液晶パネル30は、発明3の第2光変調素子、または発明3の液晶表示素子に対応し、フレネルレンズ34は、発明4の第2光拡散部材に対応している。
また、図17および図18の構成に限らず、図19に示すように、フレネルレンズ34の光入射面に光拡散部材40を密着させて設けて構成することもできる。
図19は、フレネルレンズ34の光入射面に光拡散部材40を密着させて設けた場合を示す図である。
このような構成であっても、スペックルが発生するのを抑制することができる。また、この場合、カラー液晶パネル30の光出射側には光拡散部材36がないので、色再現性が向上するとともに光沢感をともなったつややかな表示画質を得ることができる。
この場合において、カラー液晶パネル30は、発明3の第2光変調素子、または発明3の液晶表示素子に対応し、光拡散部材40は、発明4の第2光拡散部材に対応している。
また、上記実施の形態においては、カラー液晶パネル30の光出射面には特に何も設けなかったが、これに限らず、図20に示すように、カラー液晶パネル30の光出射側に透明部材38を設けて構成することもできる。
図20は、カラー液晶パネル30の光出射側に透明部材38を設けた場合を示す図である。
図20においては、透明部材38の光透過面に光拡散部材36が密着して設けられ、光拡散部材36をカラー液晶パネル30に向けて光拡散部材36および透明部材38がカラー液晶パネル30の光出射側に配置されている。これにより、光沢感をともなったつややかな表示画質を得ることができる。
この場合において、カラー液晶パネル30は、発明3、5若しくは7の第2光変調素子、または発明3若しくは7の液晶表示素子に対応し、光拡散部材36は、発明4ないし7の第2光拡散部材に対応している。
また、上記実施の形態においては、光拡散部材32の特性については特に言及しなかったが、図1、図16ないし図20の構成においては、画質を向上するため、光拡散部材32,36のヘイズ率を適切に設定するのが好ましい。
図21は、光拡散部材32,36のヘイズ率に応じて表示画像の見栄えを評価した結果を示す表である。
図21の表には、構成1〜9について表示画像の見栄えを評価した結果が示されている。構成1〜9はそれぞれ、光拡散部材36,32についてヘイズ率を80%、10%に設定した構成、70%、10%に設定した構成、60%、10%に設定した構成、60%、30%に設定した構成、60%、20%に設定した構成、60%、10%に設定した構成、0%、10%に設定した構成、60%、0%に設定した構成、および60%、5%に設定した構成である。また、構成7は、光拡散部材36を設けない構成であり、構成8は、光拡散部材32を設けない構成であり、いずれもヘイズ率を0%で示している。また、「〇」の記号は、投射型表示装置100の表示面に生じる現象(白ボケ、スペックルまたは照明輝度分布ボケ)が許容できることを示し、「×」の記号は、投射型表示装置100の表示面に生じる現象が許容できないことを示している。
図21の表によれば、構成1については白ボケが、構成4、5については照明輝度分布ボケが、構成7、8についてはスペックルがそれぞれ許容できないことが分かる。すなわち、構成1から光拡散部材36のヘイズ率が80%以上の場合は白ボケが発生し、構成4、5から光拡散部材32のヘイズ率が20%以上の場合は照明輝度分布ボケが発生し、構成7、8から光拡散部材36,32のいずれかが設けられていない場合は、スペックルが発生しやすいことが分かる。
したがって、白ボケの発生を抑制するには、光拡散部材36のヘイズ率を70%以下に設定し、照明輝度分布ボケの発生を抑制するには、光拡散部材32のヘイズ率を10%以下に設定し、スペックルの発生を抑制するには、光拡散部材36,32の両方を設けるのが好ましい。
この場合において、光拡散部材36は、発明8の第2光拡散部材に対応している。 また、上記実施の形態においては、光拡散部材32を設けて構成したが、これに限らず、光拡散部材32を設けることなく、第2光変調素子(光源10からみて後段に配置される光変調素子)の内部に光拡散性を持たせることもできる。第2変調パネルの内部に光拡散性を持たせることにより、第1変調素(光源10からみて前段に配置される光変調素子)子および第2変調素子の間における光拡散度合いを小さくすることができる。したがって、第1変調素子の光学像を第2変調素子の画素面に比較的精度よく結像することができるので、画質が劣化する可能性を低減することができる。
また、第2光変調素子が色変調パネルである場合には、カラーフィルタの発色顔料のサイズを大きくしたり、ガラスビーズ等の光拡散材をカラーフィルタ507に混合したりすることにより、カラーフィルタ507に光拡散性をもたせて構成することもできる。これにより、カラーフィルタ507が光拡散性を有しているので、視野角の低下を抑制することができる。また特に、カラーフィルタ507が色変調パネルの一部を構成するので、輝度変調ライトバルブおよび色変調パネルの間における光拡散度合いを小さくすることができる。したがって、輝度変調ライトバルブの光学像を色変調パネルの画素面に比較的精度よく結像することができるので、画質が劣化する可能性を低減することができる。
この場合において、液晶ライトバルブ14aは、発明10の第1光変調素子に対応し、カラー液晶パネル30は、発明10の第2光変調素子に対応している。
また、上記実施の形態においては、光源10からみて前段に配置される光変調素子を輝度変調ライトバルブとし、光源10からみて後段に配置される光変調素子を色変調パネルとして構成したが、これに限らず、光源10からみて前段に配置される光変調素子を色変調ライトバルブとし、光源10からみて後段に配置される光変調素子を輝度変調パネルとして構成することもできる。この場合、色変調ライトバルブは、単板式であっても3板式であってもよい。色変調ライトバルブが3板式である場合、輝度変調部14に代替される色変調部は、例えば、輝度分布均一化部12からの入射した光をRGB3原色の光に分離するダイクロイックミラーと、ダイクロイックミラーで分離した光をそれぞれ入射する3枚の液晶ライトバルブと、各液晶ライトバルブからの光を合成するダイクロイックプリズムとで構成することができる。
また、上記実施の形態においては、液晶ライトバルブ14aおよびカラー液晶パネル30としてアクティブマトリックス型の液晶表示素子を用いて構成したが、これに限らず、液晶ライトバルブ14aおよびカラー液晶パネル30としてパッシブマトリックス型の液晶表示素子およびセグメント型の液晶表示素子を用いて構成することもできる。アクティブマトリックス型の液晶表示素子は、精密な階調表示ができるという利点があり、パッシブマトリックス型の液晶表示素子およびセグメント型の液晶表示素子は、安価に製造できるという利点を有する。
また、上記実施の形態においては、輝度変調ライトバルブが1枚の液晶ライトバルブ14aから構成されていることから、1つの制御値登録テーブル400を用意し、制御値登録テーブル400に基づいて輝度変調ライトバルブの各画素の制御値を決定するように構成したが、これに限らず、RGB3原色ごとに制御値登録テーブル400R,400G,400Bを用意し、制御値登録テーブル400R〜400Bに基づいて輝度変調ライトバルブの各画素の制御値を決定するように構成することもできる。輝度変調ライトバルブは、光の全波長領域の輝度を変調するため、制御値登録テーブル400には、代表的な波長の光の透過率が登録されている。しかしながら、RGB3原色のそれぞれの波長については、必ずしも登録されている透過率とはならない。
そこで、輝度変調ライトバルブについては、厳密に、RGB3原色ごとに制御値に対応する透過率を測定し、制御値登録テーブル400R〜400Bを構成する。次いで、輝度変調ライトバルブの各画素の透過率T1をRGB3原色ごとに決定し、Rについて算出した透過率T1に最も近似する透過率を制御値登録テーブル400Rのなかから検索し、検索により索出した透過率に対応する制御値を読み出す。同様に、Gについて算出した透過率T1およびBについて算出した透過率T1に基づいて制御値登録テーブル400G,400Bから該当の制御値を読み出す。そして、輝度変調ライトバルブの同一の画素について読み出した制御値の平均値等をその画素の制御値として算出する。
これにより、輝度変調ライトバルブの各画素の制御値が、その画素と光路上で重なり合う色変調パネルの画素のRGB3原色ごとの透過率に対して比較的適切な値となるので、画質が劣化する可能性をさらに低減することができる。
また、上記実施の形態においては、色変調パネルを、表示解像度を決定する光変調素子として構成したが、これに限らず、輝度変調ライトバルブを、表示解像度を決定する光変調素子として構成することもできる。この場合、色変調パネルの各画素の透過率T1(先に決定される光変調素子の透過率をT1とする。)を決定してから、輝度変調ライトバルブの各画素の透過率T2(後に決定される光変調素子の透過率をT2とする。)を決定する。また、上記と同様に、RGB3原色ごとに制御値登録テーブル400R〜400Bを用意し、制御値登録テーブル400R〜400Bに基づいて輝度変調ライトバルブの各画素の制御値を決定するように構成することもできる。
具体的には、輝度変調ライトバルブの各画素の透過率T2をRGB3原色ごとに決定し、Rについて算出した透過率T2に最も近似する透過率を制御値登録テーブル400Rのなかから検索し、検索により索出した透過率に対応する制御値を読み出す。同様に、Gについて算出した透過率T2およびBについて算出した透過率T2に基づいて制御値登録テーブル400G,400Bから該当の制御値を読み出す。そして、輝度変調ライトバルブの同一の画素について読み出した制御値の平均値等をその画素の制御値として算出する。
これにより、輝度変調ライトバルブの各画素の制御値が、その画素と光路上で重なり合う色変調パネルの画素のRGB3原色ごとの透過率に対して比較的適切な値となるので、画質が劣化する可能性をさらに低減することができる。
また、上記実施の形態においては、HDR表示データに基づいて輝度変調ライトバルブおよび色変調パネルの制御値を決定するように構成したが、通常の各色8ビットRGB画像データを利用する場合、通常のRGB画像データの0〜255という値は、輝度の物理量ではなくあくまで相対的な0〜255という値である。そのため、通常のRGB画像データに基づいて本発明の表示装置の表示を行うためには、通常のRGB画像から、表示すべき物理的な輝度Rpまたは表示装置全体の透過率Tpを決めなければいけない。
図22は、入力値登録テーブル440のデータ構造を示す図である。
そのために、図22の入力値登録テーブル440を用いれば、通常のRGB画像の0〜255という入力値から物理的な透過率Tpへの変換を行うことができ、かつ、このテーブルの透過率Tpの設定の仕方によって簡単に通常のRGB画像に対する表示の見た目(階調特性)を変更することが可能となる。このテーブルにおける透過率Tpは、上式(2)におけるTpであるため、この値が決定されれば後は、上記実施の形態と同様の処理を行うことにより、複数の光変調素子の透過率T1,T2が決定され表示が行える。
図23は、入力値登録テーブル460のデータ構造を示す図である。
図23の入力値登録テーブル460は、透過率Tpの代わりに輝度Rpを用いたものである。このテーブルにおける輝度Rpは、上式(1)におけるRpであるため、この値が決定されれば後は、上記実施の形態と同様の処理を行うことにより、複数の光変調素子の透過率T1,T2が決定され表示が行える。
また、上記実施の形態においては、色変調パネルの各画素ごとに、その画素と光路上で重なり合う輝度変調ライトバルブの画素について決定した透過率T1の重み付け平均値を算出し、その平均値に基づいてその画素の透過率T2を算出するように構成したが、これに限らず、色変調パネルの各画素ごとに、その画素と光路上で重なり合う輝度変調ライトバルブの画素について決定した制御値をもとに、その制御値に対応する透過率T1tableを制御値登録テーブル400から読み出し、読み出した透過率T1tableの重み付け平均値を算出し、その平均値に基づいてその画素の透過率T2を算出するように構成することもできる。
また、上記実施の形態においては、同一の画素についてRGB3原色ごとに算出した透過率T1'の平均値等をその画素のT1'として算出するように構成したが、これに限らず、透過率T1'はそのままRGB3原色ごとに算出し、ステップS114において、同一の画素についてRGB3原色ごとに算出した透過率T1の平均値等をその画素のT1として算出するように構成することもできる。
また、上記実施の形態においては、色変調パネルの各画素ごとに、その画素と光路上で重なり合う輝度変調ライトバルブの画素について決定した透過率T1の重み付け平均値を算出し、その平均値に基づいてその画素の透過率T2を算出するように構成したが、これに限らず、色変調パネルの各画素ごとに、その画素と光路上で重なり合う輝度変調ライトバルブの画素について決定した透過率T1の最大値、最小値または平均値を算出し、その算出値に基づいてその画素の透過率T2を算出するように構成することもできる。
また、上記実施の形態において、投射型表示装置100は、透過型の光変調素子を設けて構成したが、これに限らず、輝度変調ライトバルブまたは色変調パネルをDMD(Digital Mirror Device)等の反射型の光変調素子で構成することもできる。この場合、HDR表示データに基づいて反射率を決定する。
また、上記実施の形態においては、説明を簡単にするため、画素数および階調数が小さい光変調素子を用いているが、画素数および階調数が大きい光変調素子を用いる場合においても上記実施の形態と同様に処理することができる。
また、上記実施の形態においては、説明を簡単にするため、ゲインG=1.0と設定したが、ハードウェア構成によっては、ゲインG=1.0ではなくなる。また、実際の計算コストを考えたときには、ゲインGの影響を含んだかたちで制御値および透過率を制御値登録テーブルに登録しておく方とよい。
また、上記実施の形態において、図10のフローチャートに示す処理を実行するにあたっては、ROM72にあらかじめ格納されている制御プログラムを実行する場合について説明したが、これに限らず、これらの手順を示したプログラムが記憶された記憶媒体から、そのプログラムをRAM74に読み込んで実行するようにしてもよい。
ここで、記憶媒体とは、RAM、ROM等の半導体記憶媒体、FD、HD等の磁気記憶型記憶媒体、CD、CDV、LD、DVD等の光学的読取方式記憶媒体、MO等の磁気記憶型/光学的読取方式記憶媒体であって、電子的、磁気的、光学的等の読み取り方法のいかんにかかわらず、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体であれば、あらゆる記憶媒体を含むものである。
また、上記実施の形態においては、本発明に係る光学系の光伝搬構造、光学表示装置および光変調素子を、図1に示すように、投射型表示装置100に適用したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他の場合にも適用可能である。
100…投射型表示装置, 10…光源, 10a…ランプ, 10b…リフレクタ, 12…輝度分布均一化部, 12a,12b…フライアイレンズ, 12c…偏光変換素子, 12d…集光レンズ, 14…輝度変調部, 14a…液晶ライトバルブ, 14b…フィールドレンズ, 16…投射部, 18…色変調部, 30…カラー液晶パネル, 32,36,40…光拡散部材, 34…フレネルレンズ, 38…透明部材, 70…CPU, 72…ROM, 74…RAM, 78…I/F, 79…バス, 80…ライトバルブ駆動装置, 82…記憶装置, 199…ネットワーク, 400,400R〜400G,420R〜420G…制御値登録テーブル, 440,460…入力値登録テーブル
Claims (13)
- 光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第1光変調素子、および光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第2光変調素子を介して光源からの光を変調する光学系に適用される構造であって、
前記第1光変調素子および前記第2光変調素子のうち前記光源からみて後段に配置されるものの光入射面に光拡散部材を密着または近接させて設けたことを特徴とする光学系の光伝搬構造。 - 光源と、前記光源からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第1光変調素子と、前記第1光変調素子からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第2光変調素子とを備え、前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を介して前記光源からの光を変調して画像を表示する装置であって、
前記第2光変調素子の光入射面に光拡散部材を密着または近接させて設けたことを特徴とする光学表示装置。 - 請求項2において、
前記第2光変調素子は、液晶表示素子であり、
前記液晶表示素子の光入射側に入射側偏光板を設け、前記入射側偏光板および前記液晶表示素子の間に前記光拡散部材を配置したことを特徴とする光学表示装置。 - 請求項2および3のいずれかにおいて、
前記光拡散部材の光入射側および光出射側のいずれかに第2光拡散部材を設けたことを特徴とする光学表示装置。 - 請求項4において、
前記第2光変調素子の光出射側に前記第2光拡散部材を配置したことを特徴とする光学表示装置。 - 請求項5において、
前記第2光拡散部材の光出射側に透明部材を設けたことを特徴とする光学表示装置。 - 請求項4ないし6のいずれかにおいて、
前記第2光変調素子は、液晶表示素子であり、
前記液晶表示素子の光出射側に出射側偏光板を設け、前記出射側偏光板の光出射側に前記第2光拡散部材を配置したことを特徴とする光学表示装置。 - 請求項5ないし7のいずれかにおいて、
前記第2光拡散部材のヘイズ率を70%以下に設定したことを特徴とする光学表示装置。 - 請求項5ないし8のいずれかにおいて、
前記光拡散部材のヘイズ率を10%以下に設定したことを特徴とする光学表示装置。 - 光源と、前記光源からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第1光変調素子と、前記第1光変調素子からの光を入射しかつ光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する第2光変調素子とを備え、前記第1光変調素子および前記第2光変調素子を介して前記光源からの光を変調して画像を表示する装置であって、
前記第2変調素子は、内部に光拡散性を有することを特徴とする光学表示装置。 - 前記第2変調素子はカラーフィルタを有し、前記カラーフィルタは、光拡散性を有することを特徴とする光学表示装置。
- 光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する素子であって、
光透過面に光拡散部材を密着または近接させて設けたことを特徴とする光変調素子。 - 光伝搬特性を独立に制御可能な複数の画素を有する素子であって、
光拡散性を有するカラーフィルタを備えることを特徴とする光変調素子。
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