JP2005194677A - 防刃チョッキ - Google Patents

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Abstract

【課題】女性の胸部の体型に合わせた略シェル形状を有する着用感と形状安定性に優れた防護板を備えた防刃チョッキを提供すること。
【解決手段】防刃チョッキの前身頃内に、女性の胸部の体型に対応させるべく、周縁部から内側面に向かうに従って前方に突出した略シェル形状を有する防護板を設け、この防護板を、前後方向に、平織物の表面に炭化珪素粒子をコーティングした耐刺突特性に優れ略シェル形状を有する1枚の第2防護シートと、平織物の表面にシリカ粒子をコーティングした耐刃物特性に優れ略シェル形状を有する7枚の第1防護シートと、アラミド繊維を材料とするクッションシートを積層させて、これをカバー体で覆って構成した。
【選択図】図8

Description

本発明は女性の胸部の体型に合わせた略シェル形状を有する防護板を備えた防刃チョッキに関する。
防刃チョッキは、暴漢による刃物攻撃から身を守るチョッキであり、その着用方法の違いにより、衣服の外側から着用するアウター型のものと、衣服の内側に着用するインナー型の2種類のものがある。そして、この防刃チョッキの前身頃の内側には防護板(防刃板)を備えており、この防護板は一定以上の耐刃物特性や耐刺突特性を満たしている。耐刃物特性とは、ナイフや包丁による攻撃を受けても防護板が着用者の胸に届くまで切り裂かれない特性をいい、耐刺突特性とは、アイスピックや先端が鋭利なナイフや包丁などの凶器の突きを受けても着用者の胸まで届かない特性をいう。
従来技術による防護板では、上記の各特性を満たすために、例えば、特開平9−105007号公報に記載の防刃チョッキでは、金属又はプラスチック板から選ばれた少なくとも1種が用いられている(同公報の明細書における「特許請求の範囲」の請求項13参照)。
また、特開2000−18895号公報に記載の防刃チョッキ及び該チョッキを用いた着衣では、複数枚に分割された防刃材料が用いられている(同公報における明細書の請求項1参照)。
また、特開2000−119906号公報に記載の防刃衣では、短冊形状の複数枚の金属板が用いられている(同公報における明細書の請求項1参照)。
ところで、従来では、防刃チョッキの着用者の殆どが男性であったということから、女性着用者の胸部の体型を特に想定した形状になっていなかった。しかしながら、上述した各従来技術の防犯チョッキや防犯衣を女性が着用出来ない訳ではなく、女性は、胸部が圧迫されるのを我慢して防刃チョッキを着用し、或いは、胸部に余裕を持たせて防刃チョッキを着用するなど着用者が工夫していた。また、上述したように複数の金属板を用いられたある程度のフレキシブルな構造を有する防護板を備えた防刃チョッキを着用していた。
また、従来技術として、特開昭63−80198号公報に記載の防刃チョッキに見られるように、軽量化とフレキシブルな柔軟性に富む高強力ポリエチレン等の高強度繊維を用いた防刃チョッキを着用していた。
特開平9−105007号公報 特開2000−18895号公報 特開2000−119906号公報 特開昭63−80198号公報
しかしながら、特開平9−105007号公報に記載の防刃チョッキのように、金属やプラスチック製の防護板を設けた防刃チョッキを胸部が圧迫されるのを我慢して女性が着用しても、着用者の運動機能や判断機能が低下する。また、胸部に余裕を持たせて防刃チョッキを着用すると、防刃チョッキを着用して動作を繰り返すに従って防刃チョッキの位置がずれて着用感が悪くなり、着用者の運動機能も低下し、防刃チョッキの機能を生かせないことにもつながる。
これに対して、特開2000−18895号公報に記載の防刃チョッキ及び該チョッキを用いた着衣、特開2000−119906号公報に記載の防刃衣のように、防刃材料が複数に分割された防護板(防刃板)を備えた防刃チョッキを女性が着用した場合、防護板(防刃板)が胸部の体型に略沿ってフレキシブルに変形するために、上述したような問題は小さくなるが、防刃材料同士の継ぎ目の防刃性が劣るという新たな問題が生じる。つまり、この継ぎ目から刃物の先が侵入し易くなる。このため、継ぎ目の防刃性を高めようとして防護材料の一部を重ねたり、別の防護材料を重ねたりすることが考えられるが、このようにすると、防刃チョッキが鎧のように重くなって見栄えが悪くなり、防刃チョッキの重量が重くなり、製造コストが高くなるという問題が生じる。
これに対して、特開昭63−80198号公報に記載の防刃チョッキでは、軽量化が図られフレキシブル性に富む繊維材料を積層させているために、上述した問題は大幅に改善されるが、女性の胸部を優しく保護するという点で問題が残る。
本発明はこのような課題を解決するために提案されたものであり、女性の胸部の体型に合わせた略シェル形状を有する着用感と形状安定性に優れた軽量なる防護板を備えた防刃チョッキを提供することにより上述した課題を解決しようとするものである。
以上の課題を解決するための手段である請求項1に記載の防刃チョッキは、アウター型又はインナー型のチョッキ本体の前身頃に着用者の胸部を刃物攻撃から保護する防護板を備えた防護チョッキであって、当該防護板は、女性の胸部の形状に対応させるべく、周縁部から内側面に向かうに従って前方に突出した略シェル形状を有していることを特徴とする。このため、女性がこの防刃チョッキを着用した場合、胸部を優しく保護するために胸部の圧迫感は無く、着用感も良好である。
本発明の要部は防刃チョッキに設けられている防護板である。なお、防刃板という用語ではなく防護板という語を用いたのは、刃物の切りつけ攻撃に対する防刃特性だけでなく、アイスピックや先端が鋭利な刃物による突きに対する耐刺突特性、更には、他の機能、例えば、クッション機能、防水機能などの特性や機能についての可能性も含んでいるからである。
女性の胸部の形状に対応させるとは、女性特有の胸部の前方に向けた高さとその幅に見合う大きさを持ったカバー形状を有していることをいい、胸部の前方に向けた高さは左右において略一定の高さで連続している。つまり、女性の胸部における左右の膨らみに合わせた2つのカップが形成されていることを意味しない。
シェル形状とは、二枚貝の貝殻における片側の形状の如き一方の面方向に反りを持たせた形状のことである。
略シェル形状と記載したのは、貝殻の縁部が円弧形状であるのに対し、本発明の防刃チョッキに設けられている防護板では、防刃チョッキの着用感と着用者の運動性を高め、着用者がネクタイやリボンを付けたときの邪魔にならないようにするために、防護板の上端中央部分が湾曲している点と、着用者の腕の運動性が悪くならないようにするために、防護板の両側における縁部の略上半分が湾曲している点などにおいて、シェル形状とは少し異なるからである。
本発明の防刃チョッキに設けられている防護板では、2枚貝の貝殻で見られるように、上端から前方に突出している略上半分の面は緩やかな斜面を持った曲面形状を有しており、略下半分の面は上半分の面よりも角度のある斜面を持った曲面形状を有している。このため、本発明の防刃チョッキに用いられている防護板の背面側には、女性の胸部に対応させた空間が形成されている。
本発明の防刃チョッキに用いられている防護板の形成材料について、請求項1に記載の防刃チョッキに用いられている防護板の場合には、防刃性を有している材料であれば足り、特に材料は限定されない。つまり、防護板として用いられている公知技術の材料を用いて略シェル形状に形成したものであれば足りる。ここにいう公知技術の材料としては、例えば、金属板、プラスチック板、セラミック板などの他、天然繊維、合成繊維、不織布、カーボン繊維、ガラス繊維の何れか1又は複数の材料に、防刃性を持たせるための金属微粉、セラミック微粉などを固定させたもの、金属網やカーボン強化繊維を固定させたもの、強化プラスチック材料を充填したものなどが挙げられ、これら1又は複数種類のものを複数枚積層させて防刃性を持たせたものも挙げられる。
本発明の請求項2に記載の防刃チョッキでは、前記防護板は、略シェル形状を有する複数枚の防護シートを積層させた防護板本体が、天然繊維又は合成繊維の布地又は網状体によるカバー、プラスチック製シートよりなるカバー、プラスチック、皮革、圧縮厚紙のいずれかよりなるカバー体で覆われて構成されている。
このように略シェル形状を有する複数枚の防護シートを積層させると、防護板の内部にも防刃層が形成される。このため、高い防刃性が簡単な構造で得られる。しかも、略シェル形状の形状安定を維持させつつ、着用性に富み、着用者の運動機能に適応した比較的柔軟性のある軽量な防護板にすることができる。複数枚の防護シートの積層方法については、単に重ね合わせただけでも良く、各防護シートを接着材、両面粘着シート、両面粘着テープなどの何れかで接着しても良く、リベット止めにしても良い。また、軽金属やプラスチック、合成ゴムなどのいずれかで形成した枠材で固定しても良い。
本発明のように、略シェル形状を有するに保護シートを積層させると、形状安定性が増し、積層形状にズレが生じにくくなり、保護シート同士の接触音も生じない。
また、積層させた防護板(防護板本体)をカバー体で覆うことによって、チョッキ本体の繊維との馴染みが良くなる。つまり、繊維を引っ掛けない。また、防護シートを重ね合わせた状態の形状を維持させるためにも役立つ。
上述したカバー体の材料のうち、布地、網状体、プラスチック製シート、皮革のいずれかを用いた場合には、カバー体は防護板本体の外形に合わせた袋状に形成したものを用いると、防護板本体の収納性が良く、カバー体が汚れた時の洗濯や交換が容易になる。なお、袋状のカバー体の中に防護板本体を入れた後は、袋口を閉じる。これとは別に、カバー体を防護板本体に貼り付けても良い。
上述したカバー体の材料のうち、皮革、プラスチック、圧縮厚紙のいずれかを用いた場合には、カバー体を二枚貝の貝殻の如く防護板本体の形状に合わせた2枚合わせたシェル形状のもので形成し、これを防護板本体の前後から被せて接合させる。このようにすると、カバー体の背面部を防護板の背面部の形状に沿わせた使い易い防護板になる。また、カバー体としてプラスチックを用いる場合には、防護板本体の外面にプラスチック材料を塗布・固定しも良い。
そして、カバー体に防水機能を持たせると、汚れたり汗の臭いや化粧品の香りが付着したときに水洗いできる。
本発明の請求項3に記載の防刃チョッキでは、上記何れかの構成に上、更に、前記防護板本体を、織布、不織布、プラスチック製シート、プラスチックに織布又は不織布を充填したシート、金属製シートの何れかよりなるシート基材の片面に、シリカ粒子、セラミック粒子、金属粒子の何れかをコーティングしたシート、前記シート基材に金網を充填したシート、金属板のうちの何れか又は複数よりなる複数枚の耐刃物特性を有する複数枚の防護シートで構成した。
このように、防護板本体の基材として上記いずれかのシート基材を用いると、略シェル形状を維持しつつ比較的柔軟性のある着用感が高い防護板になる。そして、このシート基材の片面に上述したコーティング処理を行なったり金網を充填させたり、金属製のシート基材を用いるなどすると、耐刃物特性の高い防護シートが出来る。特に、平織物の表面にシリカ粒子をコーティングしたシートは、軽量且つある程度の柔軟性にも富み、シート厚も薄くなる。このためこのシートを積層させると、軽量で着用感に富み、高い耐刃物特性と耐刺突特性が得られる。後述する試験の結果によれば、平織物の表面にシリカ粒子をコーティングしたシートを7枚積層すると、防刃チョッキに必要な高い耐刃物特性と耐刺突特性が得られることが確認された。
本発明の請求項4に記載の防刃チョッキでは、請求項2又は3に記載の構成の上、更に、前記防護板本体の最後面を形成している防護シートを、織布、不織布、フェルト、熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム、ウレタンゴム、発泡ポリスチレンのいずれかよりなるクッションシートで構成した。
このように防護板本体の最後面にクッションシートを用いることにより、防刃チョッキを着用したときに防護板のゴツゴツした感触が無くなり、着用感が更に増す。
本発明の請求項5に記載の防刃チョッキでは、請求項2ないし4のいずれか1項に記載の構成の上、更に、防護板本体の前面を形成している防護シートとして、織布、不織布、プラスチック製シート、プラスチックに織布又は不織布を充填したシート、金属製シートの何れかよりなるシート基材の片面に、シリカ粒子、セラミック粒子、金属粒子の何れかをコーティングしたシート、前記シート基材に金網を充填したシート、金属板のうちの何れか又は複数よりなる1又は複数枚の耐刺突特性を有する第2防護シートを設けて構成した。
上記の防護板本体はアイスピックや先端が鋭利な刃物に対する刺突特性を有しているが、このように更に第2防護シートを設けることで耐刺突特性を一層向上させた。
本発明の請求項6に記載の防犯チョッキでは、上記いずれかの構成の上、更に、各防護シートを、2又は3枚に分割したシートの切断縁部の一方に膨らみを持たせて形成して、対応する切断縁部同士を前後方向に傾きを持たせて突き合わせて接合させることにより前記略シェル形状に形成した。
略シェル形状を有する防護板は、防護シートを略シェル形状に形成することによってその外形が形作られる。防護シートを略シェル形状に形成する方法については、例えば、防護シートが金属、プラスチックなどの材料の場合には、プレス成形や射出成形でこれらを製造することができるが、織布や不織布などの材料を用いた場合には、この請求項6に記載のように、分割シートを接合させることで略シェル形状になる。
織布や不織布などのシート基材を用いて略シェル形状に形成する具体的な方法については、後の実施例の欄で詳述する。
そして、本発明の請求項7に記載の防刃チョッキでは、各防護シートを、防護シートの外形形状に打ち抜かれた形状を有するとともに、この打ち抜かれたシートの略中央部の左右両端部分から近接する方向に横略V形状の切欠部を形成し、この切欠部の縁部を前後方向に傾きを持たせて突き合わせて接合させることにより前記略シェル形状に形成した。
このようにすると分割シートを組み付けた防護シートよりも、一層丈夫な防護シートになり、製造も容易である。この場合の切欠き部の縁部を接合する場合にも、粘着テープを用いる。この請求項6に記載の各防護シートを略シェル形状に形成する具体的な方法も、後の実施例の欄で詳述する。
本発明の請求項8に記載の防刃チョッキでは、上記いずれかの構成の上、更に、前記防護板本体の背面における少なくとも前端面と前記カバー体の対向面とを、両面粘着テープ又は接着材で接着され、或いは面ファスナーで接合させた。
このようにカバー体の背面部を防護材本体の背面に略沿わせて、防護板本体の背面でカバー体が張って防護板の背面に空間が形成されなくなるのを防ぐようにしてある。
本発明の請求項9に記載の防刃チョッキでは、請求項1,2,3、5ないし8のいずれか1項に記載の構成の上、更に、前記防護板の背面における少なくとも周縁部に沿った個所に、織布、不織布、フェルト、熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム、ウレタン、発泡ポリスチレンのいずれかよりなるクッション材、又は熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム、ウレタンのいずれかの内部に空気層が形成されたクッション材を設けた。
このように防護板の背面、とくにその周縁部に沿った個所にクッション材を設けることで、防刃チョッキを着用したときの着用感は一層向上する。
そして、本発明の防刃チョッキに設ける防護板について、財団法人日本紡績検査教会東部事業所に依頼して、次の耐刺突特性試験(NIJ−o115.00準拠)を行なった。
1. 使用刃物
▲1▼出刃包丁(新品の市販品) :刃渡り158mm、
▲2▼アイスピック :爪長 54mm
2. 防刃板構造
1) 平織物の表面に炭化珪素粒子をコーティングした1.2mm厚の防護シートを1枚、織物の表面にシリカ粒子をコーティングした0.4mm厚の防護シートを7枚、アラミド繊維をニードルパンチした1400g/m、5mm厚の不織布(フェルト)よりなるクッションシートを1枚、重ね合わせたものを用いた。
3. 試験装置 :防刃性能試験機
4. 試験方法 :衝撃エネルギー 25J
1)刃物を含む落下物の重量 2.5kg
2)試験個所から刃先までの高さ 100cm
3)実験台に2cm前後のよくこねた粘土を置く。
4)次に粘度の上にアラミド繊維をニードルパンチした1000g/m5mm厚の不織布(フェルト)を敷く。
5)その上に防護材を置く。
6)上記条件にて試験個所へ自由落下させる。
5. 入射角 :90度の角度から衝撃を与える。
6. 試験個所
1)試験試料の端から51mm離れた個所
2)従前の衝撃試験個所から51mm以上離れた個所
7. 衝撃条件 :着用状態を想定し、ナイロン製加工生地で押さえ衝撃を与えた。
以上の試験の結果、25ジュール耐刃試験において、アイスピック・出刃包丁に耐刃できるという試験成績が得られた。
本発明の防刃チョッキの本来の効果として、着用者の胸部を暴漢による刃物やアイスピック攻撃から身を守る効果があることは勿論であり、更に、本発明固有の効果として、防護板を女性の胸部の形状に対応させた略シェル形状にした結果、着用したときに女性の胸部を優しく保護し、胸部の圧迫感が無くなり、着用安定性も優れた効果がある。そして、金属製やプラスチック製の保護板ほどに硬質でなく、多少の柔軟性にも富んでいるため、着用感が良く、体や手の動きの邪魔にならず、見た目も良くなった。特に、本発明の防刃チョッキに用いられている防刃板は、略シェル形状を有している結果、型崩れが無く、刃物の刃先が入り込む隙間も無くすことができるようになった。
そして、本発明の請求項2に記載の防刃チョッキによれば、防護板を複数枚の防護シートを積層したもので構成した結果、高い防刃性を持ち、着用性に富み、着用者の運動機能に適応した比較的柔軟性のある軽量な防護板を容易に製造することができるようになった。更に、これをカバー体で覆ったことにより、チョッキ本体の繊維との馴染みが良くなり、防護板全体の形状安定性が高い防刃チョッキにすることができるようになった。また、積層させた防護シートをカバー体で固定することもできるようになった。更には、着用感や手触りも良くなり、汚れたときや化粧品の香りが染み付いたときの後処理も容易に対応できるようになった。
そして、本発明の請求項3に記載の防刃チョッキによれば、防護板本体を、シート基材の片面に、シリカ粒子、セラミック粒子、金属粒子の何れかをコーティングしたシート、シート基材に金網を充填したシート、金属板のうちの何れか又は複数よりなる複数枚の耐刃物特性を有する複数枚のもので構成した結果、略シェル形状を維持させつつ比較的柔軟性のある軽量な防護板が出来、この結果、着用感が更に高い防刃チョッキになった。とくに、シート基材に上記いずれかの粒子をコーティングさせたものは、高い耐刃物特性が得られ、また、刃物やアイスピック先端に対する摩擦抵抗が増し、この結果、刃物攻撃を受けたときに、これらの先が防護体の表面で滑って着用者の顔や腕に向かうという危険な事態になるのを大幅に抑えることができるようになった。
そして、本発明の請求項4に記載の防刃チョッキによれば、防護板本体の最後面を形成している防護シートが、織布、不織布、フェルト、熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム、ウレタン発泡体の何れかよりなるクッションシートで構成した結果、防刃チョッキを着用したときの着用感が一層良好になり、防護板のゴツゴツした感触を無くすことが出来た。
そして、本発明の請求項5に記載の防刃チョッキによれば、防護板本体の前面に耐刺突特性を有する防護シートを設けた結果、耐刺突特性を更に向上させることができるようになった。
そして、本発明の請求項6に記載の防刃チョッキによれば、各防護シートを2又は3枚の分割シートを接合して略シェル形状に形成したことにより、織布や不織布を用いたシート基材を用いて略シェル形状の防護シートにすることができ、この結果、略シェル形状を維持しつつ柔軟性が高く着用感の高い防護板を設けた防刃チョッキが出来上がった。
そして、本発明の請求項7に記載の防刃チョッキによれば、各防護シートを、平坦な防護シート形状に切り抜いたシートの略中央部の左右両端部分から左右の縁部に向けた各1カ所を横略V形状に切欠き、この切欠き部の縁部を接合させることにより略シェル形状に形成した結果、分割シートを組み付けた防護シートよりも、一層丈夫で容易に製造できる防護板を備えた防刃チョッキにすることができるようになった。
そして、本発明の請求項8に記載の防刃チョッキによれば、防護板本体の背面における少なくとも前端面と前記カバー体の対向面とを、両面粘着テープ又は接着材で接着し、或いは面ファスナーで接合した結果、カバー体の背面部を防護材本体の背面に略沿わせた、着用感の高い防刃チョッキにすることができるようになった。
そして、本発明の請求項9に記載の防刃チョッキによれば、防護板の背面における少なくとも周縁部に沿った個所に、織布、不織布、フェルト、熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム、ウレタンの何れかよりなるクッション材、又は熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム、ウレタンの何れかの内部に空気層が形成されたクッション材を貼り付けた防護板を用いることができ、この結果、防刃チョッキを着用したときの着用感を一層向上させることができるようになった。
本発明を実施するための最良の形態は、次の各実施例のとおりである。
図1は本発明実施例1の防刃チョッキを女性が着用した正面図で示し、図2(A)はその前身頃を内側から見た図であり、(B)は後身頃を内側から見た図である。
これら各図に示す実施例1の防刃チョッキ50は、いわゆるアウター型と呼ばれる、衣服の上から着用するタイプのものであり、チョッキ本体51の前身頃52に女性着用者の胸部を覆う形状及び大きさの防護板1が設けられたもので構成されている。
チョッキ本体51は、着用者の胸部から腹部の上部を覆う前身頃52と、背中を覆う後身頃53と、後身頃53から左右の肩越しに前身頃52に届く長さを有する舌片形状を有する左右の肩掛けベルト54,54と、舌片形状を有する左右の腰ベルト55,55とを備えている。
図1及び図2(A)に示すように、前身頃52は、ナイロンメッシュ地の表生地52aと、一部を重ね合わせた上下2枚のメッシュ地の裏生地52b,52cとが、バイアステープ52fとともに縫合により固定されており、その内部には平坦な袋部52dが形成されており、上下の裏生地52b,52cの重ね合わせた部分52eを広げると袋口になる。
前身頃52の表面中央の下部近傍個所には、幅広い形状のゴムバンド57が横方向に伸縮自在に縫合により固定されており、このゴムバンド57の両側部と腰ベルト55,55の各基部が前身頃52の生地に縫合により固定されている。
図2(B)に示すように、後身頃53は、ナイロンメッシュ地の生地53aの周縁部にバイアステープ53bが縫合により固定されて出来ており、その左右上端近傍面には、肩掛けベルト54,54の各一端部が縫合により固定されている。
肩掛けベルト54,54の先端部の裏面には、面ファスナー56a,56aが固定されており、前身頃52の表面の左右上部個所には、この面ファスナー56a,56aと係合可能な面ファスナー56b,56bが固定されている。そして、腰ベルト55,55の先端部の裏面には、面ファスナー58a,58aが固定されており、後身頃53の下部の左右面における表面には、この面ファスナー58a,58aに係合可能な面ファスナー58b,58bが固定されている。
そして、このような構造を持つチョッキ本体51の前身頃52の袋部52d内に、略シェル形状を有する防護板1が、膨らんだ面を前方に向けて着脱自在に収納されている。
この実施例1の防犯チョッキ50は、図2(A),(B)を参照しつつ図1に示すように、女性着用者の上半身に、制服などの外衣の外から前身頃52と後身頃53とを添わせ、肩掛けベルト54,54と腰ベルト55,55を利用して前身頃52と後身頃53を体に押し当てるようにして着用する。このようにすると、女性着用者の胸部が防護板1で覆われる。この防護板1は、刃物攻撃から着用者の胸部を守る耐刃物特性と、アイスピックや先端が鋭利な刃物の突きから着用者の胸部を守る耐刺突特性を有している。
図3は本発明実施例2の防刃チョッキを正面図で示し、図4はこれを背面図で示している。これら各図に示す実施例2の防犯チョッキ60は、いわゆるインナー型と呼ばれる、衣服の下に着用するタイプのものであり、チョッキ本体61の前身頃62に女性着用者の胸部を覆う形状及び大きさの防護板1が設けられたもので構成されている。
チョッキ本体61は、着用者の胸部から腹部を覆うナイロンメッシュ地の前身頃62と、背中を覆うナイロンメッシュ地の後身頃63と、両端が後身頃63から前身頃62の中央近くまで届く長さを有する腰用ゴムバンド64と、サスペンダー型の肩掛けベルト65とを備えている。
後身頃63の下部63aは、前身頃62よりも下方に長く形成されており、その縦中央は逆V形状に切欠かれている。前身頃62の外周面と後身頃63の外周縁部はパイピング処理されており、前身頃62の内側には、実施例1の防犯チョッキと同様の構造を持つ袋部62aが形成されている。
肩掛けベルト65の下部は、腰用ゴムバンド64の中央部とともに後身頃63の表面の中央個所に縫合により固定されている。そして、肩掛けベルト65の分岐した各先端部65a、65aの裏面には、面ファスナー66a,66aが固定され、前身頃62の表面の左右上部個所には、この面ファスナー66a,66aに係合可能な面ファスナー66b,66bが固定されている。また、腰用ゴムバンド64の両先端部の裏面にも、面ファスナー67a,67aが固定されており、前身頃62の表面の中央から両横方向に向けた個所には、この面ファスナー67a,67aと係合可能な横方向に長い矩形の形状を持つ面ファスナー67bが固定されている。
そして、このような構造を持つチョッキ本体61の前身頃62の袋部62a内に、略シェル形状を有する防護板1が、膨らんだ面を前方に向けて着脱自在に収納されている。
この実施例2の防犯チョッキ60は、女性着用者の上半身に前身頃62と後身頃63を添わせ、肩掛けベルト65と腰用ゴムバンド64を利用して前身頃62と後身頃63を体に押し当てるようにして着用する。このようにすると、女性着用者の胸部が防護板1で覆われる。この防護板1は、刃物攻撃から着用者の胸部を守る耐刃物特性と、アイスピックや先端が鋭利な刃物の突きから着用者の胸部を守る耐刺突特性を有している。
図1、図2に示す防刃チョッキ50と図3、図4に示す防刃チョッキ60に設けられている防護板1は、同じ形状及び構造を有する共通のものである。本発明の防刃チョッキとして使用されるチョッキ本体は、上述した各構造の防刃チョッキ本体51,61に限らず、略シェル形状の防護板1を前身頃に収納可能な構造を持つ防刃チョッキ用のチョッキ本体であれば足り、メッシュ生地を使用しているか否かを問わない。
以下、本発明の要部である防護板1について詳述する。
図5は防護板1の1形態を示した斜視図、図6は同じく表面図、図7(A)は図6におけるI−I断面図、(B)は同じくII−II断面図、(C)は同じくIII−III断面図、(D)は同じくIV−IV断面図である。
図5〜図7の各図に示すように、この第1形態の防護板1は、女性の胸部の形状に対応させるべく、周縁部から内側面に向かうに従って前方に突出した略シェル形状を有している。
この第1形態の防護板1は、正面視すると、女性着用者の胸部を覆う大きさと形状を有し、その上端縁部の中央は、防刃チョッキの着用感と着用者の運動性を高め、着用者がネクタイやリボンを付けたときの邪魔にならないように、下方に向けて湾曲部1aが形成されている。この防護板1の上半分1bの横幅W2は、着用者の両肩から腕の動きの邪魔にならないように、下半分1cの横幅W1よりも狭く形成されている。この防護板1の下縁部1cは略横一直線である。本発明者による試作品によれば、この防護板1の横幅Wは36cm、上下の高さH1は33cm、中央部の高さH2は29cmである。
図5及び図7(A)に示すように、この第1形態の防護板1は、上下長さの略中央個所を先端とする略く字形状に前方に突出しており、その表面にはこの突出した部分による稜線Pが表れている。そして、この防護板1の上半分1bは緩やかな斜面になっており、下半分1cは上半分1bよりも角度のある斜面になっている。
図5及び図7(B)に示すように、この防護板1を稜線Pの位置から平面断面視すると、その断面形状は、左右両端から中央部に向かうに従って略円弧形状に突出した弓形になっている。そして図7(C)に示すように、この弓形は防護板1の上端に向かうに従って緩やかな曲面になっており、また、図7(D)に示すように、この弓形は防護板1の下端に向かうに従って緩やかな曲面になっている。
第1形態の防護板1はこのような三次元曲面を持った略シェル形状を有している。防護板1は、この形状に合わせてナイロン織布で形成したカバー体2内に、防護板1の外形に形作られた防護板本体3が収納されたもので構成されており、防護板1の背部においてカバー体2の背面側の生地がダブつかないように、防護板本体3の一部面とカバー体2の背面側の生地とを図示しない両面粘着シートで接着して、この背面側の生地を防護板本体3の裏面に沿わせてある。
このような形状を有する防護板1を設けた実施例1の防刃チョッキ50を女性が着用すると、図7(A)及び(B)に示すように、防護板1の背面には女性着用者の胸部Bを覆う空間Dが形成される。
図8はこの防護板1の内部構造を分解して示した斜視図であり、この図に示すように、この第1形態の防護板1の内部構造を構成している防護板本体3は、前後方向に、耐刺突特性が高い1枚の第2防護シート4と、耐刃物特性が高い7枚の第1防護シート5,5・・・と、クッションシート6を重ね合わせた積層構造を有し、これらの各シート4,5,6は、防護板1と同じ略シェル形状を有している。
第2防護シート4は、平織物からなるシート基材4aの前面に、耐刺突特性を高めるために炭化珪素粒子4bをコーティングした、1.2mm厚のものが使用されている。
第1防護シート5は、いずれも、平織物からなるシート基材5aの前面に、耐刃物特性を高めるためにシリカ粒子5bをコーティングした、0.4mm厚のものが使用されている。
クッションシート6は、アラミド繊維をニードルパンチで不織布に加工した、1000g/m、5mm厚のフェルトが使用されている。
次に、これらのシート4,5,6を上述した略シェル形状にする方法を、第2防護シート5を例に挙げて、図9及び図10に沿って説明する。図9はこの防護板1の内部構造を構成している防護シート4を略シェル形状に組み付ける前の状態を示した表面図、図10は防護シート4を組み付けた状態を示した裏面図である。
先ず、図9に示すように、成形前のシートを、第2防護シート4の外周形状に合わせた形状を有し、且つ、この形状の左右両端縁から内側横方向に向けて2分割する形状に、トムソン刃で打ち抜き、続いて、打ち抜かれた上部シート41の切断線41aと下部シート42の切断線42aのうち、いずれか一方の切断線を、中央が僅かながら膨らんだ形状になるように中央から両端方向に略円弧状に少し切る。更に続いて、双方の切断線41a,42aを突き合わせて、上述した略シェル形状にする。
そして、図10に示すように、略シェル形状を維持させるために、上下の各シート41,42の裏面における突き合わせた部分に沿った個所に粘着テープNを貼り付けて、双方のシート41,42が離れないように確りと固定する。
このようにすれば、切断縁同士を突き合わせた向きに傾きができるために、自然に反りが生じ、この結果、第2防護シート4は略シェル形状になる。そして、双方のシート41,42の突き合わせた部分が前述した稜線Pとなってあらわれる。
第1防護シート4及びクッションシート6も同じ方法で略シェル形状に形成されている。
次に、本発明の防刃チョッキに設けられている第2形態の防護板1について詳述する。
図11はこの第2形態の防護板1を示した斜視図、図12は同じく側面断面図である。
これら各図に示すように、この第2形態の防護板1も、女性の胸部の形状に対応させるべく、周縁部から内側面に向かうに従って前方に突出した略シェル形状を有している。この第2形態の防護板1における周縁部の形状は、第1形態の防護板1と同じであるため、同じ個所には同一符号を付して重複する説明は省略することにし、第1形態の防護板1との違いを中心に説明する。
この第2形態の防護板1では、稜線Pは同じ高さの位置の左右個所に形成されており、その間の中央部には形成されていない。このため、図12に示すように、縦中央部の側面断面形状は、中央部が曲面になっている。
第2形態の防護板1も、第1形態の防護板1と同様に、略シェル形状に合わせてナイロン織布で形成したカバー体2内に、防護板1の外形に形作られた防護板本体3が収納されたもので構成されており、中央縦断面形状は図18と略同じようにあらわれる。
図13はこの防護板1の内部構造を分解して示した斜視図であり、この図に示すように、防護体本体3は、図8に示す防護体本体3と同様、前後方向に、耐刺突特性が高い1枚の第2防護シート4と、耐刃物特性が高い7枚の第1防護シート5,5・・・と、クッションシート6を重ね合わせた積層構造を有し、これらの各シート4,5,6は、防護板1と同じ略シェル形状を有している。これらの各シート4,5,6は、図8に示す防護体本体3と同じ材料で形成されている。
図13に示す各シート4,5,6は、図11に示す第2形態の防護板1と同じ略シェル形状を有している。
次に、これらのシート4,5,6を上述した略シェル形状にする方法を、図14及び図15に沿って説明する。図14は第2防護シート4を形成する途中の状態を示した表面図、図15は第2防護シート4の裏面図である。
先ず、図14に示すように、成形前のシートを、第2防護シート4の外周形状に合わせた形状を有し、且つ、この形状の左右両端縁から内側横方向に向けて、それぞれ3分の1程度の深さを有する横V形状の切欠き部44a,44bを持った形状に、トムソン刃で打ち抜き、続いて、打ち抜き後のシート44における切欠き部44a,44aの縁部をそれぞれ突き合わせて、シート44下部の左右面が、斜め後方に反って略シェル形状になるようにする。
そして、図15に示すように、突き合わせた部分に沿った個所に粘着テープN,Nを貼り付けて、突き合わせた部分が離れないようにする。
このようにすれば、切断縁同士を突き合わせる向きに傾きができるために反りが生じ、この結果、第2防護シート4は略シェル形状になる。そして、左右の突き合わせた部分が前述した稜線P,Pになる。
第1防護シート4及びクッションシート6も、同じ方法で略シェル形状に形成されている。
次に、本発明の防刃チョッキに設けられている第3形態の防護板1について詳述する。
図16はこの第3形態の防護板1を示した斜視図、図17は同じく正面図、図18は図17におけるI−I断面図である。
これら各図に示すように、この第3形態の防護板1も、女性の胸部の形状に対応させるべく、周縁部から内側面に向かうに従って前方に突出した略シェル形状を有している。この第3形態の防護板1における周縁部の形状も、第1形態の防護板1と同じであるため、同じ個所には同一符号を付して重複する説明は省略することにし、第1形態の防護板1との違いを中心に説明する。
図16及び図17に示すように、この第3形態の防護板1には、2本の稜線P1,P2が形成されている。
この2本の稜線P1,P2のうちの、正面視における左側の稜線P1は、防護板1の左縁部の上端から下方に向けた約3分の1の高さの個所から、防護板1の下縁部の中央近くまで斜め下方に、若干内側に膨らみを持たせた略円弧形状にあらわれている。そして、正面視における右側の稜線P2は、防護板1の右縁部の上端から下方に向けた3分の1の高さの個所かち、防護板1の下縁部の右側から左方向に向けた4分の1幅の個所に向けて、多少内側に膨らみを持たせた略円弧形状にあらわれている。
このため、この第3形態の防護板3は、正面視において左側の稜線P1の左側に位置する左面46は、右側の稜線P2の左側に位置する右面47よりも傾斜が緩やかになっている。つまり、着用者側から見た場合、この左面46は右腕に触れ易い位置にあり、このように左面46を緩やかな傾斜にすると、利き腕であり運動量が多い右腕の動きの邪魔にならない。
そして、この第3形態の防護板3も、第1形態及び第2形態の防護板1と同様に、略シェル形状に合わせてナイロン織布で形成したカバー体2内に、防護板1の外形に形作られた防護板本体3が収納されたもので構成されている。
図19はこの防護板1の内部構造を分解して示した斜視図であり、この図に示すように、この防護体本体3も、図8に示す防護体本体3と同様に、前後方向に、耐刺突特性が高い1枚の第2防護シート4と、耐刃物特性が高い7枚の第1防護シート5,5・・・と、クッションシート6を重ね合わせた積層構造を有し、これらの各シート4,5,6は、防護板1と同じ略シェル形状を有している。これらの各シート4,5,6は、図8に示す防護体本体3と同じ材料で形成されている。
図19に示す各シート4,5,6は、図16及び図17に示す第2形態の防護板1と同じ略シェル形状を有している。
次に、これらのシート4,5,6を上述した略シェル形状にする方法を、図20及び図21に沿って説明する。図20は第2防護シート4を形成する途中の状態を示した表面図、図21は第2防護シート4の裏面図である。
先ず、図20に示すように、成形前のシートを、第2防護シート4の外周形状に合わせた形状に打ち抜く。同時に、その左縁部の上端から下方に向けた約3分の1の高さの個所から、防護板1の下縁部における中央近くの個所まで、斜め下方に向けて直線状に切断し、更に同時に、右側縁部の上端から下方に向けた3分の1の高さの個所から、防護板1の下縁部の右側から左方向に向けた4分の1の個所に向けて、内側に多少の膨らみを持たせて略円弧形状に切断する。このようにすると、打ち抜き後のシートは、中シート45と、左シート46と、右シート47の3枚に分割されたシートになる。
そして、これら分割された各シート45,46,47のうち、左シート46の切断縁部46aを、中央部が若干外方向に膨らんだ円弧形状になるように切って、この切断縁46aを中シート45の対向する切断縁45aと突き合わせる。同様に、右シート47の切断縁部47aを、左シート46よりも若干外方向に大きな膨らみになるように円弧形状に切って、この切断縁47aを中シート45の対向する切断縁45bと突き合わせる。
このようにすれば、各切断縁同士46a,45a147a,45bを突き合わせる向きに傾きができるために自然に反りが生じ、この結果、第2防護シート4は略シェル形状になる。そして、左右の突き合わせた部分が前述した稜線P1,P2になる。
第1防護シート4及びクッションシート6も、同じ方法で略シェル形状に形成されている。
本発明の防刃チョッキは、女性の体型に合わせた略シェル形状を有し着用感に優れた軽量な防護板を備えている。このため、女性警察官、女性警備員、女性自衛官、女性要人、その他一般女性が、刃物などの攻撃を受ける際や、そのおそれが否定できない場合に、身を守るために使用され、とくに警察、警備、防護分野における利用可能性がある。
本発明実施例1の防刃チョッキを女性が着用して示した正面図である。 (A)は本発明実施例1の防刃チョッキの前身頃を内側から見た図である。(B)は後身頃を内側から見た図である。 本発明実施例2の防刃チョッキを示した正面図である。 同じく背面図である。 本発明の防刃チョッキに設けられている防護板の1形態を示した斜視図である。 同じく表面図である。 (A)は図6におけるI−I断面図、(B)は同じくII−II断面図、(C)は同じくIII−III断面図、(D)は同じくIV−IV断面図である。 防護板1の内部構造を分解して示した斜視図である。 防護シートを略シェル形状に組み付ける前の状態を示した表面図である。 防護シート4を組み付けた状態を示した裏面図である。 第2形態の防護板1を示した斜視図である。 同じく側面断面図である。 防護板の内部構造を分解して示した斜視図である。 第2防護シートを形成する途中の状態を示した表面図である。 第2防護シートの裏面図である。 第3形態の防護板を示した斜視図である。 同じく正面図である。 図17におけるI−I断面図である。 防護板の内部構造を分解して示した斜視図である。 第2防護シートを形成する途中の状態を示した表面図である。 第2防護シートの裏面図である。
符号の説明
1 防護板
2 カバー体
3 防護板本体
4 第2防護シート
4a シート基材
4b 炭化珪素粒子
5 第1防護シート
5a シート基材
5b シリカ粒子
6 クッションシート
50 防刃チョッキ
51 チョッキ本体
52 前身頃
53 後身頃
54 肩掛けベルト
55 腰ベルト
60 防犯チョッキ
61 チョッキ本体
62 前身頃
63 後身頃
64 腰用ゴムバンド
65 肩掛けベルト
B 胸部
D 空間
P 稜線
P1 稜線
P2 稜線
N 粘着テープ

Claims (9)

  1. アウター型又はインナー型のチョッキ本体の前身頃に着用者の胸部を刃物攻撃から保護する防護板を備えた防護チョッキであって、当該防護板は、女性の胸部の形状に対応させるべく、周縁部から内側面に向かうに従って前方に突出した略シェル形状を有していることを特徴とする防刃チョッキ。
  2. 前記防護板は、略シェル形状を有する複数枚の防護シートを積層させた防護板本体が、天然繊維又は合成繊維の布地又は網状体によるカバー、プラスチック製シートよりなるカバー、プラスチック、皮革、圧縮厚紙のいずれかよりなるカバー体で覆われて構成されている請求項1に記載の防刃チョッキ。
  3. 前記防護板本体は、織布、不織布、プラスチック製シート、プラスチックに織布又は不織布を充填したシート、金属製シートの何れかよりなるシート基材の片面に、シリカ粒子、セラミック粒子、金属粒子の何れかをコーティングしたシート、前記シート基材に金網を充填したシート、金属板のうちの何れか又は複数よりなる複数枚の耐刃物特性を有する複数枚の防護シートで構成されている請求項1又は2に記載の防刃チョッキ。
  4. 前記防護板本体の最後面を形成している防護シートは、織布、不織布、フェルト、熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム、ウレタンゴム、発泡ポリスチレンのいずれかよりなるクッションシートで構成されている請求項2又は3に記載の防刃チョッキ。
  5. 前記防護板本体の前面に、織布、不織布、プラスチック製シート、プラスチックに織布又は不織布を充填したシート、金属製シートの何れかよりなるシート基材の片面に、シリカ粒子、セラミック粒子、金属粒子の何れかをコーティングしたシート、前記シート基材に金網を充填したシート、金属板のうちの何れか又は複数よりなる1又は複数枚の耐刺突特性を有する第2防護シートが設けられている請求項2ないし4のいずれか1項に記載の防刃チョッキ。
  6. 各防護シートは、2又は3枚に分割したシートの切断縁部の一方に膨らみを持たせて形成して、対応する切断縁部同士を前後方向に傾きを持たせて突き合わせて接合させることにより前記略シェル形状に形成されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の防刃チョッキ。
  7. 各防護シートは、防護シートの外形形状に打ち抜かれた形状を有するとともに、この打ち抜かれたシートの略中央部の左右両端部分から近接する方向に横略V形状の切欠部を形成し、この切欠部の縁部を前後方向に傾きを持たせて突き合わせて接合させることにより前記略シェル形状に形成されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の防刃チョッキ。
  8. 前記防護板本体の背面における少なくとも前端面と前記カバー体の対向面とが、両面粘着テープ又は接着材で接着され、或いは面ファスナーで接合されている請求項2ないし7のいずれか1項に記載の防刃チョッキ。
  9. 前記防護板の背面における少なくとも周縁部に沿った個所に、織布、不織布、フェルト、熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム、ウレタン、発泡ポリスチレンのいずれかよりなるクッション材、又は熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム、ウレタンのいずれかの内部に空気層が形成されたクッション材が設けられている請求項1,2,3、5ないし8のいずれか1項に記載の防刃チョッキ。
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