JP2005194602A - 弁、メカニカルシールおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 コバルト基合金とセラミックスの複合材料を有する弁或いはメカニカルシールにおいて、前記複合材料の耐食性、耐エロージョン性を高める。
【解決手段】 弁体1と弁箱2を有する弁、或いは回転しながら軸方向へ動くことが可能な従動リングの端面を回転しないシートリングの端面に押し付けて密着させシールする構造のメカニカルシールにおいて、弁体1と弁箱2の接触面或いはメカニカルシールの従動リングとシートリングの接触面に、クロム炭化物よりなる共晶炭化物を含むコバルト基合金とセラミックスの複合材料により形成され、クロム炭化物が平均粒径30μm以下の大きさに分断されて分散している部材を拡散接合する。
【選択図】図1
【解決手段】 弁体1と弁箱2を有する弁、或いは回転しながら軸方向へ動くことが可能な従動リングの端面を回転しないシートリングの端面に押し付けて密着させシールする構造のメカニカルシールにおいて、弁体1と弁箱2の接触面或いはメカニカルシールの従動リングとシートリングの接触面に、クロム炭化物よりなる共晶炭化物を含むコバルト基合金とセラミックスの複合材料により形成され、クロム炭化物が平均粒径30μm以下の大きさに分断されて分散している部材を拡散接合する。
【選択図】図1
Description
本発明は、コバルト(Co)基合金とセラミックスの複合材料により形成された弁座を有する弁、或いは従動リングとシートリングの接触部の少なくとも一方にコバルト基合金とセラミックスの複合材料により形成された部材を有するメカニカルシールに関する。また、本発明はそれらの製造方法に関する。本発明の弁或いはメカニカルシールは、流体機械、内燃機関、化学プラント、火力プラントあるいは原子力プラント等に使用するのに好適である。
弁或いはメカニカルシールは、摩耗しにくいこと、焼き付きを生じにくいことが必要とされる。また、あわせて、耐食性が高く、エロージョンを生じにくいことも要求される。
従来、各種の流体機器、化学プラント、火力プラントあるいは原子力プラントに使用される各種の弁には、ステライトと呼ばれるコバルト基合金を弁座に肉盛溶接したものが使用されてきた。また、ステライトよりも硬さを高くしてエロージョン耐力を向上させるために、セラミックス添加ステライト焼結複合材料が開発された(例えば、非特許文献1参照)。一方、各種機器のメカニカルシールには、ステライト、またはコバルト基合金によりセラミックス粒子を焼結結合した超硬合金と呼ばれる複合材料が使用されてきた。
弁或いはメカニカルシールを備えた、例えばタービン発電設備では、近年、ボイラー給水の水質調整のために過酸化水素等の薬剤が注入されるようになっている。この結果、給水の溶存酸素量が増加し、弁の弁座面或いはメカニカルシールの従動リングとシートリングの接触部に、エロージョンによる損傷或いは割れが発生しやすくなっている。
ステライト、或いはコバルト基合金とセラミックスの複合材料に生ずる割れは、コバルト基合金が網目状の共晶炭化物とそれに取り囲まれた基地(マトリクス)からなる金属組織を有していることに起因している。つまり、網目状の共晶炭化物の腐食損傷を起点として、エロージョンによる損傷或いは割れが起こりやすくなっている。
ステライト等のコバルト基合金の腐食損傷を抑制するために、鋳造組織の網目状の共晶炭化物を、熱間加工を施すことによって細かく分断することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
「火力原子力発電」、第45巻、No.7、第57頁
ステライト等のコバルト基合金では、腐食損傷を抑制するために、鋳造組織に現れる共晶炭化物を細かく分断する等の方策が既に提案されている。しかし、コバルト基合金とセラミックスの複合材料においては、まだ具体的な方策が提案されていない。
本発明の目的は、コバルト基合金とセラミックスの複合材料を有する弁或いはメカニカルシールにおいて、前記複合材料の耐食性、耐エロージョン性を高めることができるようにしたことにある。
本発明は、弁体と弁箱を備え、両者の接触面にそれぞれ弁座を有する弁において、前記弁座の少なくとも一方を、金属組織の基地中に主としてクロム炭化物よりなる共晶炭化物を含むコバルト基合金とセラミックスの複合材料により形成し、かつクロム炭化物を平均粒径30μm以下の大きさに分断して分散させたことにある。
また、本発明は、回転しながら軸方向へ動くことが可能な従動リングの端面を、回転しないシートリングの端面に押し付けて密着させシールする構造のメカニカルシールにおいて、前記従動リングと前記シートリングの接触部の少なくとも一方に、クロム炭化物を含むコバルト基合金とセラミックスの複合材料により形成され、前記クロム炭化物が平均粒径30μm以下の大きさにて分散している部材を備えたことにある。
コバルト基合金の基地中にクロム炭化物を平均粒径30μm以下の大きさにて分散させることにより、コバルト基合金の耐食性および耐エロージョン性を著しく高めることができる。
コバルト基合金は、炭素(C)0.6〜3.5重量%、珪素(Si)2重量%以下、クロム(Cr)25〜32重量%、タングステン(W)15重量%以下、鉄(Fe)0〜3重量%、ニッケル(Ni)0〜3重量%、モリブデン(Mo)0〜6重量%、残部がコバルト(Co)からなる化学組成を有するものが好ましい。
炭素は、各種の炭化物を生成して硬さを増大するのに必要であり、また、クロム炭化物を生成して耐食性、耐エロージョン性を高めるのに必要である。これらの効果を発揮させるために、0.6重量%以上含有することが望ましい。コバルト基合金の硬さはHv300以上、特にHv400以上にすることが望ましく、Hv400以上を確保するためには炭素を1重量%以上含有することが望ましい。3.5重量%を超えると、共晶炭化物以外の粗大なクロム炭化物が生成するようになり、耐エロージョン性が低下する。
珪素は、コバルト基合金の溶解時に脱酸剤として含有される。2重量%以下の含有に抑えることが望ましい。真空溶解等で製造するときには、0.5重量%以下でも良い。
クロムは、耐食性改善のために25重量%以上含有することが望ましい。32重量%を超えると脆くなるので好ましくない。
タングステンは、タングステンカーバイド(WC)を生成して硬さを高める。しかし、あまり多いと靭性が低下するので、15重量%以下とすることが望ましい。
ニッケルと鉄は、コバルト基合金の製造時に原料から混入する。耐摩耗性の低下を抑えるために、ニッケルは0〜3重量%とすることが望ましい。また、耐食性の低下を抑えるために、鉄は0〜3重量%とすることが望ましい。
モリブデンは、耐食性を高める効果がある。また、炭化物を形成するので硬さが増大する。しかし、あまり多く含有すると靭性が低下するので、0〜6重量%とすることが望ましい。
コバルト基合金とセラミックスの複合材料を製造する場合、従来のセラミックス添加ステライト焼結複合材料を製造する時と同じように放電プラズマ焼結で製造すると、コバルト基合金の焼結部が溶融し、網目状をした共晶炭化物が生成してしまう。コバルト基合金粉末とセラミックス粉末の混合物を真空中で溶解してインゴットを製作し、その後、熱間プレス、熱間加工する方法では、インゴットの靭性が低くなり、複合材を成形するのが困難である。
これらを考慮し、本発明では、コバルト基合金のアトマイズ粉とセラミックス粉の混合物を熱間で圧縮成形した後、熱間加工を施して製造することを提案する。コバルト基合金のアトマイズ粉は、この状態では、まだ、クロム炭化物よりなる共晶炭化物が網目状の形で存在する。本発明では、クロム炭化物が網目状に存在したままの状態で粉末とし、セラミックス粉と混合して、熱間で圧縮成形し、コバルト基合金とセラミックスの複合材料に成形する。セラミックス粉の製造法は任意の方法でよい。熱間圧縮成形は、焼結、HIP(Hot Isostatic Press)あるいは粉末熱間押出し加工のいずれかによって行うことが望ましい。アトマイズ粉とセラミックス粉の混合物を予め常温で圧縮成形して形を整えてから、熱間圧縮成形を施すようにしても良い。また、HIPを行う際に、カプセルの一部にノズルを取り付けておき、成形時にノズルに押し出すようにしても良い。粉末熱間押出し加工は、一例としてパイプの中に粉末を詰め、パイプごと押し出すことによって行うことができる。このようにしてアトマイズ粉とセラミックス粉の混合物を熱間圧縮成形した後に、熱間圧延或いは熱間鍛造等の熱間加工を施す。アトマイズ粉とセラミックス粉の混合物を常温で成形しただけの状態で熱間加工を施すと、成形体に割れが生じやすいが、熱間圧縮成形後に熱間加工を施すことにより、これを防止できる。これは、熱間圧縮成形により靭性が高められ、割れにくくなったためと推定される。熱間加工により、網目状の共晶炭化物が細かく分断され、粒状或いは塊状になって分散する。
コバルト基合金とセラミックスの複合材料により形成された部材は、通常、炭素鋼、低合金鋼またはステンレス鋼によって形成された弁体或いは弁箱、或いはメカニカルシールの従動リング或いはシートリングに接合される。これらの接合は、拡散接合、特に液相拡散接合によって行うことが望ましい。アーク溶接や肉盛溶接のように、接合部分を溶融させて接合する方法では、溶融によってクロム炭化物が網目状の共晶炭化物の状態に戻ってしまうので好ましくない。また、ロウ付けによる方法は、接合部の溶融を伴わないが、接合部の強度が低いので好ましくない。液相拡散接合では、複合材料により形成された部材と相手側の部材との間に、低融点材料のインサート材を挟むことが望ましい。インサート材には、珪素およびホウ素(B)を含有するニッケル基合金、珪素とホウ素およびクロムを含有するニッケル基合金、リン(P)を含有するニッケル基合金などのニッケル基合金を用いることが望ましい。この液相拡散接合によれば、インサート材に含まれる珪素、ホウ素或いはリンが、複合材料および相手材に拡散するので、接合強度の高い接合部が得られる。また、接合時にクロム炭化物が網目状の共晶炭化物に戻ることもない。インサート材中の珪素は1〜8重量%、ホウ素は1〜5重量%、リンは12重量%以下、クロムは5〜20重量%の範囲とすることが望ましい。
本発明によれば、弁体と弁箱の接触面の少なくとも一方にコバルト基合金とセラミックスの複合材料により形成した弁座を接合してなる弁の製造方法において、前記複合材料を、クロム炭化物が網目状の共晶炭化物として晶出しているコバルト基合金のアトマイズ粉とセラミックス粉の混合物を熱間圧縮成形した後、熱間加工を施して前記共晶炭化物を平均粒径30μm以下の大きさに分断することによって製造し、前記複合材料によって形成された弁座を、前記弁体と前記弁箱の少なくとも一方に拡散接合によって接合するようにした弁製造方法が提供される。
また、従動リングとシートリングの接触部の少なくとも一方にコバルト基合金とセラミックスの複合材料により形成された部材を接合してなるメカニカルシールの製造方法であって、前記複合材料を、クロム炭化物が網目状の共晶炭化物として晶出しているコバルト基合金のアトマイズ粉とセラミックス粉の混合物を熱間圧縮成形した後、熱間加工を施して前記共晶炭化物を平均粒径30μm以下の大きさに分断することによって製造し、前記複合材料によって形成された部材を、前記従動リングと前記シートリングの少なくとも一方に拡散接合によって接合するようにしたメカニカルシール製造方法が提供される。
本発明によれば、弁或いはメカニカルシールの耐食性、耐エロージョン性を高めることができる。また、弁の弁座或いはメカニカルシールの従動リングとシートリングの経年的な面荒れを抑制し、耐漏洩性能の低下を抑制できる。これらの効果により、弁或いはメカニカルシールを使用した機器の保守性を向上できる。
本発明の弁或いはメカニカルシールは、一般に、腐食の点からコバルト基合金の適用が困難とされる、溶存酸素量が高く(DO≧100ppb)、かつ高温(温度≧100℃)の環境下での使用に適する。
弁体および弁箱の接触面に、平均粒径30μm以下の微細なクロム炭化物を有するセラミックス添加ステライト複合材料からなる弁座を拡散接合することで、耐食性および耐エロージョン性に優れた弁を実現した。
また、メカニカルシールの従動リングとシートリングの接触部に、平均粒径30μm以下の微細なクロム炭化物を有するセラミックス添加ステライト複合材料からなる部材を拡散接合することで、耐食性、耐エロージョン性に優れたメカニカルシールを実現した。
本実施例では、仕切り弁を以下に述べる方法により製造した。図1は本実施例による仕切り弁10の断面図を示している。図2は弁体1の拡大図を示し、図3は弁箱2の拡大図を示している。本実施例では、まず、コバルト基合金のアトマイズ粉末とタングステンカーバイドからなるセラミックス粉末を鋼製のカプセルに充填した。その後、真空脱気を行い、次いで、2000気圧の加圧下、950℃で1時間HIP処理を行い、直径が125mm、厚さが110mmの円盤の形をした半製品を製造した。コバルト基合金は、化学組成が重量で、1.34%C、1.1%Si、30.3%Cr、4.6%W、0.6%Fe、1.1%Ni、0.1%Moおよび残部Coよりなる。半製品は、その後、熱間鍛造し、クロム炭化物を平均粒径30μm以下の粒状または塊状に分断した。このようにして製造した複合材料の円盤から、厚さ5mmのドーナツ状をしたリング100aを製造した。そして、弁体1の弁座シート501に、珪素とホウ素を含むニッケル基合金よりなるインサート材をはさんで押し付けた。また、同様に、厚さ5mmのドーナツ状のリング100bを製造し、弁箱2の弁座シート511に珪素とホウ素を含むニッケル基合金よりなるインサート材をはさんで押し付けた。図1において、仕切り弁10は、弁体1と弁箱2を有し、両者の摺動面に弁座を有する。弁体側の弁座3aは、図2に示すように、弁座シート501と、コバルト基合金とセラミックスの複合材料よりなるリング100aとから構成されている。また、弁箱側の弁座3bは、図3に示すように、弁座シート511と、コバルト基合金とセラミックスの複合材料よりなるリング100bとから構成されている。弁座シートはいずれも、SCPH2の鋳物である。インサート材は固相線温度が約980℃、液相線温度が約1040℃である。液相拡散接合は、接合温度1100℃、保持時間1時間、真空度2×10−4Torrの条件で行った。
接合後に、接合界面の断面観察を実施したところ、ボイド等の接合欠陥は認められず、良好な接合状態を示していた。本実施例による仕切り弁は、弁座の表面が、平均粒径30μm以下の微細なクロム炭化物が分散したコバルト基合金とセラミックスの複合材料によって構成されている。この複合材料は、溶存酸素による腐食を受けにくく、また、硬度が高いため、エロージョンに対する抵抗力が高い。これにより、仕切り弁のシール性能低下を抑制できる。
本実施例では、ポンプ設備のメカニカルシールを以下に述べる方法により製造した。ポンプの断面図を図4に示し、メカニカルシール近傍の断面図を図5に示す。図4に示すポンプ設備において、電動モータなどによりシャフト50を回転すると、シャフト50に固定されているインペラ51がポンプケーシング52内で回転する。インペラ51の回転によって、ポンプケーシング52内に流入してきた流体Xがポンプケーシングの外部へ吐き出される。この構造のポンプ設備において、液体Xが気体Y側へ洩れないようにするためにメカニカルシールが採用される。図5において、ポンプケーシング52と一体のシールボックス53の内側にて、シャフト50の周囲に配置された止め金55が、ノック54によってシャフト50に固定されている。シャフト50の周囲には、ばね56と押しがね57とパッキング58およびワッシャー59が配備されている。シールボックス53の端部には、シャフト50の周囲に配備したシールカバー60が取り付けられている。シールカバー60には、シャフト50の周囲に配備したシート61が取り付けられている。押しがね57とパッキング58とワッシャー59は、ばね56でシート61側に押されているので、ワッシャー59はシート61に密封端面Sで押し当てられる。このようにして、ワッシャー59をシート61にばね56で押し当てることによって、液体Xが気体Y側へ洩れない構造になっている。止め金55とばね56と押しがね57とパッキング58およびワッシャー59は、シャフト50と一緒に回転する。しかし、シート61は回転しないので、密封端面Sでは摩擦熱が発生し、焼き付き、摩耗および腐食が進む。そのため、密封端面に低摩擦で耐食性の優れた材料を使用したメカニカルシールが必要になる。本実施例では、図5に示すように、ワッシャー59(従動リングに相当)の表面、すなわちシート61(シートリングに相当)と接触する部位に、コバルト基合金とセラミックスの複合材料よりなる板状をした部材62を液相拡散接合した。複合材料の構成および製造方法は、実施例1のときと同じである。液相拡散接合方法ならびにその条件も実施例1と同じである。
接合後に、接合界面の断面観察を実施したところ、ボイド等の接合欠陥は認められず、良好な接合状態を示していた。本実施例によるメカニカルシールはワッシャー59(従動リング)の表面が、平均粒径30μm以下の微細なクロム炭化物が分散したコバルト基合金とセラミックスの複合材料で構成されている。このため、溶存酸素による腐食を受けにくく、また、硬度が高いため、エロージョンに対する抵抗力が高い。これにより、メカニカルシールのシール性能低下を抑制できる。
本発明によれば、弁およびメカニカルシールの耐食性および耐エロージョン性を向上することができる。これにより、機器の保守性を向上できるようになり、産業上の効果が大きい。また、溶存酸素量が多い環境下でも使用できるので、適用分野が拡大する。
1…弁体、2…弁箱、3a…弁座、3b…弁座、10…弁、59…ワッシャー、61…シート、62…部材、501…弁座シート、511…弁座シート、100a…リング、100b…リング。
Claims (10)
- 弁体と弁箱を備え、両者の接触面にそれぞれ弁座を有し、前記弁座の少なくとも一方がコバルト基合金とセラミックスの複合材料により形成されている弁において、前記コバルト基合金よりなる金属組織の基地中にクロム炭化物を含む共晶炭化物が平均粒径30μm以下の大きさに分断された状態で分散していることを特徴とする弁。
- 請求項1において、前記コバルト基合金とセラミックスの複合材料により形成された弁座が、前記弁箱および前記弁体の少なくとも一方にインサート材を介して拡散接合されていることを特徴とする弁。
- 弁体と弁箱の接触面の少なくとも一方にコバルト基合金とセラミックスの複合材料により形成した弁座を接合してなる弁の製造方法において、前記複合材料を、クロム炭化物が網目状の共晶炭化物として晶出しているコバルト基合金のアトマイズ粉とセラミックス粉の混合物を熱間圧縮成形した後、熱間加工を施して前記共晶炭化物を平均粒径30μm以下の大きさに分断することによって製造し、前記複合材料によって形成された弁座を、その後、前記弁体と前記弁箱の少なくとも一方に拡散接合によって接合することを特徴とする弁の製造方法。
- 請求項3において、前記熱間圧縮成形を、焼結、HIPおよび粉末熱間押出し加工のいずれかによって行うことを特徴とする弁の製造方法。
- 請求項3において、前記熱間加工を熱間圧延および熱間鍛造のいずれかによって行うことを特徴とする弁の製造方法。
- 回転しながら軸方向へ動くことが可能な従動リングの端面を、回転しないシートリングの端面に押し付けて密着させシールする構造を有するメカニカルシールにおいて、前記従動リングと前記シートリングの接触部の少なくとも一方に、クロム炭化物を含むコバルト基合金とセラミックスの複合材料により形成され、前記クロム炭化物が平均粒径30μm以下の大きさにて分散している部材を備えたことを特徴とするメカニカルシール。
- 従動リングとシートリングの接触部の少なくとも一方にコバルト基合金とセラミックスの複合材料により形成された部材を接合してなるメカニカルシールの製造方法であって、前記複合材料を、クロム炭化物が網目状の共晶炭化物として晶出しているコバルト基合金のアトマイズ粉とセラミックス粉の混合物を熱間圧縮成形した後、熱間加工を施して前記共晶炭化物を平均粒径30μm以下の大きさに分断することによって製造し、前記複合材料によって形成された部材を、その後、前記従動リングと前記シートリングの少なくとも一方に拡散接合によって接合することを特徴とするメカニカルシールの製造方法。
- 請求項7において、前記熱間圧縮成形を、焼結、HIPおよび粉末熱間押出し加工のいずれかによって行うことを特徴とするメカニカルシールの製造方法。
- 請求項7において、前記熱間加工を、熱間圧延および熱間鍛造のいずれかによって行うことを特徴とするメカニカルシールの製造方法。
- 請求項6に記載のメカニカルシールを有する回転流体機器。
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