JP2004149924A - 耐蝕・耐摩耗性合金とそれを用いた機器 - Google Patents

耐蝕・耐摩耗性合金とそれを用いた機器 Download PDF

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Abstract

【課題】
機器の摺動部や弁座に用いられているコバルトベース,ニッケルベース、または、鉄ベースの合金の溶存酸素雰囲気下における該合金を構成する共晶炭化物の腐蝕の連鎖を抑制した耐蝕・耐摩耗性合金の提供。
【解決手段】
Crおよび/またはWを添加したコバルトベース,Feおよび/またはCrを添加したニッケルベース、または、Crおよび/またはNiを添加した鉄ベースから選ばれた素材を、インゴットまたはスラブに鋳造した中間素材を、650℃以上、固相線温度以下で熱間塑性加工を施すことにより、該中間素材中の網目状共晶炭化物と、これに囲まれた基材部とからなる組織のうち、共晶炭化物を複数の粒状または複数の塊状に形成して非連続分布とし、摩擦係数が0.1〜0.5、時効効果処理を施さないビッカウス硬度が300〜
600Hvであることを特徴とする耐蝕・耐摩耗性合金。
【選択図】図4


Description

本発明は、耐蝕・耐摩耗性合金、並びに、該合金を用いた流体機器,動的機器に関する。
タービン発電設備等のプラント設備では、安全弁を始めとする弁類には、運転中の弁座のエロージョン損傷を防止するため、また、弁の作動中のかじり防止のために、耐蝕・耐摩耗性能に優れた硬度の高いコバルトをベースにCrおよび/またはWを添加した耐蝕・耐摩耗性合金を肉盛した弁座または摺動部が使用されている。
しかし、近年、タービン発電設備等のプラント設備では、水質調整の目的から過酸化水素水等の注入が行われている。その結果、注入点下流の溶存酸素量が増加し、弁の弁座面や摺動部にエロージョン防止,かじり防止を目的に肉盛した前記コバルトをベースに、
Crおよび/またはWを添加した耐蝕・耐摩耗性合金を構成する共晶炭化物と鋳造組織の基材部のうち、共晶炭化物に腐蝕損傷が起こる。
また、流れ(例えば、水流)のある場合には、共晶炭化物の腐蝕損傷に続いて、鋳造組織の基材部が脱落し、エロージョンが発生するという報告がある。
上記の関連報告としては、「火力原子力発電 Vol.30−5,火力発電所の水蒸気系統の酸素およびアンモニアによるボイラ水の処理法」,「機械の損害 1982−第2号
VEW Gerstein発電所における組合わせ運転方法による運転経験について」、または、「材料と環境Vol.47,No.3,コバルト基合金溶接部の粒界腐蝕に及ぼす熱処理条件の影響」等がある。
しかし、上記報告でも、エロージョンの発生を無くすための有効な手段は無いとされており、問題となっていた。
その一方で、特開平8−334280号公報(対応米国特許第6164624号明細書)には、弁本体の材料よりも硬度の高い(ビッカース硬度150〜500)金属材料により作成したオリフィス部材をその弁本体に組み込み、オリフィスが装備された弁口のエロージョンの発生を防止できる膨張弁が開示されている。
また、特開平5−208325号公報(対応米国特許第5183390号明細書)には、蒸気タービンの羽根の後縁部に、コバルト,ニッケル,タングステン,マンガン及びセレンを含む棒状の耐摩耗性材料を摩擦サーフエーシング法で装着してその羽根の耐摩耗性を向上することを開示している。その摩擦サーフエーシング法での耐摩耗性材料の羽根への装着に際しては、硬度の変化や縮み割れ防止の観点から棒状の耐摩耗性材料が溶融を生じないように注意する点を開示している。
また、特開昭59−179283号公報には、Cr30〜45重量%,Ti3.0〜8.0重量%,Mo0〜10重量%、及び残部Niからなる弁座が弁体,弁箱に拡散接合された弁について開示されている。
また、特開昭60−86239号公報には、Cr10〜45重量%,Al及びTiのうちの少なくともいずれか1種1.5 〜6重量%,Mo20重量%以下、及び残部Niからなる弁座が弁体及び/又は弁箱に拡散接合された弁について開示されている。
また、特開平4−19476号公報には、弁箱の弁座部にアモルファス合金層を介して超硬材料又は耐熱材料から成る弁座をロウ付けしてある弁が開示されている。
また、特開平7−16610号公報には、高炭素マルテンサイト系ステンレス鋼素材を熱間塑性加工により中間寸法の中間素材とし、その中間素材に冷間塑性加工を施し、再度850℃以上で熱間塑性加工を施すことによって、目的寸法の鋼材を作る技術が開示されている。その開示技術によれば、目的寸法の鋼材中の共晶化炭化物平均寸法が4.2μmに達したことが同公報に掲載されている。
特開平8−334280号公報 特開平5−208325号公報 特開昭59−179283号公報 特開昭60−86239号公報 特開平4−19476号公報 特開平7−16610号公報
タービン発電プラントに使用する安全弁を始めとする弁類には、運転中の弁座部の流速が早く、エロージョン損傷を防止するために耐蝕・耐摩耗性能に優れた硬度の高いコバルトをベースに、Crおよび/またはWを添加した耐蝕・耐摩耗性合金を用いた弁座が使用されている。
また、ケージ弁等にあっては、弁の作動中のかじり防止のために、弁体をガイドするガイド表面またはケージ内面に、上記の耐蝕・耐摩耗性合金を用いた弁箱が使用されている。
しかし、溶存酸素の多い高温高圧の水・蒸気雰囲気下で上記の耐蝕・耐摩耗性合金製の弁座を使用すると、該合金中の鋳造組織の基材部層と、網目状に鋳造組織の基材部層を包み込んでいる共晶炭化物が、流体中の溶存酸素によって選択的に腐蝕される。これにより弁座の面荒れが著しくなると共に、腐蝕損傷部に高速ジェットが侵入して発生するトンネル作用(F.j.Heymann:Machine Dedign.42,118(1970))の効果も手伝って、共晶炭化物の腐蝕脱落により、網目状の共晶炭化物による保持を失った鋳造組織の基材部が、流れによって容易に脱落することで、耐蝕・耐摩耗性合金にエロージョンが発生する。
本発明の目的は、溶存酸素雰囲気中での耐蝕・耐摩耗性合金中の共晶炭化物の継続的な腐蝕を抑制して耐腐蝕性能,耐エロージョン性能を向上した耐蝕・耐摩耗性合金の提供にある。
また、本発明の目的は、耐摩耗性能,耐エロージョン性能が向上した耐蝕・耐摩耗性合金を機器の耐摩耗部,エロージョンシールド部に用いた機器を提供することにある。
前記目的を達成する本発明の要旨は次のとおりである。
Crおよび/またはWを添加したコバルトベース,Feおよび/またはCrを添加したニッケルベース、または、Crおよび/またはNiを添加した鉄ベースから選ばれた素材を、インゴットまたはスラブに鋳造した中間素材を、650℃以上、固相線温度以下で熱間塑性加工を施すことにより、該中間素材中の網目状共晶炭化物と、これに囲まれた基材部とからなる組織のうち、共晶炭化物を複数の粒状または複数の塊状に形成して非連続分布とし、摩擦係数が0.1〜0.5、時効効果処理を施さないビッカウス硬度が300〜
600Hvであることを特徴とする耐蝕・耐摩耗性合金にある。
そのCrおよび/またはWを添加したコバルトベース素材は、重量比で0.1〜3.5%C,25%以下Ni,25〜35%Cr,5%以下Fe,20%以下W,1.5%以下Mn,1.5 %以下Siと、残部Coおよび不可避不純物から成る。又、Feおよび/またはCrを添加したニッケルベース素材は、重量比で0.1〜2.5%C,3〜9%Si,7〜25%Cr,0.5〜5%B,2〜6%Fe,1〜5%W,17%以下Moと、残部Niおよび不可避不純物から成る。又、Crおよび/またはNiを添加した鉄ベース素材は、重量比で0.1〜1.5%C,0.3 〜4%Si,4〜9%Ni,3%以下Mo,6〜10%Mn,15〜25%Crと、残部Feおよび不可避不純物から成る。
例えば、コバルトをベースにCrおよび/またはWを添加してインゴットまたはスラブに代表される中間素材に鋳造した鋳造組織の基材部と、共晶炭化物からなる鋳造素材のうち、網目状に連続して分布する高硬度で、延性が低く、脆い共晶炭化物を熱間塑性加工を施す。これにより上記中間素材を細かな粒状または塊状とする。これによって、共晶炭化物間に生じた隙間に基材部の組織が入り込み、その結果、硬度が低く,延性が高く,強靭な基材部を細かな粒状化または塊状化した共晶炭化物の周辺に分布させることで、共晶炭化物を非連続化する。
これと共に、650℃以上の高温に保持することで、共晶炭化物中に多く存在するクロムの拡散を促し、共晶炭化物の周辺のクロム欠乏層を減少させ、共晶炭化物自体の耐蝕性能の向上も合わせて図った耐蝕・耐摩耗性合金が得られる。
上記によれば、コバルトをベースにCrおよび/またはWを添加して溶解した鋳造組織の基材部と共晶炭化物のうち、網目状に連続して分布する共晶炭化物を複数の粒状または塊状に変化させることで非連続の共晶炭化物とし、腐蝕現象を不連続なごく浅い表面的な一部の事象とすることができる。
その結果、腐蝕の進行が抑制され、腐蝕損傷部に高速のジェットが侵入して発生するトンネル作用(F.j.Heymann:Machine Dedign.42,118(1970))をも抑制でき、耐エロージョン性能も向上する。
以上の効果により、耐エロージョン・コロージョン性能を向上することができる。
また、650℃以上の高温に保持することで、共晶炭化物中に多く存在するCrの共晶炭化物周辺への拡散を促すことになり、Crを含有する共晶炭化物の周辺に存在するCr欠乏層が減少し、共晶炭化物自体の耐蝕性能の向上も併せて図ることができる。
また、ニッケルをベースにFeおよび/またはCr、あるいは、鉄をベースにCrおよび/またはNiを添加したものにおいても同様に、耐蝕・耐摩耗性合金を得ることができ、耐エロージョン・コロージョン性能を向上することができる。
上記の耐蝕・耐摩耗性合金は、その全てまたは一部を溶融すると、溶融部分の共晶炭化物は耐蝕性の低い網目状の共晶炭化物を形成するため、該耐蝕・耐摩耗性合金を機械加工により任意の形状、または、耐蝕・耐摩耗性合金が装着される母材である台金に溶融せずに母材に接合して使用できる。
網目状の共晶炭化物が存在せずに塊状または粒状の共晶炭化物となることで、それを用いたポンプ,弁,圧力機器,タービン等の流体機器を腐蝕雰囲気下で用いても、高い耐蝕性,耐エロージョン性を得ることができる。
また、耐蝕・耐摩耗性合金を、金属組成を変えずにそのまま台金に接合し、摺動部、または、接触部に用いたポンプ,弁,タービン,エンジン等の動的機器を腐蝕雰囲気下で用いても、高い耐蝕性,耐エロージョン性を得ることができる。
なお、摩擦係数は0.1〜0.3とダイヤモンド(無潤滑状態での摩擦係数0.1 )やサファイヤ(無潤滑状態での摩擦係数0.2 ),ルビー並みのものが得られ場合があり、黄銅(無潤滑状態での摩擦係数0.35)や鋼(無潤滑状態での摩擦係数0.8)などの他の金属の摩擦係数0.35〜0.8に比べて摩擦抵抗を低くできる。
このような耐蝕・耐摩耗性合金は、流体機器の耐摩耗部、または、エロージョンシールド部、及び動的機器の摺動部、または、接触部に用いられる。
流体機器及び動的機器に本発明の耐蝕・耐摩耗性合金を装着するには、上述の耐摩耗部またはエロージョンシールド部または摺動部または接触部へその耐蝕・耐摩耗性合金の組成を極力変えずに装着する。その装着の手法としては、その耐蝕・耐摩耗性合金を溶融することがない接合方法を用いる。その接合方法の一例として液相拡散接合方法が利用できる。
一層具体的には、本発明の耐蝕・耐摩耗性合金は、原子力発電プラント等の配管系統に設けられる弁の弁体と弁箱の接触面に装着される弁座として、又は、ポンプの回転軸の周囲に相対的に回転するシートとワッシャーとの接触面の少なくとも一方の接触面材として、又は、内燃機関のシリンダヘッドに備わるバルブシートと弁の接触面に装着される弁座として、又は、内燃機関のバルブリフターとカムの両者の接触面の少なくとも一方の面材に用いられる。
本発明によれば、耐蝕・耐摩耗性合金の共晶炭化物部分の腐蝕損傷に伴なう全体の耐蝕・耐摩耗性能の劣化が少ない。
また、本発明の耐蝕・耐摩耗性合金を各種機器の摺動部や接触部に用いることにより、腐蝕環境下による共晶炭化物の腐蝕損傷に伴なう機器の摺動部や接触部の荒れが少なく、その摺動部や接触部の摩擦抵抗を良好に維持することができる。その結果低摩擦な摺動面や接触面を有する機器を提供することができる。
コバルトをベースにCrおよび/またはWを添加した耐蝕・耐摩耗性合金の表面の代表的なSEM写真を図1(但し、(a)はSEM写真、(b)はその模式図で、図2〜図5も同様)に、高倍率で撮影したSEM写真像を図2に、該耐蝕・耐摩耗性合金の表面の図2と同一位置のCr面分析SEM写真を図3に示す。
さらに、鍛造,圧延等の塑性加工を熱間で行った該耐蝕・耐摩耗性合金の表面の金属組織のSEM像を図4に示す。また、該耐蝕・耐摩耗性合金の表面の図4と同一位置のCr面分析SEM写真を図5に示す。
図1,図2,図3ではCrとCを主成分とする共晶炭化物1は、コバルトが主成分の鋳造組織の基材部2に網目状に連続して表面溶着合金の表面に分布している。
一方、本発明の実施例である図4,図5では、基材部2に対して共晶炭化物1は粒状または塊状に、耐蝕・耐摩耗性合金の表面に一様に分布しているが不連続である。共晶炭化物1は、網目状から粒状または塊状に変化したことで、表面に占める共晶炭化物1の割合が減少している。
図6は、コバルトをベースにCrおよび/またはWを添加した耐蝕・耐摩耗性合金の溶存酸素による繰り返し損傷の進行状況を示す模式図である。
耐蝕・耐摩耗性合金の腐蝕・エロージョンは、溶存酸素により共晶炭化物1が腐蝕することで、鋳造組織の基材部2層が脱落し易くなり、進行する。
図3のSEA写真に示すように、通常のコバルトをベースにCrおよび/またはWを添加した耐蝕・耐摩耗性合金は、網目状に連続した共晶炭化物1が存在する。そのため、溶存酸素による共晶炭化物1の腐蝕と、鋳造組織の基材部2層の脱落が連続的に発生する結果、溶存酸素雰囲気下の腐蝕・エロージョンが進行する。
これに対し、熱間塑性加工を行ったコバルトベースにCrおよび/またはWを添加した耐蝕・耐摩耗性合金では、共晶炭化物1が粒状または塊状に不連続に存在し、溶存酸素による共晶炭化物1の腐蝕損傷は、溶存酸素に接する面の共晶炭化物1に限られる。
従って、表面の共晶炭化物1が腐蝕脱落後はそれ以上の腐蝕損傷は進行することはない。これを図7の溶存酸素による損傷抑止状況を示す模式図により説明する。
上記の効果を確認するために、JIS G 0575“ステンレス鋼の硫酸・硫酸銅腐蝕試験”(ストラウス試験)を適用した。共晶炭化物が網目状に連続した分布を有するコバルトベースの耐蝕・耐摩耗性合金に、同様な試験を行った高久,本田らの試験(材料と環境Vol.47:コバルト基合金溶接部の粒界腐蝕に及ぼす熱処理条件の影響)では、コバルト基合金の耐蝕・耐摩耗性合金の表面溶着合金は腐蝕の進行が認められることを報告している。
しかし、鍛造,圧延等の塑性加工を行ったコバルトをベースにCrおよび/またはWを添加した耐蝕・耐摩耗性合金に同様の試験を行ったところ、表面に殆どエッチングも認められず、深さ方向への腐蝕の進展もなく、良好な耐腐蝕性が確認できた。その試験結果を図8、並びに、表1に示す。また、摺動回数の増減に応じた摩擦係数の測定結果を図9に示す。
Figure 2004149924
上記の結果から、腐蝕環境下で共晶炭化物1が粒状または塊状に不連続に存在するコバルトをベースにCrおよび/またはWを添加した耐蝕・耐摩耗性合金の場合には、腐蝕深さは従来に比べ、約1/30程度に抑制でき、さらに、予熱温度を上げると、Crがさらに拡散することで腐蝕深さを低減できる。
この結果、共晶炭化物1が粒状または塊状に不連続に存在する該耐蝕・耐摩耗性合金は溶存酸素による腐蝕を抑制でき、結果として、エロージョンも抑止できる。
さらに、コバルトをベースにCrおよび/またはWを添加した耐蝕・耐摩耗性合金の予熱温度を、約600℃とした場合と約700℃とした場合を比較すると、Crがより多く拡散する予熱温度約700℃の場合が、粒状または塊状の共晶炭化物1自体の耐蝕性が高く、接合の際に予熱温度を高くして母材と接合すると、より耐蝕・耐摩耗性に優れた耐蝕・耐摩耗性合金とすることができる。
なお、ニッケルベースのFeおよび/またはCr添加の耐蝕・耐摩耗性合金,鉄ベースのCrおよび/またはNiを添加した耐蝕・耐摩耗性合金についても、固相線温度以下に加熱した状態で熱間塑性加工を行うことで、前記のコバルトベースのCrおよび/またはWを添加した耐蝕・耐摩耗性合金と同様に、耐蝕・耐摩耗性を向上させることができ、併せて、低摩擦な摺動面を提供することができる。
又、鉄をベースにCrおよび/またはNiを添加した耐蝕・耐摩耗性合金についても、固相線温度以下に加熱した状態で熱間塑性加工を行うことで、前記のコバルトベースの
Crおよび/またはWを添加した耐蝕・耐摩耗性合金と同様に、耐蝕・耐摩耗性を向上させることができ、併せて、低摩擦な摺動面を提供することができる。
以上に述べたコバルトをベースにCrおよび/またはWを添加した耐蝕・耐摩耗性合金の素材成分は、重量比で0.1〜3.5%C,25%以下Ni,25〜35%Cr,5%以下Fe,20%以下W,1.5%以下Mo,1.5%以下Siと、残部Coおよび不可避不純物から成る。
又、ニッケルをベースにFeおよび/またはCrを添加した耐蝕・耐摩耗性合金の素材成分は、重量比で0.1〜2.5%C,3〜9%Si,7〜25%Cr,0.5〜5%B ,2〜6%Fe,1〜5%W,17%以下Moと、残部Niおよび不可避不純物から成る。
又、鉄をベースにCrおよび/またはNiを添加した耐蝕・耐摩耗性合金の素材成分は、重量比で0.1〜1.5%C ,0.3〜4%Si,4〜9%Ni,3%以下Mo,6〜
10%Mn,15〜25%Crと、残部Feおよび不可避不純物から成る。
このような耐蝕・耐摩耗性合金の素材に上述のように熱間塑性加工を施すと、耐蝕・耐摩耗性を向上させることができ、併せて、低摩擦な耐蝕・耐摩耗性合金の面が得られる。
その耐蝕・耐摩耗性合金の面の摩擦測定によって摩擦係数を求めると、室温大気中で無潤滑の条件で平均0.16 となり、温度288℃の飽和水蒸気雰囲気で平均0.19 となった。摩擦測定に供した耐蝕・耐摩耗性合金の金属成分は以下の表2の金属成分を有し、その耐蝕・耐摩耗性合金中の共晶炭化物の形態は、複数の粒状または複数の塊状になった非連続分布の形態を有していた。
Figure 2004149924
本発明の耐蝕・耐摩耗性合金は、以下のように各種の機器に用いられる。即ち、図10には原子力発電プラントの配管系統が図示されている。その配管系統の中で、給水系10には給水管11に仕切弁及び逆止弁が非常に多く装着されている。給水管11に装着された仕切弁及び逆止弁は給水管11の途中に装着された給水ポンプ12,各給水加熱器13,14等の他の機器に比べて小さく且つ非常に多く存在しているので、図10では仕切弁及び逆止弁の図示は省略されている。
原子力発電プラントでは、原子炉圧力容器16内で得られた高温高圧蒸気が主蒸気管
15を通って高圧タービン18に導入される。次いで、高圧タービン18から排出された蒸気は低圧タービン19に導入され、これらのタービンの回転力で発電機20を駆動する。高圧タービン18と低圧タービン19を通った蒸気は高圧タービン18及び低圧タービン19から排出されて主復水器22やグランド蒸気復水器21で凝縮されて水にされ、その水は仕切弁及び逆止弁を有する給水系10により給水ポンプ12,各給水加熱器13,14を経て給水管11を通って原子炉圧力容器16に戻される。
その給水系46の配管に採用された弁の内、仕切弁に本発明を適用した例について以下に説明する。
図11は、給水系10の給水管11に装備される仕切弁の縦断面を示している。図12のようにその仕切弁の弁体30側の弁座としてコバルト基合金のリング状の板31が装着されている。同じく弁箱32側の弁座33の摺動面にもコバルト基合金のリング状の板
31が装着されている。
そのコバルト基合金はコバルトをベースに1.0重量%C−30.0重量%Cr−3.9重量%Wを含んでいて、そのコバルト基合金は熱間鍛造と熱間圧延によってコバルト基合金中の共晶炭化物を30μm以下の複数の粒状又は塊状としてある。そのリング状のコバルト基合金の板31を液相拡散接合によって、図12に示すように弁箱32側の弁座33及び弁体30の弁座部位に接合した。
仕切弁の弁体30は図12に示す様に、上部が厚くて下部が薄い円盤状の形状を有し、弁棒の上下方向の動きに連動して上下に駆動されて図中左右に弁箱32内を流入する水や水蒸気の流れを開閉するものである。
リング状のコバルト基合金の板31を弁体30に装着する具体例を以下に説明する。即ち、仕切弁の弁体30の左右の表面に段差を設けて左右に突き出た突起34を設けた後に、段差を設けることで生じた凹んでいる部位に接合用インサート材を置いた。次いで該接合用インサート材の表面上に厚さ約7mmのリング状の板31を突起34に嵌めるようにして置いた。その後に接合用インサート材のみを溶融して弁体30にリング状の板31を液相拡散接合によって装着した。
液相拡散接合に用いたインサート材は4.5 重量%Si,3重量%Bを含むNi基合金で、約1040℃以上で完全に溶融するものである。液相拡散接合条件は、接合温度:
1100℃,保持時間:1h,真空度:1〜2×10-4Torr,加圧力:15g/cm2 とした。接合後の冷却は1100℃から650℃までを約150℃/h,650℃から425℃までを約100℃/h,425℃以下を室内で空冷により自然に除熱するものとした。
弁座33にも環状の突起35を加工する。その突起の周囲の凹んでる部位に接合用インサート材を置いた。突起35に厚さ約7mmのリング状の板31を嵌めて接合用インサート材表面に置いた。その後に接合用インサート材のみを溶融して弁座7にリング状の板31を液相拡散接合によって装着した。リング状の板31や接合用インサート材の材質や液相拡散接合条件や接合後の冷却条件は弁体30への板31の接合の場合と同じである。
弁体30や板31や弁座33は接合温度1100℃では溶融しない。板31が装着される弁体30側の部位や弁座33の材質は機械構造用炭素鋼S25Cである。機械構造用炭素鋼S25Cの熱膨張係数はCo基合金に比較して小さい。弁体30と弁座33の互いに向かい合う表面には図12に示したように、接合されるリング状の板6に内接して高さが2mmのリング状の突起34,35(段差)を設けた。これによって、接合時の板31と弁体30や弁座33の位置合わせを容易に行えると同時に、仕切弁の作動時に摺動部や接合部に負荷されるせん断力に対する抵抗力を高めることができる。
図12の弁体30側の弁座となる板31は紙面に対して各々左右から見て、いずれも円形であり、更にリング状の板31は、弁体30の左右両側に凸型円形の突起34の外周に接して接合されている。
弁箱32側の弁座33は円筒体であり、弁座33は弁箱32に組み込まれている。その弁座33の弁体30側の端面は摺動面であり、その端面の構成は、紙面に対して左側から見て、リング状の板31がリング状の突起35の外周に接して液相拡散接合されている。いずれの突起34,35もその高さは、リング状の板31の厚さ7mmよりも小さい2mmとしてある。
このような方法で作製した仕切弁では、弁体と弁箱との間の相互接触面が板31で構成される。その板31の材質であるCo基合金においては、液相拡散接合の後も、その合金中の共晶炭化物が複数の粒状または塊状になって非連続分布で分散しているから、溶存酸素等の腐蝕環境を生む雰囲気によって共晶炭化物が連続的に腐蝕されるという事象が抑制される。そのため、そのCo基合金における鋳造組織の基地の脱落が抑制されるために、弁座の腐蝕・エロージョンの進行が抑止され、仕切弁における耐漏洩性能の低下が防止される。
なお、本実施例ではいずれもリング状の耐蝕・耐摩耗性合金としてCo基合金の板31を用いたが、既述のように、ニッケルをベースにFeおよび/またはCrを添加した耐蝕・耐摩耗性合金や、鉄をベースにCrおよび/またはNiを添加した耐蝕・耐摩耗性合金や既述の表2の成分を有する合金に熱間鍛造や熱間圧延を施して合金中の共晶炭化物を非連続分布としたNi基合金やFe基合金なども同様に用いることができる。
なお、本実施例ではインサート材として低融点のNi基合金を用いたが、Fe基又は
Co基の低融点インサート材を用いることもできる。また、本発明の実施例と同様なことを仕切弁のみならず、逆止弁,安全弁,玉型弁等の弁座部等の摺動部や接触部に適用することで、それらの各弁の耐漏洩性能の低下,制御性・作動性能の低下を抑制する効果がある。
このような実施例では、原子力発電プラントに用いられた弁の正常な機能を長く維持できる効果があり、その効果によって原子力発電プラントの信頼性を向上できる。
この実施例による弁を配管に組み込んだ配管系を有するプラントにおいて、水質調整の目的からの過酸化水素水を配管に注入しても、溶存酸素の影響による弁の弁座等の摺動部の腐蝕・エロージョンを抑制でき、プラントの安全性向上に効果がある。
特に、この実施例の弁を原子力発電プラントの給水系統の配管に装備して用いた場合には、弁座に採用したCo基合金の共晶炭化物の腐蝕脱落とそれに伴う、コバルトの給水系統内への流出・拡散を抑制できる。そのために、給水系統から各系統へと流出拡散するコバルトとそのコバルトの放射化が抑制できて原子力発電プラントでの作業者の放射線被曝の低減を顕著に図ることができる。
本発明の耐蝕・耐摩耗性合金は内燃機関にも次のようにして用いることができる。即ち、ガソリンを燃料とする内燃機関は、図13,図14,図15のようにガソリンが燃焼するためのシリンダ40を備えている。そのシリンダ40は上部がシリンダヘッド41でふさがれている。そのシリンダヘッド41には、吸気口と排気口を備え、各吸気口と排気口とがバルブ42で開閉できるようになっている。
バルブ42はシリンダヘッド41に設けられた動弁機構によって開閉駆動される。動弁機構は、バルブ42の駆動軸廻りに設けられたばね43と、その駆動軸の上端に連結されたバルブリフター44と、そのバルブリフター44の上部に設けられたアジャステングシム45と、そのアジャステングシム45の上面に接触しているカム46と、そのカム46をエンジン出力を用いて回転駆動する動力伝達手段とからなる。
その動弁機構にあっては、エンジンの出力の一部を用いてカム46を回転させる。そのカム46の動きでバルブリフター44をばね43に抗してアジャステングシム45を介して押し下げる。その押し下げによって、バルブ42は各吸気口と排気口のバルブシート
47から下方へ離れてそのルブ42が装着されている吸気口あるいは排気口が開く。
カム46の回転がさらに進むと逆にバルブ42はバルブシート47に接触してバルブ
42が閉じる。そのバルブシート47とバルブ42との接触部分がシール部分として機能してシリンダ40内のガスが漏れないように成っている。
このような動きが有る動弁機構にあっては、アジャステングシム45とカム46との間で摺動運動による摩擦が生じる。バルブ42とバルブシート47間にも摩擦が生じる。これらの摩擦に抗して動弁機構を駆動するからエンジンの出力は損失を受け、エンジン効率が低下する。
そこで、エンジンのバルブ42とバルブシート47との接触部に、図14,図15のように、耐蝕・耐摩耗合金としてCo基合金48を液相拡散接合49によって接合する。その接合の方法は前述の液相拡散接合と同じように行い、接合後の冷却条件も先述のとおりである。そのCo基合金48は少なくとも接合前に熱間鍛造されてコバルトの基材部に複数の粒状又は塊状に組成されている共晶炭化物を有する金属組織とされている。
同様に、バルブリフター45の上端にも基材部に複数の粒状又は球状に組成されている共晶炭化物を有するCo基合金を液相拡散接合してアジャステングシム4とした。
Co基合金48や液相拡散接合に用いたインサート材の成分は表3に示すような成分を持っている。
Figure 2004149924
液相拡散接合では、インサート材は溶融するもののCo基合金48や弁42やバルブシート47は溶融しない。そのため、接合後のCo基合金48は複数の粒状又は塊状の共晶炭化物が基材中に非連続分布で分散した金属組織を保つことができる。
このように接合後にあってもCo基合金48内部や表面に共晶炭化物が粒状又は球状のまま存在できる。このように、Co基合金48に共晶炭化物が粒状又は塊状のまま存在し、その共晶炭化物の露出が限定的となり、その結果、損傷が抑制される。
即ち、共晶炭化物が粒状又は塊状のまま非連続分布で分散して存在しているCo基合金48が硫黄分による腐蝕環境にさらされると、腐蝕環境に接触した粒状又は塊状の共晶炭化物は腐蝕や摺動作用を受けて表面から脱落して腐蝕環境に接触する表面には共晶炭化物が存在しない基材部のみの表面となる。従って、腐蝕と脱落が交互且つ繰り返し連続して起こる現象が防止されて損傷が抑制される。
粒状又は塊状に組成されている共晶炭化物を有するCo基合金48の摩擦係数を常温、高面圧(約2000kg/cm2 )負荷した条件で測定して開発材と表示してグラフにしたところ、図9に示すように、従来の網目状の共晶炭化物を有するCo基合金の摩擦係数の約1/2〜2/3と低いことが確認されている。
エンジンのバルブ42は高温下(最大約500〜600℃),高摺動回数下での使用が想定されるが、この試験条件における高面圧下での試験結果により低摩擦係数が確認されていること、また、摩擦係数は剪断強さ/硬度の比に支配されるが、本材料は剪断強さ/硬度の比の温度依存性がほとんどなく材料の組成が同じであれば変化がないと考えられるため、高温下,高摺動回数下でも低摩擦の効果が得られると考えられる。
また、耐蝕性能の比較のため、ストラウス試験,希硫酸中エロージョン試験を行った。結果として、粒状又は球状に組成されている共晶炭化物を有するCo基合金48(開発材)は、ストラウス試験では、表1に示すように網目状に組成されている共晶炭化物を有するCo基合金にくらべ、30倍以上の耐蝕性を示し、希硫酸中のエロージョン試験では、図15に示す開発材の特性曲線のように従来の網目状の共晶炭化物を有するCo基合金に比べて20〜30倍の耐久性能を示した。
これにより、本実施例では、高耐蝕化,低摩耗性の向上及び低摩擦化を実現することで動弁系の耐久性向上,動力損失低減が図れ、エンジン全体の効率向上,出力向上と共に耐久力向上を図ることが出来る。
本実施例で採用されるCo基合金は、表2の成分を有するCo基合金であっても良く、表3に示すような成分を持つNi基合金やFe基合金を熱間鍛造して塊状または粒状の共晶炭化物を有するNi基合金やFe基合金を作ってCo基合金48に置き換えて採用しても、エンジン全体の効率向上,出力向上と共に耐久力向上を図ることが出来る。
この場合も、バルブ42やバルブシート47にCo基合金やNi基合金やFe基合金を接合するに際して、接合後もCo基合金やNi基合金やFe基合金に共晶炭化物が球状又は粒状に存在出来るように接合手段や接合条件を選択する。選択すべき接合手段は、液相拡散接合が好ましい。
本実施例では、エンジンのバルブ42とバルブシート47のシール機能を有する部位に塊状又は粒状の共晶炭化物を有するCo基合金またはNi基合金又はFe基合金を液相拡散接合することで、高い硬度を維持しながら、強靭かつ耐摩耗性及び耐蝕性に富み、且つ低摩擦のシール面を提供できる。
そのため、エンジンの燃料であるガソリン中に含まれる硫黄分等に起因する腐蝕と腐蝕部を起点とする割れの進行,エロージョンによるシール性能の劣化を防止することで、内燃機関のエンジンの耐久性を向上させ、エンジン効率の低下を防止できるばかりか、さらに、低摩擦のシール面を提供することで摩擦によるエンジン効率低下を防止でき、エンジンの出力向上に寄与することが出来る。
エンジンの動弁機構を構成するバルブリフター44の外周面に塊状又は粒状の共晶炭化物を有する表2や表3のCo基合金又はNi基合金又はFe基合金を液相拡散接合して装着すると、一層のこと、エンジンの耐久性を向上させると共に、エンジン効率の低下を防止できる。
網目状に共晶炭化物を有するCo基合金を従来例とし、共晶炭化物を粒状または塊状にして基材中に非連続分布で分散した表2に示した成分を有するCo基合金を本実施例とし、両合金を比較すると、以下の表4のように性能に差が出る。
Figure 2004149924
このように従来例と本実施例では合金の性能に差があるので、バルブリフターに本実施例の合金を液相拡散接合によって接合して用いれば、動弁機構の摩擦によるエンジン出力ロスを軽減できる。また、バルブやシートに本実施例の合金を液相拡散接合によって接合して用いれば、SOx雰囲気下での腐蝕感受性がなく、且つ衝撃値が高いため、バルブやシートの健全性を長く維持できる。
本発明の耐蝕・耐摩耗性合金はポンプ設備にも次のようにして用いることができる。即ち、図16に示したポンプ設備は、電動モータなどによりシャフト50を回転すると、そのシャフト50に固定されているインペラ51はポンプケーシング52内で回転する。そのインペラ51の回転によって、ポンプケーシング52内に流入してきた流体Xが高圧になってポンプケーシング52の外へ吐出される。
その液体Xと気体Yとの境界に液体Xが気体Y側へ漏れないようにメカニカルシールが採用されている。そのメカニカルシールは図17に図示した。図17のメカニカルシールは、以下の構成を備えている。
即ち、ポンプケーシング52と一体のシールボックス53の内側でシャフト50の周囲に配置されたトメガネ55は、ノック54によってシャフト50に固定されている。そのトメガネ55の内側において、シャフト50の周囲にばね56と押しがね57とパッキング58とワッシャ59とが配備されている。
その一方、シールボックス53の端部にはシャフト50の周囲に配備したシールカバー60が取り付けられる。そのシールカバー60にはシャフト50の周囲に配備したシート61が取り付けられている。
押しがね57とパッキング58とワッシャ59はばね56で右側に押されているので、ワッシャ59はシート61と密封端面Sで押し当てられている。このようにして、ワッシャ59をシート61にばね56で押し当てることによって液体Xが気体Y側へ漏れないようにシールしている。
トメガネ55とばね56と押しがね57とパッキング58とワッシャ59とはシャフト50といっしょに回転するが、シート61は回転しないので、密封端面Sでは摩擦熱が発生し、密封端面Sの焼き付きや摩耗や腐蝕を促進させる。そのために密封端面に低摩擦で耐蝕性の高い材料を使用したメカニカルシールが必要となる。
その必要性を満たすために、本実施例では、ワッシャ59のシート61と接触する部位に図17に示すように耐蝕・耐摩耗性合金の板62を装着する。その耐蝕・耐摩耗性合金としては、既述のいずれの合金を用いても良く、その合金の基材中には共晶炭化物が粒状または塊状で非連続分布で分散している。そして、その合金のワッシャ59への装着は液相拡散接合による接合によって達成する。その液相拡散接合の接合方法や接合条件は既述のとおりの内容とする。同様にしてシート61のワッシャ59に接触する部位に同様な耐蝕・耐摩耗性合金を装着しても良いし、同様にしてワッシャ59とシート61との両方に対して、相互に接触し合う個所に同様な耐蝕・耐摩耗性合金を装着して耐蝕・耐摩耗性合金同士を密封端面Sで接触させるようにしても良い。
このような実施例によれば、ワッシャ59またはシート61の少なくとも一方に接合された耐蝕・耐摩耗性合金は共晶炭化物が粒状または塊状で非連続分布で分散していて腐蝕しにくい状態に維持されている上、摩擦係数が図9の耐蝕・耐摩耗性合金の摩擦係数のように低く維持できる。
そのため、密封端面Sにおける硫黄分や溶存酸素といった腐蝕環境下での耐蝕性の向上と低摩擦化を達成できる。そのため、本実施例によれば、メカニカルシールの性能が長く維持でき、信頼性の高いメカニカルシールが提供できる。メカニカルシールの性能が長く維持できるので、そのメカニカルシールを採用したポンプや、そのポンプを採用したプラントの信頼性も向上する。
従来、ワッシャ59はワッシャ59の密封端面SにCo基合金を肉盛して用い、シート61は焼成フェノール含浸カーボンやフェノール成型カーボンやホワイト含浸カーボンで製作されていた。このような従来例に対して、ワッシャ59またはシート61若しくはワッシャ59とシート61の両方に共晶炭化物が粒状または塊状になって基材中に非連続分布で分散して存在している耐蝕・耐摩耗性合金(Co基合金)を液相拡散接合で装着した本実施例のそのCo基合金の性能を比較すると、表5のとおりである。表5での本実施例のCo基合金は表2に示した成分を有し、合金中の共晶炭化物が粒状または塊状で合金中に非連続分布で分散している。
Figure 2004149924
このような性能差によって、本実施例によるメカニカルシールでは、密封端面Sでの焼き付きや摩耗や腐蝕が抑制できる。その上、本実施例では従来になく高い圧縮応力や衝撃値にも耐えるメカニカルシールが提供できる。また、本実施例では耐蝕・耐摩耗性合金の板62をワッシャ59などに接合した後でも耐蝕・耐摩耗性合金の基材中に共晶炭化物が球状または塊状で非連続分布で分散して存在できるので、耐蝕性も高く密封端面Sでの漏れが確実に抑制でき、その漏れによる密封端面Sにおけるエロージョンの発生も抑制できる。このように、本実施例によれば、性能の高いメカニカルシールが提供できる。
図16に示したポンプ設備の運転時において、ワッシャ59は回転軸50とともに回転しており、ワッシャ59に装着された板62はポンプケーシング52に取り付けられて動かないシート61と接触しながら回転する。板62とシート61との接触により、回転側の部材である回転軸50と固定側の部材であるポンプケーシング52との間のシールが行われ、液体の漏洩を防止している。ワッシャ59,板62及びシート61はポンプ設備におけるメカニカルシール装置を構成している。ワッシャ59(本体部)及び板62(耐蝕・耐摩耗性合金部)は第1シール部を構成し、シート61は第2シール部を構成する。第1シール部をポンプケーシング52に設置し、第2シール部を回転軸50側に設置してもよい。更には、ポンプケーシング52に設置される第2シール部を第1シール部と同じ構成にしてもよい。
板62はシール性能を確保するためにばね56の作用により常にシート61に接触しながら高速回転している。このため、シール面を形成する板62の摩耗,焼付,腐蝕が懸念されるが、板62は共晶炭化物が前述のように粒状または塊状になって耐摩耗性,摺動性に優れているためほとんど摩耗しない。また、板62は耐蝕性にも優れているため液体との接触による腐蝕も防止できる。このため、メカニカルシール装置の保守の頻度が減少し、メカニカルシール装置の寿命も延びる。これは、ポンプ設備の保守作業を軽減することにつながる。また、前述の粒状または塊状の共晶炭化物を有する耐蝕・耐摩耗性合金より構成される板62は摩擦係数が約0.16 と小さいため、回転軸50の回転動力が板62とシート61との接触部で熱エネルギーに変わる割合が著しく小さくなる。すなわち、回転軸50の回転動力の損失が小さくなる。
本実施例における板62のような粒状または塊状の共晶炭化物を有する耐蝕・耐摩耗性合金を含むメカニカルシール装置は、流体昇圧装置である本実施例のようなポンプ設備以外に、回転軸とケーシングとのシールを行う必要のある、ガスを昇圧するコンプレッサまたは送風機に適用することが可能である。コンプレッサ及び送風機は流体昇圧装置の一種である。更には、蒸気が流れるタービンに適用することも可能である。すなわち、タービンの回転軸とケーシングの間のシールを行うメカニカルシール装置として、ポンプ設備に用いた、粒状または塊状の共晶炭化物を有する耐蝕・耐摩耗性合金を接触部に有するメカニカルシール装置を適用する。ポンプ設備,上記のコンプレッサ,送風機及びタービンは、内部に流体が流れる回転装置である。
図16に示すポンプ設備,上記のコンプレッサ,送風機及びタービンを包含する好ましい発明の概念は、以下に示す請求項15のようにも把握できる。
(請求項15)
内部に流体が流れるケーシングと、前記ケーシング内に挿入された回転軸と、前記回転軸と前記ケーシングとの間のシールを行うメカニカルシール装置とを備えた回転装置であって、
前記メカニカルシール装置は、前記回転軸と一緒に回転する第1シール部と、前記ケーシングに取付けられて前記第1シール部に接触する第2シール部とを備え、
前記第1シール部及び前記第2シール部の少なくとも一方は、金属ミクロ組織の基地部に粒状または塊状をした共晶炭化物が分散する耐蝕・耐摩耗性合金部であって他方のシール部に接触される耐蝕・耐摩耗性合金部、及び本体部を有し、前記耐蝕・耐摩耗性合金部が前記本体部に拡散接合されている回転装置。
上記の回転装置は、回転軸とケーシングとの間のシールを行うメカニカルシール装置が、前記回転軸と一緒に回転する第1シール部と、前記ケーシングに取付けられて前記第1シール部に接触する第2シール部とを備え、前記第1シール部及び前記第2シール部の少なくとも一方が、金属ミクロ組織の基地部に粒状または塊状をした共晶炭化物が分散する耐蝕・耐摩耗性合金部であって他方のシール部に接触される耐蝕・耐摩耗性合金部、及び本体部を有し、前記耐蝕・耐摩耗性合金が前記本体部に拡散接合されている、という特徴を有する。シール部には本体部に拡散接合された耐蝕・耐摩耗性合金部が存在するので、拡散接合された耐蝕・耐摩耗性合金部は前述のように粒状または塊状の共晶炭化物が存在し、網目状共晶炭化物が存在しない。このため、第1シール部と第2シール部の接触部で発生する摩擦熱によってシール部の温度上昇が生じることによるシール端面の焼付き,摩耗,シール材料の腐蝕促進を抑制でき、結果、シール部の耐蝕・耐摩耗性が向上し、第1シール部及び第2シール部を有するメカニカルシール装置の保守の頻度が減少し、メカニカルシール装置の寿命も延びる。これは、回転装置の保守作業を軽減することにつながる。また、上記の耐蝕・耐摩耗性合金部は摩擦係数が小さいため、第1シール部と第2シール部との接触部で発生する熱エネルギーを少なくできる。これは、回転装置の回転軸を回転させる動力の損失を低減させることにつながる。
図16に示すポンプ設備,上記のコンプレッサ及び送風機を包含する好ましい発明の概念は、以下に示す請求項16のようにも把握できる。また、好ましくは、請求項17ないし請求項20に記載の概念にすることが望ましい。
(請求項16)
ケーシングと、前記ケーシング内に挿入された回転軸と、前記回転軸に設けられ流体を昇圧する流体昇圧手段と、前記回転軸と前記ケーシングとの間のシールを行うメカニカルシール装置とを備えた流体昇圧装置であって、
前記メカニカルシール装置は、前記回転軸と一緒に回転する第1シール部と、前記ケーシングに取付けられて前記第1シール部に接触する第2シール部とを備え、
前記第1シール部及び前記第2シール部の少なくとも一方は、金属ミクロ組織の基地部に粒状または塊状をした共晶炭化物が分散する耐蝕・耐摩耗性合金部であって他方のシール部に接触される耐蝕・耐摩耗性合金部、及び本体部を有し、前記耐蝕・耐摩耗性合金が前記本体部に拡散接合されている流体昇圧装置。
(請求項17)
前記耐蝕・耐摩耗性合金部は、摩擦係数が0.1〜0.3、時効効果処理を施さないビッカウス硬度が300〜600Hvである請求項16記載の流体昇圧装置。
(請求項18)
前記耐蝕・耐摩耗性合金部は、重量比で0.1〜3.5%C,25%以下Ni,25〜
35%Cr,5%以下Fe,20%以下W,1.5%以下Mo,1.5%以下Siと、残部Coおよび不可避不純物を含むCrおよび/またはWを添加したコバルトベース素材により構成される請求項17記載の流体昇圧装置。
(請求項19)
前記耐蝕・耐摩耗性合金部は、重量比で0.1〜2.5%C,3〜9%Si,7〜25%Cr,0.5 〜5%B,2〜6%Fe,1〜5%W,17%以下Moと、残部Niおよび不可避不純物を含むFeおよび/またはCrを添加したニッケルベース素材により構成される請求項17記載の流体昇圧装置。
(請求項20)
前記耐蝕・耐摩耗性合金部は、重量比で0.1〜1.5%C,0.3 〜4%Si,4〜9%Ni,3%以下Mo,6〜10%Mn,15〜25%Crと、残部Feおよび不可避不純物を含むCrおよび/またはNiを添加した鉄ベース素材により構成される請求項17記載の流体昇圧装置。
コバルトをベースにCrおよび/またはWを添加した耐蝕・耐摩耗性合金の表面の金属組織を示すSEM写真(a)とその模式図(b)である。 図1の耐蝕・耐摩耗性合金の金属組織を一部拡大して示した(a)とその模式図(b)である。 コバルトをベースにCrおよび/またはWを添加した耐蝕・耐摩耗性合金の表面の面分析にて表された金属組織を示す(a)とその模式図(b)である。 熱間塑性加工を行ったコバルトをベースにCrおよび/またはWを添加した耐蝕・耐摩耗性合金の表面の金属組織を示す(a)とその模式図(b)である。 熱間塑性加工を行ったコバルトをベースにCrおよび/またはWを添加した耐蝕・耐摩耗性合金の表面の面分析にて表された金属組織を示す(a)とその模式図 (b)である。 コバルトをベースにCrおよび/またはWを添加した耐蝕・耐摩耗性合金の溶存酸素による損傷の繰り返し進行状況を表した模式図である。 熱間塑性加工を行ったコバルトをベースにCrおよび/またはWを添加した耐蝕・耐摩耗性合金の溶存酸素による損傷抑止状況を表した模式図である。 熱間塑性加工を行ったコバルトをベースにCrおよび/またはWを添加した耐蝕・耐摩耗性合金のストラウス試験結果で得られた金属組織を示すSEM写真である。 熱間塑性加工を行ったコバルトをベースにCrおよび/またはWを添加した耐蝕・耐摩耗性合金の摺動試験による摩擦係数を示すグラフである。 原子力発電プラントの配管系統図である。 原子力発電プラントの配管系統に採用された仕切弁の縦断面図である。 図11の仕切弁における弁体と弁箱との各弁座の接触状態を示した断面図である。 内燃機関の一部断面表示による全体図である。 図13に示したバルブ近傍の拡大断面図である。 図14のバルブとシートとの接触部の拡大断面図である。 ポンプの断面図である。 図16のポンプのメカニカルシール近傍の断面図である。
符号の説明
1…共晶炭化物、2…鋳造組織の基材部、10…給水系、30…弁体、31,62…板、32…弁箱、33…弁座、41…シリンダヘッド、42…バルブ、50…シャフト、
51…インペラ、52…ポンプケーシング、53…シールボックス、59…ワッシャ、
61…シート。

Claims (14)

  1. Crおよび/またはWを添加したコバルトベース,Feおよび/またはCrを添加したニッケルベース、または、Crおよび/またはNiを添加した鉄ベースから選ばれた素材を、インゴットまたはスラブに鋳造した中間素材を、650℃以上、固相線温度以下で熱間塑性加工を施すことにより、該中間素材中の網目状共晶炭化物と、これに囲まれた基材部とからなる組織のうち、共晶炭化物を複数の粒状または複数の塊状に形成して非連続分布とし、摩擦係数が0.1〜0.5、時効効果処理を施さないビッカウス硬度が300〜
    600Hvであることを特徴とする耐蝕・耐摩耗性合金。
  2. 請求項1において、摩擦係数が0.3 以下である耐蝕・耐摩耗性合金。
  3. 請求項1において、Crおよび/またはWを添加したコバルトベース素材は、重量比で0.1〜3.5%C,25%以下Ni,25〜35%Cr,5%以下Fe,20%以下W,1.5%以下Mo,1.5%以下Siと、残部Coおよび不可避不純物から成る耐蝕・耐摩耗性合金。
  4. 請求項1において、Feおよび/またはCrを添加したニッケルベース素材は、重量比で0.1〜2.5%C,3〜9%Si,7〜25%Cr,0.5 〜5%B,2〜6%Fe,1〜5%W,17%以下Moと、残部Niおよび不可避不純物から成る耐蝕・耐摩耗性合金。
  5. 請求項1において、Crおよび/またはNiを添加した鉄ベース素材は、重量比で0.1〜1.5%C,0.3〜4%Si,4〜9%Ni,3%以下Mo,6〜10%Mn,15〜25%Crと、残部Feおよび不可避不純物から成る耐蝕・耐摩耗性合金。
  6. 請求項1に記載の耐蝕・耐摩耗性合金を耐摩耗部、または、エロージョンシールド部に用いたことを特徴とする流体機器。
  7. 請求項1に記載の耐蝕・耐摩耗性合金の摩擦係数が0.1〜0.3のものを耐摩耗部、または、エロージョンシールド部に用いたことを特徴とする流体機器。
  8. 請求項1に記載の耐蝕・耐摩耗性合金を、金属組成を変えずにそのまま台金に接合し、摺動部、または、接触部に用いたことを特徴とする動的機器。
  9. 請求項1に記載の耐蝕・耐摩耗性合金の摩擦係数が0.1〜0.3のものを金属組成を変えずにそのまま台金に接合し、摺動部、または、接触部に用いたことを特徴とする動的機器。
  10. 弁体と弁箱を備え、両者の接触面にそれぞれ弁座を有する弁において、前記弁座は基体の表面にコバルト基合金,ニッケル基合金及び鉄基合金から選ばれた1種よりなり、粒状又は塊状の共晶炭化物が非連続分布で分散しており、摩擦係数が0.1〜0.3である部材が設けられていることを特徴とする弁。
  11. 冷却材が流される配管に弁を有する配管系統を備えた原子力発電プラントにおいて、前記弁が請求項10に記載の弁よりなることを特徴とする原子力発電プラント。
  12. ポンプの回転軸の周囲に相対的に回転するシートとワッシャとが密封端面で接触しているポンプにおいて、前記シートとワッシャとの両者の接触面の一方にコバルト基合金,ニッケル基合金及び鉄基合金から選ばれた1種よりなり、粒状又は塊状の共晶炭化物が非連続分布で分散しており、摩擦係数が0.1〜0.3である部材が設けられていることを特徴とするポンプ。
  13. 内燃機関のシリンダヘッドにバルブシートと弁とを備え、前記バルブシートと弁の両者の接触面にそれぞれ弁座を有する内燃機関において、前記弁座は基体の表面にコバルト基合金,ニッケル基合金及び鉄基合金から選ばれた1種よりなり、粒状又は塊状の共晶炭化物が非連続分布で分散しており、摩擦係数が0.1 〜0.3である部材が設けられていることを特徴とする内燃機関。
  14. 内燃機関のバルブリフターとカムの両者の接触面の少なくとも一方にコバルト基合金,ニッケル基合金及び鉄基合金から選ばれた1種よりなり、粒状又は塊状の共晶炭化物が非連続分布で分散しており、摩擦係数が0.1〜0.3である部材が設けられていることを特徴とする内燃機関。
JP2003365410A 2000-08-28 2003-10-27 耐蝕・耐摩耗性合金とそれを用いた機器 Pending JP2004149924A (ja)

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CN104178702A (zh) * 2014-08-08 2014-12-03 无棣向上机械设计服务有限公司 一种高韧性耐磨合金材料及其制备方法
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