JP2005194480A - ポリウレタンフォーム及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 有害物質の生成を抑制することができると共に、発泡部分の連通性を高くして、圧縮残留歪を小さく、かつ反発弾性を低くすることができるポリウレタンフォーム及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 ポリウレタンフォームは、ポリオール類とポリイソシアネート化合物とを、触媒及び発泡剤の存在下に反応させて得られる。ポリイソシアネート化合物のイソシアネートインデックスは100を越え、140以下である。ポリオール類は、水酸基価30〜80mgKOH/g及び水酸基価100〜300mgKOH/gの2種類のポリエーテルポリオールと、水酸基価30〜80mgKOH/g及び水酸基価100〜300mgKOH/gの少なくとも1種類のポリエステルポリオールとの混合物が用いられる。ポリエステルポリオールとしては、上記2種類の水酸基価を有するものを併用することが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、例えば衝撃吸収体、吸音体、振動吸収体等として、具体的にはマットレスや枕として使用される低反発弾性のポリウレタンフォーム及びその製造方法に関するものである。
この種のポリウレタンフォームは、ポリオール類とポリイソシアネート化合物とを触媒及び発泡剤の存在下で反応させることによって得られる。ポリオール類として水酸基価140〜300mgKOH/gのものを使用して反発弾性を低下させたものが知られている。また、ポリオール類として水酸基価140〜300mgKOH/gのものと、水酸基価20〜70mgKOH/gのものとを混合し、低反発弾性を有し、かつ低温でも硬度の上昇が少ない低反発弾性のポリウレタンフォームが知られている(例えば、特許文献1を参照)。更には、ポリオール類としてポリエーテルエステルポリオールを用いることにより、フレームラミネーション(ガス炎溶融ラミネーション)可能な低反発弾性を有するポリウレタンフォームも知られている(例えば、特許文献2を参照)。
特開平11−286566号公報(第2頁) 特開平9−1512344号公報(第2頁、第5頁及び第6頁)
ところが、上記の従来技術においては、ポリオール類の水酸基及び発泡剤としての水に対するポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の比(百分率)を表すイソシアネートインデックス(イソシアネート指数)が実質上100(当量値を表す)以下である。すなわち、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基がポリオール類の水酸基に対して当量以下であるが故に、ポリオール類に対するポリイソシアネート化合物の反応性が悪く、全てのポリイソシアネート化合物がポリオール類と反応することができない。
特に、ポリイソシアネート化合物としてトリレンジイソシアネート(TDI)を使用した場合、未反応のTDIが微量残存し、そのTDIがトルエンジアミン(TDA)に変性し、係るTDAが発癌性を有する有害物質といわれている。そのため、イソシアネートインデックスを100以上にしようとした場合、ポリエーテルエーテルポリオールやポリエーテルエステルポリオールでは、架橋密度が上昇し、発泡部分の連通性が低くなる。その結果、ポリウレタンフォームは圧縮残留歪が大きく、反発弾性の大きなものになってしまうという問題がある。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、有害物質の生成を抑制することができると共に、発泡部分の連通性を高くして、圧縮残留歪を小さく、かつ反発弾性を低くすることができるポリウレタンフォーム及びその製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明のポリウレタンフォームは、ポリオール類とポリイソシアネート化合物とを、触媒及び発泡剤の存在下に反応させてなるポリウレタンフォームであって、ポリイソシアネート化合物のイソシアネートインデックスが100を越え、140以下であり、かつ前記ポリオール類が水酸基価30〜80mgKOH/g及び水酸基価100〜300mgKOH/gの2種類のポリエーテルポリオール並びに水酸基価30〜80mgKOH/g及び水酸基価100〜300mgKOH/gの少なくとも1種類のポリエステルポリオールであることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明のポリウレタンフォームは、請求項1に記載の発明において、前記ポリエステルポリオールは、水酸基価30〜80mgKOH/g及び水酸基価100〜300mgKOH/gの2種類の水酸基価を有するものの混合物である。
請求項3に記載の発明のポリウレタンフォームは、請求項2に記載の発明において、前記水酸基価30〜80mgKOH/gのポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールとの合計量が50〜70質量%で、水酸基価100〜300mgKOH/gのポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールとの合計量が50〜30質量%である。
請求項4に記載の発明のポリウレタンフォームは、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記ポリイソシアネート化合物がジイソシアネートであり、そのイソシアネートインデックスが105〜125である。
請求項5に記載の発明のポリウレタンフォームの製造方法は、ポリオール類とポリイソシアネート化合物とを、触媒及び発泡剤の存在下に反応させるにあたり、ポリイソシアネート化合物のイソシアネートインデックスが100を越え、140以下であり、かつ前記ポリオール類が水酸基価30〜80mgKOH/g及び水酸基価100〜300mgKOH/gの2種類のポリエーテルポリオール並びに水酸基価30〜80mgKOH/g及び水酸基価100〜300mgKOH/gの少なくとも1種類のポリエステルポリオールであることを特徴とするものである。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
請求項1に記載の発明のポリウレタンフォームによれば、ポリイソシアネート化合物のイソシアネートインデックスが100を越え、140以下に設定したことから、ポリイソシアネート化合物をポリオール類と発泡剤とに十分反応させることができて残存するポリイソシアネート化合物を抑えて有害物質の生成を抑制することができる。また、ポリオール類が水酸基価30〜80mgKOH/g及び水酸基価100〜300mgKOH/gの2種類のポリエーテルポリオール並びに水酸基価30〜80mgKOH/g及び水酸基価100〜300mgKOH/gの少なくとも1種類のポリエステルポリオールを組合せたものであることから、発泡部分の連通性を高くして、圧縮残留歪を小さく、かつ反発弾性を低くすることができる。
請求項2に記載の発明のポリウレタンフォームは、原料のポリエステルポリオールが、水酸基価30〜80mgKOH/g及び水酸基価100〜300mgKOH/gの2種類の水酸基価を有するものの混合物である。従って、請求項1に係る発明の効果に加え、2種類のポリエステルポリオールが有する粘性に基づいて発泡部分の連通性を高めることができると共に、架橋密度を変えて反発弾性を低くすることができる。
請求項3に記載の発明のポリウレタンフォームは、原料のポリオール類として水酸基価30〜80mgKOH/gのポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールとの合計量が50〜70質量%で、水酸基価100〜300mgKOH/gのポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールとの合計量が50〜30質量%のものである。つまり、水酸基価の小さいポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールとを主成分としている。従って、請求項1又は請求項2に係る発明の効果に加え、ポリウレタンフォームの架橋密度を下げ、ガラス転移温度(Tg)を下げることができ、気泡の連通性を向上させてポリウレタンフォームの反発弾性を小さくすることができる。
請求項4に記載の発明のポリウレタンフォームによれば、請求項1から請求項3のいずれか一項に係る発明の効果に加え、イソシアネートインデックスが105〜125という高い場合であっても、反発弾性を低く維持しつつトルエンジアミン等の有害物質の生成量を抑えることができる。
請求項5に記載の発明のポリウレタンフォームの製造方法によれば、有害物質の生成を抑制することができると共に、発泡部分の連通性を高くして、圧縮残留歪を小さく、かつ反発弾性を低くすることができるポリウレタンフォームを原料の選定によって容易に製造することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態のポリウレタンフォームは、ポリオール類とポリイソシアネート化合物とを、触媒及び発泡剤の存在下に反応させて得られるものである。前記ポリオール類は、水酸基価30〜80mgKOH/g及び水酸基価100〜300mgKOH/gの2種類のポリエーテルポリオール並びに水酸基価30〜80mgKOH/g及び水酸基価100〜300mgKOH/gの少なくとも1種類のポリエステルポリオールである。
ポリオール類としては、ポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオールが用いられる。ポリエステルポリオールは、アジピン酸、フタル酸等のポリカルボン酸を、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等のポリオールと反応させることによって得られる縮合系ポリエステルポリオールのほか、ラクトン系ポリエステルポリオール及びポリカーボネート系ポリオールが挙げられる。ポリエーテルポリオールは、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、それらの変性体等が挙げられる。このポリオール類は、原料成分の種類、分子量、縮合度等を調整することによって、水酸基の官能基数や水酸基価を変えることができる。
ポリオール類のうち、ポリエーテルポリオールは水酸基価30〜80mgKOH/g及び水酸基価100〜300mgKOH/gの2種類を使用する。このような水酸基価の低いポリエーテルポリオールと水酸基価の高いポリエーテルポリオールとを組合せることにより、得られるポリウレタンフォームにおける架橋度を変えて、反発弾性を調整することができる。水酸基価の低いポリエーテルポリオールの水酸基価が30mgKOH/g未満の場合、水酸基価が小さくなり過ぎ、ポリウレタンフォームの架橋密度が小さくなると共に、水酸基価の大きいポリエーテルポリオールとの相溶性も低下する。水酸基価が80mgKOH/gを越える場合、水酸基価の大きいポリエーテルポリオールとの水酸基価の差が小さくなって2種類の水酸基価を有するポリエーテルポリオールを組合せて使用する効果が低下する。
水酸基価の高いポリエーテルポリオールの水酸基価が100mgKOH/g未満の場合、水酸基価の小さいポリエーテルポリオールとの水酸基価の差が小さくなって2種類の水酸基価を有するポリエーテルポリオールを使用する効果が低下する。水酸基価が300mgKOH/gを越える場合、水酸基価が大きくなり過ぎ、ポリウレタンフォームの架橋密度が大きくなり、水酸基価の小さいポリエーテルポリオールとの相溶性も低下する。
一方、ポリオール類のうち、ポリエステルポリオールは水酸基価30〜80mgKOH/g及び水酸基価100〜300mgKOH/gの少なくとも1種類を使用する。少なくとも1種のポリエステルポリオールを使用することにより、ポリエステルポリオールのもつ粘性に基づいて発泡部分が連通性を示し、通気性が高くなって低反発弾性を発揮させることができる。ポリエステルポリオールとしては、水酸基価30〜80mgKOH/g及び水酸基価100〜300mgKOH/gの2種類の水酸基価を有するものの混合物を用いることが、発泡部分の連通性を高め、架橋密度を変えて反発弾性を低くすることができる点から好ましい。
水酸基価の低いポリエステルポリオールの水酸基価が30mgKOH/g未満の場合、水酸基価が小さくなり過ぎ、ポリウレタンフォームの架橋密度が小さくなり、水酸基価の大きいポリエステルポリオールとの相溶性も低下する。水酸基価が80mgKOH/gを越える場合、水酸基価の大きいポリエステルポリオールとの水酸基価の差が小さくなって2種類の水酸基価を有するポリエーテルポリオールを組合せて使用する場合に効果が低下する。
水酸基価の高いポリエステルポリオールの水酸基価が100mgKOH/g未満の場合、水酸基価の小さいポリエステルポリオールとの水酸基価の差が小さくなって2種類の水酸基価を有する場合にポリエステルポリオールを使用する効果が低下する。水酸基価が300mgKOH/gを越える場合、水酸基価が大きくなり過ぎ、ポリウレタンフォームの架橋密度が高くなり、水酸基価の小さいポリエステルポリオールとの相溶性も低下する。
このようなポリオール類としては、水酸基価30〜80mgKOH/gのポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールとの合計量が50〜70質量%で、水酸基価100〜300mgKOH/gのポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールとの合計量が50〜30質量%のものが好ましい。言い換えれば、水酸基価の小さいポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールとを主成分とすることが好ましい。この場合、ポリウレタンフォームの架橋密度とガラス転移温度を下げることができ、気泡の連通性を向上させて反発弾性を小さくすることができる。
ポリオール類と反応させるポリイソシアネート化合物はイソシアネート基を複数有する化合物であって、具体的にはトリレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等が用いられる。
ここで、ポリイソシアネート化合物のイソシアネートインデックスは100を越え、140以下である。すなわち、イソシアネートインデックスは、前述のようにポリオール類の水酸基及び発泡剤(水)に対するポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の比を百分率で表したものであるが、その値が100を越えるということはイソシアネート基が水酸基より過剰であることを意味する。イソシアネートインデックスが100以下の場合には、ポリイソシアネート化合物の全てがポリオール類及び発泡剤である水と反応することができず、例えばTDIを用いた場合に未反応のTDIが微量残存し、そのTDIからTDAが生成する原因となる。一方、イソシアネートインデックスが140を越える場合には、ポリウレタンフォームが硬くなったりしてその物性が低下する。
ポリイソシアネート化合物は、ジイソシアネートで、そのイソシアネートインデックスが105〜125であることが好ましい。この場合、イソシアネートインデックスが105〜125という高い値であっても、反発弾性を低く維持しつつトルエンジアミン等の有害物質の生成量を抑えることができる。
触媒はポリオール類とポリイソシアネート化合物とのウレタン化反応を促進するためのものである。係る触媒としては、N,N´,N´−トリメチルアミノエチルピペラジン、トリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン等の3級アミン、オクチル酸スズ等の有機金属化合物、酢酸塩、アルカリ金属アルコラート等が用いられる。
発泡剤はポリウレタンを発泡させてポリウレタンフォームとするためのものである。この発泡剤としては、水のほかペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、炭酸ガス等が用いられる。ポリウレタンフォームの原料としては、界面活性剤等の整泡剤、縮合リン酸エステル等の難燃剤、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、着色剤等を添加することもできる。
前記ポリオール類とポリイソシアネート化合物とのウレタン化反応を行なう場合には、ワンショット法又はプレポリマー法が採用される。ワンショット法は、ポリオール類とポリイソシアネート化合物とを直接反応させる方法である。プレポリマー法は、ポリオール類とポリイソシアネート化合物との各一部を事前に反応させて末端にイソシアネート基又は水酸基を有するプレポリマーを得、それにポリオール類又はポリイソシアネート化合物を反応させる方法である。ワンショット法はプレポリマー法に比べて製造工程が一工程で済み、製造条件の制約も少ないことから好ましい方法であり、製造コストを低減させることができる。
ポリウレタンフォームとしては、軟質スラブポリウレタンフォームが好ましい。軟質スラブポリウレタンフォームは上記ワンショット法により混合攪拌された反応原料(反応混合液)をベルトコンベア上に吐出し、該ベルトコンベアが移動する間に反応原料が常温、大気圧下で自然発泡し、硬化することで得られる。その後、乾燥炉内で硬化(キュア)し、所定形状に裁断される。その他、モールド成形法、現場施工スプレー成形法等によってポリウレタンフォームを得ることができる。
さて、ポリウレタンフォームを製造する場合には、ポリオール類とポリイソシアネート化合物とを触媒及び発泡剤の存在下に反応させることによって行なわれる。この場合、ポリイソシアネート化合物としてイソシアネートインデックスが100を越え140以下という高い化合物を用いていることから、ポリイソシアネート化合物がポリオール類と十分に反応することができると共に、過剰のポリイソシアネート化合物は互いに反応して消失する。
しかも、ポリオール類として水酸基価30〜80mgKOH/g及び水酸基価100〜300mgKOH/gの2種類のポリエーテルポリオール並びに水酸基価30〜80mgKOH/g及び水酸基価100〜300mgKOH/gの少なくとも1種類のポリエステルポリオールを組合せて用いている。2種類の水酸基価を有するポリエーテルポリオールを組合せることにより、水酸基価の小さいポリエーテルポリオールは架橋密度を小さくし、水酸基価の大きいポリエーテルポリオールは架橋密度を大きくし、その程度を調整することができる。加えて、ポリエステルポリオールが混合されていることから、ポリウレタンフォームの製造時における粘性が高められて気泡同士が連通され、通気性が向上する。このような作用が相乗的に作用しながら、ウレタン化反応がバランスよく進行して低反発弾性のポリウレタンフォームが製造される。
以上の実施形態によって発揮される効果について、以下にまとめて記載する。
・ 本実施形態のポリウレタンフォームでは、イソシアネートインデックスが100を越え、140以下に設定されていることから、ポリイソシアネート化合物はポリオール類と十分に反応し、過剰のポリイソシアネート化合物は互いに反応して残存することが回避される。このため、ポリイソシアネート化合物の変性によるTDA等の有害物質の生成を抑制することができる。
また、ポリウレタンフォームの原料であるポリオール類として、水酸基価30〜80mgKOH/g及び水酸基価100〜300mgKOH/gの2種類のポリエーテルポリオールを用いている。このため、ポリウレタンフォームの架橋密度を変えることができ、反発弾性を低いものに調整することができる。
更に、ポリオール類として、水酸基価30〜80mgKOH/g及び水酸基価100〜300mgKOH/gの少なくとも1種類のポリエステルポリオールを含有している。ポリエステルポリオールは粘性が高いため、発泡部分の連通性を高くして、圧縮残留歪を小さく、かつ反発弾性を低くすることができる。
・ ポリオール類として、上記2種類のポリエーテルポリオールに2種類のポリエステルポリオールを混合することにより、ポリエステルポリオールが有する粘性に基づいて発泡部分の連通性を高めることができると共に、架橋密度を調整して反発弾性を低くすることができる。
・ 水酸基価30〜80mgKOH/gのポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールとの合計量が50〜70質量%で、水酸基価100〜300mgKOH/gのポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールとの合計量が50〜30質量%で、水酸基価の小さいポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールとを主成分としている。このため、ポリウレタンフォームの架橋密度を下げ、ガラス転移温度を下げることができ、連通性を向上させて反発弾性を小さくすることができる。
・ 実施形態のポリウレタンフォームの製造方法によれば、原料を前記のように選定することによって、有害物質の生成を抑制することができると共に、発泡部分の連通性を高くして、圧縮残留歪が小さく、かつ反発弾性が低いポリウレタンフォームを容易に製造することができる。
・ このように、ポリウレタンフォームは優れた低反発弾性を有することから、衝撃吸収体、吸音体、振動吸収体等として、例えば自動車のシート材、椅子のクッション材、マットレス、枕等として好適に使用することができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態を更に具体的に説明する。
(実施例1〜6及び比較例1〜4)
表1及び表2に示すポリオール類とポリイソシアネート化合物であるトリレンジイソシアネート(TDI−65)とを、触媒、発泡剤である水及びシリコーン整泡剤の存在下に常法に従って反応させることによりポリウレタンフォームを製造した。表1及び表2における略号の意味を次に示す。
G700:水酸基価240mgKOH/g、官能基数3のポリエーテルポリオール
F3010:水酸基価56mgKOH/g、官能基数3のポリエステルポリオール
TA22−595:水酸基価240mgKOH/g、官能基数3のポリエステルポリオール
GP3000:水酸基価56mgKOH/g、官能基数3のポリエーテルポリオール
TDI−65:日本ポリウレタン工業(株)製のトリレンジイソシアネート(2,4-トリレンジイソシアネート65質量%と2,6-トリレンジイソシアネート35質量%の混合物)
LV33:トリエチレンジアミンとプロピレングリコールとの質量比が1:2の混合物、中京油脂(株)製の触媒
MRH110:オクチル酸第1スズ、城北化学(株)製の触媒
L584:日本ユニカー(株)製のシリコーン整泡剤
得られたポリウレタンフォームについて、密度、反発弾性、通気性、圧縮残留歪、ガラス転移温度、TDA(トルエンジアミン)検出量及び復元試験を下記に示す方法で測定し、それらの結果を表1及び表2に併せて記載した。
密度(kg/m3)、反発弾性(%)、通気性(L/min)及び圧縮残留歪(%):いずれもJIS K6400に準じて測定した。
ガラス転移温度(℃):バインブロン試験器により、tanδのピーク時の温度を測定した。
TDA検出量(ppm):高速液体クロマトグラフ(HPLC)により、検出限界である0.1ppmまで測定した。NDは検出限界以下であったことを示す。
復元試験:長さ50mm、幅50mm及び厚み5mmのサンプルについて、元の厚みの80%(4mm)圧縮し、その後開放して元の厚みに戻るまでの時間(秒)をストップウォッチにて測定した。
Figure 2005194480
表1に示したように、実施例1〜6のポリウレタンフォームにおいては、TDA検出量を検出限界以下にすることができた。また、圧縮残留歪を5.3%以下に抑えることができた。更に、反発弾性を22%以下に低くすることができた。加えて、通気性や復元性にも優れていた。従って、ポリウレタンフォームの発泡部分の連通性が高いことが確認された。
Figure 2005194480
表2に示したように、イソシアネートインデックスが100以下で、ポリオールとしてポリエーテルポリオールのみを使用し、ポリエステルポリオールを使用しなかった比較例1のポリウレタンフォームは、TDA検出量が0.6ppm認められ、通気性及び復元性の悪いものであった。イソシアネートインデックスが100を越えているものの、ポリオールとしてポリエーテルポリオールのみを使用し、ポリエステルポリオールを使用しなかった比較例2のポリウレタンフォームは、圧縮残留歪が21.2%という大きな値を示し、通気性及び復元性の悪いものであった。イソシアネートインデックスが100以下である比較例3及び4のポリウレタンフォームは特にTDA検出量が多いものであった。
尚、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールの分岐度を高めて、得られるポリウレタンフォームの架橋度を調整できるように構成することもできる。
・ 原料として架橋剤を配合し、ポリウレタンフォームの架橋度を高めるように構成することもできる。
・ 原料にプロパノール、ブタノール等の水酸基を有する化合物を添加し、ポリイソシアネート化合物のイソシアネートインデックスを調整できるようにすることもできる。
更に、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記ポリエステルポリオールは、水酸基価30〜80mgKOH/g及び水酸基価100〜300mgKOH/gの2種類の水酸基価を有するものの混合物である請求項5に記載のポリウレタンフォームの製造方法。この製造方法によれば、請求項5に係る発明の効果に加え、2種類のポリエステルポリオールが有する粘性に基づいて発泡部分の連通性を高めることができると共に、架橋密度を変えて反発弾性を低くすることができる。
・ 前記水酸基価30〜80mgKOH/gのポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールとの合計量が50〜70質量%で、水酸基価100〜300mgKOH/gのポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールとの合計量が50〜30質量%である請求項5に記載のポリウレタンフォームの製造方法。この製造方法によれば、請求項5に係る発明の効果に加え、ポリウレタンフォームの架橋密度及びガラス転移温度を下げることができ、気泡の連通性を向上させてポリウレタンフォームの反発弾性を小さくすることができる。

Claims (5)

  1. ポリオール類とポリイソシアネート化合物とを、触媒及び発泡剤の存在下に反応させてなるポリウレタンフォームであって、ポリイソシアネート化合物のイソシアネートインデックスが100を越え、140以下であり、かつ前記ポリオール類が水酸基価30〜80mgKOH/g及び水酸基価100〜300mgKOH/gの2種類のポリエーテルポリオール並びに水酸基価30〜80mgKOH/g及び水酸基価100〜300mgKOH/gの少なくとも1種類のポリエステルポリオールであることを特徴とするポリウレタンフォーム。
  2. 前記ポリエステルポリオールは、水酸基価30〜80mgKOH/g及び水酸基価100〜300mgKOH/gの2種類の水酸基価を有するものの混合物である請求項1に記載のポリウレタンフォーム。
  3. 前記水酸基価30〜80mgKOH/gのポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールとの合計量が50〜70質量%で、水酸基価100〜300mgKOH/gのポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールとの合計量が50〜30質量%である請求項2に記載のポリウレタンフォーム。
  4. 前記ポリイソシアネート化合物がジイソシアネートであり、そのイソシアネートインデックスが105〜125である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のポリウレタンフォーム。
  5. ポリオール類とポリイソシアネート化合物とを、触媒及び発泡剤の存在下に反応させるにあたり、ポリイソシアネート化合物のイソシアネートインデックスが100を越え、140以下であり、かつ前記ポリオール類が水酸基価30〜80mgKOH/g及び水酸基価100〜300mgKOH/gの2種類のポリエーテルポリオール並びに水酸基価30〜80mgKOH/g及び水酸基価100〜300mgKOH/gの少なくとも1種類のポリエステルポリオールであることを特徴とするポリウレタンフォームの製造方法。
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