JP2005193114A - 植物中の重金属の抽出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 植物を用いて、重金属汚染土壌を浄化及び/又は土壌中の有用金属を回収する方法において、重金属を吸収蓄積した植物を安全且つ効率的に処理し、植物から重金属を分離する植物中の重金属の抽出方法を提供する。
【解決手段】 重金属を含有する土壌に、重金属吸収能を有する植物を植えて生育させた後、収穫した植物中から重金属を、溶媒を用いて抽出し、重金属を吸収蓄積した植物を安全且つ効率的に処理して、植物から重金属を分離する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、重金属を吸収した植物から重金属を効率的に分離、除去、又は回収する植物中の重金属の抽出方法に関する。
近年、環境問題、あるいは食料に対する安全性の問題などから、環境中及び土壌中の重金属について関心が高まっている。重金属は資源として有用である一方、化合物によっては動物や人体に毒性を示す場合がある。ことに、高濃度に蓄積された食品中に含まれる重金属を摂取した場合には、深刻な健康被害をもたらすことが知られている。特に、カドミウム、水銀、鉛、クロム等の重金属が土壌に蓄積され、人体に被害をもたらす公害としてクローズアップされてきた。
従来より、土壌中の重金属を除去する技術として、重金属の濃度の高い土壌(以下、「汚染土壌」と称することがある)を取り除いて重金属の濃度の低い土壌(以下、「非汚染土壌」と称することがある)と入れ替える方法、又は汚染土壌を非汚染土壌で覆ってしまう客土という方法、あるいは汚染土壌を物理的、化学的に直接処理して重金属を除去する方法などが採られていた。
しかし昨今、経済性あるいは非汚染土壌の入手難等の問題点から、新たな土壌浄化手段として植物を用いた環境修復技術、いわゆるファイトレメディエーションという手法が検討され始めている(例えば、特許文献1〜3参照)。
ファイトレメディエーションとは、重金属を高濃度含有する土壌などに重金属を吸収蓄積する植物を生育させ、この植物を収穫し除去することにより、土壌中の重金属を分離除去せしめる技術である。この技術において、より短期間で土壌等から重金属を分離除去するためには、より重金属吸収効率の高い植物を用いることや補助的な手法を用いることで、植物の重金属吸収効率を向上させることが重要であり、これによって短期間での重金属除去効果を高めることができる。
また、植物を使って土壌中の有用金属を吸収蓄積させ、この植物を収穫して有用金属を回収しようとするファイトマイニングと呼ばれる方法も提案されている。
なお、いずれの技術においても、収穫した植物の後処理には、焼却設備が使用されている。
特開昭57−190号公報 特表平7−508206号公報 特開2000−288529号公報
しかしながら、ファイトレメディエーション技術においては、大量に発生する収穫植物の焼却処理に既存の焼却炉では対応できず、新設する必要が出てくる。また、焼却後に重金属を回収する対策も必要となる。
そして、ファイトマイニング技術においても、植物から金属を回収するためには、ファイトレメディエーション技術と同様に焙焼等の処理が必要であるため、やはり大規模な精錬設備が必要となり、実現が困難な状況である。
従って、ファイトレメディエーション技術、ファイトマイニング技術の発明を完結するためにも、効率的に植物から重金属を分離する方法の確立が求められていた。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、重金属を吸収蓄積した植物を安全且つ効率的に処理し、植物から重金属を分離する植物中の重金属の抽出方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う請求項1記載の植物中の重金属の抽出方法は、重金属を含有する土壌に、重金属吸収能を有する植物を植えて生育させた後、収穫した前記植物中から前記重金属を、溶媒を用いて抽出する。
請求項2記載の植物中の重金属の抽出方法は、請求項1記載の植物中の重金属の抽出方法において、前記溶媒は水である。
請求項3記載の植物中の重金属の抽出方法は、請求項2記載の植物中の重金属の抽出方法において、前記溶媒には酸又はアルカリが添加されている。
請求項4記載の植物中の重金属の抽出方法は、請求項2及び3記載の植物中の重金属の抽出方法において、前記溶媒にはキレート剤が添加されている。
請求項5記載の植物中の重金属の抽出方法は、請求項1〜4記載の植物中の重金属の抽出方法において、前記溶媒は加温又は加熱されている。
請求項6記載の植物中の重金属の抽出方法は、請求項1〜5記載の植物中の重金属の抽出方法において、前記溶媒を加圧して該溶媒の沸点を上昇させる。
請求項7記載の植物中の重金属の抽出方法は、請求項1〜6記載の植物中の重金属の抽出方法において、収穫した前記植物は、前記重金属の抽出前に予め破砕又は粉砕されている。
請求項8記載の植物中の重金属の抽出方法は、請求項1〜7記載の植物中の重金属の抽出方法において、前記植物からの前記重金属の抽出は、前記植物を圧搾して行う。
請求項9記載の植物中の重金属の抽出方法は、請求項1〜8記載の植物中の重金属の抽出方法において、前記土壌中の前記重金属の含有量は0.1ppm以上である。
請求項10記載の植物中の重金属の抽出方法は、請求項1〜9記載の植物中の重金属の抽出方法において、前記重金属は周期表の4〜6周期中の1又は2以上の金属である。
請求項1〜10記載の植物中の重金属の抽出方法においては、溶媒を用いて植物中の重金属を抽出するので、従来のように焼却炉を使用する必要がなくなり、植物の処理に対応した容量を備える焼却設備を新設することなく植物を処理できる。また、溶媒中に抽出された重金属は、従来公知の湿式処理によって分離回収できるので、焼却処理を行った場合のように、焼却後に重金属を分離回収する対策が必要なく、回収作業を効率的に実施できる。
特に、請求項2記載の植物中の重金属の抽出方法においては、溶媒に水を使用するので、溶媒の後処理が容易である。
請求項3記載の植物中の重金属の抽出方法においては、溶媒に酸又はアルカリが添加されているので、重金属(金属単体及び金属化合物のいずれか一方又は双方)をイオン化でき、溶媒への溶解も容易にできる。
請求項4記載の植物中の重金属の抽出方法においては、溶媒にキレート剤が添加されているので、溶媒に溶解した重金属を錯体(錯化合物)にでき、重金属の溶解度を更に高めることができる。
請求項5記載の植物中の重金属の抽出方法においては、溶媒を加温又は加熱するので、植物の細胞壁や細胞膜の破壊を、常温の水を使用した場合よりも短時間に行うことができ、しかも溶媒への重金属の溶解度も増大させることができる。
請求項6記載の植物中の重金属の抽出方法においては、溶媒を加圧するので、溶媒の沸点を常圧の場合よりも上昇でき、溶媒の温度上昇に伴う溶媒への重金属の溶解度を更に増大させ、抽出効率を高めることができる。
請求項7記載の植物中の重金属の抽出方法においては、重金属の抽出前に植物が予め破砕又は粉砕されているので、植物の細胞壁や細胞膜が破壊され、植物中に含まれる重金属の抽出率を高めることができる。
請求項8記載の植物中の重金属の抽出方法においては、植物からの重金属の抽出を、植物を圧搾して行うので、植物中に含まれる重金属の抽出率を更に高めることができる。
請求項9記載の植物中の重金属の抽出方法においては、重金属の含有量が0.1ppm以上である高濃度の重金属を含む土壌から重金属を回収するので、植物によって回収される重金属の量も多くなり、重金属を有用な金属として再利用できる。
なお、好ましく適用される土壌中の重金属の濃度としては、例えばカドミウムであれば0.1〜30ppm、より好ましくは0.3〜10ppm、その他の重金属の場合は0.1ppm以上、より好ましくは0.2ppm以上である。
請求項10記載の植物中の重金属の抽出方法においては、例えば人体に被害をもたらすカドミウム等の重金属汚染土壌の浄化を、より安全に、低コストで効率的に実施できる。
即ち本発明は、高濃度の有害金属を含有する土壌から有害金属を除去し、及び/又は、土壌中の有用金属を回収するにあたり、これらの重金属を吸収蓄積する植物を該土壌に生育させ、例えば、キレート剤、酸、アルカリ等を溶解させた水を抽出液(溶媒)として用い、この抽出液を例えば加温加圧することで、収穫した植物から重金属を抽出によって回収することが可能な方法である。本発明の方法によって、これまで困難であった、あるいは高い費用、又は長い年月がかかっていたカドミウム等の重金属汚染土壌の浄化を、より安全に、低コストで効率的に行うことが可能となるものである。
続いて、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
本発明の一実施の形態に係る植物中の重金属の抽出方法は、重金属を含有する土壌に、重金属吸収能を有する植物を植えて生育させた後、収穫した植物中から重金属を、溶媒の一例である水を用いて抽出することで、重金属汚染土壌を浄化する方法である。ここで重金属とは、周期表の4〜6周期、特に5周期及び6周期に属する各金属元素の1又は2以上であり、特に、カドミウム、水銀、鉛等の重金属を含んでいる。なお、これらの金属元素は、金属単体として、あるいは酸化物、硫化物、塩類、有機金属化合物等の各種化合物として土壌中に存在している。以下、詳しく説明する。
植物を植える土壌としては、ごく一般的な土壌でもよいが、環境や人体に影響を及ぼす程度に高濃度の重金属を含む土壌が有用である。このように、高濃度の重金属を含む土壌であれば、回収される重金属の量も多くなり、重金属を有用な化合物として再利用することもできる。ここで、好ましく適用される土壌中の重金属の濃度としては、例えばカドミウムであれば0.1〜30ppm、より好ましくは0.3〜10ppm、その他の重金属の場合は0.1ppm以上、より好ましくは0.2ppm以上である。
抽出処理に付される植物としては、重金属の吸収能が高い植物を使用することが好ましい。これにより、植物体内の重金属の濃度を高くでき、後述する重金属抽出時における処理する植物量を少なくできるので、植物の処理効率を向上できる。なお、植物体内に吸収可能な重金属濃度としては、カドミウムであれば、1ppm以上が好ましく、5ppm以上が更に好ましい。このような植物としては、複数の重金属を植物体内に吸収可能であればより好適であり、重金属の合計量として、10ppm以上が好ましく、50ppm以上が更に好ましい。従って、吸収される重金属の種類によって吸収蓄積能が高い植物を選択し、植物の種類に応じて、種子の播種、苗の植付け、成長した植物の移植等の植栽方法を採用して、土壌に植物を栽培し、この植物に十分重金属を蓄積させた後、枯れる前に、根も含めて、又は根を除いて、できるだけ植物全体を収穫することが好ましい。これによって、土壌中の1.2〜1000倍もの濃度に濃縮された重金属を植物体内から回収できる。
なお、上記した重金属吸収能を有する植物とは、重金属イオンや重金属化合物等を植物体内に取り込む性質を有する植物であり、例えば、カドミウムの吸収能の高い植物としては、アブラナ科、アオイ科、マメ科、アカザ科、ナス科、キク科、ヒユ科、イネ科等の植物が挙げられる。また、植物の種類により重金属の吸収能が異なることも知られており、例えば、カドミウム、水銀、鉛等の吸収能は、アオキ、タデ類、ソバ類、センブリ類、シダ類、ヘビノネグサ類、ススキ類等が高いことが知られている。
次に、重金属を吸収し収穫された植物の体内から重金属を抽出分離する。抽出に供する前記植物の収穫時において、水分を除いた状態で、この植物に含まれる重金属の合計濃度が0.2ppm以上となっていることが好ましく、更には1〜1000ppmの範囲になっていることが好ましい。なお、植物は、抽出処理前に予め乾燥させて、植物中の水分を除去しておくことも可能である。このとき、乾燥前の植物よりも処理する植物の重量を軽くでき、しかも植物種によっては体積も小さくできるため、植物の処理量を増大でき、処理効率を向上できる。ここでは、重金属が植物中に残存している。
また、抽出処理に先立って植物の処理効率を上げるため、収穫した植物を、複数の切断刃を有する破砕機に投入し、予め破砕、更には粉砕することが好ましい。典型的には、植物の平均体積が10cm3 以下、好ましくは3cm3 以下、更に好ましくは1cm3 以下になるように切断処理する。
収穫した植物を、この植物の重量の1〜100倍量の抽出液である水に投入し、植物中の重金属の抽出を行う。なお、溶媒による抽出に先立って、収穫した植物を溶媒を用いずに圧搾し、植物中の重金属の少なくとも一部を分離することも可能である。この場合、例えば圧搾機TM340(株式会社マツオ製)等の圧搾機を用いることができる。
抽出液には、常温の水を使用することも可能であるが、この水を加温又は加熱することで、また更に水を例えば2〜3atm程度に加圧して、水の沸点を上昇させることで、温度を60〜120℃としたものを使用する事ができる。
このように、加温又は加熱された水を使用することによって、植物の細胞壁や細胞膜が破壊され易くなり、また重金属の水への溶解度も増すことができる。なお、抽出時間は、1分以上であることが好ましく、効率的に処理することを考慮すれば120分以内であることが望ましい。
ここで、上記した水には酸又はアルカリが添加されることが好ましい。
この添加される酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸等の無機酸、酢酸、蟻酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸等の水に可溶な有機酸が挙げられる。また、アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム等、金属の酸化物又は水酸化物が挙げられる。
これらのうち、酸を用いることが好ましく、なかでも硫酸が好ましい。
なお、金属化合物の種類や金属のイオン化傾向により、重金属の種類によって溶解し易い酸が異なる。例えば、カドミウムは冷硫酸以外の酸に溶け、特に濃硫酸に溶け易く、水銀は薄い酸には溶解しないが濃硫酸にはよく溶け、鉛は薄い塩酸や硫酸に溶けにくいが、空気があると酢酸や炭酸のような弱酸に溶解し、また硝酸のような酸化力のある酸に溶解する。このため、土壌中の重金属の種類に応じて、酸の種類を選択することが好ましい。
また、酸又はアルカリの濃度は、金属単体又は金属化合物をイオン化して溶解させるのに必要な量を含有すればよく、例えば、0.001〜10M(mol/L)、好ましくは0.003〜3M、更には0.005〜0.5Mであることが好ましい。
一方、金属抽出後の植物を、アルコール発酵等のバイオマス(生物資源)の原料として利用する場合、更に高濃度の酸、好ましくは硫酸を用いることにより、セルロース等の多糖類を、加水分解を行うと共に抽出することができる。この場合の硫酸としては、好ましくは0.1M以上のものを使用する。
また、水中には、重金属と共に錯体を形成することが可能なキレート剤を添加することも可能である。
水にキレート剤を加えることによって、水、酸、又はアルカリにより溶解した重金属が錯化合物となるため、重金属の溶解度を高くして濾別することができる。
ここで、用いられるキレート剤としては、メルカプタン化合物、脂肪族スルフィド化合物等の含硫黄化合物、ビピリジル化合物、フェナントロリン化合物、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸等の含窒素化合物が好ましく、なかでもメルカプト基(−SH)を有する化合物又はエチレンジアミン四酢酸が好適である。
また、キレート剤の濃度は、重金属が錯体を形成するのに必要な量を含有すればよく、例えば、水中に0.01〜3重量%、好ましくは0.05〜2重量%、更には0.1〜1重量%含まれていることが好ましい。
この抽出液を、植物と共にフィルタープレスやスクリュープレス等の濾過機にかけ、固液分離を行う。これにより、植物は圧搾されるため、例えば、前記した加温、加熱によって壊れ易くなった植物の細胞壁や細胞膜、及び壊れていない細胞壁や細胞膜が破壊され、重金属の抽出率を更に向上させることができる。
ここで、分離液中に抽出された重金属を、水酸化物又はキレートによる錯体等の難溶性化合物にする。この重金属の水酸化物は、酸又はアルカリに溶解した重金属を含む分離液のpHを調整することで生成させることができる。また、錯体中の重金属は、従来公知の方法、例えば分離液をアルカリ性にpH調整した後、これに硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化アンモニウム等の硫化物等の重金属不溶化剤を加える方法を用いることで、不溶性物質として沈殿させることができる。このとき、錯体から重金属を取り出すことで生成するキレート剤は再利用できる。
このように、分離液中から生成した水酸化物又は錯体中の重金属は、前記した濾過機を使用して分離液中から除去され、除去後の濾液を放流する。
一方、抽出液を固液分離することで得られる重金属が除去された植物は、植物中に残存する重金属濃度を測定し、環境基準を満たすことを確認した後、例えば、バイオマスとして有効利用したり、元の土壌への鋤き込みに利用する。
本発明に係る植物中の重金属の抽出方法を適用し、試験を行った結果について説明する。
(実施例1)
カドミウムを20μg含むケナフ(植物の一例)を粉砕して粉末状にしたもの1gを、90℃に加熱した0.05Mの硫酸100ml中に入れ、10分間90℃を保った後、放冷し常温とした。放冷したものを吸引濾過し、濾布上に残った固形物の上から蒸留水20mlをかけて洗い、これを押し搾った。この濾液と洗浄液とを含む抽出液中のカドミウム量を化学分析装置(例えば、原子吸光、ICP等)で測定したところ、18.5μgのカドミウムが抽出されていた。なお、抽出率は92.5%であった。
(実施例2)
0.005Mの硫酸50mlの中に、カドミウムを12μg含むケナフ(植物の一例)0.5gを入れ60分間120℃を保った後、放冷し常温とした。そして、放冷したものを吸引濾過し、濾布上に残った固形物の上から蒸留水50mlをかけて洗い、これを押し搾った。この濾液と洗浄液とを含む抽出液中のカドミウム量を前記した化学分析装置で測定したところ、10.2μgのカドミウムが抽出されていた。なお、抽出率は85.0%であった。
(実施例3)
0.005Mの硫酸50mlの中に、カドミウムを4μg含むイネ(植物の一例)0.5gを入れ60分間120℃を保った後、放冷し常温とした。そして、放冷したものを吸引濾過し、濾布上に残った固形物の上から蒸留水50mlをかけて洗い、これを押し搾った。この濾液と洗浄液とを含む抽出液中のカドミウム量を前記した化学分析装置で測定したところ、2.8μgのカドミウムが抽出されていた。なお、抽出率は70.0%であった。
(実施例4)
0.05Mの硫酸150mlの中に、カドミウムを53.2μg含む植物の一例であるソルガム(コーリャンともいう)9.5gを入れ60分間60℃を保った後、放冷し常温とした。そして、放冷したものを吸引濾過し、濾布上に残った固形物の上から蒸留水150mlをかけて洗い、これを押し搾った。この濾液と洗浄液とを含む抽出液中のカドミウム量を前記した化学分析装置で測定したところ、49.9μgのカドミウムが抽出されていた。なお、抽出率は93.8%であった。
(実施例5)
0.5Mの硫酸100mlの中に、カドミウムを20μg含むケナフ(植物の一例)1gを入れ30分間60℃を保った後、放冷し常温とした。そして、放冷したものを吸引濾過し、濾布上に残った固形物の上から蒸留水100mlをかけて洗い、これを押し搾った。この濾液と洗浄液とを含む抽出液中のカドミウム量を前記した化学分析装置で測定したところ、19.2μgのカドミウムが抽出されていた。なお、抽出率は96.0%であった。
(実施例6)
9Mの硫酸100mlの中に、カドミウムを20μg含むケナフ(植物の一例)1gを入れ30分間60℃を保った後、放冷し常温とした。そして、放冷したものを吸引濾過し、濾布上に残った固形物の上から蒸留水150mlをかけて洗い、これを押し搾った。この濾液と洗浄液とを含む抽出液中のカドミウム量を前記した化学分析装置で測定したところ、19.4μgのカドミウムが抽出されていた。なお、抽出率は97.0%であった。
上記した実施例1〜6から明らかなように、カドミウムを吸収蓄積した植物を安全且つ効率的に処理し、植物から高い抽出率でカドミウムを分離回収できることを確認できた。
以上、本発明を、一実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の植物中の重金属の抽出方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
また、前記実施の形態においては、汚染土壌中から重金属の一例である有害金属を分離除去した場合について説明したが、土壌中から重金属の一例である有用金属を回収することも可能である。
そして、前記実施の形態においては、植物の細胞壁や細胞膜の破壊を、加温又は加熱された水を用いて行った場合について説明したが、更に超音波を用いて植物の細胞壁や細胞膜を破壊することも可能である。
更に、前記実施の形態においては、溶媒に水を使用した場合について説明したが、他の溶媒、例えば、エタノール等の有機溶媒等を使用することも可能である。

Claims (10)

  1. 重金属を含有する土壌に、重金属吸収能を有する植物を植えて生育させた後、収穫した前記植物中から前記重金属を、溶媒を用いて抽出することを特徴とする植物中の重金属の抽出方法。
  2. 請求項1記載の植物中の重金属の抽出方法において、前記溶媒は水であることを特徴とする植物中の重金属の抽出方法。
  3. 請求項2記載の植物中の重金属の抽出方法において、前記溶媒には酸又はアルカリが添加されていることを特徴とする植物中の重金属の抽出方法。
  4. 請求項2及び3のいずれか1項に記載の植物中の重金属の抽出方法において、前記溶媒にはキレート剤が添加されていることを特徴とする植物中の重金属の抽出方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の植物中の重金属の抽出方法において、前記溶媒は加温又は加熱されていることを特徴とする植物中の重金属の抽出方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の植物中の重金属の抽出方法において、前記溶媒を加圧して該溶媒の沸点を上昇させることを特徴とする植物中の重金属の抽出方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の植物中の重金属の抽出方法において、収穫した前記植物は、前記重金属の抽出前に予め破砕又は粉砕されていることを特徴とする植物中の重金属の抽出方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の植物中の重金属の抽出方法において、前記植物からの前記重金属の抽出は、前記植物を圧搾して行うことを特徴とする植物中の重金属の抽出方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の植物中の重金属の抽出方法において、前記土壌中の前記重金属の含有量は0.1ppm以上であることを特徴とする植物中の重金属の抽出方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の植物中の重金属の抽出方法において、前記重金属は周期表の4〜6周期中の1又は2以上の金属であることを特徴とする植物中の重金属の抽出方法。
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