〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1ないし図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。図2に、本実施の形態の画像処理装置におけるジャギー抑制部100のブロック図を示す。ジャギー抑制部100は、図2に示すように、入力された画像データ(以下、入力画像データ)のジャギーを抑制するジャギー抑制処理を行う。そのため、ジャギー抑制部100は、比較部(特徴量比較部)101、置換判定部(画素変換部)102、置換部(画素変換部)103を備えている。
比較部101は、入力画像データの注目画素及び該注目画素の周囲にある複数の周辺画素の階調値(特徴量)を相互に比較する。そして、比較部101は、比較結果を置換判定部102に送出する。
なお、比較部101は、背景色を利用して比較処理を行う場合には、別のユニットから背景色の階調値を取得する必要がある。現在のプリンタや複合機の中には、印刷用紙の色に合わせて画像処理を行うものがあり、このような装置では、背景色の階調値を取得する背景色取得部が設けられている。該背景色取得部は、取得した背景色の階調値を、背景色の判定基準を表す背景色判定信号として出力している。したがって、比較部101は、背景色を利用して比較処理を行う場合には、図2に示されるように、外部から背景色判定信号を取得すればよい。
置換判定部102は、比較部101からの比較結果に基づいて、注目画素の階調値の変換の有無を判定する。そして、置換判定部102は、判定結果を置換部103に送出する。
置換部103は、置換判定部102からの判定結果に基づいて、注目画素の階調値を変換階調値に置換する。そして、置換部103は、置換した注目画素の階調値を、出力すべき画像データ(以下、出力画像データ)として出力する。
また、置換部103は、置換した注目画素の階調値を比較部101に送出する。そして、比較部101は、上記注目画素が別の注目画素の周辺画素に該当する場合に、該周辺画素の階調値として、置換部103が置換した階調値を利用する。
〔実施例1〕
次に、本実施形態のジャギー抑制処理部100が行うジャギー抑制処理の一例を図1・3・4に基づいて説明する。本実施例のジャギー抑制処理は、注目画素に対する5つ以上の周辺画素の階調値が同じである場合に、その周辺画素の階調値に注目画素の階調値を変換するものである。本実施例のジャギー抑制処理を「第1のジャギー抑制処理」と称する。
図1は、第1のジャギー抑制処理工程を示すフローチャートである。図示のように、比較部101に入力画像データが入力されると、まずS100では、比較部101は、或る画素を注目画素とする。
次に、S101では、比較部101は、注目画素の周囲にある周辺画素の階調値を相互に比較する。比較部101での処理に続いて、置換判定部102が、比較部101での比較結果から得られる、階調値が互いに同じである周辺画素の数である同一周辺画素の数をカウントする。そして、同一周辺画素の数が5以上であるか否かを判定する。
S101にて、置換判定部102が、同一周辺画素の数が5以上であると判定した場合(S101でYES)には、S102に進む。S102では、置換判定部102が、図2に示す置換部103に対して、注目画素の階調値を、周辺画素に含まれる5つ以上の同一周辺領域が有する階調値に置き換えることを要求する置換信号を出力する。この置換信号に基づいて、置換部103は、注目画素の階調値の置換えを行う。そして、置換部103は、置換えを行った注目画素の階調値を、出力画像データとして出力する。また、置換部103は、置換えを行った注目画素の階調値を比較部101に送出する。これにより、比較部101は、注目画素が、別の注目画素に対する周辺画素に該当する場合に、該周辺画素の階調値として、置換部103が置換した階調値を利用することになる。
一方、S101にて、置換判定部102が、同一周辺画素の数が5未満であると判定した場合(S101でNO)には、S103に進む。S103では、置換判定部102が置換部103に対して、注目画素の階調値をそのまま用いることを要求する無置換信号を出力する。そのため、置換部103は、注目画素の階調値の置換えを行うことなく、注目画素の階調値をそのまま出力画像データとして出力する。
上記のようにして、注目画素に対するS101〜S103の処理が行われると、S104では、入力画像データに含まれる全ての画素に対して、上記S101〜S103の処理が行われたか否かを判定する。S104にて、全画素に対する処理が終了していると判断されれば(S104にてYES)、ジャギー抑制処理部100における処理を終了する。一方、S104にて、全画素に対する処理が終了していないと判断されれば(S104にてNO)、S105にて、残りの画素の1つを注目画素とし、その後S101に戻ってS101以降の処理を行う。
図3(a)〜(c)及び図4(a)〜(c)は、入力画像データに対し第1のジャギー抑制処理を行うことにより、ジャギーが抑制される様子を示している。ここで、図3(a)〜(c)及び図4(a)〜(c)中、白地は白画素を示し、網掛けは黒画素を示すものとする。
図3(a)および図4(a)は、入力画像の例を示している。図3(a)では、上方向に4画素、右方向に4画素の段が階段状に連なっており、図4(a)では、上方向に2画素、右方向に2画素の段が階段状に連なっている。また、図示の例では、注目画素の走査は、テレビジョンやファクシミリと同様である。すなわち、左上隅の画素を最初の注目画素とし、以下注目画素を右方向に走査していき、右上隅の画素まで達した場合には、下隣の画素の左端に移動して上記走査を繰返し、これを右下隅の画素に達するまで繰り返すものである。
ジャギー抑制処理部100は、図3(a)に示される画像を入力画像として第1のジャギー抑制処理を行うと、同図(a)において文字「P」が印された画素に対して置換処理が行われ、同図(b)に示されるような画像を出力する。同図(a)および(b)を比較すると、第1のジャギー抑制処理は、図3(a)に示される画像に対して、ジャギー抑制の効果があることが理解できる。
続いて、ジャギー抑制処理部100は、図3(b)に示される画像を入力画像として第1のジャギー抑制処理を行うと、何れの画素に対しても置換処理が行われず、同図(c)に示されるように、同図(b)と同様の画像を出力する。このことから、第1のジャギー抑制処理は、図3(a)に示される画像に対して繰返し行われても、ジャギー抑制の効果が見られないことが理解できる。
一方、ジャギー抑制処理部100は、図4(a)に示される画像を入力画像として第1のジャギー抑制処理を行うと、同図(a)において文字「P」が印された画素に対して置換処理が行われ、同図(b)に示されるような画像を出力する。同図(a)および(b)を比較すると、第1のジャギー抑制処理は、図4(a)に示される画像に対して、ジャギー抑制の効果があることが理解できる。
続いて、ジャギー抑制処理部100は、図4(b)に示される画像を入力画像として第1のジャギー抑制処理を行うと、何れの画素に対しても置換処理が行われず、同図(c)に示されるように、同図(b)と同様の画像を出力する。このことから、第1のジャギー抑制処理は、図4(a)に示される画像に対して繰返し行われても、ジャギー抑制の効果が見られないことが理解できる。
〔実施例2〕
次に、本実施形態のジャギー抑制処理部100が行うジャギー抑制処理の別の例を図5〜7に基づいて説明する。本実施例のジャギー抑制処理は、注目画素に対する5つ以上の周辺画素の階調値が同じであり、かつその周辺画素の階調値が背景色の階調値に等しい場合に、その周辺画素の階調値、すなわち背景色の階調値に注目画素の階調値を変換するものである。本実施例のジャギー抑制処理を「第2のジャギー抑制処理」と称する。
図5は、第2のジャギー抑制処理工程を示すフローチャートである。なお、図1に示される第1のジャギー抑制処理工程と同様の処理工程には同じ符号を付している。図示のように、比較部101に入力画像データが入力されると、まずS110では、外部から背景色判定信号を受信することにより、背景色の階調値を取得する。次に、S100では、比較部101は、或る画素を注目画素とする。
次に、S111では、比較部101は、注目画素の周囲にある周辺画素の階調値を相互に比較する。比較部101での処理に続いて、置換判定部102が、比較部101での比較結果から得られる、階調値が互いに同じである周辺画素の数である同一周辺画素の数をカウントする。そして、同一周辺画素の数が5以上であり、かつ、同一周辺画素の階調値が背景色の階調値と同じであるか否かを判定する。
S111にて、置換判定部102が、同一周辺画素の数が5以上であり、かつ、同一周辺画素の階調値が背景色の階調値と同じであると判定した場合(S111でYES)には、S112に進む。S112では、置換判定部102が、置換部103に対して、注目画素の階調値を、背景色の階調値に置き換えることを要求する置換信号を出力する。この置換信号に基づいて、置換部103は、注目画素の階調値の置換えを行う。そして、置換部103は、置換えを行った注目画素の階調値を、出力画像データとして出力する。また、置換部103は、上述のように、置換えを行った注目画素の階調値を比較部101に送出する。
一方、S111にて、置換判定部102が、同一周辺画素の数が5未満であるか、或いは同一周辺画素の画素値が背景色の画素値と異なる場合には、S103に進む。S103では、置換判定部102が置換部103に対して、注目画素の階調値をそのまま用いることを要求する無置換信号を出力する。そのため、置換部103は、注目画素の階調値の置換えを行うことなく、注目画素の階調値をそのまま出力画像データとして出力する。
以下、図1に示されるS104・S105と同様の処理を行った後、ジャギー抑制処理部100における処理を終了する。
図6(a)〜(c)及び図7(a)〜(c)は、入力画像データに対し第2のジャギー抑制処理を行うことにより、ジャギーが抑制される様子を示している。ここで、図6(a)〜(c)及び図7(a)〜(c)中、白地は白画素を示し、網掛けは黒画素を示すものとする。また、背景色は、白画素に等しいものとする。
図6(a)および図7(a)は、入力画像の例を示しており、それぞれ図3(a)および図4(a)と同様である。また、図示の例では、注目画素の走査は、上記実施例と同様である。
ジャギー抑制処理部100は、図6(a)に示される画像を入力画像として第2のジャギー抑制処理を行うと、同図(a)において文字「Q」が印された画素に対して置換処理が行われ、同図(b)に示されるような画像を出力する。同図(a)および(b)を比較すると、第2のジャギー抑制処理は、図6(a)に示される画像に対して、ジャギー抑制の効果があることが理解できる。
続いて、ジャギー抑制処理部100は、図6(b)に示される画像を入力画像として第2のジャギー抑制処理を行うと、何れの画素に対しても置換処理が行われず、同図(c)に示されるように、同図(b)と同様の画像を出力する。このことから、第2のジャギー抑制処理は、図6(a)に示される画像に対して繰返し行われても、ジャギー抑制の効果が見られないことが理解できる。
一方、ジャギー抑制処理部100は、図7(a)に示される画像を入力画像として第2のジャギー抑制処理を行うと、同図(a)において文字「Q」が印された画素に対して置換処理が行われ、同図(b)に示されるような画像を出力する。同図(a)および(b)を比較すると、第2のジャギー抑制処理は、図7(a)に示される画像に対して、ジャギー抑制の効果があることが理解できる。
続いて、ジャギー抑制処理部100は、図7(b)に示される画像を入力画像として第2のジャギー抑制処理を行うと、何れの画素に対しても置換処理が行われず、同図(c)に示されるように、同図(b)と同様の画像を出力する。このことから、第2のジャギー抑制処理は、図7(a)に示される画像に対して繰返し行われても、ジャギー抑制の効果が見られないことが理解できる。
〔実施例3〕
次に、本実施形態のジャギー抑制処理部100が行うジャギー抑制処理の他の例を図8〜10に基づいて説明する。本実施例のジャギー抑制処理は、注目画素に対する4つ以上の周辺画素の階調値が同じであり、かつその周辺画素の階調値が背景色の階調値に等しい場合に、その周辺画素の階調値、すなわち背景色の階調値に注目画素の階調値を変換するものである。本実施例のジャギー抑制処理を「第3のジャギー抑制処理」と称する。
図8は、第3のジャギー抑制処理工程を示すフローチャートである。第3のジャギー抑制処理工程は、図5に示される第2のジャギー抑制処理工程と比較して、S111の代わりにS120を行う点が異なり、その他の処理は同様である。同様の処理については同じ符号を付してその説明を省略する。
S120では、比較部101は、注目画素の周囲にある周辺画素の階調値を相互に比較する。比較部101での処理に続いて、置換判定部102が、比較部101での比較結果から得られる、階調値が互いに同じである周辺画素の数である同一周辺画素の数をカウントする。そして、同一周辺画素の数が4以上であり、かつ、同一周辺画素の階調値が背景色の階調値と同じであるか否かを判定する。
S120にて、置換判定部102が、同一周辺画素の数が4以上であり、かつ、同一周辺画素の階調値が背景色の階調値と同じであると判定した場合(S120でYES)には、S112に進む。
図9(a)〜(c)及び図10(a)〜(c)は、入力画像データに対し第3のジャギー抑制処理を行うことにより、ジャギーが抑制される様子を示している。ここで、図9(a)〜(c)及び図10(a)〜(c)中、白地は白画素を示し、網掛けは黒画素を示すものとする。また、背景色は、白画素に等しいものとする。
図9(a)および図10(a)は、入力画像の例を示しており、それぞれ図3(a)および図4(a)と同様である。また、図示の例では、注目画素の走査は、上記実施例と同様である。
ジャギー抑制処理部100は、図9(a)に示される画像を入力画像として第3のジャギー抑制処理を行うと、同図(a)において文字「S」が印された画素に対して置換処理が行われ、同図(b)に示されるような画像を出力する。同図(a)および(b)を比較すると、第2のジャギー抑制処理は、図9(a)に示される画像に対して、ジャギー抑制の効果が著しいことが理解できる。これは、置換された画素が周辺画素となることにより、連続して画素が置換されることが多いからであると考えられる。
続いて、ジャギー抑制処理部100は、図9(b)に示される画像を入力画像として第3のジャギー抑制処理を行うと、何れの画素に対しても置換処理が行われず、同図(c)に示されるように、同図(b)と同様の画像を出力する。このことから、第3のジャギー抑制処理は、図9(a)に示される画像に対して繰返し行われても、ジャギー抑制の効果が見られないことが理解できる。
一方、ジャギー抑制処理部100は、図10(a)に示される画像を入力画像として第2のジャギー抑制処理を行うと、同図(a)において文字「S」が印された画素に対して置換処理が行われ、同図(b)に示されるような画像を出力する。同図(a)および(b)を比較すると、第3のジャギー抑制処理は、図10(a)に示される画像に対して、ジャギー抑制の効果があることが理解できる。
続いて、ジャギー抑制処理部100は、図10(b)に示される画像を入力画像として第3のジャギー抑制処理を行うと、何れの画素に対しても置換処理が行われず、同図(c)に示されるように、同図(b)と同様の画像を出力する。このことから、第3のジャギー抑制処理は、図10(a)に示される画像に対して繰返し行われても、ジャギー抑制の効果が見られないことが理解できる。
〔実施の形態2〕
次に、本発明の別の実施の形態について、図11ないし図14に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施の形態のジャギー抑制部は、図2に示されるジャギー抑制部100と比べて、比較部101、置換判定部102、および置換部103のそれぞれと同様に機能する比較部、置換判定部、および置換部を、置換部103の下流に新たに設ける点が異なり、その他の構成は同様である。すなわち、本実施の形態のジャギー抑制部は、ジャギー抑制処理が2回行われることになる。
〔実施例4〕
次に、本実施形態のジャギー抑制処理部が行うジャギー抑制処理の一例を図11・12に基づいて説明する。本実施例のジャギー抑制処理は、図1に示される第1のジャギー抑制処理を行った後に、図8に示される第3のジャギー抑制処理を行うものである。
図11(a)および図12(a)は、入力画像の例を示しており、それぞれ図3(a)および図4(a)と同様である。また、図示の例では、注目画素の走査は、上記実施例と同様である。
ジャギー抑制処理部100は、図11(a)に示される画像を入力画像として第1のジャギー抑制処理を行うと、同図(a)において文字「P」が印された画素に対して置換処理が行われ、同図(b)に示されるような画像を出力する。この画像は、図3(b)に示される画像と同様であり、ジャギーの抑制された画像となる。
続いて、ジャギー抑制処理部100は、図11(b)に示される画像を入力画像として第3のジャギー抑制処理を行うと、同図(b)において文字「S」が印された画素に対して置換処理が行われ、同図(c)に示されるような画像を出力する。同図(b)および(c)を比較すると、第3のジャギー抑制処理は、同図(b)に示される画像に対して、ジャギー抑制の効果があることが理解できる。
したがって、図11(a)に示される画像に対して、第1および第3のジャギー抑制処理を行うことにより、第1のジャギー抑制処理のみを行う場合に比べて、ジャギーが良好に抑制されることが理解できる。
一方、ジャギー抑制処理部100は、図12(a)に示される画像を入力画像として第1のジャギー抑制処理を行うと、同図(a)において文字「P」が印された画素に対して置換処理が行われ、同図(b)に示されるような画像を出力する。この画像は、図4(b)に示される画像と同様であり、ジャギーの抑制された画像となる。
続いて、ジャギー抑制処理部100は、図12(b)に示される画像を入力画像として第3のジャギー抑制処理を行うと、何れの画素に対しても置換処理が行われず、同図(c)に示されるように、同図(b)と同様の画像を出力する。
したがって、第1および第3のジャギー抑制処理を行うことは、画像によっては、第1のジャギー抑制処理と同様となる場合があることが理解できる。
〔実施例5〕
次に、本実施形態のジャギー抑制処理部が行うジャギー抑制処理の他の例を図13・14に基づいて説明する。本実施例のジャギー抑制処理は、図5に示される第2のジャギー抑制処理を行った後に、図8に示される第3のジャギー抑制処理を行うものである。
図13(a)および図14(a)は、入力画像の例を示しており、それぞれ図3(a)および図4(a)と同様である。また、図示の例では、注目画素の走査は、上記実施例と同様である。
ジャギー抑制処理部100は、図13(a)に示される画像を入力画像として第2のジャギー抑制処理を行うと、同図(a)において文字「Q」が印された画素に対して置換処理が行われ、同図(b)に示されるような画像を出力する。この画像は、図6(b)に示される画像と同様であり、ジャギーの抑制された画像となる。
続いて、ジャギー抑制処理部100は、図13(b)に示される画像を入力画像として第3のジャギー抑制処理を行うと、同図(b)において文字「S」が印された画素に対して置換処理が行われ、同図(c)に示されるような画像を出力する。同図(b)および(c)を比較すると、第3のジャギー抑制処理は、同図(b)に示される画像に対して、ジャギー抑制の効果があることが理解できる。
したがって、図13(a)に示される画像に対して、第2および第3のジャギー抑制処理を行うことにより、第2のジャギー抑制処理のみを行う場合に比べて、ジャギーが良好に抑制されることが理解できる。
一方、ジャギー抑制処理部100は、図14(a)に示される画像を入力画像として第2のジャギー抑制処理を行うと、同図(a)において文字「Q」が印された画素に対して置換処理が行われ、同図(b)に示されるような画像を出力する。この画像は、図7(b)に示される画像と同様であり、ジャギーの抑制された画像となる。
続いて、ジャギー抑制処理部100は、図14(b)に示される画像を入力画像として第3のジャギー抑制処理を行うと、何れの画素に対しても置換処理が行われず、同図(c)に示されるように、同図(b)と同様の画像を出力する。
したがって、第2および第3のジャギー抑制処理を行うことは、画像によっては、第2のジャギー抑制処理と同様となる場合があることが理解できる。
〔実施の形態3〕
本発明の実施の一形態について図15ないし図20に基づいて説明すれば、以下の通りである。図15に、本実施の形態の画像処理装置におけるジャギー抑制部100のブロック図を示す。本実施の形態のジャギー抑制部100は、図2に示されるジャギー抑制部100に比べて、置換部103が、ジャギー抑制のための置換処理を画像単位で一括して行う一括置換部(画素変換部)200となる点が異なり、その他の構成および処理動作は同様である。なお、上述した構成と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
一括置換部200は、置換判定部102からの判定結果に基づいて、注目画素の階調値を変換階調値に置換する。そして、一括置換部200は、置換した注目画素の階調値を、出力すべき画像データ(以下、出力画像データ)として出力する。
なお、一括置換部200は、図2に示される置換部103と異なり、置換した注目画素の階調値を比較部101に送出することはない。このため、比較部101は、入力画像データに基づく各画素の階調値を利用することになる。
〔実施例6〕
次に、本実施形態のジャギー抑制処理部100が行うジャギー抑制処理の一例を図16〜18に基づいて説明する。本実施例のジャギー抑制処理は、第1のジャギー抑制処理に対応するものであり、注目画素に対する5つ以上の周辺画素の階調値が同じである場合に、その周辺画素の階調値に注目画素の階調値を置換する置換処理を画像単位で一括して行うものである。本実施例のジャギー抑制処理を「第4のジャギー抑制処理」と称する。
図16は、第4のジャギー抑制処理工程を示すフローチャートである。なお、図1に示される第1のジャギー抑制処理工程と同様の処理工程には同じ符号を付している。図示のように、比較部101に入力画像データが入力されると、まずS100では、比較部101は、或る画素を注目画素とする。
次に、S101では、比較部101は、注目画素の周囲にある周辺画素の階調値を相互に比較する。比較部101での処理に続いて、置換判定部102が、比較部101での比較結果から得られる、階調値が互いに同じである周辺画素の数である同一周辺画素の数をカウントする。そして、同一周辺画素の数が5以上であるか否かを判定する。
S101にて、置換判定部102が、同一周辺画素の数が5以上であると判定した場合(S101でYES)には、S200に進む。S200では、置換判定部102が、図15に示す一括置換部200に対して、注目画素の階調値を、周辺画素に含まれる5つ以上の同一周辺領域が有する階調値に置き換えることを要求する置換信号を出力する。これにより、注目画素の階調値の置換えが予約される。その後、S104に進む。
一方、S101にて、置換判定部102が、同一周辺画素の数が5未満であると判定した場合(S101でNO)には、そのままS104に進む。すなわち、注目画素の階調値の置換えを行わないことになる。
上記のようにして、注目画素に対するS101・S200の処理が行われると、S104では、入力画像データに含まれる全ての画素に対して、上記S101・S200の処理が行われたか否かを判定する。S104にて、全画素に対する処理が終了していると判断されれば(S104にてYES)、S201に進む。一方、S104にて、全画素に対する処理が終了していないと判断されれば(S104にてNO)、S105にて、残りの画素の1つを注目画素とし、その後S101に戻ってS101以降の処理を行う。
S201では、一括置換部200が、上記置換信号に基づいて注目画素の階調値の置換えを行う。そして、一括置換部200は、置換えを行った注目画素の階調値を、出力画像データとして出力する。これにより、置換えが予約された画素の画素値が画素単位で一括して置換されて出力することになる。その後、ジャギー抑制処理部100における処理を終了する。
図17(a)〜(c)及び図18(a)〜(c)は、入力画像データに対し第4のジャギー抑制処理を行うことにより、ジャギーが抑制される様子を示している。ここで、図17(a)〜(c)及び図18(a)〜(c)中、白地は白画素を示し、網掛けは黒画素を示すものとする。また、図17(a)および図18(a)は、入力画像の例を示しており、それぞれ図3(a)および図4(a)と同様である。
ジャギー抑制処理部100は、図17(a)に示される画像を入力画像として第4のジャギー抑制処理を行うと、同図(a)において文字「P」が印された画素に対して一括置換処理が行われ、同図(b)に示されるような画像を出力する。同図(a)および(b)を比較すると、第4のジャギー抑制処理は、図17(a)に示される画像に対して、ジャギー抑制の効果があることが理解できる。
続いて、ジャギー抑制処理部100は、図17(b)に示される画像を入力画像として第4のジャギー抑制処理を行うと、何れの画素に対しても置換処理が行われず、同図(c)に示されるように、同図(b)と同様の画像を出力する。このことから、第4のジャギー抑制処理は、図17(a)に示される画像に対して繰返し行われても、ジャギー抑制の効果が見られないことが理解できる。
一方、ジャギー抑制処理部100は、図18(a)に示される画像を入力画像として第4のジャギー抑制処理を行うと、同図(a)において文字「P」が印された画素に対して一括置換処理が行われ、同図(b)に示されるような画像を出力する。同図(a)および(b)を比較すると、第4のジャギー抑制処理は、図18(a)に示される画像に対して、ジャギー抑制の効果が見られないことが理解できる。
続いて、ジャギー抑制処理部100は、図18(b)に示される画像を入力画像として第4のジャギー抑制処理を行うと、同図(b)において文字「P」が印された画素に対して一括置換処理が行われ、同図(c)に示されるような画像を出力する。同図(b)および(c)を比較すると、第4のジャギー抑制処理は、図18(a)に示される画像に対して、ジャギー抑制の効果が見られないことが理解できる。
したがって、第4のジャギー抑制処理を行うことは、一部の画像に対してのみジャギー抑制の効果が見られることが理解できる。
〔実施例7〕
次に、本実施形態のジャギー抑制処理部100が行うジャギー抑制処理の別の例を図19に基づいて説明する。本実施例のジャギー抑制処理は、第2のジャギー抑制処理に対応するものであり、注目画素に対する5つ以上の周辺画素の階調値が同じであり、かつその周辺画素の階調値が背景色の階調値に等しい場合に、その周辺画素の階調値、すなわち背景色の階調値に注目画素の階調値を置換する置換処理を画像単位で一括して行うものである。本実施例のジャギー抑制処理を「第5のジャギー抑制処理」と称する。
図19は、第5のジャギー抑制処理工程を示すフローチャートである。なお、図1に示される第1のジャギー抑制処理工程、図5に示される第2のジャギー抑制処理工程、および図16に示される第4のジャギー抑制処理と同様の処理工程には同じ符号を付している。図示のように、比較部101に入力画像データが入力されると、まずS110では、外部から背景色判定信号を受信することにより、背景色の階調値を取得する。次に、S100では、比較部101は、或る画素を注目画素とする。
次に、S111では、比較部101は、注目画素の周囲にある周辺画素の階調値を相互に比較する。比較部101での処理に続いて、置換判定部102が、比較部101での比較結果から得られる、階調値が互いに同じである周辺画素の数である同一周辺画素の数をカウントする。そして、同一周辺画素の数が5以上であり、かつ、同一周辺画素の階調値が背景色の階調値と同じであるか否かを判定する。
S111にて、置換判定部102が、同一周辺画素の数が5以上であり、かつ、同一周辺画素の階調値が背景色の階調値と同じであると判定した場合(S111でYES)には、S210に進む。S210では、置換判定部102が、一括置換部200に対して、注目画素の階調値を、背景色の階調値に置き換えることを要求する置換信号を出力する。これにより、注目画素の階調値の置換えが予約される。その後、S104に進む。
一方、S111にて、置換判定部102が、同一周辺画素の数が5未満であるか、或いは同一周辺画素の画素値が背景色の画素値と異なると判定した場合(S111でNO)には、そのままS104に進む。すなわち、注目画素の階調値の置換えを行わないことになる。
以下、図1に示されるS104・S105と同様の処理を行った後、S201に進む。S201では、一括置換部200が、上記置換信号に基づいて注目画素の階調値の置換えを行う。そして、一括置換部200は、置換えを行った注目画素の階調値を、出力画像データとして出力する。これにより、置換えが予約された画素の画素値が画素単位で一括して置換されて出力することになる。その後、ジャギー抑制処理部100における処理を終了する。
なお、入力画像データに対し第5のジャギー抑制処理を行うことにより、ジャギーが抑制される様子は、図6(a)〜(c)及び図7(a)〜(c)と同様であるので、その説明を省略する。
〔実施例8〕
次に、本実施形態のジャギー抑制処理部100が行うジャギー抑制処理の他の例を図20に基づいて説明する。本実施例のジャギー抑制処理は、第3のジャギー抑制処理に対応するものであり、注目画素に対する4つ以上の周辺画素の階調値が同じであり、かつその周辺画素の階調値が背景色の階調値に等しい場合に、その周辺画素の階調値、すなわち背景色の階調値に注目画素の階調値を置換する置換処理を画像単位で一括して行うものである。本実施例のジャギー抑制処理を「第6のジャギー抑制処理」と称する。
図20は、第6のジャギー抑制処理工程を示すフローチャートである。第6のジャギー抑制処理工程は、図19に示される第5のジャギー抑制処理工程と比較して、S111の代わりに、図8に示されるS120を行う点が異なり、その他の処理は同様である。同様の処理については同じ符号を付してその説明を省略する。
図21(a)〜(e)及び図22(a)〜(c)は、入力画像データに対し第6のジャギー抑制処理を行うことにより、ジャギーが抑制される様子を示している。ここで、図21(a)〜(e)及び図22(a)〜(c)中、白地は白画素を示し、網掛けは黒画素を示すものとする。また、背景色は、白画素に等しいものとする。また、図21(a)および図22(a)は、入力画像の例を示しており、それぞれ図3(a)および図4(a)と同様である。
ジャギー抑制処理部100は、図21(a)に示される画像を入力画像として第6のジャギー抑制処理を行うと、同図(a)において文字「S」が印された画素に対して置換処理が行われ、同図(b)に示されるような画像を出力する。同図(a)および(b)を比較すると、第6のジャギー抑制処理は、図21(a)に示される画像に対して、ジャギー抑制の効果があることが理解できる。
続いて、ジャギー抑制処理部100は、図21(b)に示される画像を入力画像として第6のジャギー抑制処理を行うと、同図(b)において文字「S」が印された画素に対して置換処理が行われ、同図(c)に示されるような画像を出力する。同図(b)および(c)を比較すると、第6のジャギー抑制処理は、図21(b)に示される画像に対して、ジャギー抑制の効果があることが理解できる。
続いて、ジャギー抑制処理部100は、図21(c)に示される画像を入力画像として第6のジャギー抑制処理を行うと、同図(c)において文字「S」が印された画素に対して置換処理が行われ、同図(d)に示されるような画像を出力する。同図(c)および(d)を比較すると、第6のジャギー抑制処理は、図21(c)に示される画像に対して、ジャギー抑制の効果があることが理解できる。
続いて、ジャギー抑制処理部100は、図21(d)に示される画像を入力画像として第6のジャギー抑制処理を行うと、同図(d)において文字「S」が印された画素に対して置換処理が行われ、同図(e)に示されるような画像を出力する。同図(d)および(e)を比較すると、第6のジャギー抑制処理は、図21(d)に示される画像に対して、ジャギー抑制の効果があることが理解できる。
一方、ジャギー抑制処理部100は、図22(a)に示される画像を入力画像として第2のジャギー抑制処理を行うと、同図(a)において文字「S」が印された画素に対して置換処理が行われ、同図(b)に示されるような画像を出力する。同図(a)および(b)を比較すると、第6のジャギー抑制処理は、図22(a)に示される画像に対して、ジャギー抑制の効果があることが理解できる。
続いて、ジャギー抑制処理部100は、図22(b)に示される画像を入力画像として第6のジャギー抑制処理を行うと、何れの画素に対しても置換処理が行われず、同図(c)に示されるように、同図(b)と同様の画像を出力する。
このことから、第6のジャギー抑制処理は、画像によっては、処理を繰返し行うことにより、効果が増大することが理解できる。
〔実施の形態4〕
次に、本発明の別の実施の形態について、図23〜図26に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施の形態のジャギー抑制部は、図15に示されるジャギー抑制部100と比べて、比較部101、置換判定部102、および一括置換部200のそれぞれと同様に機能する複数組の比較部、置換判定部、および一括置換部を、一括置換部200の下流に新たに設ける点が異なり、その他の構成は同様である。すなわち、本実施の形態のジャギー抑制部は、ジャギー抑制処理が複数回行われることになる。
〔実施例9〕
次に、本実施形態のジャギー抑制処理部が行うジャギー抑制処理の一例を図23・24に基づいて説明する。本実施例のジャギー抑制処理は、図16に示される第4のジャギー抑制処理を行った後に、図20に示される第6のジャギー抑制処理を行うものである。
図23(a)および図24(a)は、入力画像の例を示しており、それぞれ図3(a)および図4(a)と同様である。
ジャギー抑制処理部100は、図23(a)に示される画像を入力画像として第4のジャギー抑制処理を行うと、同図(a)において文字「P」が印された画素に対して置換処理が行われ、同図(b)に示されるような画像を出力する。この画像は、図17(b)に示される画像と同様であり、ジャギーの抑制された画像となる。
続いて、ジャギー抑制処理部100は、図23(b)に示される画像を入力画像として第6のジャギー抑制処理を行うと、同図(b)において文字「S」が印された画素に対して置換処理が行われ、同図(c)に示されるような画像を出力する。同図(b)および(c)を比較すると、第6のジャギー抑制処理は、同図(b)に示される画像に対して、ジャギー抑制の効果があることが理解できる。
したがって、図23(a)に示される画像に対して、第4および第6のジャギー抑制処理を行うことにより、第4のジャギー抑制処理のみを行う場合に比べて、ジャギーが良好に抑制されることが理解できる。
一方、ジャギー抑制処理部100は、図24(a)に示される画像を入力画像として第4のジャギー抑制処理を行うと、同図(a)において文字「P」が印された画素に対して置換処理が行われ、同図(b)に示されるような画像を出力する。この画像は、図18(b)に示される画像と同様であり、ジャギーの抑制効果が見受けられない。
続いて、ジャギー抑制処理部100は、図24(b)に示される画像を入力画像として第6のジャギー抑制処理を行うと、同図(b)において文字「S」が印された画素に対して置換処理が行われ、同図(c)に示されるような画像を出力する。同図(b)および(c)を比較すると、第6のジャギー抑制処理は、同図(b)に示される画像に対して、ジャギー抑制の効果があることが理解できる。
したがって、第4および第6のジャギー抑制処理を行うことは、第4のジャギー抑制処理のみを行う場合に比べて、ジャギー抑制の効果が増大することが理解できる。
〔実施例10〕
次に、本実施形態のジャギー抑制処理部が行うジャギー抑制処理の他の例を図25・26に基づいて説明する。本実施例のジャギー抑制処理は、図19に示される第5のジャギー抑制処理を行った後に、図20に示される第6のジャギー抑制処理を行うものである。
図25(a)および図26(a)は、入力画像の例を示しており、それぞれ図3(a)および図4(a)と同様である。また、図示の例では、注目画素の走査は、上記実施例と同様である。
ジャギー抑制処理部100は、図25(a)に示される画像を入力画像として第5のジャギー抑制処理を行うと、同図(a)において文字「Q」が印された画素に対して置換処理が行われ、同図(b)に示されるような画像を出力する。この画像は、図6(b)に示される画像と同様であり、ジャギーの抑制された画像となる。
続いて、ジャギー抑制処理部100は、図25(b)に示される画像を入力画像として第6のジャギー抑制処理を行うと、同図(b)において文字「S」が印された画素に対して置換処理が行われ、同図(c)に示されるような画像を出力する。同図(b)および(c)を比較すると、第6のジャギー抑制処理は、同図(b)に示される画像に対して、ジャギー抑制の効果があることが理解できる。
続いて、ジャギー抑制処理部100は、図25(c)に示される画像を入力画像として第6のジャギー抑制処理を行うと、同図(c)において文字「S」が印された画素に対して置換処理が行われ、同図(d)に示されるような画像を出力する。同図(c)および(d)を比較すると、第6のジャギー抑制処理は、同図(c)に示される画像に対して、ジャギー抑制の効果があることが理解できる。
続いて、ジャギー抑制処理部100は、図25(d)に示される画像を入力画像として第6のジャギー抑制処理を行うと、同図(d)において文字「S」が印された画素に対して置換処理が行われ、同図(e)に示されるような画像を出力する。同図(d)および(e)を比較すると、第6のジャギー抑制処理は、同図(d)に示される画像に対して、ジャギー抑制の効果があることが理解できる。
したがって、図25(a)に示される画像に対して、第5および第6のジャギー抑制処理を行うことにより、第5のジャギー抑制処理のみを行う場合に比べて、ジャギーが良好に抑制されることが理解できる。また、第6のジャギー抑制処理を繰り返すことによりジャギー抑制の効果が増大することが理解できる。
一方、ジャギー抑制処理部100は、図26(a)に示される画像を入力画像として第2のジャギー抑制処理を行うと、同図(a)において文字「Q」が印された画素に対して置換処理が行われ、同図(b)に示されるような画像を出力する。この画像は、図7(b)に示される画像と同様であり、ジャギーの抑制された画像となる。
続いて、ジャギー抑制処理部100は、図26(b)に示される画像を入力画像として第6のジャギー抑制処理を行うと、何れの画素に対しても置換処理が行われず、同図(c)に示されるように、同図(b)と同様の画像を出力する。
したがって、第5および第6のジャギー抑制処理を行うことは、画像によっては、第5のジャギー抑制処理と同様となる場合があることが理解できる。
〔実施の形態5〕
次に、本発明の別の実施の形態について、図27・28に基づいて説明する。ところで、上述のように、第4または第5のジャギー抑制処理を行った後に、第6のジャギー抑制処理を繰り返す場合、ジャギー抑制の効果が増大する。しかしながら、この場合、処理が増加するので、ジャギー抑制のための処理時間が増大することになる。
そこで、本実施の形態では、ジャギー抑制処理を簡易に行う場合と精度良く行う場合とで切り換える構成を有している。図27は、本実施の形態のジャギー抑制処理部100の概略構成を示している。図示のように、ジャギー抑制処理部100は、比較部101、置換判定部102、一括置換部200、切替え部(選択部)108、背景色比較部(追加画素変換部)104、背景色置換判定部(追加画素変換部)105、背景色置換部(追加画素変換部)106、および繰返し判定部(繰返し部)107を備える構成である。なお、比較部101、置換判定部102、および一括置換部200は、図15に示されるものと同様であるので、その説明を省略する。
切替え部108は、一括置換部200からの画像データを、その下流にある構成104〜107に送出するか、或いはそのまま出力画像データとして出力するかを切り換えるものである。切替え部108は、操作パネル111などのデバイスから制御部110を介して受信した指示信号に基づいて切替えを行う。
背景色比較部104は、入力画像データの注目画素及び該注目画素の周囲にある複数の周辺画素の階調値(特徴量)を相互に比較する。さらに、背景色比較部104は、外部から受信した背景色判定信号を利用して比較処理を行う。そして、背景色比較部104は、比較結果を背景色置換判定部105に送出する。
背景色置換判定部105は、背景色比較部104からの比較結果に基づいて、注目画素の階調値の変換の有無を判定する。そして、背景色置換判定部105は、判定結果を背景色置換部106に送出する。
背景色置換部106は、背景色置換判定部105からの判定結果に基づいて、注目画素の階調値を背景色の階調値に置換する。そして、背景色置換部106は、置換した注目画素の階調値を、出力画像データとして出力する。
図28は、上記構成のジャギー抑制処理部100における処理動作を示している。図示のように、ジャギー抑制処理部100は、まず、S300にて、処理モードが処理速度優先モードおよび画質優先モードの中から選択される。
処理速度優先モードを選択した場合には、切替え部108が画像データを外部に出力する側に切り替る。そして、S301にて、比較部101、置換判定部102、および一括置換部200が、第5のジャギー抑制処理を行い、ジャギー抑制処理された画像データを切替え部108を介してそのまま外部に出力し、その後処理を終了する。
一方、画質優先モードを洗濯した場合には、切替え部108が背景色比較部104の側に切り替る。そして、S302にて、比較部101、置換判定部102、および一括置換部200が、第5のジャギー抑制処理を行い、ジャギー抑制処理された画像データが切替え部108を介して背景色比較部104に入力される。続いて、S303にて、背景色比較部104、背景色置換判定部105、背景色置換部106が第6のジャギー抑制処理を行う。
続いて、S304にて、繰り返し判定部107が所定回数繰り返したか否かを判定する。所定回数繰り返していない場合には(S304にてNO)、S303に戻ってS303以降の動作を繰り返す。一方、所定回数繰り返している場合には(S304にてYES)、ジャギー抑制処理された画像データを外部に出力し、その後処理を終了する。
〔実施の形態6〕
次に、本発明の別の実施の形態について図29ないし図39に基づいて説明すれば、以下の通りである。図29に、本実施の形態の後述するカラー画像処理装置(画像処理装置)22(図38)に備えられた変倍部10のブロック図を示す。変倍部10は、図29に示すように、入力画像データを所定の倍率で変倍する変倍処理を行う。そのため、変倍部10は、分割部11、判定部(特徴量比較部)12、置換部13、補間部14、背景色判定部(背景色変換部)15、制御部16を備えている。
上記分割部11は、入力画像データの注目画素及び該注目画素の周囲にある周辺画素をあらかじめ設定された大きさに分割する。例えば、図30に示すように、注目画素Pを2×2に4等分し、分割された領域(分割領域)を注目画素分割領域(以下、注目分割領域)P1・P2・P3・P4とする。ここで、図30中、P1は左上、P2は右上、P3は左下、P4は右下となるものとする。
同様に、注目画素Pの8個の周辺画素A・B・C・D・E・F・G・Hについても、それぞれ、2×2の4つの領域に分割して、それぞれ4つの周辺画素分割領域(以下、周辺分割領域)とする。ここで、周辺分割領域A〜Hは、図30に示す注目画素Pと同様に分割されて、それぞれ、図30にて、左上がA1〜H1、右上がA2〜H2、左下がA3〜H3、右下がA4〜H4となるものとする(図31(a)〜(d))。
上記判定部12は、上記分割部11で分割された注目分割領域の任意の1つ(以下、注目領域)の周囲にある注目分割領域及び周辺分割領域(以下、両者を周辺領域と総称する)の階調値(特徴量)を相互に比較する。そして、同じ階調値を有する周辺領域(以下、同一周辺領域)の数を算出し、該同一周辺領域の数に基づいて、注目領域の階調値の変換の有無を判定する。このような判定処理を実現するために、上記判定部12は、比較部12aと、置換判定部12bとを有している。
上記比較部12aは、注目領域の周囲にある8つの周辺領域の階調値を相互に比較して、同じ階調値を有するか否かを判定し、比較結果を置換判定部12bに出力する。より具体的には、例えば、図30に示すように注目画素Pを2×2に分割した場合、図31(a)に示すように、注目領域をP2(図中、斜線にて示す領域)とすると、周辺領域は、P1・P3・P4・B3・B4・C3・E1・E3となる。ここで、上記周辺領域P1・P3・P4は、注目画素Pを分割したものであるので、互いに同じ階調値を有している。同様に、周辺領域B3・B4、及び、周辺領域E1・E3は、それぞれ周辺画素B、Eを分割したものであるので、それぞれの周辺領域は、互いに同じ階調値を有している。従って、周辺領域の階調値を相互に比較するためには、注目画素P及び周辺画素B・C・Eの階調値を相互に比較して得られる比較結果に基づいて、後述するように、周辺領域のうちの同一周辺領域の数を算出することができる。
このように、画素を単位として、各周辺領域の階調値の比較を行っているので、比較部12aでは、少ないメモリ容量で、比較処理を実行することができる。つまり、図30及び図31(a)に示すように、上記分割部11にて、注目画素及び周辺画素をそれぞれ4等分している場合、入力画像データの縦方向及び横方向にて、それぞれ、注目領域を含むラインと該注目領域に隣接するラインとの2ライン分の入力画像データを用いれば、各周辺領域の階調値の比較を行うことができる。
また、図29に示す置換判定部12bは、上記比較部12aでの比較処理にて得られた比較結果に基づいて、同一周辺領域の数をカウントする。そして、この同一周辺領域の数と、あらかじめ設定された判定条件とに基づいて、注目領域の階調値の置換の有無を判定し、判定結果を後段の置換部13に出力する。ここで、上記判定条件とは、同一周辺領域の数を閾値として用いることによって、注目領域の階調値の置換の有無を判定するための条件であり、上記閾値は、あらかじめ定められている。
従って、上記置換判定部12bでは、まず、同一周辺領域の数が所定値以上であるか、所定値未満であるかが判定される。そして、同一周辺領域の数が所定値以上である場合には、上記置換判定部12bは、同一周辺領域の階調値を注目領域の階調値に置換する(変換特徴量に変換する)判定信号を置換部13に出力する。一方、同一周辺領域の数が所定値未満である場合には、上記置換判定部12bは、注目領域の階調値の置換を行わずに、注目領域の元の階調値をそのまま保持する判定信号を置換部13に出力する。なお、以下では、説明の便宜上、判定信号のうち、注目領域の階調値を置換することを要求する判定信号を置換信号と記載し、注目領域の階調値をそのまま用いることを要求する判定信号を無置換信号と記載する。
ここで、上記判定条件の閾値を5とし、図31(a)に示す上記注目領域P2の階調値の置換の有無を判定する場合を例に挙げて具体的に説明する。この判定条件では、上記置換判定部12bは、上記比較部12aから出力された比較結果に基づいてカウントされた同一周辺領域の数が5以上であれば、注目領域P2の階調値を置換することを要求する置換信号を出力する。一方、上記比較部12aで算出された同一周辺領域の数が5未満である場合には、上記置換判定部12bは、注目領域P2の階調値をそのまま用いることを要求する無置換信号を出力する。
上記したように、図31(a)に示す注目領域P2の周辺領域は、P1・P3・P4・B3・B4・C3・E1・E3であるため、上記比較部12aは、注目画素P及び周辺画素B・C・Eの階調値を相互に比較する。そのため、上記置換判定部12bにて、5つ以上の同一周辺領域が含まれているか否かを判定するためには、比較部12aから出力された比較結果をカウントするのではなく、所定の比較結果に基づいて、注目領域P2に対する階調値の置換の有無を判定するようにしてもよい。すなわち、5つ以上の同一周辺領域が存在する場合には、(a)注目画素Pと周辺画素Bとが同じ階調値、(b)注目画素Pと周辺画素Eとが同じ階調値、(c)周辺画素B・C・Eとが同じ階調値のうちのいずれかを満たす比較結果が得られる。従って、上記(a)〜(c)のうちのいずれかの比較結果が満たされる場合には、注目領域P2の階調値を5つの同一周辺領域と同じ階調値に置換する置換信号を出力する。
これにより、注目画素P及び周辺画素B・C・Eの階調値の全てについて、相互に比較を行うことなく、注目領域P2の階調値の置換を行うか否かを判定することができる。つまり、上記(a)〜(c)のうちの少なくとも1つを満たすか、あるいは、(a)〜(c)の全てを満たさないかを判定することによって、注目領域P2の階調値の置換を行うか否かを判定することができる。この判定方法を用いれば、上記置換判定部12bでの判定処理を簡略化することができるとともに、処理速度を向上することができる。
なお、上記(a)・(b)のどちらかを満たす場合は、後述する置換部13にて、注目領域P2の階調値の置換処理が行われても、注目領域P2の階調値は変化しない。また、上記(c)を満たし、注目画素Pの階調値が周辺画素B・C・Eの階調値と同じである場合に、後述する置換部13にて、注目領域P2の階調値の置換処理を行っても、注目領域P2の階調値は変化しない。そのため、上記置換判定部12bでは、上記(a)・(b)のどちらかを満たす場合や、上記(c)を満たし、かつ、上記比較部12aでの比較処理により、注目画素Pと周辺画素B・C・Eのいずれかの階調値が同じであるとの比較結果が得られた場合には、置換部13に置換信号を出力するのではなく、無置換信号を出力するようにしてもよい。
図29に示す上記置換部13は、上記判定部12から出力される置換信号又は無置換信号(判定結果)に基づいて、注目領域の階調値を置き換える置換処理を行い、処理結果である変換データを後段の補間部14に出力する。上記した例に基づいて具体的に説明すれば、上記判定部12の置換判定部12bにて、注目領域P2の周辺領域のうち、同一周辺領域の数が5以上であると判定されて、置換信号が出力された場合には、注目領域P2の階調値を、同一周辺領域の階調値に置き換える。これに対し、注目領域P2の周辺領域のうち、同一周辺領域の数が5未満であると判定されて、無置換信号が出力された場合には、注目領域P2の階調値の置き換えを行わずに、元の階調値を保持する。
上記補間部14は、上記置換部13にて行われた置換処理の処理結果に基づいて、最近隣法を用いて、所定の倍率での変倍処理を行う。すなわち、上記置換部13にて、注目画素Pの各注目分割領域P1〜P4に対して決定された階調値に基づいて、変倍処理を行う。このとき、上記注目画素Pを所定倍率で拡大すると、拡大画像の角に位置する4つの画素の階調値は、各注目分割領域P1〜P4に対して決定された階調値の値として決定される。一方、上記拡大画像にて、角に位置する4つの画素に挟まれる画素である補間画素は、該4つの画素を用いた補間処理によって、階調値が決定される。
例えば、図32(a)に示すように、変倍部10に入力される入力画像データの1画素である画素Mの4つの領域が、斜め方向に、網掛けで示す黒画素の階調値と、白地で示す白画素の階調値とを有するとする。ここで、図32(a)は、図34中、太い実線で囲まれた3×3画素からなる入力画像データに対して、後述する図33のS1〜S7に基づく処理を施した結果の1画素を表したものである。より具体的には、画素Mのうち、図32(a)中、右上及び左下の領域が黒画素の階調値を有し、左上及び右下の領域が白画素の階調値を有しているとする。ここで、黒画素と白画素とは、互いに階調値が異なっているものとする。
この画素Mを300%に拡大して、図32(c)に示すように、ブロックM’を得た場合の、画素MとブロックM’との対応関係を図32(b)に示す。図32(b)中、m’1〜m’9は、図32(c)中、m1〜m9に対応する。ブロックM’の4つの角であるm1・m3・m7・m9の階調値は、最近隣法を用いると、画素Mの4つの領域の階調値に基づいて、m1・m9が白画素と決定され、m3・m7が黒画素と決定される。つまり、図32(b)に示すように、m’1及びm’9は白画素であるため、m1・m9が白画素と決定され、m’3及びm’7は白画素であるため、m3・m7が黒画素と決定される。
一方、m2・m4〜m6・m8は、注目分割領域の中間点となるため、上記の手順では階調値を決定することができない。つまり、図32(b)に示すように、m’2・m’4〜m’6・m’8は、白画素と黒画素との双方の領域を含んでいる。そのため、m2・m4〜m6・m8の階調値は、(i)変倍処理が行われる前の元の画素の階調値とする、(ii)注目分割領域の例えば右上に隣接する領域の階調値とする、(iii)あらかじめ設定した階調値とする、等の手法によって決定する。
なお、上記(ii)の手法を用いた場合、例えば、図32(b)に示すm’2,m’4,m’5,m’6,m’8の右上に隣接する領域は、それぞれP2,P1,P2,P2,P4となる。従って、m2・m4・m5・m6・m8に対しては、それぞれP2,P1,P2,P2,P4の階調値を用いる。上記では、右上に隣接する領域の階調値を用いたが、注目分割領域の右下や左上、左下、あるいは、左右上下のいずれかに隣接する領域であってもよい。
あるいは、上記(i)の手法を用いた場合、例えば、補間画素m2・m4〜m6・m8の階調値を、元の画素であるMの階調値をそのまま使用するように設定しておけば、上記補間部14は、m2・m4〜m6・m8を黒画素と設定する。これにより、図32(c)に示すように、ブロックM’のm1及びm9は白画素となり、その他の画素は黒画素となる。
上記背景色判定部15は、補間部14にて補間処理が施された拡大画像等の画像である補間処理画像(補間画像データ)の注目画素(以下、補間注目画素)の周囲にある8つの周辺画素(以下、補間周辺画素)のそれぞれの階調値と、変倍部10に入力される入力画像データに対して判別された背景色(下地)の階調値である背景色判別信号とを比較する。そして、背景色と同じ階調値を有する補間周辺画素(以下、背景色画素)の数を算出し、該背景色画素の数に基づいて、補間注目画素を、背景色の階調値に変換するか否かを判定する。これにより、入力画像データの変倍処理を行って得られる補間処理画像の階調性を滑らかにするスムージングの効果を得ることができる。
このような判定処理を実現するために、上記背景色判定部15は、図30に示すように、背景色比較部15aと、背景色置換判定部15bと、背景色置換部15cとを備えている。上記背景色比較部15aは、8つの補間周辺画素の階調値と、背景色判別信号として入力される階調値とを比較して、同じ階調値を有するか否かを判定し、比較結果を背景色置換判定部15bに出力する。
また、上記背景色置換判定部15bは、上記背景色比較部15aでの比較処理にて得られた比較結果に基づいて、背景色画素の数をカウントする。そして、この背景色画素の数と、あらかじめ設定された背景色判定条件とに基づいて、補間注目画素の背景色への置換の有無を判定し、判定結果を後段の背景色置換部15cに出力する。ここで、上記背景色判定条件とは、補間周辺画素のうちの背景色画素の数を閾値として用いることによって、注目領域を背景色とするか否かを判定するための条件であり、上記閾値はあらかじめ定められている。
従って、上記背景色置換判定部15bでは、まず、補間周辺画素のうちの背景色画素の数が所定値以上であるか、所定値未満であるかが判定される。そして、背景色画素の数が所定値以上である場合には、上記背景色置換判定部15bは、背景色の階調値を、補間注目画素の階調値に置換する判定信号を背景色置換部15cに出力する。一方、背景色画素の数が所定値未満である場合には、上記背景色置換判定部15bは、補間注目画素の背景色への置換を行わずに、補間注目画素の元の階調値をそのまま保持する判定信号を背景色置換部15cに出力する。なお、以下では、説明の便宜上、判定信号のうち、補間注目画素を背景色の階調値に置換することを要求する判定信号を背景色置換信号と記載し、補間注目画素の階調値をそのまま用いることを要求する判定信号を背景色無置換信号と記載する。
上記背景色置換部15cは、上記背景色置換判定部15bから出力される背景色置換信号又は背景色無置換信号(判定結果)に基づいて、注目領域の階調値を背景色に置き換える置換処理を行う。
上記制御部16は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、あらかじめ設定された処理内容で、変倍部10での処理が行われるように、変倍部10内の各部の動作を制御する。具体的には、例えば、上記分割部11、判定部12、置換部13、補間部14にて行われる同一画素領域の分布を判定する分布判定処理を伴う補間処理を行う、又は、該補間処理と、上記背景色判定部15にて行われる背景色判定処理との双方を行うといった処理内容に基づく動作制御を行う。また、あらかじめ設定された判定条件や背景色判定条件に応じて、上記判定部12の置換判定部12bや、背景色判定部15の背景色置換判定部15bの動作制御を行う。なお、制御部16にて制御される変倍部10の上記処理内容や判定条件等は、あらかじめ定められていてもよく、あるいは、ユーザが、操作パネルやマウス、キーボード等の入力手段を介して設定するようにしてもよい。
次に、上記構成の変倍部10にて、入力画像データの変倍処理を行う画像処理方法について、図33に基づいて、詳細に説明する。図33は、変倍部10にて、入力画像データの変倍処理工程を示すフローチャートである。以下では、図34に示す画像のうち、太い実線で囲んだ領域にある3×3画素で表される入力画像データの変倍処理を行う場合を例に挙げて詳細に説明する。上記入力画像データは、図中、網掛けで示すように、斜め方向に同じ階調値を有する画素が配置され、これらの画素以外の白地で示す画素の階調値が全て同じ階調値となっている。また、説明の便宜上、網掛けにて示す画素を黒画素と記載し、白地で示す画素を白画素と記載し、黒画素と白画素とからなる2値化画像を例に挙げて説明する。
図29に示す変倍部10に入力画像データが入力されると、図33に示すS1では、まず、後述するカラー画像処理装置22の入力階調補正部3(図38)等で行われた背景色の判別基準を表す背景色判別信号を獲得する。続いて、S2〜S8にて、同一画素領域の階調値の分布を判定する分布判定処理を伴う補間処理を用いて、入力画像データの拡大処理を行う。具体的には、S2にて、図29に示す分割部11にて、入力画像データの各画素である注目画素及び周辺画素を所定の大きさに分割する。ここでは、例として、図34中、太い実線で囲まれた3×3画素からなる入力画像データの各画素のうち、図30に示すように、注目画素をP、周辺画素をA〜Hとし、これらの各画素をそれぞれ2×2の4つの領域に分割する。なお、図30中、注目画素P及び周辺画素C・Fが、図34中の網掛けで示す黒画素に相当する。
S3では、注目画素Pを分割して形成された4つの注目分割領域P1〜P4の任意の1つを注目領域とする。すなわち、図31(a)に示すように、P2を注目領域とする。そして、図29に示す判定部12の比較部12aは、この注目領域P2の周囲にある周辺領域P1・P3・P4・B3・B4・C3・E1・E3の階調値を相互に比較する。比較部12aでの比較に際しては、上記したように、各周辺領域をそれぞれ比較するようにしてもよいが、注目画素P及び周辺画素B・C・Eの階調値を相互に比較すれば、処理量を低減することができる。
上記S3では、比較部12aでの処理に続いて、置換判定部12bが、比較部12aでの比較結果から得られる、階調値が互いに同じである周辺領域の数である同一周辺領域の数をカウントする。そして、同一周辺領域の数が、あらかじめ設定されている判定条件における同一周辺領域の数以上であるか否かを判定する。このS3では、判定条件として、同一周辺領域の数が5以上であるか否かを判定するものとする。
なお、置換判定部12bは、同一周辺領域の数が5以上か否かを判定する場合には、注目画素P及び周辺画素B・C・Eの階調値を相互に、全て比較しなくてもよい。つまり、上記したように、注目領域P2の周辺領域に5つ以上の同一周辺領域が含まれている場合には、(a)注目画素Pと周辺画素Bとが同じ階調値、(b)注目画素Pと周辺画素Eとが同じ階調値、(c)周辺画素B・C・Eとが同じ階調値のうちのいずれかを満たす比較結果が得られる。従って、置換判定部12bは、上記(a)〜(c)のうちの少なくとも1つを満たすか、あるいは、(a)〜(c)の全てを満たさないかを判定することによって、同一周辺領域の数が5以上か否かを判定することができる。
S3にて、置換判定部12bが、同一周辺領域の数が5以上であると判定した場合(S3でYES)には、S4に進む。S4では、置換判定部12bが図29に示す置換部13に対して、注目領域P2の階調値を、周辺領域に含まれる5つ以上の同一周辺領域が有する階調値に置き換えることを要求する置換信号を出力する。この置換信号に基づいて、置換部13は、注目領域P2の階調値の置換を行って、処理結果を図29に示す補間部14に出力する。
これに対し、S3にて、置換判定部12bが、同一周辺領域の数が5未満であると判定した場合(S3でNO)には、S5に進む。S5では、置換判定部12bが置換部13に対して、注目領域P2の階調値をそのまま用いることを要求する無置換信号を出力する。そのため、置換部13は、注目領域P2の階調値の置き換えを行うことなく、注目領域P2の階調値をそのまま補間部14に出力する処理を行う。
S4及びS5にてそれぞれ所定の処理が行われると、S6では、注目画素Pに含まれる全注目分割領域P1〜P4に対して、S3〜S5の処理がなされたか否かを判定する。そして、全注目分割領域P1〜P4に対して、処理がなされていると判断されれば(S6にてYES)、S7に進む。
一方、注目分割領域P1〜P4のうち、未処理の注目分割領域が存在すると判断されれば(S6にてNO)、S3に戻ってS3以降の動作を行う。すなわち、図31(b)〜(d)に示すように、P1・P3・P4を注目領域(図中、斜線で示す領域)とした場合についても、上記と同様に、周辺領域における同一周辺領域の数の算出結果に基づいて、置換部13にて、各注目領域P1・P3・P4の階調値に対する処理を行う。
ここで、図34に示す入力画像データの黒画素と白画素とを用いて、上記S3〜S6までの処理を、図31(a)〜(d)及び図35(a)〜(d)に基づいて、より具体的に説明する。なお、図31(a)〜(d)は、それぞれ図35(a)〜(d)に対応している。ここで、図31(a)〜(d)には、注目領域に対する周辺領域を具体的に示し、図35(a)〜(d)には、図34に示す黒画素及び白画素を示すとともに、注目画素Pについては、各注目分割領域のS4又はS5での処理結果を示している。
上記S2にて、注目画素及び周辺画素がそれぞれ4つの領域に分割された後、S3にて、まず、図31(a)に示すように、P2を注目領域(図中、斜線)とする。この場合、図31(a)及び図35(a)に示すように、注目領域P2と周辺領域P1・P3・P4・C3とが黒画素の階調値を有しており、周辺領域B3・B4・E1・E3が白画素の階調値を有している。そのため、注目領域P2の周辺領域のうち、同一周辺領域は4つであるため、注目領域P2の階調値は変更されない(S5)。従って、図35(a)に示すように、注目領域P2は、黒画素の階調値を有することとなる(図中、網掛け)。
また、図31(b)に示すように、P1を注目領域(図中、斜線)とする。この場合、図31(b)及び図35(b)に示すように、注目領域P1と周辺領域P2〜P4とが黒画素の階調値を有しており、周辺領域A4・B3・B4・D2・D4が白画素の階調値を有している。そのため、注目領域P2の周辺領域のうち、5つ以上の同一周辺領域(白画素の階調値を有する周辺領域)が存在するため、注目領域P2の階調値の置き換えが行われる(S4)。従って、図35(b)に示すように、注目領域P1は、白画素の階調値を有することとなる(図中、白地)。
さらに、図31(c)に示すように、P3を注目領域(図中、斜線)とする。この場合、図31(c)及び図35(c)に示すように、注目領域P3と周辺領域P1・P2・P4・F2とが黒画素の階調値を有しており、周辺領域D2・D4・G1・G2が白画素の階調値を有している。そのため、注目領域P3の周辺領域のうち、同一周辺領域は4つであるため、注目領域P3の階調値は変更されない(S5)。従って、図35(c)に示すように、注目領域P3は、黒画素の階調値を有することとなる(図中、網掛け)。
また、図31(d)に示すように、P4を注目領域(図中、斜線)とする。この場合、図31(d)及び図35(d)に示すように、注目領域P4と周辺領域P1〜P3とが黒画素の階調値を有しており、周辺領域E1・E3・G1・G2・H1が白画素の階調値を有している。そのため、注目領域P4の周辺領域のうち、5つ以上の同一周辺領域(白画素の階調値を有する周辺領域)が存在するため、注目領域P4の階調値の置き換えが行われる(S4)。従って、図35(d)に示すように、注目領域P1は、白画素の階調値を有することとなる(図中、白地)。
上記のようにして、注目画素P内の全注目分割領域P1〜P4に対するS3〜S5の処理が行われると、S7では、入力画像データに含まれる全ての画素に対して、上記S2〜S6の処理が行われたか否かを判定する。S7にて、全画素に対する処理が終了していると判断されれば(S7にてYES)、S8に進み、終了していないと判断されれば(S7にてNO)、S2に戻ってS2以降の処理を行う。
図34に示す入力画像データに対して、S7までの処理を行った結果を図36に示す。図36中、実線は、図30に示す注目画素P及び周辺画素A〜Hを示し、破線は、各画素を分割した注目分割領域・周辺分割領域を示す。図36に示すように、黒画素であった注目画素P及び周辺画素C・Fはいずれも、図中、右上と左下とに位置する注目分割領域(P2・P3)・周辺分割領域(C2・C3・F2・F3)が黒画素の階調値を有し、左上と右下とに位置する注目分割領域(P1・P4)・周辺分割領域(C1・C4・F1・F4)が白画素の階調値を有している。つまり、上記S2〜S7までの処理を行うと、図34に示す入力画像データは、図36に示す階調値分布を有するデータ(以下、変換データ)に変換される。
なお、入力画像データの端部ラインに位置する画素に対するS2〜S7の処理は、該端部の画素の周囲に周辺画素が形成されるように、入力画像データの端部に仮想的なラインを挿入して行えばよい。仮想的なラインは、入力画像データの端部ラインと同じデータを有するラインとしてもよく、あるいは、規定値を有するデータのラインとしてもよい。仮想的なラインの挿入の制御は、図29に示す制御部16で行えばよい。
このようにして、S7までの処理が終了すると、S8では、上記変換データに基づいて、最近隣法を用いて、入力画像データの補間処理を行う。例えば、入力画像データを300%に拡大するために、図36に示す変換データを用いて拡大処理を行った場合、該変換データにて、黒画素及び白画素のそれぞれの階調値が混在する画素は、図32(c)に示すように、拡大される。図32(c)は、図36に示す変換データの1画素を300%に拡大したものである。ここで、図32(c)中、4つの角に位置する画素m1・m3・m7・m9は、いずれも、図36に示す変換データの各注目分割領域・周辺分割領域の階調値に基づいて、白画素又は黒画素の階調値となる。すなわち、注目画素Pを拡大して図32(c)に示すブロックM’を得た場合、ブロックM’の画素m3・m7は、注目分割領域P2・P3の階調値に基づいて黒画素の階調値となる。また、ブロックM’の画素m1・m9は、注目分割領域P1・P4の階調値に基づいて白画素の階調値となる。
一方、ブロックM’の画素m2・m4〜m6・m8は、注目分割領域の中間に対応するため、上記した手順では、階調値が決定されない。そのため、これらの画素m2・m4〜m6・m8の階調値は、上記した(i)〜(iii)等の手法によって決定する。本実施の形態では、上記(i)の手法を用いて、画素m2・m4〜m6・m8の階調値を、元の画素の階調値と同じ値になるようにしている。従って、画素m2・m4〜m6・m8の階調値を、注目画素Pの階調値である黒画素の階調値となる。
同様の補間処理を周辺画素A〜Hに対して行うと、図36に示す入力画像データが300倍に拡大されて、図37に示す補間処理画像が得られる。図37に示す補間処理画像は、図30に示す注目画素P及び周辺画素A〜Hが、それぞれ、ブロックP’、A’〜H’に拡大されてなる。
すなわち、図37に示すブロックC’・F’・P’は、いずれも、図32(c)に示すブロックM’にて、画素m1・m9が白画素となり、m2〜m8が黒画素となるように、補間処理が施されて拡大される。一方、ブロックA’・B’・D’・E’・G’・H’は、図32(c)に示すブロックM’にて、全ての画素m1〜m9が全て白画素となるように、補間処理が施されて拡大される。
これに対し、上記S2〜S7の処理を行うことなく、図34に示す入力画像データを最近隣法によって補間して300%に拡大した場合、図39に示す補間処理画像が得られる。図37及び図39に示す補間処理画像を比較すると、上記S2〜S7の処理を行った図37に示す補間処理画像の方が、斜め方向におけるジャギーが抑制されることがわかる。従って、上記S2〜S8にて説明したように、入力画像データの各画素を分割して、注目領域及び該注目領域の周囲に存在する周辺領域を形成して、該注目領域の置換処理を行い、置換処理された注目領域の階調値を用いて補間処理を行うことによって、拡大画像におけるジャギーを抑制することができる。
上記S2〜S8の処理を行うことによって補間処理された補間処理画像を出力画像データとして用いてもよいが、さらに、図33に示すS9〜S12の処理を行って、補間処理画像の階調性を滑らかにしてもよい。S9〜S12では、補間処理画像の各画素の階調値を背景色の階調値と比較する背景色判定処理が行われる。
すなわち、S9では、図29に示す背景色判定部15の背景色比較部15aが、補間処理画像における注目画素である補間注目画素の周囲にある補間周辺画素の階調値と、入力された背景色判別信号に基づく背景色の階調値とを比較する。そして、背景色置換判定部15bは、背景色比較部15aでの比較結果から得られる、背景色と同じ階調値を有する補間周辺画素の数である背景色画素の数をカウントする。そして、カウントされた背景色画素の数が、あらかじめ設定されている背景色判定条件における背景色画素の数以上であるか否かを判定する。このS9では、背景色判定条件として、背景色画素の数が4以上であるか否かを判定するものとする。
S9にて、背景色置換判定部15bが、4以上の背景色画素の数が存在すると判定した場合(S9でYES)には、S10に進む。S10では、背景色置換判定部15bが図29に示す背景色置換部15cに対して、背景色画素の階調値を背景色の階調値に置き換えることを要求する背景色置換信号を出力する。この背景色置換信号に基づいて、背景色置換部15cは、補間注目画素の階調値の置換を行って、出力画像データとする。
これに対し、S9にて、背景色置換判定部15bが、背景色画素の数は4未満であると判定した場合(S9でNO)には、S11に進む。S11では、背景色置換判定部15bが背景色置換部15cに対して、補間注目画素の階調値をそのまま用いることを要求する背景色無置換信号を出力する。そのため、背景色置換部15cは、補間注目画素の階調値の置き換えを行うことなく、補間注目画素の階調値を出力画像データとして出力する。
S10及びS11にてそれぞれ所定の処理が行われると、S12では、補間処理画像に含まれる全ての画素に対して、S9〜S11の処理がなされたか否かを判定する。そして、全ての画素に対して、処理がなされていると判断されれば(S12にてYES)、変倍部10における処理を終了し、処理がなされていないと判断されれば(S12にてNO)、S9に戻り、S9以降の処理を行う。このようにして、補間処理画像に対して、背景色判定処理を施して、出力画像データを得てもよい。
なお、補間処理画像の端部に位置する画素に対するS9〜S12の処理は、該端部の画素の周囲に補間周辺画素が形成されるように、補間処理画像の端部に仮想的なラインを挿入して行えばよい。仮想的なラインは、補間周辺画素の端部ラインと同じデータを有するラインとしてもよく、あるいは、規定値を有するデータのラインとしてもよい。仮想的なラインの挿入の制御は、図29に示す制御部16で行えばよい。
上記では、図33に示すS1〜S12の処理として、入力画像データの拡大処理を例に挙げて説明したが、入力画像データの変倍処理を行わずに、入力画像データと同じ倍率の出力画像データを得る場合にも、ジャギーを抑制することができる。すなわち、変倍処理を伴わない場合には、S2にて、画素の分割を行わずに、S3〜S7の処理を注目画素と周辺画素とを用いて行ってもよい。つまり、S3〜S5では、注目画素に対する周辺画素のうち、同一の階調値を有する周辺画素数に応じて、注目画素の階調値の置換の有無を判定するようにしてもよい。このように処理を行うことにより、例えば、図3(a)に示す入力画像データが、図3(b)に示す出力画像データとして得られる。あるいは、図4(a)に示す入力画像データが、図4(b)に示す補間処理画像として得られる。
また、図3(b)にて得られた補間処理画像に対して、背景色が白画素と同じ階調値を有する場合には、さらに、図33に示すS9〜S12の処理を施せば、図11(c)に示すように、斜線部分のジャギーがさらに抑制されてスムージング化された出力画像データを得ることができる。
なお、上記の説明では、図33に示すS9にて、背景色の階調値と補間周辺画素の階調値とを比較しているが、これに限定されるものではない。すなわち、入力画像データの背景色は白であることが多いため、白の階調値と補間周辺画素の階調値とを比較するようにしてもよく、あるいは、あらかじめ設定された階調値を用いて、S9〜S12の処理を行ってもよい。
また、上記の説明では、白画素と黒画素とを用いた2値化画像に対する変倍処理を例に挙げて説明したが、例えば256階調で表される階調値(濃度値)を有する多値化画像や、パレット番号を有するインデックスカラーで表されるインデックスカラー画像に対しても、上記と同様の変倍処理を行うことができる。すなわち、上記白画素及び黒画素の2つの階調値に代えて、256の階調値又はパレット番号を用いて、上記と同様の処理を行えばよい。特に、バイリニア法やバイキュービック法を用いて、インデックスカラー画像の拡大処理を行うと、補間画素の色をパレットに追加しなければならない。そのため、十分なパレット領域が備えられていない場合には、バイリニア法やバイキュービック法による拡大処理を実現することが困難となる。しかしながら、本実施の形態で説明した際近隣法を利用して補間処理を行えば、十分なパレット領域が備えられていない場合にも、インデックスカラー画像の拡大処理を好適に行うことができる。
さらに、上記の説明では、入力画像データの注目画素及び周辺画素を4つに分割する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、注目画素及び周辺画素を3×3の9つの分割領域に分割して、上記の処理を行ってもよい。各画素を9つに分割した場合には、図37に示すブロックA’〜H’を画素とみなして、図33に示すS3〜S7の処理を行えばよい。
このように、上記変倍部10では、各画素の特徴量である階調値を置き換えて、補間処理を行っているので、色数が増加することはない。従って、インデックスカラー(例えば、GIF(Graphic Interchange Format))で表された画像データに対しても、上記変倍部10で行われる処理は有用である。
また、後述するカラー画像処理装置22に備えられる領域分離処理部4で行われた文字領域、網点領域、写真領域を表す領域識別信号に基づいて、文字領域、網点領域、及び写真領域のそれぞれに含まれる画素に対して、上記した処理を行ってもよい。
次に、上記にて説明した変倍部10が適用されたカラー画像処理装置22を備えるカラーデジタル複写機(画像形成装置)20について、図38に基づいて説明する。図38は、上記カラーデジタル複写機20のブロック図である。カラーデジタル複写機20は、図38に示すように、カラー画像入力装置21と、カラー画像処理装置22と、カラー画像出力装置23と、操作パネル24とを備えている。上記カラー画像処理装置22には、カラー画像入力装置とカラー画像出力装置とが接続され、上記操作パネル24は、カラー画像入力装置21、カラー画像処理装置22、カラー画像出力装置23に接続されている。なお、カラーデジタル複写機20の動作は、図示しないCPU(Central Processing Unit)によって制御されている。
上記カラー画像入力装置21は、原稿の画像を読み取る画像読取手段であり、例えば、CCD(Charge Coupled Device )を備えたスキャナ部より構成される。カラー画像入力装置21は、原稿からの反射光像を、RGB(R:赤・G:緑・B:青)のアナログ信号としてCCDにて読み取って、カラー画像処理装置22に入力する。
上記カラー画像処理装置22は、詳細は後述するが、カラー画像処理装置22にて読み取られたアナログ信号を元に、所定の画像処理を行って、CMYK(C:シアン,M:マゼンタ,Y:イエロー,K:黒)のデジタルカラー信号をカラー画像出力装置23に出力する。
上記カラー画像出力装置23は、上記カラー画像処理装置22にて画像処理が施された画像データを、紙等の記録媒体上に出力する。上記カラー画像出力装置23としては、例えば、電子写真方式やインクジェット方式を用いたカラー画像出力装置等を挙げることができる。
上記操作パネル24は、カラーデジタル複写機20の動作モードを設定する設定ボタンやテンキー等の入力部や、設定内容等を表示する液晶ディスプレイ等の表示部等を備えている。
次に、上記カラー画像処理装置22について詳細に説明する。カラー画像処理装置22は、図38に示すように、A/D(アナログ/デジタル)変換部1、シェーディング補正部2、入力階調補正部3、領域分離処理部4、色補正部5、黒生成下色除去部6、変倍部10、空間フィルタ処理部7、出力階調補正部8、階調再現処理部9を備えている。
A/D変換部1は、RGBのアナログ信号をデジタル信号に変換する。シェーディング補正部2は、A/D変換部1より送られてきたRGBのデジタル信号に対して、カラー画像入力装置21の照明系、結像系、撮像系で生じる各種の歪みを取り除く処理を施す。
入力階調補正部3は、シェーディング補正部2にて各種の歪みが取り除かれたRGB信号(RGBの反射率信号)に対して、カラーバランスを整えるとともに、濃度信号などカラー画像処理装置22に採用されている画像処理システムにて扱い易い信号に変換する処理を施す。また、上記入力階調補正部3は、カラー画像入力装置21で読み取られた原稿(以下、入力データ)の背景色(下地)と判断される濃度値を決定し、上記原稿の背景色を有する画素を検出する。なお、背景色と判断される濃度値に基づいて設定される背景色の判別基準は、背景色判別信号として、変倍部10に出力される。
上記入力階調補正部3は、例えば、特開2000−354167号公報に開示されている手法によって、入力データ中の背景色を有する画素を検出する。すなわち、例えば、入力データのG信号を補色反転したM信号を抽出する。そして、256階調で表されるM信号の濃度ヒストグラムを作成する。ここで、ハードウェアの簡略化のために、濃度ヒストグラムは、255で濃度区分として作成するのではなく、16の濃度区分で作成する。このようにして作成された濃度ヒストグラムを用いて、入力データ中の背景色を判定する。
上記背景色を判定するためには、背景色と判断される濃度値の最大値をあらかじめ閾値(以下、第1の閾値)として設定し、また、背景色と判断される画素数をあらかじめ閾値(以下、第2の閾値)として設定しておく。これらの閾値を用いて、上記濃度区分を判定すると、上記第1の閾値以下であり、かつ第2の閾値以上の濃度区分に含まれる画素が背景色と考えられる。続いて、この背景色と考えられた濃度区分のうち、最も背景色としてふさわしい濃度区分を選択する。すなわち、背景色と考えられる上記濃度区分のうち、最も第1の閾値に近い濃度区分を背景色として検出する。
このようにして検出された濃度区分に基づいて、該濃度区分に属する画素について、色成分毎に濃度ヒストグラムを作成する。そして、該濃度ヒストグラムのうち、最大値(ピーク)となる濃度を求め、該濃度を背景色と判定するための基準とする。
なお、通常、入力データの背景と判断される画素の濃度値には、ばらつきが存在する。そのため、例えば、256階調で表される入力データに対しては、基準となる濃度に対して、例えば±4程度の階調値の幅を与えて、該範囲内の階調値を基準として、背景色の判定を行うように背景色判定信号を生成するとよい。
また、上記領域分離処理部4は、入力階調補正部3が出力したRGB信号に基づいて、入力データ中の画像領域を、文字領域、網点領域、写真領域のいずれかに分離する。そして、この分離結果に基づき、各画像領域が、上記の文字領域、網点領域、写真領域のうちのいずれの領域に属しているかを示す領域識別信号を生成する。該領域識別信号は、後段の黒生成下色除去部6、空間フィルタ処理部7、階調再現処理部9へと出力される。また、上記領域分離処理部4は、入力階調補正部3が出力したRGB信号をそのまま後段の色補正部5に出力する。
なお、上記領域分離処理部4では、画像領域を3つの領域に分離しているが、これに限定されず、例えば、入力データ中の画像領域を、文字領域及び網点領域、あるいは、文字領域及び写真領域に分離してもよい。また、分離する領域として、上記文字領域、網点領域、写真領域に加えて、画像データににじみが見られるにじみ領域に分離するようにしてもよい。
上記領域分離処理部4にて行われる、入力データを文字領域、網点領域、写真領域のいずれかの領域に分類するためには、例えば、文献(「第121回研究会予稿 画像電子学会研究会予稿90−06−04」、画像電子学会発行、19頁、1991年3月22日発行)に記載されている手法を用いればよい。
すなわち、注目画素を中心としたx×y(x、yは自然数)の画素のブロックZ内で、以下の判定を行い、その結果を注目画素の領域識別信号とする。まず、ブロックZ内の中央の9画素に対して、画像信号の信号レベルの平均値Daveを求め、該平均値Daveを用いてブロックZ内の全画素を2値化して、2値化データを作成する。すなわち、平均値Daveと、各画素の信号レベルとを比較して、平均値Dave以上の信号レベルを有する画素と、平均値Dave未満の信号レベルを有する画素に分類する。また、このとき、ブロックZ内にて最大の信号レベルを有する画素の信号レベルを、最大画素信号レベルDmaxとして求め、ブロックZ内にて最小の信号レベルを有する画素の信号レベルを、最小画素信号レベルDminとして求める。
次に、ブロックZ内における各画素が網点領域であるか、非網点領域であるかの判定を行う。一般に、網点領域は、小さい領域における画像信号の変動が大きいことや、背景に比べて濃度が高いので、この性質を利用して網点領域の識別を行う。具体的には、2値化データに対して、主走査方向及び副走査方向でそれぞれ、0から1へとの変化する点の数、1から0への変化する点の数を求めて、それぞれKh、Kvとする。このKh及びKvの値を、あらかじめ設定されている閾値Th、Tvと比較して、両者がともに閾値を上回った場合には、ブロックZを網点領域とする。また、網点領域を背景と判定する誤判定を防ぐために、上記Dave、Dmax、Dminを、あらかじめ設定された閾値B1、B2と比較する。その結果、Dmax−Dave>B1であり、かつ、Dmax−Dmin>B2であり、かつ、Kh>Thであり、かつKv>Tvである条件を満たす場合には、判定しているブロックを網点領域とし、該条件を満たさない場合には、非網点領域と判定する。
続いて、上記の判定によって非網点領域と判定されたブロックが、文字領域であるか、写真領域であるかの判定を行う。一般に、文字領域は、最大信号レベルと最小信号レベルの差が大きく、濃度も高い。そのため、文字領域の識別は、以下のように行う。すなわち、先に求めていた最大信号レベルと最小信号レベルとの差分Dsubを、あらかじめ設定されている閾値Pa、Pb、Pcと比較する。この比較により、Dmax>Pa、Dmin<Pb、Dsub>Pcのうちのいずれかの条件を満たす場合には、判定しているブロックを文字領域と判定し、上記条件をすべて満たさない場合には、写真領域と判定する。
また、上記色補正部5は、入力データの色を忠実に再現するために、不要吸収成分を含むCMY色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理を行う。
上記黒生成下色除去部6は、色補正後のCMYの3色信号から黒(K)信号を生成する黒生成、入力データのCMY信号から黒生成で得たK信号を差し引いて新たなCMY信号を生成する処理を行う。この黒生成下色除去部6における処理によって、CMYの3色信号はCMYKの4色信号に変換される。
黒生成処理の一般的な手法として、スケルトンブラックによる黒生成を行う方法がある。この方法では、スケルトンカーブの入出力特性をy=f(x)、入力データの信号レベルをC,M,Y、出力されるデータの信号レベルをC',M',Y',K'、UCR(Under Color Removal)率をα(0<α<1)とすると、黒生成下色除去処理を以下の4式
K'=f{min(C,M,Y)}
C'=C−αK'
M'=M−αK'
Y'=Y−αK'
で表わすことができる。
上記空間フィルタ処理部7は、上記黒生成下色除去部6から出力されたCMYK信号の画像データに対して、領域分離処理部4で生成された領域識別信号を元にデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行う。上記空間フィルタ処理部7は、空間周波数特性を補正することによって出力画像のぼやけや粒状性劣化を防ぐように処理する。また、階調再現処理部9も、空間フィルタ処理部7と同様に、CMYK信号の画像データに対して、領域識別信号を基に所定の処理を施す。
すなわち、例えば、領域分離処理部4にて文字領域に分離された領域は、特に黒文字あるいは色文字の再現性を高めるために、空間フィルタ処理部7では、空間フィルタ処理における鮮鋭強調処理によって、高周波数の強調量が大きくなる。また、階調再現処理部9では、高域周波数の再現に適した高解像度のスクリーンでの二値化処理又は多値化処理が選択される。
また、領域分離処理部4にて網点領域に分離された領域は、空間フィルタ処理部7にて、入力データの網点成分を除去するためのローパス・フィルタ処理が施される。そして、出力階調補正部8では、濃度信号等をカラー画像出力装置23の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理を行う。その後、階調再現処理部9にて、最終的に画像データを画素に分離して、各画素の階調を再現できるように処理する階調再現処理(中間調生成)が施される。領域分離処理部4にて写真領域に分離された領域は、階調再現性を重視したスクリーンでの二値化処理又は多値化処理が行われる。
以上のように、カラー画像処理装置22にて、所定の画像処理が施された画像データは、一旦、図示しない記憶手段に記憶され、所定のタイミングで読み出されてカラー画像出力装置23に入力される。
最後に、カラー画像処理装置22の各部、特に変倍部10およびジャギー抑制処理部100は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、カラー画像処理装置22は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit )、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)等を備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるカラー画像処理装置22の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記カラー画像処理装置22に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、カラー画像処理装置22を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された搬送波あるいはデータ信号列の形態でも実現され得る。