JP4271644B2 - 画像処理装置,画像処理方法,画像処理プログラムおよび画像処理プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

画像処理装置,画像処理方法,画像処理プログラムおよび画像処理プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、複数の色成分よりなる1次画像データを、黒成分を含む2次画像データに変換する画像処理装置に関するものである。
近年、OA機器のデジタル化が急速に進展し、デジタルカメラやスキャナー,パソコンによってデジタルのカラー画像データが頻繁に生成されている。従って、このような画像データを印刷するための印刷装置(出力機器;デジタルカラー複写機やデジタルカラープリンターなど)が、広く一般に普及してきている。
このような印刷装置の印刷方式は様々である(電子写真方式,インクジェット方式,熱転写方式等がある)が、どの方式においても、色再現性の安定した画像を印刷(出力)することが必要である。このため、デジタル画像処理技術、特に色変換(色補正)処理が重要となる。
ここで、色変換処理とは、画像データにおいて使用されている色信号(例えばR(赤),G(緑),B(青))を、印刷装置に適合した色信号(例えばC(シアン),M(マゼンタ),Y(黄))に変換する処理を意味する。
また、印刷装置では、CMYの色材(トナーやインクなど)だけでなく、K(黒)の色材を用いることもある。これは、Kの色材を使うことで、CMYの色材の使用量を削減でき、また、グレーの再現性を向上させられるからである。
なお、この場合、印刷装置では、色変換処理によって、CMYの色信号に加えて、K(黒)に応じた信号(黒信号)を生成することとなる。
しかしながら、暗くて鮮やかな色からなる画像を印刷(再現)する場合と、黒文字などのグレーからなる画像(グレー画像)を印刷する場合とでは、最適な黒成分量(黒信号の量)が異なる。このため、黒信号を適切に生成することは容易ではない。
この問題に関し、特許文献1に記載の技術では、色補正されたCMY信号の最大値MAXと最小値MINとの差分(MAX−MIN)、および、最小値MINを算出する。そして、これらの値に応じた適切な黒成分量を、2次元テーブル(黒成分/下色除去用の2次元LUT)を用いて求めるようになっている。
これにより、この技術では、鮮やかな画像とグレー画像とを、ともに良好に印刷できるようになっている。
特開2003−60929号公報(公開日:2003年2月28日) 特開2001−223915号公報(公開日:2001年8月17日)
しかしながら、特許文献1の技術では、2次元テーブルを記憶する必要のあるために、印刷装置内でのメモリの使用量が大きくなってしまうという問題がある。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものである。そして、その目的は、必要なメモリ容量を増大させることなく、適切な黒成分量を求めることの可能な画像処理装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の第1の画像処理装置(第1装置)は、
複数の色成分よりなる1次画像データを、このデータの画素値から得られる第1パラメータおよび第2パラメータを用いて、黒成分を含む2次画像データに変換する画像処理装置において、
複数の第1パラメータと、各第1パラメータに適した「グレー画像に応じた黒成分量であるグレー黒成分量」とが対応づけられたグレーテーブル、および、複数の第1パラメータと、各第1パラメータに適した「彩度を考慮した黒成分量である高彩度黒成分量」とが対応づけられた高彩度テーブルを記憶するテーブル記憶部と、
1次画像データの画素値から、第1パラメータおよび第2パラメータを算出するパラメータ算出部と、
上記の両テーブルから、算出された第1パラメータに適したグレー黒成分量および高彩度黒成分量を読み出し、これらの黒成分量,第1パラメータおよび第2パラメータを用いて、2次画像データに含ませる黒成分量を求める黒成分演算部とが備えられており、
上記の黒成分演算部は、
第2パラメータと第1パラメータとの差が所定のオフセット範囲内にある場合、グレー黒成分量を2次画像データに含ませる黒成分量とするように設定されていることを特徴と装置である。
第1装置は、デジタルカラー複写機などの印刷装置等、多色画像を処理する装置に備えられるものである。そして、黒成分を含まない1次画像データ(例えばCMYデータ)を、黒成分を含む2次画像データ(例えばCMYKデータ)に変換するものである。
第1装置では、このような変換の際に必要な黒成分の量を、1次画像データの画素値から求められる、2種類のパラメータ(第1パラメータおよび第2パラメータ)を用いて算出するようになっている。
ここで、これら第1・第2パラメータとしては、例えば、1次画像データにおける最大の画素値(MAX),最小の画素値(MIN)などを用いることが可能である(他の例については、後述する〔発明を実施するための最良の形態〕を参照されたい)。
そして、第1装置は、これら2つのパラメータから2次画像データに含ませる黒成分量を求めるための、黒成分演算部を備えている。
この黒成分演算部は、1次画像データから求められた第1パラメータから、2つの基準黒成分量(グレー黒成分量および高彩度黒成分量)を求める。その後、これら2つの黒成分量,第1パラメータおよび第2パラメータを用いて、2次画像データに含ませる黒成分量を求めるように設定されている。
ここで、グレー黒成分量とは、1次画像データがグレー画像(第1パラメータと第2パラメータとが同一の画像)であると仮定した場合における、最適な黒成分量である。
一方、高彩度黒成分量とは、1次画像データが高彩度な画像(第1パラメータと第2パラメータとの差が大きい画像(例えば、パラメータの一方が0で他方が最大値となるような画像))であると仮定した場合の、最適な黒成分量である。
そして、黒成分演算部は、これらの2つの基準黒成分量と、第1・第2パラメータとを用いた補間演算によって、2次画像データに含ませる黒成分量を求めるようになっている(補間演算の詳細については、後述する〔発明を実施するための最良の形態〕を参照されたい)。
ここで、特に、第1装置では、「複数の第1パラメータと、各第1パラメータに適したグレー黒成分量とが対応づけられたグレーテーブル」、および、「複数の第1パラメータと、各第1パラメータに適した高彩度黒成分量とが対応づけられた高彩度テーブル」という、2つの1次元テーブルを記憶するようになっている。
そして、黒成分演算部が、これら2つの1次元テーブルを用いて、1次画像データの第1パラメータに適したグレー黒成分量・高彩度黒成分量を求めるようになっている。
このように、第1装置では、最適な黒成分量を求めるために必要な変換テーブルが、2つの1次元テーブルだけになっている。
従って、2次元テーブルを記憶する構成に比して、メモリサイズを大幅に削減することが可能となっている。
なお、第1装置では、黒成分演算部は、「1次画像データがグレー画像であるか否か」を判断し、グレー画像であると判断した場合、グレーテーブルから読み出したグレー黒成分量を、2次画像データに含ませる黒成分量とするように設定されている。
そして、特に、黒成分演算部は、上記の判断を、「第2パラメータと第1パラメータとの差が所定のオフセット範囲内にあるか否か」に基づいて行うようになっている。
すなわち、グレー画像では、全色成分が同一量であるため、画素値に関する第1パラメータと第2パラメータとは同一の値となる。
しかしながら、1次画像データに乱れのある場合(例えば、原稿画像をスキャナーで読み込んで1次画像データを生成すると、外乱(スキャナーのノイズなど)を受けやすい)、黒文字のようなグレー画像では、色成分がばらついて、第1パラメータと第2パラメータとに差がついてしまうことがある。
このような場合、上記のような補間演算から得られる黒成分量は、グレー黒成分量より小さくなってしまう。
そこで、第1装置では、第1パラメータと第2パラメータとの差が小さい(所定のオフセット範囲内)にある場合、1次画像データをグレー画像と見なして黒成分量を求めるようになっている。
これにより、第1装置では、外乱によって乱れたグレー画像に対しても、最適な黒成分量を設定することが可能となっている。
また、第1装置におけるこのような黒生成処理については、下色除去処理にも適用することが可能である。
すなわち、本発明の第2の画像処理装置(第2装置)は、
複数の色成分よりなる1次画像データに対し、このデータの画素値から得られる第1パラメータおよび第2パラメータを用いて、黒成分を加えるとともに下色を除去して2次画像データに変換する画像処理装置において、
複数の第1パラメータと、各第1パラメータに適した「グレー画像に応じた下色除去量であるグレー下色除去量」とが対応づけられたグレーテーブル、および、複数の第1パラメータと、各第1パラメータに適した「彩度を考慮した下色除去量である高彩度下色除去量」とが対応づけられた高彩度テーブルを記憶するテーブル記憶部と、
1次画像データの画素値から、第1パラメータおよび第2パラメータを算出するパラメータ算出部と、
上記の両テーブルから、算出された第1パラメータに適したグレー下色除去量および高彩度下色除去量を読み出し、これらの下色除去量,第1パラメータおよび第2パラメータを用いて、1次画像データから除去する下色量を求める下色除去演算部とが備えられており、
上記の下色除去演算部は、
第2パラメータと第1パラメータとの差が所定のオフセット範囲内にある場合、グレー下色除去量を1次画像データから除去する下色量(下色除去量)とするように設定されていることを特徴とする装置である。
ここで、下色の除去について説明する。
2次画像データの色成分は、1次画像データの色成分(従前成分)および黒成分である。従って、1次画像データを2次画像データに変換するとき、加えられる黒成分に応じた画素値を、従前成分から除去する(差し引く)必要があり、これが下色の除去である。また、従前成分から差し引く画素値の量が、下色除去量となる。
そして、上記したように、第2装置では、従前成分から除去すべき下色量を、1次画像データの画素値から求められる、2種類のパラメータ(第1パラメータおよび第2パラメータ)を用いて算出するようになっている。
ここで、これら第1・第2パラメータとしては、第1装置と同様に、1次画像データにおける最大の画素値(MAX),最小の画素値(MIN)などを用いることが可能である。
そして、第2装置は、これら2つのパラメータから除去すべき下色量を求めるための、下色除去演算部を備えている。
この下色除去演算部は、1次画像データから求められた第1パラメータから、2つの基準除去量(グレー下色除去量および高彩度下色除去量)を求める。その後、これら2つの基準除去量,第1パラメータおよび第2パラメータを用いて、2次画像データから除去すべき下色量を求めるように設定されている。
ここで、グレー下色除去量とは、1次画像データがグレー画像(第1パラメータと第2パラメータとが同一の画像)であると仮定した場合における、最適な下色除去量である。
一方、高彩度下色除去量とは、1次画像データが高彩度な画像(第1パラメータと第2パラメータとの差が大きい画像)であると仮定した場合の、最適な下色除去量である。
そして、下色除去演算部は、これらの2つの基準除去量と、第1・第2パラメータとを用いた補間演算によって、2次画像データに含ませる下色除去量を求めるようになっている(この補間演算は、第1装置における黒成分を求めるための演算と同様である)。
ここで、特に、第2装置では、「複数の第1パラメータと、各第1パラメータに適したグレー下色除去量とが対応づけられたグレーテーブル」、および、「複数の第1パラメータと、各第1パラメータに適した高彩度下色除去量とが対応づけられた高彩度テーブル」という、2つの1次元テーブルを記憶するようになっている。
そして、下色除去演算部が、これら2つの1次元テーブルを用いて、1次画像データの第1パラメータに適したグレー下色除去量・高彩度下色除去量を求めるようになっている。
このように、第2装置では、最適な下色除去量を求めるために必要な変換テーブルが、2つの1次元テーブルだけになっている。
従って、2次元テーブルを記憶する構成に比して、メモリサイズを大幅に削減することが可能となっている。
なお、第2装置では、下色除去演算部は、「1次画像データがグレー画像であるか否か」を判断し、グレー画像であると判断した場合、グレーテーブルから読み出したグレー下色除去量を、2次画像データに含ませる下色除去量とするように設定されている。
そして、特に、下色除去演算部は、上記の判断を、「第2パラメータと第1パラメータとの差が所定のオフセット範囲内にあるか否か」に基づいて行うようになっている。
すなわち、グレー画像では、全色成分が同一量であるため、画素値に関する第1パラメータと第2パラメータとは同一の値となる。
しかしながら、1次画像データに乱れのある場合、上記したように、黒文字のようなグレー画像では、色成分がばらついて、第1パラメータと第2パラメータとに差がついてしまうことがある。
このような場合、上記のような補間演算から得られる下色除去量は、グレー下色除去量より小さくなってしまう。
そこで、第2装置では、第1パラメータと第2パラメータとの差が小さい(所定のオフセット範囲内)にある場合、1次画像データをグレー画像と見なして下色除去量を求めるようになっている。これにより、第2装置では、外乱によって乱れたグレー画像に対しても、最適な下色除去量を設定することが可能となっている。
また、第1装置および第2装置では、上記したオフセット範囲を、第1パラメータに値に応じて変更してもよい(例えば、第1パラメータの大きい場合には狭く、小さい場合には広く設定してもよい)。
このような場合、黒成分演算部および下色除去演算部は、「複数の第1パラメータの値とそのオフセット範囲とで決められる2次元の領域(オフセット領域;複数の第1パラメータのオフセット範囲の集合からなる領域)に第2パラメータがあるか否か」を判断することによって、1次画像データがグレー画像であるか否かを判断することとなる。
また、第1パラメータと第2パラメータとの差に関する上記したオフセット範囲(あるいはオフセット領域)を、計算式によって設定できるような範囲とすることが好ましい。
このように、上記の範囲を数式で設定する場合、この範囲内に第2パラメータがあるか否かを、テーブルなどを使用せずに判断できる。このため、記憶容量を節約できる。
また、オフセット範囲を第1パラメータに値に応じて変更する場合、これらから既定されるオフセット領域は、比較的に複雑な形状(一続きでなく複数の場所に分けられた形状や、直線では既定できないような形状)となることもある。
このような場合、オフセット領域を精度よく既定(近似)するためには、高次の多項式が必要となり、この式を算出するための計算量,計算時間および計算のための回路構成が大きくなることもある。また、多項式によっても既定できない可能性もある。
そこで、オフセット領域を複雑な形状とする場合には、オフセット領域を表す値をテーブル値として持つようにしてもよい。
すなわち、この場合、第1パラメータとオフセット範囲との対応関係を表すテーブルを予め記憶しておく。そして、黒成分演算部が、第1パラメータに対するオフセット範囲を読み出し、「第2パラメータがこの範囲にあるか否か」を判断することとなる。従って、この構成では、この判断を高速で行うことが可能である。
また、本発明の第1の画像処理方法(第1方法)は、
複数の色成分よりなる1次画像データを、このデータの画素値から得られる第1パラメータおよび第2パラメータを用いて、黒成分を含む2次画像データに変換する画像処理方法において、
複数の第1パラメータと、各第1パラメータに適した「グレー画像に応じた黒成分量であるグレー黒成分量」とが対応づけられたグレーテーブル、および、複数の第1パラメータと、各第1パラメータに適した「彩度を考慮した黒成分量である高彩度黒成分量」とが対応づけられた高彩度テーブルを記憶する記憶工程と、
1次画像データの画素値から、第1パラメータおよび第2パラメータを算出するパラメータ算出工程と、
上記の両テーブルから、算出された第1パラメータに適したグレー黒成分量および高彩度黒成分量を読み出し、これらの黒成分量,第1パラメータおよび第2パラメータを用いて、2次画像データに含ませる黒成分量を求める黒成分演算工程とを含み、
上記の黒成分演算工程は、
第2パラメータと第1パラメータとの差が所定のオフセット範囲内にある場合、グレー黒成分量を2次画像データに含ませる黒成分量とするように設定されていることを特徴とする方法である。
この第1方法は、上記した第1装置において用いられている画像処理方法である。従って、第1方法を用いれば、2つの1次元テーブルを用いて最適な黒成分量を求められるので、2次元テーブルを記憶する構成に比して、メモリサイズを大幅に削減することが可能となる。
さらに、第1パラメータと第2パラメータとの差が小さい(所定のオフセット範囲内)にある場合、1次画像データをグレー画像と見なして黒成分量を求めるので、外乱によって乱れたグレー画像に対しても、最適な黒成分量を設定することが可能である。
また、本発明の第2の画像処理方法(第2方法)は、
複数の色成分よりなる1次画像データに対し、このデータの画素値から得られる第1パラメータおよび第2パラメータを用いて、黒成分を加えるとともに下色を除去して2次画像データに変換する画像処理方法において、
複数の第1パラメータと、各第1パラメータに適した「グレー画像に応じた下色除去量であるグレー下色除去量」とが対応づけられたグレーテーブル、および、複数の第1パラメータと、各第1パラメータに適した「彩度を考慮した下色除去量である高彩度下色除去量」とが対応づけられた高彩度テーブルを記憶するテーブル記憶工程と、
1次画像データの画素値から、第1パラメータおよび第2パラメータを算出するパラメータ算出工程部と、
上記の両テーブルから、算出された第1パラメータに適したグレー下色除去量および高彩度下色除去量を読み出し、これらの下色除去量,第1パラメータおよび第2パラメータを用いて、1次画像データから除去する下色量を求める下色除去演算工程とを含み、
上記の下色除去演算工程は、
第2パラメータと第1パラメータとの差が所定のオフセット範囲内にある場合、グレー下色除去量を1次画像データから除去する下色量とするように設定されていることを特徴とする方法である。
この第2方法は、上記した第2装置において用いられている画像処理方法である。従って、第2方法を用いれば、2つの1次元テーブルを用いて最適な下色除去量を求められるので、2次元テーブルを記憶する構成に比して、メモリサイズを大幅に削減することが可能となる。
さらに、第1パラメータと第2パラメータとの差が小さい(所定のオフセット範囲内)にある場合、1次画像データをグレー画像と見なして下色除去量を求めるので、外乱によって乱れたグレー画像に対しても、最適な下色除去量を設定することが可能である。
また、本発明の画像処理プログラムは、上記した第1方法あるいは第2方法の各工程をコンピュータに実行させるための、コンピュータ読み取り可能なプログラムである。
この画像処理プログラムを、1次画像データを入力(あるいは生成)可能なコンピュータに読み込ませることで、第1方法あるいは第2方法の各工程を、そのコンピュータによって実施することが可能となる。
また、このプログラムをコンピュータによって読取可能な記録媒体に記録させておくことで、プログラムの保存・流通を容易に行えるようになる。
以上のように、本発明の第1の画像処理装置(第1装置)は、
複数の色成分よりなる1次画像データを、このデータの画素値から得られる第1パラメータおよび第2パラメータを用いて、黒成分を含む2次画像データに変換する画像処理装置において、
複数の第1パラメータと、各第1パラメータに適した「グレー画像に応じた黒成分量であるグレー黒成分量」とが対応づけられたグレーテーブル、および、複数の第1パラメータと、各第1パラメータに適した「彩度を考慮した黒成分量である高彩度黒成分量」とが対応づけられた高彩度テーブルを記憶するテーブル記憶部と、
1次画像データの画素値から、第1パラメータおよび第2パラメータを算出するパラメータ算出部と、
上記の両テーブルから、算出された第1パラメータに適したグレー黒成分量および高彩度黒成分量を読み出し、これらの黒成分量,第1パラメータおよび第2パラメータを用いて、2次画像データに含ませる黒成分量を求める黒成分演算部とが備えられており、
上記の黒成分演算部は、
第2パラメータと第1パラメータとの差が所定のオフセット範囲内にある場合、グレー黒成分量を2次画像データに含ませる黒成分量とするように設定されていることを特徴と装置である。
第1装置では、「複数の第1パラメータと、各第1パラメータに適したグレー黒成分量とが対応づけられたグレーテーブル」、および、「複数の第1パラメータと、各第1パラメータに適した高彩度黒成分量とが対応づけられた高彩度テーブル」という、2つの1次元テーブルを記憶するようになっている。
そして、黒成分演算部が、これら2つの1次元テーブルを用いて、1次画像データの第1パラメータに適したグレー黒成分量・高彩度黒成分量を求めるようになっている。
このように、第1装置では、最適な黒成分量を求めるために必要な変換テーブルが、2つの1次元テーブルだけになっている。
従って、2次元テーブルを記憶する構成に比して、メモリサイズを大幅に削減することが可能となっている。
なお、第1装置では、黒成分演算部は、「1次画像データがグレー画像であるか否か」を判断し、グレー画像であると判断した場合、グレーテーブルから読み出したグレー黒成分量を、2次画像データに含ませる黒成分量とするように設定されている。
そして、特に、黒成分演算部は、上記の判断を、「第2パラメータと第1パラメータとの差が所定のオフセット範囲内にあるか否か」に基づいて行うようになっている。
すなわち、グレー画像では、全色成分が同一量であるため、画素値に関する第1パラメータと第2パラメータとは同一の値となる。
しかしながら、1次画像データに乱れのある場合(例えば、原稿画像をスキャナーで読み込んで1次画像データを生成すると、外乱(スキャナーのノイズなど)を受けやすい)、黒文字のようなグレー画像では、色成分がばらついて、第1パラメータと第2パラメータとに差がついてしまうことがある。
このような場合、上記のような補間演算から得られる黒成分量は、グレー黒成分量より小さくなってしまう。
そこで、第1装置では、第1パラメータと第2パラメータとの差が小さい(所定のオフセット範囲内)にある場合、1次画像データをグレー画像と見なして黒成分量を求めるようになっている。これにより、第1装置では、外乱によって乱れたグレー画像に対しても、最適な黒成分量を設定することが可能となっている。
本発明の一実施形態について説明する。
図2は、本発明の一実施形態にかかるデジタルカラー複写機(本複写機)の概略構成を示すブロック図である。
この図に示すように、本複写機は、スキャナー部1,画像処理部2,印刷部3,操作部4,制御部5を備えている。
スキャナー部(画像出力装置)1は、光走査ユニット,原稿載置台,CCD(Charge Coupled Device;電荷結合素子)等を備えている(全て図示せず)。そして、原稿からの反射光像をCCDによって読み取り、RGB(R:赤,G:緑,B:青)のアナログ画像データ(RGBデータ)を出力するものである。
画像処理部(画像処理装置)2は、スキャナー部1から出力されたRGBデータを、印刷に適したCMYKのデジタル画像データ(CMYKデータ)に変換し、印刷部3に出力する機能を有している。
なお、画像処理部2の詳細な構成については後述する。
印刷部(印刷装置)3は、電子写真方式のプリンタであり、4つの感光体および定着器(ともに図示せず)を備えている。そして、CMYKデータに応じた静電潜像を各感光体に形成し、これらをシート(記録紙)に転写・定着させることで、画像を印刷するものである。
操作部(操作パネル)4は、液晶ディスプレイからなる表示画面、設定ボタン・テンキー等(全て図示せず)の一体化されたタッチパネルである。そして、ユーザーの指示を受け付けるとともに、ユーザーに対し、印刷処理の経過や結果を示す機能を有している。
制御部5は、本複写機の全動作を制御する、本複写機の中枢部(CPU)である。すなわち、制御部5は、操作部4に対するユーザーからの指示に基づいて、スキャナー部1による原稿画像の読み取り処理、画像処理部2によるCMYKデータの生成・出力処理、印刷部3による印刷処理を実行するものである。
次に、画像処理部2の詳細な構成について説明する。
図3は、画像処理部2の構成を示す説明図である。
この図に示すように、画像処理部2は、A/D変換部11,シェーディング補正部12,入力階調補正部13,領域分離処理部14,色補正部15,黒生成下色除去部16,空間フィルタ処理部17,出力階調補正部18,階調再現処理部19を備えている。
A/D(アナログ/デジタル)変換部11は、スキャナー部1から出力されたアナログのRGBデータを、256階調(0〜255)のデジタル信号(デジタルRGBデータ)に変換するものである。
シェーディング補正部12は、A/D変換部11によって生成されたデジタルRGBデータに対し、スキャナー部1の照明系,結像系,撮像系に起因する各種の歪みを取り除く処理(歪み除去処理)を施すものである。
入力階調補正部13は、シェーディング補正部12によって歪み除去処理を施されたデジタルRGBデータ(RGBの反射率信号)に対し、カラーバランスを整える処理を施すものである。
また、入力階調補正部13は、このデジタルRGBデータを、画像処理部2において採用している画像処理方式にとって扱い易い信号(濃度信号など)に変換する機能も有している。
領域分離処理部14は、『入力階調補正部13から出力されたデジタルRGBデータに応じた画像(原稿画像)中の各画素が、網点領域,文字領域,写真領域のいずれに属するのか』を判断する領域分離処理を行うものである。なお、領域分離処理部14による領域分離処理については後述する。
また、領域分離処理部14は、領域分離処理の結果に基づいて、各画素の属する領域を示す信号(領域識別信号)を、色補正部15,黒生成下色除去部16,空間フィルタ処理部17,階調再現処理部19に出力する。
また、領域分離処理部14は、入力階調補正部13から出力されたデジタルRGBデータを、そのまま色補正部15に出力する。
なお、本複写機では、このデジタルRGBデータを、3つの色成分からなるCMY(C:シアン,M:マゼンタ,Y:イエロー)のデジタルデータ(CMYデータ)に変換した後、このCMYデータから、4つの色成分からなるCMYKデータを生成するようになっている。
そこで、以下では、データを明瞭に区別するため、3色のCMYデータを小文字で「cmyデータ」と称する一方、4色の方を「CMYKデータ」と大文字で表記する。
また、cmyデータにおける3つの色成分についても、c,m,yと小文字で表記し、また、CMYKデータの4つの色成分を、C,M,Y,Kと大文字で表現する。
色補正部15は、デジタルRGBデータを、256階調(0〜255)の、cmyデータに変換するものである。
また、色補正部15は、色を忠実に再現するために、cmyデータから、トナーの分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理(色補正処理;後述)を行う。この色濁りは、C,M,Yの色材(トナー)に不要吸収成分が含まれていることに起因するものである。
黒生成下色除去部16は、cmyデータから黒(K)データを生成するものである。また、黒生成下色除去部16は、cmyデータからKデータを差し引いて、新たなCMYデータを生成し、さらに、この新たなCMYデータとKデータとから、CMYKからなる4色のデータ(CMYKデータ)を生成する機能を有している。
なお、黒生成下色除去部16の処理については後述する。
空間フィルタ処理部17は、領域識別信号に基づいて、CMYKデータに対してデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行うものである。すなわち、空間フィルタ処理部17は、CMYKデータの空間周波数特性を補正して、出力画像のぼやけや粒状性劣化を防止する機能を有している。
出力階調補正部18は、CMYKデータの一部(濃度データ等)を印刷部3の特性値である網点面積率に変換する、出力階調補正処理を行うものである。
階調再現処理部19は、出力階調補正部18から出力されるCMYKデータを画素毎に分離し、各画素の階調を再現できるように処理する階調再現処理(中間調生成処理)を実行するものである。
なお、文字領域は、特に、文字の再現性を高めるために、空間フィルタ処理部17の鮮鋭強調処理(空間フィルタ処理の1つ)によって、高周波成分の強調量を高められる。また、文字領域は、同時に、出力階調補正部18によって、高域周波成分の再現に適した高解像度スクリーンでの二値化または多値化処理がなされる。
また、網点領域に関しては、空間フィルタ処理部17において、入力網点成分を除去するためのローパス・フィルタ処理が施される。そして、出力階調補正部18によって、階調性を重視したスクリーンを用いた二値化または多値化処理が施される。
さらに、写真領域に関しては、階調再現処理部18によって、階調再現性を重視したスクリーンを用いた二値化または多値化処理が行われる。
以下に、領域分離処理部14による領域分離処理ついて説明する。
図4は、領域分離処理部14の構成を示す説明図である。
この図に示すように、領域分離処理部14は、文字・網点・写真領域分離部21を備えている。
文字・網点・写真領域分離部21は、入力階調補正部13から出力されるデジタルRGBデータに応じた画像中の各画素が、文字,網点,写真領域(あるいは写真領域を含むその他の領域)に分離するものである。
このように、デジタルRGBデータの各画素を、文字・網点・写真領域に分離する方法としては、例えば特許文献2に記載されている方法を用いることができる。
以下に、文字・網点・写真領域分離部21によって画素を文字・網点・写真領域に分離する方法について説明する。
文字・網点・写真領域分離部21は、デジタルRGBデータにおける1つの注目画素を中心とした、M×N(M、Nは自然数)の画素ブロックを設定する。
その後、文字・網点・写真領域分離部21は、ブロック内の中央の9画素に対して信号レベルの平均値(Dave)を求める。そして、求めた平均値を用いて、ブロック内の全画素を2値(0あるいは1)化した、2値化画素データを生成する。
文字・網点・写真領域分離部21は、ブロックにおける最大画素信号レベル(Dmax)、最小画素信号レベル(Dmin)も同時に求める。
次に、文字・網点・写真領域分離部21は、画素が網点領域に属するか否かを判断する。
なお、網点領域では、小領域での画像信号の変動が大きくなり、また、背景に比べて画素濃度が高くなる。
そこで、文字・網点・写真領域分離部21は、2値化画素データに対し、主走査および副走査方向での0から1への変化点数(K)、1から0への変化点数(K)を求める。
その後、文字・網点・写真領域分離部21は、これらK,Kを、所定の閾値T,Tと比較する。そして、K,Kがともに閾値T,Tを上回った場合、「上記した注目画素が網点領域に属する」と判断する。
また、文字・網点・写真領域分離部21は、上記したDmax,Dmin,Daveを、所定の閾値B,Bと比較する。これは、背景との誤判定を防ぐためである。
すなわち、文字・網点・写真領域分離部21は、以下の条件(A)が満たされる場合に、注目画素を網点領域に分類する。
(A)Dmax−Dave>B,かつDave−Dmin>B,かつK>T,かつK>T
また、この条件(A)が満たされない場合、文字・網点・写真領域分離部21は、注目画素が文字領域に属するか否かを判断する。
なお、文字領域では、最大画素信号レベル(Dmax)と最小画素信号レベル(Dmin)との差が大きく、濃度も高くなる。
そこで、文字・網点・写真領域分離部21は、最大画素信号レベル(Dmax)と最小画素信号レベル(Dmin)およびこれらの差分(Dsub)を、所定の閾値P,P,Pと比較する。そして、以下の条件(B)が満たされる場合に、注目画素を文字領域に分類する。また、この条件(B)が満たされない場合、注目画素を写真領域に分類する。
(B)Dmax>P,またはDmin<P,またはDsub>P
そして、文字・網点・写真領域分離部21は、分類した結果を示す領域識別信号SEGを、色補正部15,黒生成下色除去部16,空間フィルタ処理部17,階調再現処理部19に伝達するようになっている。
次に、黒生成下色除去部16による黒生成下色除去処理について説明する。
図5は、黒生成下色除去部16の構成を示すブロック図である。
この図に示すように、黒生成下色除去部16は、最大最小算出部31,UCR量算出部32,UCR処理部33,黒生成量算出部34を備えている。
最大最小算出部31(パラメータ算出部)は、色補正部15から出力されたcmyデータの最大値(MAX)と最小値(MIN)とを算出する。そして、それぞれを、UCR量算出部32,黒生成量算出部34に出力する。
UCR量算出部32は、最大最小算出部31の算出したcmyデータの最大値(MAX)および最小値(MIN)と、領域分離処理部14から出力される領域識別信号SEGとに基づいて、下色除去量UCRを計算する。
一方、黒生成量算出部34は、UCR量算出部32と同様に、最大最小算出部31の算出したcmyデータの最大値(MAX)および最小値(MIN)と、領域分離処理部14から出力される領域識別信号SEGとに基づいて、黒生成量(黒成分量)Kを計算する。
なお、UCR量算出部32およびお黒生成量算出部34の処理については後述する。
UCR処理部33は、色補正部15から出力されたcmyデータを入力する。そして、このcmyデータから、UCR量算出部32において算出された下色除去量UCRを減算して、C,M,Yのデータを生成する処理(下色除去処理)を行う。
C=c−UCR
M=m−UCR
Y=y−UCR
そして、黒生成下色除去部16は、UCR処理部33によって計算されたC,M,Yのデータと、黒生成量算出部34によって算出されたKデータとを組み合わせたCMYKデータを、空間フィルタ処理部17に出力するように設計されている。
ここで、本複写機の特徴的な構成である、UCR量算出部32および黒生成量算出部34の処理について説明する。
UCR量算出部32および黒生成量算出部34は、それぞれ下色除去量UCRと黒生成量Kとを計算するが、これらの計算は、使用するテーブル(KテーブルあるいはUCRテーブル)が異なる点以外は、同様の方法でなされるものである。従って、以下では、黒生成量算出部34による黒生成処理についてのみ説明する。
図6は、黒生成量算出部34の構成を示す説明図である。この図に示すように、黒生成量算出部34は、Kテーブルメモリ41,メモリアクセス部42,黒生成量計算部43を備えている。
Kテーブルメモリ(テーブル記憶部)41は、図7に示すように、n個のKテーブル(黒生成テーブル)を記憶したメモリである。1つのKテーブルは、LUT1・LUT2の、2つの一次元テーブルの組からなっている。
ここで、LUT1・LUT2について詳細に説明する。
図8は、cmyデータの最小値MIN,最大値MAXに対して夫々定められる黒生成量を格納した一次元テーブルLUT1、LUT2と、LUT1、LUT2を用いて算出される黒生成量の関係を示す図である。
LUT1およびLUT2は、MIN,MAXに対する図8の曲面における2つのエッジ曲線(図中、太線にて示す)の位置にあたる黒生成量を示すものである。暗くて鮮やかな画像と文字画像とでは、最適な黒生成量はそれぞれ異なるため、上記のLUT1およびLUT2は異なる形状を示している。
LUT1は、グレー画像(y=m=c,MIN=MAXの画像)に応じた黒生成テーブルである。すなわち、LUT1は、このようなグレーの画像に関し、MINの値(0〜255)と、各MINに最適な黒生成量とが対応されてなる一次元テーブルである。
一方、LUT2は、高彩度の画像(「y=m=cおよびMIN=MAX」の成立しない、MAX=255の画像)に応じた彩度を考慮した黒生成テーブルである。すなわち、LUT2は、このような高彩度の画像に関し、MINの値(0〜255)と、各MINに最適な黒生成量とが対応されてなる一次元テーブルである。
メモリアクセス部(黒成分演算部)42は、領域識別信号SEGに基づいて、n個のKテーブルのうち、使用すべきKテーブルを選択するものである。
また、メモリアクセス部42は、選択したKテーブルのLUT1・LUT2から、cmyデータのMINに基づいて、2つの黒生成量を読み出して黒生成量計算部43に出力する機能も有している。
以下では、LUT1から読み出した黒生成量をK1(グレー黒成分量),LUT2から読み出した黒生成量をK2(高彩度黒成分量)とする。
なお、これらのK1・K2は、図8のグラフ上において、曲線LUT1およびLUT2のそれぞれにおける、cmyデータの最小値MINに対応する点である。そして、cmyデータに対する黒生成量Kは、これらK1・K2を結んだ直線(直線K12)上に位置することとなる。
黒生成量計算部(黒成分演算部)43は、メモリアクセス部42によって読み出されたK1・K2を結んでできる、上記した直線K12に対し、cmyデータのMINおよびMAXに基づいて補間計算を行い、黒生成量Kを計算するものである。
ここで、黒生成量計算部43による補間計算について説明する。
図1は、上記した直線K12,LUT1,LUT2を、横軸を最小値MIN,縦軸を最大値MAXとした平面上にプロットしてなるグラフである。
黒生成量計算部43は、まず、最小値MINに基づいて、以下のfの値を算出する。ここで、a・bは定数である。
f=a×MIN+b ・・・ (1)
そして、このfおよびMAXが、以下の(2)(3)のいずれの条件を満たすかによって、計算方法を変化させる。
f≧MAX≧MIN ・・・ (2)
255≧MAX>f ・・・ (3)
(2)を満たす場合、MAXは、図1に示すオフセット領域内に位置することとなる。
このオフセット領域は、上記の(1)式に示した直線f、および、LUT1(図1における(0,0)と(255,255)とを結ぶ線分)を境界とする、予め定められている範囲である。
そして、黒生成量計算部43は、MAXがこの領域内にある場合(例えば図9に示すような場合)、「最小値MINと最大値MAXとの差が小さいため、CMYデータがグレー画像である」と判断し、K1の値を黒生成量Kとする、すなわち、
K=K1
とするように設計されている。
なお、この図9および後述する図10は、左図がLUT1におけるMINに対する黒生成量K1を示し、右図がLUT2におけるMINに対する黒生成量K2を示し、中央の図がK1,K2からMIN,f,MAXを用いて補間計算により求められる黒生成量Kを示すグラフである。
一方、(3)を満たす場合(例えば図10に示すような場合)、MAXは、オフセット領域から外れた位置となる。この場合、黒生成量計算部43は、「最小値MINと最大値MAXとの差が大きい」と判断し、図1に示したα,βの比率に基づいて、線形補間計算を実行する。
すなわち、この場合、図10より、α,βは以下の式で表される。
α=MAX−f
β=255−MAX
そして、黒生成量計算部43は、以下の(4)式に示すように、これらのα,βを重み係数としてK1,K2に乗じ、その結果を足すことで、黒生成量Kを求める。
K=(β・K1+α・K2)/(255−f)・・・ (4)
図5に示した黒生成下色除去部16のUCR量算出部32は、図6に示した黒生成量算出部34の構成において、Kテーブルメモリ41に換えて、UCRテーブルメモリ(図示せず)を備えた構成である。
このUCRテーブルメモリは、Kテーブルメモリ41と同様に、複数のUCRテーブルを備えているものである。また、UCR量算出部32の動作についても、使用するテーブルがUCRテーブルであること以外、黒生成量算出部34と同様である。
ここで、上記した黒生成下色除去部16の動作をまとめて説明する。
図11は、この動作を示すフローチャートである。
この図に示すように、黒生成下色除去部16の黒生成下色除去処理では、最大最小算出部31が、注目画素におけるcmyデータの最大値MAX,最小値MINを算出する(S21)。
次に、算出されたMIN,MAXを用いて、黒生成量算出部34による黒生成量算出処理(S22)と、UCR量算出部32によるUCR量算出処理(S23)とが実行される。
その後、UCR処理部33が、cmyデータからS23で計算されたUCR量を減算する、下色除去処理を行う(S24)。
また、図12は、黒生成算出処理を示すフローチャートである。
この処理では、黒生成量算出部34のメモリアクセス部42が、領域識別信号SEGに応じて、Kテーブルメモリ41からKテーブルを選択する。そして、選択したKテーブルから、MINに基づいて、K1,K2を読み出す(S41)。
その後、黒生成量計算部43が、cmyデータのMAX値がオフセット領域内にあるか否か、を判定する(S42)。
そして、MAX値がオフセット領域内にある場合、K1を黒生成量Kに設定する(S43)。
一方、MAX値がオフセット領域外ならば、K1,K2,MINおよびMAXを用いて補間計算を行い、黒生成量Kを求める(S44)。
また、図13は、UCR算出処理を示すフローチャートである。この図に示すように、この処理は、図12に示した黒生成算出処理において、使用するテーブルをKテーブルからUCRテーブルに換えた処理である。すなわち、UCR算出処理では、UCRテーブルを用いて、黒生成算出処理と同様の処理(黒生成量K1・K2に応じた下色除去量UCR1/UCR2を用いた処理)を行い、下色除去量UCRを計算する。
以上のように、黒生成下色除去部16における黒生成量算出部34では、Kテーブルメモリ41に、LUT1およびLUT2という、2つの1次元テーブルを記憶するようになっている。
そして、メモリアクセス部42・黒生成量計算部43が、これら2つの1次元テーブルを用いて、最小値MINに適した黒生成量K1・K2を求めるようになっている。
このように、黒生成量算出部34では、最適な黒生成量Kを求めるために必要な変換テーブルが、2つの1次元テーブルだけになっている。
従って、2次元テーブルを記憶する構成に比して、メモリサイズを大幅に削減することが可能となっている。
また、上記した黒生成処理では、LUT1(グレー軸)の近傍にオフセット領域を設定している。
そして、黒生成量算出部34が、「最大値MAXがオフセット領域内にある」場合、「最小値MINと最大値MAXとの差が小さいため、CMYデータがグレー画像である」と判断する。そして、LUT2から読み出した黒生成量K1を、CMYKデータのKデータとするように設定されている。
すなわち、グレー画像では、全色成分(cmy)が同一量であるため、画素値に関する最小値MINと最大値MAXとは同一の値となる。
しかしながら、CMYデータに乱れのある場合(例えば、原稿画像をスキャナー部1で読み込んでCMYデータを生成すると、外乱(スキャナー部1のノイズなど)を受ける)、黒文字のようなグレー画像では、cmyの色成分がばらついて(揃わなくて)、最小値MINと最大値MAXとに差がついてしまうことがある。
このような場合、(1)式を用いた(最大値MAXを考慮した)補間演算から得られる黒成分量は、グレー黒成分量より小さくなってしまう。
そこで、黒生成量算出部34では、最小値MINと最大値MAXとの差が小さい(最大値がオフセット領域内にある)場合、CMYデータをグレー画像と見なして黒生成量Kを求めるようになっている。これにより、外乱によって乱れたグレー画像に対しても、最適な黒生成量Kを設定することが可能となり、外乱による黒生成量の低下を防げる。
また、上記した黒生成処理では、文字領域および近傍画素を含む領域に対して、文字領域・網点領域・写真領域(あるいは写真領域を含むその他の領域)に分離し、各々の領域で黒生成量を制御するようになっている。
ここで、領域識別信号SEGが文字領域を表す場合にオフセット領域を設定し、それら以外の場合(写真、網点領域)は黒生成量の増加によるトーンギャップを抑制し、階調性を重視して設定しないという構成も可能である。
また、上記したように、黒文字をスキャンしたときの画素値は、スキャナー部1のノイズなどによりグレー軸上からはずれて周辺に分布することがあるが、本来はグレーの領域である。従って、黒文字を読み取ったときの画素値の分布範囲にオフセット領域を設定することが好ましい。これにより、黒文字を構成する画素値の黒生成量を増加させ、黒文字の再現性を向上させられる。
なお、本実施の形態では、MAXのオフセット領域を、直線fおよびLUT1野ような1次式によって既定される領域である、としている。しかしながら、これに限らず、オフセット領域については、任意の形状とすることが可能である。
例えば、オフセット領域の境界線を、より多数の数式で既定してもよい(例えば、MINの範囲に応じて直線fの内容を変更してもよい)。また、オフセット領域を、より高次の数式で設定することも可能である。
また、オフセット領域を、複雑な形状(一続きでなく複数の場所に分けられた形状や、直線では既定できないような形状)に設定したりしてもよい。
ここで、このような場合、オフセット領域を精度よく既定(近似)するためには、上記の(1)式に換えて、高次の多項式が必要となり、この式を算出するための計算量,計算時間および計算のための回路構成が大きくなることもある。また、多項式によっても既定できない可能性もある。
そこで、オフセット領域を複雑な形状とする場合には、オフセット領域を表す値をテーブル値として持つようにしてもよい。
すなわち、この場合、Kテーブルメモリ41内などに、図14に示すような、cmyデータの最小値MINとオフセット値(オフセット領域の境界を表す値;図1では、直線f上の値)との対応関係を表すグラフ(テーブル)を予め記憶しておく。
そして、黒生成量計算部43によって黒生成量Kを計算する際に、メモリアクセス部42が最小値MINに対するオフセット値を読み出し、黒生成量計算部43に伝達する。そして、伝達された値をfとして、式(2)〜(4)を処理することとなる。
なお、下色除去量についても、同様に、オフセット値を表すテーブルを用意しておき、黒生成量と同様にオフセット値fを読み出して計算してもよい。
なお、図1に示したオフセット領域の幅(縦軸方向の幅)は、最小値MINに応じて行っている。従って、このオフセット領域については、「最小値MIN(第1パラメータの値)とその幅(オフセット範囲)とで決められる2次元の領域」と表現することもできる。また、「最大値MAXと最小値MINとの差が、オフセット領域における縦軸方向の幅内にある」場合、最大値MAXがオフセット領域内にあることとなる。
ここで、オフセット領域を数式で設定する場合、黒生成量計算部43は、この領域内にMAX(第2パラメータ)の値があるか否かを、テーブルなどを使用せずに判断できるため、記憶容量を節約できるといえる。
また、本実施の形態では、黒生成量算出部34のKテーブルメモリ41が、n個のKテーブルを備えているとしている。そして、黒生成処理において、メモリアクセス部42が、領域識別信号SEGに基づいて、n個のKテーブルのうち、使用すべきKテーブルを選択するとしている。
ここで、Kテーブルについては、領域分離の種類数だけ用意するように設計してもよい。また、各領域で、1つのKテーブルを重複して使用する(領域が異なっても同一のKテーブルを使用する)ように設計してもよい。この場合、Kテーブルメモリ41に記憶されるKテーブルの数は、領域の種類数よりも少なくなる。
また、Kテーブルメモリ41に、1つのKテーブルだけを備えるようにしてもよい。この場合、メモリアクセス部42は、領域識別信号SEGによらず、常に同一のLUT1,LUT2を用いてK1・K2を読み出すこととなる。
また、本複写機を、操作部4を用いて、ユーザーが画像種(画像モード)を指定できるように設定してもよい。ここで、画像種とは、印刷にかかる画像の種類(文字,写真,網点)のことである。
この場合、画像種としては、文字,写真,網点の3種類の他に、これらの組み合わせ(文字および写真の画像,写真および網点の画像など)を指定できるようにすることが好ましい。
このような場合、メモリアクセス部42は、領域識別信号SEGに代えて、ユーザーによって指定された画像種に基づいて、使用すべきKテーブルを選択することが好ましい。
従って、この場合には、Kテーブルメモリ41には、画像種に応じた数のKテーブルを記憶しておくことが好ましい。
また、メモリアクセス部42は、ユーザーに指定された画像種と領域識別信号SEGとに基づいて、使用するKテーブルを選択するように設計されていてもよい。すなわち、この場合には、メモリアクセス部42は、同じ領域識別信号SEGを入力した場合でも、指定された画像種によって、使用するテーブルを切り換えることとなる。
例えば、メモリアクセス部42は、「文字および写真画像」の画像種が指定された場合、その画像の網点領域には文字が含まれていると考えられるので、網点領域に対し、黒が多く生成されるKテーブルを用いる。
一方、「写真画像」の画像種が指定された場合、その画像の網点領域に対しては、「文字および写真画像」の場合よりも、黒生成量Kの少なくなるKテーブルを用いる。
このような場合、Kテーブルメモリ41に記憶されるKテーブルの数は、領域分離の種類数や画像種よりも多くなる。
また、本複写機においてKテーブルメモリ41に記憶しているKテーブルは、2つの1次元テーブルLUT1・LUT2からなる、小さなデータである。従って、複数のKテーブルをKテーブルメモリ41に記憶する場合でも、Kテーブルの記憶のために必要な記憶容量は、2次元のKテーブルを記憶する特許文献1の技術に比して少なくできる。
特に、特許文献1の技術において、領域分離の種類数だけの2次元のKテーブルを記憶しておき、領域分離結果に応じてKテーブルを切り換える構成では、必要な記憶容量は、本複写機のKテーブルメモリ41に必要な容量に比べて、極めて大きくなる。
また、本実施の形態では、メモリアクセス部42が、Kテーブルメモリ41に記憶されている複数のKテーブルを選択し、このKテーブルに含まれるLUT1・LUT2からK1,K2を読み取るとしている。すなわち、Kテーブルメモリ41には、LUT1・LUT2のペア(組)が複数記憶されている、としている。
しかしながら、これに限らず、Kテーブルメモリ41には、複数種類のLUT1・LUT2を、組分けすることなく(Kテーブルをなすように組み合わせておくことなく)、ばらばらに記憶しておいてもよい。この場合、メモリアクセス部42は、領域識別信号SEGに基づいて、Kテーブルメモリ41から、適切なLUT1・LUT2をそれぞれ選択することとなる。
また、以下に、色補正部15による色補正処理について説明する。
色補正の処理方法としては、以下の(a)(b)に示す方法がある。
(a)色補正部15に入力されるデジタルRGBデータと、色補正部15から出力するcmyデータの対応関係をLUTとしてもつ方法
(b)以下の式(5)に示すような変換行列を用いるカラーマスキング法
などがある。
Figure 0004271644
例えばカラーマスキング法を用いる場合には、
「cmyデータ」と、
「このcmyデータを印刷部3によって印刷して得られる色と同じLをもつカラーパッチを、スキャナー部1が読み込んだときに得られるデジタルRGBデータ」と、
の組を多数用意する。そして、これらのデータ組から式(5)に示した変換行列の係数a11〜a33を算出する。そして、これらの係数を用いて、色補正処理を行う。なお、精度をより高めたい場合は、二次以上の高次の項を加えればよい。また、上記のLは、CIE1976のL信号を意味する(CIE: Commission International de l’Eclairage :国際照明委員会)。なお、Lは明度を、a,bは色度を表す記号である。
また、本実施の形態では、最小値MINの値(0〜255)と、各MINに最適な黒生成量とが対応されてなる一次元テーブルであるLUT1・LUT2を用いて直線K12を求めるとしている。そして、この直線K12と、最小値MINおよび最大値MAXとを用いた補間演算(式(4))によって、黒生成量Kを求めるとしている。
しかしながら、黒生成量の算出について、最小値MIN・最大値MAXをこのように用いなくとも、適切な黒生成量Kを求めることは可能である。
ここで、一次元テーブルにおいて黒生成量と対応しているパラメータ(上記では最小値MIN)を第1パラメータ,他方のパラメータ(同じく最大値MAX)を第2パラメータとする。
例えば、第1パラメータを最大値MAX、第2パラメータを最小値MINとして黒生成量を求めることも可能である。
図15は、この場合における直線K12,LUT1,LUT2を、縦軸を最小値MIN,横軸を最大値MAXとした2次元のグラフである。このグラフでは、(MIN、MAX)の組に対して1つの最適な黒生成量が設定される。また、図15において、LUT2はMIN=0のラインであり、LUT1はMAX=MINのラインである。最大値MAX≧最小値MINであるので、最適な黒生成量を示す点は、横軸、LUT1、LUT2で囲まれる三角形の領域に存在する。
また、この場合におけるオフセット領域は、図16のように設定される。そして、黒生成量計算部43は、まず、最大値MAXに基づいて、以下のfの値を算出する。ここで、g・hは定数である。
f=g×MAX+h ・・・ (6)
そして、このfおよびMINが、以下の(7)(8)のいずれの条件を満たすかによって、計算方法を変化させる。
MAX≧MIN≧f ・・・ (7)
f>MIN ・・・ (8)
(7)を満たす場合、MAXは、図16に示すオフセット領域内に位置することとなる。
このオフセット領域は、上記の(6)式に示した直線f、および、LUT1を境界とする、予め定められている範囲である。
そして、黒生成量計算部43は、MAXがこの領域内にある場合、図15に示すK1の値を黒生成量Kとする、すなわち、
K=K1
とするように設計されている。
一方、(8)を満たす場合、MAXは、オフセット領域から外れた位置となる。この場合、黒生成量計算部43は、f−MIN,MINの比率に基づいて、線形補間計算を実行する。
すなわち、黒生成量計算部43は、以下の(9)式に示すように、これらを重み係数としてK1,K2に乗じ、その結果を足すことで、黒生成量Kを求める。
K=(MIN・K1+(f−MIN)・K2)/f・・・ (9)
また、第1パラメータまたは第2パラメータとして、最小値MIN,最大値MAXに限らず、C,M,Yの各成分値や中央値MID(=mid(C,M,Y))等を使用することも可能である。
また、平均値AVE(=(C+M+Y)/3)、色成分値M(マゼンタ)を用いてもよい。ただし、第1パラメータと第2パラメータに設定できる組み合わせには条件がある。ここでパラメータとして、最小値MIN、最大値MAX、中央値MID、平均値AVE、色成分値Mを使った設定例および補間演算の方法を以下の表1に示す。
Figure 0004271644
第1パラメータまたは第2パラメータとしては、最大値MAX・最小値MINのように、大小関係(MAX≧MIN)の決まっているものだけを使用できる。ここで、表1に示した第1・第2パラメータの組み合わせの例について、設定可否の欄に、設定可能な組み合わせに「○」を、設定できない組み合わせに「×」を記載している。
また、使用する第1・第2パラメータに応じて、黒生成量計算部43の使用する補間演算式も切り換える必要がある。例えば、第1パラメータをMIN、第2パラメータをMAXとする場合には、表1にも示すように、補間演算式として前述した(4)式を用いる。一方、第1パラメータをMAX、第2パラメータをMINとする場合には、補間演算式として(9)式を用いる。
なお、文字原稿や文字領域に対しては、前述した(9)式による補間演算を使用し、それ以外の領域に対しては、前述した(4)式による補間演算を使用するようにパラメータを選択することで、文字部の再現性を向上させた色再現を期待できる。
同様に、文字モードに対して(4)式による補間演算を使用し、それ以外の原稿モードに対しては(9)式による補間演算を使用することが好ましい。
また、第1パラメータに前述したAVG、第2パラメータにMAXを使用する場合、第1パラメータにMIN、第2パラメータにMAXを使用する場合よりも、全体的に高い黒生成が行われる。このため、文字領域あるいは文字原稿に適した別の構成と言える。また第1パラメータにMID、第2パラメータにMAXを設定した場合も、同様の効果がある。
従って、第1パラメータ・第2パラメータとして何を選択するか、については、例えば、上記のように、出力画像に含まれる領域種に基づいて決定することが好ましいといえる。
また、本実施の形態では、黒生成処理および下色除去処理の双方に、オフセット領域を考慮した処理(式(4)あるいは式(9)を補間演算式として使用した処理)を行うとしている。
しかしながら、黒生成処理および下色除去処理の一方にだけ上記のような処理を用い、他方には従来方法を用いてもよい。
また、黒生成よりも広い概念の処理として、多色印刷(通常のCMYK色材に加えて、R(レッド)やB(ブルー)といった色材も使用)における二次色生成処理(C,M,Yの色成分からR,Bの二次色成分を生成する処理)にも、オフセット領域を考慮した処理を適用できる。
例えば、二次色生成処理において、C,Mの色成分をC’,M’,Rの色成分に置き換える処理を行う場合、黒生成処理と同様に、C,M成分の一部をR成分に置き換える処理を行う。例えば、第1パラメータを最小値MIN(C,M)と第2パラメータを最大値MAX(C,M)とすることにより、黒生成時と同様の処理手順でR成分の生成を行える。
すなわち、第1パラメータに対応する2つのテーブル値R1・R2を読み出し、第1・第2パラメータを用いて補間演算を行うことによりR’を求める。使用するLUTとしては、図7に示したLUT1・2と同様のものを使用できる。R成分の生成を考慮してC,Mの色成分をC’,M’の色成分に修正する処理については黒生成時の下色除去と同じような処理を行う。
また、本実施の形態では、印刷に使用する色としてCMYKを用いるとし、CMYデータから黒生成を行うとしている。しかしながら、これに限らず、印刷に使用する色としてRGBKを用いてもよい。この場合、RGBデータから黒生成を行うこととなる。
また、本実施の形態では、2つの黒生成テーブルLUT1・LUT2から2つの黒生成量K1・K2を読み出し、これらを用いて黒生成量を計算するとしている。
しかしながら、黒生成量を求める際、LUT1・LUT2に加えて3つめの黒生成テーブルLUT3を用意し、3つの黒生成テーブルに設定された3つの黒生成量を用いてもよい。ここで、LUT3は、LUT1・LUT2の中間の黒生成量を設定するテーブルである。
図17に示すように、LUT1から求める黒生成量をK1、LUT3から求める黒生成量をK2、LUT2から求める黒生成量をK3とする。
そして、図示しているようにMAXがP2と255の間にある場合は、K2とK3を用いて補間計算してKを求める。同様にMAXがP1(=MIN)とP2との間にある場合は、K1とK2を用いて補間計算を行う。なお、オフセット領域を図18のように設定する。ここで、fは、MINに対応するオフセットの境界を表す。
また、補間演算には、以下に示す式(10)〜(13)を用いる。
P2>y≧P1の場合
y>MAX≧P1のとき K=K1 ・・・ (10)
P2>MAX≧fのとき K={(P2−MAX)K1+(MAX−f)K2}/(P2−f)・・・ (11)
255≧y≧P2の場合
y>MAX≧P2のとき K=K2 ・・・ (12)
255≧MAX≧yのとき K={(255−MAX)K1+(MAX−f)K2}/(255−f)・・・ (13)
なお、4つ以上の黒生成量を用いる場合も同様の計算方法となる。
また、上記したように、本実施の形態に示したLUT1は、グレー画像(y=m=c,MIN=MAXの画像)に応じた黒生成テーブルである。すなわち、LUT1は、このようなグレーの画像に関し、MINの値(0〜255)と、各MINに最適な黒生成量とが対応されてなる一次元テーブルである。
一方、LUT2は、高彩度の画像(「y=m=cおよびMIN=MAX」の成立しない、MAX=255の画像)に応じた彩度を考慮した黒生成テーブルである。すなわち、LUT2は、このような高彩度の画像に関し、MINの値(0〜255)と、各MINに最適な彩度を考慮した黒生成量とが対応されてなる一次元テーブルである。
また、本実施の形態では、画像データ(アナログのRGBデータ)の出力装置として、スキャナー部1を用いるとしている。しかしながら、これに限らず、他の画像入力装置(ファクシミリ装置など)を備えてもよい。
また、本実施の形態では、黒生成下色除去部16を、デジタルカラー複写機の画像処理部2に備えるとしている。しかしながら、これに限らず、黒生成下色除去部16については、デジタルまたはアナログのRGBデータやcmyデータを入力し、CMYKデータを出力する画像処理装置であれば、どのような装置にも適用可能である。
また、本実施の形態では、印刷媒体として記録紙を用いるとしているが、他の媒体(紙以外の材質からなる媒体)を用いていもよい。
また、本実施の形態では、印刷部3を、電子写真方式の印刷装置(プリンタ)であるとしている。しかしながら、印刷部3を、他の方式(インクジェット方式)のプリンタから構成してもよい。
また、黒生成下色除去部16における黒生成下色除去処理を、ソフトウェアとして実現することもできる。すなわち、例えば、黒生成下色除去処理を実現するソフトウェアを組み込んだプリンタドライバを、コンピュータに設けることが可能である。
図19は、このようなプリンタドライバ110を備えたコンピュータ100の構成を示すブロック図である。
この図に示すように、このコンピュータ100は、プリンタドライバ110,プリンタ言語翻訳部114,通信ポートドライバ115,通信ポート116を備えている(組み込んでいる)。
また、プリンタドライバ110は、図3に示したものと同様の色補正部15、黒生成下色除去部16,階調再現処理部19を有している。
さらに、コンピュータ100は、プリンタ(印刷装置;画像出力装置)117と接続されており、プリンタは、コンピュータから出力された画像データに応じて画像出力するようになっている。
このようなコンピュータ100において各種のアプリケーションプログラムを実行することにより生成された画像データ(RGBデータ)は、プリンタドライバ110における色補正部15、黒生成下色除去部16,階調再現処理部19において、本複写機と同様の処理を施される。
そして、このような処理の施された画像データ(CMYKデータ)は、プリンタ言語翻訳部114にてプリンタ言語に変換される。そして、通信ポートドライバ115、通信ポート(例えばRS232C・LAN等)116を介して、プリンタ117に入力される。
なお、プリンタ117としては、プリンタ機能の他に、コピー機能およびファックス機能を有するデジタル複合機を用いてもよい。
また、本実施の形態では、上記した黒生成処理および下色除去処理を、黒生成下色除去部16により行うとしている。しかしながら、これに限らず、これらの処理を行うためのプログラムを記録媒体に記録し、このプログラムを読み出して実行することのできる情報処理装置(コンピュータ)を、黒生成下色除去部16に代えて用いるようにしてもよい。
この構成では、情報処理装置の演算装置(CPUやMPU)が、記録媒体に記録されているプログラムを読み出して処理を実行する。従って、このプログラム自体が処理を実現するといえる。
ここで、上記の情報処理装置としては、一般的なコンピュータ(ワークステーションやパソコン)の他に、コンピュータに装着される、機能拡張ボードや機能拡張ユニットを用いることができる。
また、上記のプログラムとは、処理を実現するソフトウェアのプログラムコード(実行形式プログラム,中間コードプログラム,ソースプログラム等)のことである。このプログラムは、単体で使用されるものでも、他のプログラム(OS等)と組み合わせて用いられるものでもよい。また、このプログラムは、記録媒体から読み出された後、装置内のメモリ(RAM等)にいったん記憶され、その後再び読み出されて実行されるようなものでもよい。
また、プログラムを記録させる記録媒体は、情報処理装置と容易に分離できるものでもよいし、装置に固定(装着)されるものでもよい。さらに、外部記憶機器として装置に接続するものでもよい。
このような記録媒体としては、ビデオテープやカセットテープ等の磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROM,MO,MD,DVD,CD−R等の光ディスク(光磁気ディスク)、ICカード,光カード等のメモリカード、マスクROM,EPROM,EEPROM,フラッシュROM等の半導体メモリなどを適用できる。
また、ネットワーク(イントラネット・インターネット等)を介して情報処理装置と接続されている記録媒体を用いてもよい。この場合、情報処理装置は、ネットワークを介するダウンロードによりプログラムを取得する。すなわち、上記のプログラムを、ネットワーク(有線回線あるいは無線回線に接続されたもの)等の伝送媒体(流動的にプログラムを保持する媒体)を介して取得するようにしてもよい。なお、ダウンロードを行うためのプログラムは、装置内(あるいは送信側装置・受信側装置内)にあらかじめ記憶されていることが好ましい。
また、本発明は、入力画像データに対して色変換処理を行う画像処理方法および画像処理装置、並びにそれを備えた画像形成装置、プログラム、記録媒体に関するものであり、特に、色補正処理した画像信号に対して黒生成処理を行う画像処理方法および画像処理装置、並びにそれを備えた画像形成装置、プログラム、記録媒体に関するものであるともいえる。
また、入力階調補正部13は、シェーディング補正部12にて各種の歪みが取り除かれたRGB信号(RGBの反射率信号)を、カラーバランスを整えると同時に、濃度信号などカラー画像処理装置に採用されている画像処理システムの扱い易い信号に変換するものであってもよい。
また、色補正部15による色濁り除去処理の方法としては、入力RGB信号と出力cmy信号の対応関係をLUTとしてもつ方法や、式(5)のような変換行列を用いるカラーマスキング法などがある。例えばカラーマスキング法を用いる場合には、あるcmyを画像出力装置に与えた場合に出力される色のL値(CIE1976L信号)と同じLをもつカラーパッチをスキャナーが読み込んだときのRGBデータと、画像出力装置に与えたcmyデータの組を多数用意し、それらの組み合わせから式(5)のa11からa33までの変換行列の係数を算出する。これらの係数を用いて色補正処理を行う。より精度を高めたい場合は、二次以上の高次の項を加えればよい。また、出力階調補正部18は、濃度信号などの信号を印刷部3の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理を行うものであってもよい。
また、図1では、オフセットの範囲は、(0,0)と(255,255)とを結ぶ線分ともう一方の境界線との間をオフセットの範囲として定義している。ここで、数式でオフセットを表す場合は、数式で境界線を近似する。また、境界線を一つの数式で表す必要はなく、ある区間は式1、別の区間は式2という形で複数の式を用いてかまわない。ただし、境界線が複雑な形状をしており、単純な数式で近似できない場合はLUTを用いて境界を表すことが好ましい。
なお、図1に示したように、本複写機では、(3)を満たす場合に、式(4)を用いて黒生成量を求めるとしている。ここで、c=m=yならば(0,0)と(255,255)とを結ぶ線分(グレー軸)上に点があるが、実際にグレーの領域はこの線分上に来ないで、ずれたところ位置する。そして、上記の処理では、そのずれの範囲の中(オフセット領域内)ならば、グレー軸上にある場合と同じ黒生成を行うことで、黒生成量を維持し、オフセット領域外では、彩度を考慮した黒生成量に近づけていくことで彩度に応じた適切な黒生成量を得るようになっている。
また、本発明では、各KテーブルにはLUT1とLUT2はペアで格納されている必要はなく、複数の一次元テーブルから対応する一次元テーブルを選択するようにしておいてもよい。
また、特許文献1の技術について、以下のように述べることもできる。すなわち、この文献には、領域識別信号(像域識別情報)に応じてテーブルを切り換えるか否かについての明確な記載はない。そこで、領域識別信号に応じてテーブルを切り換えるとすると、複数の黒生成テーブルが必要になる。特許文献1では、2次元のテーブルを用いているので、2次元の黒生成テーブルが領域識別信号の数だけ必要になる。従って、1次元のテーブルを用いる場合に比して、必要なメモリ容量は極めて多くなる。
また、本発明はコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に、1次元のLUTと補間演算により黒生成下色除去処理を行う画像処理方法を記録することもできる。
この結果、1次元のLUTと補間演算により黒生成下色除去処理を行う画像処理方法を行うプログラムを記録した記録媒体を持ち運び自在に提供することができる。
記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理が行われるために図示しないメモリ、例えばROMのようなプログラムメディアであってもよく、図示しない外部記憶装置としてのプログラム読取装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。
いずれの場合においても、格納されているプログラムはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であってもよいし、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であってもよい。この場合、ダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
ここで、上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスク並びにCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
また、この場合、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であることから、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別の記録媒体からインストールされるものであってもよい。
上記記録媒体は、デジタルカラー画像形成装置やコンピュータシステムに備えられるプログラム読み取り装置により読み取られることで上述した画像処理方法が実行される。
なお、上記コンピュータシステムは、フラットベッドスキャナ・フィルムスキャナ・デジタルカメラなどの画像入力装置、所定のプログラムがロードされることにより上記画像処理方法など様々な処理が行われるコンピュータ、コンピュータの処理結果を表示するCRTディスプレイ・液晶ディスプレイなどの画像表示装置およびコンピュータの処理結果を紙に出力するプリンタより構成される。さらには、ネットワークを介してサーバーなどに接続するための通信手段としてのネットワークカードやモデムなどが備えられる。
また、本発明を、以下の第1〜第4画像処理装置,第1画像形成装置,第1・第2画像処理方法,第1画像処理プログラム,第1記録媒体として表現することもできる。すなわち、第1画像処理装置は、複数の色成分よりなる画像データに対して黒生成下色除去処理を行う画像処理装置において、複数の色成分よりなる画像データより算出される第1パラメータ(cmyの最小値MIN)に対応づけて黒生成量を格納する黒生成量格納部(黒生成用1DLUT)と、上記第1パラメータに基づいて黒生成量格納部より読み出される複数の第1黒生成量と複数の色成分よりなる画像データより算出される第2パラメータ(cmyの最大値MAX)とを用いて演算により第2黒生成量を求める黒生成演算部とが備えられており、上記黒生成演算部は、上記第2パラメータが所定の範囲(オフセット領域)内にあるか否かを判定する判定部と、判定部において、上記第2パラメータが所定の範囲内にあると判定された場合、第2黒生成量として上記第1黒生成量の一つを出力し、上記第2パラメータが所定の範囲外であると判定された場合は演算により第2黒生成量を求める演算部よりなる構成である。グレーの画素であってもcmyが揃っているとは限らないため、そのばらつきによってグレー軸からずれると黒生成量が減少してしまう。オフセット領域を設定することで、グレー軸からずれた画素値であっても、グレー軸と同じ黒生成量を生成させることができ、適切な黒生成を行うことができる。
また、第2画像処理装置は、複数の色成分よりなる画像データに対して黒生成下色除去処理を行う画像処理装置において、複数の色成分よりなる画像データより算出される第1パラメータに対応づけて下色除去量を格納する下色除去量格納部(下色除去用1DLUT)と、上記第1パラメータに基づいて下色除去量格納部より読み出される複数の第1下色除去量と複数の色成分よりなる画像データより算出される第2パラメータとを用いて演算により第2下色除去量を求める下色除去演算部とが備えられており、上記下色除去演算部は、上記第2パラメータが所定の範囲(オフセット領域)内にあるか否かを判定する判定部と、判定部において、上記第2パラメータが所定の範囲内にあると判定された場合、第2下色除去量として上記第1下色除去量の一つを出力し、上記第2パラメータが所定の範囲外であると判定された場合は演算により第2下色除去量を求める演算部よりなる構成である。グレーの画素であってもcmyが揃っているとは限らないため、そのばらつきによってグレー軸からずれると黒生成量が減少してしまう。オフセット領域を設定することで、グレー軸からずれた画素値であっても、グレー軸と同じ黒生成下色除去を行わせることができ、適切な色再現を行うことができる。
また、第3画像処理装置は、第1あるいは第2画像処理装置において、上記所定の範囲の領域が計算式によって指定される構成である。これにより、小数のパラメータによってオフセット領域を表すことができ、オフセット領域を指定するために必要なメモリ量を少なくすることができる。
また、第4画像処理装置は、第1あるいは第2画像処理装置において、上記所定の範囲の領域がルックアップテーブルによって指定される構成である。複雑な形状のオフセット領域でも指定することができ、オフセット領域を算出するための計算が不要であるため、処理を速くすることができる。
また、第1画像形成装置は、第1〜第4画像処理装置のいずれかを備える構成である。グレーの画素であってもcmyが揃っているとは限らないため、そのばらつきによってグレー軸からずれると黒生成量が減少してしまう。オフセット領域を設定することで、グレー軸からずれた画素値であっても、グレー軸と同じ黒生成下色除去を行わせることができ、適切な色再現を行うことができる画像形成装置を提供することができる。
また、第1画像処理方法は、複数の色成分よりなる画像データに対して黒生成下色除去処理を行う画像処理方法において、複数の色成分よりなる画像データより第1パラメータ(cmyの最小値MIN)を算出する工程と、上記第1パラメータ(cmyの最小値MIN)に対応づけて黒生成量を格納する黒生成量格納部(黒生成用1DLUT)から、上記第1パラメータに基づいて黒生成量格納部より複数の第1黒生成量を読み出す工程と、複数の色成分よりなる画像データより第2パラメータ(cmyの最大値MAX)を算出する工程と、上記第1パラメータと上記第2パラメータと上記第1黒生成量とを用いて演算により第2黒生成量を求める黒生成演算工程とを備え、上記黒生成演算工程は、上記第2パラメータが所定の範囲(オフセット領域)内にあるか否かを判定する判定工程と、判定工程において、上記第2パラメータが所定の範囲内にあると判定された場合、上記第1黒生成量の一つを出力し、上記第2パラメータが所定の範囲外であると判定された場合は演算により第2黒生成量を求める演算工程よりなる方法である。
また、第2画像処理方法は、複数の色成分よりなる画像データに対して黒生成下色除去処理を行う画像処理方法において、複数の色成分よりなる画像データより算出される第1パラメータを算出する工程と、上記第1パラメータに基づいて下色除去量を格納する下色除去量格納部から、上記第1パラメータに基づいて下色除去格納部より複数の第1下色除去量を読み出す工程と、複数の色成分よりなる画像データより第2パラメータを算出する工程と、上記第1パラメータと上記第2パラメータと上記第1下色除去量とを用いて演算により第2下色除去量を求める下色除去演算工程とを備え、上記下色除去演算工程は、上記第2パラメータが所定の範囲(オフセット領域)内にあるか否かを判定する判定工程と、判定工程において、上記第2パラメータが所定の範囲内にあると判定された場合、上記第1下色除去量の一つを出力し、上記第2パラメータが所定の範囲外であると判定された場合は演算により第2黒生成量を求める演算工程よりなる方法である。
また、第1画像処理プログラムは、第1〜第4画像処理装置のいずれかを動作させる画像処理プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるためのプログラムである。これにより、コンピュータで上記画像処理装置の各手段を実現することによって、上記画像処理装置を実現することができる。
また、第1記録媒体は、第1画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。これにより、記録媒体から読み出された画像処理プログラムによって、上記画像処理装置をコンピュータ上に実現することができる。
本発明は、複数の色成分よりなる1次画像データを、黒成分を含む2次画像データに変換する画像処理装置に対し、好適に利用できるものである。
第1パラメータを最小値MIN、第2パラメータを最大値MAXとして黒生成量を求める構成を説明するための、横軸を最小値MIN,縦軸を最大値MAXとした2次元のグラフである。 本発明の一実施形態にかかるデジタルカラー複写機の概略構成を示すブロック図である。 図2に示した複写機に設けられた画像処理部の構成を示す説明図である。 図3に示した画像処理部に設けられた領域分離処理部の構成を示す説明図である。 図3に示した画像処理部に設けられた黒生成下色除去部の構成を示すブロック図である。 図5に示した黒生成下色除去部に設けられた黒生成量算出部の構成を示す説明図である。 図6に示した黒生成量算出部に設けられたKテーブルメモリの構成を示す説明図である。 cmyデータの最小値MIN,最大値MAXに対して夫々定められる黒生成量を格納した一次元テーブルLUT1、LUT2と、LUT1、LUT2を用いて算出される黒生成量の関係を示す図である。 横軸にMIN,f,MAXの階調値をとり、縦軸を黒生成量Kとしたグラフである。 横軸にMIN,f,MAXの階調値をとり、縦軸を黒生成量Kとしたグラフである。 黒生成下色除去部の動作を示すフローチャートである。 黒生成算出処理を示すフローチャートである。 UCR算出処理を示すフローチャートである。 cmyデータの最小値MINとオフセット値との対応関係を表すグラフである。 第1パラメータを最大値MAX、第2パラメータを最小値MINとして黒生成量を求める構成を説明するための、縦軸を最小値MIN,横軸を最大値MAXとした2次元のグラフである。 第1パラメータを最大値MAX、第2パラメータを最小値MINとして黒生成量を求める構成における、オフセット領域を示すグラフである。 3つの黒生成テーブルに設定された3つの黒生成量を用いる構成を説明するための、横軸を最小値MIN,縦軸を最大値MAXとした2次元のグラフである。 3つの黒生成テーブルに設定された3つの黒生成量を用いる構成における、オフセット領域を示すグラフである。 黒生成下色除去処理を実現するソフトウェアを組み込んだプリンタドライバを備えたコンピュータの構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 スキャナー部
2 画像処理部
3 印刷部
4 操作部
5 制御部
11 A/D変換部
12 シェーディング補正部
13 入力階調補正部
14 領域分離処理部
15 色補正部
16 黒生成下色除去部
17 空間フィルタ処理部
18 階調再現処理部
18 出力階調補正部
19 階調再現処理部
21 文字・網点・写真領域分離部
31 最大最小算出部
32 UCR量算出部
33 UCR処理部
34 黒生成量算出部
41 Kテーブルメモリ(テーブル記憶部)
42 メモリアクセス部(黒成分演算部)
43 黒生成量計算部(黒成分演算部)
100 コンピュータ
110 プリンタドライバ
114 プリンタ言語翻訳部
115 通信ポートドライバ
116 通信ポート
117 プリンタ
K 黒生成量
K1 黒生成量(グレー黒成分量)
K1 黒生成量(高彩度黒成分量)
UCR 下色除去量
LUT1〜3 一次元テーブル
MAX 最大値
MID 中央値
MIN 最小値
SEG 領域識別信号

Claims (10)

  1. 複数の色成分よりなる1次画像データを、このデータの注目画素値から得られる第1パラメータおよび第2パラメータを用いて、黒成分を含む2次画像データに変換する画像処理装置において、
    第1パラメータに適した「グレー画像に応じた黒成分量であるグレー黒成分量」とが対応づけられたグレーテーブル、および、第1パラメータに適した「彩度を考慮した黒成分量である高彩度黒成分量」とが対応づけられた高彩度テーブルを記憶するテーブル記憶部と、
    1次画像データの注目画素値から、互いの大小関係が不変であるように選ばれる第1パラメータおよび第2パラメータを算出するパラメータ算出部と、
    上記の両テーブルから、算出された第1パラメータに適したグレー黒成分量および高彩度黒成分量を読み出し、これらの黒成分量,第1パラメータおよび第2パラメータを用いて、2次画像データに含ませる黒成分量を求める黒成分演算部とが備えられており、
    上記の黒成分演算部は、
    第2パラメータと第1パラメータとの差が所定のオフセット範囲内にある場合、グレー黒成分量を2次画像データに含ませる黒成分量とするように設定されており、
    第2パラメータと第1パラメータとの差が所定のオフセット範囲内にない場合、上記の両テーブルから、算出された第1パラメータに適したグレー黒成分量および高彩度黒成分に対し、上記第1パラメータおよび第2パラメータを用いた補間演算によって、2次画像データに含ませる黒成分量を求めることを特徴とする画像処理装置。
  2. 複数の色成分よりなる1次画像データに対し、このデータの画素値から得られる第1パラメータおよび第2パラメータを用いて、黒成分を加えるとともに下色を除去して2次画像データに変換する画像処理装置において、
    第1パラメータに適した「グレー画像に応じた下色除去量であるグレー下色除去量」とが対応づけられたグレーテーブル、および、第1パラメータに適した「彩度を考慮した下色除去量である高彩度下色除去量」とが対応づけられた高彩度テーブルを記憶するテーブル記憶部と、
    1次画像データの注目画素値から、互いの大小関係が不変であるように選ばれる第1パラメータおよび第2パラメータを算出するパラメータ算出部と、
    上記の両テーブルから、算出された第1パラメータに適したグレー下色除去量および高彩度下色除去量を読み出し、これらの下色除去量,第1パラメータおよび第2パラメータを用いて、1次画像データから除去する下色量を求める下色除去演算部とが備えられており、
    上記の下色除去演算部は、
    第2パラメータと第1パラメータとの差が所定のオフセット範囲内にある場合、グレー下色除去量を1次画像データから除去する下色量とするように設定されており、
    第2パラメータと第1パラメータとの差が所定のオフセット範囲内にない場合、上記の両テーブルから、算出された第1パラメータに適したグレー下色除去量および高彩度下色除去量に対し、上記第1パラメータおよび第2パラメータを用いた補間演算によって、2次画像データに含ませる下色量を求めることを特徴とする画像処理装置。
  3. 上記のオフセット範囲が、第1パラメータの値に依存することを特徴とする請求項1あるいは2に記載の画像処理装置。
  4. 上記のオフセット範囲が、計算式によって設定されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置。
  5. 上記のオフセット範囲が、オフセット範囲と第1パラメータとの対応テーブルによって設定されていることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置を備えることを特徴とする印刷装置。
  7. 複数の色成分よりなる1次画像データを、このデータの画素値から得られる第1パラメータおよび第2パラメータを用いて、黒成分を含む2次画像データに変換する画像処理方法において、
    第1パラメータに適した「グレー画像に応じた黒成分量であるグレー黒成分量」とが対応づけられたグレーテーブル、および、第1パラメータに適した「彩度を考慮した黒成分量である高彩度黒成分量」とが対応づけられた高彩度テーブルを記憶する記憶工程と、
    1次画像データの注目画素値から、互いの大小関係が不変であるように選ばれる第1パラメータおよび第2パラメータを算出するパラメータ算出工程と、
    上記の両テーブルから、算出された第1パラメータに適したグレー黒成分量および高彩度黒成分量を読み出し、これらの黒成分量,第1パラメータおよび第2パラメータを用いて、2次画像データに含ませる黒成分量を求める黒成分演算工程とを含み、
    上記の黒成分演算工程は、
    第2パラメータと第1パラメータとの差が所定のオフセット範囲内にある場合、グレー黒成分量を2次画像データに含ませる黒成分量とするように設定されており、
    第2パラメータと第1パラメータとの差が所定のオフセット範囲内にない場合、上記の両テーブルから、算出された第1パラメータに適したグレー黒成分量および高彩度黒成分に対し、上記第1パラメータおよび第2パラメータを用いた補間演算によって、2次画像データに含ませる黒成分量を求めることを特徴とする画像処理方法。
  8. 複数の色成分よりなる1次画像データに対し、このデータの画素値から得られる第1パラメータおよび第2パラメータを用いて、黒成分を加えるとともに下色を除去して2次画像データに変換する画像処理方法において、
    第1パラメータに適した「グレー画像に応じた下色除去量であるグレー下色除去量」とが対応づけられたグレーテーブル、および、第1パラメータに適した「彩度を考慮した下色除去量である高彩度下色除去量」とが対応づけられた高彩度テーブルを記憶するテーブル記憶工程と、
    1次画像データの注目画素値から、互いの大小関係が不変であるように選ばれる第1パラメータおよび第2パラメータを算出するパラメータ算出工程部と、
    上記の両テーブルから、算出された第1パラメータに適したグレー下色除去量および高彩度下色除去量を読み出し、これらの下色除去量,第1パラメータおよび第2パラメータを用いて、1次画像データから除去する下色量を求める下色除去演算工程とを含み、
    上記の下色除去演算工程は、
    第2パラメータと第1パラメータとの差が所定のオフセット範囲内にある場合、グレー下色除去量を1次画像データから除去する下色量とするように設定されており、
    第2パラメータと第1パラメータとの差が所定のオフセット範囲内にない場合、上記の両テーブルから、算出された第1パラメータに適したグレー下色除去量および高彩度下色除去量に対し、上記第1パラメータおよび第2パラメータを用いた補間演算によって、2次画像データに含ませる下色量を求めることを特徴とする画像処理方法。
  9. コンピュータに請求項7あるいは8に記載の各工程を実行させるための、コンピュータ読み取り可能な画像処理プログラム。
  10. 請求項9に記載の画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

JP2004302194A 2004-10-15 2004-10-15 画像処理装置,画像処理方法,画像処理プログラムおよび画像処理プログラムを記録した記録媒体 Expired - Lifetime JP4271644B2 (ja)

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