JP2005192168A - ループアンテナ装置 - Google Patents

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Yusuke Nakamura
祐介 中村
Akira Shigihara
亮 鴫原
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Abstract

【課題】 小型化を図りつつ広帯域化が可能なループアンテナ装置を得ること。
【解決手段】 誘電体基板1上で接地導体層2が形成されていない領域にアンテナ素子3を実装してループアンテナ装置を構成する。このアンテナ素子3は、多層構造の誘電体基体4の天地両面と中間層に計4層の放射導体5〜8をパターニングして、各放射導体5〜8を並列に接続すると共に、可変容量素子9やキャパシタ10を組み込んで概略構成されている。各放射導体5〜8はすべて同じループ形状の導体層であって、互いに平行に配置されている。可変容量素子9の一端側は給電端子11に接続されている。また、可変容量素子9の他端側は制御端子13に接続されていると共に、キャパシタ10を介してアース端子12に接続されている。給電端子11と制御端子13はテレビジョン信号受信用チューナに接続されており、アース端子12は接地導体層2に接続されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ループ構造の放射導体を備えたループアンテナ装置に係り、特に、地上波デジタルテレビジョン放送の受信等に好適な小型のループアンテナ装置に関する。
地上波デジタルテレビジョン放送は受信最低周波数がUHF帯の周波数に設定されており、各チャンネルの帯域を13セグメントに分割し、その中の1セグメントを利用した携帯端末向けの放送が予定されているため、専用のテレビジョン受信機だけでなく、PDA(Personal Digital Assistant)や携帯電話機などの携帯型情報端末機器での受信も普及するものと想定されている。そのため、人体の影響も受けにくいループアンテナに、アンテナ共振周波数を受信周波数に応じて変化させる同調制御手段を組み込んで、所望の帯域幅を有する小型のループアンテナ装置を構成すれば、携帯型情報端末機器の内蔵アンテナ装置、あるいは機器本体に装着されるカードの内蔵アンテナ装置などとして極めて好適である。
通常、小型のループアンテナ装置は、導線や導体層からなる1本のループ構造の放射導体に給電電圧を供給して、この放射導体を共振させるという構成になっている。すなわち、従来は、1本の導線から1ターンあるいは複数ターンのループコイルを形成して放射導体となしたループアンテナ装置(例えば、特許文献1参照)や、誘電体基体の表面に銅箔等によってループ状の放射導体を形成したループアンテナ装置が、一般的であった。
特開平9−98014号公報(第3−4頁、図1)
ところで、アンテナ装置は一般に小型化に伴って帯域幅が狭くなるが、従来のループアンテナ装置においても、地上波デジタルテレビジョン放送の受信を想定した場合、携帯型情報端末機器やカードに内蔵できるように小型化を促進した設計にすると所望の帯域幅を得ることはかなり困難であり、何らかの対策が望まれていた。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、小型化を図りつつ広帯域化が可能なループアンテナ装置を提供することにある。
上述した目的を達成するため、本発明のループアンテナ装置では、容量素子の一端側を給電端子に接続して他端側をアース端子に接続すると共に、前記容量素子に対して並列に複数の略同形状なループ構造の放射導体を接続し、これら複数の放射導体を互いに平行に配置させた。
このように構成されたループアンテナ装置において、並列に接続されて平行に配置された複数の略同形状な放射導体の特性はほぼ同等となるが、各放射導体の給電点を基準にしたループ長には僅かな相違が生じるため、アンテナ装置全体としては共振可能な周波数帯域が若干広がることになる。それゆえ、小型であっても帯域幅の広いループアンテナ装置を得ることが可能となる。
かかる構成のループアンテナ装置は、例えば、前記複数の放射導体が誘電体基体の表面または内部に形成された導体層からなることが好ましい。このようにすると、誘電体基体の天地両面にパターニングされた放射導体や、多層構造の誘電体基体の中間層にパターニングされた放射導体が、互いに平行な位置関係に設定されることになり、かつ、これら複数の放射導体をビアホール等によって並列に接続することも比較的容易なため、小型で広帯域なループアンテナ装置が量産しやすくなる。
また、かかる構成のループアンテナ装置は、前記容量素子がバラクタダイオード等の可変容量素子であり、該可変容量素子の容量値を変化させる制御電圧を印加することによってアンテナ共振周波数を変化させるようにしておくことが好ましい。これにより、アンテナ共振周波数を受信周波数に応じて変化させる同調制御を簡単な構成で実現できるため、携帯型情報端末機器での地上波デジタルテレビジョン放送の受信に好適な小型のループアンテナ装置が得られる。すなわち、可変容量素子をテレビジョン信号受信用チューナに接続しておき、該チューナ側から制御電圧(直流バイアス電圧)を印加して可変容量素子の容量値を適宜変化させることにより、アンテナ共振周波数を受信周波数に同調させることができ、かつ、アンテナ装置全体が小型であっても所望の帯域幅が確保しやすい構成にしてあるため、実用化が図りやすい。
本発明のループアンテナ装置は、並列に接続されて平行に配置された複数の略同形状な放射導体を備えているため、小型であっても広帯域化が可能となる。それゆえ、このループアンテナ装置に同調制御手段として可変容量素子を組み込めば、携帯型情報端末機器で地上波デジタルテレビジョン放送を受信するために必要な小型化と帯域幅が確保できることとなり、高い実用性が期待できる。
以下、発明の実施の形態を図面を参照して説明すると、図1は本発明の実施形態例に係るループアンテナ装置の斜視図、図2は該ループアンテナ装置の等価回路図、図3は該ループアンテナ装置のリターンロスを示す特性図である。
図1と図2において、FR4等からなる誘電体基板1上には一部領域を除いて銅箔等からなる接地導体層2が形成されており、接地導体層2の存しない領域に直方体形状のアンテナ素子3を実装してループアンテナ装置が構成されている。このアンテナ素子3は、多層構造の誘電体基体4の天地両面と中間層に銅箔等からなる計4層の放射導体(放射電極)5〜8をパターニングして、各放射導体5〜8を並列に接続すると共に、可変容量素子9やキャパシタ10を組み込んで概略構成されており、誘電体基体4の表面には適宜箇所に給電端子11とアース端子12と制御端子13が配設されている(図2参照)。4層の放射導体5〜8はすべて同じループ形状の導体層であって、互いに平行に配置されている。可変容量素子9はバラクタダイオードであって、この可変容量素子9の一端側は給電端子11に接続されており、可変容量素子9の他端側は制御端子13に接続されている。このアンテナ装置は、交流(高周波)において放射導体5〜8と可変容量素子9およびキャパシタ10によるループとして動作する。また、直流の場合は制御端子13とアース端子12間に可変容量素子9画は位置される構成として動作する。なお、給電端子11と制御端子13は図示せぬテレビジョン信号受信用チューナに接続されており、アース端子12は接地導体層2に接続されている。
このように構成されたループアンテナ装置は、アンテナ素子3の給電端子11から該チューナに受信信号(RF信号)が送出される。該チューナに入力された受信信号は、IF信号として該チューナから図示せぬ画像表示部等に出力される。また、該チューナから制御端子13に制御電圧(直流バイアス電圧)が印加されるようになっており、この制御電圧の大きさに応じて可変容量素子9の容量値が変化するため、アンテナ素子3は付加容量値が変更可能であり、それゆえ共振周波数が変更可能である。つまり、このループアンテナ装置は、可変容量素子9の容量値を適宜変化させることにより、アンテナ共振周波数を受信周波数に同調させることができる。
本実施形態例に係るループアンテナ装置は、可変容量素子9に対して4層の放射導体5〜8が並列に接続されているが、各放射導体5〜8は同形状で互いに平行に配置されているため、各放射導体5〜8の特性はほぼ同等である。しかし、各放射導体5〜8の給電点を基準にしたループ長は僅かに相違しているため、図3に実線で示すように、アンテナ装置全体としては共振可能な周波数帯域が広くなっている。すなわち、通常のループアンテナ装置と同様に放射導体が1層だけ(放射導体5のみ)である場合には、図3に破線で示すように、リターンロスが−10dB以下となる周波数帯域(帯域幅)はかなり狭くなってしまうが、並列に接続された4層の放射導体5〜8を互いに平行に配置させることによって広帯域化が実現できる。
より詳細に述べると、各放射導体5〜8は幅7mmの枠状に形成されており、その外形寸法は誘電体基体4と同じく長辺が36mmで短辺が17mmである。誘電体基体4の高さは6mmで、その天面に放射導体5が設けられ、天面よりも2mm下の第1の中間層に放射導体6が設けられ、さらに2mm下の第2の中間層に放射導体7が設けられ、さらに2mm下の底面に放射導体8が設けられている。また、キャパシタ10の容量値は100pFであり、誘電体基体4の比誘電率は5.0である。そして、可変容量素子9の容量値を例えば11.3pFに設定すると、周波数497.0MHzに同調させることができ、そのときの帯域幅は5.16MHzとなる。これに対して、放射導体6〜8を省略して他は同等の構成としたループアンテナ装置の場合、つまり放射導体が1層だけの場合には、同等の共振周波数で帯域幅が2.89MHzとなり、極端に狭くなってしまう。
また、制御端子13に印加する制御電圧を変化させて、可変容量素子9の容量値を5.96pFに設定すると、周波数618.5MHzに同調させることができ、そのときの帯域幅は5.68MHzとなる。これに対して、放射導体が1層だけの場合には、同等の共振周波数で帯域幅が3.22MHzとなり、やはり極端に狭くなる。
このように本実施形態例に係るループアンテナ装置は、並列に接続された4層の放射導体5〜8を互いに平行に配置させることによって、放射導体が1層だけの場合に比べて帯域幅を約1.8倍広げることができるため、地上波デジタルテレビジョン放送の受信に必要な帯域幅の確保が容易である。また、このループアンテナ装置は、制御電圧を印加して可変容量素子9の容量値を適宜変化させることにより、アンテナ共振周波数を受信周波数に応じて変化させることができるため、簡単な構成で同調制御が実現されている。しかも、一般にループアンテナは人体の影響を受けにくいという特長を有し、図1の設置状態で水平方向の受信感度が良好なため、本実施形態例に係るループアンテナ装置は、PDAや携帯電話機などの携帯型情報端末機器で地上波デジタルテレビジョン放送を受信する際に、機器本体の内蔵アンテナ装置、あるいは機器本体に装着されるカードの内蔵アンテナ装置などとして極めて好適である。
なお、本実施形態例では、放射導体を並列に4層配設した場合について例示しているが、放射導体を並列に複数層配設すれば帯域幅は広がり、放射導体の層数が増えるほど広帯域になっていくので、要求される帯域幅に応じて放射導体の層数を適宜選択することが好ましい。ただし、放射導体の層数が増えるほど利得は低下しやすく、例えば放射導体が4層構造の本実施形態例では、放射導体が1層だけの場合に比べて利得が約2dBiLだけ低下するので、要求される利得が高い場合には、放射導体の層数は過度に増やさないほうがよく、結局、要求される帯域幅と利得に応じて放射導体の層数を決定することが好ましい。
また、本実施形態例では、誘電体基体4に導体層からなる放射導体を形成した場合について例示しているが、各放射導体はループ状の導線であってもよい。ただし、本実施形態例のように誘電体基体4の表面や内部に放射導体を設ける構成にしてあると、各放射導体を互いに平行な位置関係に設定することが容易で、寸法精度も高めやすく、かつ複数の放射導体をビアホール等によって並列に接続することも比較的容易なため、小型で広帯域なループアンテナ装置の量産に適している。
また、本実施形態例では、可変容量素子9がアンテナ素子3に取り付けられているが、誘電体基板1に取り付けても良い。また、給電端子11と制御端子13を別々にしているが、一つの端子にチューナ側から給電電圧と制御電圧(直流バイアス電圧)を重畳して供給する構成にすることも可能である。
本発明の実施形態例に係るループアンテナ装置の斜視図である。 該ループアンテナ装置の等価回路図である。 該ループアンテナ装置のリターンロスを示す特性図である。
符号の説明
1 誘電体基板
2 接地導体層
3 アンテナ素子
4 誘電体基体
5〜8 放射導体(放射電極)
9 可変容量素子(バラクタダイオード)
10 キャパシタ
11 給電端子
12 アース端子
13 制御端子

Claims (4)

  1. 容量素子の一端側を給電端子に接続して他端側をアース端子に接続すると共に、前記容量素子に対して並列に複数の略同形状なループ構造の放射導体を接続し、これら複数の放射導体を互いに平行に配置させたことを特徴とするループアンテナ装置。
  2. 請求項1の記載において、前記複数の放射導体が誘電体基体の表面または内部に形成された導体層からなることを特徴とするループアンテナ装置。
  3. 請求項1または2の記載において、前記容量素子が可変容量素子であり、該可変容量素子の容量値を変化させる制御電圧を印加することによってアンテナ共振周波数を変化させるように構成したことを特徴とするループアンテナ装置。
  4. 請求項3の記載において、前記可変容量素子がテレビジョン信号受信用チューナに接続されていることを特徴とするループアンテナ装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007094494A1 (ja) * 2006-02-19 2007-08-23 Nissha Printing Co., Ltd. アンテナ付き筺体の給電構造
JP2010041071A (ja) * 2008-07-31 2010-02-18 Toshiba Corp アンテナ装置

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