JP2005191734A - 車両通信システム及び中継装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 できるだけ単純な構成を持つ車両に搭載された中継装置を用い、車両の遠隔操作を実現することができる車両通信システム等を提供する。
【解決手段】 管理サーバ11が、ドアのアンロックの実行可否に関する情報を取得する指令をテレマティクスECU25に送信し、テレマティクスECU25は、巡回メッセージを用いて各ECUから情報を取得し、ドアのアンロックを実行してもよいか否かを判定し、その判定結果を管理サーバ11に送信する。管理サーバ11は、テレマティクスECU25から受信した判断結果がドアのアンロックを許可するという結果であった場合、ドアのアンロックを実行させる指令をテレマティクスECU25に送信し、テレマティクスECU25は、ドアのアンロックを実行させる指令を受信すると、ドアのアンロックを実行させる旨の巡回メッセージを各ドアロックECU29,31,33,35に送信し、アンロックを実行させる。
【選択図】 図1



Description

本発明は、車両を外部より遠隔操作するための車両通信システム等に関する。
近年、運転者が車両のエンジンを始動させるキーを閉じ込んだ際に、運転者がサービスセンタに連絡してサービスセンタから当該車両のロックを解除してもらうサービスが考えられている。また、車両が盗難された際、車両をサービスセンタから遠隔操作してもらい、ホーンを吹鳴させたりハザードを点滅させたりエンジンの出力を著しく低下させたりするサービスが考えられている。
このようなサービスの実現を考えた場合、車両の各部を制御する電子制御装置と、サービスセンタのコンピュータが双方向に通信を行う必要がある。つまり、サービスセンタのコンピュータは車両の電子制御装置に指令を送信するだけでなく、車両の電子制御装置から情報を取得し、その取得した情報に応じて車両の電子制御装置に指令を送信する必要がある。なぜなら、走行中の車両のロックが突然解除されたり、高速走行中の車両のエンジンの出力が突然低下したりすると危険であるからである。
そこで、サービスセンタのコンピュータが車両の電子制御装置に指令を送信するだけでなく、車両の電子制御装置から情報を取得することを実現する技術の一つとして、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。この技術は、情報センタから無線通信を介して要求された調査要求に基づいて車載調査装置が車両各部の電子制御装置から情報を収集し、収集した情報を情報センタに送信することにより、情報センタが車両の診断を行うことができる技術である。
特開平11−134529号公報
ここで本願発明者らは、サービスセンタから遠隔操作で車両のドアのロックを解除することを例に挙げて考えてみた。まず車両に搭載され、車両とサービスセンタとの間の通信を制御するテレマティクスECUへサービスセンタからウェイクアップ信号を送信する。その信号を受信したテレマティクスECUは、車両内ネットワークをウェイクアップさせ、その車両内ネットワークに接続され、車両のドアロックを制御するドアロックECUや、エンジンを制御するエンジンECUや、オートマチックトランスミッションを制御するAT−ECUをウェイクアップさせる。そして、テレマティクスECUは各ECUから情報を収集し、収集した情報に基づいて車両の遠隔操作を許可するか否かを決定し、その決定情報をサービスセンタに送信する。
決定情報を受信したサービスセンタは、車両の遠隔操作が可能であることを認識すると、ドアロックを解除する指令をテレマティクスECUに送信する。ドアロックを解除する指令を受信したテレマティクスECUは、ドアロックECUにドアロックを解除する指令を送信してドアロックECUにドアロックを解除させる。
ところで、このような流れでサービスセンタから遠隔操作により車両のドアのロックを解除することを実現しようとすると、次のような問題が生じる。
現在、車両内ネットワークにはCAN(Control Area Network)が採用されつつあるが、CANをはじめとする車両内ネットワークは、信頼性の観点から、間違ったデータを各ECUが受信しないように各ECUにあらかじめ受信するメッセージの種類(ID)を定めておき、定められたIDのメッセージしか受信しないような構成を取ることが多い。つまり、各ECUは受信するメッセージの種類毎に専用の受信メッセージバッファを有する構成となっている。
このため、上述したような、サービスセンタから遠隔操作により車両のドアのロックを解除することをCANのような通信ネットワークが用いられた車両に対して実現することを考えた場合、テレマティクスECUが各ECUから情報を収集するため各ECUと直接通信を行う必要があるため、テレマティクスECUの受信メッセージバッファを増やす必要がある。例えばCANの場合は、受信メッセージの種類は16又は32種類が一般的であるが、車両内にはその数以上の多数のECUがあり、仮にそのECUの数だけメッセージの種類を増やすと、それに応じて受信メッセージバッファを増やす必要がある。ところが、受信メッセージバッファは通信ICのチップ面積の大半を占めるため、上述したように受信メッセージバッファを増やすとテレマティクスECUの大きなコストアップの要因となる。
また、テレマティクスECUは、各ECUから得た情報を一旦保持し、その一旦保持した情報に基づいて遠隔操作を許可するか否かを決定する必要がある。つまり、各ECUから得た情報を一旦保持するためのメモリも必要となる。このことも、テレマティクスECUのコストアップの要因となる。
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、できるだけ単純な構成を持つ車両に搭載された中継装置(例えばテレマティクスECU)を用い、上述したような車両の遠隔操作を実現することができる車両通信システム等を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の車両通信システムは、無線ネットワークと、その無線ネットワークに接続された管理サーバと、車両に搭載され、環状に構成された通信媒体上を巡回メッセージが巡回することによって情報を伝達させることができる車内ネットワークと、複数の制御装置と、中継装置とを備える。このうち制御装置は、車両に搭載され、車内ネットワークに接続されると共に車両の特定箇所を制御することができる複数の制御装置である。また、中継装置は、車両に搭載され、無線ネットワークに接続されると共に車内ネットワークにも接続され、無線ネットワークを介して管理サーバから指令を受信すると、車内ネットワークを介し、一の巡回メッセージを用いて各制御装置に指令を送信しその指令を実行させる。
このように一の巡回メッセージを用いて、例えば車内ネットワークに接続された個々の制御装置の状態を把握したり、各制御装置に対して指令を実行させるようになっていれば、中継装置は、個々の制御装置の状態や、制御装置に対する指令メッセージ毎の複数のメッセージバッファを持つ必要はなく、巡回メッセージ用のメッセージバッファだけを有していればよい。この結果、このような単純な構成を持つ中継装置によって、車両の遠隔操作を実現するという目的を達成することができる。
ところで、管理サーバが送信した指令が車両の各特定箇所の情報を収集する指令であった場合は、中継装置は請求項2に記載のように動作するとよい。つまり、巡回メッセージを用いて各制御装置から情報を収集し、収集した情報に基づいて予め定められた判断を実行し、その判断の結果を無線ネットワークを介して管理サーバに送信するようになっているとよい。
なお、具体的な巡回メッセージの一例としては、例えば符号ビットを1ビット分含むメッセージが考えられる。このような巡回メッセージは、例えば車両の各特定箇所の異常の有無を収集する場合に適用できる。つまり、各制御装置がその符号ビットを共通して用いるようにし、何らかの異常を制御装置が検知している場合はそのビットを立てるようにし、何も異常を検知していない場合は受け取った巡回メッセージをそのままの状態で次の制御装置に巡回メッセージを送る。そして、中継装置は、このビットの状態によって何らかの異常箇所が一つでもあったか否かを判定する。このようになっていれば、巡回メッセージ自体が各制御装置から得た情報を一旦保持するためのメモリの代わりになるため、各制御装置から得た情報をそれぞれ一旦保持するためのメモリが中継装置に不要になり、中継装置の構成を単純にすることができる。
もちろん、中継装置が収集した情報をそのまま管理サーバに送信するようになっていてもよいが、そのような場合は管理サーバが各制御装置から得られた情報を処理する必要があるため、請求項2に記載のような車両通信システムと比較して、管理サーバの処理負荷が高くなってしまう。管理サーバは、多数の車両の中継装置と通信を行うため、できるだけ処理負荷は低いほうが好ましい。したがって、請求項2に記載のような車両通信システムは、管理サーバの処理負荷を低減させることができるという点で優れている。
ところで、上述した「予め定められた判断」というのは様々なものが考えられるが、例えば、車両に異常が発生しているか否かの判断や、車両の特定箇所に対する遠隔操作指令の実行可否の判断等が考えられる。そこで、例えば、「予め定められた判断」が、車両の特定箇所に対する遠隔操作指令の実行可否の判断であった場合、管理サーバはその判断結果に基づいて、車両の特定箇所に対する遠隔操作指令を送信することができる。
その場合は、請求項3に記載のように、中継装置は、判断の結果を管理サーバに送信した後、管理サーバから制御装置の少なくとも何れか1つを動作させる指令を受信すると、その指令を、該当する制御装置へ巡回メッセージを用いて送信するようになっているとよい。そして、指令に該当する制御装置は、巡回メッセージを受信すると巡回メッセージに含まれる指令に基づいて車両の特定箇所を動作させるようになっているとよい。
具体的な遠隔操作の例として、車両の異常情報を取得する例(請求項4)、ドアのロックを解除する例(請求項5)、空調装置を動作させる例(請求項6)を説明する。
請求項4に記載の車両通信システムは、遠隔操作による車両の異常情報を取得する例である。具体的には次のように構成されている。複数の制御装置は、ドアのロック状態に関する情報を取得することができる第1の制御装置と、ウィンドウの開閉状態に関する情報を取得することができる第2の制御装置と、車両に与えられた振動状態に関する情報を取得することができる第3の制御装置と、車両の速度に関する情報を取得することができる第4の制御装置、トランスミッションのシフトポジションに関する情報を取得することができる第5の制御装置、又はイグニッションスイッチの状態に関する情報を取得することができる第6の制御装置の少なくとも何れか2つの制御装置から構成される。そして、管理サーバは、車両の異常を確認する指令を中継装置に送信する。また、中継装置は、管理サーバから車両の異常を確認する指令を受信すると各制御装置から各情報(例えば異常の有無)を取得し、その取得した情報に基づいて車両が異常状態であるか否かを判断し、その判断の結果を管理サーバに送信する。
このような車両通信システムであれば、管理サーバは車両の異常状態を把握することができる。そして、管理サーバは車両の異常を確認した際は、車両の所有者に携帯電話やメールによって連絡をするようになっているとよい。
請求項5に記載の車両通信システムは、遠隔操作によるドアのロックを解除する例である。具体的には次のように構成されている。複数の制御装置は、車両の速度に関する情報を取得することができる第1の制御装置、トランスミッションのシフトポジションに関する情報を取得することができる第2の制御装置、イグニッションスイッチの状態に関する情報を取得することができる第3の制御装置、又はセキュリティホーンの吹鳴状態に関する情報を取得することができる第4の制御装置の少なくとも何れか1つの制御装置と、ドアのロック及びアンロックを制御すると共にドアのロック状態に関する情報を取得することができるドアロック制御装置とから構成される。そして、管理サーバは、ドアのアンロックの実行可否に関する情報を取得する指令を中継装置に送信する。また、中継装置は、管理サーバからドアのアンロックの実行可否に関する情報を取得する指令を受信すると各制御装置から各情報を取得し、その取得した情報に基づいてドアのアンロックを許可してもよいか否かを判断し、その判断の結果を管理サーバに送信する。そして、管理サーバは、中継装置から受信した判断の結果がドアのアンロックを許可するという結果であった場合、ドアのアンロックを実行させる指令を中継装置に送信する。そして、中継装置は、管理サーバからドアのアンロックを実行させる指令を受信すると、ドアのアンロックを実行させる旨の巡回メッセージをドアロック制御装置宛に送信する。そして、ドアロック制御装置は、巡回メッセージを受信するとドアのアンロックを実行する。
このような車両通信システムであれば、走行中の車両のドアロックが突然解除されたり、セキュリティシステムが異常を感知しているのにドアロックが解除されたりすることを防止しながら、遠隔操作によるドアロックの解除を実現することができる。なお、ドアロックの解除が実行された後は、更に、巡回メッセージが用いられて解除済み情報が中継装置に届き、中継装置はその情報を管理サーバに送信するようになっているとよい。このようになっていれば、管理サーバは遠隔操作の結果を把握することができる。
請求項6に記載の車両通信システムは、遠隔操作による空調装置を動作させる例である。具体的には次のように構成されている。複数の制御装置は、ウィンドウの開閉状態に関する情報を取得することができる第1の制御装置、車両の外気温に関する情報を取得することができる第2の制御装置、車両の内気温に関する情報を取得することができる第3の制御装置、又は車両が受ける日射量に関する情報を取得することができる第4の制御装置の少なくとも何れか1つの制御装置と、空調装置の状態に関する情報を取得することができると共に空調装置の動作を制御することができる空調制御装置とから構成される。そして、管理サーバは、空調装置の動作可否に関する情報を確認する指令を中継装置に送信する。そして、中継装置は、管理サーバから空調装置の動作可否に関する情報を取得する指令を受信すると各制御装置から各情報(例えば空調装置を動作させるべきか否かの情報)を取得し、その取得した情報に基づいて空調装置を動作させてもよいか否かを判断し、その判断の結果を管理サーバに送信する。そして、管理サーバは、中継装置から受信した判断の結果が空調装置を動作させてもよいという結果であった場合、空調装置を動作させる指令を中継装置に送信する。そして、中継装置は、管理サーバから空調装置を動作させる指令を受信すると、空調装置を動作させる旨の巡回メッセージを空調制御装置宛に送信する。また、空調制御装置は、巡回メッセージを受信すると空調装置を動作させる。
このような車両通信システムであれば、ウィンドウが開いているにもかかわらず空調装置が動作したり、車内の空調が快適な状態であるにもかかわらず空調装置が動作したりすることを防止しながら、空調装置を動作させるべきときには遠隔操作により空調装置を動作させることができる。なお、空調装置が動作した後は、更に、巡回メッセージが用いられて空調装置の動作情報(例えば動作有無)が中継装置に届き、中継装置はその情報を管理サーバに送信するようになっているとよい。このようになっていれば、管理サーバは遠隔操作の結果を把握することができる。
ところで、請求項1〜請求項6に記載の車両通信システムは、請求項7に示すような中継装置によって構成されることで前述の効果を奏する。つまり、請求項7に記載の中継装置によれば、車両の遠隔操作を実現しながら、中継装置自体を単純に構成すること(具体的には受信メッセージバッファの増加を抑えること)ができる。
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
図1は本実施例の車両通信システムの概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施例の車両通信システムは、管理サーバ11と専用線ネットワーク13と基地局15と車両21とを備える。このうち、基地局15と車両21とはそれぞれ1台ずつしか図1には描かれていないが、実際は共に複数存在する。
管理サーバ11は、車両を遠隔操作するための指令を出すサーバであり、専用線ネットワーク13に接続されている。
専用線ネットワーク13は、パケット交換型のネットワークであり、管理サーバ11と基地局15との間の通信を媒介する。
基地局15は、専用線ネットワーク13に接続され管理サーバ11と通信を行うと共に、図示しない無線通信アンテナを有しその無線通信アンテナを介して車両21(より正確には車両21のテレマティクスECU25)と通信を行う。
車両21は、車内ネットワーク23と、この車内ネットワーク23に接続された、テレマティクスECU25、セキュリティECU27、FR席ドアロックECU29、FL席ドアロックECU31、RR席ドアロックECU33、RL席ドアロックECU35、エンジンECU37及びボデーECU39を備える。なお、車両21は、4つのドアを有する普通乗用車である。
車内ネットワーク23は、通信線が環状に構成された、いわゆるトークンリング型のネットワークであり、巡回メッセージが車内ネットワーク23に接続された機器を順に伝達されていく。
テレマティクスECU25は、CPU,ROM,RAM等を中心とする周知のマイクロコンピュータ等からなり(他のECUも同様)、図示しない無線アンテナに接続され、その無線アンテナを介して基地局15と通信を行うことができる。また、テレマティクスECU25は、車内ネットワーク23にも接続され、巡回メッセージを用いて車内ネットワーク23に接続された各ECUと通信を行うことができる。
セキュリティECU27は、車両の盗難防止システムを制御するECUであり、図示しないショックセンサや傾斜センサ等からの信号を受け取り、図示しないセキュリティホーンを吹聴すべきと判断したときに、セキュリティホーンを吹聴させる機能を担う。また、車内ネットワーク23に接続され、巡回メッセージを用いて車内ネットワーク23に接続された各ECUと通信を行うことができる。
FR席ドアロックECU29は、車両の前席右のドアロックを制御するECUであり、ドアロックアクチュエータに指令を出してドアの施錠及び解錠をさせることができる。また、FR席ドアロックECU29は、前席右席のドアロックの状態を検知することもできる。また、FR席ドアロックECU29は、車内ネットワーク23に接続され、巡回メッセージを用いて車内ネットワーク23に接続された各ECUと通信を行うことができる。
FL席ドアロックECU31は、車両の前席左のドアロックを制御するECUであり、ドアロックアクチュエータに指令を出してドアの施錠及び解錠をさせることができる。また、FL席ドアロックECU31は、前席左席のドアロックの状態を検知することもできる。また、FL席ドアロックECU31は、車内ネットワーク23に接続され、巡回メッセージを用いて車内ネットワーク23に接続された各ECUと通信を行うことができる。
RR席ドアロックECU33は、車両の後席右のドアロックを制御するECUであり、ドアロックアクチュエータに指令を出してドアの施錠及び解錠をさせることができる。また、RR席ドアロックECU33は、後席右のドアロックの状態を検知することもできる。また、RR席ドアロックECU33は、車内ネットワーク23に接続され、巡回メッセージを用いて車内ネットワーク23に接続された各ECUと通信を行うことができる。
RL席ドアロックECU35は、車両の後席左のドアロックを制御するECUであり、ドアロックアクチュエータに指令を出してドアの施錠及び解錠をさせることができる。また、RL席ドアロックECU35は、後席左のドアロックの状態を検知することもできる。また、RL席ドアロックECU35は、車内ネットワーク23に接続され、巡回メッセージを用いて車内ネットワーク23に接続された各ECUと通信を行うことができる。
エンジンECU37は、エンジン及びトランスミッションを制御するECUであり、車速や吸気温や吸気量やシフトポジション等の情報に基づいて、最適な燃料噴射量や点火タイミングやシフトポジションを決定し、この決定に基づいて各部のアクチュエータを動作させる。また、エンジンECU37は、車内ネットワーク23に接続され、巡回メッセージを用いて車内ネットワーク23に接続された各ECUと通信を行うことができる。
ボデーECU39は、ウィンドウの開閉状態、イグニッションスイッチの状態、パーキングブレーキの状態に関する情報を取得するECUであり、車内ネットワーク23に接続され、巡回メッセージを用いて車内ネットワーク23に接続された各ECUと通信を行うことができる。
ここで、実施例の車両通信システムと特許請求の範囲に記載の用語との対応を示す。専用線ネットワーク13及び基地局15が特許請求の範囲に記載の無線ネットワークに相当する。また、上記各ECU(テレマティクスECU25を除く)が特許請求の範囲に記載の制御装置に相当し、テレマティクスECU25が特許請求の範囲に記載の中継装置に相当する。
次に、テレマティクスECU25において実行される車両異常確認処理、ドアアンロック事前確認処理、ドアアンロック実行処理について順に説明する。なお、各処理は、テレマティクスECU25のROMに記憶されたプログラムに基づいて実行される。
(1)車両異常確認処理
車両異常確認処理は、管理サーバ11から発せられた車両異常確認処理の開始を意味する指令が専用線ネットワーク13及び基地局15を介してテレマティクスECU25に届いた際にテレマティクスECU25で実行が開始される。なお、上記指令は、例えば車両21の利用者が電話により管理サーバ11のオペレータに依頼することによりそのオペレータが管理サーバ11を操作することによって発せられるようになっているとよい。また、前提として以下の説明においては、管理サーバ11からテレマティクスECU25に車両異常確認処理を意味する指令が届いた際に車両21は、エンジンが停止しており、テレマティクスECU25とセキュリティECU27以外の各ECUは待機状態であると仮定する。ここで言う待機状態とは、各ECUが有する機能のうち、車内ネットワーク23との通信を行う機能のみが有効となっており、その他の機能が停止している状態を意味する。車両異常確認処理を図2のフローチャートを用いて説明する。
テレマティクスECU25は車両異常確認処理の実行を開始すると、まず車内ネットワーク23に接続された各ECUをウェイクアップさせる(待機状態から実行可能状態へ遷移させる)ための巡回メッセージを車内ネットワーク23に送出する(S110)。この巡回メッセージの一例を図3のメッセージフォーマット説明図を用いて説明する。図3(a)のメッセージフォーマット51のように、各ECUをウェイクアップさせる巡回メッセージは、送信先ID52の箇所だけが定義され、残りの部分は無効となった巡回メッセージである。ここで言う送信先IDというのは、巡回メッセージの宛先のECUを識別するためのIDである。なお、各ECUをウェイクアップさせる巡回メッセージの場合は送信先ID52の箇所に全ECUを意味するIDが設定されている。
次に、この送出された巡回メッセージが車内ネットワーク23を伝達されていく様子について図1を再び用いて説明する。この巡回メッセージがテレマティクスECU25から車内ネットワーク23に送出されると、次にセキュリティECU27に伝達される。この巡回メッセージを受け取ったセキュリティECU27は、既に実行可能状態であるため、受け取った巡回メッセージをそのまま車内ネットワーク23に送出する。送出された巡回メッセージは次にFR席ドアロックECU29に伝達される。この巡回メッセージを受け取ったFR席ドアロックECU29は、待機状態から実行可能状態へ移行する。FR席ドアロックECU29は、実行可能状態に移行すると、受け取った巡回メッセージをそのまま車内ネットワーク23に送信する。同様にして、FL席ドアロックECU31、RR席ドアロックECU33、RL席ドアロックECU35、エンジンECU37、ボデーECU39と巡回メッセージが伝達され、各ECUが実行可能状態に移行する。
最後に実行可能状態になったボデーECU39も、実行可能状態になった後、受け取った巡回メッセージをそのまま車内ネットワーク23に送出する。送出された巡回メッセージは、車内ネットワーク23を一巡したことになり、テレマティクスECU25に取り込まれる。
図2のフローチャートに戻り、次にテレマティクスECU25は、車両の異常を確認するための巡回メッセージを車内ネットワーク23に送出する(S120)。この巡回メッセージの一例を図3のメッセージフォーマット図を用いて説明する。図3(b)に示すメッセージフォーマット61のように、車両の異常を確認するための巡回メッセージは、送信先ID62と異常フラグ63の箇所が定義された巡回メッセージである。なお、今回の巡回メッセージは、送信先ID62の箇所に全送信先を意味するIDが設定されており、異常フラグ63には異常状態でない状態を意味するフラグ「0」が設定されている。
次に、この巡回メッセージが車内ネットワーク23を伝達されている様子について図1を再び用いて説明する。この巡回メッセージがテレマティクスECU25から車内ネットワーク23に送出されると、次にセキュリティECU27に伝達される。この巡回メッセージを受け取ったセキュリティECU27は、車両の盗難防止システムが異常を検知しているか否かを判断し、異常を検知している場合は、受信した巡回メッセージの異常フラグ63の箇所を、異常状態を意味するフラグ「1」に設定し、車内ネットワーク23へ送出する。一方、車両の盗難防止システムが異常を検知していない場合は、受信した巡回メッセージをそのまま車内ネットワーク23へ送出する。
送出された巡回メッセージは次にFR席ドアロックECU29に伝達される。この巡回メッセージを受け取ったFR席ドアロックECU29は、アンロック動作をするアクチュエータに異常があるか否かを判定し、異常がある場合は受信した巡回メッセージの異常フラグ63の箇所を、異常状態を意味するフラグ「1」に設定し、車内ネットワーク23へ送出する。一方、アンロック動作をするアクチュエータに異常がない場合は、受信した巡回メッセージをそのまま車内ネットワーク23へ送出する。なお、上記判定は、アンロック動作をするアクチュエータの異常に限らず、例えば、ロック動作をするアクチュエータの異常を判定するようになっていてもよいし、ドアが開いていることを異常として判定するようになっていてもよい。
送出された巡回メッセージは次にFL席ドアロックECU31に伝達される。この巡回メッセージを受け取ったFL席ドアロックECU31は、上記FR席ドアロックECU29と同様の判定を行い、巡回メッセージを車内ネットワーク23に送出する。RR席ドアロックECU33、RL席ドアロックECU35についても上記FR席ドアロックECU29と同様である。
エンジンECU37は、巡回メッセージを受け取ると、例えば、車速が0km/hでないことを異常として判定したり、シフトポジションがPレンジでないことを異常として判定する。そして、その判定に応じ、異常と判定した場合は、受信した巡回メッセージの異常フラグ63の箇所を、異常状態を意味するフラグ「1」に設定し、車内ネットワーク23へ送出する。一方、異常と判定しなかった場合は、受信した巡回メッセージをそのまま車内ネットワーク23へ送出する。
ボデーECU39は、巡回メッセージを受け取ると、例えば、イグニッションスイッチがONであることを異常として判定したりし、異常と判定した場合は、受信した巡回メッセージの異常フラグ63の箇所を、異常状態を意味するフラグ「1」に設定し、車内ネットワーク23へ送出する。一方、異常と判定しなかった場合は、受信した巡回メッセージをそのまま車内ネットワーク23へ送出する。送出された巡回メッセージは、車内ネットワーク23を一巡したことになり、テレマティクスECU25に取り込まれる。
図2のフローチャートに戻り、次にテレマティクスECU25は、取り込んだ巡回メッセージの異常フラグ63の箇所を確認し、異常である(つまり「1」である)か、異常でない(つまり「0」である)かによって処理を分岐する(S130)。異常である場合はS140に進み、異常でない場合はS150に進む。
S140では、車両に異常がある旨を意味する情報を、基地局15及び専用線ネットワーク13を介して管理サーバ11に送信し、本処理(車両異常確認処理)を終了する。S150では、車両に異常がない旨を意味する情報を、基地局15及び専用線ネットワーク13を介して管理サーバ11に送信し、本処理(車両異常確認処理)を終了する。なお、このような情報を受信した管理サーバ11は、例えば、車両の持ち主へメール等を用いて情報を送信する。
(2)ドアアンロック事前確認処理
ドアアンロック事前確認処理は、管理サーバ11から発せられたドアアンロック事前確認処理の開始を意味する指令が専用線ネットワーク13及び基地局15を介してテレマティクスECU25に届いた際にテレマティクスECU25で実行が開始される。なお、上記指令は、例えば車両21の利用者が電話により管理サーバ11のオペレータに依頼することによりそのオペレータが管理サーバ11を操作することによって発せられるようになっているとよい。また、前提として以下の説明においては、管理サーバ11からテレマティクスECU25にドアアンロック事前確認処理の実行を意味する指令が届いた際、車両21はエンジンが停止しており、テレマティクスECU25とセキュリティECU27以外の各ECUは待機状態であると仮定する。ここで言う待機状態とは、各ECUが有する機能のうち、車内ネットワーク23との通信を行う機能のみが有効となっており、その他の機能が停止している状態を意味する。ドアアンロック事前確認処理を図4のフローチャートを用いて説明する。
テレマティクスECU25はドアアンロック事前確認処理の実行を開始すると、まず車内ネットワーク23に接続された各ECUをウェイクアップさせる(待機状態から実行可能状態へ遷移させる)ための巡回メッセージを車内ネットワーク23に送出する(S210)。本ステップは、上述した車両異常確認処理のS110(図2参照)と同じであるため、説明を省略する。
次に、テレマティクスECU25は、ドアのアンロックの実行可否を確認するための巡回メッセージを車内ネットワーク23に送出する(S220)。この巡回メッセージの一例を図5のメッセージフォーマット図を用いて説明する。図5に示すメッセージフォーマット81のように、ドアのアンロックの実行可否を確認するための巡回メッセージは、送信先ID82とアンロック許可フラグ83とアンロック実行フラグ84とアンロック結果フラグ85とを備える。送信先ID82の箇所は、この巡回メッセージの宛先のECUを識別するためのIDを設定する箇所である。また、アンロック許可フラグ83の箇所は、ドアのアンロックの実行を許可するか否かを示す情報(許可は「0」不許可は「1」)が設定される箇所である。また、アンロック実行フラグ84の箇所は、ドアのアンロックを実行するか否かを示す情報(非実行は「0」実行は「1」)が設定される箇所である。また、アンロック結果フラグ85の箇所は、ドアのアンロックが正常に実行されたか否かを示す情報(正常に実行された場合は「0」正常に実行されなかった場合は「1」)が設定される箇所である。そして、S220において、テレマティクスECU25が車内ネットワーク23に送出する巡回メッセージは、送信ID82の箇所に全ECUを意味するIDが設定されており、アンロック許可フラグ83の箇所に「0」が設定されており、アンロック実行フラグ84の箇所に「0」が設定されており、アンロック結果フラグ85の箇所に「0」が設定されている。
次に、この送出された巡回メッセージが車内ネットワーク23を伝達されていく様子について図1を再び用いて説明する。この巡回メッセージがテレマティクスECU25から車内ネットワーク23に送出されると、次にセキュリティECU27に伝達される。この巡回メッセージを受け取ったセキュリティECU27は、車両の盗難防止システムが異常を検知しているか否かを判断し、異常を検知している場合は、受信した巡回メッセージのアンロック許可フラグ83の箇所を、アンロックを許可しないこと意味するフラグ「1」に設定し、車内ネットワーク23へ送出する。一方、車両の盗難防止システムが異常を検知していない場合は、受信した巡回メッセージをそのまま車内ネットワーク23へ送出する。
送出された巡回メッセージは、次にFR席ドアロックECU29に伝達される。この巡回メッセージを受け取ったFR席ドアロックECU29は、アンロック動作をするアクチュエータに異常があるか否かを判定し、異常がある場合は受信した巡回メッセージのアンロック許可フラグ83の箇所を、アンロックを許可しないことを意味するフラグ「1」に設定し、車内ネットワーク23へ送出する。一方、アンロック動作をするアクチュエータに異常がない場合は、受信した巡回メッセージをそのまま車内ネットワーク23へ送出する。なお、上記判定は、アンロック動作をするアクチュエータの異常に限らず、例えば、ロック動作をするアクチュエータの異常を判定するようになっていてもよいし、ドアが開いていることを異常として判定するようになっていてもよい。
送出された巡回メッセージは、次にFL席ドアロックECU31に伝達される。この巡回メッセージを受け取ったFL席ドアロックECU31は、上記FR席ドアロックECU29と同様の判定を行い、巡回メッセージを車内ネットワーク23に送出する。RR席ドアロックECU33、RL席ドアロックECU35についても上記FR席ドアロックECU29と同様である。
エンジンECU37は、巡回メッセージを受信すると、例えば、車速が0km/hでないことを異常として判定したり、シフトポジションがPレンジでないことを異常として判定する。そして、その判定に応じ、異常と判定した場合は、受信した巡回メッセージのアンロック許可フラグ83の箇所に、アンロックを許可しないことを意味するフラグ「1」に設定し、車内ネットワーク23へ送出する。一方、異常と判定しなかった場合は、受信した巡回メッセージをそのまま車内ネットワーク23へ送出する。
ボデーECU39は、巡回メッセージを受信すると、例えば、イグニッションスイッチがONであることを異常として判定したりし、異常と判定した場合は、受信した巡回メッセージのアンロック許可フラグ83の箇所に、アンロックを許可しないことを意味するフラグ「1」に設定し、車内ネットワーク23へ送出する。一方、異常と判定しなかった場合は、受信した巡回メッセージをそのまま車内ネットワーク23へ送出する。送出された巡回メッセージは、車内ネットワーク23を一巡したことになり、テレマティクスECU25に取り込まれる。
図4のフローチャートに戻り、次にテレマティクスECU25は、取り込んだ巡回メッセージのアンロック許可フラグ83の箇所を確認し、アンロックを許可する(つまり「0」)か、アンロックを許可しない(つまり「1」)かによって処理を分岐する(S230)。アンロックを許可する(つまり「0」)である場合はS240に進み、アンロックを許可しない(つまり「1」)である場合はS250に進む。
S240では、ドアのアンロックを許可する旨の情報を、基地局15及び専用線ネットワーク13を介して管理サーバ11に送信し、本処理(ドアアンロック事前確認処理)を終了する。S250では、ドアアンロックを許可しない旨の情報を基地局15及び専用線ネットワーク13を介して管理サーバ11に送信し、本処理(ドアアンロック事前確認処理)を終了する。
一方、管理サーバ11は、ドアのアンロックを許可する旨の情報を受け取った場合は、続けて、ドアアンロック実行処理の開始を意味する指令を専用線ネットワーク13及び基地局15を介してテレマティクスECU25に送信し、ドアのアンロックを許可しない旨の情報を受け取った場合は、その旨を例えば、車両の持ち主へメール等を用いて送信する。
(3)ドアアンロック実行処理
ドアアンロック実行処理は、管理サーバ11から発せられたドアアンロック実行処理の開始を意味する指令がテレマティクスECU25に届いた際にテレマティクスECU25で実行が開始される。このドアアンロック実行処理について図6のフローチャートを用いて説明する。
テレマティクスECU25はドアアンロック実行処理の実行を開始すると、ドアのアンロックを実行させる巡回メッセージを送出する(S310)。この巡回メッセージのメッセージフォーマットは、ドアアンロック事前確認処理のS220(図4参照)において送出した巡回メッセージと同じである(図5参照)。なお、送信ID82の箇所にFR席ドアロックECU29とFL席ドアロックECU31とRR席ドアロックECU33とRL席ドアロックECU35とを意味するIDが設定されており、アンロック許可フラグ83の箇所に「0」が設定されており、アンロック実行フラグ84の箇所に「1」が設定されており、アンロック結果フラグ85の箇所に「0」が設定されている。
次に、この送出された巡回メッセージが車内ネットワーク23を伝達されていく様子について図1を再び用いて説明する。この巡回メッセージがテレマティクスECU25から車内ネットワーク23に送出されると、次にセキュリティECU27に伝達される。この巡回メッセージを受け取ったセキュリティECU27は、何もせずに巡回メッセージをそのまま車内ネットワーク23に送出する(巡回メッセージの送信ID82の箇所にセキュリティECUを識別するIDが設定されていないため)。
送出された巡回メッセージは、次にFR席ドアロックECU29に伝達される。この巡回メッセージを受け取ったFR席ドアロックECU29は、巡回メッセージのアンロック実行フラグ84の箇所に「1」が設定されているため、右前席のドアロックを解除する。そして、右前席のドアロックの解除に成功すると、受信した巡回メッセージをそのまま車内ネットワーク23に送出する。しかし、右前席のドアロックの解除に何らかの理由(例えばアクチュエータの作動不良等)により失敗した場合は、受信した巡回メッセージのアンロック実行フラグ84の箇所に「0」を設定すると共にアンロック結果フラグ85の箇所に「1」を設定し、車内ネットワーク23に送出する。
送出された巡回メッセージは、次にFL席ドアロックECU31に伝達される。この巡回メッセージを受け取ったFL席ドアロックECU31は、受け取った巡回メッセージのアンロック実行フラグ84の箇所に「1」が設定されていれば、左前席のドアロックを解除する。そして、左前席のドアロックの解除に成功すると、受信した巡回メッセージをそのまま車内ネットワーク23に送出する。しかし、左前席のドアロックの解除に何らかの理由(例えばアクチュエータの作動不良等)により失敗した場合は、受信した巡回メッセージのアンロック実行フラグ84の箇所に「0」を設定すると共にアンロック結果フラグ85の箇所に「1」を設定し、車内ネットワーク23に送出する。なお、FL席ドアロックECU31は、受け取った巡回メッセージのアンロック実行フラグ84の箇所に「0」が設定されていれば、何もせずに受け取った巡回メッセージをそのまま車内ネットワーク23に送出する。
送出された巡回メッセージは、次にRRドアロックECU33に伝達される。この巡回メッセージを受け取ったRRドアロックECU33は、上記FL席ドアロックECU31と同様の処理(アンロック対象のドアは右後席)を行い、巡回メッセージを車内ネットワーク23に送出する。次に巡回メッセージが伝達されるRL席ドアロックECU35も上記FL席ドアロックECU31と同様の処理(アンロック対象のドアは左後席)を行い、巡回メッセージを車内ネットワーク23に送出する。
エンジンECU37は、巡回メッセージを受信しても、その巡回メッセージの送信ID82の箇所に設定されている対象ECUではないため、何もせずにそのまま車内ネットワーク23に送出する。
ボデーECU39は、巡回メッセージを受信しても、その巡回メッセージの送信ID82の箇所に設定されている対象ECUではないため、何もせずにそのまま車内ネットワーク23に送出する。
このようにして車内ネットワーク23を一巡した巡回メッセージは、テレマティクスECU25に取り込まれる。
図6のフローチャートに戻り、次にテレマティクスECU25は、取り込んだ巡回メッセージのアンロック結果フラグ85の箇所を確認し、ドアのアンロックが正常に実行された(つまり「0」)か、ドアのアンロックが正常に実行されなかった(つまり「1」)かによって処理を分岐する(S320)。ドアのアンロックが正常に実行された(つまり「0」)である場合はS330に進み、ドアのアンロックが正常に実行されなかった(つまり「1」)である場合はS340に進む。
S330では、ドアのアンロックが正常に実行された旨の情報を、基地局15及び専用線ネットワーク13を介して管理サーバ11に送信し、本処理(ドアアンロック実行処理)を終了する。S340では、ドアのアンロックが正常に実行されなかった旨の情報を、基地局15及び専用線ネットワーク13を介して管理サーバ11に送信し、本処理(ドアアンロック実行処理)を終了する。
ここまでで、テレマティクスECU25が実行する、車両異常確認処理、ドアアンロック事前確認処理、ドアアンロック実行処理を順に説明することにより本実施例の車両通信システムを説明したが、本実施例の車両通信システムによれば、CAN等の車両ネットワークを用いる場合に比較してテレマティクスECU25の構成を単純にすることができる。また、テレマティクスECU25が各種判断を実行し、その実行結果のみを管理サーバ11に送信するようになっているため、管理サーバ11の処理負荷も低減させることができる。また、車内ネットワーク23を、車両の遠隔操作とは異なる処理に各ECUが用いているような場合でも、巡回メッセージ型のネットワークの特性により、他のネットワークや装置からの不正な大量データの混入を防止でき、安定した通信を行うことができる。
以下、他の実施例について述べる。
(1)上記実施例の車両通信システムは、遠隔操作による車両の異常確認と、遠隔操作によるドアのアンロックが実現できるように構成されていたが、他にも例えば空調装置の遠隔操作ができるようになっていてもよい。その場合は、ウィンドウの開閉を制御するECUや車両の内気温・外気温を取得することができるECUや車両が受ける日射量に関する情報を取得することができるECUから、テレマティクスECU25が情報を取得して空調装置を動作させる遠隔操作を許可するか否かを判定し、空調装置を動作させる遠隔操作を許可すると判定した際に空調装置を動作させるようになっているとよい。
このような車両通信システムであれば、ウィンドウが開いているにもかかわらず空調装置が動作したり、車内の空調が快適な状態であるにもかかわらず空調装置が動作したりすることを防止しながら、空調装置を動作させるべきときには遠隔操作により空調装置を動作させることができる。
(2)上記実施例の車両通信システムは、テレマティクスECU25がドアアンロック事前確認処理を実行してドアのアンロックの実行可否を管理サーバ11に送信した後、管理サーバ11からドアアンロック実行処理の開始を意味する指令をテレマティクスECU25が受信し、実際にドアのアンロックが行われるようになっていた。しかし、テレマティクスECU25が、管理サーバ11に実行可否を送信することなく、ドアのアンロックの実行を許可した後にドアアンロック実行処理を開始するようになっていてもよい。このようになっていれば、管理サーバ11とテレマティクスECU25との間の通信量を削減することができる。
(3)上記実施例では、ドアアンロック実行処理の際に、一の巡回メッセージによってドアのアンロックが実行とその実行が正常に行われたか否かの確認が一度に行われるようになっていたが、一巡目の巡回メッセージによってドアのアンロックが実行され、二巡目の巡回メッセージによってアンロックが正常に実行されたか否かが確認されるようになっていてもよい。このようになっていれば、一つのECUが巡回メッセージを保持している間の時間を短くすることができるため、巡回メッセージを巡回させる速度を向上させることができる。
実施例の車両通信システムの概略構成を説明するためのブロック図である。 車両異常確認処理を説明するためのフローチャートである。 巡回メッセージのメッセージフォーマットを説明するための説明図である。 ドアアンロック事前確認処理を説明するためのフローチャートである。 巡回メッセージのメッセージフォーマットを説明するための説明図である。 ドアアンロック実行処理を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
11…管理サーバ、13…専用線ネットワーク、15…基地局、21…車両、23…車内ネットワーク、25…テレマティクスECU、27…セキュリティECU、29…FR席ドアロックECU、31…FL席ドアロックECU、33…RR席ドアロックECU、35…RL席ドアロックECU、37…エンジンECU、39…ボデーECU。

Claims (7)

  1. 無線ネットワークと、
    前記無線ネットワークに接続された管理サーバと、
    車両に搭載され、環状に構成された通信媒体上を巡回メッセージが巡回することによって情報を伝達させることができる車内ネットワークと、
    前記車両に搭載され、前記車内ネットワークに接続されると共に前記車両の特定箇所を制御することができる複数の制御装置と、
    前記車両に搭載され、前記無線ネットワークに接続されると共に前記車内ネットワークにも接続され、前記無線ネットワークを介して前記管理サーバから指令を受信すると、前記車内ネットワークを介し、一の巡回メッセージを用いて前記各制御装置に前記指令を送信し前記指令を実行させる中継装置と、
    を備えることを特徴とする車両通信システム。
  2. 請求項1に記載の車両通信システムにおいて、
    前記管理サーバは、前記指令として前記車両の前記各特定箇所の情報を収集する指令を前記中継装置へ送信し、
    前記中継装置は、前記管理サーバから前記指令を受信すると、前記巡回メッセージを用いて前記各制御装置から前記情報を収集し、収集した情報に基づいて予め定められた判断を実行し、その判断の結果を前記無線ネットワークを介して前記管理サーバへ送信することを特徴とする車両通信システム。
  3. 請求項2に記載の車両通信システムにおいて、
    前記管理サーバは、前記中継装置から前記判断の結果を受信すると、前記制御装置の少なくとも何れか1つを動作させる指令を前記中継装置へ更に送信し、
    前記中継装置は、前記制御装置の少なくとも何れか1つを動作させる指令を前記管理サーバから受信すると、その指令を、該当する前記制御装置へ前記巡回メッセージを用いて送信し、
    前記指令に該当する前記制御装置は、前記巡回メッセージを受信すると前記指令に基づいて前記車両の前記特定箇所を動作させることを特徴とする車両通信システム。
  4. 請求項2に記載の車両通信システムにおいて、
    前記複数の制御装置は、ドアのロック状態に関する情報を取得することができる第1の制御装置、ウィンドウの開閉状態に関する情報を取得することができる第2の制御装置、前記車両に与えられた振動状態に関する情報を取得することができる第3の制御装置、前記車両の速度に関する情報を取得することができる第4の制御装置、トランスミッションのシフトポジションに関する情報を取得することができる第5の制御装置、又はイグニッションスイッチの状態に関する情報を取得することができる第6の制御装置の少なくとも何れか2つの制御装置から構成され、
    前記管理サーバは、車両の異常を確認する指令を前記中継装置に送信し、
    前記中継装置は、前記管理サーバから車両の異常を確認する指令を受信すると前記各制御装置から前記各情報を取得し、その取得した情報に基づいて前記車両が異常状態であるか否かを判断し、その判断の結果を前記管理サーバに送信することを特徴とする車両通信システム。
  5. 請求項3に記載の車両通信システムにおいて、
    前記複数の制御装置は、車両の速度に関する情報を取得することができる第1の制御装置、トランスミッションのシフトポジションに関する情報を取得することができる第2の制御装置、イグニッションスイッチの状態に関する情報を取得することができる第3の制御装置、又はセキュリティホーンの吹鳴状態に関する情報を取得することができる第4の制御装置の少なくとも何れか1つの制御装置と、ドアのロック及びアンロックを制御すると共に前記ドアのロック状態に関する情報を取得することができるドアロック制御装置とから構成され、
    前記管理サーバは、ドアのアンロックの実行可否に関する情報を取得する指令を前記中継装置に送信し、
    前記中継装置は、前記管理サーバからドアのアンロックの実行可否に関する情報を取得する指令を受信すると前記各制御装置から前記各情報を取得し、その取得した情報に基づいてドアのアンロックを許可してもよいか否かを判断し、その判断の結果を前記管理サーバに送信し、
    前記管理サーバは、前記中継装置から受信した前記判断の結果がドアのアンロックを許可するという結果であった場合、ドアのアンロックを実行させる指令を前記中継装置に送信し、
    前記中継装置は、前記管理サーバからドアのアンロックを実行させる指令を受信すると、ドアのアンロックを実行させる旨の巡回メッセージを前記ドアロック制御装置宛に送信し、
    前記ドアロック制御装置は、前記巡回メッセージを受信するとドアのアンロックを実行することを特徴とする車両通信システム。
  6. 請求項3に記載の車両通信システムにおいて、
    前記複数の制御装置は、ウィンドウの開閉状態に関する情報を取得することができる第1の制御装置、前記車両の外気温に関する情報を取得することができる第2の制御装置、前記車両の内気温に関する情報を取得することができる第3の制御装置、又は前記車両が受ける日射量に関する情報を取得することができる第4の制御装置の少なくとも何れか1つの制御装置と、空調装置の状態に関する情報を取得することができると共に前記空調装置の動作を制御することができる空調制御装置とから構成され、
    前記管理サーバは、前記空調装置の動作可否に関する情報を取得する指令を前記中継装置に送信し、
    前記中継装置は、前記管理サーバから前記空調装置の動作可否に関する情報を取得する指令を受信すると前記各制御装置から前記各情報を取得し、その取得した情報に基づいて前記空調装置を動作させてもよいか否かを判断し、その判断の結果を前記管理サーバに送信し、
    前記管理サーバは、前記中継装置から受信した前記判断の結果が前記空調装置を動作させてもよいという結果であった場合、前記空調装置を動作させる指令を前記中継装置に送信し、
    前記中継装置は、前記管理サーバから前記空調装置を動作させる指令を受信すると、前記空調装置を動作させる旨の巡回メッセージを前記空調制御装置宛に送信し、
    前記空調制御装置は、前記巡回メッセージを受信すると前記空調装置を動作させることを特徴とする車両通信システム。
  7. 請求項1〜請求項6の何れかに記載の車両通信システムに用いられる中継装置であって、請求項1〜請求項6の何れかにおいて中継装置に関して記載した構成を備えることを特徴とする中継装置。
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