JP2005191278A - 投影露光装置及び投影露光方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ハードペリクルを用いた場合に発生する収差を確実且つ容易に補正できる投影露光装置及び投影露光方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 光源と、光学系と、レティクルを保持可能としたレティクルステージと、前記レティクルの位置を調節可能とした第1の位置調節機構と、ウェーハを載置可能としたウェーハステージと、前記レティクルと前記ウェーハとの間に設けられた収差補正用プレートと、前記収差補正用プレートの傾斜角度を調節可能とした角度調節機構と、を備えたことを特徴とする投影露光装置が提供される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、投影露光装置及び投影露光方法に関し、より詳細には、半導体集積回路などの製造に際して実施する露光プロセスにおける各種の収差及びハードペリクル使用時に発生する各種収差に対する補正機能を有する投影露光装置及び投影露光方法に関する。
半導体集積回路の製造に際しては、所定のパターンを半導体ウェーハ上に転写する装置として、投影露光装置が重要な役割を有する。このような投影露光装置としては、例えば、東映系の残存収差を補正する光学補正板の付設による光学特性の劣化を補正した露光装置が開示されている(特許文献1)。
半導体ウェーハ上にパターンの投影する際には、レティクル(フォトマスク)が用いられるが、そのパターン欠陥を防ぐために、「ペリクル」と呼ばれる保護膜によってレティクルを覆う必要がある。露光光源の波長がArFレーザ光による193nmの世代までは、ペリクル膜として各種のセルロースの有機膜が用いられてきた。しかし、露光波長が157nmになると、従来用いられてきた有機ペリクル膜では、その露光波長に対する耐光性が従来の193nmまでの露光波長の場合に比べて約1/1000程度と、かなり短期間しか持たないのが現状である。そのため、露光波長が157nmでは、従来の有機膜に代わりに、「ハードペリクル」と呼ばれる合成石英でできた無機膜が主流になると考えられる。
特開2001−168000号公報
しかし、従来用いられてきた有機膜の膜厚が数μm程度であったのに比べて、ペリクルとして「ハードペリクル」を用いた場合は、自重たわみの防止のため300μm以上の膜厚が必要とされている。そのため、従来では問題とはならなかったハードペリクルによる各種の収差(デフォーカス、ディストーションを含む非点、コマ、球面などのレティクルを通過した露光回折光がレンズなどの各種の光学要素の通過によって生じる位相の「ずれ」のこと)の発生がある。このような収差が発生すると、ウェーハ上のレジストパターンのコントラストの低下を招いてしまうという問題があった。
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、その目的は、ハードペリクルを用いた場合に発生する収差を確実且つ容易に補正できる投影露光装置及び投影露光方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明によれば、光源と、光学系と、レティクルを保持可能としたレティクルステージと、前記レティクルの位置を調節可能とした第1の位置調節機構と、ウェーハを載置可能としたウェーハステージと、前記レティクルと前記ウェーハとの間に設けられた収差補正用プレートと、前記収差補正用プレートの傾斜角度を調節可能とした角度調節機構と、を備えたことを特徴とする投影露光装置が提供される。
ここで、前記レティクルステージに保持された前記レティクルに付設されたハードペリクルにより生ずる光学的な収差を補正するように、前記第1の位置調節機構及び前記角度調節機構の少なくともいずれかを動作させる制御機構をさらに備えたものとすることができる。
または、前記収差補正用プレートの位置を調節可能とした第2の位置調節機構をさらに備えたものとすることができる。
ここで、前記レティクルステージに保持された前記レティクルに付設されたハードペリクルにより生ずる光学的な収差を補正するように、前記第1の位置調節機構、前記角度調節機構及び前記第2の位置調節機構の少なくともいずれかを動作させる制御機構をさらに備えたものとすることができる。
また、前記制御機構は、前記レティクルを交換する毎に、前記光学的な収差を補正するように前記動作をさせるものとすることができる。
また、前記光学系は、前記ウェーハに露光光を投影する投影レンズを含み、前記収差補正用プレートは、前記レティクルと前記投影レンズとの間に設けられたものとすることができる。
また、前記光学系は、前記ウェーハに露光光を投影する投影レンズを含み、前記収差補正用プレートは、前記投影レンズを保護するカバーグラスであるものとすることができる。
また、前記収差補正用プレートは、SiOあるいは金属フッ化化合物よりなるものとすることができる。
一方、本発明によれば、ハードペリクルを有するレティクルを用いてウェーハを露光する投影露光方法であって、前記レティクルと前記ウェーハとの間に収差補正用プレートを設け、前記収差補正用プレートの傾斜角度と、前記レティクルの位置と、の少なくともいずれかを調節することにより、前記ハードペリクルにより生ずる光学的な収差を補正する工程を含むことを特徴とする投影露光方法が提供される。
ここで、前記収差補正用プレートとして、前記ウェーハに露光光を投影する投影レンズを保護するカバーグラスを用いるものとすることができる。
本発明によれば、レティクルのパターン欠陥対策として用いられるハードペリクルを使用することによって発生するレンズディストーションや各種レンズの持つ収差を補正することができる。その結果として、F2レーザ光(157nm)のように短波長の光を用いた微細加工を安定して実施することができ、高集積度且つ高性能の半導体装置などを安定的に製造することが可能となり、産業上のメリットは多大である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる投影露光装置の全体構成を表す模式図である。
すなわち、本実施形態の投影露光装置100は、露光用光源1、照明光学系20、レティクルステージ30、投影光学系40及びウェーハステージ50を備える。レティクルステージ30にはハードペリクル4により保護されたレティクル2が載置される。また、ウェーハステージ50の上には、半導体ウェーハ8が載置される。
露光用光源1を出た光は、照明光学系20を通り、レティクル2上のマスクパターンを、投影光学系40を介してウェーハ8に投影露光する。
そしてさらに、本実施形態においては、ハードペリクル4とウェーハ8との間に、収差補正用プレート5が設けられている。なお、後に詳述するように、収差補正用プレート5は、投影光学系40に設けられた投影レンズの前段に設けてもよく、または、投影レンズの後段に設けてもよい。
収差補正用プレート5は、調整機構9によりその傾斜角度と位置が適宜調整される。調整機構9は、制御器10によって制御される。
図2は、本実施形態の第1の具体例にかかる投影露光装置の要部構成を表す概念図である。同図については、図1と同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。 すなわち、本具体例においては、収差補正用プレート5は、ハードペリクル4と、投影レンズ6との間に設けられている。なお、ハードペリクル4は、ペリクルフレーム3によってレティクル2に固定されている。
露光用光源1を出た光は、図示しない照明光学系を介してレティクル2を通過し、0次とプラスマイナス1次光とに分かれ、ハードペリクル4を通過する。その時、ハードペリクル4の製造時の各種バラツキなどにより、「コマ収差」、「球面収差」、「ディストーション」、「デフォーカス」などの各種の収差を発生させてしまう。これらの収差を、収差補正用プレート5の傾斜(チルト)角度の調整や位置(ポジション)調整と、レティクル2の位置(ポジション)の調整と、を適宜行うことにより、低減させることができる。また、各レティクルのハードペリクル毎に調整ができるように、レティクル2の交換時に制御器10によって自動補正が可能な機構とされている。
図3は、本実施形態の第2の具体例にかかる投影露光装置の要部構成を表す概念図である。同図についても、図1及び図2と同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
すなわち、本具体例においては、収差補正用プレート5は、投影レンズ6とウェーハ8との間に設けられている。なお、半導体集積回路の製造に際しては、感光性のレジストが塗布されたウェーハに対して露光を行う場合が多い。このようなウェーハに対して露光を実施すると、ウェーハ上に塗布されたレジストが露光光により分解し、レジスト中の各種有機物からのアウトガス(放出ガス)によって投影レンズ6が曇る場合がある。そこで、このような曇りからレンズ6を保護するために、レンズ6の下側にノーズコーンのカバーガラスが設けられることがある。本発明においては、図3に例示した如く、このノーズコーンのカバーグラスを収差補正用プレート5として用いることも可能である。
本具体例においても、露光用光源1を出た光は、図示しない照明光学系を介してレティクル2を通過し、0次とプラスマイナス1次光とに分かれ、ハードペリクル4を通過する。その時、ハードペリクル4の製造時の各種バラツキなどにより、「コマ収差」、「球面収差」、「ディストーション」、「デフォーカス」などの各種の収差を発生させてしまう。これらの収差を、収差補正用プレート5の傾斜(チルト)角度の調整や位置(ポジション)調整と、レティクル2の位置(ポジション)の調整とを適宜行うことにより、低減させることができる。
以下、本実施形態の投影露光装置の動作を説明する。
まず、露光光に対して収差を生じさせるようなハードペリクル4の製造時の各種のバラツキについて説明する。
図4は、ハードペリクル4の製造時に発生する各種のばらつき要因を説明するための模式断面図である。
すなわち、同図(a)に例示したハードペリクル4は、その厚みにムラ(thickness variation)があり、例えば、その一部がくさび状(wedge)に膜厚が変化している。
また、図4(b)に例示したハードペリクル4は、湾曲(bending)しており、局部的に見ると、レティクル2に対して傾斜(tilt)している。
また、図4(c)に例示したハードペリクル4は、その膜厚が全体的に変化し、くさび状(wedge)の断面を有する。
また、図4(d)に例示したハードペリクル4は、レティクル2に対して傾斜(tilt)して取り付けられている。
また、図4(e)に例示したハードペリクル4は、その厚み(thickness)が所定値を超えており、露光光に対して光学的に大きな作用を及ぼす。
以上説明したように、大きく分けて5種類のばらつきが挙げられる。次に、これらのハードペリクル4の製造ばらつきにより発生する各種収差の発生メカニズムについて説明する。
図5は、ハードペリクル4の製造時に発生する各種ばらつきと、それにより発生する各種の収差との関係を表す模式図である。すなわち、厚みのばらつき(thickness)は、デォーカス(defocus)や球面収差(spherical aberration:S.A.)の発生の原因となる。また、傾斜(tilt)は、歪み(distortion)やコマ収差(coma)の原因となる。また、くさび状(wedge)も、歪み(distortion)やコマ収差(coma)の原因となる。
図6は、ハードペリクル4の製造ばらつきのひとつである傾斜(tilt)起因の収差発生メカニズムを表す模式図である。すなわち、レティクル2を通過した露光回折光は、0次光とプラスマイナス1次光とに分離して進む。ここでもし、ハードペリクル4が設けられていない場合には、理想的な0次光11、プラス1次光12、マイナス1次光13が対称的に形成され、理想的な波面17が形成される。
これに対して、ハードペリクル4が設けられていると、これら回折光は位相の「ずれ」とXY方向のシフトを生ずる。そして、ハードペリクル4が傾斜した状態で設けられていると、プラス1次光15とマイナス1次光16とで、その位相の「ずれ」の程度が変わるため、コマ収差の原因となる。また、0次光14がXY方向にシフトするため、波面17が変化して、ディストーションの原因となる。
図7は、ハードペリクル4の傾斜(tilt)によるコマ収差とディストーションの変化のシミュレーション結果を表すグラフ図である。すなわち、同図(a)は、傾斜角度に対するコマ収差量を表し、同図(b)は、傾斜角度に対するディストーション量を表す。
なお、同図に併せて表したように、このシミュレーションの条件としては、光の波長を157nm、レンズのNAを0.8、σを1.0、倍率を4倍、ハードペリクルの屈折率を1.65、ハードペリクルの平均間隔を6.35mmとした。
図7(a)及び(b)から、傾斜角度が大きくなるとコマ収差とディストーションも増大することが分かる。これら収差やディストーションが発生すると、ウェーハ上に形成すべきレジストパターンのコントラスト低下を招いてしまう。図7を見ると、例えば、コマ収差の許容最大値を0.002とした場合、許容される傾斜角度は0.006ラジアンと小さい。同様に、ディストーションの許容最大値を2とした場合、許容される傾斜角度は0.0002ラジアンと極めて微小となる。
このようなコマ収差やディストーションの発生を防ぐ方策として、ハードペリクル4の傾斜角度が図7に表した許容角度以下となるように、取り付けの精度を上げるという手段も考えられる。しかし、ペリクルフレーム3を介して、レティクル2に対しハードペリクル4を高い精度で取り付けることは容易でない。このような高精度の組み立てにより製造しようとすると、コストが大幅に上昇してしまうという問題が生ずる。
これに対して、本発明によれば、ハードペリクル4の製造コストは抑えたまま、収差補正用プレート5によってその製造のばらつきに起因する各種の収差を補正することができる。
図8は、本発明の投影露光装置において、ハードペリクル4の傾斜(tilt)により発生したコマ収差とディストーションを補正するメカニズムを説明するための模式図である。 すなわち、ハードペリクル4のペリクルフレーム3に対する取り付け時の傾斜の影響で、レティクル2を通過した露光回折光は、ハードペリクル4の通過により理想時の波面17からずれた波面18を形成し、位相の「ずれ」とXY方向のシフトを生じる。
プラス1次回折光15とマイナス1次回折光16とでは、その位相の「ずれ」の程度が異なるため、コマ収差の原因となる。また、0次光14のXY方向のシフトにより、ディストーションの原因となる。
これに対して、本発明によれば、収差補正用プレート5の傾斜角度θを調節することにより、コマ収差とディストーションの補正を行うことができる。すなわち、ハードペリクル4が傾斜している場合には、その傾斜をキャンセルする方向に収差補正用プレート5を傾斜させればよい。また、ハードペリクル4の傾斜により生ずるディストーションを補正するためには、収差補正用プレート5を傾斜させるとともに、レティクル2の位置をx、y、z方向に適宜調整すればよい。
このようにすれば、ハードペリクル4の傾斜に起因するコマ収差やディストーションを補正し、ウェーハ上に形成すべきレジストパターンのコントラストの低下を防いで、高い解像度のシャープな露光が可能となる。
なお、図8には、図3に関して前述したように、投影レンズ6の後段に収差補正用プレート5を設けた場合を表した。この場合の収差補正用プレート5としては、投影レンズ6に付設されたノーズコーンのカバーガラスを用いることができる。また、これ以外にも、図2に表したように、ハードペリクル4と投影レンズ6との間に収差補正用プレート5を設けても同様の作用効果が得られる。
図9は、ハードペリクル4を用いた場合に発生する各種の収差と本発明における収差補正用プレート5の傾斜角度及びレティクル2の位置の調整との関係を表す模式図である。 すなわち、ハードペリクル4のばらつきによって球面収差(spherical aberration:S.A.)が生じた場合には、レティクル2の位置を適宜修正することにより、補正することができる。すなわち、球面収差の大きさや方向に応じて、レティクルステージ30を上下方向に適宜動かすことにより、球面収差を修正することができる。
また、ディストーション(disttortion)が生じた場合には、レティクル2の位置の修正と、収差補正用プレート5の傾斜と、を適宜行えばよい。
また、コマ収差(coma)が生じた場合には、収差補正用プレート5を適宜傾斜させればよい。
図10は、ハードペリクル4の製造ばらつきのひとつであるくさび状(wedge)起因の収差発生メカニズムを表す模式図である。すなわち、ハードペリクル4が設けられていない場合には、レティクル2を通過した露光回折光は、理想的な0次光11、プラス1次光12、マイナス1次光13を対称的に形成し、理想的な波面17が形成される。
これに対して、ハードペリクル4がくさび状(wedge)の断面を有すると、やはり、プラス1次光15とマイナス1次光16とで、その位相の「ずれ」の程度が変わるため、コマ収差の原因となる。また、0次光14がXY方向にシフトするため、波面17が変化して、ディストーションの原因となる。
図11は、ハードペリクル4のくさび状(wedge)によるコマ収差とディストーションの変化のシミュレーション結果を表すグラフ図である。すなわち、同図(a)は、くさびの傾斜角度に対するディストーション量を表し、同図(b)は、くさびの傾斜角度に対するコマ収差量を表す。
図11(a)及び(b)から、くさびの傾斜角度が大きくなるとディストーションもコマ収差も増大することが分かる。これらディストーションや収差が発生すると、ウェーハ上に形成すべきレジストパターンのコントラスト低下を招いてしまう。図11を見ると、例えば、ディストーション量の許容最大値を2とした場合、許容される傾斜角度は2.1×10−6ラジアンと小さい。同様に、コマ収差の許容最大値を0.002とした場合、許容される傾斜角度は4.0×10−5ラジアンと極めて微小となる。
図12は、本発明の投影露光装置においてハードペリクル4のくさび状(wedge)により発生したコマ収差とディストーションを補正するメカニズムを説明するための模式図である。
すなわち、本発明によれば、図8に関して前述した場合と同様に、収差補正用プレート5の傾斜角度θを調節することにより、コマ収差とディストーションの補正を行うことができる。すなわち、ハードペリクル4が傾斜している場合には、その傾斜をキャンセルする方向に収差補正用プレート5を傾斜させればよい。また、ハードペリクル4の傾斜により生ずるディストーションを補正するためには、収差補正用プレート5を傾斜させるとともに、レティクル2の位置をx、y、z方向に適宜調整すればよい。
このようにすれば、ハードペリクル4の傾斜に起因するコマ収差やディストーションを補正し、ウェーハ上に形成すべきレジストパターンのコントラストの低下を防いで、高い解像度のシャープな露光が可能となる。
図13は、ハードペリクル4の製造ばらつきのひとつである厚み(thickness)起因の収差発生メカニズムを表す模式図である。すなわち、ハードペリクル4が設けられていると、その厚みによって、プラスマイナス1次回折光15、16は位相の「ずれ」とXY方向のシフトを生ずる。また、0次回折光14も位相の「ずれ」を生ずる。このため、球面収差とデフォーカスの原因となる。つまり、理想的な回折光11〜13により形成される波面17からずれた波面18が形成される。
図14は、ハードペリクル4の厚みによる球面収差とデフォーカスの変化のシミュレーション結果を表すグラフ図である。すなわち、同図(a)は、ハードペリクルの厚みに対する球面収差量を表し、同図(b)は、ハードペリクルの厚みに対するデフォーカス量を表す。
図14(a)及び(b)から、ハードペリクルの厚みが大きくなると球面収差もデフォーカスも増大することが分かる。これら球面収差やデフォーカスが発生すると、ウェーハ上に形成すべきレジストパターンのコントラスト低下を招いてしまう。
図14を見ると、例えば、球面収差量の許容最大値を0.01とした場合、許容される厚みは、概ね100μm程度と極めて薄い。これは、ハードペリクル4の屈折率nが1.50の場合も1.65の場合もほぼ同様である。前述したように、ハードペリクル4は、その自重による「たわみ」の防止のため、300μm以上の厚みに形成する必要があるので、球面収差が大きく影響することが分かる。
図15は、本発明の投影露光装置においてハードペリクル4の厚み(thickness)により発生した球面収差とデフォーカスを補正するメカニズムを説明するための模式図である。 すなわち、この場合には、ハードペリクル4の厚みに起因してずれた波面18の位置に対応させて、レティクル2の位置をz方向に適宜調整すればよい。
このようにすれば、ハードペリクル4の傾斜に起因する球面収差やデフォーカスを補正し、ウェーハ上に形成すべきレジストパターンのコントラストの低下を防いで、高い解像度のシャープな露光が可能となる。
図16は、本発明の投影露光装置によってハードペリクル4に起因した球面収差とディストーションを補正した結果をそれぞれ表すグラフ図である。すなわち、同図の横軸は、レティクル2のz軸方向の位置を表し、左側の縦軸はディストーション量、右側の縦軸は球面収差量をそれぞれ表す。
レティクル2の位置を調節することにより、ディストーション(distortion)量をほぼゼロとすることができる。また、球面収差(spherical aberration)についても、レティクル2の位置を調節することにより、低減できることが分かる。
以上、図4乃至図16を参照しつつ説明したように、ハードペリクル4の各種のばらつきによって、収差やディストーションなどが発生してしまう。このような収差やディストーションの発生を防ぐ方策として、ハードペリクル4の製造精度を上げるという手段も考えられる。しかし、合成石英からなるハードペリクル4を高い精度で均一の厚みに製造し、それをペリクルフレーム3を介して、レティクル2に対し高い精度で水平且つ平坦に取り付けることは容易でない。このような高品質のハードペリクル4を製造しようとすると、コストが大幅に上昇してしまうという問題が生ずる。
これに対して、本発明によれば、ハードペリクル4の製造コストは抑えたまま、収差補正用プレート5の傾斜角度や位置、あるいはレティクル2の位置の調整によって各種の収差を補正することができる。
また、本発明によれば、このような収差補正用プレート5を必ずしも新たに設置する必要はなく、投影レンズ6を保護するためにレンズ6の下側に設けられるノーズコーンのカバーガラスにより代用させることができる。従って、新たな光学要素を追加することによる光学特性の劣化を避けつつ、ハードペリクル4に起因する各種の収差を確実且つ容易に補正することができる。
またさらに、ハードペリクルの製造時のバラツキによる各種収差の他にも、投影レンズなどの光学系に起因する各種の収差の補正も行うことができることは言うまでもない。
本発明において用いる収差補正用プレート5の材質としては、SiO、あるいはCaF、BaF、SrF、MgFなどの金属フッ化化合物を用いることができる。ハードペリクル4は、合成石英などにより形成される場合が多いので、収差補正用プレート5の材料としてこれらの材料を用いることにより、適切な屈折率が得られ、ハードペリクル4により生ずる光学的な収差を効果的に補正することが可能となる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
例えば、投影露光装置を構成する露光用光源、照明光学系、レティクルステージ、投影光学系及びウェーハステージなどの各要素の具体的な構造やサイズなどについては、前述したもの以外にも当業者が適宜設計したものも、本発明の要旨を含む限り、本発明の範囲に包含される。さらに、収差補正用プレートの形状や位置、あるいはそれを傾斜させるための機構などについても、当業者が適宜選択して用いたものは本発明の範囲に包含される。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての投影露光装置及び投影露光方法は、本発明の範囲に包含される。
本発明の実施の形態にかかる投影露光装置の全体構成を表す模式図である。 本発明の実施形態の第1の具体例にかかる投影露光装置の要部構成を表す概念図である。 本発明の実施形態の第2の具体例にかかる投影露光装置の要部構成を表す概念図である。 ハードペリクル4の製造時に発生する各種のばらつき要因を説明するための模式断面図である。 ハードペリクル4の製造時に発生する各種ばらつきと、それにより発生する各種の収差との関係を表す模式図である。 ハードペリクル4の製造ばらつきのひとつである傾斜(tilt)起因の収差発生メカニズムを表す模式図である。 ハードペリクル4の傾斜(tilt)によるコマ収差とディストーションの変化のシミュレーション結果を表すグラフ図である。 本発明の投影露光装置において、ハードペリクル4の傾斜(tilt)により発生したコマ収差とディストーションを補正するメカニズムを説明するための模式図である。 ハードペリクル4を用いた場合に発生する各種の収差と本発明における収差補正用プレート5の傾斜角度及びレティクル2の位置の調整との関係を表す模式図である。 ハードペリクル4の製造ばらつきのひとつであるくさび状(wedge)起因の収差発生メカニズムを表す模式図である。 ハードペリクル4のくさび状(wedge)によるコマ収差とディストーションの変化のシミュレーション結果を表すグラフ図である。 本発明の投影露光装置においてハードペリクル4のくさび状(wedge)により発生したコマ収差とディストーションを補正するメカニズムを説明するための模式図である。 ハードペリクル4の製造ばらつきのひとつである厚み(thickness)起因の収差発生メカニズムを表す模式図である。 ハードペリクル4の厚みによる球面収差とデフォーカスの変化のシミュレーション結果を表すグラフ図である。 本発明の投影露光装置においてハードペリクル4の厚み(thickness)により発生した球面収差とデフォーカスを補正するメカニズムを説明するための模式図である。 本発明の投影露光装置によってハードペリクル4に起因した球面収差とディストーションを補正した結果をそれぞれ表すグラフ図である。
符号の説明
1 露光用光源
2 レティクル
3 ペリクルフレーム
4 ハードペリクル
5 収差補正用プレート
6 投影レンズ
8 ウェーハ
9 調整機構
10 制御器
11 理想的な0次光
12 理想的なプラス1次回折光
13 理想的なマイナス1次回折光
14 ハードペリクルを通過した0次光
15 ハードペリクルを通過したプラス1次回折光
16 ハードペリクルを通過したマイナス1次回折光
17 理想的な波面
18 ハードペリクルを通過した波面
20 照明光学系
30 レティクルステージ
40 投影光学系
50 ウェーハステージ
100 投影露光装置

Claims (10)

  1. 光源と、
    光学系と、
    レティクルを保持可能としたレティクルステージと、
    前記レティクルの位置を調節可能とした第1の位置調節機構と、
    ウェーハを載置可能としたウェーハステージと、
    前記レティクルと前記ウェーハとの間に設けられた収差補正用プレートと、
    前記収差補正用プレートの傾斜角度を調節可能とした角度調節機構と、
    を備えたことを特徴とする投影露光装置。
  2. 前記レティクルステージに保持された前記レティクルに付設されたハードペリクルにより生ずる光学的な収差を補正するように、前記第1の位置調節機構及び前記角度調節機構の少なくともいずれかを動作させる制御機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の投影露光装置。
  3. 前記収差補正用プレートの位置を調節可能とした第2の位置調節機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の投影露光装置。
  4. 前記レティクルステージに保持された前記レティクルに付設されたハードペリクルにより生ずる光学的な収差を補正するように、前記第1の位置調節機構、前記角度調節機構及び前記第2の位置調節機構の少なくともいずれかを動作させる制御機構をさらに備えたことを特徴とする請求項3記載の投影露光装置。
  5. 前記制御機構は、前記レティクルを交換する毎に、前記光学的な収差を補正するように前記動作をさせることを特徴とする請求項2または4に記載の投影露光装置。
  6. 前記光学系は、前記ウェーハに露光光を投影する投影レンズを含み、
    前記収差補正用プレートは、前記レティクルと前記投影レンズとの間に設けられたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の投影露光装置。
  7. 前記光学系は、前記ウェーハに露光光を投影する投影レンズを含み、
    前記収差補正用プレートは、前記投影レンズを保護するカバーグラスであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の投影露光装置。
  8. 前記収差補正用プレートは、SiOあるいは金属フッ化化合物よりなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の投影露光装置。
  9. ハードペリクルを有するレティクルを用いてウェーハを露光する投影露光方法であって、
    前記レティクルと前記ウェーハとの間に収差補正用プレートを設け、前記収差補正用プレートの傾斜角度と、前記レティクルの位置と、の少なくともいずれかを調節することにより、前記ハードペリクルにより生ずる光学的な収差を補正する工程を含むことを特徴とする投影露光方法。
  10. 前記収差補正用プレートとして、前記ウェーハに露光光を投影する投影レンズを保護するカバーグラスを用いることを特徴とする請求項9記載の投影露光方法。


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