JP2005190686A - 円筒型密閉式鉛蓄電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 硫酸鉛をトラップしてセパレータ上への析出を抑制できる円筒型密閉式鉛蓄電池を得る。
【解決手段】 正極板と負極板とをセパレータを介して捲回した極板群を有する。正極板と負極板の少なくとも一方の表面層にのみ、SiO2またはSiO2・nH2O を存在させる。
【選択図】 なし
【解決手段】 正極板と負極板とをセパレータを介して捲回した極板群を有する。正極板と負極板の少なくとも一方の表面層にのみ、SiO2またはSiO2・nH2O を存在させる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、円筒型密閉式鉛蓄電池に関するものである。
円筒型の密閉式鉛蓄電池は、帯状の集電体に活物質を充填することで正極板、負極板を得て、これら極板の間に微細ガラス繊維からなるセパレータを介在させて捲回することで、両極板間の絶縁を図つ構造になっている。
従来の密閉式鉛蓄電池は保持できる電解液量が限定されており、開放系電池に比べ性能的に劣る面があった。
これらの面を改善するために、セパレータ中に二酸化珪素粉体を配置する処理を施すことで、必要の電解液の保持性を向上させ、性能向上を図ることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平5−151947号公報
従来、電池内に硫酸が入った環境では、放電により硫酸濃度の著しい低下から生成した硫酸鉛を溶解する。また、これを充電した場合、硫酸鉛がセパレータ中のガラス繊維上に連続的に析出する。そのことから、ガラス繊維を伝って両極間の短絡を引き起こし、寿命特性の低下につながる問題点があった。
本発明の目的は、硫酸鉛をトラップしてセパレータ上への析出を抑制できる円筒型密閉式鉛蓄電池を得ることにある。
本発明は、正極板と負極板とをセパレータを介して捲回した極板群を有する円筒型密閉式鉛蓄電池を対象とする。
本発明に係る円筒型密閉式鉛蓄電池では、正極板と負極板の少なくとも一方の表面層にのみ、SiO2またはSiO2・nH2Oを存在させている。
また、本発明に係る円筒型密閉式鉛蓄電池では、正極板と負極板の少なくとも一方の表面に、SiO2またはSiO2・nH2Oを含むペースト紙が貼付されている。
これらの場合、SiO2またはSiO2・nH2Oの量は、極板面積当り1.0〜5.0mgである。
本発明に係る円筒型密閉式鉛蓄電池では、極板表面にSiO2またはSiO2・nH2Oを露出させたので、SiO2が溶解した硫酸鉛をトラップすることができ、このため硫酸鉛がセパレータ上に連続的に析出して両極間の短絡を引き起こして寿命特性の低下につながるのを防止することができ、電池性能の向上を図ることができる。
また、正極板と負極板の少なくとも一方の表面に、SiO2またはSiO2・nH2Oを含むペースト紙が貼付すると、極板表面にSiO2またはSiO2・nH2Oを容易に露出させることができる。
SiO2またはSiO2・nH2Oの量を、極板面積当り1.0〜5.0mgとすると、確実にその効果を発揮させることができる。
本発明は、正極板と負極板の少なくとも一方の表面層にのみ、SiO2またはSiO2・nH2Oを存在させている。具体的には、正極板と負極板の少なくとも一方の表面に、SiO2またはSiO2・nH2Oを含むペースト紙が貼付されている。SiO2またはSiO2・nH2Oの量は、極板面積当り1.0〜5.0mgである。
このように極板表面に二酸化珪素層を露出させると、二酸化珪素層が溶解した硫酸鉛をトラップすることができ、このため硫酸鉛がセパレータ上に連続的に析出して両極間の短絡を引き起こして寿命特性の低下につながるのを防止することができ、電池性能の改善を図ることができる。
二酸化珪素層の量を、極板面積当り1.0〜5.0mgとすると、確実にその効果を発揮させることができる。
以下、本発明を適用した円筒型密閉式鉛蓄電池の実施例について説明する。
まず、Pb−Sn系合金である帯状の打ち抜き集電体に所定量の活物質を充填することで、正極板、負極板を得た。これら正極板、負極板の表面に、コロイダルシリカをペースト紙に染み込ませて極板上に貼り付ける手法を用いて、シリカを分散させて均一になるように配置した。なお、実施例1〜3、比較例1,2の極板上への極板面積当りのシリカ添加量(mg/cm2)は表1に示す。
また、コロイダルシリカにはNa2Oが含まれているが、加水分解を引き起こし、周辺のpHがアルカリ性となる。アルカリ側での硫酸鉛の溶解量は多く、かえって硫酸鉛の溶解が進行してしまう。また、ペースト紙に吸収できるコロイダルシリカの量も限られているので、極板面積当り1.0〜5.0mgのシリカ添加量とした。その後、正極板と負極板の間にガラス繊維状のセパレータを挟み込んで捲回を行い、熟成、乾燥工程を経て極板群を得た。この極板群の集電タブについてはCOS溶接を行い、この極板群を電槽に挿入後に蓋を取り付けることで未化成の円筒型密閉式鉛蓄電池をを得た。その後、硫酸比重1.270の電解液を電槽内に注液し、課電量300%、42h、25℃の条件にて初期充電を行うことで、初期容量12Ah相当の円筒型密閉式鉛蓄電池を作製した。
作製した電池について、初期容量に対して0.05Cの電流が電池間に流れるように抵抗を接続し、4日間放置させる定抵抗放電を行い、短絡が起きやすい環境を作った。その後、初期容量に対して2.5V−0.3Cにて定電圧充電を行つた。これを1サイクルとして、サイクル終了後に短絡を充電カーブにより確認を行った。
図1と図2には、短絡していない場合と短絡した場合の充電カーブをそれぞれ示した。まず、図1に示す短絡していない場合は、電池電圧が定電圧に達した時点で電流が減衰していく。それに対して、短絡を起こした場合は、充電末期まで電流の減衰が見られない。このような観点から短絡の有無を判断した。短絡が見られなかった電池に関しては、このサイクルを繰り返し行う。
図3には、サイクル毎の充電末期電流をプロットしたものを示す。まず、極板にシリカを添加していない比較例1は1サイクルで短絡を示したのに対して、本発明の実施例1〜3に示す処理をした場合には、サイクル数が増しており、短絡が抑制されている。また、実施例中の極板面積当りのシリカ添加量においては、添加量を多くした比較例2の場合でも2サイクルで短絡が起こった。
Claims (3)
- 正極板と負極板とをセパレータを介して捲回した極板群を有する円筒型密閉式鉛蓄電池であって、
前記正極板と前記負極板の少なくとも一方の表面層にのみ、SiO2またはSiO2・nH2Oを存在させたことを特徴とする円筒型密閉式鉛蓄電池。 - 正極板と負極板とをセパレータを介して捲回した極板群を有する円筒型密閉式鉛蓄電池であって、
前記正極板と前記負極板の少なくとも一方の表面にSiO2またはSiO2・nH2Oを含むペースト紙が貼付されていることを特徴とする円筒型密閉式鉛蓄電池。 - 前記SiO2またはSiO2・nH2Oの量は極板面積当り1.0〜5.0mgであることを特徴とする請求項1または2に記載の円筒型密閉式鉛蓄電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003427089A JP2005190686A (ja) | 2003-12-24 | 2003-12-24 | 円筒型密閉式鉛蓄電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003427089A JP2005190686A (ja) | 2003-12-24 | 2003-12-24 | 円筒型密閉式鉛蓄電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=34786449
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003427089A Pending JP2005190686A (ja) | 2003-12-24 | 2003-12-24 | 円筒型密閉式鉛蓄電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005190686A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP2849268A1 (en) | 2013-09-12 | 2015-03-18 | GS Yuasa International Ltd. | Valve regulated lead-acid battery, method for producing the same, and motorcycle |
WO2016052512A1 (ja) * | 2014-09-29 | 2016-04-07 | 日立化成株式会社 | 鉛蓄電池 |
JP2017142888A (ja) * | 2016-02-08 | 2017-08-17 | 日立化成株式会社 | 鉛蓄電池 |
JP2020009630A (ja) * | 2018-07-09 | 2020-01-16 | 日立化成株式会社 | 鉛蓄電池 |
-
2003
- 2003-12-24 JP JP2003427089A patent/JP2005190686A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP2849268A1 (en) | 2013-09-12 | 2015-03-18 | GS Yuasa International Ltd. | Valve regulated lead-acid battery, method for producing the same, and motorcycle |
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JP7274830B2 (ja) | 2018-07-09 | 2023-05-17 | エナジーウィズ株式会社 | 鉛蓄電池 |
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