JP2005190116A - 車輪情報処理装置および車輪情報処理方法 - Google Patents

車輪情報処理装置および車輪情報処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 自車周辺に他車が存在する場合、他車の通信機からの信号が混信して自車の通信機の輪位置が正しく判定されない。
【解決手段】 車体側情報記録部102には、車体側で検出された4輪の角速度が格納される。タイヤ側情報記録部104には、車輪側で検出された4輪の加速度が格納される。輪位置特定禁止部110は、車速判定部112により判定された自車の車速が所定の閾値を超えている場合、輪位置特定部106に対して輪位置学習を指示する。輪位置特定禁止部110は車両検知部114により車両の周辺に他車が検知された場合に、輪位置特定部106に対して輪位置学習の禁止を指示する。輪位置特定部106は、車体側情報記録部102から角速度を読み出して、タイヤ側情報記録部104から読み出した同時刻の加速度と比較し、両者の相関から輪位置判定を行い、輪位置記録部108に記録する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車輪情報を処理する技術に関し、特に、車輪位置の判定処理を行う車輪情報処理装置および車輪情報処理方法に関する。
車両の安全な走行のためには、車輪の状態を正常に保つことが必要不可欠である。タイヤが低圧または高温の状態で車両を長期走行させると、タイヤの信頼性が損なわれ、場合により好ましくない現象を引き起こす。そのため、タイヤ個々の空気圧や温度その他の状態を適切に監視し、異常検出時には早期にドライバに警告する技術が望まれている。
タイヤ個々の状態を知るために、各タイヤの中にセンサと送信機を設け、センサによって検出される空気圧等の情報を送信機によって車体側の受信機へ伝える技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。各タイヤに設けられるセンサもしくは送信機には予め識別情報であるIDが一意に振られており、送信信号のヘッダにこのIDを付加することで、送信信号のIDをもとに、信号を送信してきたタイヤが右前輪、左前輪、右後輪、左後輪のいずれであるかを特定することができる。この位置特定のために、各タイヤのIDとタイヤの位置の対応関係が車両の工場出荷時に予め設定登録されている。
しかしながら、車両の販売後、タイヤのローテーションや交換を行うと、IDとタイヤ位置の対応関係を再度設定登録し直す必要があり、利用者にとって煩わしい作業となる。そこで、タイヤのローテーションや交換時に、IDとタイヤ位置の対応関係を新たに判定し、対応関係を自動更新する輪位置学習が行われる。
特許文献1は、車両の加減速時や旋回時における空気圧の変化から、空気圧センサの設けられた車輪位置を特定し、センサIDと輪位置の対応関係を判定する技術を開示する。
特開2003−159920号公報
特許文献1に開示されるような輪位置学習では、一般に、車両内のセンサ信号の輪位置を判定することはできるが、周囲に他車が存在する場合に、他車のセンサ信号が混信して誤判定が行われるおそれがある。特に交通が混雑している時など、他車が近接している状況では、後続の車や隣の車線を走る車から発信されるセンサ信号が自車の受信機に受信される可能性があり、輪位置判定に影響する。また、センサ信号の無線通信に使用可能な周波数帯域は電波法で規制されているため、車両によって通信周波数を変えて混信を防止する方法はとれない。
また、センサもしくは送信機のIDを送信信号のヘッダに付加して送信すると、送信信号のデータ量が多くなり、通信のために電力が余分にかり、また通信時間もかかる。そこで、送信信号にIDを付加することなく、送信信号の発信元の車輪の位置を把握することのできる技術が望まれている。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、混信による輪位置の誤判定を抑制する車輪情報処理技術の提供にある。
本発明のある態様は車輪情報処理装置に関する。この装置は、車輪に設けられ、車輪情報を送信する車輪側通信機と、前記車輪側通信機と通信する車体側通信機と、前記車輪情報を処理する情報処理部とを備えたものであり、前記車輪側通信機の輪位置を特定する輪位置特定部と、近接する他車両の存在が検知された場合に、前記輪位置特定部による輪位置の特定処理を一時的に禁止する輪位置特定禁止部とを備える。輪位置特定部と輪位置特定禁止部は前記情報処理部に設けられてもよいし、別途設けられてもよい。車輪側通信機、車体側通信機とも、双方向通信が可能でもよいし、車輪側通信機が送信のみの機能、車体側通信機が受信のみの機能を有してもよい。この構成によれば、近接する他車両の通信機からの信号が混信した状況での輪位置判定を避けて、誤判定を防ぐことができる。
車両の周囲の情報を取得するセンサからの情報に基づいて、近接する他車両の存在を検知する車両検知部をさらに備えてもよい。「車両の周囲の情報を取得するセンサ」は、広義の意味で定義され、コーナーセンサ、バックソナーなどの対物センサによる検知手段、バックモニタなどの画像処理機能をもつ監視手段、GPS(Global Positioning System)などによる位置取得機能を用いて他車両との相互通信により車両間距離を測定する計測手段などを含む。
前記車輪側通信機は、前記車体側通信機からの要求信号に対して応答信号を返信するものであり、前記車体側通信機が予期しない応答信号を受信した場合に、その応答信号が近接する他車両の通信機から送信されたものであると判定する受信信号解析部をさらに備えてもよい。この構成によれば、予期しない応答信号が混信した状態で輪位置の判定がなされることによる誤判定を抑制することができる。
本発明の別の態様は車輪情報処理方法に関する。この方法は、車輪側通信機から受信した車輪情報を処理するものであり、前記車輪側通信機の輪位置を学習するステップと、近接する他車両の存在を検知するステップと、前記近接する他車両の存在が検知された場合に、前記車輪側通信機に関する輪位置の学習を一時的に禁止するステップとを含む。
本発明のさらに別の態様も車輪情報処理方法に関する。この方法は、車体側通信機の要求信号に対する車輪側通信機の応答信号をもとに車輪情報を処理するものであり、前記車輪側通信機の輪位置を学習するステップと、前記車体側通信機が予期しない応答信号を受信した場合に、前記車輪側通信機に関する輪位置の学習を一時的に禁止するステップとを含む。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明の車輪情報処理装置および車輪情報処理方法によれば、高い精度で輪位置判定を行うことができる。
実施の形態1
図1は、実施の形態1に係る車輪情報処理装置を備えた車両10の全体構成を示す。車両10は、右前輪20FR、左前輪20FL、右後輪20RR、左後輪20RLの各車輪と、車体12を備える。右前輪20FR、左前輪20FL、右後輪20RR、左後輪20RLには、それぞれ右前輪20FR、左前輪20FL、右後輪20RR、左後輪20RLの加速度を検出する加速度センサ30FR、30FL、30RR、30RLと、検出された加速度に関する情報を車体12に送信する送信機40FR、40FL、40RR、40RLと、通信用のアンテナ50FR、50FL、50RR、50RLとが設けられる。
以下、各輪を区別しないで構成を説明する場合、各輪の位置を区別する符号FR、FL、RR、RLを適宜省略する。また、右前輪20FR、左前輪20FL、右後輪20RR、および左後輪20RLを車輪20と総称する。
車輪20は、タイヤ、ホイールその他の車輪構成体を含み、加速度センサ30は、ホイール、タイヤトレッド、リムなどに取り付けられる。送信機40およびアンテナ50は、加速度センサ30と一体に構成されてもよい。また、車輪20には、加速度センサ30以外に、車輪状態を検出する各種センサが設けられる。たとえば、タイヤの空気圧を検出する空気圧センサや、タイヤ内の空気の温度を検出する温度センサ、タイヤトレッドの温度を検出する温度センサなどである。これらのセンサによる検出値は送信機40に送られ、アンテナ50から無線によって受信機62に送信される。
車体12には、右前輪20FR、左前輪20FL、右後輪20RR、左後輪20RLの各車輪に設けられた送信機40FR、40FL、40RR、40RLから加速度、空気圧、温度などの車輪状態量に関する情報(以下、単に「車輪情報」という)を受信する受信機62と、受信用のアンテナ60と、車両10を統括的に制御する電子制御装置(以下、「ECU」と表記する)64と、初期化スイッチ68と、警報用のブザー70および警告ランプ72とが設けられる。
受信機62は、アンテナ60を介して4輪の送信機40FR、40FL、40RR、40RLから車輪情報を受信し、受信した情報をECU64へ送る。ECU64は、受信機62から受け取った車輪情報に基づいてタイヤの状態を把握する。ECU64は、タイヤの温度が所定値を超えたり、タイヤの空気圧が所定値を下回ったとき警告ランプ72を点灯させたり、ブザー70に警告音を鳴らさせることにより、タイヤの状態をドライバに知らせる。
車体12にはさらに、右前輪20FR、左前輪20FL、右後輪20RR、左後輪20RLに対向する位置に、電磁ピッチを検出してタイヤの回転角速度ωを検出する車輪速センサ80FR、80FL、80RR、80RLが設けられる。4輪の車輪速センサ80FR、80FL、80RR、80RLにより検出された4輪の角速度に関する情報もECU64へ送られる。ECU64は、タイヤ側で検出された4輪の加速度情報を受信機62から受け取り、車体側で検出された4輪の角速度情報を車輪速センサ80FR、80FL、80RR、80RLから受け取り、加速度情報と角速度情報の相関に基づいて、各送信機40が搭載された車輪位置(以下、単に「輪位置」という)を判定する輪位置判定処理を行う。
初期化スイッチ68は、タイヤがローテーションされたときや交換されたとき、マニュアルの指示に従ってドライバが押下する。初期化スイッチ28が押されると、ECU64は輪位置判定処理を実施する。
車体12の右前部、左前部、右後部、左後部には、それぞれ音波の反射により付近の物体を検知するコーナーセンサ90FR、90FL、90RR、90RLが設けられ、車体12の後部中央には後方の物体を検知するバックソナー92が設けられる。これらの対物センサの出力値もECU64に送られる。ECU64は、対物センサによる検出信号を解析して、自車に近接する車があるかどうかを判断し、他車のセンサの出力信号が混信することで、輪位置判定に誤りが生じないように、輪位置学習の実施タイミングを調整する。
図2は、自車に近接する車が存在する場合におけるセンサの出力信号の混信の様子を説明する図である。走行中の車両10(自車ともいう)に対して、隣の車線を走る他車13と後続の他車14が近接している。自車10の受信機62は、自車10の4輪に搭載された加速度センサ30FR、30FL、30RR、30RLからセンサ信号を受信するが、隣の他車13の加速度センサ31FRや、後続の他車14の加速度センサ32FLからもセンサ信号を受信する可能性がある。なお、ここでは、加速度センサが送信機の機能をもつものとして、送信機の構成は図示していない。
自車10のECU64が、受信機62から提供されるセンサ信号に他車13、14の加速度センサ31FR、32FLからの信号が混在する状況で輪位置判定を実施すると、輪位置の誤判定が生じるおそれがある。
図3は、ECU64の輪位置判定に係る構成を説明する図である。車体側情報記録部102には、4輪の車輪速センサ80FR、80FL、80RR、80RLにより検出された角速度が格納される。受信信号解析部116は、受信機62における受信信号の受信タイミングを解析して、4輪の加速度センサ30から送信機40経由で送信された信号(以下、単にセンサ送信信号という)を分離して抽出する。受信信号解析部116は、抽出したセンサ送信信号に含まれる加速度情報をタイヤ側情報記録部104に格納する。
図4は、受信信号解析部116により受信信号からセンサ送信信号が分離される様子を説明する図である。横軸を時間にとり、受信機62における受信信号RECVと、受信信号解析部116により受信信号RECVから抽出されたセンサ送信信号SEND1〜4とが示されている。
個々の加速度センサ30からは所定の送信周期Tでセンサ送信信号が送信されているため、受信信号解析部116は、受信機62における受信信号RECVから、周期Tで受信されている信号の組(a1,a2,・・・)、(b1,b2,・・・)、(c1,c2,・・・)、(d1,d2,・・・)を抽出することにより、個々の加速度センサ30のセンサ送信信号SEND1〜4を分離することができる。なお、本実施の形態ではセンサ送信信号SEND1〜4にはセンサIDが含まれていないものとするが、センサIDを使わなくても、このように受信信号RECVにおける信号の時間間隔からセンサ送信信号SEND1〜4を分離することができる。
再び図3を参照する。輪位置特定部106は、初期化スイッチ68が押下されたことを契機として、走行後の所定の学習期間、車体側情報記録部102に角速度情報を蓄積し、タイヤ側情報記録部104に加速度情報を蓄積する。輪位置特定部106は、学習期間の経過後、車体側情報記録部102から学習期間内の角速度情報を読み出して、各測定時刻の角速度を加速度へ変換し、タイヤ側情報記録部104から読み出した同時刻の加速度と比較し、両者の相関から輪位置を特定する。特定された輪位置に関する情報は輪位置記録部108へ記録され、次に初期化スイッチ68が押下されるまで輪位置を示す有効な情報として利用される。
図5は、加速度センサ30により検出される加速度と車輪速センサ80により検出される角速度の関係を説明する図である。タイヤ21はホイール22とともに車輪20を形成する。送信機40はホイール22のバルブ付近に取り付けられ、ここでは、加速度センサ30は送信機40と一体化されている。加速度センサ30は、車輪20の半径方向の加速度を検出する。加速度センサ30により検出された加速度をa、車輪20の現実の角速度をωと表記する。jは1〜4の値をとり、それぞれ右前輪20FR、左前輪20FL、右後輪20RR、および左後輪20RLのいずれかに対応する。
検出された加速度aと車輪20の現実の角速度ωの間には、加速度センサ30の車輪中心Oからの距離をrとすると、a=r×ω の関係が成り立つ。したがって、車体12側の車輪速センサ80FR、80FL、80RR、80RLにより測定された右前輪20FR、左前輪20FL、右後輪20RR、左後輪20RLの角速度ωFR、ωFL、ωRR、ωRLと各加速度センサ30により検出された加速度aとの間で、a=r×ω の関係が成り立つかどうかを調べることにより、検出された加速度aがいずれの車輪の加速度であるかを判定することができる。したがって、送信機40からのセンサ送信信号と車輪位置との対応関係、すなわち輪位置が得られる。この原理にもとづいた輪位置判定の手順は後に詳述する。
再び図3を参照する。車速判定部112は、車体側情報記録部102に格納された角速度をもとに車速を判定し、輪位置特定禁止部110に与える。輪位置特定禁止部110は、車速判定部112から与えられた車速が所定の閾値を超えている場合、すなわち車両10が比較的高速に走行している場合、車両10の近くに別の車両がある可能性はきわめて低いため、センサ信号の混信のおそれがないと判断し、輪位置特定部106に対して輪学習処理を実施するように指示を与える。
車両検知部114は、コーナーセンサ90FR、90FL、90RR、90RLとバックソナー92からの信号をもとに車両10の近くに他の車両があるかどうかを検知し、近接車両が検出された場合、輪位置特定禁止部110に通知する。輪位置特定禁止部110は車両検知部114により近接車両が検知された場合に、輪位置特定部106に対して輪位置学習を実施しないように指示を与える。
図6は、以上の構成のECU64による輪位置判定処理の手順を示すフローチャートである。輪位置特定部106は、初期化スイッチ68の押下による輪位置学習要求を待つ(S100のN)。初期化スイッチ68の押下により輪位置学習が要求された場合(S100のY)、輪位置特定禁止部110は、車両10の走行後、車速判定部112により車速が判定されるのを待ち、判定された車速を閾値と比較する(S102)。車速が閾値を超える場合(S102のN)、輪位置特定禁止部110は、輪位置特定部106に対して輪位置学習処理を実施するように指示を与える(S106)。
車速が閾値以下の場合(S102のY)、車両検知部114が近接車両の有無を検知する(S104)。車両検知部114により近接車両が検知されなかった場合(S104のN)、輪位置特定禁止部110は、輪位置特定部106に対して輪位置学習処理を実施するように指示を与える(S106)。
車両検知部114により近接車両が検知された場合(S104のY)、輪位置特定禁止部110は、輪位置特定部106に対して輪位置学習を実施しないように指示を与え、処理をステップS102に戻す。これにより、車速が閾値を超える(S102のN)までは、近接車両が検知される限り(S104のY)、輪位置特定部106は輪位置学習処理を実施しないで待機することになる。
図7は、図6の輪位置学習処理S106の詳細な手順を示すフローチャートである。輪位置特定部106は、前述の学習期間を設定する(S10)。ここでは、4輪の送信機40による加速度情報の送信周期をTとし、n回分の送信データを蓄積するとし、学習期間nTを設定する。
受信機62は、4輪の加速度センサ30からそれぞれの送信機40経由で送信される1回目のセンサ送信信号を受信し、タイヤ側情報記録部104に記録する(S12)。次に、4輪の車輪速センサ80は、右前輪20FR、左前輪20FL、右後輪20RR、左後輪20RLの1回目の角速度ωFR、ωFL、ωRR、ωRLを検出し、車体側情報記録部102に記録する(S14)。学習期間nTが経過するまで(S16のN)、ステップS14とS16がn回繰り返される。これにより、タイヤ側情報記録部104には、学習期間nTにわたる受信機62による受信信号RECVが記録され、車体側情報記録部102には、n回分の角速度情報が記録される。
学習期間nTの経過後(S16のY)、受信信号解析部116は、受信信号RECVから4輪のセンサ送信信号SEND1〜4を分離して抽出し、センサ送信信号SEND1〜4に含まれるn回分の加速度a、a、a、a(以下、車輪側検出加速度という)を取得して、タイヤ側情報記録部104に記録する(S18)。
輪位置特定部106は車体側情報記録部102から4輪の車輪速センサ80FR、80FL、80RR、80RLにより検出されたn回分の4輪の角速度ωFR、ωFL、ωRR、ωRLを読み出し、次式によってそれぞれ対応する加速度GFR、GFL、GRR、GRL(以下、車体側検出加速度という)を算出し、車体側情報記録部102へ格納する(S20)。
FR=r×ωFR (式1)
FL=r×ωFL (式2)
RR=r×ωRR (式3)
RL=r×ωRL (式4)
輪位置特定部106は、車体側情報記録部102に格納された4輪の車体側検出加速度GFR、GFL、GRR、GRLと、タイヤ側情報記録部104に格納された4輪の車輪側検出加速度a、a、a、aとの相関にもとづき、4輪について輪位置の特定を行い(S22)、その結果得られた輪位置の対応関係の情報を輪位置記録部108へ登録し(S24)、一連の輪位置判定処理を終える。
図8は、図7の輪位置特定処理S22の方法を詳しく説明する図である。ここでは、学習期間を規定するデータ取得回数nを15とし、4輪の送信機40が送信するセンサ送信信号SEND1〜4から得られた各時刻t=iT(i=1,2,・・・,15)における車輪側検出加速度a、a、a、aを配列a[i](j=1,2,3,4)で表記する。たとえば、センサ送信信号SEND3から得られた時刻t=5Tにおける車輪側検出加速度はa[5]と表記される。センサ送信信号SEND1〜4から得られる車輪側検出加速度a[i]、a[i]、a[i]、a[i]の値は、横軸を時間とした同図のグラフにそれぞれ○●△×でプロットされている。
一方、4輪の車輪速センサ80により検出された角速度ωFR、ωFL、ωRR、ωRLをもとに計算された加速度GFR、GFL、GRR、GRLも、本来は同様に時刻t=iTにおけるプロットになるはずであるが、ここでは説明の便宜のため、プロットされるべき点を滑らかに結んだ曲線で図示する。同図の曲線GFR、GFL、GRR、GRLはそれぞれ右前輪20FR、左前輪20FL、右後輪20RR、左後輪20RLの車体側検出加速度GFR、GFL、GRR、GRLの時間軸に沿った変化を示している。
図8から容易に見て取れるように、車輪側検出加速度a、a、a、aと車体側検出加速度GFR、GFL、GRR、GRLの間には次のような対応関係がある。
a1:GFL
a2:GFR
a3:GRR
a4:GRL
このことから、センサ送信信号SEND1を発信した送信機40は左前輪20FL、センサ送信信号SEND2を発信した送信機40は右前輪20FR、センサ送信信号SEND3を発信した送信機40は右後輪20RR、センサ送信信号SEND4を発した送信機40は左後輪20RLにそれぞれ対応すると判定することができる。
以上、輪位置特定の方法を直観的に説明したが、実際には、輪位置特定部106は、次式の誤差Ejmによる相関評価によって輪位置を特定する。
jm=Σ|a[i]−G| (式5)
ここで、Σは添え字i=1,・・・,15に関する総和である。Gとして車体側検出加速度GFR、GFL、GRR、GRLの4通りについて式5が計算され、4通りの誤差Ejmを最小にする車体側検出加速度Gが車輪側検出加速度aに対応する加速度と判定され、前述の直観的な対応関係が取得される。
図9は、以上の輪位置判定の結果、輪位置記録部108に記録された輪位置情報を示す。輪位置情報は、センサ送信信号と輪位置の対応関係を示すものであり、同図のように、第1のセンサ送信信号SEND1は左前輪20FL、第2のセンサ送信信号SEND2は右前輪20FR、第3のセンサ送信信号SEND3は右後輪20RR、第4のセンサ送信信号SEND4は左後輪20RLという対応関係が記録される。
実施の形態2
実施の形態1では、車輪側の通信機は送信のみ、車体側の通信機は受信のみの機能を有し、車輪側の通信機から車体側の通信機に定期的に信号が送信される構成であったが、実施の形態2では、車輪側及び車体側の通信機がともに双方向通信可能な構成とする。そのため、車輪側の通信機は通常はスリープ状態に置かれ、車体側から輪位置判定を含む車輪情報の取得が必要なときに限り、車体側の通信機から発せられるリクエスト信号に応じて車輪側で車輪情報の取得と送信が行われる。
本実施の形態では、車輪に近い車体側にひとつずつ通信機を置くため、車輪側の通信機と車体側の通信機の間の受信強度の違いから車輪の位置を特定しうる場合もあるが、受信強度は諸般の要因でばらつきが大きく、必ずしも信頼性が高いとはいえない。そのため、本実施の形態では、受信強度を大まかに輪位置を特定する目的でのみ利用し、それ以降の高精度な輪位置特定を実施の形態に特徴的な相関評価手法で行う。
図10は、実施の形態2に係る車輪情報処理装置を備えた車両10の全体構成を示す。この車両10において、実施の形態1と同じ構成には同じ符号を与え、以下実施の形態1と異なる点を中心に述べる。
図10において、図1に存在した車体12側の受信機62の代わりに、右前輪20FR、左前輪20FL、右後輪20RR、左後輪20RLの付近にそれぞれ車体側通信機200FR、200FL、200RR、200RLが設けられる。これらの車体側通信機200FR、200FL、200RR、200RLは、それぞれアンテナ210FR、210FL、210RR、210RLによって、右前輪20FR、左前輪20FL、右後輪20RR、左後輪20RLに設けられた車輪側通信機140FR、140FL、140RR、140RLのいずれか、または複数と双方向通信を行う。ここで、必ずしも、右前輪20FRの近傍にある車体側通信機200FRが、右前輪20FRの車輪側通信機140FRだけと双方向通信するとは限らず、一般には他の車輪の通信機との間で混信が生じることに留意する。以下、各輪を区別しないで構成を説明する場合、各輪の位置を区別する符号FR、FL、RR、RLを適宜省略する。
車輪側通信機140は、電源電力が車体側通信機200からの電波によって供給されるトランスポンダであっても、電池を内蔵する電池駆動型の通信機であってもよい。
図11は、自車に近接する車が存在する場合におけるセンサのレスポンス信号の混信の様子を説明する図である。走行中の車両10(自車ともいう)に対して、隣の車線を走る他車13と後続の他車14が近接している。同図の例では、自車10の左前輪付近にある車体側通信機200FLによるリクエスト信号は、自車10の左前輪、右前輪に搭載された加速度センサ30FL、30FRにおいて受信され、これらの加速度センサ30FL、30FRからレスポンス信号が車体側通信機200FLに返信されている。さらに、車体側通信機200FLからのリクエスト信号は、隣の他車13の右前輪の加速度センサ31FRにおいても受信され、この加速度センサ31FRからもレスポンス信号が車体側通信機200FLに返信され、混信が生じている。
また、自車10の左後輪付近にある車体側通信機200RLによるリクエスト信号は、自車10の左後輪、右後輪に搭載された加速度センサ30RL、30RRにおいて受信され、これらの加速度センサ30RL、30RRからレスポンス信号が車体側通信機200RLに返信されている。さらに、車体側通信機200RLからのリクエスト信号は、隣の他車13の右後輪の加速度センサ31RRおよび後続の他車14の左前輪の加速度センサ32FLにおいても受信され、これらの加速度センサ31RR、32FLからもレスポンス信号が車体側通信機200RLに返信され、混信が生じている。
なお、ここでは、加速度センサが通信機の機能をもつものとして、通信機の構成については図示していない。また、他車13、14に搭載されている通信機は、双方向通信機能をもつものとは限られず、受信機能をもたない送信機であることもあり、その場合は、車体側通信機200FL、200RLには、他車13、14の加速度センサ31FR、31RR、32FLから定期的に発信されるセンサ信号が混信して受信される。
自車10のECU64が、車体側通信機200FL、200RLから提供されるレスポンス信号に他車13、14の加速度センサ31FR、31RR、32FLからの信号が混在する状況で輪位置判定を実施すると、輪位置の誤判定が生じるおそれがある。
図12は、ECU64の輪位置判定に係る構成を説明する図である。図3で説明した実施の形態1のECU64と異なる点を説明する。実施の形態1では、一つの受信機62に4輪からのセンサ送信信号が受信されるため、図3のECU64の輪位置特定部106は、4輪のセンサ送信信号について輪位置を同時に特定した。本実施の形態では、右前輪20FR、左前輪20FL、右後輪20RR、および左後輪20RLの各輪の車体側通信機200FR、200FL、200RR、200RLにおいて、4輪の車輪側通信機140FR、140FL、140RR、140RLからのレスポンス信号の混信の可能性がある。そのため、図12の輪位置特定部106は、各輪の車体側通信機200FR、200FL、200RR、200RLにおいて受信されたレスポンス信号がどの車輪からの信号であるかを特定することになる。以下、どの車輪についても輪位置判定処理は同じであるから、各輪の位置を区別する符号FR、FL、RR、RLを適宜省略して説明する。
受信信号解析部116は、各車体側通信機200における受信信号の受信タイミングを解析して、各車体側通信機200において受信された可能性のある加速度センサ30からのレスポンス信号を分離して抽出する。受信信号解析部116は、抽出したレスポンス信号に含まれる加速度情報をタイヤ側情報記録部104に格納する。
図13は、受信信号解析部116により受信信号からレスポンス信号が分離される様子を説明する図である。横軸を時間にとり、ある車体側通信機200が送信するリクエスト信号REQと、その車体側通信機200における受信信号RECVと、受信信号解析部116により受信信号RECVから抽出されたレスポンス信号RES1、RES2とが示されている。
車体側通信機200が所定の送信周期Tでリクエスト信号r1、r2を送信することにより、リクエスト信号r1、r2を受信した車輪側通信機140からは同一の送信周期Tでレスポンス信号が返信される。受信信号解析部116は、車体側通信機200における受信信号RECVから、周期Tの間隔で受信されている信号の組(a1,a2,・・・)、(b1,b2,・・・)を抽出することにより、応答のあった車輪側通信機140のレスポンス信号RES1、RES2を分離することができる。
ここで、車体側通信機200で受信されるレスポンス信号には一般に受信強度や受信頻度の違いがある。車体側通信機200からn回リクエスト信号を送った場合に、応答のあるすべての車輪側通信機140がn回レスポンス信号を返信するとは限らず、n回よりも少ないレスポンス信号が返信されることもある。他の車輪の車輪側通信機140からのレスポンス信号は、一般に受信頻度が低いため、受信頻度の違いから他の車輪からのレスポンス信号をある程度は見分けることができ、受信頻度の低いレスポンス信号を他の車輪からの信号として輪位置判定に先だって排除することもできる。
同図では、受信信号RECVには、レスポンス信号c1が受信されているが、周期Tの時間が経過した後で、本来なら受信されるべきレスポンス信号c2が受信されていない。受信信号解析部116は、応答回数が所定の閾値以下であるレスポンス信号については、はじめからレスポンス信号として抽出しない。なお、受信信号解析部116が応答回数の少ないレスポンス信号を排除する過程で、他車の通信機からの不規則な信号が排除される効果もある。
なお、レスポンス信号の分離抽出の方法は、これ以外にもいろいろな方法がある。たとえば、リクエスト信号を受信してからレスポンス信号を返信するまでの時間間隔をそれぞれの車輪側通信機140で異ならせておくことにより、返信タイミングの違いにもとづいて各車輪側通信機140からのレスポンス信号を受信信号から分離することができる。
また、図12の受信信号解析部116はさらに、各車体側通信機200が受信するレスポンス信号を解析して、近接する車両のセンサからの信号による混信の有無を判断し、混信が生じている場合は、輪位置特定禁止部110は、輪位置特定部106が輪位置学習を実行しないように指示を与える。したがって、本実施の形態では、輪位置特定禁止部110は、車速判定部112が判定する車速、車両検知部114が検知する近接する他車の存在、受信信号解析部116が検出する他車からのレスポンス信号の存在によって、輪位置特定部106による輪位置判定処理を禁止することになる。
図14(a)〜(c)は、受信信号解析部116による他車からのレスポンス信号の判定方法を説明する図である。同図は、横軸を時間として、車体側通信機200から送信されるリクエスト信号REQと、リクエスト信号REQを受け取った車輪側通信機140から車体側通信機200に受信される信号RECVを示したものである。図14(a)のように、車体側通信機200がリクエスト信号r1、r2を発信すると、車体側通信機200は、車輪側通信機140からリクエスト信号r1、r2の送信時刻から所定の応答間隔Rだけ時間が経過した時刻においてレスポンス信号d1、d2を受信する。
図14(b)のように、車体側通信機200からリクエスト信号を全く発信していないにもかかわらず、車体側通信機200において信号e1が受信された場合は、受信信号解析部116は、この信号e1を他車の通信機からの信号であると判断する。
また、図14(c)のように、車体側通信機200からリクエスト信号r1を送信すると、通常、自車内の車輪側通信機140からは所定の最大許容応答時間Rmax内でレスポンス信号f1が返信される。最大許容応答時間Rmaxを経過した後で、車体側通信機200において信号g1が受信された場合は、受信信号解析部116は、その信号g1を他車の通信機からの信号であると判断する。
図15は、以上の構成のECU64による輪位置判定処理の手順を示すフローチャートである。ECU64の輪位置特定部106は、初期化スイッチ68の押下による輪位置学習要求を待つ(S200のN)。初期化スイッチ68の押下により輪位置学習が要求された場合(S200のY)、輪位置特定禁止部110は、車速判定部112により判定された車速を閾値と比較する(S202)。
車速が閾値を超える場合(S202のN)、輪位置特定禁止部110は、輪位置特定部106に対して輪位置学習処理を実施するように指示を与え、以降、輪位置特定部106は、右前輪位置学習処理(S206)、左前輪位置学習処理(S208)、右後輪位置学習処理(S210)、および左後輪位置学習処理(S212)を実行し、輪位置判定が終了する。
車速が閾値以下の場合(S202のY)、車両検知部114が近接車両の有無を検知する(S204)。車両検知部114により近接車両が検知されなかった場合(S204のN)、輪位置特定禁止部110は、輪位置特定部106に対して輪位置学習処理を実施するように指示を与え、以降、輪位置特定部106は、各輪位置特定処理S206〜S214を実行する。
車両検知部114により近接車両が検知された場合(S204のY)、輪位置特定禁止部110は、輪位置特定部106に対して輪位置学習を実施しないように指示を与え、処理をステップS202に戻す。これにより、車速が閾値を超える(S202のN)までは、近接車両が検知される限り(S204のY)、輪位置特定部106は輪位置学習処理を実行しないで待機することになる。
図16は、図15の右前輪位置学習処理S206の詳細な手順を示すフローチャートである。右前輪20FRの近傍にある車体側通信機200FRがリクエスト信号を発信する前に、受信信号解析部116は、予期しないレスポンス信号が車体側通信機200FRに受信されていないか調べる(S40)。仮に車体側通信機200がリクエスト信号を発信していないにもかかわらず、レスポンス信号が受信されていた場合、そのレスポンス信号は近接する他の車両の信号であると判断され、このような想定外の信号が受信されなくなるまで待機する(S40のY)。
予期しないレスポンス信号の受信がない場合(S40のN)、右前輪20FRの近傍にある車体側通信機200FRは、リクエスト信号を送信する回数nを設定する(S42)。リクエスト信号は送信周期Tのもと、n回送信されるため、学習期間nTが確保され、n回分の応答データが蓄積される。
車体側通信機200FRは、1回目のリクエスト信号を送信する(S44)。右前輪20FR、左前輪20FL、右後輪20RR、左後輪20RLに設けられた車輪側通信機140FR、140FL、140RR、140RLの内、車体側通信機200FRからのリクエスト信号を受信できたものは、それぞれの加速度センサ30FR、30FL、30RR、30RLにより検出された加速度の情報をレスポンス信号として車体側通信機200FRに返信する。車体側通信機200FRは、受信したレスポンス信号をタイヤ側情報記録部104に記録する(S46)。
次に、右前輪20FRの車輪速センサ80FRは、右前輪20FRの1回目の角速度ωFRを検出し、車体側情報記録部102に記録する(S48)。車体側通信機200FRからのリクエスト回数がn回になるまで(S50のN)、ステップS44、S46、およびS48がn回繰り返される。これにより、タイヤ側情報記録部104には、学習期間nTにわたる受信機62による受信信号RECVが記録され、車体側情報記録部102には、n回分の角速度情報が記録される。
n回のリクエスト送信が終了すると(S50のY)、受信信号解析部116は、n回のリクエストに対して、閾値N回以上の応答があった車輪側通信機140からのレスポンス信号RESを車体側通信機200FRの受信信号RECVから分離して抽出し、レスポンス信号RESjに含まれるn回分の車輪側検出加速度aを取得して、タイヤ側情報記録部104に記録する(S52)。閾値Nを大きめに設定すれば、受信頻度による絞り込みが強めに働き、初期絞り込みが効くが、受信状態による影響に配慮する場合、閾値Nを小さめに設定して受信頻度による絞り込みを緩和する。パラメータn及びNの値は実験等で定める。
輪位置特定部106は車体側情報記録部102から右前輪20FRの車輪速センサ80FRにより検出されたn回分の右前輪20FRの角速度ωFRを読み出し、次式によって車体側検出加速度GFRを算出し、車体側情報記録部102へ格納する(S54)。
FR=r×ωFR (式6)
輪位置特定部106は、車体側情報記録部102に格納された右前輪20FRの車体側検出加速度GFRと、タイヤ側情報記録部104に格納された車輪側検出加速度aとの相関にもとづき、右前輪について輪位置の特定を行い(S56)、その結果得られた右前輪についての輪位置の対応関係の情報を輪位置記録部108へ登録し(S58)、右前輪についての輪位置判定処理を終える。他の車輪についての輪位置学習処理S208、S210、S212についても以上の処理手順と同じである。
図17は、図16の右前輪位置特定処理S56の方法を詳しく説明する図である。ここでは、車体側通信機200FRに対して右前輪20FR、左前輪20FL、および右後輪20RRの3輪の車輪側通信機140FR、140FL、および140RRから閾値N回以上の応答があったとして、抽出されたレスポンス信号をRES1、RES2、RES3の3種類であるとする。また、学習期間を規定するリクエスト回数nを15とし、3輪の車輪側通信機140FR、140FL、および140RRが返信するレスポンス信号RES1〜3から得られた各時刻t=iT(i=1,2,・・・,15)における車体側検出加速度a、a、aを配列a[i](j=1,2,3)で表記する。
レスポンス信号REQ1〜3から得られる車輪側検出加速度a[i]、a[i]、a[i]の値は、横軸を時間とした同図のグラフにそれぞれ○●△でプロットされている。ただし、実施の形態1とは違い、本実施の形態の双方向通信においては、すべての学習時刻t=iTにおいてレスポンス信号が得られるのではないため、レスポンス信号が得られなかった時刻においては、プロットされる点は存在しない。同図の例では、a[5]、a[11]、a[3]、a[8]、a[10]のデータは得られていない。
一方、右前輪20FRの車輪速センサ80FRにより検出された右前輪20FRの角速度ωFRをもとに計算された加速度GFRも、本来は同様に時刻t=iTにおけるプロットになるはずであるが、ここでは説明の便宜のため、プロットされるべき点を滑らかに結んだ曲線で図示する。同図の曲線GFRは右前輪20FRの車体側検出加速度GFRの時間軸に沿った変化を示している。
図17から容易に見て取れるように、右前輪20FRの車体側検出加速度GFRは、第2のレスポンス信号REQ2から得られた車体側検出加速度aと対応関係にあり、他の車体側検出加速度a、aとは対応関係にない。このことから、レスポンス信号REQ2を発信した車輪側通信機140は右前輪20FRに位置すると判定することができる。
輪位置特定部106は、このように直観的に説明される輪位置判定を次式の誤差EjFRによる相関評価によって行う。
jFR=Σ|a[i]−GFR| (式7)
ここで、Σは添え字i=1,・・・,15に関する総和であるが、すべての学習時刻t=iTにおいて車輪側検出加速度a[i]が得られているとは限られないため、取得されたデータについてのみ、式7を計算する。この誤差EjFRを応答のあった車輪側通信機140のレスポンス信号RESjから得られた車輪側検知加速度aについて計算し、誤差EjFRを最小にする車輪側検知加速度aが車体側検知加速度GFRに対応すると判定される。なお、レスポンス回数が少なかったために、一部の学習時刻についてしか車輪側検出加速度a[i]のデータが得られていない場合、レスポンス回数が多い車輪側検知加速度aほど式7による誤差が加算されて不利な扱いになるため、式7の誤差をレスポンス回数で除算して正規化した後、誤差比較を行う。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。以上の実施の形態は例示であり、その様々な変形例もまた本発明の範囲に含まれることは当業者には理解されるところである。そうした変形例を挙げる。
上記の説明では、タイヤ側で検出される加速度と車体側で検出される角速度の相関関係によって輪位置学習を行う方法を説明したが、輪位置学習の方法は特にこの方法に限定する趣旨ではなく、本発明の輪位置学習の禁止または制限手順は、任意の輪位置学習方法に適用可能である。
上記の輪位置判定処理では、輪位置学習を始める前に、近接車両の存在の有無を調べて、輪位置学習を一時的に禁止して輪位置学習の開始タイミングを遅らせたが、輪位置学習の実施途中で、近接車両の存在の有無を調べて、輪位置学習の実施を一時的に中断するように手順を変更してもよい。また、近接車両の存在の有無を正確な精度で検知することができない場合は、輪位置学習の実施を完全に禁止するのではなく、近接車両の存在の有無の検知精度に応じて、適宜輪位置学習を行うかどうかを判断してもよい。
また、上記の説明では、コーナーセンサ90、バックソナー92などの対物センサにより近接する車両を検知した場合に、輪位置学習を禁止したが、対物センサは、車両以外の物体も検知するため、輪位置特定禁止部110は、対物センサによる検知信号を絶対的に信頼するのではなく、他の情報と組み合わせて、適宜、輪位置学習の実施を許可してもよい。また、近接する車両が必ずしもセンサ信号を出力しているとは限られないため、対物センサが他車を検知したときでも、輪位置特定禁止部110は、他車の通信機から受信される信号が存在しないと判断されるときは、輪位置学習の実施を許可してもよい。
さらに、他車の存在の検知精度を向上させるために、車両検知部114が、バックモニタ等を利用して画像処理により対象物を識別し、車両か他の物体かを判断できるように構成してもよい。また、車両検知部114は、路車間通信のできるナビゲーションシステムを利用し、GPSなどによる位置情報を後続の車と交換することで、自車との車間距離を測定し、輪位置特定禁止部110は、測定された車間距離が所定値以下の場合に、輪位置学習の実施を禁止するようにしてもよい。
上記の説明では、初期化スイッチ68が押下されたことを契機に、利用者から輪位置学習が要求されたとして、輪位置特定部106は、輪位置判定処理を開始したが、輪位置特定部106は、独自の判断で輪位置学習を開始してもよい。たとえば、輪位置情報に誤りがあり、再学習が必要であると判断した場合に、輪位置学習を開始してもよい。
上記の説明では、車輪側の通信機からの送信信号のヘッダに車輪側のセンサもしくは通信機を一意に特定するIDがつけられていない場合を説明し、IDによらずに輪位置を特定する方法を説明したが、送信信号にIDがつけられている場合でも同様に輪位置判定を行うことができ、その場合は、IDと車輪位置を対応付けた輪位置情報を記録することになる。
実施の形態1に係る車輪情報処理装置を備えた車両の全体構成を示す図である。 自車に近接する車が存在する場合におけるセンサの出力信号の混信の様子を説明する図である。 図1のECUの輪位置判定に係る構成を説明する図である。 図3の受信信号解析部により受信信号からセンサ送信信号が分離される様子を説明する図である。 図1の加速度センサにより検出される加速度と図1の車輪速センサにより検出される角速度の関係を説明する図である。 図3のECUによる輪位置判定処理の手順を示すフローチャートである。 図6の輪位置学習処理の詳細な手順を示すフローチャートである。 図7の輪位置特定処理の方法を詳しく説明する図である。 図3の輪位置記録部に記録される輪位置情報を示す図である 実施の形態2に係る車輪情報処理装置を備えた車両の全体構成を示す図である。 自車に近接する車が存在する場合におけるセンサのレスポンス信号の混信の様子を説明する図である。 図10のECUの輪位置判定に係る構成を説明する図である。 図12の受信信号解析部により受信信号からレスポンス信号が分離される様子を説明する図である。 図12の受信信号解析部による他車からのレスポンス信号の判定方法を説明する図である 図12のECUによる輪位置判定処理の手順を示すフローチャートである。 図15の右前輪位置学習処理の詳細な手順を示すフローチャートである。 図16の右前輪位置特定処理の方法を詳しく説明する図である。
符号の説明
10 車両、 12 車体、 20 車輪、 30 加速度センサ、 40 送信機、 62 受信機、 64 ECU、 68 初期化スイッチ、 70 ブザー、 72 警告ランプ、 80 車輪速センサ、 90 コーナーセンサ、 92 バックソナー、 102 車体側情報記録部、 104 タイヤ側情報記録部、 106 輪位置特定部、 108 輪位置記録部、 110 輪位置特定禁止部、 112 車速判定部、 114 車両検知部、 116 受信信号解析部、 140 車輪側通信機、 200 車体側通信機。

Claims (8)

  1. 車輪に設けられ、車輪情報を送信する車輪側通信機と、前記車輪側通信機と通信する車体側通信機と、前記車輪情報を処理する情報処理部とを備えた車輪情報処理装置において、
    前記車輪側通信機の輪位置を特定する輪位置特定部と、
    近接する他車両の存在が検知された場合に、前記輪位置特定部による輪位置の特定処理を一時的に禁止する輪位置特定禁止部とを備えたことを特徴とする車輪情報処理装置。
  2. 車両の周囲の情報を取得するセンサからの情報に基づいて、近接する他車両の存在を検知する車両検知部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の車輪情報処理装置。
  3. 前記車輪側通信機は、前記車体側通信機からの要求信号に対して応答信号を返信するものであり、
    前記車体側通信機が予期しない応答信号を受信した場合に、その応答信号が近接する他車両の通信機から送信されたものであると判定する受信信号解析部をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の車輪情報処理装置。
  4. 前記受信信号解析部は、前記車体側通信機が要求信号を送信していない状況で応答信号を受信した場合に、その応答信号が近接する他車両の通信機から送信されたものであると判定することを特徴とする請求項3に記載の車輪情報処理装置。
  5. 前記受信信号解析部は、前記車体側通信機の要求信号に対する所定の応答期間を経過した後で応答信号を受信した場合に、その応答信号が近接する他車両の通信機から送信されたものであると判定することを特徴とする請求項3に記載の車輪情報処理装置。
  6. 前記輪位置特定禁止部は、車両の車速が所定の閾値以下である場合に、近接する他車両の存在による輪位置の特定処理の一時的な禁止を実施することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の車輪情報処理装置。
  7. 車輪側通信機から受信した車輪情報を処理する車輪情報処理方法において、
    前記車輪側通信機の輪位置を学習するステップと、
    近接する他車両の存在を検知するステップと、
    前記近接する他車両の存在が検知された場合に、前記車輪側通信機に関する輪位置の学習を一時的に禁止するステップとを含むことを特徴とする車輪情報処理方法。
  8. 車体側通信機の要求信号に対する車輪側通信機の応答信号をもとに車輪情報を処理する車輪情報処理方法において、
    前記車輪側通信機の輪位置を学習するステップと、
    前記車体側通信機が予期しない応答信号を受信した場合に、前記車輪側通信機に関する輪位置の学習を一時的に禁止するステップとを含むことを特徴とする車輪情報処理方法。
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