JP2005189523A - プロセスカートリッジ、廃トナーボトル、トナーボトルおよび画像形成装置 - Google Patents

プロセスカートリッジ、廃トナーボトル、トナーボトルおよび画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 プロセスカートリッジから廃トナーを排出する排出口の誤開放を防止できるプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】 像担持体10と少なくともクリーニング手段14とを備え、画像形成装置Aに着脱可能なプロセスカートリッジ11であって、前記クリーニング手段14からの廃トナーを排出する排出口19を設けた廃トナーパイプ18と、該廃トナーパイプ18の内側に設けられたシャッタ部材21とを有し、前記画像形成装置Aへの装着時に画像形成装置本体3側に設けられた係合部22が前記シャッタ部材21と係合することにより、前記シャッタ部材21が、前記排出口19の開位置に移動される。
【選択図】 図4

Description

この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、あるいはこれらの複合機等の電子写真方式の画像形成装置において、この画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジまたは廃トナーボトルまたはトナーボトルに関し、並びに少なくとも、これらのいずれかを具えた画像形成装置に関するものである。
近年、画像形成装置では、画像形成装置の装置本体に対して脱着可能なプロセスカートリッジを備えたものが主流となっている。このプロセスカートリッジとしては、例えば像担持体とこの像担持体をクリーニングするクリーニング手段をその内部に収容している。他方、画像形成装置においては、プリンタ、複写機の高画質化に伴い、小粒径トナーあるいは重合トナーの搭載が要望されている。
このプロセスカートリッジは、廃トナー排出パイプや排出口を備えており、これらの排出パイプか排出口を介して、クリーニング手段によってクリーニングして得た廃トナーをプロセスカートリッジから予め画像形成装置が有した廃トナーボトルか画像形成装置内の廃トナー搬送経路に排出するようにしている。すなわち例えば、プロセスカートリッジが画像形成装置にセットされた状態では、プロセスカートリッジの廃トナー排出パイプの排出口が廃トナーボトルに差し込まれ、またプロセスカートリッジの排出口を廃トナー搬送経路の入口に接続し、感光体上から残留トナーを廃トナーとして排出している。
このようなプロセスカートリッジが有した廃トナー排出パイプの排出口、つまり廃トナー排出パイプにおける廃トナー排出部を開閉する構成としては、従来、図10(a),(b)に示すように、廃トナー排出パイプ50の外側にシャッタ部材51を設けた構成や、図11(a),(b)に示すように、廃トナー排出パイプ50の内側にシャッタ部材52を設け、このシャッタ部材52から廃トナー排出パイプ50の外側にシャッタ部材52を開閉動作させるための突起53を突出した構成があった。
すなわち、図10(a),(b)に示された構成では、廃トナー排出パイプ50の外周には、略筒状のシャッタ部材51がパイプ長手方向にスライド移動可能に外嵌され、このシャッタ部材51は図示しないスプリングバネによって、図中の左方向に付勢されている。すなわち、廃トナーを収容する容器としての廃トナーボトル54には、廃トナー排出パイプ50の外径程度の開口54Aが形成され、また廃トナー排出パイプ50は、その先端側に排出口50Aが形成されるとともに、シャッタ部材51が閉位置を越えた左方向の移動を阻止する図示しない突部状の制止部材が設けられている。
したがって、図示しないプロセスカートリッジを所定にセットする際には、つまりこの廃トナーボトル54の開口54Aに廃トナー排出パイプ50を差し込むと、廃トナー排出パイプ50だけが廃トナーボトル54内に入り込む。すなわち、廃トナーボトル54の開口54A周縁にシャッタ部材51の周縁端部が当接して、図10(a)に示す閉位置から図10(b)に示す開位置に向けて、廃トナー排出パイプ50に対して相対的に、シャッタ部材51が図中の右方向にスライド移動する。このため、図10(b)に示された開位置にシャッタ部材51が到達すると、排出口50Aが開放され、廃トナー排出パイプ50から廃トナーボトル54内に廃トナーCが排出される。
また図11(a),(b)に示された構成では、廃トナー排出パイプ50の内部に、一端が面で閉止され他端が開口された(以降、「有底の」と呼称する。)略円筒状のシャッタ部材52がパイプ長手方向にスライド移動可能に内嵌され、このシャッタ部材52は図示しないスプリングバネによって、図中の左方向に付勢されている。またシャッタ部材52には、シャッタ部材52がスライド移動した閉位置および開位置の位置関係に対応した所定箇所に開口52Aが形成されている。すなわち、シャッタ部材52が開位置の場合に、開口52Aと排出口50Aとが互いに重なった位置を占める位置に形成されている。さらにこのシャッタ部材52の先端側の端面部には、パイプ長手方向に向けて所定長さ突出された突起53が設けられ、この突起53は、シャッタ部材52が閉位置の状態で、廃トナー排出パイプ50に形成した貫通孔50aを通過してパイプ外にそのパイプ長手方向に沿って突出されている。
したがって、プロセスカートリッジを所定にセットする際には、つまりこの廃トナーボトル54の開口54Aに廃トナー排出パイプ50を差し込むと、廃トナー排出パイプ50が廃トナーボトル54内に入り込むとともに、シャッタ部材52の突起53の先端が廃トナーボトル54内の対向内壁に当接して、図11(a)に示す閉位置から図11(b)に示す開位置に向けて、廃トナー排出パイプ50に対してシャッタ部材52が相対的に、図中の右方向にスライド移動させる。そして、プロセスカートリッジがセットされ、図11(b)に示された開位置にシャッタ部材52が到達すると、廃トナー排出パイプ50の排出口50Aにシャッタ部材52の開口52Aが重なって、排出口50Aが開放され、廃トナー排出パイプ50つまりプロセスカートリッジから廃トナーボトル54内に廃トナーCが排出される。なお、図10(a)ないし図11(b)中の55は、廃トナー排出パイプ50内の長手方向の所定範囲に渡って回転可能に配設された螺旋形状のコイルバネであり、図示しない駆動機構によって回転駆動され、この回転に伴ってプロセスカートカートリッジ本体である図中の右側から廃トナー排出パイプ50の先端側である図中の左側に廃トナーCを搬送するようにしている。
さらに、一端部がクリーニングユニットの一部に支持固定され、先端部に廃トナーを排出する排出口と外周面から突出したピンとを有した廃トナーパイプと、この廃トナーパイプの外側にパイプの外周方向および軸方向に移動自在に遊嵌され、外周方向の所定の回転位置で排出口を閉止するシャッターと、パイプに形成されたピンを所定にガイドする長穴と廃トナーパイプを保持するレバーとを有したシャッター部材とを有した廃トナー排出装置において、廃トナー容器をシャッター部材に装着したときに、シャッター部材を回転させて、シャッターを開く向きに移動させる移動手段を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
したがって、この廃トナー排出装置によれば、廃トナー容器をシャッター部材に装着すると、シャッターが開いて排出口が開放されるので、トナーが廃パイプ内に滞留することがなくなり、トナー搬送用の搬送スクリュウが破損したり、クリーニングユニット内にトナーが満ち溢れて、クリーニングユニット外にトナーが飛散したりせずに済むとされている。
また例えば、回収トナー容器と補給トナー容器とを一体的に構成したトナーカートリッジと、該回収トナー容器に画像形成部から回収したトナーを送り込むトナー搬送パイプとを備えたトナー回収装置において、回収トナー容器とトナー搬送パイプとの結合部に、結合時に開口し、離脱時に閉口するスライド式のシャッターを、それぞれ閉じ方向に付勢して設け、結合時には、トナー搬送パイプのシャッターが、トナーカートリッジを構成する部材との当接により、付勢力に抗してスライドして開口するとともに、回収トナー容器のシャッターが、トナー搬送パイプを構成する部材との当接により、付勢力に抗してスライドして開口するようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
したがって、このトナー回収装置によれば、それぞれの回収トナー容器およびトナー搬送パイプに設けたシャッターが、他方を構成する部材との当接により、付勢力に抗してスライドして開口させているので、結合/離脱時の密閉性が高く、トナー飛散を防止でき、さらに、簡単な構成とすることができるとされている。
特開平5−303311号公報(第2〜4頁、図1,2) 特許第3338731号公報(第1,3,4頁、図3,4)
しかしながら、上記の図10および図11に示された構成では、プロセスカートリッジ脱着の際に誤ってシャッタが動いて排出口が開き、トナーが飛散したり脱落したりしやすいという問題が生じた。すなわち、前者の構成では、シャッタ自体が廃トナー排出パイプの外側に設けられ、また後者の構成では、シャッタを動かす突起が廃トナー排出パイプから突出されており、これらの両者ではシャッタ自体またはこのシャッタを可動させる部材が外部に露出されているので、脱着の際には、これらのシャッタまたは部材に、誤って人手が触れたり装置側の何らかの部材に接触したりすることがある。このため、これらの場合によってはシャッタが開いて、排出口からトナー飛散あるいはトナー落ちするおそれがある。また、一時的であっても、少なくともシャッタによる廃トナー排出口の封止が不完全となって、しかも脱着するために、プロセスカートリッジ自体を動かしていることからも、廃トナー排出パイプからトナーが飛散しやすくなる。
特に、トナーの小粒径化・重合化が促進される傾向から、このトナーが廃トナーとなった場合には、従来のトナーよりもトナー飛散しやすくなっているので、トナー飛散などに起因した問題が発生しやすくなっている。
そこでこの発明は、前記従来のものの問題点を解決し、プロセスカートリッジから廃トナーを排出する排出口の誤開放を防止できるプロセスカートリッジを提供することを目的とし、また廃トナーをボトル内に排出する排出口の誤開放を防止できる廃トナーボトル、さらにトナー供給口の誤開放を防止できるトナーボトル、並びに少なくともこれらのいずれかを具えた画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、像担持体と少なくともクリーニング手段とを備え、画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジであって、前記クリーニング手段からの廃トナーを排出する排出口を設けた廃トナーパイプと、該廃トナーパイプの内側に設けられたシャッタ部材とを有し、前記画像形成装置への装着時に、画像形成装置本体側に設けられた係合部が前記シャッタ部材と係合することにより、該シャッタ部材が前記排出口の開位置に移動されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、画像形成装置に着脱可能な廃トナーボトルであって、前記クリーニング手段からの廃トナーが搬入され廃トナーをボトル内に排出する排出口を設けた廃トナー搬入部と、該廃トナー搬入部に設けられたシャッタ部材とを有し、前記画像形成装置への装着時に画像形成装置本体側に設けられた係合部が前記シャッタ部材と係合することにより、前記シャッタ部材が前記排出口の開位置に移動されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、画像形成装置に着脱可能なトナーボトルであって、前記トナーボトルは、トナーを供給する供給口を設けたトナーパイプと、該トナーパイプの内側に設けられたシャッタ部材とを有し、前記画像形成装置への装着時に、画像形成装置本体側に設けられた係合部が前記シャッタ部材と係合することにより、該シャッタ部材が前記供給口の開位置に移動されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、画像形成装置において、前記請求項1に記載のプロセスカートリッジを具えたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、画像形成装置において、前記請求項2に記載の廃トナーボトルを具えたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、画像形成装置において、前記請求項3に記載のトナーボトルを具えたことを特徴とする。
この発明は、前記のような構成であるから、プロセスカートリッジおよびトナーボトルは、それぞれ廃トナーを排出する排出口を設けた廃トナーパイプおよびトナーを供給する供給口を設けたトナーパイプを具え、廃トナーパイプおよびトナーパイプにシャッタが設けられ、このシャッタ部材がパイプ外部に突出した部分や部材を有してなく、プロセスカートリッジおよびトナーボトルを装着する対象の画像形成装置本体側に設けられた係合部によって、この装着時にのみシャッタを開位置に移動させるようにしているので、プロセスカートリッジおよびトナーボトルの脱着時などにシャッタ部材が誤って開くことを防止できる。この結果、トナー飛散、トナー落ちの発生を防止できる。同様に、廃トナーボトルは、シャッタ部材を設けた廃トナー搬入部を具え、このシャッタ部材を本体側の係合部との係合によって開位置に移動させているので、結果として、脱着時などにトナー飛散、トナー落ちを防止できる。
この発明を実施するための最良の形態を、添付図面を参照して説明する。
まず、この発明の第1の実施形態を図面により説明する。図1は、この第1の実施形態のプロセスカートリッジを使用したカラー画像形成装置の一例を示す全体構成図であり、図2は、カラー画像形成装置に装着されたプロセスカートリッジの詳細を示す部分拡大図であり、図3は、プロセスカートリッジの全体構成を示す斜視図である。
すなわち、図1および図2に示すように、カラー画像形成装置Aは、カラー画像用の複数色からなるカラートナー像が形成される中間転写ベルト1と、このトナー像用の各色トナーを補給するトナーボトル2とを画像形成装置本体3内に収容して有し、画像形成装置本体3の下部に積載されて収納された転写紙Sを、中間転写ベルト1に所定に接しさせてカラートナー像を転写しさらにトナー像を定着させて、上部から排出するようにしている。すなわち、カラー画像形成装置Aの概略下部から上部に掛けて、1枚の転写紙Sをフィードする給紙コロ4と、トナー像転写用の搬送タイミングを確保するレジストローラ5と、中間転写ベルト1に接するように対抗配置され中間転写ベルト1との間に所定圧を確保したニップを形成した2次転写ローラ6と、所定に加熱および加圧する定着ユニット7と、転写紙Sを装置外部に排出する排紙ローラ8とが配置されており、転写紙Sに対して、これらのコロやローラによって形成した搬送経路を搬送する過程で、順次、前記ニップにより中間転写ベルト1からトナー像を転写し、定着ユニット7により転写紙S上に転写したトナー像を定着している。
すなわち、カラー画像を形成するための各色を担当してその色のトナー像を形成する4つの画像ステーションとしてプロセスカートリッジ11a〜11dが、図中の斜め左上がりに傾斜して配設された中間転写ベルト1の長手方向に沿って配置されている。これらのプロセスカートリッジ11a〜11dからなる各画像ステーションには、像担持体として感光体ドラム10a,10b,10c,10dをそれぞれ有し、これらの各感光体ドラム10a〜10dは、中間転写ベルト1を介して転写ローラ13,13に所定圧を確保して接しており、またその回りにはそれぞれ専用の帯電手段15a,15b,15c,15d、現像手段としての現像装置16a,16b,16c,16d、クリーニングユニット14a,14b,14c,14dを有している。また、これらのプロセスカートリッジ11a〜11dの下方には、それぞれの感光体ドラム10a〜10dをレーザー光によって所定に露光させて静電潜像を書き込む書き込みユニット9が配置されている。12は、中間転写ベルト1上の残留トナーを収集してクリーニングするクリーニング手段である。
なお、この第1の実施形態のプロセスカートリッジとしては、前記の構成に限ることなく、帯電手段、現像手段、クリーニング手段のうち、少なくとも1つの手段と、像担持体である電子写真感光体(感光体ドラム)とを有して一体に構成され、この構成を装置本体に対して着脱可能としたものであればよい。
カラー画像形成装置Aにトナーを供給するトナーボトル2は、装置内の上部で図中の左側から右側に順次、複数個、配置され、カラー画像形成装置Aに着脱して交換可能に設けられている。これらのトナーボトル2には、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、黒のトナーが充填されている。各トナーボトル2から図示しない搬送経路を介して、各トナーボトル2に対応した各色の現像装置16a〜16dにトナー供給可能に接続され、所定の補給量だけ各色のトナーが補給されている。
したがって、このように構成されたカラー画像形成装置Aでは、転写紙Sが給紙コロ4でフィードされその先端がレジストローラ5まで到達すると、この転写紙Sの先端が図示しないセンサによって検知される。そして、この検出信号に基づき同期のタイミングを取りながら、レジストローラ5によって転写紙Sを2次転写ローラ6と中間転写ベルト1とにより形成したニップに搬送し、中間転写ベルト1から転写紙Sに中間転写ベルト1上に形成した画像を2次転写する。
すなわち、感光体ドラム10a〜10dは、あらかじめ帯電ローラ15a〜15dによって一様に帯電され、次に書き込みユニット9によってレーザー光にて露光走査され、感光体ドラム10a〜10d上に静電潜像が作られる。各静電潜像は、それぞれ各色の現像装置16a〜16dにより現像され、これにより感光体ドラム10a〜10dの表面にイエロー、シアン、マゼンタ、黒のトナー像が形成される。次に転写ローラ13に電圧が印加され各感光体ドラム10上のトナーが、中間転写ベルト1上に順次転写されていく。このとき、各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト1の同じ位置に重ねて転写されるように、中間転写ベルト1の送り方向における上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。中間転写ベルト1上に形成されたトナー画像は、2次転写ローラ6の位置まで搬送され転写紙Sに2次転写される。各色からなるカラートナー像が転写された転写紙Sは定着ユニット7に搬送されてそのトナー像が熱定着され、排紙ローラ8で排紙される。
このような画像形成動作に伴って生じた廃トナーは、所定にクリーニングされて収集され、プロセスカートリッジ11から排出される。すなわち、感光体ドラム10a〜10d上の残留トナーは、それぞれのクリーニング手段であるクリーニングユニット14a〜14dによって除去され、収集された廃トナーとなり、感光体ドラム10a〜10dをクリーニングしている。また転写紙Sに転写されずに、中間転写ベルト1上に残された残留トナーは、同様にクリーニング手段12によって除去され、収集された廃トナーとなり、中間転写ベルト1の表面がクリーニングされる。
図2,図3および図4(a)に示すように、これらの収集した廃トナーCは、プロセスカートリッジ11から廃トナー排出パイプ18を介して、画像形成装置Aに設けられた廃トナーボトル20に排出される。すなわち、プロセスカートリッジ11には、プロセスカートリッジ11から側方に突出された中空状の廃トナー排出パイプ18が設けられ、この廃トナー排出パイプ18に対応した位置、つまりプロセスカートリッジ11のセット位置に応じた画像形成装置A側の位置には、予め所定の内部容量を確保した容器として廃トナーボトル20が設けられ、プロセスカートリッジ11が画像形成装置Aにセットされると、廃トナーボトル20内に、廃トナー排出パイプ18の先端が差し込まれるようにしている。
また各クリーニングユニット14は、その内部に廃トナー搬送スクリュ17を有しており、この廃トナー搬送スクリュ17によって、廃トナーが廃トナー排出パイプ18の先端側に向けて搬送され、この廃トナー排出パイプ18の先端側に開口された廃トナー排出口19から廃トナーボトル20内に排出される。すなわち、この廃トナー搬送スクリュ17は、コイルバネなどの螺旋形状の部材とされ、廃トナー排出パイプ18内部に同軸上にその長手方向に渡って配設されている。また、この廃トナー搬送スクリュ17は、その一端がクリーニングユニット14内に収集された廃トナーに接するように配置され、その他端が廃トナー排出口19に対面して配置され、図示しない駆動機構によって螺旋が廃トナー排出口19側に進む方向に回転駆動されている。したがって、このように回転駆動される廃トナー搬送スクリュ17によって、クリーニングユニット14から廃トナー排出パイプ18の先端側にまで、廃トナーを運ぶ搬送経路が形成されている。
なお、プロセスカートリッジ11から廃トナーボトル20に直接廃トナーを排出せずに、一旦、画像形成装置本体3内に設けられた廃トナー搬送経路に排出し、この廃トナー搬送経路から廃トナーボトルに廃トナーを搬送する構成にした画像形成装置もある。したがって、この構成では、プロセスカートリッジ11と廃トナーボトル20との間に、廃トナー搬送経路を設けているので、プロセスカートリッジ11の近傍に廃トナーボトル20を設置しなくてもよくなり、装置内における部材配置の自由度を向上できる。他方、各色ごとのプロセスカートリッジ11用に廃トナーボトル20を設けることなく、1つの廃トナーボトル20で兼用した構成とできる。
次に、この第1の実施形態のプロセスカートリッジ11をその脱着に伴い、廃トナー排出パイプ18の廃トナー排出口19を所定に開閉する開閉手段としてシャッタ21を設けたプロセスカートリッジ11と廃トナーボトル20(あるいは廃トナー搬送経路)の構成例を、図4(a)〜(c)に基づき説明する。
すなわち、図4(b),(c)に示すように、プロセスカートリッジ11がセットされ廃トナーボトル20内に廃トナー排出パイプ18の先端が差し込まれた状態で、廃トナー排出パイプ18には、廃トナーボトル20の充分な内部に位置する先端側で下部の箇所に排出口19が設けられ、この廃トナー排出口19は廃トナー排出パイプ18の外周を略矩形状に切欠いた形状に形成され、この廃トナー排出口19の開口としての大きさは、廃トナー排出パイプ18を搬送されてくる廃トナーをスムーズに排出できる大きさが確保されている。
また、プロセスカートリッジ11の廃トナー排出パイプ18内には、廃トナー排出パイプ18と同軸で軸長手方向に移動可能なシャッタ21が設けられ、このシャッタ21によって、プロセスカートリッジ11の脱着に伴い廃トナー排出口19を所定に開閉し、この装着時以外では、廃トナー排出口19の閉止状態を保持するようにしている。
すなわち、このシャッタ21は、廃トナー排出パイプ18の内径よりも僅かに小さい外径を確保した有底の略円筒状に形成され、このシャッタ21の外周の下部の箇所には、シャッタ底部に接するように開口21Aが形成され、この開口21Aは、その大きさが廃トナー排出口19よりも小さく設定されている。このシャッタ21は、非有底側の周縁端部が、スプリングバネ23の一端に当接され、このスプリングバネ23によって、常時、図中の左側つまり開口21Aを廃トナー排出口19から離した閉位置を占めるように付勢されている。すなわち、このスプリングバネ23は、廃トナー排出パイプ18の内径よりも僅かに小さい外径のスプリング径を有し、図示しない図中右側の端部が廃トナー排出パイプ18に固定され、無負荷の自然長よりも縮められた状態で設置され、つまり縮設され、その弾性復帰力によって、シャッタ21を図中の左方向に付勢している。なお、このスプリングバネ23とこのスプリングバネ23の内側に位置した廃トナー搬送スクリュ17との間には、互いにそれぞれの動作を干渉させない程度の間隙が確保されている。
また、廃トナー排出パイプ18の先端側の円形底面における略中央には、この端面を貫通して形成された通過孔18aが設けられている一方、この通過孔18aに対応して、画像形成装置本体3側に設けられた部材としての廃トナーボトル20には、係合部として所定長さが確保された突起22が設けられている。すなわち、この突起22は、廃トナーボトル20に差し込まれる廃トナー排出パイプ18に対向した廃トナーボトル20における内壁の箇所から、廃トナー排出パイプ18の差し込み方向と反対方向に向かって突出されており、その突出された長さとしては、廃トナーボトル20内への廃トナー排出パイプ18が差し込まれる長さに応じて、シャッタ21を開位置に移動させることができる程度の長さが確保されている。すなわち、廃トナー排出パイプ18が廃トナーボトル20内に差し込まれた場合には、突起22が通過孔18aを通過して、その先端がシャッタ21に当接し、さらに差し込みの進展に伴い、シャッタ21を、シャッタ21の開口21Aが廃トナー排出パイプ18の廃トナー排出口19に重なる分だけ移動させる程度の長さが確保されている。
なお、通過孔18aの内周面は、外側の開口から内側に進むほど狭まって先細るテーパー形状とされ、突起22に対面した側の通過孔18aとしての開口を大きくする一方、突起22の最先端部も先細りのテーパー形状とされており、突起22を通過孔18a内に位置させかつ通過しやすくガイドするように構成されている。また、シャッタ21の先端面には、通過孔18aの内径よりも僅かに小さい外径を有した段部が形成されており、この段部はプロセスカートリッジ11がセットされない状態で通過孔18a内に配置されて、通過孔18aから廃トナー排出パイプ18内に至る経路に段差を形成することにより、通過孔18aを通過して外部へ廃トナーが漏れることを防止している。
したがって、画像形成装置Aにプロセスカートリッジ11および廃トナーボトル20がセットされると、廃トナーボトル20の突起22が、シャッタ21を押して廃トナー排出口19が開放され、プロセスカートリッジ11から廃トナーボトル20に廃トナーCが排出される。すなわち、このセットの際には、廃トナーボトル20内に廃トナー排出パイプ18が所定長さ差し込まれるが、この差し込みの進展に伴い、廃トナー排出パイプ18の通過孔18aを通過して、相対的に突起22が廃トナー排出パイプ18内に突出され、この突起22の先端でシャッタ21を開位置に移動させる。このため、図4(c)に示されるように、廃トナー排出口19と開口21Aとが重複して開口位置が一致するので、廃トナー排出口19のシャッタ21による閉止が解除される。この結果、排出口としての廃トナー排出口19が開放され、廃トナー排出口19から廃トナーCが排出される。
他方、プロセスカートリッジ11が画像形成装置Aに装着されない、非セットの状態では、スプリングバネ23により付勢されてシャッタ21が廃トナー排出パイプ18の先端側に移動し、排出口としての廃トナー排出口19と開口21Aのお互いの開口位置がずれて、シャッタ21の外周によって廃トナー排出口19が閉止され、廃トナー排出口19から廃トナーCが排出されない。このようにシャッタ21自体は、廃トナー排出パイプ18内に配置され、廃トナー排出パイプ18から外方に突出した部材や部分を有してなく、シャッタ21の周りを廃トナー排出パイプ18によって囲まれて保護されており、しかもシャッタ21が常時、その閉位置を占めるようにスプリングバネ23によって付勢されているので、上記したように非セットの状態では、シャッタ21による廃トナー排出口19の閉止が保持され、廃トナー排出口19が不意に開かれることがない。
これに加えて、プロセスカートリッジ11として、廃トナー排出パイプ18に上記の構成、少なくとも通過孔18aを有していないものは、廃トナー排出パイプ18の先端が突起22に当接して、廃トナー排出パイプ18が廃トナーボトル20内に充分に差し込めなく、結果としてこのようなプロセスカートリッジが画像形成装置Aにセットできないことになる。このため、型式が異なるなどの他の不適正なプロセスカートリッジがセットされることを排除でき、上記の構成を有した正式な画像形成装置用のプロセスカートリッジ11だけをセットさせることができる。この結果、専用の適正なプロセスカートリッジ11だけを使用させることができるので、画像形成装置Aの画像形成性能を充分に発揮させることが可能となる。
また、シャッタ21を開位置に移動させる突起22も、廃トナーボトル20内に配置され、外部に露出されていないので、この突起22の保護が図れ、突起22自体の破損を防止できる。他方、廃トナーボトル20内に設けた突起22でシャッタ21を開閉動作させているので、シャッタ21の開閉動作を容器としての廃トナーボトル20内部に局限できる。したがって、このような開閉動作に伴って生じるトナー漏れやトナー飛散を、ボトル20内に限定でき、ボトル20外部に影響を与えずに済む。すなわち、廃トナー排出パイプ18の最先端部の外周に廃トナー排出口19を形成し、この廃トナー排出口19を閉止したシャッタ21を、ボトル20内で開位置に移動させる程度の突出長さの突起22で開動作させているので、廃トナー排出口19が廃トナーボトル20の開口を通過した後でシャッタ21が開動作を開始する一方、開口を通過する前にシャッタ21が閉動作を完了する。このため、廃トナーボトル20の開口から充分に離れたボトル20内の箇所で、開閉動作を行なわせて、ボトル20の開口からトナーが放出されることを抑制できる。この結果、プロセスカートリッジ11がセットされる画像形成装置本体3内を廃トナーで汚さずに済む。したがって特に、この構成によれば、トナー飛散しやすい高性能トナーから生成された廃トナーでも、正規の廃トナー排出口19の開閉動作に伴うトナー漏れやトナー飛散をボトル20内に限定できるので、このような廃トナーを扱うプロセスカートリッジ11として最適なものとなる。さらに、通過孔18aの内径と突起22の外径とを所定に設定して、突起22に通過孔18aつまり廃トナー排出パイプ18の差し込み方向の先端を係合させた構成とした場合には、この突起22によって廃トナー排出パイプ18の先端側をある程度支持することが可能になる。したがって、プロセスカートリッジ11がセットされた状態では、少なくとも廃トナー排出パイプ18が片端支持ではなく、両端支持された状態となるので、この廃トナー排出パイプ18が先端側で僅かでも撓むことなく、またその姿勢を安定して保持できる。このため、このように突起22に廃トナー排出パイプ18先端の通過孔18aを係合させることによって、廃トナーボトル20内に差し込まれた廃トナー排出パイプ18の先端側が、少なくとも上下方向に変動せずに安定して保持されるので、この先端側に設けた廃トナー排出口19から安定した廃トナーCの排出が可能となる。特に、上記のように廃トナー排出パイプ18内に廃トナーCを廃トナー排出口19に向けて搬送する廃トナー搬送スクリュ17を有した構成では、この搬送スクリュ17によるスムーズな廃トナーCの搬送が可能となる。
なお、プロセスカートリッジ11の脱着以外に、廃トナーCが満杯となった廃トナーボトル20を脱着して新たな廃トナーボトル20に交換する構成の場合には、この交換時には、この交換に伴って新たな廃トナーボトル20が装着されるまでは、上記のように廃トナー排出口19がシャッタ21によって閉止されるので、少なくともプロセスカートリッジ11から廃トナーが漏れたり、飛散したりすることを防止できる。
次に、この画像形成装置に好適に使用されるトナーについて説明する。この画像形成装置の現像手段で用いられるトナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあるものを用いている。したがって、このようなトナーによれば、トナーの帯電量分布が均一となり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができる。また、静電転写方式を用いた画像形成装置では、転写率を高くすることができる。
近年の高画質要請に対応して、形成した画像に600dpi以上の微小ドットを再現するために、トナーの体積平均粒径は3〜8μmが好ましい。他方、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)は、1.00〜1.40の範囲にあることが好ましい。すなわち、この比(Dv/Dn)が、1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。このように小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になるので、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また静電転写方式では転写率を高くすることができる。
また、トナーは、その形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあるものが用いられている。したがって、トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーとの接触状態、あるいはトナーと感光体との接触状態が点接触になるので、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、またトナーと感光体との吸着力も弱くなって、転写率が高くなる。形状係数SF−1、SF−2のいずれかが180を超えると、転写率が低下するため、SF−1、SF−2の範囲を100〜180とすることで転写率を高くすることができる。
すなわち、トナーの形状係数SF−1は100〜180、形状係数SF−2は100〜180の範囲にあることが好ましい。これらの形状係数SF−1、形状係数SF−2を、図5(a),(b)にトナーDの形状を模式的に表した図に基づき、説明する。
形状係数SF−1は、図5(a)に示すように、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。SF−1は、トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を、図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4) ・・・式(1)
SF−1の値が100の場合には、トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、図5(b)に示すように、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4) ・・・式(2)
SF−2の値が100の場合には、トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。なお、形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
したがって、トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体との接触状態が点接触になる。このため、トナー同士の吸着力は弱くなり、従って流動性が高くなり、またトナーと感光体との吸着力も弱くなり、従って転写率は高くなる。しかし、形状係数SF−1、SF−2のいずれかが180を超えると、転写率が低下するため好ましくない。
また、この実施形態の画像形成装置に好適に用いられるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーとしている。
以下に、トナーの構成材料及び製造方法について説明する。
(ポリエステル)
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧しながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性が低下する傾向、特に環境変動の影響を受けやすい傾向がある。
また、重量平均分子量1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。重量平均分子量が1万未満では、耐オフセット性が低下するため好ましくない。また、40万を超えると低温定着性が低下するため好ましくない。
ポリエステルには、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得、これとアミン類との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られるものである。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が低下する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が低下する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が低下するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が低下する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が低下する。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が低下する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が低下する。
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、などにより製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらにこの(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
(PIC)を反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。
また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が低下する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が低下する。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用することで、低温定着性およびフルカラー画像形成装置に用いた場合に得られた画像の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステルを単独で使用するよりも好ましい。なお、未変性ポリエステルはウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでもよい。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が低下するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常45〜65℃、好ましくは45〜60℃である。45℃未満ではトナーの耐熱性が低下し、65℃を超えると低温定着性が不十分となる。
また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大して、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布しなくても高温オフセットに対して有用な効果が得られる。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
なお、荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えてもよい。
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10-3〜2μmであることが好ましく、特に5×10-3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10-2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合には、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上する。このため、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られ、さらに転写残トナーの低減が図られる。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性を低下させる傾向がある。このため、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、この副作用の影響に配慮した、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られる。すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーの製造方法)
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でもよいし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N、N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果を挙げることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させてもよい。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることによって、真球状からラクビーボール状までの間でその形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも、滑らかなものから凹凸が激しい梅干形状のものまでの間で、任意に制御することができる。
したがって、このようにしたトナー構成材料及び製造方法によれば、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状までの間の範囲でその形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状までの間の範囲で制御することができる。
さらに、この実施形態の画像形成装置に好適に用いられるトナーの形状は、略球形状であり、以下の形状規定によって表されたトナーの形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲のものを用いている。
すなわち、このトナーDの形状を模式的に示す図6(a)〜(c)に基づき、説明する。図6(a)に示すように、略球形状のトナーを、長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、このトナーは、図6(b)に示すように、長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0で、図6(c)に示すように、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。
長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、トナーが球形状として、真球形状から離れるのでドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。
なお、具体的なr1、r2、r3の測定方法としては、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
したがって、画像形成装置に用いられるトナーの形状を、略球形状としたので、ドット再現性および転写効率を向上できる。特に、略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、この発明のトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)を0.5〜1.0、厚さと短軸との比(r3/r2)を0.7〜1.0の範囲とした構成の場合には、トナー形状が真球形状に近くなる。このため、ドット再現性及び転写効率を向上させることができる。この結果、高品位な画質が得られる。
このように第1の実施形態のプロセスカートリッジによれば、プロセスカートリッジおよび廃トナーボトルは、プロセスカートリッジの廃トナー排出シャッタが廃トナー排出パイプ外に突出しておらず、廃トナーボトル内に備えられた突起によってのみ廃トナーシャッタを開閉させるように構成しているので、プロセスカートリッジの脱着時などに廃トナーシャッタを誤って開けてしまうことを防止することができ、廃トナー排出パイプからのトナー飛散、トナー落ちを防止することができる。すなわち、プロセスカートリッジから外方に突出された部材である廃トナー排出パイプに設けた排出口を、開閉する廃トナー排出シャッタは、このシャッタを開閉動作させる部分や関連した部材がパイプ外に突設されたり、簡易に開動作できる程度に露出されたりしていないので、突起による開動作以外はシャッタによる排出口の安定した閉止状態が維持される。このため、プロセスカートリッジ自体の取り扱い性が向上され、脱着時の脱着作業を容易に行なえる。
特に、廃トナー排出パイプが廃トナーボトルに差し込まれ、廃トナー排出パイプの廃トナー排出口が廃トナーボトル内に位置しない限りは、この排出口の閉止が解除されない構成としているので、上述したように高画質化に対応したトナーから生じる廃トナーであっても、トナー飛散、トナー落ちを防止できる。すなわち、このように高画質対応で微粒子化かつ球形化された流動性や浮遊性が高いトナーの場合には、排出口の封止が僅かに不完全でも、トナー飛散やトナー落ちが生じるのに対して、この実施形態の構成によれば、排出口の開放を廃トナーボトル内だけに限定できるので、前記の事態が生じることを未然に防止することができる。
なお、上記の第1の実施形態では、プロセスカートリッジから廃トナーボトルに直接、廃トナーを排出する構成に適用したが、これに限られることなく、画像形成装置内に廃トナー搬送経路を有し、プロセスカートリッジからの廃トナーを廃トナー搬送経路を介して廃トナーボトルに導く構成でも、廃トナー搬送経路内に同様な構成の突起を設けることによって、上記の廃トナーシャッタ構造を有したプロセスカートリッジを用いることができる。したがって、この構成の場合にも、上記の廃トナー用のシャッタを設けた構成と同様な作用効果が得られる。
またこの第1の実施形態の廃トナーシャッタに関する構成は、中間転写ベルトクリーニング手段からの廃トナーを、上記のように廃トナーボトルに直接または廃トナー搬送経路を介して導く構成用のシャッタとして同様に適用できる。したがって、この中間転写ベルトクリーニング手段に適用した構成の場合にも、上記の第1の実施形態のプロセスカートリッジに適用した構成と同様な作用効果が得られる。
次に、この発明の第2の実施形態を説明する。図7は、第2の実施形態の廃トナーボトルを示し、(a)は、廃トナーボトルが有した廃トナー搬入部に設けられたシャッタが閉位置にあることを主体に示す縦断面図であり、(b)は、同シャッタが開位置にあることを示す縦断面図である。すなわち、この第2の実施形態の廃トナーボトルは、画像形成装置側に設けた係合部によって、排出口を解放する開位置に移動されるシャッタ部材を廃トナー搬入部に設けた構成とされている。なお、第2の実施形態の廃トナーボトルを用いる画像形成装置は、この廃トナーボトルに関連した構成以外は上記の第1の実施形態と同一とされており、上記の実施形態と同一の構成の部材には、同一の符号を付して、説明を省略または簡略化することにする。
すなわち、図7(a)の左下に示すように、この廃トナーボトル30は、廃トナーを収納する容器として横方向に延在された中空角筒形状に形成され、所定容量が確保されている。この廃トナーボトル30は、画像形成装置本体3に着脱可能に設けられ、装置本体にセットされてプロセスカートリッジなどから収集された廃トナーを収容し、プロセスカートリッジによるトナー像形成動作の進展に伴って廃トナーボトル30が満杯となった場合には、新たな空の廃トナーボトル30に交換できるようにしている。
また、画像形成装置には、図7(a)の右上に示すように、係合部として画像形成装置側に固定されて設けられた廃トナー搬送パイプ31を有している。この廃トナー搬送パイプ31は、その所定長さの管体内の長手方向に、螺旋形状の廃トナー搬送スクリュ32が回転可能に配設され、この廃トナー搬送スクリュ32は、図示を省略した駆動機構によって、その先端側に螺旋が進むように回転駆動され、廃トナー搬送パイプ31の基端側から先端側に廃トナーを搬送するようにしている。なお、この廃トナー搬送パイプ31の基端は、図示しないプロセスカートリッジから廃トナーを搬送する搬送経路を形成した機構の末端に、廃トナー搬送経路として接続されている。また、廃トナー搬送パイプ31の外周の下部には、その基端側に位置した第1の開口31Aと、この第1の開口31Aから所定距離、離れて先端側に位置した第2の開口31Bとが形成されている。
この第2の実施形態の廃トナーボトル30は、廃トナー搬入部として廃トナー搬入パイプ33をその内部に有し、この廃トナー搬入パイプ33に廃トナー搬送パイプ31が差し込まれて、廃トナーボトル30を画像形成装置本体3にセットし、この廃トナー搬入パイプ33を介して廃トナー搬送パイプ31から廃トナーを受け取って内部に収容しており、この廃トナー搬入パイプ33には、廃トナー搬送パイプ31の第1,2の開口31A,31Bに対応した排出口として第1,2の廃トナー排出口33A,33Bが設けられるとともに、その内部には、これらの第1,2の廃トナー排出口33A,33Bを、廃トナーボトル30のセットに伴って廃トナー搬送パイプ31と係合して、解放状態とする開位置に移動されるシャッタ部材としてのシャッタ34が設けられている。
すなわち、この廃トナーボトル30は、その側面に開口30Aが設けられ、この開口30Aから廃トナーボトル30の内部の横方向に延在された有底管状の廃トナー搬入パイプ33が設けられている。また、この廃トナー搬入パイプ33はその長さが、セット時に差し込まれた廃トナー搬送パイプ31における廃トナーボトル30内での長さよりも所定に長く形成されている。この廃トナー搬入パイプ33は、その外周の下部で、廃トナーボトル30がセットされ廃トナー搬送パイプ31が差し込まれた状態の第1,2の開口31A,31Bに対応した位置に、それぞれ第1,2の廃トナー排出口33A,33Bが形成されている。
また、この廃トナー搬入パイプ33内には、有底の管形状のシャッタ34が、廃トナー搬入パイプ33と同軸で軸長手方向に移動可能に設けられ、スプリングバネ35によって、図中の右側に付勢されており、その外周の下部には、それぞれ第1の開口31Aに対応した第1の開口33Aと、第2の開口31Bに対応した第2の開口33Bとが形成されている。すなわち、廃トナー搬入パイプ33の内側の先端部と、シャッタ34の外側の先端部との間には、縮設されたスプリングバネ35が配設され、スプリングバネ35の弾性復帰力によって、常時、シャッタ34を図中の右側つまりシャッタ34の第1,2の開口31A,31Bを、廃トナー搬入パイプ33の第1,2の廃トナー排出口33A,33Bから離した閉位置を占めるように付勢されている。
したがって、画像形成装置に廃トナーボトル30がセットされると、廃トナー搬送パイプ31の先端がシャッタ34の底部を押して、結果として廃トナー排出口33A,33Bが開放され、廃トナーボトル30に廃トナーCが排出される。すなわち、このセットの際には、廃トナーボトル30の開口30Aを通過して、廃トナー搬入パイプ33内に廃トナー搬送パイプ31が所定長さ差し込まれるが、この差し込みの進展に伴い、廃トナー排出パイプ18の先端が、シャッタ34の先端側底面部に突き当たり、シャッタ34自体を左方向に移動させ、セットが完了すると、シャッタ34をその開位置に到達した状態で停止させる。このため、図7(b)に示すように、第1の開口31Aと第1の廃トナー排出口33Aと第1の開口34Aとからなる3つの開口の組合わせと、および第2の開口31Bと第2の廃トナー排出口33Bと第2の開口34Bとからなる3つの開口の組合わせとが、それぞれの組合わせの開口同士で3つがすべて重なる。このように、これらの排出口および開口が重複して開口位置として一致し、第1,2の廃トナー排出口33A,33Bのシャッタ34による閉止が解除される。この結果、廃トナー搬入パイプ33の排出口として第1,2の廃トナー排出口33A,33Bが開放され、これらの排出口33A,33Bから所定に廃トナーCが廃トナーボトル30内に排出される。
すなわち、このように2つの廃トナー排出口33A,33Bを開放して廃トナーボトル30内に廃トナーを収容した構成としたことにより、廃トナーボトル30内への排出箇所として、この廃トナーボトル30の横方向に長い方向に沿って、互いに離れた箇所である2つの箇所を確保しているので、効率的に廃トナーボトル30に廃トナーを収容することができる。すなわち、図7(b)に破線で示したように、第1の廃トナー排出口33Aから排出されて堆積した廃トナーによって、第1の廃トナー排出口33Aからそれ以上排出できなくなると、第2の廃トナー排出口33Bから廃トナーを排出させることができる。このため、廃トナーボトル30内の全域に渡って均等に廃トナーを収容でき、廃トナー収納容器として容積利用効率を高めることができる。
他方、廃トナーボトル30が画像形成装置Aに装着されない、非セットの状態では、スプリングバネ35により付勢されてシャッタ34が移動し、このシャッタ34の開口側の端面が廃トナーボトル30の内壁面に当接して停止し、シャッタ34として閉位置となる。すなわち、廃トナー搬入パイプ33の排出口としての第1廃トナー排出口33Aに対して、シャッタ34の第1の開口34Aが離れてシャッタ34の外周面が位置し、第1の廃トナー排出口33Aと第1の開口34Aとの互いの開口位置がずれるので、第1の廃トナー排出口33Aから廃トナーCが排出されない。同時に、同様にして第2の廃トナー排出口33Bから廃トナーCが排出されなくなる。このようにシャッタ34自体は、廃トナー搬入パイプ33内に配置され、廃トナー搬入パイプ33から外方に突出した部材や部分を有してなく、シャッタ34の周りを廃トナー搬入パイプ33によって囲まれて保護されており、しかも廃トナー搬入パイプ33自体が廃トナーボトル30内に配置され、さらにシャッタ34が常時、その閉位置を占めるようにスプリングバネ35によって付勢されているので、上記したように非セットの状態では、シャッタ34による第1,2の廃トナー排出口33A,33Bの閉止が保持され、第1,2の廃トナー排出口33A,33Bが不意に開かれることがない。
また、廃トナー搬送パイプ31の先端がシャッタ34に当接することにより、シャッタ34を開閉動作させているので、シャッタ34の開閉動作を容器としての廃トナーボトル30内部に局限できる。したがって、このような開閉動作に伴って生じるトナー漏れやトナー飛散を、廃トナーボトル30内に限定でき、廃トナーボトル30外部に影響を与えずに済む。すなわち、廃トナー搬入パイプ33の外周に第1,第2廃トナー排出口33A,33Bを形成し、この第1,第2廃トナー排出口33A,33Bを閉止したシャッタ34を、廃トナー搬送パイプ31のボトル30内への差し込みに伴い開位置に移動させ開動作させているので、第1,第2廃トナー排出口33A,33Bが廃トナーボトル30の開口30Aを通過した後でシャッタ34が開動作を開始する一方、開口30Aを通過する前にシャッタ34が閉動作を完了する。このため、廃トナーボトル30の開口30Aから充分に離れた廃トナーボトル30内の箇所で開閉動作を行なわせて、廃トナーボトル30の開口30Aからトナーが放出されることを抑制できる。この結果、プロセスカートリッジ11がセットされる画像形成装置本体3内を廃トナーで汚さずに済む。したがって特に、この構成によれば、トナー飛散しやすい高性能トナーから生成された廃トナーでも、正規の第1,第2廃トナー排出口33A,33Bの開閉動作に伴うトナー漏れやトナー飛散を廃トナーボトル30内に限定できるので、このような廃トナーを扱う廃トナーボトル30として最適なものとなる。
このように第2の実施形態の廃トナーボトルによれば、廃トナーボトルは、廃トナーボトル内に配置された廃トナー搬入パイプによって外部から廃トナーが搬入される構成とされ、その廃トナー搬入パイプ内に設けたシャッタがボトル外に突出した部分や部材を有してなく、しかも装置側に備えられた係合部としての廃トナー搬送パイプによってのみシャッタを開状態にできる。すなわち、廃トナーボトル内に配置された廃トナー排出パイプに設けた排出口を、開閉する廃トナー排出シャッタは、このシャッタを開閉動作させる部分や関連した部材がボトル外に突設されたり、簡易に開動作できる程度に露出されたりしていないので、廃トナー搬送パイプによる開動作以外はシャッタによる排出口の安定した閉止状態が維持される。したがって、廃トナーボトルの脱着時などにシャッタを誤って開けてしまうことを防止することができる。このため、誤ってシャッタを開いて、廃トナーボトルから、トナー飛散、トナー落ちの発生を防止できる。この結果、廃トナーボトル自体の取り扱い性が向上され、脱着時の脱着作業を容易に行なえる。
他方、このように廃トナーボトルのセット時には、廃トナー搬入パイプ内に係合部としての廃トナー搬送パイプを差し込んでいるので、この廃トナー搬送パイプが、セット時の廃トナーボトルの画像形成装置内での支持を補助したり、そのセット位置での姿勢を安定して保持する部材として機能することが期待できる。このため、画像形成装置側に設けられた廃トナーボトルを保持する部材や、セット位置にガイドする部材を簡素化でき、コストダウンを図れる。
なお、この第2の実施形態においては、廃トナー搬入パイプ内にシャッタを内装した構成としたが、シャッタを外装した構成としてもよく、またシャッタをスプリングバネによって押圧するように付勢した構成としたが、シャッタをスプリングバネによって引っ張るように付勢した構成としてもよい。すなわち、例えば図8(a)に同一構成部材に同一符号を附して示すように、先端側の底部が開口された廃トナー搬入パイプ33の周囲に、有底のシャッタ34を長手方向にスライド移動可能に外嵌し、このシャッタ34の開口側の端面に、無負荷の自然長よりも伸展された状態で設置された、つまり展設されたスプリングバネ35の一端を接続し、他端を廃トナーボトル30の内壁に接続し、このスプリングバネ35によって、シャッタ34に常時、引張力を付与するようにした構成としてもよい。したがって、このように構成された廃トナーボトル30では、その非セット時には、シャッタ34が右側に移動した状態を維持して第1,2の廃トナー排出口33A,33Bが閉止される一方、そのセット時には図8(b)に示すように、廃トナー搬送パイプ31の先端がシャッタ34の底部を押して、結果として廃トナー排出口33A,33Bが開放される。
またこの第2の実施形態では、廃トナーボトルに廃トナー搬送経路を介して導く構成に適用した例を説明したが、これに限られることなく、プロセスカートリッジから直接、廃トナーボトルに排出する構成に適用してもよい。すなわち、例えば第1の実施形態のプロセスカートリッジの廃トナーパイプに、この第2の実施形態の開口に相当する排出口だけを設けて、この第2の実施形態の廃トナーボトルを用いる構成としてもよい。
またこの第2の実施形態の廃トナーのシャッタに関する構成は、中間転写ベルトクリーニングからの廃トナーを、上記のように廃トナーボトルに直接または廃トナー搬送経路を介して導く構成に対応した廃トナーボトルに設ける構成のシャッタとして同様に適用できる。したがって、この構成の場合にも、上記の第2の実施形態の構成と同様な作用効果が得られる。
次に、この発明の第3の実施形態を説明する。図9は、第3の実施形態のトナーボトルを示し、(a)は、セットされたトナーボトルの概要を示す全体図であり、(b)は、トナーボトルが有したトナーパイプに設けられたシャッタが閉位置にあることを示す部分断面図、(b)は、同シャッタが開位置にあることを示す部分断面図である。すなわち、この第3の実施形態のトナーボトルは、トナーボトルの画像形成装置への装着に伴い、画像形成装置側に設けた係合部によって、所定の開位置に移動されるシャッタ部材を廃トナーボトル側に設けた構成とされ、シャッタ部材は、トナーボトルの装着時に、画像形成装置本体3側に設けられた係合部と係合して移動され、シャッタ部材によるトナーボトルからトナーを排出して供給する供給口の閉止を解除するようにしている。なお、この第3の実施形態のトナーボトルを用いる画像形成装置は、このトナーボトルに関連した構成以外は上記の第1の実施形態と同一とされており、上記の実施形態と同一の構成の部材には、同一の符号を付して、説明を省略または簡略化することにする。
すなわち、図9(a)に示すように、このトナーボトル40は、トナーを収納する容器として中空円筒形状に形成され、所定容量が確保され、その内部にはトナーが充填されている。このトナーボトル40は、画像形成装置Aに着脱可能に設けられ、装置本体にセットされてプロセスカートリッジにトナーを供給し、プロセスカートリッジのトナー像形成動作による消費に伴ってトナーボトル40が空になった場合には、トナーが充填された新たなトナーボトル40に交換できるようにしている。
この第3の実施形態のトナーボトル40は、所定長さの管状のトナーパイプ41を有し、このトナーパイプ41を介して装置側にトナーを供給しており、このトナーパイプ41には、トナーボトル40内からのトナーDを排出して供給するトナーの供給口42が設けられるとともに、その内部には、図9(b),(c)に示すように、この供給口42を、トナーボトル40のセットに伴って画像形成装置本体3側の受入れ部43に設けられた係合部としての突起44と係合して、閉止状態から解放状態とする開位置に移動されるシャッタ部材としてのシャッタ45が設けられている。
すなわち、このトナーボトル40は、その一端側の円筒面の下方に、有底のトナーパイプ41がトナーボトル40の外方に延在されて設けられ、このトナーパイプ41の略先端側で、セット時に下部となる外周の箇所には、供給口42が形成されている。また、上述した第1の実施形態の構成と同様に、トナーパイプ41の内の先端側には、トナーパイプ41と同軸で軸長手方向に移動可能なシャッタ45が設けられ、このシャッタ45の外周の下部の箇所には、シャッタ底部に接するようにシャッタ45の開口45Aが形成されている。このシャッタ45は、スプリングバネ46によって、常時、図中の左側つまり開口45Aを供給口42から離して閉位置を占めるように付勢され、この閉位置では、開口が形成されていないシャッタ45の外周によって供給口42を閉塞するようにしている。
さらに、トナーパイプ41の先端側の円形底面における略中央には、第1の実施形態の構成と同様に、この端面を貫通して形成された通過孔41aが設けられている一方、この通過孔41aに対応して、画像形成装置本体3側に設けられたトナーDを受入れる部材としての受入れ部43には、係合部として所定長さが確保された突起44が設けられている。すなわち、トナーボトル40のセット時に、トナーパイプ41が差し込まれた状態でセットされる受入れ部43には、このトナーパイプ41に対向した箇所から、その差し込み方向と反対側に突出された突起44が設けられている。なお、受入れ部43の下方には、図示しないトナー供給対象のプロセスカートリッジに至る搬送経路が設けられており、この搬送経路は受入れ部43の内部空間に通路として接続されている。
したがって、画像形成装置Aにトナーボトル40がセットされると、トナーボトル40の突起44が、シャッタ45を押して供給口42が開放され、トナーボトル40から受入れ部43にトナーDが排出され、供給される。すなわち、このセットの際には、受入れ部43内にトナーパイプ41が所定長さ差し込まれるが、この差し込みの進展に伴い、トナーパイプ41の通過孔41aを通過して、相対的に突起44がトナーパイプ41の先端側から基端側に突出され、この突起44の先端でシャッタ45を図中の右方向へと開位置に移動させる。このため、供給口42と開口45Aとが重複して開口位置が一致するので、供給口42のシャッタ45による閉止が解除される。この結果、排出口としての供給口42が開放され、供給口42からトナーDが排出され、受入れ部43つまり画像形成装置本体3側に供給される。
他方、トナーボトル40が画像形成装置Aに装着されない、非セット状態では、スプリングバネ46により付勢されてシャッタ45が移動し、排出口としての供給口42と開口45Aとのお互いの開口位置がずれて、供給口42がシャッタ45の外周で閉止されており、供給口42からトナーが排出されない。このようにシャッタ45自体は、トナーパイプ41内に配置され、トナーパイプ41から外方に突出した部材や部分を有してなく、シャッタ45の周りをトナーパイプ41によって囲まれて保護されており、しかもシャッタ45が常時、その閉位置を占めるようにスプリングバネ46によって付勢されているので、上記したように非セットの状態では、シャッタ45による供給口42の閉止が保持され、供給口42が不意に開かれることがない。
これに加えて、トナーボトル40として、トナーパイプ41に上記の構成、少なくとも通過孔41aを有していないものは、トナーパイプ41の先端が突起44に当接して、トナーパイプ41が受入れ部43内に充分に差し込めなく、結果としてこのようなトナーボトルが画像形成装置Aにセットできないことになる。このため、型式が異なるなどの他のトナーボトルがセットされることを排除でき、上記の構成を有した正式な画像形成装置用のトナーボトル40だけをセットさせることができる。この結果、専用のトナーボトル40だけを使用させることができ、正規のトナーが供給されるので、画像形成装置Aの画像形成性能を充分に発揮させることが可能となる。
また、シャッタ45を開位置に移動させる突起44も、受入れ部43内に配置され、外部に露出されていないので、この突起44の保護が図れ、突起44自体の破損を防止できる。他方、受入れ部43内に設けた突起44でシャッタ45を開閉動作させているので、シャッタ45の開閉動作を受入れ部43の内部に局限できる。したがって、このような開閉動作に伴って生じるトナー漏れやトナー飛散を、受入れ部43内に限定でき、受入れ部43外部に影響を及ぼさずに済む。すなわち、トナーパイプ41の最先端部の外周に供給口42を形成し、この供給口42を閉止したシャッタ45を、受入れ部43内で開位置に移動させる程度の長さで突出された突起44で開動作させているので、供給口42が受入れ部43の開口を通過した後でシャッタ45が開動作を開始する一方、この開口を通過する前にシャッタ45が閉動作を完了する。このため、受入れ部43の開口から充分に離れた受入れ部43内の箇所で、開閉動作を行なわせて、受入れ部43の開口からトナーが放出されることを抑制できる。この結果、トナーボトル40がセットされる画像形成装置本体3内をトナーで汚さずに済む。したがって特に、この構成によれば、トナー飛散しやすい高性能トナーから形成されたトナーでも、正規の供給口42の開閉動作に伴うトナー漏れやトナー飛散を受入れ部43内に限定できるので、このようなトナーを扱うトナーボトル40として最適なものとなる。さらに、通過孔41aの内径と突起44の外径とを所定に設定して、突起44に通過孔41aつまりトナーパイプ41の差し込み方向の先端を係合させた構成とした場合には、この突起44によってトナーパイプ41の先端側をある程度支持することが可能になる。したがって、トナーボトル40がセットされた状態では、少なくともトナーパイプ41が片端支持ではなく、両端支持された状態となるので、このトナーパイプ41が先端側で僅かでも撓むことなく、またその姿勢を安定して保持できる。このため、トナーボトル40内からトナーパイプ41を介して安定したトナーの供給が可能となる。特に、このように突起44にトナーパイプ41先端の通過孔41aを係合させたことによって、受入れ部43内における、該先端側に設けた供給口42の位置が、少なくとも上下方向に変動させずに安定して保持されるので、トナーパイプ41から受入れ部43へのスムーズで安定したトナー供給量の確保が可能となる。このため、高画質化に対応した流動性の高いトナーを供給するトナーボトル40として最適なものとなる。
このように第3の実施形態のトナーボトルによれば、トナーボトルは、そのトナーパイプ内に設けたシャッタが、トナーパイプ外に突出した部分やシャッタを可動させる部材を有してなく、装置側に備えられた突起によってのみシャッタを開状態にできる。すなわち、トナーボトルから外方に突出された部材であるトナーパイプに設けた排出口を、開閉するシャッタは、このシャッタを開閉動作させる部分や関連した部材がパイプ外に突設されたり、簡易に開動作できる程度に露出されたりしていないので、突起による開動作以外はシャッタによる排出口の安定した閉止状態が維持される。したがって、トナーボトルの脱着時などに、不用意にシャッタを開けてしまうことを防止できる。このため、誤ってシャッタを開いて、トナーパイプから、トナー飛散、トナー落ちが生じることを防止できる。この結果、トナーボトル自体の取り扱い性が向上され、脱着時の脱着作業を容易に行なえる。
他方、このように、トナーボトルが装置側にセットされるまでは、トナーパイプに設けた供給口の閉止を確実化できるので、トナーボトルに充填されたトナー量や、トナーボトル内のトナー品質を充分に確保できる。このため、画像品質の向上を図れる。特に、上述したように球形化かつ微粒子化などにより高画質対応のトナーを用いる場合には、上記のようにトナーボトルがセットされるまでは、供給口の封止を確実化しているので、この供給口からのトナー漏れやトナー飛散を防止できる。このため、このようなトナーを、交換して補充を行なう手段であるトナーボトルで用いるものとして最適なものとなる。
なお、上述した各実施形態の構成のいずれか1つ、または任意に組合わせた構成を具えた画像形成装置によれば、上記したように各構成に特有な効果を有した画像形成装置とすることができる。特に、上記の第1または第2の実施形態のいずれかの構成、および第3の実施形態の構成を具えた画像形成装置では、トナーに関連した収納容器としての部材(プロセスカートリッジ,廃トナーボトル,トナーボトル)の交換時に、それぞれトナーおよび廃トナーの漏れや飛散を防止できるので、画像形成装置が用いるトナーの管理の確実化や、管理の信頼性を向上できる。すなわち、トナーの供給から廃トナーの排出までの管理を厳密化できる。このため、封止が不完全になるとトナー漏れやトナー飛散が生じやすい高画質に対応した高性能トナーを用いる画像形成装置として最適なものとなる。
この発明の第1の実施形態のプロセスカートリッジを適用した画像形成装置を示し、画像形成装置の全体構成を示す概略図である。 この第1の実施形態のプロセスカートリッジが画像形成装置にセットされた詳細を示し、画像形成装置の部分拡大図である。 この第1の実施形態のプロセスカートリッジを示し、カートリッジ単体の全体構成を示す斜視図である。 この第1の実施形態のプロセスカートリッジを示し、(a)は、セットされたプロセスカートリッジと廃トナーボトルとを示す概略図、(b)は、プロセスカートリッジが非セット状態でシャッタが閉位置にあることを示す部分断面図、(c)は、セット状態で同シャッタが開位置にあることを示す部分断面図である。 この実施形態の画像形成装置に用いられるトナー形状の概要を示し、(a)は、トナーの形状係数SF−1を説明する模式図、(b)は、トナーの形状係数SF−2を説明する模式図である。 この実施形態の画像形成装置に用いられるトナーの球形状の概要を示し、(a)は、トナーの長軸、短軸、厚さの規定の仕方を説明する模式図、(b)は、長軸と短軸との比を説明する模式図、(c)は、厚さと短軸との比を説明する模式図である。 この発明の第2の実施形態の廃トナーボトルを示し、(a)は、廃トナーボトルが有した廃トナーパイプに設けられたシャッタが閉位置にあることを主体に示す縦断面図、(b)は、同シャッタが開位置にあることを示す縦断面図である。 第2の実施形態の廃トナーボトルの変形例を示し、(a)は、この変形例の廃トナーボトルが有した廃トナーパイプに設けられたシャッタが閉位置にあることを主体に示す縦断面図、(b)は、同シャッタが開位置にあることを示す縦断面図である。 この発明の第3の実施形態のトナーボトルを示し、(a)は、セットされたトナーボトルと画像形成装置側のトナーを受入れる構成とを示す概略図であり、(b)は、トナーボトルが非セット状態でシャッタが閉位置にあることを示す部分断面図、(c)は、セット状態で同シャッタが開位置にあることを示す部分断面図である。 従来の構成のプロセスカートリッジを示し、(a)は、プロセスカートリッジが非セット状態でシャッタが閉位置にあることを示す部分断面図、(b)は、セット状態で同シャッタが開位置にあることを示す部分断面図である。 従来の他の構成のプロセスカートリッジを示し、(a)は、プロセスカートリッジが非セット状態でシャッタが閉位置にあることを示す部分断面図、(b)は、セット状態で同シャッタが開位置にあることを示す部分断面図である。
符号の説明
1 中間転写ベルト 2 トナーボトル
3 画像形成装置本体 4 給紙コロ
5 レジストローラ 6 2次転写ローラ
7 定着ユニット 9 書き込みユニット
8 排紙ローラ
10(a〜d) 感光体ドラム(プロセスカートリッジに備えらえた像担持体)
11(a〜d) プロセスカートリッジ
12 中間転写ベルトのクリーニング手段 13 転写ローラ
14(a〜d) 感光体ドラムのクリーニングユニット(プロセスカートリッジに備えらえたクリーニング手段)
15(a〜d) 帯電ローラ(帯電手段) 16(a〜d) 現像装置(現像手段)
17 廃トナー搬送スクリュ 18 廃トナー排出パイプ
18a 突起通過用の通過孔 19 廃トナー排出口
20 廃トナーボトル 21 シャッタ(シャッタ部材)
21A シャッタの開口 22 突起(係合部)
23 シャッタ付勢用のスプリングバネ 30 廃トナーボトル
30A 廃トナーボトルの開口 31 廃トナー搬送パイプ(係合部)
31A 廃トナー搬送パイプの第1の開口 31B 廃トナー搬送パイプの第2の開口
32 廃トナー搬送スクリュ
33 廃トナー搬入パイプ(廃トナー搬入部)
33A 第1の廃トナー排出口 33B 第2の廃トナー排出口
34 シャッタ(シャッタ部材) 34A シャッタの第1の開口
34B シャッタの第2の開口 35 スプリングバネ
40 トナーボトル 41 トナーパイプ
41a 突起通過用の通過孔 42 トナーの供給口
43 受入れ部 44 突起(係合部)
45 シャッタ(シャッタ部材) 45A シャッタの開口
46 シャッタ付勢用のスプリングバネ A 画像形成装置
C 廃トナー S 転写紙
D トナー(トナー粒子)

Claims (6)

  1. 像担持体と少なくともクリーニング手段とを備え、画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
    前記クリーニング手段からの廃トナーを排出する排出口を設けた廃トナーパイプと、該廃トナーパイプの内側に設けられたシャッタ部材とを有し、
    前記画像形成装置への装着時に、画像形成装置本体側に設けられた係合部が前記シャッタ部材と係合することにより、該シャッタ部材が前記排出口の開位置に移動されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  2. 画像形成装置に着脱可能な廃トナーボトルであって、
    前記クリーニング手段からの廃トナーが搬入され廃トナーをボトル内に排出する排出口を設けた廃トナー搬入部と、該廃トナー搬入部に設けられたシャッタ部材とを有し、
    前記画像形成装置への装着時に画像形成装置本体側に設けられた係合部が前記シャッタ部材と係合することにより、前記シャッタ部材が前記排出口の開位置に移動されることを特徴とする廃トナーボトル。
  3. 画像形成装置に着脱可能なトナーボトルであって、
    前記トナーボトルは、トナーを供給する供給口を設けたトナーパイプと、該トナーパイプの内側に設けられたシャッタ部材とを有し、
    前記画像形成装置への装着時に、画像形成装置本体側に設けられた係合部が前記シャッタ部材と係合することにより、該シャッタ部材が前記供給口の開位置に移動されることを特徴とするトナーボトル。
  4. 前記請求項1に記載のプロセスカートリッジを具えたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記請求項2に記載の廃トナーボトルを具えたことを特徴とする画像形成装置。
  6. 前記請求項3に記載のトナーボトルを具えたことを特徴とする画像形成装置。
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