JP5177797B2 - 粉体搬送装置、及び、画像形成装置 - Google Patents

粉体搬送装置、及び、画像形成装置 Download PDF

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Description

この発明は、粉体収容部に収容された粉体を搬送先に向けて搬送する粉体搬送装置と、それを備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、又はそれらの複合機等の画像形成装置と、に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の電子写真方式を用いた画像形成装置において、粉体収容部に収容された粉体を搬送先に向けて搬送する粉体搬送装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1等において、粉体搬送装置は、トナーボトル(粉体収容部)に収容されたトナー(粉体)を、搬送パイプ(粉体搬送管)を介して、現像装置(搬送先)に向けて搬送する。搬送パイプには搬送コイルが内設されていて、搬送コイルを回転駆動することで搬送パイプ内でトナーが搬送される。
また、特許文献1等には、トナーボトルから搬送パイプ内に一度に多くのトナーが排出された場合に搬送コイルの回転に関係なく大量のトナーが搬送パイプを介して現像装置に流れ込んでしまう不具合を抑止するために、搬送パイプ内にトナーの通過を規制する領域を設ける技術が開示されている。
特開2005−24665号公報
上述した従来の粉体搬送装置は、粉体がない状態の粉体搬送管(使用開始前の、さらの粉体搬送管である。)に初めて粉体を搬送させるときに、搬送コイルの回転駆動で粉体の搬送量が制御されることなく、粉体搬送管の内部を粉体が勢いよく流動して、粉体搬送管の開口から搬送先に向けて一気に粉体が流れ出してしまう現象(以後、このような現象を、粉体の「流れ込み」と呼ぶ。)があった。
詳しくは、粉体搬送装置の粉体搬送管は、工場での製造後の検査工程を終了した後であって工場から出荷されるときに(工場出荷時に)、その内部に粉体が残留しないように清掃される。これは、工場出荷後の運搬中に、粉体搬送装置内に残留した粉体が装置外部に飛散しないようにするためである。そして、ユーザー先に粉体搬送装置が着荷されて、ユーザー先で初めて粉体搬送装置の稼動が開始されると、粉体がない状態の粉体搬送管に初めて粉体が搬送されて、粉体の流れ込みが発生してしまう。
このように粉体の流れ込みが生じると、搬送先における粉体量が急激に増加してしまうことになる。具体的に、特許文献1等では、搬送先としての現像装置内のトナー量(トナー濃度)が急激に増加して、出力画像の画像濃度が過多になってしまう可能性があった。
このような粉体の流れ込みは、粉体が小粒径化されたり、粉体の流動性が高まったりすると、さらに顕著になる。特に、画像形成装置においては、高画質化を目的としてトナーの小粒径化と高流動性化が進められているために、このような問題が無視できないものになっている。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、粉体がない状態の粉体搬送管に初めて粉体を搬送させるときに、粉体の流れ込みが生じることのない、粉体搬送装置、及び、画像形成装置を提供することにある。
この発明の請求項1記載の発明にかかる粉体搬送装置は、粉体収容部に収容された粉体を搬送先に向けて搬送する粉体搬送装置であって、前記搬送先に連通する開口を有する粉体搬送管と、前記粉体搬送管の前記開口に向けて粉体を搬送する粉体搬送手段と、前記粉体搬送管の前記開口を開閉可能に配設されたシャッタ部材と、を備え、前記シャッタ部材は、前記開口を閉鎖する位置にセットされた後に、前記粉体搬送手段の駆動開始にともない粉体の搬送が開始されて所定時間が経過した後に前記開口を開放する位置に移動するとともに、記粉体搬送管の外部に突出して、前記開口を開放する位置に移動した後に前記開口を閉鎖する位置に移動させることを可能にする把持部を具備したものである。
また、請求項2記載の発明にかかる粉体搬送装置は、粉体収容部に収容された粉体を搬送先に向けて搬送する粉体搬送装置であって、前記搬送先に連通する開口を有する粉体搬送管と、前記粉体搬送管の前記開口に向けて粉体を搬送する粉体搬送手段と、前記粉体搬送管の前記開口を開閉可能に配設されたシャッタ部材と、を備え、前記シャッタ部材は、前記開口を閉鎖する位置にセットされた後に、前記粉体搬送手段の駆動開始にともない粉体の搬送が開始されて所定時間が経過した後に前記開口を開放する位置に移動するとともに、前記粉体搬送管の内部に設置され、前記粉体搬送管は、前記シャッタ部材の位置を視認することを可能にする窓部を具備したものである。
また、請求項3記載の発明にかかる粉体搬送装置は、粉体収容部に収容された粉体を搬送先に向けて搬送する粉体搬送装置であって、前記搬送先に連通する開口を有する粉体搬送管と、前記粉体搬送管の前記開口に向けて粉体を搬送する粉体搬送手段と、前記粉体搬送管の前記開口を開閉可能に配設されたシャッタ部材と、を備え、前記粉体搬送手段は、前記粉体搬送管に内設されるとともに所定方向に回転駆動される螺旋状部材を具備し、前記シャッタ部材は、前記粉体搬送管に内接する内接部と、前記内接部よりも粉体の搬送方向上流側に配設されるとともに、前記螺旋状部材の回転駆動に連動して押動されて前記内接部を前記開口を閉鎖する位置から開放する位置に移動させる係合部と、を具備したものである。
また、請求項4記載の発明にかかる粉体搬送装置は、前記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明において、前記シャッタ部材は、工場出荷時に前記開口を閉鎖する位置にセットされて、着荷時における前記粉体搬送手段の駆動開始にともない粉体の搬送が開始されて所定時間が経過した後に前記開口を開放する位置に移動して停止するものである。
また、請求項5記載の発明にかかる粉体搬送装置は、前記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明において、前記粉体を、加速凝集度が40%以下になるように形成されたトナーとしたものである。
また、請求項6記載の発明にかかる粉体搬送装置は、前記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明において、前記粉体を、平均円形度が0.95以上になるように形成されたトナーとしたものである。
また、請求項7記載の発明にかかる粉体搬送装置は、前記請求項1〜請求項6のいずれかに記載の発明において、前記粉体を、体積平均粒径をDv(μm)として、個数平均粒径をDn(μm)としたときに、
3≦Dv≦8
1.00≦Dv/Dn≦1.40
なる関係が成立するように形成されたトナーとしたものである。
また、請求項8記載の発明にかかる粉体搬送装置は、前記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の発明において、前記粉体を、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーとしたものである。
また、請求項9記載の発明にかかる粉体搬送装置は、前記請求項1〜請求項8のいずれかに記載の発明において、前記搬送先を、現像装置又はプロセスカートリッジとしたものである。
また、請求項10記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の粉体搬送装置を備えたものである。
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電部と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像部(現像装置)と、像担持体上をクリーニングするクリーニング部と、のうち少なくとも1つと、像担持体と、が一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱自在に設置されるユニットと定義する。
本発明は、粉体搬送管の開口を開閉するシャッタ部材を設けて、開口を閉鎖する位置にシャッタ部材をセットして、粉体の搬送が開始されて所定時間が経過した後に開口を開放する位置にシャッタ部材が移動して停止するように構成しているために、粉体の流れ込みが生じることのない、粉体搬送装置、及び、画像形成装置を提供することができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1〜図11にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1及び図2にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1は画像形成装置としてのプリンタを示す構成図であり、図2はその作像部を示す拡大図である。
図1に示すように、画像形成装置本体100の上方にあるボトル収容部31には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナーボトル32Y、32M、32C、32K(粉体収容部)が着脱自在に設置されている。
ボトル収容部31の下方には中間転写ユニット15が配設されている。その中間転写ユニット15の中間転写ベルト8に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応したプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6K(作像部)が並設されている。
図2を参照して、イエローに対応したプロセスカートリッジ6Y(作像部)は、像担持体としての感光体ドラム1Yと、感光体ドラム21の周囲に配設された帯電部4Y、現像装置5Y(現像部)、クリーニング部2Yと、が1つのユニットとして一体化されている。そして、感光体ドラム1Y上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)がおこなわれて、感光体ドラム1Y上にイエロー画像が形成されることになる。
なお、他の3つのプロセスカートリッジ6M、6C、6Kも、使用されるトナーの色が異なる以外は、イエローに対応したプロセスカートリッジ6Yとほぼ同様の構成となっていて、それぞれのトナー色に対応した画像が形成される。以下、他の3つのプロセスカートリッジ6M、6C、6Kの説明を適宜に省略して、イエローに対応したプロセスカートリッジ6Y(作像部)のみの説明をおこなうことにする。
図2を参照して、感光体ドラム1Yは、不図示の駆動モータによって図2中の時計方向に回転駆動される。そして、帯電部4Yの位置で、感光体ドラム1Yの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光装置7から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、現像装置5Yとの対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト8及び第1転写バイアスローラ9Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
その後、感光体1Yの表面は、クリーニング部2Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上に残存した未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム1Yの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム1Y上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
なお、上述した作像プロセスは、他の作像部6M、6C、6K(プロセスカートリッジ)でも、イエロー作像部6Yと同様におこなわれる。すなわち、プロセスカートリッジの下方に配設された露光部7から、画像情報に基いたレーザ光Lが、各プロセスカートリッジ6M、6C、6Kの感光体ドラム上に向けて照射される。詳しくは、露光部7は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して感光体ドラム上に照射する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
ここで、中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8、4つの1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9K 、2次転写バックアップローラ12、クリーニングバックアップローラ13、テンションローラ14、中間転写クリーニング部10等で構成される。中間転写ベルト8は、3つのローラ12〜14によって張架・支持されるとともに、1つのローラ12の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。
4つの1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y 、1M 、1C 、1K との間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kに、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y 、1M 、1C 、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8は、2次転写ローラ19との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ12が、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト8上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の記録媒体P上に転写される。このとき、中間転写ベルト8には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト8は、中間転写クリーニング部10の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
ここで、2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体Pは、装置本体100の下方に配設された給紙部26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、給紙部26には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
レジストローラ対28に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着部20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ローラ及び圧力ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対29によって装置外に排出された被転写Pは、出力画像として、スタック部30上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、図2にて、現像装置の構成・動作について、さらに詳しく説明する。
現像装置5Yは、感光体ドラム1Yに対向する現像ローラ51Yと、現像ローラ51Yに対向するドクターブレード52Yと、現像剤収容部53Y、54Y内に配設された2つの搬送スクリュ55Yと、現像剤収容部54Yに開口を介して連通するトナー補給部58Yと、現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ56Yと、等で構成される。現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成される。現像剤収容部53Y、54Y内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤が収容されている。
このように構成された現像装置5Yは、次のように動作する。
現像ローラ51Yのスリーブは、図2の矢印方向に回転している。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ51Y上に担持された現像剤は、スリーブの回転にともない現像ローラ51Y上を移動する。
ここで、現像装置5Y内の現像剤は、現像剤中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。詳しくは、現像装置5Y内のトナー消費に応じて、粉体収容部としてのトナーボトル32Yに収容されている粉体としてのトナーが、粉体搬送装置40Y(トナー搬送部)の粉体搬送管43Y(トナー搬送パイプ)やトナー補給部58Yを介して現像剤収容部54Y内に補給される。なお、粉体搬送装置40Yやトナーボトル32Yの構成・動作については、後で詳しく説明する。
その後、現像剤収容部54Y内に補給されたトナーは、2つの搬送スクリュ55Yによって、現像剤とともに混合・撹拌されながら、2つの現像剤収容部53Y、54Yを循環する(図2の紙面垂直方向の移動である。)。そして、現像剤中のトナー(粉体)は、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51Y上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ51Y上に担持される。
現像ローラ51Y上に担持された現像剤は、図2中の矢印方向に搬送されて、ドクターブレード52Yの位置に達する。そして、現像ローラ51Y上の現像剤は、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体ドラム1Yとの対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界によって、感光体ドラム1Y上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ51Y上に残った現像剤はスリーブの回転にともない現像剤収容部53Yの上方に達して、この位置で現像ローラ51Yから離脱される。
次に、図3にて、現像装置にトナーを供給するトナーボトル(粉体収容部)について説明する。
先に図1で説明したように、ボトル収容部31には、4つのトナーボトル32Y、32M、32C、32Kが、着脱自在に設置されている。トナーボトル32Y、32M、32C、32Kは、それぞれ、寿命に達したとき(収容するトナーがほとんどすべて消費されて空になったときである。)に新品のものに交換される。そして、トナーボトル32Y、32M、32C、32K内に収容された各色のトナー(粉体)は、それぞれ、後述する粉体搬送装置によって、各プロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kの現像装置に適宜補給される。
なお、他の3つのトナーボトル32M、32C、32Kも、収容されたトナーの色が異なる以外は、イエロートナーを収容したトナーボトル32Yとほぼ同様の構成となっている。以下、他の3つのトナーボトル32M、32C、32Kの説明を適宜に省略して、イエロートナーを収容したトナーボトル32Yのみの説明をおこなうことにする。
図3に示すように、トナーボトル32Yは、主として、ボトル本体33Yと、その頭部に設けられたケース34Y(ボトルキャップ)と、で構成される。
ボトル本体33Yの頭部には、ボトル本体33Yと一体的に回転する駆動伝達部材としてのギヤ37Yと、開口部(不図示である。)とが設けられている。ギア37Yは、装置本体100の駆動ギアと噛合してボトル本体33Yを図3の回転軸Aを中心に矢印方向に回転駆動するためのものである。また、開口部は、ボトル本体33Y内に収容されたトナーをケース34Y内のスペースに向けて排出するためのものである。
ボトル本体33Yには、外周面から内周面にかけて、螺旋状の突起33aが設けられている。この螺旋状の突起33aは、ボトル本体33Yを回転駆動して開口部からトナーを排出するためのものである。
なお、このように構成されたボトル本体33Yは、ギア37Yとともにブロー成形にて製造することができる。
ケース34Yの周面には、ケース34Yを回転操作するための把手35Yと、トナーボトル32Y内のトナーを外部に排出するためのトナー排出口(不図示である。)と、トナー排出口を開閉するシャッタ36Yと、が設けられている。
シャッタ36Yは、ケース34Yのガイド部34bに係合するとともに、ケース34Yの周面上をガイド部34bに沿って移動してトナー排出口の開閉ができるように構成されている。シャッタ36Yの一端にはスプリング44が設置されていて、このプリング44の付勢力によってシャッタ36Yはトナー排出口を閉鎖する。
ケース34Yの端面には、長短の直線状の壁面と曲線状の壁面とからなる嵌合部38Yが設けられている。この嵌合部38Yは、ボトル収容部31の側板上に凸状に形成された被嵌合部(不図示である。)と嵌合するものである。
ケース34Yとボトル本体33Yとは、周方向に相対的に回転できるように組み付けられる。これにより、ボトルセット時におけるケース34Yの回転操作と、トナー補給時におけるボトル本体33Yの回転駆動と、が可能になる。
次に、図4にて、ボトル収容部31へのトナーボトル32Yの着脱操作について説明する。
図4は、イエローのトナーボトル32Yがボトル収容部31上に搭載される状態(矢印E方向の移動である。)を示す斜視図である。
図4に示すように、ボトル収容部31には、4つのトナーボトル32Y、32M、32C、32Kに対応した4つのボトル収容部31Y、31M、31C、31Kが設けられている。
トナーボトル32Yを装置本体100のボトル収容部31Yに装着する場合は、まず、図1に示すスタック部30を上方に開放してボトル収容部31を露出させる。
その後、図4を参照して、トナーボトル32Yをボトル収容部31Y上に載置する(矢印方向の移動である。)。このとき、ボトル本体33Yの底部に設けられた係合部を、ボトル収容部31Yの被係合部に係合させるように、トナーボトル32Yをセットする。これと同時に、ケース34Yの端面に設けられた嵌合部38Yの直線状壁面を、ボトル収容部31Yの被嵌合部にスライドさせるように、トナーボトル32Yをセットする。
その後、トナーボトル32Yの把手35Yが把持されて、ケース34Yが回転操作される。これにより、最終的に、ボトル収容部31Yにおけるトナーボトル32Yの位置が定まることになる。
以下、本実施の形態1において特徴的な、粉体搬送装置(トナー搬送部)について説明する。
図5は、ボトル収容部に載置されたトナーボトル32Y、32M、32C、32Kが粉体搬送装置40Y、40M、40C、40Kに連結された状態を前方から示す斜視図である。図6は、トナーボトル32Y、32M、32C、32Kが粉体搬送装置40Y、40M、40C、40Kに連結された状態を側方から示す斜視図である。図7は、トナーボトル32Yと粉体搬送装置40Yとの接続部近傍を示す図である。図6〜図7において、ボトル収容部の図示は省略されている。
また、図8は、粉体搬送管43Yの開口43Yaの近傍を示す断面図である。図9は、粉体搬送管43Yに内設されたシャッタ部材71Yを示す斜視図である。図10(A)は図8に示すシャッタ部材71Yが開口70Yを閉鎖した状態を示す図であり、図10(B)は図8に示すシャッタ部材71Yが開口70Yを開放した状態を示す図である。
粉体搬送装置40Y、40M、40C、40Kは、トナーボトル32Y、32M、32C、32K(粉体収容部)に収容されたトナー(粉体)を搬送先としてのプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6K(又は、現像装置)に向けて搬送する装置である。
粉体搬送装置40Y、40M、40C、40Kは、中間転写ユニット15の側方(装置本体100の奥側である。)に固設されている。トナーボトル32Y、32M、32C、32Kのトナー排出口側と現像装置5Yのトナー補給部58Yとも中間転写ユニット15の側方に配設されている。
4つの粉体搬送装置40Y、40M、40C、40Kは、搬送されるトナー色が異なる以外はほぼ同一構造なので、イエロートナーを搬送する粉体搬送装置40Yについて説明する。
図5に示すように、粉体搬送装置40Yは、主として、駆動部として機能する駆動モータ41Y及び駆動ギヤ42Yと、粉体搬送管43Y(トナー搬送パイプ)と、で構成されている。粉体搬送管43Yは、フレキシブルな搬送コイル70Y(図7及び図8等を参照できる。)やシャッタ部材71Y(図8等を参照できる。)が内設されている。搬送コイル70Yは、粉体搬送管43Yの開口43Yaに向けてトナーを搬送する粉体搬送手段として機能する。駆動ギヤ42Yはトナーボトル32Yのギヤ37Y(駆動伝達部材)と噛合しており、駆動モータ41Yを稼動させることにより、トナーボトル32Yのボトル本体33Yが回転する。また、駆動モータ41Yの駆動力はギヤ列を介して搬送コイル70Yに伝達され、これにより搬送コイル70Yは所定方向に回転駆動されることになる。
ここで、ボトル本体33Yの回転によるトナー排出は、現像装置5Y内のトナー消費に応じておこなわれる。すなわち、図2に示す現像装置5Yの濃度検知センサ56Yが現像剤収容部54Yにおけるトナー濃度の不足を検知すると、制御部からの信号により駆動モータ41Yが稼動する。
また、先に説明したようにトナーボトル32Yのボトル本体33Yにおける内周面には、螺旋状の突起33aが形成されている。これにより、ボトル本体33Yの回転にともない、ボトル本体33Yの底部側から頭部のケース34Y側に、トナーが搬送される。そして、ボトル本体33Yの開口部から排出されたトナーは、ケース34Y内のスペースを経由して,トナー排出口からボトル外に排出される。
その後、トナーボトル32Yから排出されたトナーは、粉体搬送装置40Yのトナー受け部(不図示である。)に落下する。トナー受け部は、粉体搬送管43Yに連通している。そして、駆動モータ41Yを稼動させることにより、ボトル本体33Yが回転すると同時に、粉体搬送管43Y内の粉体搬送手段としての搬送コイル70Yが回転する。こうして、トナー受け部に落下したトナーは、粉体搬送管43Y内を搬送されて、粉体搬送管43Yの下流側に形成された開口43Ya(図8等を参照できる。)から排出されて、開口43Yaに連通する搬送先としての現像装置5Yのトナー補給部58Yに補給される。
ここで、図8を参照して、粉体搬送管43Yに内設されたシャッタ部材71Yは、搬送先としての現像装置5Yに連通する開口43Yaを開閉可能に形成されている。そして、シャッタ部材71Yは、開口43Yaを閉鎖する位置にセットされた後に、搬送コイル70Y(粉体搬送手段)の駆動開始にともないトナーの搬送が開始されて所定時間が経過した後に開口43Yaを開放する位置に移動して停止するように構成されている。
詳しくは、図8及び図9を参照して、シャッタ部材71Yは、粉体搬送管43Yに内接する円柱部71Ya(中実構造のものの他、中空構造のものも含むものとする。)と、円柱部71Yaの外径よりも小さな外径を有する小径部71Yb(搬送コイル70Y側に配設されている。)と、で構成されている。粉体搬送管43Yの内径は6〜6.05mmに設定されていて、円柱部71Yaの外径は5.95〜5.99mmに設定されている。
また、小径部71Ybには、径方向に突出した係合部71Yb1が設けられている。係合部71Yb1は、円柱部71Yaよりも上流側(トナーの搬送方向上流側である。)に配設されていて、搬送コイル70Yの回転駆動に連動して押動されて円柱部71Yaを開口43Yaを閉鎖する位置から開放する位置に移動させる。
すなわち、シャッタ部材71Yが開口43Yaを閉鎖する位置(図8の位置である。)にセットされて、搬送コイル70Yの所定方向の回転駆動が開始されると、搬送コイル70Yと係合部71Yb1との係合によってシャッタ部材71Yが回転しながら下流側(図8の右側である。)に移動していく(図10(A)の状態である。)。そして、シャッタ部材71Yは、円柱部71Yaの一端が粉体搬送管43Yの下流端に当接する位置で停止して、開口43Yaを開放することになる(図10(B)の状態である。)。このとき、シャッタ部材71Yは、搬送コイル70Yと係合部71Yb1との係合によってその位置に停止した状態で回転し続けるか、又は、搬送コイル70Yと係合部71Yb1とが空転してその位置に無回転状態で停止することになる。
さらに詳しくは、シャッタ部材71Yは、工場出荷時に開口43Yaを閉鎖する位置にセットされる。そして、ユーザー先での着荷時に搬送コイル70Yが駆動開始されてトナーの搬送が開始されると、所定時間(シャッタ部材71Yが閉鎖位置から開放位置に移動する時間である。)が経過した後にシャッタ部材71Yが開口43Yaを開放する位置に移動して停止することになる。
画像形成装置100は、工場で製造された後に、所定の検査工程がおこなわれる。粉体搬送装置40Yも、製造後に、実際にトナーを搬送させながらトナーの搬送性等の検査がおこなわれる。そして、検査工程が終了した後であって工場から出荷されるときに(工場出荷時に)、粉体搬送管43Yの内部に残留したトナーがきれいに清掃(除去)される。そして、清掃後に、シャッタ部材71Yが開口43Yaを閉鎖する位置にセットされる(図8の状態である。)。そして、ユーザー先に画像形成装置100が着荷されて、ユーザー先で初めて画像形成装置100(粉体搬送装置40Y)の稼動が開始されると、トナーがない状態の粉体搬送管43Yに初めてトナーTが搬送されることになるが、このとき図10(A)に示すようにシャッタ部材71Yは搬送コイル70Yの回転にともない図の右方向に移動するものの開口43Yaを塞いだ状態であるために、トナーボトル32Yから搬送されたトナーTはシャッタ部材71Yにせき止められた状態になる。したがって、空の粉体搬送管43Yに一気にトナーTが流動しても、そのトナーTはシャッタ部材71Yにせき止められて開口43Yaから現像装置5Y内に流れ込むことはない。
その後、図10(B)に示すように、シャッタ部材71Yは搬送コイル70Yの回転にともない開口43Yaを開放する位置に移動して、開口43Yaから現像装置5Yに向けてトナーTが排出されることになる。このとき、開口43Yaが徐々に開放されることと、シャッタ部材71Yに一度せき止められてトナーTの流速が弱められていることと、から開口43Yaから現像装置5Yに向けてトナーTは一気に排出されることなく、少量ずつ均一に排出されることになる。
このように、本実施の形態1における粉体搬送装置40Yの構成によれば、着荷時におけるトナーTの「流れ込み」を防止することができるために、出力画像の画像濃度が初期的に高くなる不具合を確実に抑止することができる。
なお、図示は省略するが、粉体搬送管43Yに、シャッタ部材71Yの位置を視認するための窓部を設置することができる。具体的に、粉体搬送管43Yにおいて、シャッタ部材71Yが移動する範囲の全部又は一部を透明又は半透明な材料で形成する。これにより、工場出荷時において開口43Yaを閉鎖する位置にシャッタ部材71Yをセットする作業が間違いなく確実におこなわれることになる。
また、本実施の形態1では、シャッタ部材71Yの係合部71Yb1を小径部71Ybに対して略矩形状に突出するように形成したが、係合部71Yb1の形状はこれに限定されることはない。例えば、図11に示すように、係合部71Yb2を小径部71Ybに対して螺旋状に突出するように形成した場合であっても、搬送コイル70Yの回転にともなってシャッタ部材71Yを移動させることができるために、本実施の形態1の係合部71Yb1と同様の機能を発揮することになる。
最後に、本実施の形態1における画像形成装置で用いられるトナーについて詳述する。
本実施の形態1では、高画質化のために、小粒径・略球形トナーであって流動性が高いトナーを用いている。したがって、上述した粉体搬送装置40Yを用いる効果が大きくなることになる。
本実施の形態1では、加速凝集度が40%以下になるように形成されたトナーが用いられている。加速凝集度とはトナー(粉体)の流動性を示す指数である。
トナーの加速凝集度の測定方法を以下に示す。
(測定装置)
「パウダテスタ」(ホソカワミクロン社製)
(測定方法)
1)測定対象サンプルを恒温槽に放置(35±2℃、24±1時間)
2)パウダテスタを用いて測定
3)目開きの異なる3種の篩を使用(例えば、75μm、44μm、22μm)
4)篩ったときのトナー残量から算出、以下の計算により、凝集度を求める。
((上段の篩に残った粉体重量)/(試料採取量))×100
((中段の篩に残った粉体重量)/(試料採取量))ラ100ラ3/5
((下段の篩に残った粉体重量)/(試料採取量))ラ100ラ1/5
上記3つの計算値の合計をもって加速凝集度(%)とする。このように、トナー加速凝集度は、上述のように目開きの異なる3種類のメッシュを目開きの大きい順に積み重ねて、最上段の粒子をおき、一定の振動でふるい、各メッシュ上の粉体重量から求める指数である。
本実施の形態1では、平均円形度が0.95以上になるように形成されたトナーが用いられている。平均円形度はトナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.00を示し、表面形状が複雑になるほど平均円形度は小さな値となる。平均円形度が0.95〜1.00のとき、トナー粒子の表面は滑らかであり、トナー粒子同士、トナー粒子と感光体ドラムとの接触面積が小さいために転写性に優れる。トナー粒子に角がないため、現像装置内での現像剤の撹拌トルクが小さく、撹拌の駆動が安定するために異常画像が発生しない。ドットを形成するトナーの中に、角張ったトナー粒子がいないため、記録媒体に圧接する際に、その圧がドットを形成するトナー全体に均一にかかり、転写中抜けが生じにくい。トナー粒子が角張っていないことから、トナー粒子そのものの研磨力が小さく、感光体ドラムや帯電部等の表面を傷つけたり、磨耗させたりしない。
平均円形度の測定方法について説明する。
平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−1000」(東亜医用電子社製)を用いて測定することができる。具体的な測定方法としては,容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加えて、さらに測定試料を0.1〜0.5g程度加える。そして、その試料を分散した懸濁液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理をおこない、その分散液濃度を3000〜10000個/μlとして上述の装置によりトナーの形状、粒度を測定する。
また、本実施の形態1では、600dpi以上の微少ドットを再現するために、体積平均粒径(Dv)が3〜8μmの小粒径トナーを用いている。また、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)は、1.00〜1.40の範囲に設定されている。(Dv/Dn)が1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーを用いることにより、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができるとともに、クリーニング性が確保されつつ、転写率を高くすることができる。
トナー粒子の粒度分布の測定方法について説明する。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、「コールターカウンターTA−II」や「コールターマルチサイザーII」(いずれもコールター社製)があげられる。
以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えば「ISOTON−II」(コールター社製)を使用することができる。ここで、さらに測定試料を2〜20ml加える。この試料を懸濁した電解液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理をおこない、上述した測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの重量、個数を測定して、重量分布と個数分布とを算出する。そして、得られた分布から、トナーの体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)を求める。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用して、粒径2.00μm〜40.30μm未満の粒子を対象とする。
また、本実施の形態1で用いられるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである。以下に、トナーの構成材料及び製造方法について説明する。
(ポリエステル)
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)及び3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、又は(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、及びこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)及び3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸等);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸等)等が挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物又は低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイド等の公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。
また、重量平均分子量1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。重量平均分子量が1万未満では、耐オフセット性が悪化するため好ましくない。また、40万を超えると低温定着性が悪化するため好ましくない。
ポリエステルには、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得、これとアミン類との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られるものである。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート等);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;及びこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、及びB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)等が挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等);及び脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)等が挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等が挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン等が挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン等が挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸等が挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物等が挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、等により製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイド等の公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらにこの(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
(PIC)を反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレン等);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等);エステル類(酢酸エチル等);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)及びエーテル類(テトラヒドロフラン等)等のイソシアネート(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。
また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等)、及びそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)等が挙げられる。
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用することで、低温定着性及びフルカラー画像形成装置100に用いた場合の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステルを単独で使用するよりも好ましい。なお、未変性ポリエステルはウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでも良い。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。したがって、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常45〜65℃、好ましくは45〜60℃である。45℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、65℃を超えると低温定着性が不充分となる。
また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料がすべて使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、又はマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSYVP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10-3〜2μmであることが好ましく、特に5×10-3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等を挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10-2μm以下のものを使用して撹拌混合をおこなった場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るためにおこなわれる現像装置内部の撹拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタル等が発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、プリントの繰り返しをおこなっても、安定した画像品質が得られる。
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーの製造方法)
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等を単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒及び塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール等)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブ等)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)等の有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等のアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等のアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等の4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等の非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等の両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)等が挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)等が挙げられる。
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等、又はビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等の含窒素化合物、又はその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等のポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類等が使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応をおこなわせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート等が挙げられる。
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒をおこなうことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する等の方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解等の操作によっても除去できる。
5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によっておこなわれる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い撹拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
以上説明したように、本実施の形態1では、粉体搬送管43Yの開口43Yaを開閉するシャッタ部材71Yを設けて、開口43Yaを閉鎖する位置にシャッタ部材71Yをセットして、トナー(粉体)の搬送が開始されて所定時間が経過した後に開口43Yaを開放する位置にシャッタ部材71Yが移動して停止するように構成しているために、トナーの流れ込みを抑止することができる。
実施の形態2.
図12及び図13にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図12は、実施の形態2における粉体搬送装置40Yの要部を示す断面図であって、開口43Yaが開放された状態を示す図である。図13は、シャッタ部材71Yによって開口43Yaが閉鎖された状態を示す図である。
本実施の形態2における粉体搬送装置40Yは、シャッタ部材71Yが開口43Yaを開放する位置に移動した後に任意のタイミングで開口43Yaを閉鎖する位置に移動できるように構成されている点が、前記実施の形態1とは相違する。
図12及び図13を参照して、本実施の形態2における粉体搬送装置40Yは、粉体搬送管43Yに内設されるシャッタ部材71Yに、粉体搬送管43Yの外部に突出する略棒状の把持部72Yが設置されている。さらに、把持部72Yには略円盤状のストッパ部72Yaが形成されている。
把持部72Yは、シャッタ部材71Yとともに回転可能に、シャッタ部材71Yに一体的に設置されている。把持部72Yは、シャッタ部材71Yが開口43Yaを開放する位置に移動した後に、任意のタイミングで開口43Yaを閉鎖する位置にシャッタ部材71Yを移動させるためのものである。
詳しくは、画像形成装置100は、工場で製造された後に、所定の検査工程がおこなわれる。粉体搬送装置40Yも、製造後に、実際にトナーを搬送させながらトナーの搬送性等の検査がおこなわれる。その際に、シャッタ部材71Yが開口43Yaを閉鎖する位置(図13の位置である。)にセットされてから、製造直後の粉体搬送管43Yに初めてトナーが搬送される。そして、工場での検査工程において、初めて画像形成装置100(粉体搬送装置40Y)の稼動が開始されると、トナーがない状態の粉体搬送管43Yに初めてトナーが搬送されることになるが、このときシャッタ部材71Yは搬送コイル70Yの回転にともない図の右方向に移動するものの開口43Yaを塞いだ状態であるために、トナーボトル32Yから搬送されたトナーはシャッタ部材71Yにせき止められた状態になる。したがって、空の粉体搬送管43Yに一気にトナーが流動しても、そのトナーはシャッタ部材71Yにせき止められて開口43Yaから現像装置5Y内に流れ込むことはない。
その後、シャッタ部材71Yは搬送コイル70Yの回転にともない開口43Yaを開放する位置(図12の位置である。)に移動して、開口43Yaから現像装置5Yに向けてトナーが排出されることになる。このとき、開口43Yaが徐々に開放されることと、シャッタ部材71Yに一度せき止められてトナーの流速が弱められていることと、から開口43Yaから現像装置5Yに向けてトナーは一気に排出されることなく、少量ずつ均一に排出されることになる。
したがって、着荷時におけるトナーの「流れ込み」を防止することができるために、出力画像の画像濃度が初期的に高くなる不具合が確実に抑止されて、工場内にて良好な検査をおこなうことができる。
そして、検査工程が終了した後であって工場から出荷されるときに(工場出荷時に)、粉体搬送管43Yの内部に残留したトナーがきれいに清掃(除去)される。そして、清掃後に、開口43Yaを開放する位置に移動したシャッタ部材71Yを、開口43Yaを閉鎖する位置に再セットすることになる。このとき、把持部72Yが設けられているために、開口43Yaを閉鎖する位置に再セットする作業が簡易におこなわれることになる。
具体的に、検査工程・清掃工程が終了して図12の状態にある把持部72Y(粉体搬送管43Yの外部に突出した状態である。)を、手動で回転させて、搬送コイル70Yを逆方向に回転させながらシャッタ部材43Yaを図13の位置まで移動させる。このとき、把持部72Yのストッパ部72Yaが粉体搬送管43Yに当接する位置でシャッタ部材71Yの左方向の移動が規制されるために、シャッタ部材71Yの移動位置が定まらずに開口43Yaが開放された状態になってしまう不具合が抑止される。
その後、シャッタ部材71Yが開口43Yaを閉鎖する位置にセットされた状態で工場出荷された画像形成装置は、前記実施の形態1と同様に、ユーザー先で着荷作業がおこなわれることになる。
ここで、粉体搬送管43Yにおいて、把持部72Yとの摺動部にはシール部材73Yが設置されている。これにより、把持部72Yの操作をおこなっても、粉体搬送管43Y内から外部にトナーが漏出する不具合が抑止される。
なお、本実施の形態2では、把持部72Yの回転操作を手動でおこなったが、把持部72Yの回転操作をモータ等を用いて自動でおこなうこともできる。
以上説明したように、本実施の形態2でも、前記実施に形態1と同様に、粉体搬送管43Yの開口43Yaを開閉するシャッタ部材71Yを設けて、開口43Yaを閉鎖する位置にシャッタ部材71Yをセットして、トナー(粉体)の搬送が開始されて所定時間が経過した後に開口43Yaを開放する位置にシャッタ部材71Yが移動して停止するように構成しているために、トナーの流れ込みを抑止することができる。
なお、前記各実施の形態では、現像装置5Yを、感光体ドラム1Y、帯電部4Y、クリーニング部2Yと一体化してプロセスカートリッジ6Yを構成して、作像部のコンパクト化とメンテナンス作業性の向上とを図っている。
これに対して、現像装置5Yを、プロセスカートリッジの構成部材とせずに、単体で装置本体100に交換自在に設置されるように構成することもできる。このような場合にも、前記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、前記各実施の形態では、トナーが搬送される粉体搬送装置40Yに対して本発明を適用したが、トナー以外の粉体(例えば、2成分現像剤等である。)が搬送される粉体搬送装置に対しても当然に本発明を適用することができる。その場合にも、前記各実施の形態と同様にシャッタ部材を構成することで、前記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本発明が前記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、前記各実施の形態の中で示唆した以外にも、前記各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は前記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
この発明の実施の形態1における画像形成装置を示す全体構成図である。 作像部を示す断面図である。 トナーボトルを示す斜視図である。 トナーボトルがボトル収容部上に搭載された状態を示す斜視図である。 トナーボトルが粉体搬送装置に接続された状態を示す斜視図である。 トナーボトルが粉体搬送装置に接続された状態を示す別の斜視図である。 トナーボトルと粉体搬送装置との接続部近傍を示す図である。 粉体搬送管の開口の近傍を示す断面図である。 シャッタ部材を示す斜視図である。 シャッタ部材の開閉動作を示す図である。 別のシャッタ部材を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2における粉体搬送装置の要部を示す断面図である。 図12の粉体搬送装置のシャッタ部材の動作を示す図である。
符号の説明
6Y、6M、6C、6K プロセスカートリッジ(作像部)、
32Y、32M、32C、32K トナーボトル(粉体収容部)、
40Y、40M、40C、40K 粉体搬送装置、
43Y 粉体搬送管、
43Ya 開口、
70Y 搬送コイル(粉体搬送手段)、
71Y シャッタ部材、
71Ya 円柱部、
71Yb 小径部、 71Yb1、71Yb2 係合部、
72Y 把持部、
72Ya ストッパ部、
100 画像形成装置本体(装置本体)。

Claims (10)

  1. 粉体収容部に収容された粉体を搬送先に向けて搬送する粉体搬送装置であって、
    前記搬送先に連通する開口を有する粉体搬送管と、
    前記粉体搬送管の前記開口に向けて粉体を搬送する粉体搬送手段と、
    前記粉体搬送管の前記開口を開閉可能に配設されたシャッタ部材と、
    を備え、
    前記シャッタ部材は、
    前記開口を閉鎖する位置にセットされた後に、前記粉体搬送手段の駆動開始にともない粉体の搬送が開始されて所定時間が経過した後に前記開口を開放する位置に移動するとともに、
    記粉体搬送管の外部に突出して、前記開口を開放する位置に移動した後に前記開口を閉鎖する位置に移動させることを可能にする把持部を具備したことを特徴とする粉体搬送装置。
  2. 粉体収容部に収容された粉体を搬送先に向けて搬送する粉体搬送装置であって、
    前記搬送先に連通する開口を有する粉体搬送管と、
    前記粉体搬送管の前記開口に向けて粉体を搬送する粉体搬送手段と、
    前記粉体搬送管の前記開口を開閉可能に配設されたシャッタ部材と、
    を備え、
    前記シャッタ部材は、前記開口を閉鎖する位置にセットされた後に、前記粉体搬送手段の駆動開始にともない粉体の搬送が開始されて所定時間が経過した後に前記開口を開放する位置に移動するとともに、前記粉体搬送管の内部に設置され、
    前記粉体搬送管は、前記シャッタ部材の位置を視認することを可能にする窓部を具備したことを特徴とする粉体搬送装置。
  3. 粉体収容部に収容された粉体を搬送先に向けて搬送する粉体搬送装置であって、
    前記搬送先に連通する開口を有する粉体搬送管と、
    前記粉体搬送管の前記開口に向けて粉体を搬送する粉体搬送手段と、
    前記粉体搬送管の前記開口を開閉可能に配設されたシャッタ部材と、
    を備え、
    前記粉体搬送手段は、前記粉体搬送管に内設されるとともに所定方向に回転駆動される螺旋状部材を具備し、
    前記シャッタ部材は、
    前記粉体搬送管に内接する内接部と、
    前記内接部よりも粉体の搬送方向上流側に配設されるとともに、前記螺旋状部材の回転駆動に連動して押動されて前記内接部を前記開口を閉鎖する位置から開放する位置に移動させる係合部と、
    を具備したことを特徴とする粉体搬送装置。
  4. 前記シャッタ部材は、工場出荷時に前記開口を閉鎖する位置にセットされて、着荷時における前記粉体搬送手段の駆動開始にともない粉体の搬送が開始されて所定時間が経過した後に前記開口を開放する位置に移動して停止することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の粉体搬送装置。
  5. 前記粉体は、加速凝集度が40%以下になるように形成されたトナーであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の粉体搬送装置。
  6. 前記粉体は、平均円形度が0.95以上になるように形成されたトナーであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の粉体搬送装置。
  7. 前記粉体は、体積平均粒径をDv(μm)として、個数平均粒径をDn(μm)としたときに、
    3≦Dv≦8
    1.00≦Dv/Dn≦1.40
    なる関係が成立するように形成されたトナーであることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の粉体搬送装置。
  8. 前記粉体は、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーあることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の粉体搬送装置。
  9. 前記搬送先は、現像装置又はプロセスカートリッジであることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の粉体搬送装置。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれかに記載の粉体搬送装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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