JP2005187848A - 成形性に優れるボトル缶用アルミニウム合金板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ボトムのチャイム部に肌荒れが生じにくく、ネック成形時にしわが生じにくいボトル缶用のアルミニウム合金板を提供する。
【解決手段】 重量%でSi:0.2〜0.4%、Fe:0.25〜0.55%、Cu:0.15〜0.35%、Mn:0.7〜1.2%、Mg:0.8〜1.4%、Zn:0.10〜0.3%、Ti:0.01〜0.15%を含有し、残部が不可避的不純物を含むAlからなる組成を有し、板厚方向の結晶粒径が10μm以下であるアルミニウム合金板を使用する。
【解決手段】 重量%でSi:0.2〜0.4%、Fe:0.25〜0.55%、Cu:0.15〜0.35%、Mn:0.7〜1.2%、Mg:0.8〜1.4%、Zn:0.10〜0.3%、Ti:0.01〜0.15%を含有し、残部が不可避的不純物を含むAlからなる組成を有し、板厚方向の結晶粒径が10μm以下であるアルミニウム合金板を使用する。
Description
本発明は、胴部、肩部、口部が一体成形されたボトル缶用アルミニウム合金板に係り、特にボトムのチャイム部に肌荒れが発生しにくく、また、ネック成形時にしわが生じにくいボトル缶用のアルミニウム合金板及びその製造方法に係るものである。
従来、飲料用アルミニウム缶は、アルミニウム合金板から絞り、しごき加工を行い、缶胴部と缶底部が一体の2ピース缶であり、イージーオープンエンドと呼ばれる缶蓋の簡易開口部をタブ操作により開口する方式が主流であった。
缶入り飲料などの需要増加に伴って、最近はキャップにより再密封可能なアルミニウム合金製のボトル型の飲料缶の需要が急速に高まってきている。
缶入り飲料などの需要増加に伴って、最近はキャップにより再密封可能なアルミニウム合金製のボトル型の飲料缶の需要が急速に高まってきている。
従来の技術として、ボトル缶用アルミニウム板が開示されている。(例えば、特許文献1参照。)
特開2002−256366号公報
ボトル缶では、ボトムのチャイム部に肌荒れが生じるという問題があった。また、ネック加工率が高いため、ネック成形時にしわが生じやすい。
本発明は、重量%でSi:0.2〜0.4%、Fe:0.25〜0.55%、Cu:0.15〜0.35%、Mn:0.7〜1.2%、Mg:0.8〜1.4%、Zn:0.10〜0.3%、Ti:0.01〜0.15%を含有し、残部が不可避的不純物を含むAlからなる組成を有し、板厚方向の結晶粒径を10μm以下とし、ボトムのチャイム部に肌荒れが生じにくく、ネック成形時にしわが生じにくいボトル缶用のアルミニウム合金板を提供する。
また、さらに板幅方向の結晶粒径を50μm以下、板長さ方向の結晶粒径を100μm以下とすることで、さらにボトムのチャイム部に肌荒れが生じにくく、ネック成形時にしわが生じにくくなる。
また、板幅方向の結晶粒径を50μm以下、板長さ方向の結晶粒径を100μm以下とするには、最後の中間焼鈍前の冷間圧延率を50%以上とすることが好ましい。
本発明によれば、ボトムのチャイム部に肌荒れが生じにくく、ネック成形時にしわが生じにくいボトル缶用のアルミニウム合金板が得られる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
Si:0.2〜0.4%
Siは同時に含有されるMgとともに化合物を形成し硬化作用を及ぼすほか、Al,Mn,Feなどとも金属間化合物を形成して、しごき成形時にダイスに対する焼き付きを防止する効果を発揮する。Si含有量が0.2%未満では、所望の潤滑性能を発揮できず、ダイスへの焼き付きを防止するのに不十分である。一方、Si含有量が0.4を超えると脆くなり加工性が劣化する。従ってSiの適正含有量は0.2〜0.4%と設定する。
Si:0.2〜0.4%
Siは同時に含有されるMgとともに化合物を形成し硬化作用を及ぼすほか、Al,Mn,Feなどとも金属間化合物を形成して、しごき成形時にダイスに対する焼き付きを防止する効果を発揮する。Si含有量が0.2%未満では、所望の潤滑性能を発揮できず、ダイスへの焼き付きを防止するのに不十分である。一方、Si含有量が0.4を超えると脆くなり加工性が劣化する。従ってSiの適正含有量は0.2〜0.4%と設定する。
Fe:0.25〜0.55%
Feは結晶粒の微細化と、しごき成形加工時にダイスに対する焼き付きを防止する効果を発揮する。0.25%未満では所望の効果が得られず、0.55%を超えると脆くなり加工性が劣化する。従ってFeの適正含有量は0.25〜0.55%である。
Feは結晶粒の微細化と、しごき成形加工時にダイスに対する焼き付きを防止する効果を発揮する。0.25%未満では所望の効果が得られず、0.55%を超えると脆くなり加工性が劣化する。従ってFeの適正含有量は0.25〜0.55%である。
Cu:0.15〜0.35%
CuはMgと金属間化合物を形成し易く、硬化作用に寄与する。0.15%未満ではこれらの効果が乏しく、0.35%を超えると加工性が劣化する。
CuはMgと金属間化合物を形成し易く、硬化作用に寄与する。0.15%未満ではこれらの効果が乏しく、0.35%を超えると加工性が劣化する。
Mn:0.7〜1.2%
MnはFe,Si,Al等とともに金属間化合物を形成し易く、しごき成形加工時にダイスに対する焼き付きを防止する効果を発揮する。0.7%未満では所望の硬化特性が得られず、1.2%を超えると脆くなり加工性が劣化する。
MnはFe,Si,Al等とともに金属間化合物を形成し易く、しごき成形加工時にダイスに対する焼き付きを防止する効果を発揮する。0.7%未満では所望の硬化特性が得られず、1.2%を超えると脆くなり加工性が劣化する。
Mg:0.8〜1.4%
Mgは固溶体強化作用を有し、圧延加工時に加工硬化性を高めるとともに、前記SiやCuと共存することで分散析出硬化作用を発揮する。0.8%未満ではこれらの作用効果が十分発揮されず、1.4%を超えると加工性が劣化する。
Mgは固溶体強化作用を有し、圧延加工時に加工硬化性を高めるとともに、前記SiやCuと共存することで分散析出硬化作用を発揮する。0.8%未満ではこれらの作用効果が十分発揮されず、1.4%を超えると加工性が劣化する。
Zn:0.10〜0.3%
Znは析出するMg,Si,Cuの金属間化合物を微細化する作用を有する。0.10%未満では上記作用が不十分で、0.3%を超えると加工性と耐食性が劣化する。
Znは析出するMg,Si,Cuの金属間化合物を微細化する作用を有する。0.10%未満では上記作用が不十分で、0.3%を超えると加工性と耐食性が劣化する。
Ti:0.01〜0.15%
Tiは結晶粒を微細化し、加工性を改善する効果を発揮する。0.01%未満ではこれらの効果が発揮されず、0.15%を超えると粗大な化合物ができて加工性が劣化する。
Tiは結晶粒を微細化し、加工性を改善する効果を発揮する。0.01%未満ではこれらの効果が発揮されず、0.15%を超えると粗大な化合物ができて加工性が劣化する。
前記した必須成分のほかに、重量%でCr:1%以下を含んでもよい。
板厚方向の結晶粒径が10μm以下
板厚方向の結晶粒径を10μm以下とすることで、ボトムのチャイム部に肌荒れが生じにくく、ネック部にしわが生じにくいボトル缶用のアルミニウム合金板が得られる。板厚方向の結晶粒径が10μmを超えると、ボトムのチャイム部に肌荒れが生じやすく、ネック部にしわが生じやすくなる。
板厚方向の結晶粒径を10μm以下とすることで、ボトムのチャイム部に肌荒れが生じにくく、ネック部にしわが生じにくいボトル缶用のアルミニウム合金板が得られる。板厚方向の結晶粒径が10μmを超えると、ボトムのチャイム部に肌荒れが生じやすく、ネック部にしわが生じやすくなる。
板幅方向の結晶粒径が50μm以下、板長さ方向の結晶粒径が100μm以下
板幅方向の結晶粒径を50μm以下、板長さ方向の結晶粒径を100μm以下とすることでさらにボトムのチャイム部に肌荒れが生じにくく、ネック部にしわが生じにくくなる。板幅方向の結晶粒径が50μmを越えたり、板長さ方向の結晶粒径が100μmを越えるとボトムのチャイム部の肌荒れ防止効果、ネック部のしわ防止効果がやや低くなる。
板幅方向の結晶粒径を50μm以下、板長さ方向の結晶粒径を100μm以下とすることでさらにボトムのチャイム部に肌荒れが生じにくく、ネック部にしわが生じにくくなる。板幅方向の結晶粒径が50μmを越えたり、板長さ方向の結晶粒径が100μmを越えるとボトムのチャイム部の肌荒れ防止効果、ネック部のしわ防止効果がやや低くなる。
最後の中間焼鈍前の冷間圧延率を50%以上
最後の中間焼鈍前の冷間圧延率を50%以上とすることで、板幅方向の結晶粒径を50μm以下、板長さ方向の結晶粒径を100μm以下としやすくなる。最後の中間焼鈍前の冷間圧延率が50%未満では板幅方向の結晶粒径を50μm以下、板長さ方向の結晶粒径を100μm以下としにくくなる。
最後の中間焼鈍前の冷間圧延率を50%以上とすることで、板幅方向の結晶粒径を50μm以下、板長さ方向の結晶粒径を100μm以下としやすくなる。最後の中間焼鈍前の冷間圧延率が50%未満では板幅方向の結晶粒径を50μm以下、板長さ方向の結晶粒径を100μm以下としにくくなる。
以下実施例を用いて本発明を具体的に説明する。
素材として表1に示すアルミニウム合金を使用した。それぞれの合金の溶湯を常法により半連続鋳造によりスラブに鋳造した。ついで600℃に加熱して均質化処理を行った後、板厚6.5mmまで熱間圧延し、引き続き板厚0.4mmまで冷間圧延をした。なお冷間圧延途中で適宜、連続焼鈍炉で中間焼鈍を施した。
素材として表1に示すアルミニウム合金を使用した。それぞれの合金の溶湯を常法により半連続鋳造によりスラブに鋳造した。ついで600℃に加熱して均質化処理を行った後、板厚6.5mmまで熱間圧延し、引き続き板厚0.4mmまで冷間圧延をした。なお冷間圧延途中で適宜、連続焼鈍炉で中間焼鈍を施した。
その後、製缶を行い、チャイム部を目視観察し、肌荒れが認められなかったものを○、わずかに認められたものを△、強く認められたものを×とした。また、ネック部を目視観察し、しわが認められなかったものを○、わずかに認められたものを△、しわが強く認められたものを×とした。
本発明によれば、ボトムのチャイム部に肌荒れが生じにくく、ネック成形時にしわが生じにくいボトル缶用のアルミニウム合金板が得られる。
Claims (3)
- 重量%でSi:0.2〜0.4%、Fe:0.25〜0.55%、Cu:0.15〜0.35%、Mn:0.7〜1.2%、Mg:0.8〜1.4%、Zn:0.10〜0.3%、Ti:0.01〜0.15%を含有し、残部が不可避的不純物を含むAlからなる組成を有し、板厚方向の結晶粒径が10μm以下であることを特徴とする成形性に優れるボトル缶用アルミニウム合金板。
- さらに板幅方向の結晶粒径が50μm以下、板長さ方向の結晶粒径が100μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の成形性に優れるボトル缶用アルミニウム合金板。
- 請求項1又は2に記載のアルミニウム合金板の製造方法であって、最後の中間焼鈍前の冷間圧延率を50%以上とすることを特徴とする成形性に優れるボトル缶用アルミニウム合金板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003427786A JP2005187848A (ja) | 2003-12-24 | 2003-12-24 | 成形性に優れるボトル缶用アルミニウム合金板及びその製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007191760A (ja) * | 2006-01-19 | 2007-08-02 | Kobe Steel Ltd | Ppキャップ用アルミニウム合金板およびその製造方法 |
JP2011219870A (ja) * | 2011-06-06 | 2011-11-04 | Kobe Steel Ltd | Ppキャップ用アルミニウム合金板 |
CN109266888A (zh) * | 2018-12-03 | 2019-01-25 | 东北轻合金有限责任公司 | 一种308合金铸锭的及其制备方法和应用 |
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2003
- 2003-12-24 JP JP2003427786A patent/JP2005187848A/ja active Pending
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