JP2005187263A - 水硬性組成物および水硬性硬化体ならびにその製造方法 - Google Patents

水硬性組成物および水硬性硬化体ならびにその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 パルプスラッジ焼却灰を主体的にバインダーとして用いた水硬性組成物並びに水硬性硬化体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 パルプスラッジ焼却灰が70〜99.5重量%、珪酸質微粉末が0.5〜30重量%、充填材が0〜29.5重量%からなる水硬性組成物100重量部に対して、硬化させるのに必要な量の硬化促進剤と水を加え、混練して所定の形状に成形して硬化させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、建築材料等の耐久性ならびに耐水性の必要な材料に用いられる水硬性組成物に係り、特に、セメントの代替原料としてパルプスラッジ焼却灰を主体的なバインダーに利用する水硬性組成物および水硬性硬化体並びにその製造方法に関する。
近年では、天然資源の有効活用という観点より製紙業界では古紙のリサイクル化が進んでいるが、その反面、環境への負荷の大きい産業廃棄物であるパルプスラッジの大量発生という問題が顕在化している。
従来から、パルプスラッジの活用方法について多くの提案がなされてきている。中でも注目されているものには、建築材料としての活用があり、例えば、特許文献1に提案されているパルプスラッジセメントがある。
パルプスラッジをセメントに混ぜる場合、パルプスラッジの混合割合が10%を越えると強度の極端な低下が起こることが知られている。このため、従来のセメント板へのパルプスラッジの利用は、低い含有率に限られていた(特許文献1、段落参照)。
特許文献1で提案されているセメント板は、強度の低下を招かずにパルプスラッジのセメントに対する混合割合を高めるため、パルプスラッジ中のセメントの水和阻害物質をニガリ成分により固定化することで、直接セメント中に混入し、硬化体を得る方法である。
また、パルプスラッジは、製紙工場では減容を目的に焼却処理されることが多く、その灰がパルプスラッジ焼却灰である。このパルプスラッジ焼却灰についても、建築材料分野への有効利用が研究されており、その例として、セメントにパルプスラッジ焼却灰を混合してセメント板を製造するものがある(特許文献2参照)。
また、セメントなどの水硬性材料にシリカフュームを混合することは従来から広く行われている。シリカフュームは、その粒子の細かさとセメントとの水和反応性(ポゾラン反応性)から、セメントコンクリートの分野では従来から利用されている原料である。建材用途としては、例えば特許文献3に示すように、シリカフューム、セメント、フライアッシュ、砂及び石膏系無機質混和剤の混合体を、水を加えて成形素材とした後、該成形素材をプレス機で所定の形状に成形して板状成形材を形成し、該板状成形材を養生して硬化させてなるプレス成形式板材の成形方法などがある。
特開平10−025151号公報 特許請求の範囲 請求項1〜3,段落,段落、段落 特開昭56−134547号公報 特開平6−285828号公報,特許請求の範囲 請求項1
上記のようにパルプスラッジについては、産業廃棄物として埋め立て廃棄されていた状況を打破するために、上述したようにセメントに増量材や充填材として混合することによる活用が提案されてきた。
パルプスラッジ焼却灰を自硬性材料として利用することも模索されてきたが、パルプスラッジ焼却灰は、そのまま水と混練しても自硬性を示さず硬化することはなく、従って、従来はセメント系二次製品等の増量材や充填材としての利用に限定されている。
従って、本発明の目的は、前述した従来技術が有する問題点を解消して、これまで産業廃棄物とされてきたパルプスラッジを建築材料として有効活用する新たな用途を開拓し、建築建材等の耐久性を必要とする材料の中でも、外装部材のような耐水性を要求される建築材料の原材料にパルプスラッジ焼却灰を主体的に用いることができる水硬性組成物ならびに水硬性硬化体を提供することにある。
前記の目的を達成するために、本発明に係る水硬性組成物は、パルプスラッジ焼却灰を主体的なバインダーとして、珪酸質微粉末、硬化促進剤を含むことを特徴としたものである。
パルプスラッジは、主に製紙の内添材やコート材が主体であり、若干の有機質短繊維を含む。内添材やコート材は、タルク、カオリンなどの粘土質鉱物や炭酸カルシウムといったものが主体である。これを800〜900℃程度の温度にて加熱処理することで、本発明で原材料として用いるパルプスラッジ焼却灰とする。
この焼却時に、化学的な変化として有機質繊維の分解揮発、炭酸カルシウムの脱水分解、粘土質分の変質、また、これらの変質後の物質による相互の反応による化合物の生成、あるいは一部のガラス化が起こる。同時に、物理的な変化として、粘土質鉱物の二次粒子が加熱され半溶融による融着造粒と上記の揮発分の揮発による発泡によって融着造粒し粒子径が数十〜数百ミクロンのポーラスな粒子となるなど、複雑な反応等を伴い、焼却前のものとは様態や化学構造を大きく異にする。
本発明者は、このようなパルプスラッジ焼却灰それ自体は、セメントと異なり水と混練して自硬性を示すものではないが、適量の硬化促進剤を添加することで、硬化性を獲得するという知見を得ている。
パルプスラッジ焼却灰は、全固形原料100重量部中、70〜99.5重量%が好ましく、80〜90重量%がより好ましい。70重量%を下回ると、バインダー不足となり十分な製品強度を示さず、99.5重量%より多いと、珪酸質微粉末の配合量下限が0.5重量%であることから、他の材料とのバランスが悪くなり製品品質において不具合を生じることがあるために好ましくない。
さらに、珪酸質微粉末は、パルプスラッジ焼却灰によるマトリックス中での充填効果及び存在位置での反応によるバインダー効果により強度の向上と共に、特に耐水性を向上させる。この珪酸質微粉末にはシリカフュームが適している。このシリカフュームの配合量は、総量で2〜30重量%が好ましく、3〜10重量%がより好ましい。2重量%以下では、透水性に対する添加効果が弱く、また30重量%以上では、モルタルの収縮ひび割れが発生することがあるため好ましくない。
硬化促進剤としては、アルカリ金属化合物を用いることができる。そして、アルカリ金属としてNa、K、Liが好ましく、その化合物として水酸化物(R−OH;Rは、Na、K、Liのアルカリ金属元素の総称)あるいは炭酸化合物(R−CO)が好ましい。これらのアルカリ金属化合物は、パルプスラッジ焼却灰100重量部に対して、いずれもROに換算した重量割合が、0.5〜35重量%であることが好ましく、1.0〜20重量%がより好ましい。0.5重量%以下では強度発現性が悪いために好ましくなく、35重量%より多い場合は、硬化体表面の外観異常が生じることがあるために好ましくない。
アルカリ金属化合物は、パルプスラッジ焼却灰および水と共存することで反応物として水和生成物の一部に取り込まれつつ、パルプスラッジ焼却灰の水和反応促進に寄与する部分があるものと考えられる。
また、パルプスラッジ焼却灰中のCaは、セメントを組成する珪酸カルシウム(珪酸二カルシウム、珪酸三カルシウム)あるいはカルシウムアルミネートのように水和し易い形態では存在せずに、比較的安定した化合物として存在しているため、セメント系の硬化体に較べてCa起源の炭酸化による水に不溶な塩(炭酸カルシウム)の形成を抑制するため、炭酸化による不具合の程度を小さくすることができる。
上記のパルプスラッジ焼却灰の特性を活用すべく再生原料化をめざして鋭意研究を重ねた結果、粉砕により一定の粒子サイズ以下とすることで、硬化体の強度を飛躍的に向上せしめた。
パルプスラッジ焼却灰は、粉砕により平均粒子径(50%重量累積粒子径;以下、D50と称す)において、3〜25μmになるよう調整されたものが好ましく、5〜15μmがより好ましい。ただし、D50が3μmより小さく粉砕するためには、莫大な粉砕エネルギーが必要となり、経済的に好ましくなく、また、D50が25μmより大きい場合は、製品の品質を保てなくなるため、好ましくない。また、粉砕は、水と非接触の乾式粉砕が好ましく、経済性からボールミルや媒体攪拌ミルなどが好ましい。
この粒子径を調整されたパルプスラッジ焼却灰は、未処理のパルプスラッジ焼却灰との合量として100重量部中30〜100重量%であることが好ましく、50〜100重量%がより好ましい。30重量%より少ない割合では、強度や耐水性等の品質が低下するために好ましくない。
本発明の水性組成物では、上述した硬化促進剤、珪酸質微粉末の他に、充填材をパルプスラッジ焼却灰と置換することで必要な品質が保てる範囲において配合することが可能である。具体的には、各種骨材などの増量材やスラグの微粉末やフライアッシュなどの各種フィラー、窯業系ボード材の廃材粉末などが挙げられる。ただし、成形品の品質保持のための粒度調整や不要残分の除去といった前処理などは必要になる。増量材の配合量は、0〜29.5重量%が好ましく、0〜15重量%がより好ましい。29.5重量%を超える場合は、強度低下や透水性の低下が顕著になるために好ましくない。
上記の水硬性組成物からモルタルを調整するには、予め混合物とし混練水を加える場合、あるいは混練水に個々の原材料を加えていく場合のいずれでもよい。より好ましくは、繊維材の分散性を高めるために繊維材と他の固形原料を予め乾式にて十分混合した後、水や適量のアルカリ金属化合物を溶解せしめた水溶液を混練水として加える方がよい。ただし、K、Naの水酸化物を多く添加する場合は、水への溶解熱により溶液の温度が高くなるため、増粘剤の増粘作用に影響する場合がある。よって、温度対策は必要に応じて適正な処置方法を設ける必要がある。
また、混練水量は、目標とするモルタルの流動性や強度発現性に応じて、セメントのモルタルと同様に変えることができる。
更に、本発明の水硬組成物に適した減水剤などの化学混和剤を混ぜることも可能であり、これによれば混練水量の低減が可能となり、より密実な硬化体にすることができる。
また、このように調整したモルタルを成形した成形体の水熱養生は、強度発現性、寸法安定性を早期にかつ飛躍的に向上させることが可能である。水熱養生としては、蒸気養生(常温常圧養生、40〜80℃で3〜10時間程度)、あるいは、オートクレーブ養生(高温高圧養生、140〜180℃(3.6〜9.9気圧)で5〜15時間程度)があり、蒸気養生後のオートクレーブ養生という組み合わせが好適である。
本発明によれば、従来のセメントにパルプスラッジ焼却灰を混合した水硬性材料に較べて強度とともに、透水性などのに耐水特性を著しく向上した建築材料が得られる。しかも、原材料には、産業廃棄物としてこれまで大量に破棄されてきたパルプスラッジ焼却灰を主体的にバインダーとして利用することができるので、環境保護の社会的要請を解決するとともに、きわめて低コストで建築材料を製造することができる。
以下、本発明による水硬性硬化体の製造方法の一実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、水硬性硬化体を製造する工程の流れ図である。参照符号10は、パルプスラッジ焼却灰をポットミルで粉砕して粒度調整を行う粉砕工程を示す。この粉砕工程10では、原料のパルプスラッジ焼却灰を粉砕し、粉体の粒子径が50%重量累積粒子径で5〜25μに粒度調整を行う。
混練工程11では、粉砕していないパルプスラッジ焼却灰に粒度調整をした所定量のパルプスラッジ焼却灰、シリカフュームをミキサーに投入して混合する。そして所定量のアルカリ金属化合物を溶解させた混練水をミキサーに投入し、水と混ぜ合わせて均質になるまでモルタルを混練する。
成形工程12では、調整されたモルタルを型入れて、例えば、板状に成形する。
型に入れて硬化した成型品を脱型し、養生工程13にて水熱養生する。この養生工程13では、まず、前置き養生として、湿空槽に入れて常温常圧で所定時間養生する。その後、蒸気養生として湿空槽に入れて40〜80℃を保って3〜10時間養生を行う。最後に、オートクレーブ養生として、140〜180℃で3.6〜9.9気圧に保って、6〜10時間養生を行う。
発明の実施例
図2は、実施例で用いたパルプスラッジ焼却灰の組成並びに粒度を示す。図3は、実施例および比較例について、その組成と性能試験の試験結果を示す。
1.実施例の成形条件
・ パルプスラッジ焼却灰;試験用の媒体攪拌ミルにより粉砕し粒度調整を行い、50%重量累積粒子径D50で、31μm、22μm、4.3μmの試料を得た。
・ 試験体の作成方法;JIS R 5201に規定のモルタルの「強さ試験」に準じて成形。
・ 試験体の寸法 ; 4×4×16cm
2.試験方法
・比重測定 ; JIS A 5430「かさ比重試験(1)」に準拠
・曲げ試験 ; スパン100mmの3点曲げ試験により、次の式により曲げ強度を算出した。
Rf = 3PL/2bt
Rf ; 曲げ強度〔N/mm
P ; 曲げ破壊荷重〔N〕、 L ; 試験スパン〔mm〕
b ; 試験体の幅〔mm〕、 t ; 試験体の厚さ〔mm〕
・モルタル性能試験;JIS R 5201 に準拠し、モルタルフロー試験機にて0打でのフローが22.0〜22.5〔mm〕になるように水量を調整した。接水してから、硬化が進んでモルタルとして使用できなくなるまでの時間から可使時間を評価し、接水から24時間後に離型する際の触指と離型のし易さから硬化性を評価した。
可使時間の評価;
◎;30分間以上
○;20〜30分間
△;10〜20分間
×;10分間以下
硬化性の評価;
◎;脱型可能であり、強度発現している
○;脱型可能
△;脱型可能だが脆く、慎重を要す
×;脱型不可
・耐透水性試験;JIS R 5422 に準拠し、長さ300mmで内径35mmの円筒を試験板上に立てた状態に置き、試験板と接触側の縁をシーリングしておく。円筒には高さ250mm(h1)まで注水して、24時間後に変化した高さ(h2)を測定する。このとき透水量は、次の式で算出される。
透水量(ml)=π(35/2)2×(h1−h2)
・硬化体の外観;目視による外観観察により、膨れ、割れなどの外観異常を観察。外観異常がみられなかった場合に「良」と判定。
3.実施例の説明
実施例1乃至10は、いずれもパルプスラッジ焼却灰として、図2の図表に示す組成の焼却灰を用いている(なお、図2、図3において、パルプスラッジ焼却灰をPSと略記する。)。このパルプスラッジ焼却灰は、未粉砕のものと、粉砕して粒度調整をしたものA種、B種、C種の合計三種類を用意した。
これらの実施例1乃至10は、大きく分けると、4つのグループに分かれる。実施例1乃至3は、シリカフュームの含有量とアルカリ金属化合物の添加量を共通にして、粒度の異なるパルプスラッジ焼却灰の混合割合を変えた実施例である。
実施例4、5は、シリカフュームの含有量の下限、上限にあたる実施例である。
実施例6乃至8は、パルプスラッジ焼却灰とシリカフュームの含有量を共通にして、アルカリ金属化合物の添加量を変えた実施例である。
実施例9、10は、パルプスラッジ焼却灰、シリカフューム、アルカリ金属化合物の他に、充填材を配合した実施例である。
5.実施例の効果
以下、実施例と比較例とを比較しながら実施例の効果について説明する。
(1)実施例とセメント系の比較例との比較
比較例7は、セメントとC種のパルプスラッジ焼却灰をそれぞれ50重量%づつ混合し、シリカフューム、アルカリ金属化合物は添加しない実施例である
(a)強度
曲げ強度については、実施例1乃至3、実施例9、10について測定した。比較例7の曲げ強度が1.40N/mm2であるのと較べると、実施例1は、4.01.40N/mm2と、3倍弱の強度を得ることができた。その他の実施例はいずれも実施例7に比較して強度的に良好である。
また、充填材を混入した実施例9、10では、充填材を混入しない実施例1乃至3に較べて強度は劣るものの、セメント系の比較例7にくらべれば、十分な強度を得られることがわかる。
(b)透水量
比較例7の透水量は、7.7mlであり、ほとんどの実施例は、これよりも小さな透水量であり、実施例1、5では、透水量が大幅に減少した。したがって、実施例1乃至10は、いずれも水を吸収しにくい方向に吸水性の改善がみられた。なお、充填材を混入した実施例9、10では吸収性改善の効果は少なかった。
(2)実施例と比較例1乃至6との比較
比較例1乃至6は、シリカフューム、アルカリ金属化合物、パルプスラッジ焼却灰の粒径の異なる粉末の混合割合を本発明の請求項の範囲外とした比較例である。
(a)シリカフュームの配合割合
比較例2は、シリカフュームを0.2重量%配合した例、比較例3は、シリカフュームを35重量%配合した例である。比較例2はモルタルの可使時間、硬化性に難点があるばかりか、透水量が激増して水分を吸収しにくい方向での吸水性は劣化することがわかる。また、比較例3のように、シリカフュームが多すぎると、硬化した後に膨れ等の異常がみられた。
これに対して、パルプスラッジ焼却灰を主体として、シリカフュームを10〜30重量%配合した実施例1乃至10では、モルタルの可使時間、硬化性に不良がなく、しかも、比較例2と対比すると吸水特性の改善が得られる。これは、従来のシリカフュームの配合は、珪酸カルシウム主体のセメントとのポゾラン反応を利用した水和反応性の向上を狙うものであったことを考えると、当該配合系でのシリカフュームの利用形態からは意外性のある効果である。
(b)アルカリ金属化合物の配合について
比較例4は、アルカリ金属化合物の添加量がごく僅かである例で、比較例5は、大量に添加した例である。この比較例4、5と、パルプスラッジ焼却灰、シリカフュームの組成が共通する実施例6乃至8を比較すると、アルカリ金属化合物の添加量が少なすぎても多すぎても、透水量が大幅に増大し、つまり吸水特性が実施例と逆になる。また、透水量の観点だけからでなく、特に、比較例5のように、アルカリ金属化合物の添加量が多すぎると、モルタルの性質を悪化させる。これに対して、実施例6乃至8のように、適当な添加量があればモルタルの性質を低下させることなく、シリカフュームの作用を阻害せずに吸水特性の大幅な改善を期待できることがわかる。
(c)粉砕の効用
実施例1はパルプスラッジ焼却灰がC種砕粉のみで、比較例1は、未粉砕とC種粉砕粉の混合である例で、その他の組成物は共通しているものである。両者を比較すると、実施例1は、モルタルの特性、硬化体の透水量、強度とも最良の結果を示し、これに対して比較例1は、いずれの性質もはっきりと劣ることがわかる。したがって、シリカフューム、アルカリ金属がその効用を発揮するためには、粒子径を細かく調整したパルプスラッジ焼却灰を用いることが必要であることがわかる。
本発明による水硬性硬化体の製造工程を示す流れ図。 本発明による水硬性材料に用いるパルプスラッジ焼却灰の組成および粒度を示す図表。 本発明の水硬性硬化体の実施例および比較例の材料組成並びに性能試験結果を示す図表。

Claims (8)

  1. パルプスラッジ焼却灰を主体的なバインダーとして、珪酸質微粉末、硬化促進剤を含むことを特徴とする水硬性組成物。
  2. パルプスラッジ焼却灰が70〜99.5重量%、珪酸質微粉末が0.5〜30重量%、充填材が0〜29.5重量%であって、それらの合量100重量部に対して、硬化させるのに必要な量の硬化促進剤を含むことを特徴とする水硬性組成物。
  3. パルプスラッジ焼却灰が70〜99.5重量%、珪酸質微粉末が0.5〜30重量%、充填材が0〜29.5重量%からなる水硬性組成物100重量部に対して、硬化させるのに必要な量の硬化促進剤と水を加え、混練して所定の形状に成形して硬化させてなることを特徴とする水硬性硬化体。
  4. 前記パルプスラッジ焼却灰の100重量部中30〜100重量%が、50%重量累積粒子径で3〜25μmに粒度調整されたパルプスラッジ焼却灰を含むことを特徴とする請求項3に記載の水硬性硬化体。
  5. 前記珪酸質微粉末がシリカフュームであることを特徴とする請求項3または4に記載の水硬性硬化体。
  6. 前記硬化促進剤がアルカリ金属化合物であることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかの項に記載の水硬性硬化体。
  7. 前記アルカリ金属化合物が、アルカリ金属としてカリウム、ナトリウムまたはリチウムの化合物であり、少なくともそれらの内の1種類以上を用いて、酸化物KO、NaO、Li2Oに換算した場合のそれら酸化物の総量が、前記パルプスラッジ焼却灰、珪酸質微粉末および充填剤の合量100重量部に対し、外割りで0.3〜35重量%になるように添加することを特徴とする請求項6に記載の水硬性硬化体。
  8. パルプスラッジ焼却灰を粉砕し粒度調整する工程と、
    粒度調整されたパルプスラッジ焼却灰に珪酸質微粉末、硬化促進剤および充填剤を配合し、水硬性組成物を調整する工程と、
    調整された水硬性組成物を水と混練しモルタルを調整する工程と、
    調整したモルタルを所定の形状に成形する工程と、
    成形体を養生する工程と、
    を含むことを特徴とする水硬性硬化体の製造方法。
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