JP2005186658A - タイヤ空気圧検知手段を備えたタイヤバルブ及び該バルブを備えたタイヤ空気圧検知装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤの脱着作業時等に損傷することがなく、かつ、常時適正な空気圧を検知でき得るタイヤ空気圧検知手段を備えたタイヤバルブ及び該タイヤバルブを用いたタイヤ空気圧検知装置を提案する。
【解決手段】円管状バルブステム4の周囲に樹脂外皮部5をモールド成形してなる同軸構造をなし,リム55に貫通して固定されるタイヤバルブ1であって、リムの側方へ突出する樹脂外皮部5の外側部位7に、コイルアンテナ3を、バルブステム4の周囲で巻回するようにして埋設し、さらに、リム55からタイヤ内部に突出する樹脂外皮部5の内側部位6に、センサ装置2を埋設した。このためタイヤバルブ1は、従来のバルブと同じく同軸構造であり、リム55に形成したバルブ孔58に対して、通常の固定手段で容易に取り付けられる。しかも、ウエイト調整が容易である。
【選択図】図3
【解決手段】円管状バルブステム4の周囲に樹脂外皮部5をモールド成形してなる同軸構造をなし,リム55に貫通して固定されるタイヤバルブ1であって、リムの側方へ突出する樹脂外皮部5の外側部位7に、コイルアンテナ3を、バルブステム4の周囲で巻回するようにして埋設し、さらに、リム55からタイヤ内部に突出する樹脂外皮部5の内側部位6に、センサ装置2を埋設した。このためタイヤバルブ1は、従来のバルブと同じく同軸構造であり、リム55に形成したバルブ孔58に対して、通常の固定手段で容易に取り付けられる。しかも、ウエイト調整が容易である。
【選択図】図3
Description
本発明は、タイヤの空気圧を検知するタイヤ空気圧検知手段を備えたタイヤバルブ及び該バルブを備えたタイヤ空気圧検知装置に関するものである。
自動車やオートバイ等の車両にあって、その走行性能、安全性、耐久性、燃費等の各性能を所望のレベルに維持するためには、タイヤの空気圧が適正な圧力に保持されている必要がある。そのため、タイヤの空気圧を適切に検知するタイヤ空気圧検知装置が種々提案されている。かかるタイヤ空気圧検知装置としては、タイヤの内側に配設される圧力センサを備えたセンサ装置により空気圧を検知し、該空気圧のデータを車両に設けられた制御装置に伝達し、該制御装置により空気圧を運転者に伝えるようにした構成のものが良く知られている。
このようなタイヤの空気圧を検知するタイヤ空気圧検知装置として、タイヤにエアを供給するためのエアバルブと、上記のセンサ装置とを一体型としてなるものが提案されている(例えば、特許文献1)。これは、エアバルブをホイールに取り付けることにより、センサ装置をタイヤ内側に配置して、タイヤの空気圧を直接検知するものである。そして、検知した空気圧の信号を、車両側の制御装置に送信するようにしている。
一方、タイヤ空気圧検知装置として、センサ装置に、車両側の制御装置から受信した交流電波を直流に変換する整流回路を設け、この直流電流により、該センサの電力を賄うようにした構成も提案されている(例えば、特許文献2)これは、車両側に配した制御装置が、タイヤ内側に配設したセンサ装置に電波を発信することにより起動させ、空気圧の検知と該空気圧の送信とを行うようにしたものであり、センサ装置に電池等を備える必要がないという利点がある。
特開2003−112506号公報
特開平10−19710号公報
ところで、上述したエアバルブと一体型としたセンサ装置(例えば、特許文献1)は、エアバルブにセンサや回路を収納するケーシングを一体的に設けてなるものであって、このケーシングをドロップ部に配設してタイヤ内に位置するようにしている。
このため、バルブ形状が、センサ装置を具備しない通常の整一な同軸構造のものとは異なって、エアバルブからケーシングが突出する偏倚形状となり、ホイールにタイヤを脱着する作業時に、タイヤのビードがケーシングに接触して、該ケーシングの破損を生じ易く、かつタイヤの組付けが面倒なものとなっていた。また、エアバルブの円管状バルブステムに対するケーシングの位置がばらついて取りつけられる結果、該エアバルブの重心位置が一定とならず、この結果、ホイールの重量バランスが崩れ易くなる。したがって、適切な走行安定性を発揮させるために、別途バランスウエイトをホイールに取り付ける必要があり、作業の繁雑化を招来することともなっている。
このため、バルブ形状が、センサ装置を具備しない通常の整一な同軸構造のものとは異なって、エアバルブからケーシングが突出する偏倚形状となり、ホイールにタイヤを脱着する作業時に、タイヤのビードがケーシングに接触して、該ケーシングの破損を生じ易く、かつタイヤの組付けが面倒なものとなっていた。また、エアバルブの円管状バルブステムに対するケーシングの位置がばらついて取りつけられる結果、該エアバルブの重心位置が一定とならず、この結果、ホイールの重量バランスが崩れ易くなる。したがって、適切な走行安定性を発揮させるために、別途バランスウエイトをホイールに取り付ける必要があり、作業の繁雑化を招来することともなっている。
一方、上述した整流回路を備えたセンサ装置(例えば、特許文献2)にあっては、起電力を電波により得ることから、電池を配する必要が無く、装置重量の軽量化や小型化も可能である。しかしながら、このセンサ装置は、送受信用のアンテナを内蔵するものであり、タイヤ内に位置するように、リムの外表面に固着するようにして、該アンテナをリム壁面を介して、制御処理装置に接続される外部アンテナに対向配置するようにしている。ところが、この取り付け状態では、センサ装置はタイヤ内に隠蔽され、外部アンテナとセンサ装置との対向配置が面倒となる。また、リム壁を介して送受信することとなり、電波強度が弱くなる傾向があった。
本発明は、かかる問題点を解決し、タイヤ脱着時の破損がなく、しかも取付作業を容易に行うことができ、かつ、常時適正にタイヤの空気圧を検知できるタイヤ空気圧検知装置を提案し得るタイヤ空気圧検知手段を備えたタイヤバルブ及び該バルブを備えたタイヤ空気圧検知装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、円管状バルブステムの周囲に樹脂外皮部をモールド成形してなる同軸構造をなし、ホイールのリムに貫通して固定されるタイヤバルブにあって、
タイヤ空気圧を演算するための演算制御回路に接続された外部アンテナと交信するコイルアンテナと、
コイルアンテナと接続され、タイヤ内側の空気圧に従って圧力電気信号を測定する圧力センサと、該圧力センサからの各電気信号を、無線送信用のデジタル信号に夫々に変換する変換回路と、前記コイルアンテナから受信した電波を変換し、各センサ及び変換回路への駆動電流を生成する整流回路とを備えたセンサ装置とを備え、
リムの側方へ突出する樹脂外皮部の外側部位に、電波を送受信するコイルアンテナを、バルブステムの周囲で巻回するようにして埋設するようにし、さらにリムからタイヤ内部に突出する樹脂外皮部の内側部位に、センサ装置を埋設するようにしたことを特徴とするタイヤ空気圧検知手段を備えたタイヤバルブである。
ここで、センサ装置は、整流回路により、コイルアンテナから受信する電波を変換して、センサ装置の駆動電流を賄うようにしたものである。このため、電池等の搭載を要しないため、小型化が可能であり、樹脂外皮部内に埋設することが可能となっている。
タイヤ空気圧を演算するための演算制御回路に接続された外部アンテナと交信するコイルアンテナと、
コイルアンテナと接続され、タイヤ内側の空気圧に従って圧力電気信号を測定する圧力センサと、該圧力センサからの各電気信号を、無線送信用のデジタル信号に夫々に変換する変換回路と、前記コイルアンテナから受信した電波を変換し、各センサ及び変換回路への駆動電流を生成する整流回路とを備えたセンサ装置とを備え、
リムの側方へ突出する樹脂外皮部の外側部位に、電波を送受信するコイルアンテナを、バルブステムの周囲で巻回するようにして埋設するようにし、さらにリムからタイヤ内部に突出する樹脂外皮部の内側部位に、センサ装置を埋設するようにしたことを特徴とするタイヤ空気圧検知手段を備えたタイヤバルブである。
ここで、センサ装置は、整流回路により、コイルアンテナから受信する電波を変換して、センサ装置の駆動電流を賄うようにしたものである。このため、電池等の搭載を要しないため、小型化が可能であり、樹脂外皮部内に埋設することが可能となっている。
本発明のタイヤバルブは、リムの側方に突出する樹脂外皮部の外側部位にコイルアンテナを、バルブステムの周囲で巻回するようにして一体的に内蔵するようにしたから、樹脂外皮部は、バルブステムに対して、周囲形状が均一となる。また、タイヤ内部に突出する樹脂外皮部の内側部位に埋設したセンサ装置は微細形状であるから、該樹脂外皮部もその同軸構造を損なうことがない。このため、その全体構造を同軸状とすることができる。
而して、本発明のタイヤバルブは、従来のバルブと同じく同軸構造であり、リムに形成したバルブ孔に対して、通常の固定手段により容易に取り付けることができる。しかも、その重心はほぼ軸心にあり、バルブ孔に対して取り付け角度位置が異なっても重量バランスに影響を与えることもない。また、このセンサ装置は、ホイール重量に比して極めて軽量である。このため、ホイールの重量バランスを崩すこともない。而して、ウエイト調整が容易である。特に本発明にあっては、外部アンテナと送受信するコイルアンテナは、ホイールのタイヤが装着されない外部(ホイールの内方)に位置するため、リムの壁を介して送受信するものではないから、電波強度を高く維持でき、検出誤差が少なく、かつ高い駆動電流を生成できる。また、リムのタイヤ内側に位置する樹脂外皮部の内側部位にあっても、偏倚状の突起部がないから、タイヤの脱着作業を阻害したり、該脱着の際にタイヤにより損壊することもない。
かかる構成にあって、センサ装置を、プリント基板上に各回路部品を実装してなる基板型センサ装置とすることができる。この場合に、プリント基板上に半導体集積回路チップを実装し、さらにそのチップ上に、圧力センサ、温度センサ等の回路部品を搭載するようにしても良い。これにより、センサ装置が小型かつ薄肉化して、可及的に汎用形態の同軸状タイヤバルブを実現し得ることとなる。
さらにセンサ装置を、半導体集積回路チップ上に圧力センサ、温度センサ、変換回路、増幅器、コンデンサ、整流回路等の回路部品等を配設してなるチップ型センサ装置としても良い。この場合には、さらに小型化が可能となる。これらの半導体集積回路チップに形成された各実装部品は、それぞれ既存技術により超小型とすることができるから、その起動に必要とする電力も小さくでき、整流回路が生成する駆動電流により、各実装部品の起電力を充分に賄うことが可能であり、さらに該整流回路を小型化することも可能としている。
また、前記センサ装置は、コイルアンテナと接続され、タイヤ内側の空気圧に従って圧力電気信号を測定する圧力センサと、タイヤ内側の温度に従って温度電気信号を測定する温度センサと、該圧力センサ及び温度センサからの各電気信号を、無線送信用のデジタル信号に夫々に変換する変換回路と、前記コイルアンテナから受信した電波を変換し、各センサ及び変換回路への駆動電流を生成する整流回路とを備えたものとすることができる。
ここで、センサ装置は、上記のように、基板型センサ装置やチップ型のセンサとして極めて小型のものとすることにより、温度依存性が高くなり易く、走行中に比較的大きく温度変化するタイヤ内側で空気圧を適正に測定することが難しくなる。このため、温度センサを配して、該温度センサの測定した温度に応じて、圧力センサが測定した値を補正する、温度補償を行うようにする。これにより、タイヤの空気圧を、温度変化にかかわらず、適正に検出することができるようになる。すなわち、圧力センサと温度センサとを併設することにより、これらを極めて小型化かつ薄肉化することが可能となる。
尚、一般的に、圧力センサは、大型化するに従って、温度依存性が鈍くなる傾向にあること、また、歪みゲージ等と同様にセンサ自体が所定の温度範囲内で温度補償されていること等から、温度センサを特に必要としない。したがって、従来の、温度センサを必要としない構成は、大型の圧力センサを用いているものであって、小型化かつ薄肉化に限界があり、本発明のように小型かつ薄肉のセンサ装置を形成することは極めて難しいものである。
尚、一般的に、圧力センサは、大型化するに従って、温度依存性が鈍くなる傾向にあること、また、歪みゲージ等と同様にセンサ自体が所定の温度範囲内で温度補償されていること等から、温度センサを特に必要としない。したがって、従来の、温度センサを必要としない構成は、大型の圧力センサを用いているものであって、小型化かつ薄肉化に限界があり、本発明のように小型かつ薄肉のセンサ装置を形成することは極めて難しいものである。
上述のように、基板型センサ装置又はチップ型センサ装置に形成された各実装部品は、それぞれ超小型であることから、その起動に必要とする電力も小さくできる。そのため、整流回路が生成する駆動電流により、各実装部品の起電力を充分に賄うことが可能であり、さらに該整流回路を小型化することも可能としている。また、上述したように、このような整流回路を備えることによって、該センサ装置に電池等の電力供給源を配設する必要がないため、本発明のセンサ装置は一層小型かつ薄肉なものとなる。
一方、本発明は、上述のタイヤ空気圧検知手段を備えたタイヤバルブと、該タイヤバルブのコイルアンテナと電波の送受信を行う外部アンテナと、該外部アンテナから発信する電波を制御すると共に、コイルアンテナから受信したデジタル信号を演算処理し、圧力電気信号を温度電気信号により温度補償してタイヤ空気圧値を算出する演算制御回路とを具備する制御処理装置とを備えたことを特徴とするタイヤ空気圧検知装置である。
かかるタイヤ空気圧検出装置にあっては、上記した圧力センサ及び温度センサが測定した各電気信号をコイルアンテナから発信し、車体に配設された外部アンテナにより該電気信号を受信した制御処理装置によって、タイヤ空気圧を算出するようにしたものである。ここで、演算制御回路によるタイヤ空気圧の算出としては、温度雰囲気に従って変化する圧力センサの電気信号と温度センサの電気信号とから設定した圧力温度関係式に、各電気信号をあてはめることにより算出するようにして算出処理することができる。この圧力温度関係式は、圧力センサの温度依存性を表すものであり、圧力センサの種類やセンサ形状等により異なることとなり得る。このように演算制御回路は、予め設定した圧力温度関係式を記憶し算出処理することを要すること、また、アンテナから発信する電波を制御することから、各制御処理を行う中央制御装置や記憶装置等から構成されてなるものが好適に用いられ得る。
また、このように、本発明のタイヤ空気圧検出装置は、車両側に設置した制御処理装置により、空気圧値を適正に算出処理するようにし、タイヤ内側で樹脂外皮内に埋設したセンサ装置により、タイヤの圧力と温度とを電気的な信号として測定するようにしている。このため、センサ装置には、圧力センサ及び温度センサが測定した電気信号を空気圧値に算出処理する中央制御装置CPUや記憶装置等を配設していないことから、該センサ装置を小型かつ薄型とでき、タイヤバルブを小型化とすることに大きく寄与している。また、センサ装置の回路構成は比較的シンプルであることから、各実装部品間の電気信号の入出力が単純化でき、走行中の振動等によって誤作動を起こす可能性を低減できる。
ここで、上述の圧力センサ及び温度センサとしては、半導体素子を基材として回路状に形成されたチップ型のセンサが好適に用いられる。この半導体素子として、ダイオードやトランジスタ等が好ましく用い得る。例えば、圧力センサとしてはダイヤフラム型のものが好ましい。このような圧力センサ及び温度センサは、その形状が極めて小型かつ薄肉のものとなり得る。また、これら圧力センサや温度センサが測定した各電気信号をデジタル信号に変換する変換回路にあっても、ダイオードやトランジスタ等の半導体素子を基材として形成される回路であり、極めて小型の回路となる。尚、ここで、変換回路としては、電気信号をデジタル信号に変換する、いわゆるA/Dコンバータと、該デジタル信号を無線送信用にデジタル変調する変調回路とから構成されるものが好適に用いられる。同様に、整流回路にあっても、例えば、ダイオードによりブリッジ回路を形成してなるものとして、極めて小型の回路とする。ここで、この整流回路としては、交流電波を直流電流に変換して駆動電流とするものが好適である。このように極小の各実装部品を備えた半導体集積回路チップを形成することにより、基板型センサ装置を小型かつ薄肉形状とすることを可能としている。また、この小型かつ薄肉形状の基板型センサ装置は、極めて軽量なものとなる。
上述した圧力センサが、シリコンダイヤフラムから形成されている構成が提案される。ここで、シリコンダイヤフラムは、内部に空洞を形成してなる構成を有してなる。ここで、このシリコンダイヤフラムの圧力センサとしては、空洞の一側部に圧力が作用するように配し、該一側部の両端縁に夫々に電極を接続してなるものが好適に用い得る。そして、圧力により一側部が変形することにより、該一側部の抵抗が変化し、電極間で変化する電圧を測定する、いわゆる、抵抗変化型圧力センサとすることができる。尚、圧力センサを、空洞の、互いに対向する両側に圧力が作用する構成とすることも可能である。このように、圧力センサをシリコンダイヤフラムから形成することにより、該圧力センサを極めて小型かつ薄肉のものとすることが可能である。
また、上述したセンサ装置が、整流回路により整流した駆動電流を蓄積する電流貯留回路を備えている構成が提案される。ここで、電流貯留回路としては、充電及び放電可能なコンデンサからなるものを好適に用いることができる。かかる電流貯留回路を備えることにより、基板型センサ装置の各実装部品を夫々に起動するに必要となる起電力を貯蓄することができると共に、必要に応じて各実装部品に駆動電流を流すことも可能である。これにより、コイルアンテナから受けた電波から整流回路が生成した駆動電流を、基板型センサ装置で効率良く利用することができる。この電流貯留回路は、上述したように半導体集積回路チップの各実装部品が比較的小さな電流により作動することから、充電容量が比較的少量である小型のコンデンサにより構成することが可能である。したがって、このような電流貯留回路を配設した場合でも、基板型センサ装置を小型かつ薄肉形状とすることが可能である。尚、この電流貯留回路は、基板型センサ装置に、上述した半導体集積回路チップと併設するように配設した構成とすることができる。又は、半導体片上に配して半導体集積回路チップを構成するものとしても良い。
また、上述したセンサ装置が、コイルアンテナから受信した電波の、整流回路への送流量を制御する送流量制限回路を備えている構成が提案される。ここで、送流量演算制御回路としては所定量以上の電流が流れないダイオードからなるものを好適に用いることができる。かかる送流量演算制御回路にあっては、一度に大きな電流が整流回路に流れないようにすることにより、該整流回路が過大な電流によって破壊されることを防止するものである。さらに、整流回路に流れる電流を制限することにより、比較的小さな電流で起動する半導体集積回路チップの各実装部品に過大な電流が流れることを防ぎ、これらの破壊も防止できる。この送流量制限回路は、前記のようにダイオードから回路構成できるものであるから、小型形状に形成することが可能である。したがって、このような送流量制限回路を配設した場合でも、基板型センサ装置を小型かつ薄肉形状とすることが可能である。尚、この送流量演算制御回路にあっても、上記の電流貯留回路と同様、基板型センサ装置に、上述した半導体集積回路チップと併設するように配する構成や、半導体片上に配して該半導体集積回路チップを構成することのいずれとすることもできる。
さらにまた、上述のセンサ装置が、変換回路から得たデジタル信号を増幅してコイルアンテナから発信する増幅回路を備えている構成が提案される。ここで、増幅回路としては、コイルアンテナから所定の電波を常時発信しており、変調回路からデジタル信号を入力すると、該デジタル信号を増幅して該電波に乗せて発信するようにしたものとすることができる。又は、変調回路からデジタル信号を入力した場合に、該デジタル信号の入力に従って、当該デジタル信号を増幅してコイルアンテナのコイル両端を短絡制御する、いわゆる負荷変調するものとしても良い。かかる増幅回路は、圧力電気信号と温度電気信号とを無線送信用に変換した各デジタル信号を、車両に配したアンテナが正確かつ充分に受信可能となるように、伝送するものである。これにより、基板型センサ装置が測定した圧力電気信号と温度電気信号とを、適正に演算制御回路装置に伝達することが可能である。
上述した半導体集積回路チップが、該チップに配設された各実装部品の作動を制御するコントロール回路を備えている構成が提案される。ここでコントロール回路としては、トランジスタ等の半導体素子から形成されてなり、所定の電気的な信号を受けるとON信号を発し、該信号が停止した場合又は新たな信号を受けた場合にOFF信号を発するようにしたものとすることができる。すなわち、電気信号によりON/OFFを切り替える、シンプルな構成かつ小型形状の回路として形成でき、半導体片上に形成することを可能としている。かかる構成にあっては、コントロール回路を半導体集積回路チップに配設された各実装部品と電気的に接続し、所定の作動状態となった場合に各実装部品にON信号を発信して各実装部品を作動させ、該作動状態が止んだ場合にはOFF信号を発信して各実装部品の作動を停止させるようにすることができる。また、このように、比較的単純な制御を行うコントロール回路は、例えば中央制御装置CPUのように複雑な制御をしないことから、走行中に生じる振動等によって誤作動する可能性も低い。ここで、所定の作動状態としては、例えば、整流回路が駆動電流を生成している状態や、電流貯留回路に所定量の駆動電流が蓄積された状態等に設定することができる。このように作動状態を設定することにより、各実装部品を適正かつ効率的に作動させることが可能となる。
上述した温度センサが、バンドギャップ回路を備えてなる構成であるものが提案される。ここで、バンドギャップ回路は、温度に依存しない基準電圧を得ることができる回路である。かかる温度センサとしては、このバンドギャップ回路に、温度によってリニアに変化するトランジスタやダイオード等の半導体素子を接続した回路からなり、例えばこのトランジスタのベース・エミッタ間の電圧を測定するようにしたものである。したがって、この温度センサは、バンドギャップ回路から得た基準電圧に対して、該回路に接続されたトランジスタによる電圧変化を測定することによって、タイヤ内の温度を適正に測定することができる。
ここで、コイルアンテナはホイールのタイヤバルブに配設され、制御処理装置の外部アンテナは車体のタイヤハウスの、タイヤのトレッド(走行面)に対向する位置に配設される。これにより、走行中にあって、タイヤと共に回転するコイルアンテナが、1回転毎に、制御処理装置のアンテナとの間に、タイヤのトレッドのみが存在する状態とすることができる。したがって、コイルアンテナが、制御処理装置の外部アンテナとの間にタイヤのみが存在する回転域を通過する場合に、各アンテナ相互で電波及びデジタル信号を正確に伝達できることとなる。ここで、コイルアンテナとアンテナとの間にタイヤのみが存在する回転域は、タイヤが一回転毎に定期的に到来することから、かかる構成にあっては、各アンテナ間で電波及び信号のやり取りを充分かつ適切に行うことが可能である。
また、制御処理装置が、演算制御回路の算出したタイヤ空気圧値に従って、該タイヤ空気圧値の正常又は異常を報知する報知装置を備えている構成が提案される。かかる構成にあっては、報知装置により運転者等にタイヤの空気圧状態を知らせるようにしたものであるから、タイヤ空気圧に異常が生じた場合には、これを迅速かつ正確に運転者に知らせることができ、運転者に適正な対応処置を促すことができる。而して、車両の安全性を一層高めることが可能となる。ここで、制御処理装置としては、演算制御回路が、基板型センサ装置から送信されたデジタル信号に従って算出処理したタイヤ空気圧値を、予め定められた基準となる空気圧値の範囲に在るか否かを調べ、当該タイヤ空気圧値が正常か異常かを判定し、この結果を報知装置が運転者等に知らせるようにする構成が好適である。また、報知装置としては、タイヤの空気圧値を、デジタル表示画面等により表現するものや、異常時のみ警報を発するようにするもの等が好適に用いられる。
本発明のタイヤ空気圧検知手段を備えたタイヤバルブは、円管状バルブステムの周囲に樹脂外皮部をモールド成形してなる同軸構造をなした従来形態を維持しながら、リムの側方へ突出する樹脂外皮部の外側部位に、電波を送受信するコイルアンテナを、バルブステムの周囲で巻回するようにして埋設するようにし、さらにリムからタイヤ内部に突出する樹脂外皮部の内側部位に、基板型センサ装置を埋設するようにしたものである。このため、次の効果がある。
イ)従来のバルブと同じく同軸構造であり、リムに形成したバルブ孔に対して、通常の固定手段により容易に取り付けることができる。
ロ)その重心はほぼ軸心にあり、バルブ孔に対して取り付け角度位置が異なっても重量バランスに影響を与えることもない。また、このセンサ装置は、タイヤバルブに比して極めて小型かつ軽量であり、タイヤバルブを肥大化したり、大重量化することがなく、汎用のタイヤバルブとほぼ同様となり、ホイールの重量バランスを崩すこともない。而して、ウエイト調整が容易である。
ハ) 外部アンテナと送受信するコイルアンテナは、タイヤが装着されないホイールの側方に位置し、リムの壁を介して送受信するものではないから、電波強度を高く維持でき、検出誤差が少なく、かつ高い駆動電流を生成できる。
また、リムのタイヤ内側に位置する樹脂外皮部の内側部位にあっても、偏倚した突起部がないから、タイヤの脱着作業を阻害したり、該脱着の際にタイヤにより損壊することもない。
ニ)センサ装置は、整流回路により、コイルアンテナから受信する電波を変換して、センサ装置の駆動電流を賄うようにしたものである。このため、電池等の搭載を要せず、タイヤバルブの肥大化を阻止でき、しかも電池交換が不要となって、保守管理が容易である。
イ)従来のバルブと同じく同軸構造であり、リムに形成したバルブ孔に対して、通常の固定手段により容易に取り付けることができる。
ロ)その重心はほぼ軸心にあり、バルブ孔に対して取り付け角度位置が異なっても重量バランスに影響を与えることもない。また、このセンサ装置は、タイヤバルブに比して極めて小型かつ軽量であり、タイヤバルブを肥大化したり、大重量化することがなく、汎用のタイヤバルブとほぼ同様となり、ホイールの重量バランスを崩すこともない。而して、ウエイト調整が容易である。
ハ) 外部アンテナと送受信するコイルアンテナは、タイヤが装着されないホイールの側方に位置し、リムの壁を介して送受信するものではないから、電波強度を高く維持でき、検出誤差が少なく、かつ高い駆動電流を生成できる。
また、リムのタイヤ内側に位置する樹脂外皮部の内側部位にあっても、偏倚した突起部がないから、タイヤの脱着作業を阻害したり、該脱着の際にタイヤにより損壊することもない。
ニ)センサ装置は、整流回路により、コイルアンテナから受信する電波を変換して、センサ装置の駆動電流を賄うようにしたものである。このため、電池等の搭載を要せず、タイヤバルブの肥大化を阻止でき、しかも電池交換が不要となって、保守管理が容易である。
かかる構成にあって、センサ装置を、プリント基板上に各回路部品を実装してなる基板型センサ装置とした場合に、センサ装置が小型かつ薄肉化して、小型のタイヤバルブを実現し得ることとなる。
さらにセンサ装置を、半導体集積回路チップ上に圧力センサ、温度センサ、変換回路、増幅器、コンデンサ、整流回路等の回路部品や、回路を配設してなるチップ型センサ装置とした場合には、さらに小型化が可能となる。また、かかる構成にあっては、半導体集積回路チップに設けられた各実装部品は、それぞれ超小型であることから、その起動に必要とする電力も小さくでき、整流回路が生成する駆動電流により、各実装部品の起電力を充分に賄うことが可能であり、さらに全体の小型化、微細化が可能となる。
また、前記センサ装置は、圧力センサの他に、タイヤ内側の温度に従って温度電気信号を測定する温度センサを設けると共に、該圧力センサ及び温度センサからの各電気信号を、無線送信用のデジタル信号に夫々に変換する変換回路と、前記コイルアンテナから受信した電波を変換し、各センサ及び変換回路への駆動電流を生成する整流回路とを備えるようにした構成にあっては、温度センサで測定した温度に応じて、圧力センサが測定した値を補正する、温度補償が行なわれ、タイヤの空気圧を、温度変化にかかわらず、適正に検出することができるようになる。
一方、本発明は、上述のタイヤ空気圧検知手段を備えたタイヤバルブと、該タイヤバルブのコイルアンテナと電波の送受信を行う外部アンテナと、該外部アンテナから発信する電波を制御すると共に、コイルアンテナから受信したデジタル信号を演算処理し、圧力電気信号を温度電気信号により温度補償してタイヤ空気圧値を算出する演算制御回路とを具備する制御処理装置とを備えたことを特徴とするタイヤ空気圧検知装置であり、演算制御回路によるタイヤ空気圧の算出としては、温度雰囲気に従って変化する圧力センサの電気信号と温度センサの電気信号とから設定した圧力温度関係式に、各電気信号をあてはめることにより算出するようにして算出処理することができる。
また、センサ装置には、圧力センサ及び温度センサが測定した電気信号を空気圧値に算出処理する中央制御装置CPUや記憶装置等を配設していないことから、該センサ装置を小型かつ薄型とでき、タイヤバルブを小型化とすることに大きく寄与している。また、センサ装置の回路構成は比較的シンプルであることから、各実装部品間の電気信号の入出力が単純化でき、走行中の振動等によって誤作動を起こす可能性を低減できる。
また、制御処理装置が、演算制御回路の算出したタイヤ空気圧値に従って、該タイヤ空気圧値の正常又は異常を報知する報知装置を備えてなる構成にあっては、運転者等にタイヤの空気圧状態を知らせるようにしたものであり、タイヤ空気圧に異常が生じた場合には、これに対して適切な対応処置を行うことを運転者に促すことができ、車両の安全性を一層高めることが可能となる。
本発明にかかる、自動車用のタイヤ空気圧検知装置Sを添付図面に従って説明する。
このタイヤ空気圧検知装置Sは、図1のように、自動車51の各タイヤ52毎の、リム55とディスク59とからなる各ホイール54に固定されたコイルアンテナ3及びセンサ装置2とを内蔵するタイヤバルブ1と、車体の各タイヤハウス53毎に配設された外部アンテナ36と、該外部アンテナ36に夫々電気的に接続してなる制御処理装置30とから構成されている。尚、外部アンテナ36は、タイヤ52の一回転毎に、前記タイヤバルブ1と対向可能となる位置に配設されている。
このタイヤ空気圧検知装置Sは、図1のように、自動車51の各タイヤ52毎の、リム55とディスク59とからなる各ホイール54に固定されたコイルアンテナ3及びセンサ装置2とを内蔵するタイヤバルブ1と、車体の各タイヤハウス53毎に配設された外部アンテナ36と、該外部アンテナ36に夫々電気的に接続してなる制御処理装置30とから構成されている。尚、外部アンテナ36は、タイヤ52の一回転毎に、前記タイヤバルブ1と対向可能となる位置に配設されている。
ここで、タイヤバルブ1は、図2のように、ホイール54のリム55のドロップ部56側傍のウエル部57に、貫通して固定される。これにより、後で詳述するように、センサ装置2によってタイヤ内の空気圧を測定できるようになっている。また、このタイヤバルブ1は、自動車51の走行中、タイヤ52と共に回転することとなり、内蔵されるコイルアンテナ3は、この回転周方向の所定回転域を回転通過する毎に、タイヤハウス53に配置した外部アンテナ36と対向し、該外部アンテナ36と、定期的かつ断続的に、電波の送受信を行うこととなる。而して、後述するように、コイルアンテナ3は、制御処理装置30の外部アンテナ36からの、駆動電流用の電波を適正に受信できると共に、空気圧及びタイヤ内温度の信号を該外部アンテナ36に適正に送信できる。
次に本発明のタイヤバルブ1の構成を、図3に従って説明する。
ここで、タイヤバルブ1は、リム55のウエル部57に形成されたバルブ孔58に嵌着される。このタイヤバルブ1は、円管状バルブステム4の周囲に樹脂外皮部5をモールド成形してなる同軸構造をなすものであり、タイヤ内に位置する樹脂外皮部5の内側部位6をバルブ孔58よりも径大としている。また、リム55の側方へ突出する樹脂外皮部5の外側部位7はほぼ截頭円錐形をなし、内側部位6と外側部位7との間にバルブ孔58が嵌着する連結溝8を形成している。さらに、バルブステム4の雄螺子が形成された外端にはキャップ9が螺着される。
ここで、タイヤバルブ1は、リム55のウエル部57に形成されたバルブ孔58に嵌着される。このタイヤバルブ1は、円管状バルブステム4の周囲に樹脂外皮部5をモールド成形してなる同軸構造をなすものであり、タイヤ内に位置する樹脂外皮部5の内側部位6をバルブ孔58よりも径大としている。また、リム55の側方へ突出する樹脂外皮部5の外側部位7はほぼ截頭円錐形をなし、内側部位6と外側部位7との間にバルブ孔58が嵌着する連結溝8を形成している。さらに、バルブステム4の雄螺子が形成された外端にはキャップ9が螺着される。
ここで、前記樹脂外皮部5の内側部位6には、センサ装置2が埋設される。また、外側部位7には、該バルブステム4の周囲を巻回して、コイルアンテナ3が埋設される。
このコイルアンテナ3はセンサ装置2に接続されることとなる。このタイヤバルブ1は、リム55のタイヤ側から外側部位7をバルブ孔58に圧入して、樹脂外皮部5の弾縮作用により、バルブ孔58に連結溝8を内嵌させることによりリム55に固定されるものであり、バルブステム4を介してリム55の内外が連通することとなる。
ここで、センサ装置2は、微小化されており、内側部位6内部にモールド成形により埋設されても、タイヤバルブ1の基本形状を異ならせるものではなく、バルブステム4を軸心とする同軸形状を保持している。
ここで図4は、内側部位6に埋入されてタイヤの内部に位置することとなる基板型センサ装置2aを示す。このセンサ装置2aはプリント基板14上に各実装部品を配置して形成されてなるものであり、その構成を説明する。
プリント基板14上には、後述するコイルアンテナ3から受けた電波を所定量に制限する送電量制限回路10が配置されている。この送電量制限回路10はダイオードから構成されてなる。また、この送電量制限回路10は、コイルアンテナ3から入力した電波を、整流回路15に出力するように該整流回路15と接続されている。すなわち、送電量制限回路10は、入力した電波を、ダイオードによって送流する量を制限して、整流回路15に出力するようにしている。一方、整流回路15は半導体片13上に形成されており、図9のように、四個のダイオード40とコンデンサ41とによりブリッジ回路を形成してなるものである。このブリッジ回路によって、送流量制限回路10から入力した交流電波を、一側の直流電流に整流して、駆動電流を生成する。この整流回路15は、プリント基板14上に配置された電流貯留回路11に接続されており、生成した駆動電流を該電流貯留回路11に順次出力するようになっている。この電流貯留回路11は、整流回路15から入力した駆動電流を充電するコンデンサから構成されている。
そして、電流貯留回路11は、圧力センサ16、温度センサ17、A/Dコンバータ18、変調回路19にそれぞれ接続されており、蓄積した駆動電流を出力できるようになっている。また、この電流貯留回路11は、プリント基板14上に配置した増幅回路12にも接続されており、駆動電流を出力可能となっている。さらに、この電流貯留回路11は、半導体片13上に形成されたコントロール回路28とも接続されており、該電流貯留回路11に蓄積された駆動電流量が、前記各実装部品の作動電力に達したか否かを認識できるようにしている。そして、電流貯留回路11が、作動電力に必要な駆動電流量を蓄積した場合に、圧力センサ16、温度センサ17、A/Dコンバータ18、変調回路19に夫々に駆動電流を確保して作動開始するように指示する信号を発信する。
ここで、上記したように、整流回路15、圧力センサ16、温度センサ17、A/Dコンバータ18、変調回路19、コントロール回路28は、図4(イ)のように、半導体片13上に形成され、半導体集積回路チップ20を構成している。この半導体集積回路チップ20は、プリント基板14上に配置されており、該半導体集積回路チップに形成した各実装部品と、上述した送電量制限回路10、電流貯留回路11,増幅回路12と、チップ上の各実装部品とをワイヤーボンディング21により接続している。そして、このワイヤーボンディング21以外ではプリント基板14と半導体集積回路チップ20とを絶縁している。これは、比較的大きい電流が流れるプリント基板14と、微弱電流が流れる半導体集積回路チップ20とを絶縁することにより、短絡によって該半導体集積回路チップ20が破損することを防止している。
一方、半導体集積回路チップ20に形成された圧力センサ16は、図10のように、内部に空洞25が形成されたシリコンダイヤフラム22からなるチップ型であり、該空洞25の上側部24の両端縁から連成され、該上側部24と夫々に電気的に導通してなる電極26a,26bが夫々に接続されている。尚、各電極26a,26bは、相互に絶縁するように、絶縁部27,27を介して、下側部23に接続されている。そして、この上側部24をタイヤ52の空気圧雰囲気中に露出させることにより、該上側部24が空気圧に応じて下方向に変形するようになっている。すなわち、この上側部24が圧力検知部である。このシリコンダイヤフラム22にあっては、上側部(圧力検知部)24に圧力が作用すると、該上側部24が下方に変形することにより、該上側部24の抵抗値が変化する。この変形量の大きさに従って、抵抗値が異なることから、圧力に応じて電極間の電圧も異なることとなる。すなわち、この圧力センサ16は、上述した電流貯留回路11から一定量の電流を電極間に流し、各電極間の電圧を測定することにより、タイヤの空気圧を測定するものである。そして、この測定した電圧値を、圧力電気信号として出力するようになっている。このような圧力センサ16は、シリコンダイヤフラム22を圧力に従って変化する可変抵抗として用いたものであり、いわゆる抵抗変化型圧力センサである。
また、半導体集積回路チップ20に形成された温度センサ17は、図11のように、CMOS回路により構成されたバンドギャップ回路45と、該バンドギャップ回路45によって温度依存しない基準電圧(リファレンス電圧)を生じる出力端子42a,42bに接続されたトランジスタ47とから構成されている。ここで、出力端子42bがトランジスタ47のベース43に接続されている。このトランジスタ47のベース43とエミッタ44間に電極が接続されており、この間の電圧変化を測定するようになっている。ここで、バンドギャップ回路45に接続されたトランジスタ47としては、温度変化に従ってリニアに電圧変化するものを用いている。かかる温度センサ17は、上述した電流貯留回路11から一定量の電流がバンドギャップ回路45に流れると、出力端子42a,42bに温度に依存しない基準電圧が生じ、該基準電圧に対し、トランジスタ47により変化する電圧値Vを、該トランジスタ47のベース43とエミッタ44との間で測定する。そして、この測定した電圧値Vを、温度電気信号として出力するようになっている。ここで、本実施形態例の温度センサ17にあっては、トランジスタ47が温度変化に対してリニアな電圧変化を生じる約−30℃〜120℃の範囲で適正に温度を検出することができるものである。したがって、この温度センサ17により、かかる温度範囲における、上記した圧力センサ16の温度補償を行うようにしている。尚、温度センサ17は、上記の圧力センサ16とほぼ同期して測定するようになっている。
このような圧力センサ16及び温度センサ17は、上記したA/Dコンバータ18に夫々に接続されており、測定した各電気信号を出力する。A/Dコンバータ18は、上述した電流貯留回路11からの電流により駆動して、入力した各電気信号を夫々にデジタル信号に変換し、圧力デジタル信号と温度デジタル信号とする。そして、各デジタル信号を変調回路19に出力する。このA/Dコンバータ18と接続されている変調回路19は、上述した電流貯留回路11からの電流により駆動して、入力した各デジタル信号を、無線送信用のデジタル信号に変調する。ここで、変調回路19は、予め設定されている無線送信用の電波に、変調したデジタル信号を乗せて、上述した増幅回路12に出力するようにしている。すなわち、変調回路19は、発振回路としての働きも行うようになっている。尚、A/Dコンバータ18及び変調回路19が、本発明にかかる変換回路を構成している。
ここで、上記の変調回路19は、ワイヤーボンディング21を介して、プリント基板14上に配設された増幅回路12に接続されている。この変調回路19から出力された圧力デジタル信号及び温度デジタル信号は、増幅回路12に入力することとなる。この増幅回路12は、上述した電流貯留回路11から得た駆動電流により、入力した各デジタル信号を増幅してコイルアンテナ3から発信するものである。
一方、上述したように、半導体集積回路チップ20にはコントロール回路28も配設されており、電流貯留回路11,圧力センサ16、温度センサ17、A/Dコンバータ18、変調回路19とそれぞれ接続されている。ここで、コントロール回路28は、上述したように、電流貯留回路11に蓄積される駆動電流量が、前記各実装部品の作動電力に達したか否かを認識するものである。すなわち、電流貯留回路11は、コンデンサに充電された駆動電流が所定充電量になると、コントロール回路28に電気信号を出力する。この電気信号を入力したコントロール回路28は、該電気信号の入力が停止するまで、電流貯留回路11が所定充電量を有していると認識し、圧力センサ16、温度センサ17、A/Dコンバータ18、変調回路19に夫々に、各作動の実行を指示するON信号を出力するようにした回路構成となっている。また、電流貯留回路11の電流量が前記充電量より低下すると、前記電気信号が停止し、コントロール回路28は電流貯留回路11が所定充電量を有していないと認識し、前記各実装部品に作動停止を指示するOFF信号を出力する。このように、コントロール回路28は、電流貯留回路11のコンデンサが、整流回路15により生成された駆動電流を、半導体集積回路チップ20の各実装部品を作動させるに必要な作動電力まで充電している否かにより、該各実装部品にON信号又はOFF信号を出力し、夫々に作動の実行又は停止を指示するようにしたものである。ここで、コントロール回路28からON信号を入力した、圧力センサ16、温度センサ17、A/Dコンバータ18、変調回路19はぞれぞれ電流貯留回路11から駆動電流を得て、上述した各作動を実行するようになっている。そして、OFF信号を入力するまで、所定時間間隔で各作動が繰り返されることとなる。すなわち、この所定時間間隔毎に、圧力センサ16及び温度センサ17に基づいて生成された信号が制御処理装置30に送信されることとなり、タイヤ空気圧検知装置Sは、ほぼ常時タイヤ52の空気圧を検知していることとなっている。尚、コントロール回路28のON信号出力からOFF信号出力のまでの間は、電流貯留回路11のコンデンサには、上述した整流回路15からの充電と、前記各実装部品への放電とが行われている。
このような基板型センサ装置2は、図4(ロ)のように、所定の封止樹脂29によって、全体的に被覆されている。この封止樹脂29は、基板型センサ装置2の各部材の絶縁性を確保し、各回路部品を保護するものである。但し、基板型センサ装置2の圧力センサ16及び温度センサ17にあっては、タイヤの空気圧及びタイヤ内の温度を正確に測定できるように、圧力を検知する部分及び温度を検知する部分には封止樹脂29が被覆されていない。
ここで、上述した本実施形態例の基板型センサ装置2aにあっては、その形状寸法を、約8mm×10mm、厚み約1mmに形成している。さらに、この基板型センサ装置2aに配設された半導体集積回路チップ20は、約3mm×3mm、厚み約200μmとしている。ここで、この半導体集積回路チップ20に配設された圧力センサ16は、直径約50μm、厚み約100μmの円柱形状に形成されてなるものである。このように、基板型センサ装置2aは、小型かつ薄肉の形状であると共に、それ故に重量も極めて軽いものである。このため、基板型センサ装置2aを樹脂外皮部5の内側部位6で、偏心した位置に埋設した場合にも、該ホイール54の重量バランスにほとんど影響しない。
図5(イ)、(ロ)は、チップ型センサ装置2bを示すものである。このセンサ装置2bは、半導体集積回路チップ20上に、送電量制限回路10、電流貯留回路11、増幅回路12、整流回路15、圧力センサ16、温度センサ17、A/Dコンバータ18、コントロール回路28等(一部図示省略)が搭載されている。これにより、さらに小型化を可能としているものである。また封止樹脂29により、圧力センサ16、温度センサ17以外が覆われている。
一方、コイルアンテナ3は、バルブステム4の周囲に巻回されて樹脂外皮部5内に同心状に埋設されるものであり、このため、樹脂外皮部5を従来構成と同様に、整一な同心状形態に維持することが可能となっている。また、このコイルアンテナ3はリム55の外部に位置するものであり、このため、後述する外部アンテナ36と、リム55の壁部を介することなく対向することが可能となるものである。
次に、制御処理装置30について説明する。この制御処理装置30は、図7のように、電波を発信する外部アンテナ36と、該外部アンテナ36から発信する電波を形成する発振回路31と、外部アンテナ36から受信したデジタル信号を電気信号に復調する復調回路32と、該電気信号に従って、タイヤの空気圧を算出し、該空気圧が適正範囲にあるか否かを判定する演算制御回路33と、タイヤの空気圧をデジタル表示すると共に、該空気圧が異常である場合には警報を発する報知装置34とから構成されている。また、演算制御回路33は、発振回路31による、電波の発振制御も行っている。復調回路32は、外部アンテナ36が受信したデジタル信号を、バンドパスフィルタ35を介して受け取るようになっている。ここで、演算制御回路33は、中央制御装置CPU(図示省略)と記憶装置ROM(図示省略)と記憶装置RAM(図示省略)とを備えてなる。この記憶装置ROMには、復調回路32から入力した圧力電気信号及び温度電気信号から空気圧値を算出するための圧力温度関係式等の各種データや、タイヤ空気圧の基準範囲を表す基準空気圧データや、発振回路31を制御して電波を発信させるための発振データ等の固定データが格納されている。ここで、圧力温度関係式にあっては、上述の圧力センサ16の、温度雰囲気に従って変化する電気信号を、温度センサ17の電気信号により補正して、適正な圧力値を算出するために予め設定されている。この圧力温度関係式は、本発明の圧力センサ16と温度センサ17とから出力される各電気信号に応じて設定されており、該圧力センサ16の温度依存性を表している。そして、各電気信号を受信すると、記憶装置ROMから圧力温度関係式を読み込み、該関係式に各電気信号をあてはめることにより、圧力値を算出することができることとなる。一方、中央制御装置CPUは、復調回路32から入力した圧力電気信号及び温度電気信号から、記憶装置ROMに記憶されている算出データを用いてタイヤ空気圧値を算出する処理と、この算出した空気圧値を前記基準空気圧データと比較して、正常か異常かを判定する処理と、該正常又は異常の判定結果に従って報知装置34により報知させる処理とを行う。また、前記のように、発振回路31に電波を発振させる処理等も行っている。
また、上記の報知装置34は、自動車51の運転者が容易に視認できる位置にデジタル表示器(図示省略)が設けられていると共に、該運転車が警報を充分に認識できる位置に警報機(図示省略)が配設されている。例えば、デジタル表示器は、スピードメータ等の配されているパネル内に配されているものとすることができる。また、警報機は、ラジオ等の音を流すスピーカーとすることもできる。但し、このスピーカーは、ラジオ等の切断中であっても、警報を発することのできる構成とする。
次に、上述したセンサ装置2(2a,2b)及び制御処理装置30から構成されるタイヤ空気圧検知装置Sにより、自動車51のタイヤ52の空気圧を検知する過程を、図8に従って説明する。
自動車51のエンジン始動等により、制御処理装置30の演算制御回路33は、発振回路31にセンサ装置2の電源用の電波発振の指示を出力する。この指示に従って発振回路31は、タイヤハウス53に配設された外部アンテナ36から所定の交流電波を発信する。尚、この交流電波は、四箇所のタイヤハウス53の、全ての外部アンテナ36で同期して行われる。
自動車51のエンジン始動等により、制御処理装置30の演算制御回路33は、発振回路31にセンサ装置2の電源用の電波発振の指示を出力する。この指示に従って発振回路31は、タイヤハウス53に配設された外部アンテナ36から所定の交流電波を発信する。尚、この交流電波は、四箇所のタイヤハウス53の、全ての外部アンテナ36で同期して行われる。
このように制御処理装置30の外部アンテナ36から発信された電波を、タイヤバルブ1のリム55の側方へ突出した外側部位7内に配設されたコイルアンテナ3が受信すると、該電波は送流量制限回路10に流れていく。そして、この電波は、送流量制限回路10により所定量に制限されて整流回路15に流れていく。尚、送流量制限回路10は、コイルアンテナ3から電波を入力している間、整流回路15に電流を流し続けている。
整流回路15は、上述したように、送流量制限回路10を通じて入力した交流電波を、ダイオードからなる、例えばブリッジ回路により直流電流に整流し、駆動電流を生成する。そして、この駆動電流を電流貯留回路11に出力する。尚、整流回路15は、送流量制限回路10から電流を入力している間、駆動電流を生成し、電流貯留回路11に出力し続ける。この駆動電流は、電流貯留回路11に流れ込むに従ってコンデンサに充電されていく。そして、電流貯留回路11のコンデンサに、圧力センサ16、温度センサ17、A/Dコンバータ18、変調回路19を作動させる作動電力となる所定充電量まで、駆動電流が充電されると、該電流貯留回路11からコントロール回路28に電気信号を出力する。この電気信号を入力したコントロール回路28は、半導体集積回路チップ20にON信号を出力する。そして、このON信号を入力した、圧力センサ16、温度センサ17、A/Dコンバータ18、変調回路19はそれぞれ必要量の駆動電流を、電流貯留回路11から得て、各作動を実行することとなる。ここで、電流貯留回路11のコンデンサは、引き続き駆動電流を充電すると共に、各実装部品に駆動電流を放電することとなっており、充放電が繰り返し行われている状態となる。
ここで、コントロール回路28からのON信号を入力した圧力センサ16は、電流貯留回路11から一定量の駆動電流を得て、該駆動電流をシリコンダイヤフラム22の上側部(圧力検知部)24の両端縁と夫々に接続された電極26a,26b間に流す。そして、この電極間の電圧を測定する。すなわち、上述したように、タイヤ空気圧によって押圧された上側部24が下方に変形して、該上側部24の抵抗の変化によって変化する、各電極26a,26b間の電圧を測定することにより、該タイヤ空気圧を測定している。このように電圧を測定すると、圧力センサ16は、該電圧値を圧力電気信号としてA/Dコンバータ18に出力する。
また、コントロール回路28からのON信号を入力した温度センサ17は、上記した圧力センサ16の電圧測定と同期して、電流貯留回路11から駆動電流を得て、バンドギャップ回路45の出力端子42a,42bに生じる基準電圧によってトランジスタ47のベース43・エミッタ44間に発生する電圧変化を測定する。すなわち、この変化した電圧値Vを測定することにより、タイヤ内の温度を測定している。このように電圧を測定すると、温度センサ17は、該電圧値を温度電気信号としてA/Dコンバータ18に出力する。
そして、A/Dコンバータ18は、上述の圧力電気信号を圧力センサ16から受信し、温度電気信号を温度センサ17から受信すると、コントロール回路28からのON信号により電流貯留回路11から得た駆動電流によって、各電気信号をそれぞれ圧力デジタル信号と温度デジタル信号とに変換する。そして、このA/Dコンバータ18は、圧力デジタル信号と温度デジタル信号とを変調回路19に出力する。尚、このA/Dコンバータ18以降は、圧力センサ16からの一個のデータと、温度センサ17から一個のデータを一組として扱い、圧力センサ16の温度補償が適正に行われるようにする。
このように、変調回路19は、A/Dコンバータ18から圧力デジタル信号と温度デジタル信号とを入力すると、コントロール回路28からのON信号により電流貯留回路11から得た駆動電流によって、各デジタル信号を、無線通信用の出力波形にのるようにデジタル変調する。そして、変調した圧力デジタル信号及び温度デジタル信号を、増幅回路12に出力する。これらデジタル信号を入力した増幅回路12は、電流貯留回路11から得た駆動電力により、該デジタル信号をコイルアンテナ3から発信する。
このような、コントロール回路28から発したON信号によって開始した、圧力センサ16及び温度センサ17の測定から、コイルアンテナ3の発信に至る一連の流れは、電流貯留回路11に蓄積された駆動電流が所定量以下となることによって、該コントロール回路28がOFF信号を発する(図示省略)まで、断続的に実行されることとなる。このため、各実装部品の作動時間の間隔に従って、圧力センサ16と温度センサ17の測定した信号がタイヤバルブ1のコイルアンテナ3から発信される。
上述のようにコイルアンテナ3から発信されたデジタル信号を、タイヤハウス53に配設された外部アンテナ36が受信すると、該デジタル信号はバンドパスフィルタ35を介して復調回路32に入力される。そして、この復調回路32は、このデジタル信号を復調して、圧力電気信号と温度電気信号とを演算制御回路33に出力する。これら電気信号を受信した演算制御回路33は、各電気信号から、上述の圧力センサ16が測定した圧力電圧値と、温度センサ17が測定した温度電圧値とを読み取る。そして、圧力センサ16の有する温度依存性に従って予め設定されている圧力温度関係式により、この圧力電圧値を、温度電圧値により温度補償して、タイヤ空気圧を算出する。さらに、温度電圧値からタイヤ内温度も算出する。このように算出したタイヤ空気圧とタイヤ内温度とを、予め設定した空気圧基準範囲、温度基準範囲とそれぞれ比較し、該基準範囲内に収まっているか否かを判定する。
ここで、タイヤ空気圧とタイヤ内温度とが基準範囲内であった場合には、演算制御回路33は、報知装置34のデジタル表示器(図示省略)に、このタイヤ空気圧と温度との各値をグリーン色により表示する。一方、基準範囲外であった場合には、演算制御回路33は報知装置34のデジタル表示器に各値をレッド色により表示して強調すると共に、警報機(図示省略)から所定の警報音を発する。このように、デジタル表示器と警報機により、タイヤ空気圧の異常を報知することにより、タイヤ52の異常を運転者に確実かつ迅速に知らせることが可能である。
このようなタイヤ空気圧とタイヤ内温度とは、演算制御回路33に従って発振回路31が電波を発信し、基板型センサ装置2が該電波から生成した駆動電流を電流貯留回路11に所定充填量蓄積している間、所定時間間隔で断続的に検出されることとなる。本実施形態例にあって、この演算制御回路33は、自動車51のエンジンスタートから停止までの間で電波を発信し続けるようにしている。ここで、エンジンが停止した場合には、電波の発信が停止し、電流貯留回路11から駆動電流が放電するだけとなるから、蓄積された駆動電流量が所定充填量以下となると、上述したようにコントロール回路28は各実装部品にOFF信号を発し、各作動を停止させる。これにより、タイヤ空気圧及び温度を検知する上述した一連の過程が停止することとなる。このように、本タイヤ空気圧検知装置Sは、タイヤ52のタイヤ空気圧とタイヤ内温度とを、自動車51のエンジンスタートからエンジン停止まで、ほとんど常時検知していることとなっている。而して、運転者は、タイヤ52に異常が発生し、空気圧や温度異常となると、直ちにこれを知得することができ、点検や所定の処置を行うことが可能となるから、自動車51の安全性を一層高めることができる。
上述したセンサ装置2(2a,2b)は、駆動電力を生成する整流回路15と、半導体素子による圧力センサ16及び温度センサ17と、コンデンサやダイオード等からなる他の各回路とから構成し、各実装部品をそれぞれ極めて小型かつ薄肉形状としたことにより、該センサ装置2の形状を小型とすることが可能となっている。特に、基板型センサ装置2を小型かつ薄肉形状とするに寄与した要因としては、半導体素子からなる、極めて小型かつ薄肉形状の圧力センサ16を配設すると共に、温度センサ17を併設することにより、該圧力センサ16の温度補償を行い、温度変化するタイヤ内でも、適正に空気圧を検出できるようにしたことがある。これにより、単独で温度補償されている比較的大型の圧力センサを用いる必要が無く、基板型センサ装置2の小型薄肉化を大きく前進させることとなっている。さらには、整流回路15により電池を設けない構成としたことや、中央制御装置CPUや記憶装置等を配置せず、各実装部品間は電流か信号の入出力のみとしたこと等がある。また、半導体集積回路チップ20に配した各実装部品が半導体素子からなるものであるから消費電流も少なく、一層の小型化ができるようになったことも要因の一つである。このように、上述のセンサ装置2は、小型であることから、タイヤバルブ1の内側部位6に、センサ装置2をモールド成形により埋設することが可能となっている。このため、タイヤバルブ1をバルブステム4を中心とした同軸状とすることが可能となっている。
而して、リム55にセンサ装置2、バルブステム4を配設する場合にあっても、通常のタイヤバルブ1の組み付け作業を介して行うことができる。さらにタイヤバルブ1は整一な同軸形状であるから、タイヤ52の組み付け作業の作業性を低下させることがないと共に、該組み付け作業によって破損や脱落する可能性が極めて低い。また、このセンサ装置2は、極めて軽量であることから、タイヤバルブ1の重心を大きく変化させることもなく、この結果、該ホイール54の重量バランスに影響しないため、タイヤ組み付け体のバランス調整が容易となる。
而して、リム55にセンサ装置2、バルブステム4を配設する場合にあっても、通常のタイヤバルブ1の組み付け作業を介して行うことができる。さらにタイヤバルブ1は整一な同軸形状であるから、タイヤ52の組み付け作業の作業性を低下させることがないと共に、該組み付け作業によって破損や脱落する可能性が極めて低い。また、このセンサ装置2は、極めて軽量であることから、タイヤバルブ1の重心を大きく変化させることもなく、この結果、該ホイール54の重量バランスに影響しないため、タイヤ組み付け体のバランス調整が容易となる。
その他、上述した実施形態例の温度センサ17を、サーマルダイオードを備えた構成とすることも可能である。このサーマルダイオードを用いても、上述した実施形態例と同じ作用効果を発揮することが可能である。一方、このような温度センサ17にあっては、上述した実施形態例で設定した温度範囲−30℃〜120℃程度の他、測定可能な温度範囲が異なるように設定したセンサを使用しても良い。例えば、さらに広い温度範囲を適正に検出できる温度センサを配設することにより、温度補償範囲を拡げ、タイヤ内の一層大きな温度変化に対応可能とすることも可能である。
また、上述した実施形態例にあっては、増幅回路12が、変調回路19から入力した信号を増幅し、この増幅した信号を常時発信している電波に乗せて発信するようにした構成としているが、その他の構成として、変調回路19からデジタル信号を入力した場合に限って、該信号を増幅してコイルアンテナのコイル両端を短絡制御する、いわゆる負荷変調するようにしたものとしても良い。この負荷変調する回路としても、上述の実施形態例と同様、変調回路19から入力した信号を適正に制御処理装置30に送ることができる。
一方、上述した実施形態例にあっては、タイヤ空気圧検知装置Sが自動車51のエンジン始動開始により起動するようにしたものであるが、その他の構成として、当該自動車51のキーによるドア施錠操作によって起動する構成や、キーレスエントリーシステムによるドア施錠操作によって起動する構成等とすることも可能である。又は、タイヤ空気圧検知装置Sを起動するための特定のスイッチ等を配設するようにしても良い。
S タイヤ空気圧検知装置
1 タイヤバルブ
2 センサ装置
3 コイルアンテナ
4 バルブステム
5 樹脂外皮部
6 内側部位
7 外側部位
10 送電量制限装置
11 電流貯留回路
12 増幅回路
15 整流回路
16 圧力センサ
17 温度センサ
20 半導体集積回路チップ
30 制御処理装置
34 報知装置
36 外部アンテナ
1 タイヤバルブ
2 センサ装置
3 コイルアンテナ
4 バルブステム
5 樹脂外皮部
6 内側部位
7 外側部位
10 送電量制限装置
11 電流貯留回路
12 増幅回路
15 整流回路
16 圧力センサ
17 温度センサ
20 半導体集積回路チップ
30 制御処理装置
34 報知装置
36 外部アンテナ
Claims (6)
- 円管状バルブステムの周囲に樹脂外皮部をモールド成形してなる同軸構造をなし、ホイールのリムに貫通して固定されるタイヤバルブにあって、
タイヤ空気圧を演算するための演算制御回路に接続された外部アンテナと交信するコイルアンテナと、
コイルアンテナと接続され、タイヤ内側の空気圧に従って圧力電気信号を測定する圧力センサと、該圧力センサからの各電気信号を、無線送信用のデジタル信号に夫々に変換する変換回路と、前記コイルアンテナから受信した電波を変換し、各センサ及び変換回路への駆動電流を生成する整流回路とを備えたセンサ装置とを備え、
リムの側方へ突出する樹脂外皮部の外側部位に、電波を送受信するコイルアンテナを、バルブステムの周囲で巻回するようにして埋設するようにし、さらにリムからタイヤ内部に突出する樹脂外皮部の内側部位に、センサ装置を埋設するようにしたことを特徴とするタイヤ空気圧検知手段を備えたタイヤバルブ。 - 前記センサ装置は、プリント基板上に各回路部品を実装してなる基板型センサ装置である請求項1記載のタイヤ空気圧検知手段を備えたタイヤバルブ。
- 前記センサ装置は、半導体集積回路チップ上に各回路部品を配設してなるチップ型センサ装置である請求項1記載のタイヤ空気圧検知手段を備えたタイヤバルブ。
- 前記センサ装置は、コイルアンテナと接続され、タイヤ内側の空気圧に従って圧力電気信号を測定する圧力センサと、タイヤ内側の温度に従って温度電気信号を測定する温度センサと、該圧力センサ及び温度センサからの各電気信号を、無線送信用のデジタル信号に夫々に変換する変換回路と、前記コイルアンテナから受信した電波を変換し、各センサ及び変換回路への駆動電流を生成する整流回路とを備えたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のタイヤ空気圧検知手段を備えたタイヤバルブ。
- 請求項4のタイヤ空気圧検知手段を備えたタイヤバルブと、
該タイヤバルブのコイルアンテナと電波の送受信を行う外部アンテナと、該外部アンテナから発信する電波を制御すると共に、コイルアンテナから受信したデジタル信号を演算処理し、圧力電気信号を温度電気信号により温度補償してタイヤ空気圧値を算出する演算制御回路とを具備する制御処理装置と
を備えたことを特徴とするタイヤ空気圧検知装置。 - 前記制御処理装置が、演算制御回路の算出したタイヤ空気圧値に従って、該タイヤ空気圧値の正常又は異常を報知する報知装置を備えていることを特徴とする請求項5記載のタイヤ空気圧検知装置。
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