JP2011506204A - タイヤの圧力測定 - Google Patents
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Abstract
【技術課題】
本発明はタイヤのバルブステム(21)を提供する。
【解決手段】
バルブステム(21)は、タイヤ内の圧力を測定するために、少なくとも1つの電気回路を備える。回路は容量形圧力センサ(5)及び誘導コイル(6)を備える。誘導コイル(6)はバルブステム(21)の周りにコイル状に巻回される。
【選択図】図3
本発明はタイヤのバルブステム(21)を提供する。
【解決手段】
バルブステム(21)は、タイヤ内の圧力を測定するために、少なくとも1つの電気回路を備える。回路は容量形圧力センサ(5)及び誘導コイル(6)を備える。誘導コイル(6)はバルブステム(21)の周りにコイル状に巻回される。
【選択図】図3
Description
本発明は、タイヤ内の圧力を測定するための電気回路を備えたバルブステムに関する。
欧州特許出願EP0202375号において、タイヤの圧力変化を測定するために、パッシブな発振回路の使用が開示されている。開示された回路の固有周波数は、タイヤ内の圧力変化に伴い変化する、回路の容量値に左右される。固有周波数は、タイヤ外部のコイルへの誘導結合によって測定される。共振回路を使用してタイヤ内の圧力を測定することは、特に内部電源を必要としないという理由から、製造コストが安価であり、一般的に信頼できるため、有利になり得る。しかし、EP0202375号に記載されているような測定システムは、理想とはかけ離れている。このシステムでは、圧力を作用させるために、構成部品をタイヤの内壁に配置する必要があり、その取付や交換が難しい。また、タイヤの使用中には、損傷の影響を受けやすい。取付が容易で、より丈夫であると同時に、使用時及びメンテナンス時の作業をより簡単に行うことができるシステムを提供することが望ましい。遠隔操作によりタイヤの圧力を監視するその他のシステムは、EP0108176号及びDE4242861号にも開示されている。
本発明はタイヤのバルブステムを提供する。バルブステムは、タイヤ内の圧力を測定するために、少なくとも1つの電気回路を備える。回路は容量形圧力センサ及び誘導コイルを備える。誘導コイルはバルブステムの周りにコイル状に巻回される。
このようにして、本発明はタイヤ内の状態を監視するためのシンプルな方法を提供する。回路の共振周波数はタイヤ内の圧力の変化に伴って変化するが、この共振周波数は、コイルを遠隔検出器に結合することによって測定することができる。回路をバルブステム内に配置することにより、タイヤ及びホイールの金属部品により電磁的にシールドされることなく、センサをタイヤ内の空気圧にさらすことができる。
本発明の一実施形態によると、バルブステムは取り外しができるように第2部分に取り付けられた第1部分を備える。第1部分は電気回路装置を備え、第2部分は使用中のタイヤに接続される。第1部分は、ねじ山、クランプ又はその他類似の必要な時に解除できる機械的手段を使って第2部分に取り付けることができる。第2部分は、このような機械的手段を使ってタイヤに取り付けても、又は化学接着剤、はんだ、もしくはその他適切な方法を用いて、より恒久的に接着させることにより取り付けてもよい。本実施形態の回路において故障が生じた場合は、第1部分を取り外してメンテナンスを行ったり、完全に取り替えたりすることが可能である。同様に、タイヤが故障した場合は、第1部分を別のタイヤにおいて容易に使用することができる。第1部分はダストキャップ又はステム延長部であってもよい。第1部分はバルブ又はバルブの取付に適した箇所を備えていてもよい。あるいは、第2部分はバルブを備え、第1部分は第2部分に取り付けられた時に第2部分のバルブを開放するのに適したプロング又はその他の適切な装置を備えていてもよい。
バルブステムは誘導コイルを収容するのに適した凹部を備えていてもよい。凹部を設けることにより、コイルが損傷したり、その形状が崩れたりするのを防ぐ。凹部は通常、誘導コイルを設置できるようにバルブステムの1つ又は複数の面に設けられた一連のくぼみを含む。
誘導コイルは、バルブステムの外面に設置してもよい。しかし、バルブステムが適切な非磁性材料から成る場合には、誘導コイルをバルブステムの内面に設置することもできる。
本発明によると、圧力に伴って変化するのはセンサの容量である。回路の共振周波数は回路のインダクタンスと容量との両方に依存することから、センサのインダクタンス、又は容量とインダクタンスの両方が圧力に伴って変化するセンサを使用することもできる。
圧力の代わりに、又は圧力と同様に、他の変数を測定することが望ましい。例えば、測定する変数としては温度が挙げられる。必要であれば、2つ以上の変数が測定できるようにバルブステムが複数の回路を含んでいてもよい。
以下に例として本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
ダストキャップにおける本発明の第1の実施形態の断面図を示す図である。
バルブステム延長部における本発明の第2の実施形態の断面図を示す図である。
バルブステムにおける本発明の第3の実施形態の断面図を示す図である。
図1、2、3に示す本発明の実施形態における使用に適した遠隔検出装置を示す回路図である。
図1は、ダストキャップ1における本発明の一実施形態を示す。ダストキャップ1には、タイヤのバルブステムにねじ止めすることができるように、第1ねじ山2が設けられる。ダストキャップ1がステムにねじ止めされると、ゴムシール3により密封される。ダストキャップ1にはプロング4も設けられているため、このシールが必要となる。プロング4は、ステム内のバルブを押し下げ、ダストキャップ内の空気圧とタイヤ内の空気圧とを均一にする。ゴムシール3は、空気がタイヤの外の環境に漏れ出すのを防ぐ。
圧力センサ5はダストキャップ1の内側に設置され、孔7を介してダストキャップ1の外側の第1コイル6に接続される。圧力センサ5は、孔7からの空気の漏れを防ぐため、環状のシール材8内に設置される。より効果的に密封するために、シール材8は深部まで適用される。ワイヤが孔7から外れた場合に失われる空気量を減らすため、孔は長く、かつ細くなっている。
圧力センサ5は、適切な弾性誘電体材料によって分離された2枚のプレートを有するコンデンサである。プレート間の距離が強制的に近づけられたり遠ざけられたりするため、圧力センサの容量は、コンデンサにかかる圧力に伴って変化する。よって、圧力センサ5及び第1コイル6は、インダクタンスが固定で容量が可変の共振回路を形成する。回路の共振周波数(ω)は、インダクタンス(L)及び容量(C)と次の式のとおり関係を有する:
ω=(LC)−1/2
ω=(LC)−1/2
コイルのインダクタンスは固定のため、共振周波数から、圧力センサ5の容量及びダストキャップ1内の空気圧を計算することができる。共振周波数は、図4に示すように、第1コイル6との結合に適したサーチコイル32を含む遠隔検出装置31を使用して、遠隔操作で測定することができる。
ダストキャップ1は、鋼鉄又はニッケル−鉄合金など、電磁透過性の高い材料によって形成される。第1コイル6のコアのほとんどをダストキャップが占めるため、このような特性を有する材料を使用することにより、コイルのインダクタンスが大きくなる。インダクタンスが大きくなると、第1コイル6と検出コイルとの間の結合が強くなり、より離れた距離からでもキャップのスキャンが可能になる。しかし、プラスチックなど透過性の低い材料によってキャップが形成される実施形態もあり、その理由としては、その場合でも要求されるコイル6の働きは妨げられないこと、及び、金属を使用するよりもプラスチックでダストキャップ1を製造したほうが安価であることが挙げられる。更に、取り替えられる古いダストキャップと全く同じようにダストキャップ1を製造したほうが、盗難の被害に遭いにくい。
ダストキャップ1は、タイヤの圧力を下げたり、タイヤのステム内の既存のバルブを取り除いたりする必要がなく、すでに空気の入ったタイヤに装着することが可能である。また、ダストキャップ1は、タイヤ間での取替を容易に行うことができる。
図2は、バルブステム延長部11における本発明の第2の実施形態を示す。この延長部11は第1ねじ山2及びゴムシール3を有し、これによりステムのダストキャップ用ねじ山へのねじ止めと、密封が可能となる。一般的に、重量積載物車両のタイヤのステム内のバルブは、所定の位置にねじ止めされ、取り外すことが可能である。これにより、バルブのメンテナンスの作業を行ったり、バルブを簡単に取り替えたりすることが可能になる。延長部11を取り付けるためには、まずバルブをステムから取り外し、第2ねじ山12を使って延長部11の上端にねじ止めする。次に延長部11をステム上端にねじ止めすると密封状態となるが、延長部11が取り付けられる前と同じように、バルブを使って密封状態を解くことも可能である。ダストキャップ1と同様に、延長部11は既存のステムに組み込むことができる。
延長部11を取り付けると、圧力センサ5及び温度センサ13は、タイヤ内の環境にさらされる。タイヤ内の空気圧は温度に伴い変化するため、空気の温度を把握することは誤った測定を防ぐ上でも有益である。ここでもまた、圧力センサ5はシール材8の土台に設置され、延長部11の外側の第1コイル6Aとの接続のために設けられた孔7からの空気の漏れを防ぐ。温度センサ13は、同じく延長部11の外側の第2コイル6Bに、同じような方法で取り付けられる。温度センサ13の容量は、温度に伴い変化する。
よって延長部11は、互いに異なる2つの共振周波数を有する2つの共振回路を備える。圧力センサ5及び第1コイル6Aを有する回路は、感圧共振周波数ωpを有する。温度センサ13及び第2コイル6Bを有する回路は、感温周波数ωtを有する。延長部11が経験するであろう圧力及び温度において、ωpの範囲がωtと異なるように、構成部品の特性を選択することができる。周波数を分けることにより、2つの回路の測定値を確実に区別できるようになる。ゆえに、2つの共振周波数を決定することにより、延長部11が取り付けられたタイヤ内空気の圧力及び温度の両方を、遠隔検出装置31で測定することができる。
圧力センサ5及び温度センサ15と同様に、その他の検出装置の取付及び測定が可能である。遠隔検出装置31が応答指令信号を送った場合、延長部11が固有の識別番号を提供できるように、センサを含まない固定の共振回路が複数含まれていてもよい。
延長部11は、本来圧力検出装置を組み込むように設計されていないタイヤにも装着することが可能である。故障した場合は、迅速かつ簡単に延長部11の修理の作業を行うことができ、または必要であれば交換するこができる。
図3は、応用ステム21における本発明の第3の実施形態を示す。標準的なステムと同様に、応用ステム21はバルブ22、及び標準的なダストキャップを取り付けるための雄ねじ23を有する。しかし、応用ステム21は、タイヤ内のガス圧を測定できるように、孔7を介してコイル6に接続される圧力センサ5を有する。
図4は、図1、2、3に示す本発明の各実施形態における使用に適した遠隔検出装置31を示す。サーチコイル32には、ランプ波発生器34によって駆動される可変発振器33から、振動電流が入力される。サーチコイル32がスキャンされる回路の第1コイル6に粗結合されると、その出力は、スキャンされる回路の共振周波数において変化を示す。同期復調器35は、共振による変化を識別することができるように、サーチコイルの出力から元の信号を取り除く。最後に、プロセッサ36が、サーチコイル32からの出力における変化と、ランプ波発生器34による入力における周波数の変化とを比較し、共振周波数を決定する。
本発明はタイヤのバルブステム21を提供する。バルブステム21は、タイヤ内の圧力を測定するために、少なくとも1つの電気回路を備える。回路は容量形圧力センサ5及び誘導コイル6を備える。誘導コイル6はバルブステム21の周りにコイル状に巻回される。
Claims (6)
- タイヤ内の圧力を測定するための電気回路を少なくとも1つ備えるタイヤ用のバルブステムであって、
前記回路は、
容量形圧力センサと、
誘導コイルとを備え、
前記誘導コイルは前記バルブステムの周りにコイル状に巻回される、バルブステム。 - 前記バルブステムは、取り外しができるように第2部分に取り付けられた第1部分を備え、
前記第1部分は前記電気回路を備え、前記第2部分は使用中の前記タイヤに接続される、請求項1に記載のバルブステム。 - 前記第1部分はダストキャップである、請求項2に記載のバルブステム。
- 前記バルブステムは、前記誘導コイルを収容するのに適した凹部を備える、請求項1から3のいずれか1項に記載のバルブステム。
- 前記誘導コイルは前記バルブステムの外面に設置された、請求項1から4のいずれか1項に記載のバルブステム。
- 温度を測定するための少なくとも1つの電気回路を更に備える、請求項1から5のいずれか1項に記載のバルブステム。
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