JP2005186347A - 熱転写シート、その製造方法、遮光基板、カラーフィルタ及びその製造方法 - Google Patents

熱転写シート、その製造方法、遮光基板、カラーフィルタ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 転写性に優れる熱転写シート及びその製造方法を提供する。また、所望のパターンどおりに形成され、耐溶剤性及び耐熱性に優れる遮光層を有する遮光基板及びカラーフィルタを提供する。
【解決手段】 熱転写シート用基材41の片面に、遮光性材料と、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物及び/又は1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂と、所定の温度以上でエポキシ基と反応する官能基を有する硬化剤とを含む転写層2’を有する熱転写シート40により、上記課題を解決した。
【選択図】 図4

Description

本発明は、熱転写シート、その製造方法、遮光基板、カラーフィルタ及びその製造方法に関し、更に詳しくは、カラーフィルタの製造に好ましく用いられる熱転写シート等に関する。
近年、液晶ディスプレイパネルを備えたカラー液晶表示装置が急速に普及してきている。図1は、一般のカラー液晶表示装置に用いられる単純マトリクス駆動型の液晶パネル100の一例を示す断面図である。液晶パネル100は、図1に示すように、カラーフィルタ30とガラス基材11にパターン電極8が設けられたTFT基板等の対向基板50とが対向して1〜10μm程度の間隙部10が設けられ、その間隙部10内に液晶化合物が充填され、その周囲がシール材9で密封された構造を有する。
カラーフィルタ30は、カラーフィルタ用の基材1(本明細書においては遮光基板用基材1という。)上に、画素間の境界部を遮光するために所定のパターンで形成された遮光層2(一般にはブラックマトリクスといわれる。)と、各画素を形成するために複数の色(通常、赤(R)、緑(G)、青(B)の光の3原色)を所定順序に配列した着色層3が形成された構造を有している。また、最近では着色層3の上に、保護膜4と、透明電極膜5とが、遮光基板用基材1に近い側からこの順に積層された構造を有している。更に、カラーフィルタ30及び対向基板50の内側の面には、配向膜6が設けられている。間隙部10には、カラーフィルタ30と対向基板50との間のセルギャップを一定且つ均一に維持するために、図1(A)に示すように、スペーサとして一定粒子径を有するパール7が分散されている。また、図1(B)に示すように、パールが分散されるかわりに、カラーフィルタ30の内側の面であって遮光層2が形成されている位置と重なり合う領域に、セルギャップに対応する高さを有する柱状スペーサ7’が形成されている場合もある。
カラーフィルタ30が備える遮光層2は、外光を吸収し、液晶ディスプレイのコントラストを向上させる役割を有するので、良好な遮光性が必要とされる。また、カラーフィルタ30の製造工程において、遮光基板用基材1に遮光層2が形成された後には、遮光層2上に着色層用塗工液、保護膜用塗工液又は配向膜用塗工液が塗工されたり、遮光基板用基材1が洗浄液(例えばイソプロピルアルコール、γ−ブチルラクトン、N−メチル−ピロリドン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、温純水等)により洗浄されたりするので、遮光層2には耐溶剤性が必要となる。更に、カラーフィルタ30の製造工程において、透明電極5の成膜・焼成時に遮光基板用基材1が120〜230℃まで加熱されるので、遮光層2には耐熱性も必要となる。
このような遮光層2は、エッチングによって形成されるのが一般的である。エッチングによる遮光層2の形成は、遮光性材料が含有された樹脂を遮光基板用基材1上に塗工し、フォトリソグラフィを用いてパターンを形成することにより行われる。通常、薄膜である遮光層2の遮光性を高めるために、遮光性材料の含有量を比較的多くする必要がある。しかし、フォトリソグラフィで用いられる光(例えば紫外線等)は、遮光性材料の含有量が高い樹脂内に浸透し難いので、パターンどおりの遮光層2を得ることが困難であった。また、パターンどおりの遮光層2を得るためには、遮光性材料の含有量を少なくしなければならず、遮光層2の遮光性が低くなるという問題があった。
このような問題を解決するために、遮光層2の形成に転写方式を用いることが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。転写方式とは、遮光層2を転写するための全面ベタ状の層(以下、転写層という。)を有する熱転写シートを用い、この熱転写シートの転写層側の面を遮光基板用基材1に接触させ、遮光層2の形成パターンに応じたパターンにしたがって熱転写シートにレーザ光等の光を照射して転写層を溶融させることにより、溶融された転写層を遮光基板用基材1上に転写させて遮光層2を形成する方法である。なお、ここでいう「溶融」とは、固体状の物質が加熱されることにより柔らかくなり変形することをいう。この方式によると、遮光性を低下させることなく、所望のパターンどおりの遮光層2を比較的形成し易い。このような転写方式は、着色層3の形成において利用されていたものである(例えば、特許文献2及び3を参照。)。しかし、遮光層2は、着色層3と比較してパターンの線幅が小さく、着色層3の形成に用いられる転写方式をそのまま遮光層2の形成に用いても、所望のパターンどおりに転写し難かった。
このような場合には、一般に、遮光性材料を含む架橋性のない柔軟な熱可塑性樹脂で転写層を形成し、溶融し易い柔軟な転写層とすることが考えられる。
特表2003−502685号公報 特開平7−104113号公報 特開平10−206625号公報
しかしながら、遮光性材料を含む架橋性のない熱可塑性樹脂で転写層を形成した場合には、転写層の転写性(以下、転写層がパターンどおりに転写される性質をいう。)は良好であるものの、形成された遮光層2は架橋されないので、強固な層にはならず、また、遮光基板用基材1との接着性も弱くなってしまう。その結果、遮光層2の耐溶剤性及び耐熱性が低下し、カラーフィルタの製造時に遮光層2が遮光基板用基材1から剥れてしまうという問題があった。
また、遮光層2の耐溶剤性等を考慮して、遮光性材料を含む熱硬化性樹脂で転写層を形成した場合には、熱転写シートの製造時の加熱等により硬化反応が進んで、転写される前に転写層が硬化してしまうことがあった。その結果、転写層のうち一旦硬化した部分は転写時の熱により溶融しないので転写されず、所望のパターンどおりに遮光層2を形成できないという問題があった。また、転写層は硬化反応が進むと塗膜強度が大きくなってしまい、転写後に遮光基板用基材1から熱転写シートを剥離する際、溶融した転写層と溶融していない転写層とが分離され難くなってしまう。その結果、この熱転写シートは、転写後の転写層の縁部が曲がってしまうので、直線状パターンの遮光層を形成できず、転写性が悪いという問題があった。また、熱転写シートを長期間保管等した後に使用した場合には、保管等している間に硬化反応が進み、転写性が低下するという問題や、転写性が低下しないように熱転写シートを保管するのが困難であるという問題もあった。
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであって、その目的は、転写性に優れる熱転写シート、その製造方法、耐溶剤性・耐熱性に優れる遮光層を有する遮光基板、パターンどおりに形成され、耐溶剤性・耐熱性に優れた遮光層を有するカラーフィルタ及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の熱転写シートは、熱転写シート用基材の片面に、遮光性材料と、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物及び/又は1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂と、所定の温度以上でエポキシ基と反応する官能基を有する硬化剤とを含む転写層を有することを特徴とする。
この発明によれば、熱転写シートの有する転写層は、上記のエポキシ化合物及び/又はエポキシ樹脂と所定の温度以上でエポキシ基と反応する硬化剤とを含むので、熱転写シートの転写層が転写される前(例えば、熱転写シートの製造時や保管時等)の温度をその所定の温度未満に設定すると、硬化反応が進行し難い。その結果、この熱転写シートを用いて遮光基板やカラーフィルタを製造する際、転写層が転写時の熱で溶融し易くなり、カラーフィルタの遮光層をパターンどおりに形成できる。また、この発明によれば、転写層は、上記の所定の温度以上に加熱されると硬化反応が進行し易くなる。その結果、この熱転写シートを用いて遮光基板やカラーフィルタを製造する際、転写層を遮光基板用基材に転写した後に、この転写層を上記の所定の温度以上に加熱すると、遮光基板用基材との接着性に優れる強固な遮光層が形成されるので、遮光基板及びカラーフィルタの遮光層の耐溶剤性及び耐熱性を向上させることができる。更に、この発明によれば、熱転写シートを保管する際の温度を上記の所定の温度未満に設定しておくことで、転写層に含まれる硬化剤の硬化反応を抑制できるので、転写性が低下しないように保管することが容易な熱転写シートとなる。
上記課題を解決するための本発明の熱転写シートは、熱転写シート用基材の片面に、遮光性材料と、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物及び/又は1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂と、所定の温度以上で解離するブロック剤が結合したカルボキシル基を1分子中に2個以上有する硬化剤とを含む転写層を有することを特徴とする。
本発明の熱転写シートは、上記の熱転写シートにおいて、(A)前記遮光性材料がカーボンブラック又はチタンブラックであること、(B)前記熱転写シート用基材と前記転写層との間には、光熱変換層が形成されていること、が好ましい。
上記課題を解決するための本発明の熱転写シートの製造方法は、転写層を、遮光性材料と、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物及び/又は1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂と、所定の温度以上でエポキシ基と反応する官能基を有する硬化剤とを含む樹脂組成物で、熱転写シート用基材の片面に形成する転写層形成工程を含む熱転写シートの製造方法であって、前記転写層形成工程が前記所定の温度未満で行われることを特徴とする。
この発明によれば、転写層の形成を上記の所定の温度未満で行うので、転写層に含まれる硬化剤の硬化反応が起こり難い。その結果、転写時の加熱により容易に溶融される転写層を形成できるので、転写性に優れる熱転写シートを得ることができる。
上記課題を解決するための本発明の遮光基板は、遮光基板用基材の片面に、遮光性材料を含む所定パターンの遮光層が設けられている遮光基板であって、前記遮光層が、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物及び/又は1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂と、所定の温度以上でエポキシ基と反応する官能基を有する硬化剤とが反応した樹脂硬化物であることを特徴とする。
この発明によれば、本発明の遮光基板に設けられる遮光層は、上記のエポキシ化合物及び/又はエポキシ樹脂と上記の硬化剤とが反応した樹脂硬化物であるので、硬化剤の作用により、遮光基板用基材との接着性に優れる強固な層となり、耐溶剤性及び耐熱性に優れる層となる。その結果、本発明の遮光基板は、着色層用塗工液や保護膜用塗工液等が塗工され、また、透明電極の成膜・焼成時加熱されても、遮光層が剥がれ難い。
上記課題を解決するための本発明の遮光基板は、遮光基板用基材の片面に、遮光性材料を含む所定パターンの遮光層が設けられている遮光基板であって、前記遮光層が、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物及び/又は1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂と、所定の温度以上で解離するブロック剤が結合したカルボキシル基を1分子中に2個以上有する硬化剤とが反応した樹脂硬化物であることを特徴とする。
本発明の遮光基板は、上記の遮光基板において、前記遮光性材料がカーボンブラック又はチタンブラックであること、が好ましい。
上記課題を解決するための本発明のカラーフィルタは、上述の遮光基板を有するカラーフィルタであって、前記遮光層が開口部を有し、当該遮光層の開口部に着色層が設けられていることを特徴とする。
上記課題を解決するための本発明のカラーフィルタの製造方法は、遮光基板用基材上に遮光層と着色層とをそれぞれ所定パターンで順次形成するカラーフィルタの製造方法であって、遮光性材料と、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物及び/又は1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂と、所定の温度以上でエポキシ基と反応する官能基を有する硬化剤とを含む転写層を片面に有する熱転写シートを準備する準備工程と、前記熱転写シートの前記転写層と前記遮光基板用基材とを接触させる接触工程と、前記遮光層の所定パターンに応じたパターンにしたがって、前記熱転写シートを前記熱転写シート用基材側から加熱することにより前記遮光基板用基材上に前記転写層を転写する加熱転写工程と、前記熱転写シートを前記遮光基板用基材から剥離する剥離工程と、前記転写層を加熱することにより、当該転写層を硬化させて前記遮光層を形成する加熱硬化工程と、前記遮光層が形成された側の前記遮光基板用基材の表面に所定パターンの前記着色層を形成する着色層形成工程とを含み、前記加熱硬化工程における加熱温度が前記所定の温度以上であることを特徴とする。
この発明によれば、熱転写シートの転写層が、上記のエポキシ化合物等及び所定の温度以上でエポキシ基と反応する硬化剤を含むので、転写層が遮光基板用基材に転写される前に硬化剤の硬化反応が進行し難い。その結果、転写層が加熱硬化工程における加熱により容易に溶融し転写されるので、パターンどおりの遮光層を形成することができる。また、この発明によれば、加熱硬化工程における加熱温度が、硬化剤がエポキシ基と反応する所定の温度以上であるので、この工程において硬化反応が進行し易くなり、遮光基板用基材との接着性に優れる強固な遮光層が形成される。その結果、耐溶剤性・耐熱性に優れる遮光層を形成することができる。
上記課題を解決するための本発明のカラーフィルタの製造方法は、遮光基板用基材上に遮光層と着色層とをそれぞれ所定パターンで順次形成するカラーフィルタの製造方法であって、遮光性材料と、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物及び/又は1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂と、所定の温度以上で解離するブロック剤が結合したカルボキシル基を1分子中に2個以上有する硬化剤とを含む転写層を片面に有する熱転写シートを準備する準備工程と、前記熱転写シートの前記転写層と前記遮光基板用基材とを接触させる接触工程と、前記遮光層の所定パターンに応じたパターンにしたがって、前記熱転写シートを前記熱転写シート用基材側から加熱することにより前記遮光基板用基材上に前記転写層を転写する加熱転写工程と、前記熱転写シートを前記遮光基板用基材から剥離する剥離工程と、前記転写層を加熱することにより、当該転写層を硬化させて前記遮光層を形成する加熱硬化工程と、前記遮光層が形成された側の前記遮光基板用基材の表面に所定パターンの前記着色層を形成する着色層形成工程とを含み、前記加熱硬化工程における加熱温度が前記所定の温度以上であることを特徴とする。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、上記のカラーフィルタの製造方法において、(I)前記遮光性材料がカーボンブラック又はチタンブラックであること、(II)前記加熱転写工程の加熱を、レーザ光の照射により行うこと、が好ましい。また、(II)に記載の本発明のカラーフィルタの製造方法においては、前記熱転写シートが、前記熱転写シート用基材と前記転写層との間に更に光熱変換層を有することが好ましい。
本発明の熱転写シートによれば、耐溶剤性及び耐熱性に優れるカラーフィルタの遮光層をパターンどおりに形成することができる熱転写シートを提供できる。また、本発明の熱転写シートによれば、転写性が低下しないように保管することが容易な熱転写シートを提供できる。
本発明の熱転写シートの製造方法によれば、転写性に優れる熱転写シートを得ることができる。
本発明の遮光基板によれば、耐溶剤性及び耐熱性に優れた遮光層を有する遮光基板となる。その結果、後のカラーフィルタを形成するための処理(着色層の形成処理等)において溶剤が塗布されたりや加熱されたりしても、遮光層が剥れ難い遮光基板を提供できる。
本発明のカラーフィルタによれば、パターンどおりに形成され、耐溶剤性及び耐熱性に優れた遮光層を有するカラーフィルタを提供できる。
本発明のカラーフィルタの製造方法によれば、耐溶剤性及び耐熱性に優れる遮光層をパターンどおりに形成することができる。
以下、熱転写シート、その製造方法、遮光基板、カラーフィルタ及びその製造方法について、図面に基づき詳細に説明する。
図2は、本発明の遮光基板の一例を示す断面図である。遮光基板20は、遮光基板用基材1上に所定パターンの遮光層2が形成された構造を有する。
図3は、本発明のカラーフィルタの一例を示す断面図である。カラーフィルタ30は、上記の遮光基板20に、各画素を形成するために複数の色(通常、赤(R)、緑(G)、青(B)の光の3原色)を所定順序に配列した着色層3が形成された構造を有する。遮光層2は、各画素間の境界部を遮光するために、各画素を形成する着色層3を囲むように配置されている。カラーフィルタ30は、図1(A)及び(B)に示したように、遮光層2と着色層3とを覆うように保護膜4、透明電極5や配向膜6が更に形成されていてもよく、また、図1(B)に示したような柱上スペーサ7’が設けられていてもよい。
(遮光基板用基材)
遮光基板用基材1としては、カラーフィルタ用の基材として通常用いられる基材を用いることができ、例えば、透明なガラス基材やフィルム基材等が挙げられる。遮光基板用基材1の厚さは、通常0.1〜5.0mmである。遮光基板用基材1の表面には、遮光層2の転写性、接着性を上げる目的で、受像層等を設けたり、シランカップリング剤処理を施したりしてもよい。
(遮光層)
遮光層2は、遮光基板用基材1上の画素間の境界部に設けられて、外光を吸収し、液晶ディスプレイのコントラストを向上させる働きを有する。本発明の遮光基板20及びカラーフィルタ30の遮光層2は、図4に示すような熱転写シート用基材41の片面に全面ベタ状の転写層2’を有する熱転写シート40を用い、遮光基板用基材1上に転写層2’をパターン状に転写することにより形成される。
図5は、遮光層2がパターン状に形成された遮光基板20の一例を示す平面図である。図示の遮光層2は、アクティブマトリクス駆動型の液晶パネルに用いられるカラーフィルタの1つの隅部に形成されており、着色層3が形成されるための部位3’を囲むように設けられた直線の格子状パターンで形成されている。この遮光層2は、アクティブ素子の光劣化を防止するために、格子状パターンを形成する直線の交点から突出した領域2aを多数有している。遮光層2のパターン外周部は、液晶ディスプレイの縁部から外光が入射するのを防ぐために、遮光層2のパターン内部(パターン外周部以外の部位)の線幅よりも太くなっている。具体的には、パターン内部に位置しディスプレイ横方向に伸びる線の幅xが10〜100μmであり、パターン内部に位置しディスプレイ縦方向に伸びる線の幅yが5〜50μmであり、パターン外周部の線の幅wが2〜20mmである。なお、遮光基板用基材1の遮光層2及び着色層3が形成されない部位には、アライメントマーク35が形成されていてもよい。アライメントマーク35は、遮光基板用基材1上の適正な位置に着色層3等の形成を行うための基準となるマークである。
図6は、遮光層2の形成工程の一例を示す工程図である。遮光層2は、熱転写シート40の転写層2’側の面と遮光基板用基材1とを接触させる接触工程(図6(A))と、熱転写シート40を熱転写シート用基材41側から遮光層2のパターンに応じたパターンにしたがって加熱することにより遮光基板用基材1上に転写層2’を転写する加熱転写工程(図6(B))と、熱転写シート40と遮光基板用基材1とを剥離する剥離工程(図6(C))と、この遮光基板用基材1を加熱することにより転写層2’を硬化させて遮光層2とする加熱硬化工程(図6(D))とにより形成される。なお、図6(B)の矢印は熱転写シート40がパターンにしたがって加熱されている様子を示す。以下、熱転写シート、接触工程、加熱転写工程及び加熱硬化工程について詳細に説明する。
(1)熱転写シート:
熱転写シート40は、図4に示すように、熱転写シート用基材41上に全面ベタ状の転写層2’が一様に形成されているシートである。熱転写シート40には、図4(B)に示すように、光を吸収し熱変換させる光熱変換層42が、熱転写シート用基材41と転写層2’との間に設けられていてもよい。また、転写層2’の下には、図4(B)に示すように、転写層2’の転写性を向上させる目的で、離型層43が設けられていてもよい。更に、同様の目的で、離型層43の代わりに剥離層が転写層2’の下地層として設けられていてもよく、また、接着剤層が転写層2’の上に設けられていてもよい。
熱転写シート用基材41としては、ポリエステルフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアリレートフィルム等が挙げられる。熱転写シート用基材41は、加熱転写工程においてレーザ光による光熱変換法を用いる場合に、レーザ光のレーザ波長における光線透過率が60%以上であることが好ましく、80%であることがより好ましい。
熱転写シート用基材41の厚さは、3〜200μmであることが好ましく、50〜125μmであることがより好ましい。熱転写シート用基材41の厚さが薄すぎると、接触工程において真空密着法を用いた場合に遮光基板用基材1との密着性が悪くなり、転写感度が低下する。また、この厚さが厚すぎると、熱転写シート用基材41の搬送性が悪くなる。熱転写シート40に光熱変換層42、離型層43又は剥離層が設けられる場合には、熱転写シート用基材41の表面に、易接着処理やコロナ処理を施すことが好ましい。このような処理をすると、熱転写シート用基材41と隣接する光熱変換層42等との接着性が向上し、転写層2’の転写性が向上する。
転写層2’は、遮光基板20及びカラーフィルタ30の製造において、遮光層2のパターンに応じたパターンにしたがって加熱されて溶融することにより、遮光基板用基材1に転写されて遮光層2となる層である。転写層2’は、所望のパターンどおりに転写される転写性と、遮光層2としての適性(遮光性、耐溶剤性、耐熱性)が必要とされる。このような転写層2’は、遮光性材料と結着材を主体として構成される。
遮光性材料としては、カーボンブラック、チタンブラック等の無機物粒子が好ましく用いられる。カーボンブラック、チタンブラックは、遮光性材料であると共にレーザ光線を吸収する赤外線吸収材料でもあるので、加熱転写工程においてレーザ光による光熱変換法を用いる場合に、レーザ光をよく吸収し、効率的に熱変換できる。したがって、このような材料を用いて形成された転写層2’は、熱転写シート40に光熱変換層42が設けられていなくても効率的に溶融する。遮光性材料の粒子径は、0.01〜1.0μmであることが好ましく、0.03〜0.3μmであることがより好ましい。
結着材は、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物及び/又は1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂と、所定温度以上でエポキシ基と反応する硬化剤とを主体として構成される。このような結着材は、転写層2’に優れた転写性を付与するための熱可塑性と、遮光層2としての優れた適性(耐溶剤性及び耐熱性)を付与するための熱硬化性を同時に有する。
ここでいうエポキシ基は、オキシラン環構造を有する構造であればよく、例えば、グリシジル基、オキシエチレン基、エポキシシクロヘキシル基等を挙げることができる。
1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物としては、エポキシ基を有するモノマーの重合体や共重合体、又は、エポキシ基を有するモノマーの少なくとも1種とエポキシ基を有さないモノマーとの共重合体等が挙げられる。
エポキシ基を有するモノマーの具体例としては、グリシジルアクリレート,グリシジルメタクリレート,アクリルグリシジルエーテル,4−ビニルシクロヘキサンモノエポキシド等が挙げられる。エポキシ基を有さないモノマーの具体例としては、スチレン,ビニルトルエン,エチレン,t‐ブチルスチレン,メチルメタクリレート,メチルアクリレート,エチルメタクリレート,エチルアクリレート,ヘキシルメタクリレート,ヘキシルアクリレート,シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、パラ‐t‐ブチルシクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ステアリルアクリレート、アクリロニトリル,メタクリロニトリル,ジビニルベンゼン,N.N‐メチレンビス(アクリルアミド),エチレンジアクリレート,エチレンジメタクリレート等が挙げられる。
エポキシ基を有するモノマーとエポキシ基を有さないモノマーの重合比(エポキシ基を有するモノマー/エポキシ基を有さないモノマー)は、各モノマーの仕込み時の重量比で、1/9〜9/1の範囲にあるのが好ましい。
1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシ基を2個以上有し、カルボン酸により硬化される多官能エポキシ樹脂が挙げられる。このようなエポキシ樹脂の具体例としては、例えば、新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊(昭和62年)等に開示されているエポキシ樹脂を用いることができる。例えば、このようなエポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、3官能型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA含核ポリオール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
このようなエポキシ化合物及びエポキシ樹脂は、1分子中にエポキシ基を2個以上有する。1分子中のエポキシ基の数が2未満であると、架橋密度が小さくなり遮光層2の耐溶剤性・耐熱性が低下する。1分子中のエポキシ基の数の上限は、得られる遮光層2が加熱硬化工程により収縮しすぎない程度に適宜設定される。1分子中のエポキシ基の数が多すぎると、転写された転写層2’が加熱硬化工程により収縮しすぎて、遮光層2が所望のパターンどおりに形成されないことがある。
エポキシ化合物及びエポキシ樹脂は、転写層2’の軟化点を考慮して選択されることが好ましい。転写層2’の軟化点は、50℃以上150℃以下の範囲内にあることが好ましく、60℃以上120℃以下の範囲内にあることがより好ましい。転写層2’の軟化点が50℃より低いと、転写層2’の粘着性が高くなり熱転写シート40の保管時にブロッキングが発生して熱転写シート40の保存安定性が低下し、また、転写層2’が転写される際に遮光基板用基材1に地汚れや黒欠陥等が発生し易くなる。例えば、紫外線硬化性樹脂で形成された転写層は、粘着性が高くなり易いので熱転写シートの保管時にブロッキングが発生してしまい、保存安定性に欠けるという問題があった。また、転写層2’の軟化点が150℃より高いと、加熱転写工程時の熱で溶融し難いので転写層2’の転写感度が低下する。なお、ここでの軟化点は、熱機械的分析装置(理学電気株式会社製、型番:TMA8310)を用い、JIS‐K7196‐1991に準じて測定される。
また、エポキシ化合物及びエポキシ樹脂は、重量平均分子量が、3000〜100000の範囲にあることが好ましく、特に5000〜20000の範囲にあることが好ましい。エポキシ化合物及びエポキシ樹脂の重量平均分子量が小さすぎると、塗膜強度が弱くなるので、熱転写シート40の保管時にブロッキングが発生し易くなり、また、転写の際に遮光基板用基材1に地汚れや黒欠陥等が発生し易くなる。一方、エポキシ化合物及びエポキシ樹脂の重量平均分子量が大きすぎると、塗膜強度が強くなるので転写性が悪くなる。
エポキシ化合物及びエポキシ樹脂は、単独で用いられてもよいが、混合されて用いられることが好ましい。エポキシ化合物とエポキシ樹脂とを混合して用いる場合は、エポキシ化合物とエポキシ樹脂との重量比(エポキシ化合物/エポキシ樹脂)を、20/1〜1/20とすることが好ましい。この範囲内でエポキシ化合物の混合割合を大きくすると、転写層2’の転写性が高くすることができる。また、エポキシ樹脂の混合割合を大きくすると、遮光層2と遮光性基板用基材1との密着性が向上し、遮光層2の耐溶剤性・耐熱性を高くすることができる。
所定の温度以上でエポキシ基と反応する官能基を有する硬化剤は、所定の温度未満ではエポキシ基との反応性を有さないが、加熱により所定の温度に達すると、その分子構造が変化してエポキシ基との反応性を発揮する。
このような硬化剤としては、エポキシ基と反応する官能基を有する酸性化合物又は塩基性化合物のブロック化合物(以下、ブロック化合物という。)が好ましく挙げられる。ブロック化合物とは、エポキシ基との反応性を有する官能基に所定の温度以上で解離するブロック剤が結合している化合物であり、ブロック剤が結合していることによりその官能基のエポキシ基との反応性が一時的に抑制されている。また、このような硬化剤として、エポキシ基と反応する官能基を有する酸性化合物又は塩基性化合物の中性塩、その化合物の錯体、その化合物の高融点体、又は、その化合物のマイクロカプセル封入物等を挙げることもできる。
エポキシ基と反応する官能基としては、カルボキシル基又はアミノ基等が挙げられ、特にカルボキシル基が好ましく挙げられる。このような官能基は、1分子中に2個以上含まれていることが好ましい。1分子中のカルボキシル基の数が2未満であると、架橋密度が小さくなり遮光層2の耐溶剤性・耐熱性が低下する。1分子中の官能基の数の上限は、特に制限されないが、通常14個程度である。
好ましい硬化剤としては、所定の温度以上で解離するブロック剤が結合したカルボキシル基を1分子中に2個以上有する化合物(以下、カルボキシル基ブロック化合物という。)が挙げられる。カルボキシル基ブロック化合物とは、カルボキシル基を含有する化合物がブロック剤によりエステル体又はアミド体等となって、一時的にカルボキシル基の反応性が抑制された化合物をいう。エステル体としては、ヘミアセタールエステル体、t‐ブチルエステル体又はシリルエステル体が挙げられ、なかでもヘミアセタール体が好ましく挙げられる。このようなカルボキシル基ブロック化合物は、所定の温度以上で、ブロック剤が解離してエポキシ基との反応性を示す。
カルボキシル基ブロック化合物としては、多価カルボン酸をアルキルビニルエーテル類(ブロック剤)によりヘミアセタール体としたものが挙げられる。多価カルボン酸としては、イソフタル酸、1,2,4‐トリメリット酸、ピロメリット酸、トリス(2‐カルボキシルエチル)イソシアヌレート酸、アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、1,2‐シクロヘキサンジカルボン酸、1,4‐シクロヘキサンジカルボン酸又は1,2,3,4‐ブタンテトラカルボン酸等が挙げられる。アルキルビニルエーテルとしては、エチルビニルエーテル、n‐プロピルビニルエーテル、i‐プロピルビニルエーテル、n‐ブチルビニルエーテル、i‐ブチルビニルエーテル、t‐ブチルビニルエーテル又は2‐エチルへキシルビニルエーテル等が挙げられる。なかでも好ましいカルボキシル基ブロック化合物として、1,2,4‐トリメリット酸を、エチルビニルエーテル、n‐プロピルビニルエーテル、n‐ブチルビニルエーテル、i‐ブチルビニルエーテル又は2‐エチルへキシルビニルエーテルによりヘミアセタール体としたものが挙げられる。
硬化剤がエポキシ基と反応する所定の温度(以下、硬化剤の反応温度ということもある。)は、90℃以上200℃以下の範囲内にあることが好ましい。硬化剤反応温度が90°未満であると、熱転写シート40の製造工程での加熱や熱転写シートの長期間の保管により、転写層2’の硬化反応が進行して転写性が低下し易くなる。また、硬化剤反応温度が200℃より大きいと、転写層2’の加熱硬化工程での加熱温度を高く設定しなければならず、また、加熱硬化工程で、加熱が不十分であれば硬化に要する加熱時間が長くなってしまう。なお、硬化剤がブロック化合物である場合の硬化剤の反応温度(ブロック剤の解離温度)は、JIS‐K7121‐1987の熱重量測定法に準じて測定され、具体的には、示差走査熱量計(NETZSCH社製、型番DSC−204)を用い、硬化剤を10℃/分で23〜250℃まで昇温して測定される。
カルボキシル基ブロック化合物のブロック剤の解離温度は、用いるカルボキシル基含有化合物及びブロック剤の組合せによって任意に設定される。例えば、1,2,4‐トリメリット酸をt‐ブチルビニルエーテルによりヘミアセタール体としたカルボキシル基ブロック化合物のブロック剤の解離温度は118℃、1,2,4‐トリメリット酸をn‐プロピルビニルエーテルによりヘミアセタール体としたカルボキシル基ブロック化合物のブロック剤の解離温度は134℃、1,2,4‐トリメリット酸をn‐ブチルビニルエーテルによりヘミアセタール体としたカルボキシル基ブロック化合物のブロック剤の解離温度は166℃、1,2,4‐トリメリット酸を2‐エチルへキシルビニルエーテルによりヘミアセタール体としたカルボキシル基ブロック化合物のブロック剤の解離温度は179℃である。
硬化剤は、上記のエポキシ化合物及び/又はエポキシ樹脂の有するエポキシ基との当量比が0.2〜2.0となるように配合されていることが好ましく、特にこの当量比が0.4〜0.8となるように配合されていることが好ましい。この当量比が0.2より小さいと、遮光層2の架橋密度が小さくなり耐溶剤性・耐熱性が低くなってしまう。また、この当量比が2.0より大きいと、未反応の硬化剤により熱転写シート40の保管時にブロッキングが発生し易くなってしまう。
転写層2’には、本発明の効果を損なわない範囲で添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては、離型剤、接着補助剤、酸化防止剤、分散剤等が挙げられる。
転写層2’は、透過濃度が2.5以上、特に3.0以上の遮光性を有することが好ましい。透過濃度とは、転写層2’に入射する光の強度を、転写層2’を透過した光の強度で割った値の対数である。転写層2’すなわち遮光層2の透過濃度が高いと、この遮光層2を有するカラーフィルタ30が用いられた液晶ディスプレイのコントラストが高くなり性能が向上する。なお、ここでの透過濃度は、GretagMacbeth社製の透過濃度計D200−II(偏光フィルターなし)により測定した値である。遮光濃度(遮光性)は、転写層2’の遮光性材料と結着材との比率や転写層2’の厚さを調整することにより決定される。
遮光性材料と結着材との重量比(遮光性材料/結着材)は、3/7〜2/1であることが好ましい。遮光性材料の比率が低すぎると、遮光層2に必要な遮光性を得ることができない。一方、結着材の比率が低すぎると、加熱転写工程時に溶融する樹脂の割合が減るので、転写層2’の転写性、特に高速で転写する際の転写性が低下する。また、加熱硬化工程時に硬化する樹脂の割合が減るので、遮光基板用基材1上に形成されて遮光層2となったときの耐溶剤性が低下する。
転写層2’の厚さは、0.5〜10.0μmで、好ましくは0.8〜5.0μmである。転写層2’の厚さが薄すぎると、遮光層2に必要な遮光性を得ることができない。また、転写層2’の厚さが厚すぎると、転写層2’の塗膜強度が大きくなりすぎて、加熱転写後に遮光基板用基材1から熱転写シート40を剥離する際(図6(C)を参照。)、溶融した転写層2’と溶融していない転写層2’とが分離され難くなってしまう。その結果、転写後の転写層2’の縁部が曲がってしまうので、直線パターン状の遮光層2を形成できず、転写性が悪くなる。
転写層2’は、上記の遮光性材料と結着材とを溶媒に溶解又は分散させた転写層用塗工液を、熱転写シート用基材41の片面に塗工し、その塗膜の溶媒を乾燥させて形成される。溶媒としては、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等を用いることができ、これらは単独で用いられてもよく、また、適宜の配合比で混合されて用いられてもよい。また、塗工方法としては、バーコート法、グラビアコート法、ダイコート法等を用いることができる。
転写層2’の形成は、上記硬化剤の反応温度未満の温度条件の下で行われることが好ましく、硬化剤の反応温度よりも20℃以上低い温度条件の下で行われることが特に好ましい。硬化剤の反応温度未満の温度条件の下で形成された転写層2’は、転写層2’の形成時に硬化剤の硬化反応が進行し難い。したがって、転写層2’は、転写されるまで可塑性を維持するので、転写時の加熱により容易に溶融され、転写性が向上する。
光熱変換層42は、加熱転写工程で光熱変換法を用いる場合に、熱転写シート用基材41と転写層2’との間に設けられる。光熱変換層42は、光(例えばレーザ光)を吸収し熱変換させ、転写層2’に熱を伝えて、転写層2’を効率的に溶融させる役割を有する。光熱変換層42は、例えば加熱転写工程でレーザ光による光熱変換法を用いる場合には、レーザ波長の光線を吸収するレーザ光線吸収材料と結着材とにより構成される。
レーザ光線吸収材料としては、赤外線吸収剤等が挙げられ、特にカーボンブラックやチタンブラック等の無機物粒子が好ましく用いられる。結着材としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリレート樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂等やこれらの共重合樹脂、変性樹脂、熱硬化樹脂や、多官能アクリレートモノマー、オリゴマーの電離照射線架橋樹脂が用いられる。これらの樹脂のなかでも特に熱分解温度が200℃以上である樹脂を用いることが好ましい。このような樹脂は、耐熱性が高いので転写時にアブレーションが生じ難い。
光熱変換層42は、レーザ波長における吸光度が0.3以上であることが好ましく、より好ましくは0.4〜2.0である。吸光度とは、光熱変換層42に入射する光の強度を、光熱変換層42を透過した光の強度で割った値の対数である。光熱変換層42の吸光度が低すぎると、光熱変換の効率が低くなりエネルギーのロスが大きくなる。吸光度が高すぎると、最適な転写エネルギー範囲が狭くなるので、描画精度が悪くなり、転写層2’を所望のパターンどおりに転写することが困難となる。なお、ここでの吸光度は、株式会社島津製作所製の分光光度計UV−3100PCにより測定した値である。吸光度は、光熱変換層42のレーザ光線吸収材料と結着材との比率や光熱変換層42の厚さを調整することにより決定される。
レーザ光線吸収材料と結着材との重量比(レーザ光線吸収材料/結着材)は、1/20〜2/1であることが好ましく、特に1/10〜1/1であることが好ましい。レーザ光線吸収材料の比率が小さすぎると、光線吸収効率が低くなるので、レーザ光を充分に吸収できず転写性が低下する。また、レーザ光線吸収材料の比率が大きすぎると、塗膜強度が低下するので、アブレーションが発生し易くなる。その結果、光熱変換層42ごと遮光基板用基材1に転写されてしまい、遮光基板用基材1が汚染され易くなる。
光熱変換層42の厚さは、通常0.3〜5.0μmであり、好ましくは1.0〜3.0μmである。光熱変換層42の厚さが薄すぎると、吸光度が低くなるのでエネルギーのロスが大きくなる。また、光熱変換層42の厚さが厚すぎると、熱伝導性が低くなるので、転写層2’の転写感度が低下したり、所望の線幅を有する転写層2’を転写できず転写精度が低下したりする。
光熱変換層42は、上記の材料を溶媒に溶解又は分散させた光熱変換層用塗工液を、熱転写シート用基材41の上に塗工し、その塗膜の溶媒を乾燥させて形成される。溶媒としては、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等を用いることができ、これらは単独で用いられてもよく、また、適宜の配合比で混合されて用いられてもよい。また、塗工方法としては、バーコート法、グラビアコート法、ダイコート法等を用いることができる。
離型層43は、転写層2’の下に隣接して設けられ、転写層2’との接着性が比較的低く、また、加熱転写工程において溶融し転写されることなく熱転写シート40に残る樹脂層である。このような離型層43は、加熱転写工程において、転写層2’との界面で剥離が生じ易く、溶融した転写層2’を遮光基板用基材1に転写し易くすることができる。
離型層43は、耐熱性の高い樹脂を主体として形成されていることが好ましい。離型層43が耐熱性の高い樹脂で形成されていると、加熱転写工程で転写されないで熱転写シート40に残り、且つ、形成される遮光層2の表面形状を平坦にすることができる。そのような樹脂としては、ポリアリレート樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂等、これらの共重合樹脂、又は、これらの変性樹脂が挙げられる。また、熱硬化性樹脂や、多官能モノマーとオリゴマーとからなる電離放射線硬化性樹脂が用いられてもよい。これらの樹脂の中でも、特に軟化点が200℃以上である樹脂が好ましく用いられる。なお、離型層43の厚さは、通常0.01〜3.0μmである。
剥離層は、転写層2’の下に隣接して設けられ、熱転写シート用基材41(光熱変換層42が設けられているときは光熱変換層42)との接着性が比較的低く、また、加熱転写工程において転写層2’と共に溶融し転写される樹脂層である。このような剥離層は、熱転写工程において、転写層2’と共に溶融し、熱転写シート用基材41等との界面で剥離が生じ易いので、溶融した転写層2’を遮光基板用基材1に転写し易くすることができる。なお、剥離層は、そのまま転写後の転写層2’の上に形成されて遮光基板20を構成する。
剥離層は、転写層2’の形成に用いられる結着材で形成されていることが好ましい。このような樹脂で形成されていると、転写層2’と共に転写され易く、また、加熱硬化工程で硬化されて耐溶剤性・耐熱性に優れる層となる。なお、剥離層の厚さは、通常0.01〜3.0μmである。
接着層は、転写層2’上に設けられて、加熱転写工程時に転写層2’と遮光基板用基材1とを接着させ、転写層2’を遮光基板用基材1に転写し易くする層である。なお、接着層は、そのまま転写後の転写層2’の下に形成されて遮光基板20を構成する。接着層は、耐溶剤性・耐熱性の観点から、転写層2’の形成に用いられる結着材と同様の樹脂で形成されていることが好ましく、その厚さは通常0.05〜3.0μmである。
(2)接触工程:
接触工程は、熱転写シート40と遮光基板用基材1とを、ロール等による加圧法又は真空密着法等を用いて密着させることにより行われる。
(3)加熱転写工程:
加熱転写工程は、遮光基板用基材1に密着された熱転写シート40を、遮光層2のパターンに応じたパターンにしたがって加熱することにより、転写層2’を溶融させて遮光基板用基材1に転写させる工程である。なお、この工程では、上記したアライメントマーク35(図5を参照。)を遮光基板用基材1上に形成することができる。アライメントマーク35の形成は、具体的には、アライメントマークの形成パターンにしたがって、遮光基板用基材1に密着された熱転写シート40を加熱し、転写層2’を遮光基板用基材1に転写することにより行う。
加熱方法としては、光を照射し光エネルギーを熱エネルギに変換させて加熱する光熱変換法、発熱素子を設けたサーマルヘッドを接触させて加熱する方法、又は、ホットスタンピング法等を挙げることができ、なかでもレーザ光を用いた光熱変換法を好ましく挙げることができる。レーザ光を用いた光熱変換法(以下、レーザ転写法という。)により加熱転写を行うと、転写の解像性が向上し転写速度が高速化する。
レーザ転写法による加熱は、光径を遮光層2のパターンの線幅に設定したレーザ光で、遮光基板用基材1に密着された熱転写シート40に、所望のパターンを描画するマスクイメージング法により行う。また、所望のマスクを介して照射することにより行うこともできる。
レーザ転写法で用いられるレーザ光としては、波長780nmの半導体レーザや、波長1084nmのYAGレーザが挙げられる。
レーザ光のエネルギーは、加熱転写工程の加熱が、転写層2’の軟化点以上、硬化剤反応温度未満の温度で行われるように決定されることが好ましい。この温度範囲で転写が行われると、転写層2’が硬化せずに溶融するので転写性が向上する。レーザ光のエネルギーは、レーザ光の描画速度、照射出力、照射時間を調整することにより決定される。
(4)加熱硬化工程:
加熱硬化工程は、遮光基板用基材1上に転写された転写層2’を硬化させて、得られる遮光層2の耐溶剤性や耐熱性を向上させるための処理である。
この工程における加熱温度は、転写層2’に含有された硬化剤の反応温度以上であることが好ましい。このようにして形成された遮光層2は、硬化剤の作用により強固な層となり、また、遮光基板用基材1との接着性が向上するので、耐溶剤性・耐熱性が向上する。その結果、その後に着色層用塗工液や保護膜用塗工液等が塗工されたり、洗浄液により洗浄されたり、又は、透明電極5(図1を参照。)の成膜・焼成時に加熱されたりしても、遮光層2が遮光基板用基材1から剥がれ難い。更に、このように加熱温度を明確にすることで、この工程において不必要な加熱を防ぐことができ、カラーフィルタ30を製造する際の省エネルギー化を図ることができる。また、加熱温度を明確にすることで、加熱が不十分となることを防ぐことができ、転写層2’の硬化時間を短縮化することができる。
この工程での加熱温度は、具体的には、硬化剤の反応温度よりも10〜100℃高いことが好ましい。
(着色層)
着色層3は、遮光性基板20の遮光層2の開口部(画素部)に形成された赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の層である。着色層3は、通常マトリクス状のパターンで形成され、その配置形態としては、赤色パターン、緑色パターン及び青色パターンがモザイク型、ストライプ型、トライアングル型、4画素配置型等が挙げられる。着色層3の形成には、例えば、遮光層2の形成と同様の転写方式、顔料分散方式又はインクジェット方式を用いることができる。
顔料分散方式による着色層3の形成は、光硬化性樹脂組成物に着色顔料を分散させた着色層用塗工材料を遮光性基板20の遮光層2上に塗布し、フォトマスクを介して紫外線を照射させることにより塗膜を所望のパターン状に露光し、アルカリ現像後、クリーンオーブン等で加熱硬化させることにより行われる。インクジェット方式による着色層3の形成は、光硬化性樹脂組成物又は熱硬化性樹脂組成物に着色顔料を分散させた水系インク液を遮光性基板20の遮光層2の開口部(画素部)に吐出させ、塗膜を乾燥硬化させることにより行われる。この場合、遮光層2の開口部における遮光基板20の露出面が親水性となり、遮光層2の上面が疎水性となるように、予め遮光基板20を処理しておくことが好ましい。着色層3の厚さは、通常1.0〜5.0μm程度である。
(カラーフィルタ)
本発明のカラーフィルタ30は、上記のようにして製造されるので、所望のパターンどおりに形成された遮光層2を有する。また、この遮光層2は、耐溶剤性・耐熱性に優れているので、カラーフィルタ30の製造工程中に遮光基板用基材1から剥がれ難い。
本発明のカラーフィルタ30は、液晶表示装置等の表示装置のカラーフィルタとして用いられる。液晶表示装置のカラーフィルタとして用いられる場合には、上記したように保護膜4、透明電極5、配向膜6又は柱状スペーサ7’が設けられていてもよい。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。なお、文中、部とは固形分の重量基準のことである。
(実施例1)
(1)熱転写シートの作製:
まず、熱転写シート40を作製した。熱転写シート用基材41として、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ株式会社製、商品名:ルミラーT−60)を用い、その熱転写シート用基材41の一方の面に、下記組成の光熱変換層用塗工液Aをバーコート法によって塗布し、90℃3分間加熱することにより乾燥させて、厚さ3μmの光熱変換層42を形成した。次に、下記組成の離型層用塗工液Bをバーコート法によって塗布し、90℃2分間加熱することにより乾燥させた後、紫外線照射を行い硬化させ、厚さ1.0μmの離型層43を形成した。次に、下記組成の転写層用塗工液Cを常温常湿度下で調整した。この塗工液を常温常湿度下でバーコート法によって塗布し、90℃2分間加熱することにより乾燥させて、厚さ1.5μmの転写層2’を形成した。なお、光熱変換層42が形成された時点での熱転写シート用基材41の1084nmの波長における吸光度は1.0であった。また、下記の方法で測定した転写層2’の軟化点は、70℃であった。
〔光熱変換層用塗工液A〕
・カーボンブラック2部
・ポリアミドイミド樹脂(東洋紡績株式会社製、商品名:MT−5050)18部
・ポリエステル樹脂(東洋紡績株式会社製、商品名:バイロン200)1部
・エタノール/トルエン(重量比:1/1)79部
〔離型層用塗工液B〕
・3官能アクリレート樹脂(日本化薬株式会社製、商品名:KAYARAD TMPTA)20部
・光重合開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ株式会社製、商品名:IRUGACURE904)2部
・メチルエチルケトン/メチルイソブチルケトン(重量比:1/1)78部
〔転写層用塗工液C〕
・カーボンブラック12部
・エポキシ基含有アクリル樹脂(日本油脂株式会社製、商品名:ブレンマーCP‐50M)10部
・多官能エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート157S7)4部
・硬化剤(ブロック化カルボン酸:1,2,4‐トリメリット酸とn‐プロピルビニルエーテルとのヘミアセタール体、ブロック化率:99%、ブロック剤の解離温度:約134℃)5部
・メチルエチルケトン/トルエン(重量比:1/1)69部
〔軟化点の測定方法〕
転写層2’の軟化点を、JIS‐K7196‐1991の軟化点測定法に準じて、以下の手順で測定した。
まず、常温常湿度下で調整した上記組成の転写層用塗工液Cを常温常湿度下でバーコート法によってガラス基板上に塗布し、90℃2分間加熱することにより乾燥させて、厚さ5μmの転写層が形成された試験片を作製した。次に、熱機械的分析装置(理学電気株式会社製、型番:TMA8310)を用い、昇温条件10℃/分で23〜250℃で、その試験片についての針入温度を測定し、読み取った針入温度から軟化点を算出した。
(2)遮光基板の作製:
次に、レーザ描画装置を用いて、熱転写シート40の転写層2’の遮光基板用基材1への転写を行った。遮光基板用基材1にはガラス基板を用い、レーザ描画装置にはマスクイメージング法を使用して構成された装置を用いた。このレーザ描画装置は、図7に示すような描画システムを有し、レーザ発振器71としてレーザ波長が1084nmのYAGレーザを備えている。
まず、レーザ描画装置内のXYステージ77上に遮光基板用基材1を載置し、その遮光基板用基材1の上に、転写層2’が内側になるようにして熱転写シート40を積層し、遮光基板用基材1が熱転写シート40に覆われるように真空密着させた。
次に、XYステージをY軸方向に300mm/sのステージ速度で走査させながら、結像焦点でのレーザ光の断面が1辺20μmの略正方形状(□20μm)となるように、熱転写シート40が積層された遮光基板用基材1の熱転写シート40側にレーザ光を照射した。このとき、結像焦点におけるレーザ光の断面積当たりのレーザ出力を140mWとした。なお、ここで照射されるレーザ光は、図7に示すように、レーザ発振器71から出射されたレーザ光Lが、ビームエキスパンダー用レンズ72,73により広げられ、テレセントリック光学系用レンズ74に入射した後、ビーム形状成形用マスク75によりトップハット形状のビームに成形され、レンズ76により転写シート40の転写層2’が結像焦点となるように集光されたものである。
このようにして、平面視上で、格子状(線幅20μm)のパターンを有する転写層2’が形成された遮光基板用基材1を得た。
次に、得られた転写層2’が転写された遮光基板用基材1を、加熱炉により230℃30分加熱し、転写層2’を硬化させて遮光層2(透過濃度3.0)とし、遮光基板20を得た。
(3)カラーフィルタの作製:
次に、下記のようにして、得られた遮光基板20上に着色層3を形成し、カラーフィルタ30を作製した。
まず、遮光基板20上に、下記組成のR層用塗工液Dをスピンコート法により塗布し、塗膜を乾燥させた。その後、フォトリソグラフィにより、R層が2列おきに形成される様に塗膜をパターニングした。次に、この遮光基板20を230℃の加熱炉に入れて塗膜を硬化させてR層を形成した。
同様にして、下記組成のG層用塗工液Eを用いて、R層が形成されていない列に、2列おきにG層を形成し、また、下記組成のB層用塗工液Fを用いて、R層及びB層が形成されていない列にB層を形成して、R層、G層、B層がストライプ状に配置された着色層3を有するカラーフィルタ30を作製した。
〔R層用塗工液D〕
・赤顔料10部
・紫外線硬化樹脂20部
・光重合開始剤1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート79部
〔G層用塗工液E〕
・緑顔料10部
・紫外線硬化樹脂20部
・光重合開始剤1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート79部
〔B層用塗工液F〕
・青顔料10部
・紫外線硬化樹脂20部
・光重合開始剤1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート79部
(実施例2)
実施例1の熱転写シートの作製において、光熱変換層を設けず、転写層2’の形成に下記組成の転写層用塗工液Gを用い、また、転写層用塗工液の塗膜の乾燥温度を110℃とした以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。なお、熱転写シート用基材上に離型層、転写層を設けた構成の透過濃度は3.0であった。また、実施例1の熱転写シートにおける転写層の軟化点の測定方法において、下記組成の転写層用塗工液Gを用い、塗膜の乾燥温度を110度とした以外は実施例1と同様にして、この熱転写シートの転写層の軟化点を測定した。その結果、転写層の軟化点は70℃であった。
〔転写層用塗工液G〕
・カーボンブラック12部
・エポキシ基含有アクリル樹脂(日本油脂株式会社製、商品名:ブレンマーCP‐50M)10部
・多官能エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート157S7)4部
・硬化剤(ブロック化カルボン酸:1,2,4−トリメリット酸と2−エチルヘキシルエーテルによるへミアセタール体、ブロック化率:99%、ブロック剤の解離温度:約179℃)5部
また、実施例1の遮光基板の作製において、結像焦点でのレーザ光断面積当たりのレーザ出力を50mWに代えた以外は、実施例1と同様にして遮光基板20を作製した。
(比較例1)
実施例1の熱転写シートの作製において、転写層の形成に下記組成の転写層用塗工液Hを用いた以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。また、実施例1の熱転写シートにおける転写層の軟化点の測定方法において、下記組成の転写層用塗工液Hを用いた以外は実施例1と同様にして、この熱転写シートの転写層の軟化点を測定した。その結果、転写層の軟化点は70℃であった。
次に、実施例1の遮光基板の作製において、この熱転写シートを用いた以外は実施例1と同様にして遮光基板を作製した。
〔転写層用塗工液H〕
・カーボンブラック12部
・エポキシ基含有アクリル樹脂(日本油脂株式会社製、商品名:ブレンマーCP‐50M)10部
・多官能エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート157S7)4部
・メチルエチルケトン/トルエン(1/1)74部
(比較例2)
実施例1の熱転写シートの作製において、転写層の形成に下記組成の転写層用塗工液Iを用いた以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。また、実施例1の熱転写シートにおける転写層の軟化点の測定方法において、下記組成の転写層用塗工液Iを用いた以外は実施例1と同様にして、この熱転写シートの転写層の軟化点を測定した。その結果、転写層の軟化点は70℃であった。
また、実施例1の遮光基板の作製において、この熱転写シートを用いた以外は実施例1と同様にして遮光基板を作製した。
〔転写層塗工液I〕
・カーボンブラック12部
・エポキシ基含有アクリル樹脂(日本油脂株式会社製、商品名:ブレンマーCP‐50M)10部
・多官能エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート157S7)4部
・硬化剤(酢酸、硬化剤反応温度:常温)5部
・メチルエチルケトン/トルエン(1/1)69部
(転写性の評価)
実施例及び比較例において作製した遮光基板を目視で観察することにより、実施例及び比較例の熱転写シートの転写性を評価した。その結果、実施例1、2及び比較例1の遮光基板は、パターンどおりの遮光層が形成されており、実施例1及び比較例1の熱転写シートは転写性が良好であった。一方、比較例2の遮光基板の作製においては、転写層が転写されず、遮光層が形成されていなかった。
(耐溶剤性の評価)
実施例及び比較例において作製した遮光基板を、イソプロピルアルコール、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、温純水(80℃)のそれぞれの溶剤に30分間浸漬した後、遮光層の剥がれの有無を目視で観察することにより、遮光基板の耐溶剤性を評価した。
その結果、実施例1、2の遮光基板は、遮光層の剥がれは見られず耐溶剤性に優れていた。一方、比較例1の遮光基板は、遮光層がγ−ブチロラクトン及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解してしまい、耐溶剤性が悪かった。なお、比較例2の遮光基板については、遮光層が形成されなかったので評価していない。
(耐熱性の評価)
実施例及び比較例の遮光基板上に、ITO電極を200℃で真空成膜させた後に、遮光層表面に熱収縮によるしわの発生の有無を光学顕微鏡で観察することにより、遮光基板の耐熱性を評価した。
その結果、実施例1、2の遮光基板は、遮光層表面にしわの発生は見られず、耐熱性に優れていた。なお、比較例1の遮光基板については、遮光層が溶剤によって溶けてしまったので評価していない。また、比較例2の遮光基板については、遮光層が形成されなかったので評価していない。
図1(A)は液晶パネルの一例を示す断面図であり、図1(B)は液晶パネルの他の一例を示す断面図である。 本発明の遮光基板の一例を示す断面図である。 本発明のカラーフィルタの一例を示す断面図である。 図4(A)は本発明の熱転写シートの一例を示す断面図であり、図4(B)は本発明の熱転写シートの他の一例を示す断面図である。 本発明の遮光基板の一例を示す平面図である。 図6(A)〜(D)は、本発明のカラーフィルタの製造方法の一部工程を説明するための工程図である。 レーザ描画装置のレーザ光線描画システムの一例を示す模式図である。
符号の説明
1 遮光基板用基材
2 遮光層
2’ 転写層
3 着色層
4 保護層
5 透明電極
6 配向膜
7’ 柱上スペーサ
20 遮光基板
30 カラーフィルタ
40 熱転写シート
41 熱転写シート用基材
42 光熱変換層
43 離型層

Claims (14)

  1. 熱転写シート用基材の片面に、遮光性材料と、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物及び/又は1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂と、所定の温度以上でエポキシ基と反応する官能基を有する硬化剤とを含む転写層を有することを特徴とする熱転写シート。
  2. 熱転写シート用基材の片面に、遮光性材料と、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物及び/又は1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂と、所定の温度以上で解離するブロック剤が結合したカルボキシル基を1分子中に2個以上有する硬化剤とを含む転写層を有することを特徴とする熱転写シート。
  3. 前記遮光性材料がカーボンブラック又はチタンブラックであることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写シート。
  4. 前記熱転写シート用基材と前記転写層との間には、光熱変換層が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱転写シート。
  5. 転写層を、遮光性材料と、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物及び/又は1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂と、所定の温度以上でエポキシ基と反応する官能基を有する硬化剤とを含む樹脂組成物で、熱転写シート用基材の片面に形成する転写層形成工程を含む熱転写シートの製造方法であって、
    前記転写層形成工程が前記所定の温度未満で行われることを特徴とする熱転写シートの製造方法。
  6. 遮光基板用基材の片面に、遮光性材料を含む所定パターンの遮光層が設けられている遮光基板であって、
    前記遮光層が、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物及び/又は1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂と、所定の温度以上でエポキシ基と反応する官能基を有する硬化剤とが反応した樹脂硬化物であることを特徴とする遮光基板。
  7. 遮光基板用基材の片面に、遮光性材料を含む所定パターンの遮光層が設けられている遮光基板であって、
    前記遮光層が、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物及び/又は1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂と、所定の温度以上で解離するブロック剤が結合したカルボキシル基を1分子中に2個以上有する硬化剤とが反応した樹脂硬化物であることを特徴とする遮光基板。
  8. 前記遮光性材料がカーボンブラック又はチタンブラックであることを特徴とする請求項6又は7に記載の遮光基板。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項に記載の遮光基板を有するカラーフィルタであって、前記遮光層が開口部を有し、当該遮光層の開口部に着色層が設けられていることを特徴とするカラーフィルタ。
  10. 遮光基板用基材上に遮光層と着色層とをそれぞれ所定パターンで順次形成するカラーフィルタの製造方法であって、
    遮光性材料と、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物及び/又は1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂と、所定の温度以上でエポキシ基と反応する官能基を有する硬化剤とを含む転写層を片面に有する熱転写シートを準備する準備工程と、
    前記熱転写シートの前記転写層と前記遮光基板用基材とを接触させる接触工程と、
    前記遮光層の所定パターンに応じたパターンにしたがって、前記熱転写シートを前記熱転写シート用基材側から加熱することにより前記遮光基板用基材上に前記転写層を転写する加熱転写工程と、
    前記熱転写シートを前記遮光基板用基材から剥離する剥離工程と、
    前記転写層を加熱することにより、当該転写層を硬化させて前記遮光層を形成する加熱硬化工程と、
    前記遮光層が形成された側の前記遮光基板用基材の表面に所定パターンの前記着色層を形成する着色層形成工程とを含み、
    前記加熱硬化工程における加熱温度が前記所定の温度以上であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  11. 遮光基板用基材上に遮光層と着色層とをそれぞれ所定パターンで順次形成するカラーフィルタの製造方法であって、
    遮光性材料と、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物及び/又は1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂と、所定の温度以上で解離するブロック剤が結合したカルボキシル基を1分子中に2個以上有する硬化剤とを含む転写層を片面に有する熱転写シートを準備する準備工程と、
    前記熱転写シートの前記転写層と前記遮光基板用基材とを接触させる接触工程と、
    前記遮光層の所定パターンに応じたパターンにしたがって、前記熱転写シートを前記熱転写シート用基材側から加熱することにより前記遮光基板用基材上に前記転写層を転写する加熱転写工程と、
    前記熱転写シートを前記遮光基板用基材から剥離する剥離工程と、
    前記転写層を加熱することにより、当該転写層を硬化させて前記遮光層を形成する加熱硬化工程と、
    前記遮光層が形成された側の前記遮光基板用基材の表面に所定パターンの前記着色層を形成する着色層形成工程とを含み、
    前記加熱硬化工程における加熱温度が前記所定の温度以上であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  12. 前記遮光性材料がカーボンブラック又はチタンブラックであることを特徴とする請求項10又は11に記載のカラーフィルタの製造方法。
  13. 前記加熱転写工程の加熱をレーザ光の照射により行うことを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  14. 前記熱転写シートが、前記熱転写シート用基材と前記転写層との間に更に光熱変換層を有することを特徴とする請求項13に記載のカラーフィルタの製造方法。
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