JP2005249936A - カラーフィルタの製造方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】転写パターンを高精細、高品質に且つ高速で形成することができるカラーフィルタの製造方法及び装置を提供する。
【解決手段】1回の走査で一つの照射領域Aのうちの一部または全部が重なるようにして複数回のレーザ光を照射することによりブラックマトリクス転写層をカラーフィルタ基板に転写させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、液晶表示装置等のフラットパネルディスプレイに多く用いられているカラー表示のためのカラーフィルタの製造方法及び装置に係り、特にブラックマトリクスを大面積で高速且つ高精度、高品質に製造するレーザ転写方式に関する。
従来から、薄型、軽量で低消費電力等の特徴を有する液晶表示装置は、フラットパネルディスプレイとして広く使用されているが、TVやコンピュータのディスプレイへの適用に伴って、カラー表示が主流となり、さらに近年は画面の大型化が要求されている。
カラー液晶表示装置には、白色光源からの光をR、G、Bの3原色に変換し、これら3原色を混合して各色を出すためのカラーフィルタを用いたものがある。このカラーフィルタの基板に着色層を形成する方法として、例えば特許文献1には、レーザ転写方式が提案されている。レーザ転写方式は、フィルム状の基材に予め熱溶融型の着色剤を塗布した転写シートをカラーフィルタ基板に重ね合わせ、この状態で転写シートにレーザ光を照射して着色剤を溶融させることにより、基板に所望のパターンで着色剤を転写する方法である。
特開平10−206625号公報
従来のレーザ転写方式は、主としてカラーフィルタの画素を構成する数100μm幅のR,G,Bの着色部分を転写することを目的として考案されたものが多く、図9に示されるように、ブラックマトリクスパターンBPに含まれる画素間の遮光部となる数10μm幅の微細なライン状の転写パターンP1、TFT部分の遮光部となるドット状の転写パターンP2、外周部の枠線に相当する太線状の転写パターンP3等を精度良く描画するには必ずしも適しているものではなかった。
特に、描画速度が速くなる場合は、転写に比較的高出力の照射エネルギーが必要となり、転写シート材料の熱収縮に伴うエッジ形状のギザつきが発生するといった問題や、ブラックマトリックス転写層の表面に凹凸が生じるという問題があった。また、逆に、描画速度が遅くなる場合は、レーザ光の照射時間が比較的長時間となるため、熱伝導により描画部とそれに隣接する非描画部との温度差が小さくなり、エッジの切れが悪くなってからみが発生するという問題があった。
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、転写パターンを高精細、高品質に且つ高速で形成することができるカラーフィルタの製造方法及び装置を提供することを目的とする。
この発明に係るカラーフィルタの製造方法は、ブラックマトリクス転写層を含む転写シートをカラーフィルタ基板と接触させ、転写シートにレーザ光を照射し走査してブラックマトリクス転写層をカラーフィルタ基板に転写させることによりブラックマトリクスパターンを形成するカラーフィルタの製造方法において、1回の走査で一つの照射領域のうちの一部または全部が重なるようにして複数回のレーザ光を照射させてブラックマトリクスパターンを形成する方法である。
1回の走査で一つの照射領域のうちの一部または全部が重なるようにして複数回のレーザ光を照射させてブラックマトリクスパターンを形成することにより、転写パターン毎に最適な転写エネルギーとなるような照射エネルギー・照射時間となるレーザ光で転写することができるため、転写パターンのエッジ形状を滑らかにすると共に熱収縮による凹凸の発生を抑制しつつ転写を行うことが可能となる。これにより、ブラックマトリクスパターンに含まれる画素間の遮光部となる数10μm幅の微細なライン状の転写パターンや、TFT部分の遮光部となるドット状の転写パターン、外周部の枠線に相当する太線状の転写パターン等を高精細、高品質且つ高速で形成することが可能となる。
このような複数回のレーザ光の照射は、一つの照射領域のうちの5%以上が重なるようにパルス発振させたレーザ光により、あるいは走査方向に対して同一線上に縦列された複数のレーザ光により成すことができる。
また、転写シートのブラックマトリクス転写層としては、遮光材料と50〜120℃の軟化点を有すると共に熱硬化性を有する熱硬化性樹脂を含有するものが好ましい。
この発明に係るカラーフィルタの製造装置は、ブラックマトリクス転写層を含む転写シートにレーザ光を照射し走査してブラックマトリクス転写層をカラーフィルタ基板に転写させることによりブラックマトリクスパターンを形成する装置において、1回の走査で一つの照射領域のうちの一部または全部が重なるようにレーザ光を照射させるレーザ照射手段を備えたものである。
ここで、レーザ照射手段としては、レーザ発振器と、このレーザ発振器からパルス状のレーザ光を発振させるパルスジェネレータとを含むように構成することができる。あるいは、レーザ発振器と、このレーザ発振器から発せられたレーザ光を選択的に遮断するシャッタ装置とを含むレーザ照射手段とすることもできる。また、レーザ照射手段が、走査方向に対して同一線上に縦列された複数のレーザ光を形成するように構成してもよい。
この発明によれば、1回の走査で一つの照射領域のうちの一部または全部が重なるようにして複数回のレーザ光を照射させてブラックマトリクスパターンを形成するので、転写パターン毎に最適な転写エネルギーとなるような照射エネルギー・照射出力・照射時間となるレーザ光で転写することができ、転写パターンのエッジ形状が滑らかになると共に熱収縮によるブラックマトリクス転写層の表面の凹凸の発生が防止される。このため、ブラックマトリクスパターンを高精細、高品質に且つ高速で形成することが可能となる。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1にこの発明の実施の形態1に係るカラーフィルタの製造装置の概略構成を示す。この製造装置は、マスクイメージング法によるレーザ描画装置を用いたものであり、レーザ発振器1にパルスジェネレータPGが接続されると共にレーザ発振器1の下方にビームエキスパンダー2、第1のマスク3、第2のマスク4及びレンズ5を含む光学系が配置され、さらに光学系の下方にXYステージ6が配置されている。レーザ発振器1としては、例えばレーザ波長が780nmの半導体レーザや、レーザ波長が1084nmのYAGレーザ等を用いることができる。第1のマスク3は、ビームエキスパンダー2によりビーム径が広げられたレーザ光の照射エネルギー分布をトップハット形とするためのものであり、第2のマスク4は、レーザ光の照射領域を所望の形状、例えば正方形状にするためのものである。
図1に示されるように、XYステージ6の上にカラーフィルタの基板となるガラス基板7が載置され、ガラス基板7の上に転写シート8が載置される。ここで、転写シート8としては、図2に示されるように、透明なフィルム基材9の片面に光熱変換層10とブラックマトリックス転写層11を設けたものが用いられる。また、転写性を調整する目的で光熱変換層10とブラックマトリックス転写層11の間に離型層や剥離層を設けても良いし、ブラックマトリクス転写層11上に接着層を設けても良い。またブラックマトリックス転写層11がレーザ光を吸収し光熱変換層の働きを兼ね備える場合は光熱変換層10を省略しても良い。この場合はフィルム基材9とブラックマトリックス転写層11の間に離型層や剥離層を設けても良い。
フィルム基材9としては、用いるレーザ光のレーザ波長における光線透過率が60%以上、より好ましくは80%以上である透明なフィルム基材が好ましく用いられる。例えば、ポリエステルフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等が挙げられる。基材の厚みとしては3〜200μmで、特に好ましくは50〜125μmである。基材厚みが薄くなるほど真空密着性が悪くなり、転写感度が低下する。厚すぎるとフィルムの搬送性が悪くなってくる。
光熱変換層10は、用いるレーザ光の光を吸収し熱変換させる層であり、レーザ波長における光線吸収材料と結着材により構成される。かかるレーザ光線吸収材料としては、赤外線吸収剤等が挙げられ、特にカーボンブラックやチタンブラック等の無機粒子が好ましく用いられる。結着材としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアリレート樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂等やこれらの共重合樹脂、変性樹脂、電離照射線架橋樹脂、熱硬化樹脂等が用いられる。これらの樹脂のなかでも特に熱分解温度が200℃以上の耐熱性が高い樹脂はアブレーション耐性が高く好ましく用いられる。光熱変換層10のレーザ波長における光線吸収率としては、50%以上が好ましく、より好ましくは60〜90%である。低すぎると光熱変換の効率が低くなり、エネルギーのロスが大きくなる。高すぎると目標とするブラックマトリックスの線幅となる最適な転写エネルギーのマージンが狭くなり描画精度が悪くなってくる。光熱変換層10の厚みとしては0.5〜5.0μmで、好ましくは2.0〜3.0μmである。厚みが薄すぎると熱変換効率が低くなりエネルギーのロスが大きくなる。また薄膜で熱変換効率を上げるためにレーザ光線吸収材料の比率を上げると塗膜強度が低下してくるためアブレーションが発生しやすくなり、光熱変換層ごと転写してしまい転写時にヨゴレが発生する。厚すぎると熱伝導性が低くなり転写感度が低下したり、線幅の精度が低下してくる。光熱変換層10における、レーザ光線吸収材料と結着材の比率は1/20〜2/1で、特に1/10〜1/1の範囲とすることで、上記のごとき、熱変換効率と膜厚とすることが好ましい。
ブラックマトリックス転写層11はレーザ熱転写性とブラックマトリクス適性を有する層であり遮光性材料と結着材により構成される。遮光性材料としてはカーボンブラック、チタンブラック等の無機粒子が好ましく用いられる。またカーボンブラック、チタンブラックは遮光性材料であると共に、赤外線吸収材料でもあるため、光熱変換層10を設けない構成とすることも可能となる。結着材としてはレーザ熱転写性とブラックマトリクス適性を付与するために熱可塑性と熱硬化性を有する樹脂組成とすることが好ましく、熱硬化性官能基を有しなおかつ軟化点が50〜150℃である樹脂材料及び硬化剤等により構成される。例えば、エポキシ樹脂と硬化剤の組合せなどが挙げられる。ブラックマトリクス転写層11の遮光性としては、透過濃度で2.5以上、特に3.0以上とすることがディスプレイとしたときの光漏れを防止する上で好ましい。低すぎると光漏れが生じディスプレイとしての性能が低下してくる。ブラックマトリクス転写層11の厚みとしては0.5〜2.0μmで、好ましくは0.8〜1.5μmである。厚みが薄すぎると遮光性が低くなる。また薄膜で遮光性を上げるために遮光材料の比率を上げると熱転写性が低下して転写感度が低くなったり、ブラックマトリクスとしたときの耐薬品性が低下してくる。厚すぎると転写感度が低下したり、転写時のエッジの切れが悪くなったり、カラーフィルタの他の着色画素との高さが合わなくなってくる。ブラックマトリクス転写層11の遮光性材料と結着材の比率としては3/7〜2/1が好ましく、上記のごとき、遮光性と膜厚とすることが好ましい。
ブラックマトリクス転写層11がガラス基板7の表面に接触するように、フィルム基材9を上に向けて転写シート8がガラス基板7の上に載置され、真空密着される。
この状態で、レーザ発振器1からレーザ光を出射すると、レーザ光はビームエキスパンダー2によりそのビーム径が広げられ、第1のマスク3を通過することにより照射エネルギー分布がトップハット形とされる。さらに、レーザ光は、第2のマスク4を通過することにより照射領域が正方形状に成形された後、レンズ5によって、レーザ光のビーム径が縮小され、転写シート8に照射される。ここで、パルスジェネレータPGからレーザ発振器1にパルス信号を印加することにより、レーザ発振器1から図3に示されるようにパルス状のレーザ光を発振させる。
そして、パルス状のレーザ光の発振と共にXYステージ6を駆動して転写シート8をガラス基板7と共に移動させることにより、レーザ光の走査を行う。
これにより、図4に示されるように、1回の走査で一つの照射領域Aのうちの一部または全部が重なるようにして複数回のレーザ光を照射させてブラックマトリクスパターンBPの形成が行われる。
例えば、図5に示されるように、第1回目のパルス状のレーザ光を発振させて正方形状の照射領域A0の照射を行った後、XYステージ6により正方形状の照射領域A0の一辺の1/3だけ転写シート8及びガラス基板7を走査方向に移動させた時点で第2回目のパルス状のレーザ光を発振させて正方形状の照射領域A1の照射を行う。同様にして、さらに正方形状の照射領域A0の一辺の1/3だけ転写シート8及びガラス基板7を走査方向に移動させた時点で第3回目のパルス状のレーザ光を発振させて正方形状の照射領域A2の照射を行う。これにより、一つの照射領域Aのうちの2/3すなわち66.7%が重なるように間欠的に照射が行われ、ブラックマトリクスパターンBPの全ての領域が3回の照射を受けることとなる。
このようにして転写シート8に照射されたレーザ光は、フィルム基材9を透過して光熱変換層10へ至り、ここで熱を発生する。この熱により、レーザ光が照射された部分のブラックマトリクス転写層11が溶融してガラス基板7の上に転写される。従って、レーザ光の走査が終了した後に、図6に示されるようにガラス基板7から転写シート8を剥離すると、レーザ光が照射された部分のブラックマトリクス転写層11のみがガラス基板7の上に残留する。
上述したように、1回の走査で一つの照射領域Aのうちの一部または全部が重なるようにして複数回のレーザ光を照射させてパターン転写を行うので、図3に示されるように、転写に必要なエネルギーE1を複数に分割して転写シート8に与えることができ、転写パターン毎に最適な照射エネルギー・照射出力・照射時間となるレーザ光で転写を行うことが可能となる。このため、転写パターンのエッジ形状が滑らかになると共に熱収縮によるブラックマトリクス転写層11の表面の凹凸の発生が防止される。このため、図9に示したようなブラックマトリクスパターンBPに含まれる微細なライン状の転写パターンP1、ドット状の転写パターンP2、太線状の転写パターンP3等を高精細、高品質に且つ高速で形成することができる。
なお、上記の実施の形態1では、一つの照射領域Aのうちの66.7%が重なるようにパルス発信させたレーザ光で照射することにより、ブラックマトリクスパターンBPの全ての領域をそれぞれ3回照射して転写を行ったが、これに限るものではなく、2回の照射あるいは4回以上の照射で各領域を転写させることもできる。ただし、一つの照射領域のうちの5%以上が重なるようにして照射することが好ましい。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係るカラーフィルタの製造装置の概略構成を図7に示す。この製造装置は、図1に示した実施の形態1の装置において、パルスジェネレータPGを省略し、レーザ発振器1とビームエキスパンダー2との間にシャッタ装置12を配設したものである。シャッタ装置12はレーザ発振器から発せられたレーザ光を選択的に遮断することができる。
レーザ発振器1からレーザ光を連続的に発振させると共にシャッタ装置12によりレーザ光を所定の時間間隔で周期的に遮断して間欠的な照射を行い、この状態でXYステージ6を駆動して転写シート8をガラス基板7と共に移動させることによりレーザ光の走査を行う。これにより、実施の形態1と同様に、1回の走査で一つの照射領域Aのうちの一部または全部が重なるようにして複数回のレーザ光を照射させてパターン転写を行うことができ、同様の効果が得られる。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係るカラーフィルタの製造装置の概略構成を図8に示す。この製造装置は、図1に示した実施の形態1の装置において、パルスジェネレータPGを省略し、レーザ発振器1から発せられたレーザ光を複数に分岐する分岐装置13を設けると共に分岐された複数のレーザ光L1、L2及びL3に対してそれぞれ光学系14を配置したものである。各光学系14は、図1に示したビームエキスパンダー2、第1のマスク3、第2のマスク4及びレンズ5を含んでいる。
このような構成により、XYステージ6の移動による走査方向に対して同一線上に縦列された複数のレーザ光L1、L2及びL3を形成することができる。レーザ発振器1からレーザ光を連続的に発振させると共にXYステージ6を駆動して転写シート8をガラス基板7と共に移動させることによりレーザ光の走査を行う。走査に伴って転写シート8の一つの照射領域Aは複数のレーザ光L1、L2及びL3により3回にわたって照射されることとなる。従って、転写に必要なエネルギーを3回に分割して転写シート8に与えることができ、転写パターン毎に最適な照射エネルギー及び照射時間となるレーザ光で転写を行うことが可能となり、実施の形態1と同様の効果が得られる。
なお、分岐装置13による分岐の数は3に限るものではなく、2つのレーザ光あるいは4つ以上のレーザ光に分岐して同一線上に縦列させ、照射を行うこともできる。
また、一つのレーザ発振器1からのレーザ光を複数に分岐する代わりに、複数のレーザ発振器を用いることにより走査方向に対して同一線上に縦列された複数のレーザ光を形成してもよい。
実施例1.
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ株式会社製、ルミラーT−60)を基材として、その基材の表面上に下記組成の光熱変換層塗工液をバーコートにより塗布し、温度90℃で3分間乾燥して厚さ3μmの光熱変換層を形成した。
光熱変換層塗工液
カーボンブラック 2部
ポリアミドイミド樹脂(東洋紡績株式会社製 パイロマックス) 18部
ポリエステル樹脂(東洋紡績株式会社製 バイロン) 1部
エタノール/トルエン(1/1) 79部
なお、各組成の部数は固形分重量基準である(以下同様)。また、基材上に光熱変換層が形成された、この構成において、波長780nmにおける透過率は10%であった。
次に、光熱変換層の上に下記組成のブラックマトリクス転写層塗工液をバーコートによって塗布し、温度100℃で3分間乾燥して厚さ1.2μmのブラックマトリクス転写層を形成することにより転写シートを製造した。
ブラックマトリクス転写層塗工液
カーボンブラック 12部
変性アクリル樹脂 10部
エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製
エピコート157S70 軟化点:70℃) 4部
硬化剤 5部
メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 70部
XYステージ上に載置されたガラス基板上にこの転写シートを被せて真空密着させ、図1の製造装置を使用して以下の描画条件でレーザ光によるパターン転写を行った。
レーザ描画条件
XYステージ走査速度(Y軸方向):300mm/s
レーザ集光径:20μm角
レーザ出力 :355mW/400μm
印加パルス :8.8μsec
発振周波数 :39.8kHz
これにより、20μm角の照射領域を約3回のレーザ光照射で転写し、ガラス基板上に縦方向に線幅20μmのライン状のパターンを形成した。ラインのエッジ形状は切れがよく、またラインの表面に熱収縮による凹凸の発生は認められなかった。
実施例2.
レーザ光による描画条件を以下のように変更した以外は実施例1と同様にしてパターン転写を行った。
レーザ描画条件
XYステージ走査速度(Y軸方向):100mm/s
レーザ集光径:20μm角
レーザ出力 :350mW/400μm
印加パルス :8.3μsec
発振周波数 :24kHz
これにより、20μm角の照射領域を約5回のレーザ光照射で転写し、ガラス基板上に縦方向に線幅20μmのライン状のパターンを形成した。ラインのエッジ形状は切れがよく、またラインの表面に熱収縮による凹凸の発生は認められなかった。
比較例1.
比較例1として、レーザ光による描画条件を以下のように変更した以外は実施例1と同様にしてパターン転写を行った。
レーザ描画条件
XYステージ走査速度(Y軸方向):300mm/s
レーザ集光径:20μm角
レーザ出力 :145mW/400μm
印加パルス :25.1μsec
発振周波数 :39.8kHz
これにより、20μm角の照射領域を1回のレーザ光照射で転写し、ガラス基板上に縦方向に線幅20μmのライン状のパターンを形成したところ、ラインのエッジ形状は切れがよかったが、ラインの表面に熱収縮による凹凸の発生が確認された。
比較例2.
比較例2として、レーザ光による描画条件を以下のように変更した以外は実施例1と同様にしてパターン転写を行った。
レーザ描画条件
XYステージ走査速度(Y軸方向):100mm/s
レーザ集光径:20μm角
レーザ出力 :40mW/400μm
印加パルス :41.7μsec
発振周波数 :24kHz
これにより、20μm角の照射領域を1回のレーザ光照射で転写し、ガラス基板上に縦方向に線幅20μmのライン状のパターンを形成したところ、ラインの表面に熱収縮による凹凸の発生は認められなかったが、ラインのエッジ形状にギザつきが確認された。
この発明の実施の形態1に係るカラーフィルタの製造装置の概略構成を示す図である。 実施の形態1で用いられた転写シートの構造を示す断面図である。 実施の形態1で用いられたレーザ光の時間に対する出力の関係を示すグラフである。 実施の形態1におけるレーザ光走査の様子を示す図である。 実施の形態1における照射領域とレーザ光の重なり具合を示す図である。 レーザ光の走査終了後にガラス基板から転写シートを剥離する状態を示す断面図である。 実施の形態2に係るカラーフィルタの製造装置の概略構成を示す図である。 実施の形態3に係るカラーフィルタの製造装置の概略構成を示す図である。 カラーフィルタのブラックマトリクスパターンを示す部分平面図である。
符号の説明
1 レーザ発振器、2 ビームエキスパンダー、3 第1のマスク、4 第2のマスク、5 レンズ、6 XYステージ、7 ガラス基板、8 転写シート、9 基材、10 光熱変換層、11 ブラックマトリクス転写層、12 シャッタ装置、13 分岐装置、14 光学系、PG パルスジェネレータ、A,A0,A1,A2 照射領域。

Claims (8)

  1. ブラックマトリクス転写層を含む転写シートをカラーフィルタ基板と接触させ、転写シートにレーザ光を照射し走査してブラックマトリクス転写層をカラーフィルタ基板に転写させることによりブラックマトリクスパターンを形成するカラーフィルタの製造方法において、
    1回の走査で一つの照射領域のうちの一部または全部が重なるようにして複数回のレーザ光を照射させてブラックマトリクスパターンを形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 前記複数回のレーザ光の照射が、一つの照射領域のうちの5%以上が重なるようにパルス発振させたレーザ光により成されることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 前記複数回のレーザ光の照射が、走査方向に対して同一線上に縦列された複数のレーザ光により成されることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. ブラックマトリクス転写層は、遮光材料と50〜120℃の軟化点を有すると共に熱硬化性を有する熱硬化性樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. ブラックマトリクス転写層を含む転写シートにレーザ光を照射し走査してブラックマトリクス転写層をカラーフィルタ基板に転写させることによりブラックマトリクスパターンを形成するカラーフィルタの製造装置において、
    1回の走査で一つの照射領域のうちの一部または全部が重なるようにレーザ光を照射させるレーザ照射手段を備えたことを特徴とするカラーフィルタの製造装置。
  6. 前記レーザ照射手段は、レーザ発振器と、前記レーザ発振器からパルス状のレーザ光を発振させるパルスジェネレータとを含む請求項5に記載のカラーフィルタの製造装置。
  7. 前記レーザ照射手段は、レーザ発振器と、前記レーザ発振器から発せられたレーザ光を選択的に遮断するシャッタ装置とを含む請求項5に記載のカラーフィルタの製造装置。
  8. 前記レーザ照射手段は、走査方向に対して同一線上に縦列された複数のレーザ光を形成する請求項5に記載のカラーフィルタの製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008090268A (ja) * 2006-10-02 2008-04-17 Lg Phillips Lcd Co Ltd 液晶表示装置用基板及びその製造方法

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