JP2005246686A - レーザ光を用いた熱転写装置、レーザ光を用いた熱転写方法、及び、これらに用いられる熱転写シート - Google Patents

レーザ光を用いた熱転写装置、レーザ光を用いた熱転写方法、及び、これらに用いられる熱転写シート Download PDF

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Abstract

【課題】形状の異なる隣接パターンを同一走査時に形成でき、境界部分の形状、位置精度が良好なパターンを熱転写することができるレーザ光を用いた熱転写装置及びレーザ光を用いた熱転写方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明のレーザ光を用いた熱転写装置は、レーザ発振手段から発振される複数のレーザ光を誘導するための光学系と、ブラックマトリクス転写層を含む熱転写シートが重ねられた基板を載置し、この基板の表面を含む面内で基板を相直交する第1軸方向と第2軸方向に走査可能な2軸ステージ手段とを備え、2軸ステージ手段を第1軸方向または第2軸方向に走査する際に光学系を介して複数のレーザ光を基板に照射することにより、基板上にブラックマトリクス層を熱転写する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶等のフラットディスプレイに多く用いられるカラー表示のためのカラーフィルタの製造方法および製造装置に関し、特に、ブラックマトリクスを大面積で高速かつ高精度に熱転写するレーザ光を用いた熱転写装置及び熱転写方法に関する。
液晶ディスプレイ等のカラーフィルタの基板に着色層を形成する方法として、例えば特開平7−104113号公報や特開平10−206625号公報に記載されたレーザ光を用いた熱転写装置がある。
これらのレーザ光を用いた熱転写装置では、フィルム状の基材に予め熱溶融型の着色剤を塗布して転写シートとカラーフィルタ基板とを重ね合わせた状態で、転写シートにレーザ光を当てて着色剤を溶融させることにより、基板に所望のパターンで着色剤を転写する。
従来、このようなレーザ光を用いた熱転写装置に用いるレーザ照射方式としては、下記のようなものがあった。
一つのレーザ発振装置を用い、ここから発振される一つのレーザ光をポリゴンミラーで基板上に誘導し、一つ一つのパターンずつスキャンする方式(例えば、特許文献1参照。)。
また、複数のレーザ光源を用い、これらから発振される複数のレーザ光を複数の光ファイバーで誘導し、集光レンズを通して複数箇所に照射する方式(例えば、特許文献2参照。)。
特開昭62−201414号公報 特開平11−160530号公報
従来のレーザ光を用いた熱転写装置は、上述のように構成されていたため、下記のような課題があった。
従来のレーザ光を用いた熱転写装置は、主としてカラーフィルタの画素部分であるRGB部分を転写することを目的として確立されたものが多い。ここで、カラーフィルタのRGB部分は、数100μm程度の幅であるため、RGB部分の転写に用いるレーザ照射装置は、約100μm程度のレーザ光を出力するように構成されていた。
一方、ブラックマトリクスパターンに含まれる画素間の遮光部となる高精度なライン状の転写パターンや、TFT部分の遮光部となるドット状の転写パターン、さらには外周部の枠線に相当するような太線状の転写パターン等は、数10μm程度の幅である。このため、RGB部分の転写に用いるレーザ照射装置をこれらのより微細なパターンを形成するためにそのまま用いることはできず、RGB部分と遮光部間のライン状の転写パターン等とを同時に形成することは困難であった。
また、転写基板サイズの大型化や、同一基板上に含まれる形状の異なる転写パターン数の増大に伴い、転写時間が長時間化し、生産性が低下していた。
この転写時間を短縮するために、レーザ光を数10〜数100分岐の多分岐構成として生産性を上げる方法があるが、転写速度を高速にするに従い繰り返しでの位置精度が低下し、繰り返し転写の後半部分で隣接パターンに隙間ができてしまうといった問題があった。また、転写速度を高速にするに従いレーザ光の照射出力を上げていく必要があり、高速での高出力転写においては、形状の異なる隣接パターンを別々に走査して形成する場合には、先にレーザ光を照射した領域の境界部分(エッジ部分)においてブラックマトリクス層が硬化して熱転写シート側に残存してしまい、後からレーザが照射されて接合される部分との接合部分がうまく転写されずに、本来接合したい領域が図9内の矢印Aで示すようにパターンが分離したり、パターンの位置精度の低下を招いていた。
また、ポリゴンミラーを用いたスキャン方式の場合には、連続性のパターン形成には有効であるが、数10μmサイズの矩形パターンの形成に対しては困難であり、形成されたパターン形状および位置精度はフォトマスクを使用して露光現像により形成したフォトリソグラフィ法のパターンに比べるとどうしても劣ってしまっていた。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、形状の異なる隣接パターンを同一走査時に形成でき、境界部分の形状、位置精度が良好なパターンを熱転写することができるレーザ光を用いた熱転写装置及びレーザ光を用いた熱転写方法を提供することを目的とする。
本発明のレーザ光を用いた熱転写装置は、レーザ発振手段から発振される複数のレーザ光を誘導するための光学系と、ブラックマトリクス転写層を含む熱転写シートが重ねられた基板を載置し、この基板の表面を含む面内で基板を相直交する第1軸方向と第2軸方向に走査可能な2軸ステージ手段とを備え、2軸ステージ手段を第1軸方向または第2軸方向に走査する際に光学系を介して複数のレーザ光を基板に照射することにより、基板上にブラックマトリクス層を熱転写する。
本発明の他の形態に係るレーザ光を用いた熱転写装置は、レーザ発振手段から発振される複数のレーザ光を誘導するための光学系と、ブラックマトリクス転写層を含む熱転写シートが重ねられた基板を載置し、この基板の表面を含む面内で基板を第1軸方向に走査可能な1軸ステージ手段と、レーザ発振手段から基板上に誘導される複数のレーザ光を基板の表面を含む面内において第1軸に直交する第2軸方向に走査可能なレーザ光走査手段とを備え、光学系を介して複数のレーザ光を基板に照射する際に、ステージを第1軸方向に走査することと、レーザ光を第2軸方向に走査することとにより、基板上にブラックマトリクス層を熱転写する。
また、前記光学系は、前記複数のレーザ光の照射領域が隣接するように構成されると共に、ブラックマトリクスを熱転写する複数のパターンの接合部分に同時に複数のレーザ光を照射するように構成される。
また、前記光学系は、照射エネルギ、照射時間、または、ビーム幅の異なる複数のレーザ光を前記基板に誘導するための光学素子を備える。
本発明のレーザ光を用いた熱転写方法は、相直交する第1軸方向と第2軸方向に走査可能なステージ上にブラックマトリクス転写層を含む熱転写シートが重ねられた基板を載置し、この基板の表面を含む面内で前記基板を走査する工程と、複数のレーザ光を前記基板に誘導する工程とを含み、前記基板上にブラックマトリクス層を熱転写する。
本発明の他の形態に係るレーザ光を用いた熱転写方法は、第1軸方向に走査可能なステージ上にブラックマトリクス転写層を含む熱転写シートが重ねられた基板を載置し、この基板の表面を含む面内で前記基板を第1軸方向に走査する工程と、複数のレーザ光を前記基板に誘導する工程と、前記複数のレーザ光を誘導する際に前記複数のレーザ光を前記基板の表面を含む面内において前記第1軸に直交する第2軸方向に走査する工程とを含み、前記基板上にブラックマトリクス層を熱転写する。
また、照射エネルギ、照射時間、または、ビーム幅の異なる複数のレーザ光を基板に誘導する工程を含む。
また、複数のレーザ光の照射領域が隣接するように構成される光学系を用い、ブラックマトリクスを熱転写する複数のパターンの接合部分に同時に複数のレーザ光を照射する工程を含む。
また、前記複数のレーザ光により、相隣接するライン状のブラックマトリクスパターンとドット状のブラックマトリクスパターンとを同一走査時に形成する工程を含む。
また、前記複数のレーザ光により、線幅の異なるライン状のブラックマトリクスパターンを同一走査時に形成する工程を含む。
また、前記複数のレーザ光の照射領域が、ステージの走査方向に対して同一線上に縦列または並列するように前記複数のレーザ光を照射する工程を含む。
また、前記複数のレーザ光の照射領域が、ステージの走査方向に対して同一線上に隣接して縦列または隣接して並列するように前記複数のレーザ光を照射する工程を含む。
本発明の熱転写シートは、前記いずれか記載のレーザ光を用いた熱転写装置によるカラーフィルタの製造方法、または、前記いずれか記載のカラーフィルタの製造方法に用いられ、50〜120℃の軟化点を有すると共に熱硬化性を有する熱硬化性樹脂と、遮光性材料とで構成されるブラックマトリックス転写層をフィルム基材の片面に形成した。
本発明のレーザ光を用いた熱転写装置は、2軸ステージ手段を第1軸方向または第2軸方向に走査する際に光学系を介して複数のレーザ光を基板に照射することにより、基板上にブラックマトリクス層を熱転写するので、ブラックマトリクスパターンに含まれる画素間の遮光部となる高精度なライン状の転写パターンや、TFT部分の遮光部となるドット状の転写パターン等の数10μm程度の幅の微細パターン、さらには外周部の枠線に相当するような太線状の転写パターンを高精度に転写することができる。
本発明の他の形態に係るレーザ光を用いた熱転写装置は、光学系を介して複数のレーザ光を基板に照射する際に、ステージを第1軸方向に走査することと、レーザ光を第2軸方向に走査することとにより、基板上にブラックマトリクス層を熱転写するので、ブラックマトリクスパターンに含まれる画素間の遮光部となる高精度なライン状の転写パターンや、TFT部分の遮光部となるドット状の転写パターン等の数10μm程度の幅の微細パターン、さらには外周部の枠線に相当するような太線状の転写パターンを高精度に転写することができる。
また、光学系は、複数のレーザ光の照射領域が隣接するように構成されると共に、ブラックマトリクスを熱転写する複数のパターンの接合部分に同時に複数のレーザ光を照射するように構成されるので、さらに効率よく微細パターンや太線状の転写パターンを高精度に転写することができる。
また、光学系は、照射エネルギ、照射時間、または、ビーム幅の異なる複数のレーザ光を基板に誘導するための光学素子を備えるので、1回の走査で照射エネルギ、照射時間またはビーム幅の異なる複数のレーザ光を照射してブラックマトリクスパターンを形成するので、形状の異なる複数の転写パターンを各転写パターン毎の最適な転写エネルギとなるような照射エネルギのレーザ光で転写でき、複数の転写パターンを高精細で高速で転写できる。これによりブラックマトリクスパターンに含まれる画素間の遮光部となる数10μ幅の高精度なライン状の転写パターンや、TFT部分の遮光部となるドット状の転写パターン、外周部の枠線に相当するような太線状の転写パターン等を同時に複数形成することができる。また形状の異なる隣接パターンも同一走査時に形成することができ、境界部分の形状、位置精度が良好なパターンを熱転写することができる。
本発明のレーザ光を用いた熱転写方法は、基板を走査する際に複数のレーザ光を基板に照射して基板上にブラックマトリクス層を熱転写するので、ブラックマトリクスパターンに含まれる画素間の遮光部となる高精度なライン状の転写パターンや、TFT部分の遮光部となるドット状の転写パターン等の数10μm程度の幅の微細パターン、さらには外周部の枠線に相当するような太線状の転写パターンを高精度に転写することができる。
本発明の他の形態に係るレーザ光を用いた熱転写方法は、基板を第1軸方向に走査する際、または、レーザ光を第2軸方向に走査する際に、複数のレーザ光を基板に照射して基板上にブラックマトリクス層を熱転写するので、ブラックマトリクスパターンに含まれる画素間の遮光部となる高精度なライン状の転写パターンや、TFT部分の遮光部となるドット状の転写パターン等の数10μm程度の幅の微細パターン、さらには外周部の枠線に相当するような太線状の転写パターンを高精度に転写することができる。
また、照射エネルギ、照射時間、または、ビーム幅の異なる複数のレーザ光を基板に誘導するので、1回の走査で照射エネルギ、照射時間またはビーム幅の異なる複数のレーザ光を照射してブラックマトリクスパターンを形成するので、形状の異なる複数の転写パターンを各転写パターン毎の最適な転写エネルギとなるような照射エネルギのレーザ光で転写でき、複数の転写パターンを高精細で高速で転写できる。これによりブラックマトリクスパターンに含まれる画素間の遮光部となる数10μ幅の高精度なライン状の転写パターンや、TFT部分の遮光部となるドット状の転写パターン、外周部の枠線に相当するような太線状の転写パターン等を同時に複数形成することができる。また形状の異なる隣接パターンも同一走査時に形成することができ、境界部分の形状、位置精度が良好なパターンを熱転写することができる。
また、相隣接する領域同士を同時に転写するので、従来のように接合部分において先に転写された領域の境界部分が硬化して転写されないことによって生じていた残存部分が形成されることなく、確実に接合部分を形成することができる。
また、複数のレーザ光により、相隣接するライン状のブラックマトリクスパターンとドット状のブラックマトリクスパターンとを同一走査時に形成するので、一回の基板の走査で効率良く確実にライン状とドット状のブラックマトリクスパターンを熱転写することができる。
また、前記複数のレーザ光により、線幅の異なるライン状のブラックマトリクスパターンを同一走査時に形成する工程を含むので、一回の基板の走査で効率良く確実に線幅の異なるライン状のブラックマトリクスパターンを熱転写することができる。
また、複数のレーザ光の照射領域が、ステージの走査方向に対して同一線上に縦列または並列するように前記複数のレーザ光を照射する工程を含むので、一回の基板の走査で効率良く確実に同一線上に縦列または並列するブラックマトリクスパターンを熱転写することができる。
また、複数のレーザ光の照射領域が、ステージの走査方向に対して同一線上に隣接して縦列または隣接して並列するように複数のレーザ光を照射する工程を含むので、一回の基板の走査で効率良く確実に同一線上に隣接して縦列または隣接して並列するブラックマトリクスパターンを熱転写することができる。
本発明の熱転写シートは、前記いずれか記載のレーザ光を用いた熱転写装置によるカラーフィルタの製造方法、または、前記いずれか記載のカラーフィルタの製造方法に用いられ、50〜120℃の軟化点を有すると共に熱硬化性を有する熱硬化性樹脂と、遮光性材料とで構成されるブラックマトリックス転写層をフィルム基材の片面に形成したので、ブラックマトリックスパターンを熱転写することができるとともに、転写後に加熱処理を行うことにより、耐熱性、耐溶剤性といったカラーフィルタ適性を有するブラックマトリクスパターンとすることができる。
実施例1
図1は、本発明の実施例1に係るレーザ光を用いた熱転写装置の構成を示す図である。
図1に示すように、本発明のレーザ光を用いた熱転写装置は、光学系10、10’及びXYステージ20を備える。
光学系10は、レーザ発振手段であるレーザ発振器11、第1分光器12、第1マスク13、第2分光器14、第2マスク15Aと15B、レンズ16Aと16B、及び、シャッタ17で構成される。ここで、第1分光器12ないしシャッタ17は、照射エネルギ、照射時間、または、ビーム幅の異なる複数のレーザ光をガラス基板21に誘導するための光学素子として機能する。
なお、レーザ発振器11の照射/非照射の切り替えとシャッタ17の開/閉の切り替えとは、図示しない制御装置により行われる。
一方、光学系10’は、光学系10とレーザ発振器11を共有するように構成され、XYステージ20のX軸に対して光学系10とは対称になるように構成された光学系である(光学系10と10’との位置関係については後述する)。具体的には、光学系10’は、第1マスク13’、第2分光器14’、第2マスク15A’と15B’、レンズ16A’と16B’、及び、シャッタ17’を備える。なお、光学系10’の各素子12’〜17’は、光学系10の各素子12〜17と同一の構成である。
次に、レーザ発振器11から発振されるレーザ光の光路を光学系10について説明する。
レーザ発振器11としては、レーザ波長が635〜830nmの半導体レーザや、レーザ波長が1064nmのYAGレーザ等を用いる。
第1分光器12は、レーザ発振器11から発振されるレーザ光11Aを第1マスク13と13’に振り分けるための分光器である。具体的には、第1分光器12は、ハーフミラーやビームスプリッタキューブ、ケスタープリズム等のビームスピリッタで構成される。
第1マスク13は、レーザ発振器11から出射されるレーザ光11Aをトップハット型のレーザ光11Bに整形するマスクである。トップハット型のレーザ光とは、レーザ光端部と中央部のエネルギ強度分布差が少ないレーザ光のことをいう。
第2分光器14は、レーザ光11Bを第2マスク15Aと15Bに振り分けるための分光器である。分光された2本のレーザ光11Bは、それぞれ第2マスク15Aと15Bに入射される。具体的には、第2分光器14は、ハーフミラーやビームスプリッタキューブ、ケスタープリズム等のビームスピリッタで構成される。
第2マスク15Aと第2マスク15Bは、第1マスク13で整形されたレーザ光11Bを所望の断面形状を有するレーザ光11Cとレーザ光11Dに整形するマスクである。ここでは、第2マスク15Aが正方形の孔部を有するマスクであり、第2マスク15Bが長方形の孔部を有するマスクである場合について説明する。第2マスク15Bは、XYステージ20のX軸と短辺が平行になるように設置される。
なお、第2マスク15Aと15Bは、第1マスク13でトップハット型に整形されたレーザ光11Bの光路の断面における中央部分の光を透過するように設置するものとする。従って、レーザ光11Cと11Dは、断面内における強度分布が均一なレーザ光となる。
レンズ16Aとレンズ16Bは、レーザ光11Cとレーザ光11Dを所望の光径を有するレーザ光11Eと11Fに収斂するレンズである。ここで用いるレンズ16Aは、レーザ光11Eの結像焦点でのレーザ光径が20μm角(一辺が20μmの正方形)になるように曲率が設定されるレンズであり、レンズ16Bは、レーザ光11Fの結像焦点でのレーザ光径が20μm×50μmの長方形になるように設定されるレンズである。
なお、レーザ光11Cのレーザ出力は、360mW/400μm(20μm角)となるように設定し、1周期が25μsec.のパルスレーザとした。また、レーザ光11Dのレーザ出力は、900mW/1000μm(20μm×50μm角)となるように設定し、1周期が25μsec.のパルスレーザとした。
シャッタ17は、レーザ光11Dの光路に配設され、図示しない制御装置により開閉制御が行われる。
ここで、第2マスク15Aと15B、レンズ16Aと16Bは、レーザ光11Eと11Fの照射領域が結像焦点において隣接するように構成される。すなわち、本発明のレーザ光を用いた熱転写装置は、実際には図1には示さないミラー等の光学系素子を備えることにより、レーザ光11Eと11Fの照射領域を結像焦点において隣接させるように構成されている。
また、光学系10’は、XYステージ20のX軸に対して光学系10とは対称になるように構成された光学系であるため、誘導されるレーザ光11A’〜11F’は、光学系10によって誘導されるレーザ光11A〜11FとはXYステージ20のX軸に対して光学系10とは対称に誘導される(図1参照)。このため、レーザ光11E’と11F’の照射領域が結像焦点において隣接する。
なお、レーザ光11Eと11E’とが所定間隔を隔てるように光学系10、10’が配設される。
また、2軸ステージ手段としてのXYステージ20は、カラーフィルタ用のガラス基板21を載置するためのステージ20Aをガラス基板21の表面を含む面内相直交する第1軸であるX軸、及び、第2軸であるY軸方向に走査することのできる装置である。また、XYステージ20は、ガラス基板21を設置した状態で熱転写シートを重ね合わせて両者を真空密着するための真空密着機能を備える。
このステージ20AをX軸方向及びY軸方向に走査しながらレーザ光を照射することにより、ガラス基板21に所定のパターンを転写する。
ブラックマトリクスのパターンを転写させるための熱転写シートを、転写層がガラス基板21側に向くようにしてガラス基板に真空密着させる。
熱転写シートとしては、例えば下記のものを用いる。
熱転写シートとしては、透明なフィルム基材の片面に光熱変換層とブラックマトリックス転写層を設けたものが用いられる。また、転写性を調整する目的で光熱変換層とブラックマトリックス転写層の間に離型層や剥離層を設けても良いし、ブラックマトリクス転写層上に接着層を設けても良い。またブラックマトリックス転写層がレーザ光を吸収し光熱変換層の働きを兼ね備える場合は光熱変換層を省略しても良い。この場合はフィルム基材とブラックマトリックス転写層の間に離型層や剥離層を設けても良い。
フィルム基材としては、用いるレーザ光のレーザ波長における光線透過率が60%以上、より好ましくは80%以上である透明なフィルム基材が好ましく用いられる。例えば、ポリエステルフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等が挙げられる。基材の厚みとしては3〜200μmで、特に好ましくは50〜125μmである。基材厚みが薄くなるほど真空密着性が悪くなり、転写感度が低下する。厚すぎるとフィルムの搬送性が悪くなってくる。
光熱変換層は、用いるレーザ光の光を吸収し熱変換させる層であり、レーザ波長における光線吸収材料と結着材により構成される。かかるレーザ光線吸収材料としては、赤外線吸収剤等が挙げられ、特にカーボンブラックやチタンブラック等の無機粒子が好ましい。結着材としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアリレート樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂等やこれらの共重合樹脂、変性樹脂、電離照射線架橋樹脂、熱硬化樹脂等が用いられる。
これらの樹脂のなかでも特に熱分解温度が200℃以上の耐熱性が高い樹脂はアブレーション耐性が高く好ましく用いられる。光熱変換層のレーザ波長における光線吸収率としては、50%以上が好ましく、より好ましくは60〜90%である。低すぎると光熱変換の効率が低くなり、エネルギのロスが大きくなる。高すぎると目標とするブラックマトリックスの線幅となる最適な転写エネルギのマージンが狭くなり描画精度が悪くなってくる。
光熱変換層の厚みとしては0.5〜5.0μmで、好ましくは2.0〜3.0μmである。厚みが薄すぎると熱変換効率が低くなりエネルギのロスが大きくなる。また薄膜で熱変換効率を上げるためにレーザ光線吸収材料の比率を上げると塗膜強度が低下してくるためアブレーションが発生しやすくなり、光熱変換層ごと転写してしまい転写時にヨゴレが発生する。厚すぎると熱伝導性が低くなり転写感度が低下したり、線幅の精度が低下してくる。光熱変換層における、レーザ光線吸収材料と結着材の比率は1/20〜2/1で、特に1/10〜1/1の範囲とすることで、上記のごとき、熱変換効率と膜厚とすることが好ましい。
ブラックマトリックス転写層は、レーザ熱転写性とブラックマトリクス適性を有する層であり遮光性材料と結着材(熱硬化性樹脂)とにより構成される。遮光性材料としてはカーボンブラック、チタンブラック等の無機粒子が好ましく用いられる。またカーボンブラック、チタンブラックは遮光性材料であると共に、赤外線吸収材料でもあるため、光熱変換層を設けない構成とすることも可能となる。結着材としてはレーザ熱転写性とブラックマトリクス適性を付与するために熱可塑性と熱硬化性を有する樹脂組成とすることが好ましく、熱硬化性官能基を有し、なおかつ軟化点が50〜120℃である樹脂材料及び硬化剤等により構成される。例えば、エポキシ樹脂と硬化剤の組合せなどが挙げられる。
ブラックマトリクス転写層の遮光性としては、透過濃度で2.5以上、特に3.0以上とすることがディスプレイとしたときの光漏れを防止する上で好ましい。低すぎると光漏れが生じディスプレイとしての性能が低下してくる。ブラックマトリクス転写層の厚みとしては0.5〜10.0μmで、好ましくは0.8〜5.0μmである。厚みが薄すぎると遮光性が低くなる。また薄膜で遮光性を上げるために遮光性材料の比率を上げると熱転写性が低下して転写感度が低くなったり、ブラックマトリクスとしたときの耐薬品性が低下してくる。厚すぎると転写感度が低下したり、転写時のエッジの切れが悪くなってくる。ブラックマトリクス層の遮光性材料と結着材の比率としては3/7〜2/1が好ましく、上記のごとき、遮光性と膜厚とすることが好ましい。
このような熱転写シートの好ましい実例は、下記の通りである。
熱転写シートの光熱変換層は、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムフィルム(PET)を基材として、その基材の片面に、光熱変換層塗工液をバーコート法により塗布した後、110℃2分間乾燥して厚さ3μmの光熱変換層を形成した。次いで光熱変換層上に離型層塗工液をバーコート法により塗布した後、紫外線硬化して厚さ1μmの離型層を形成した。次いでブラックマトリックス転写層塗工液をバーコート法により塗布した後、110℃2分間乾燥して厚さ1.2μmのブラックマトリックス転写層を形成した。
なお、ここで用いる光熱変換層塗工液の組成は、カーボンブラック、2重量部、ポリアミドイミド樹脂、17重量部(東洋紡績(株)製:MT−5050)、ポリエステル樹脂:1重量部(東洋紡績(株)製:パイロン)、エタノール/トルエン(1/1):80重量部である。
また、ここで用いる離型層塗工液の組成は、トリメチロールプロパントリアクリレート:20重量部(日本化薬(株)製:KAYARAD TMPTA)、重合開始剤:1重量部(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製:IRGACURE904)、メチルエチルケトン/メチルイソブチルケトン(1/1):79.9重量部である。
また、ここで用いるブラックマトリックス転写層塗工液の組成は、カーボンブラック:10重量部、エポキシ樹脂:10重量部(ジャパンエポキシレジン(株)製:エピコート1004AF(軟化点:97℃))、エポキシ樹脂:5重量部(ジャパンエポキシレジン(株)製:エピコート157S7(軟化点:70℃))、硬化剤:3重量部、メチルエチルケトン/トルエン(1/1):72重量部である。
なお、基材上に、光熱変換層を設けた構成で、780nmの波長における透過率は10%であった。
本発明のレーザ光を用いた熱転写装置は、様々なブラックマトリクスパターンを形成することができるが、ここでは、アライメントマークを形成する場合を例として説明する。
図2は、本発明の実施例1に係るレーザ光を用いた熱転写装置による熱転写工程で用いるアライメントマークのパターンの一例を転写工程と共に示す図である。なお、時系列的には図2(a)、図2(b)、図2(c)の順で転写工程が進行する。
図2(c)に示すパターンのアライメントマーク30は、ブラックマトリクスの転写工程と同一の工程で転写されるものであり、ステージ20上に載置されるガラス基板21上に転写されて位置決め用に用いられるパターンである。アライメントマーク30は、ステージ20の走査方向のX軸方向に平行に伸びる第1領域31A、31Bと、第1領域31A、31Bの長手方向中央からY軸方向外側にそれぞれ伸びる第2領域32A、32Bとから構成される。
なお、レーザ光11Eと11E’のY軸方向の幅(20μm)は、第1領域31A、31Bの幅に相当し、レーザ光11Fと11F’の照射範囲(20μm(X軸方向)×50μm(Y軸方向))は、第2領域32Aと32Bの領域の大きさに相当するように設定されている。
次に、このアライメントマーク30の転写方法について説明する。
まず、図1に示す本発明のレーザ光を用いた熱転写装置のXYステージ20上に熱転写シートを重ねたガラス基板21を載置した状態において、シャッタ17と17’を閉じた状態でレーザ発振器11からレーザ光11Aを発振させると共に、XYステージ20をX方向に800mm/sの速度で走査し、レーザ光11E、11E’により平行な第1領域31Aと31Bを転写し始める。これにより、X軸に沿って幅20μmのブラックマトリクスが転写されて行く(図2(a)参照)。
図2(b)に示すように、第1領域31A、31Bの転写が第2領域32A、32Bとの合流点に差し掛かるところで、シャッタ17と17’を開くことによりレーザ光11F、11F’によって第2領域32Aと32Bを転写する。シャッタ17、17’が開いた状態で熱転写シートに照射されるレーザ光11Fと11F’の照射領域は、上述のように、第2領域32Aと32Bの大きさに合わせてあるので所定時間(例えば、25μsec程度)照射することにより、50μm×20μmの第2領域32Aと32Bが転写される。
所定時間経過後にシャッタ17を閉じ、第1領域31Aと31Bの残りの部分を転写する。図2(c)は、転写し終えた状態を示す。このような作業により、アライメントマーク30を得ることができる。
このように、本発明のレーザ光を用いた熱転写装置によれば、上述した第1領域31A、31Bと第2領域32A、32Bとのそれぞれにおける接合部分30a、30bにおいて、相隣接する領域同士を同時に転写するので、従来のように接合部分において先に転写された領域の境界部分が硬化して転写されずに熱転写シート側に残存することがなくなり、接合部分30a、30bを形成することができる。
また、本発明のレーザ光を用いた熱転写装置によれば、ステージの1回の走査で照射エネルギ、照射時間またはビーム幅の異なる複数のレーザ光を照射してブラックマトリクスパターンを形成するので、形状の異なる複数の転写パターンを各転写パターン毎の最適な転写エネルギとなるような照射エネルギのレーザ光で転写でき、複数の転写パターンを高精細で高速で転写できる。これによりブラックマトリクスパターンに含まれる画素間の遮光部となる数10μ幅の高精度なライン状の転写パターンや、TFT部分の遮光部となるドット状の転写パターン、外周部の枠線に相当するような太線状の転写パターン等を同時に複数形成することができる。また形状の異なる隣接パターンも同一走査時に形成することができ、隣接パターンにおける境界部分の形状、位置精度が良好なパターンを熱転写することができる。
また、以上の説明では一つのレーザ発振器から4本のレーザ光を誘導して熱転写を行う場合について説明したが、レーザ発振器から誘導するレーザ光の数は幾つでもよく、さらに、レーザ発振器を複数用いることにより任意の数のレーザ光を誘導して熱転写を行うようにしてもよい。
また、以上の説明では、ビームエキスパンダで構成される第1マスク13を用いてレーザ発振器11から出射されるレーザ光11Aをトップハット型のレーザ光11Bに整形する場合について説明したが、必ずしもレーザ光11Aをトップハット型に整形する必要はなく、レーザ光の断面内における強度分布がガウス分布のレーザ光であっても、接合部分において先に転写された領域の境界部分が硬化して転写されずに熱転写シート側に残存させることなく、接合部分30a、30bを形成することができる。
また、以上の説明では、カラーフィルタの製造工程で位置決め用に用いられるアライメントマーク30を熱転写する場合について説明したが、本発明のレーザ光を用いた熱転写装置では複数のレーザ光を同時に照射して熱転写を行うので、レーザ光のサイズを変えることにより、サイズや形状を問わずに上述したような接合部分を有する様々なパターンを熱転写することができる。特に、上述の説明ではパターン同士が接合部分を有する場合について説明したが、接合部分を有しない場合でも、複数のブラックマトリクスのパターンを同時に効率よく転写できるものである。
従って、例えば、照射範囲の相隣接する2本のレーザ光を用い、相隣接するライン状のブラックマトリクスパターンとドット状のブラックマトリクスパターンとを同一走査時に形成することができる。
図3ないし図7は、本発明の実施例1に係るレーザ光を用いた熱転写装置で作製することのできるブラックマトリクスのパターンを例示的に示す図である。
本発明の実施例1に係るレーザ光を用いた熱転写装置によれば、例えば、図3ないし図7に示すような様々なブラックマトリクスのパターンを熱転写できる。
なお、図3ないし図7中に示すレーザ光A〜Kは、図1に示すレーザ光を用いた熱転写装置の光学系10を適宜変更することにより、出射するレーザ光の数を(2本、4本、あるいは6本等と)変更すると共に、レーザ光の断面形状をブラックマトリクスパターンに併せて変更することによって得られるものである。
図3は、線幅の異なる2本のレーザ光(レーザ光A、B)を同時に用い、線幅の異なるライン状のブラックマトリクスパターンを形成する場合のレーザ光の断面形状、工程及び最終的に形成されるパターンを示す図である。
すなわち、図3(a)に示すような断面形状を有するレーザ光A、Bを照射しながらX軸方向にステージ20Aを走査することにより、図3(b)に示すブラックマトリクスパターンA、Bを形成する。
図4は、断面形状の異なる2本のレーザ光C、Dの照射領域が、ステージの走査方向(X軸方向)に対して縦列するように配置し、それぞれの照射タイミングを変えてブラックマトリックスパターンを形成する場合のレーザ光の断面形状、工程及び最終的に形成されるパターンを示す図である。
すなわち、図4(a)に示すような断面形状を有するレーザ光C、Dを用い、まず、レーザ光Dのみを照射した状態で、ステージ20AをX軸方向に走査することにより、図4(b)に示すパターンD1を形成する。
次に、ステージ20Aを引き続き走査しながら、レーザ光をレーザ光Cに切り替え、図4(c)に示すパターンD1に続くパターンCを形成する。
さらに、ステージ20Aを引き続き走査しながら、レーザ光をレーザ光Dに再び切り替え、図4(d)に示すパターンD2を形成する。
こうして、図4(d)に示すパターンD1、C及びD2が一体となったブラックマトリクスパターンを形成することができる。
図5は、ステージの走査方向に対して照射領域が並列する2本のレーザ光E、Fを用い、それぞれの照射タイミングを変えてブラックマトリックスパターンを形成する場合のレーザ光の断面形状、工程及び最終的に形成されるパターンを示す図である。
すなわち、図5(a)に示すような断面形状を有するレーザ光E、Fを用い、まず、レーザ光E、Fを共に照射した状態で、ステージ20AをX軸方向に走査することにより、図5(b)に示すパターンE1、F1を形成する。
次に、ステージ20Aを引き続き走査しながら、レーザ光Eのみを照射し、図5(c)に示すパターンE2を形成する。
これに続いて、ステージ20Aを引き続き走査しながら、レーザ光E、Fを共に照射し、図5(d)に示すパターンE3、F2を形成する。
さらに続けて、ステージ20Aを引き続き走査しながら、レーザ光Eのみを照射し、図5(e)に示すパターンE2を形成する。
こうして、パターンE4、F1及びF2からなるブラックマトリクスパターンをステージ20Aの連続的な走査に併せて形成することができる。
なお、パターンE2は、E1に接続することによって伸びたものであり、さらに、E3は、E2に接続することによって伸びたものである。
図6は、線幅の異なる照射領域がステージの走査方向に対して並列的に隣接する2本のレーザ光G、Hを用い、それぞれの照射タイミングを変えてブラックマトリックスパターンを形成する場合のレーザ光の断面形状、工程及び最終的に形成されるパターンを示す図である。
なお、ここで、ドット状のブラックマトリクスパターンとは、図3(a)〜(c)に示すようにレーザ光を照射した状態で走査して転写するパターンではなく、レーザ光をスポット状に(その照射範囲だけで走査せずに)転写するパターンをいう。
すなわち、図6(a)に示すような断面形状を有するレーザ光G、Hを用い、まず、レーザ光G、Hを共に照射した状態で、図6(b)に示すパターンG1、H1を形成する。
次に、ステージ20Aを走査しながら、レーザ光Gのみを照射し、図6(c)に示すパターンG2を形成する。
これに続いて、ステージ20Aを引き続き走査しながら、レーザ光G、Hを共に照射し、図6(d)に示すパターンG3、H2を形成する。
さらに続けて、ステージ20Aを引き続き走査しながら、レーザ光Gのみを照射し、図6(e)に示すパターンG4を形成する。
こうして、パターンG4、H1及びH2からなるブラックマトリクスパターンをステージ20Aの連続的な走査に併せて形成することができる。
図7は、照射領域が隣接するレーザ光I、J及びKを用い、それぞれの照射タイミングを変えてブラックマトリックスパターンを形成する場合のレーザ光の断面形状、工程及び最終的に形成されるパターンを示す図である。
なお、レーザ光Jの照射エネルギーは400μmとし、レーザ光I及びK(360mW/400μm)よりも低出力に設定してある。
まず、ステージ20AをY軸方向に走査しながら、レーザ光Jを用い、低速・低照射出力(例えば100mm/s、400μm)で図7(b)に示すようにX軸に平行な3本のライン状のブラックマトリックスパターンJ1、J2、J3を形成する。
次に、レーザ光I、Kを照射し、図7(c)に示すパターンI1、I2、I3、K1、K2及びK3を形成する。
続いて、ステージ20Aを走査しながら、レーザ光Iのみを照射し、図7(d)に示すパターンI4、I5及びI6を形成する。
これに続けて、レーザ光I、Kを照射し、図7(e)に示すパターンI7、I8、I9、K5、K6及びK7を形成する。
さらに、ステージ20Aを走査しながら、レーザ光Iのみを照射し、図7(f)に示すパターンI10、I11及びI12を形成する。
こうして、パターンJ1、J2、J3、I10、I11、I12、K1、K2、K3、K5、K6及びK7からなるブラックマトリクスパターンをステージ20Aの連続的な走査に併せて形成することができる。
なお、パターンI10、I11、I12は、それぞれ、パターンI1、I2及びI3から、パターンI4、I5及びI6に伸び、続いてパターンI7、I8及びI9に伸び、最終的にパターンI10、I11、I12の長さにまで伸びたものである。
また、以上の説明では、2軸ステージ手段としてのXYステージ20を用い、カラーフィルタ用のガラス基板21を載置するためのステージ20Aをガラス基板21の表面を含む面内相直交する第1軸であるX軸、及び、第2軸であるY軸方向に走査する場合について説明したが、ブラックマトリクス転写層を含む熱転写シートが重ねられた基板を載置し、この基板の表面を含む面内で基板を第1軸方向であるX軸方向に走査可能な1軸ステージ手段をXYステージ20の代わりに用い、これと共に、レーザ発振器11から基板上に誘導される複数のレーザ光を基板の表面を含む面内においてX軸に直交する第2軸であるY軸方向に走査可能なレーザ光走査手段(図示せず)を備えるように構成してもよい。
レーザ光走査手段としては、具体的には、可動ステージ等を用いることができ、この可動ステージは、図1における光学系を搭載するように配置すればよい。
また、以上の説明では、レーザ光を数本(図1では最終的に4本)に分光する場合について説明したが、光学系内の分光器により、レーザ光を数10〜数100本に分岐してもよく、生産性をさらに向上させることができる。
従来、このような多分岐型は、繰り返しでの位置精度が低下により、繰り返し転写の後半部分で隣接パターンに隙間ができてしまうといった問題があったが、本発明の場合は隣接パターンにおける境界部分の形状、位置精度が良好なパターンを熱転写することができるので、多分岐型にすることにより、生産性を向上させることができる。
実施例2
図8は、本発明の実施例2に係るレーザ光を用いた熱転写装置の構成を示す図である。
図8に示すレーザ光を用いた熱転写装置は、複数のレーザ発振器から発振されるレーザ光を用いてブラックマトリクスを転写する装置である。
図1に示す実施例1に係るレーザ光を用いた熱転写装置における構成要素と同一物には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図8において、レンズA1−レンズA2及びレンズB1−レンズB2は、レーザ発振器からのビームサイズを広げる為のビームエキスパンダーである。
レンズ43は結像光学系で、レンズA3−レンズ4(レンズB3−レンズ4)で、テレセントリック光学系とするのが好ましい。ミラー40により、レーザ光Aとレーザ光Bを隣接する。
マスク41は、レーザ発振器から発振されるレーザ光を整形するマスクであり、このマスク形状をレーザ光Aとレーザ光Bの照射エリアで変えることにより、照射エネルギ、照射時間、ビーム幅の異なる複数のレーザ光を加工面に誘導するための光学素子として機能することが可能となる。
なお、アパーチャ42は必ずしも備える必要はない。
この他に、図示していないシャッタを発振器からミラー40までの光路上に設けることにより、照射エネルギ、照射時間の異なる複数のレーザ光を加工面に誘導するための光学素子として機能する。
このように複数のレーザ発振器を用いたレーザ光を用いた熱転写装置においても、実施例1に係るレーザ光を用いた熱転写装置と同様にブラックマトリクスを熱転写することができる。
なお、レーザ発振器の数は、3つ以上であってもよい。
本発明の実施例1に係るレーザ光を用いた熱転写装置の構成を示す図である。 本発明の実施例1に係るレーザ光を用いた熱転写装置による熱転写工程で用いるアライメントマークのパターンの一例を転写工程と共に示す図である。 本発明の実施例1に係るレーザ光を用いた熱転写装置で作製することのできるブラックマトリクスのパターンを例示的に示す図である。 本発明の実施例1に係るレーザ光を用いた熱転写装置で作製することのできるブラックマトリクスのパターンを例示的に示す図である。 本発明の実施例1に係るレーザ光を用いた熱転写装置で作製することのできるブラックマトリクスのパターンを例示的に示す図である。 本発明の実施例1に係るレーザ光を用いた熱転写装置で作製することのできるブラックマトリクスのパターンを例示的に示す図である。 本発明の実施例1に係るレーザ光を用いた熱転写装置で作製することのできるブラックマトリクスのパターンを例示的に示す図である。 本発明の実施例2に係るレーザ光を用いた熱転写装置の構成を示す図である。 従来のレーザ光を用いた熱転写方法において、本来接合したいパターン同士が分離した場合のパターンを示す図である。
符号の説明
10、10’ 光学系、11 レーザ発振器、11A、11B、11C、11D、11E、11F、11A’、11B’、11C’、11D’、11E’、11F’ レーザ光、12 第1分光器、13、13’ マスク、14、14’ 第2分光器、15A、15B、15A’、15B’ マスク、16A、16B、16A’、16B’ レンズ、17、17’ シャッタ、20 XYステージ、20A ステージ、21 ガラス基板、30 アライメントマーク、30a、30b 接合部分、31A、31B 第1領域、32A、32B 第2領域。

Claims (13)

  1. レーザ発振手段から発振される複数のレーザ光を誘導するための光学系と、
    ブラックマトリクス転写層を含む熱転写シートが重ねられた基板を載置し、この基板の表面を含む面内で前記基板を相直交する第1軸方向と第2軸方向に走査可能な2軸ステージ手段と
    を備え、前記2軸ステージ手段を第1軸方向または第2軸方向に走査する際に前記光学系を介して複数のレーザ光を前記基板に照射することにより、前記基板上にブラックマトリクス層を熱転写することを特徴とするレーザ光を用いた熱転写装置。
  2. レーザ発振手段から発振される複数のレーザ光を誘導するための光学系と、
    ブラックマトリクス転写層を含む熱転写シートが重ねられた基板を載置し、この基板の表面を含む面内で前記基板を第1軸方向に走査可能な1軸ステージ手段と、
    レーザ発振手段から前記基板上に誘導される複数のレーザ光を前記基板の表面を含む面内において前記第1軸に直交する第2軸方向に走査可能なレーザ光走査手段と
    を備え、前記光学系を介して複数のレーザ光を前記基板に照射する際に、前記ステージを第1軸方向に走査することと、前記レーザ光を第2軸方向に走査することとにより、前記基板上にブラックマトリクス層を熱転写することを特徴とするレーザ光を用いた熱転写装置。
  3. 前記光学系は、前記複数のレーザ光の照射領域が隣接するように構成されると共に、ブラックマトリクスを熱転写する複数のパターンの接合部分に同時に複数のレーザ光を照射するように構成されることを特徴とする請求項1または2記載のレーザ光を用いた熱転写装置。
  4. 前記光学系は、照射エネルギ、照射時間、または、ビーム幅の異なる複数のレーザ光を前記基板に誘導するための光学素子を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項記載のレーザ光を用いた熱転写装置。
  5. 相直交する第1軸方向と第2軸方向に走査可能なステージ上にブラックマトリクス転写層を含む熱転写シートが重ねられた基板を載置し、この基板の表面を含む面内で前記基板を走査する工程と、
    複数のレーザ光を前記基板に誘導する工程と
    を含み、前記基板上にブラックマトリクス層を熱転写するレーザ光を用いた熱転写方法。
  6. 第1軸方向に走査可能なステージ上にブラックマトリクス転写層を含む熱転写シートが重ねられた基板を載置し、この基板の表面を含む面内で前記基板を第1軸方向に走査する工程と、
    複数のレーザ光を前記基板に誘導する工程と、
    前記複数のレーザ光を誘導する際に前記複数のレーザ光を前記基板の表面を含む面内において前記第1軸に直交する第2軸方向に走査する工程と
    を含み、前記基板上にブラックマトリクス層を熱転写するレーザ光を用いた熱転写方法。
  7. 照射エネルギ、照射時間、または、ビーム幅の異なる複数のレーザ光を基板に誘導する工程を含むことを特徴とする請求項5または6記載のレーザ光を用いた熱転写方法。
  8. 複数のレーザ光の照射領域が隣接するように構成される光学系を用い、ブラックマトリクスを熱転写する複数のパターンの接合部分に同時に複数のレーザ光を照射する工程を含むことを特徴とする請求項5ないし7のいずれか一項記載のレーザ光を用いた熱転写方法。
  9. 前記複数のレーザ光により、相隣接するライン状のブラックマトリクスパターンとドット状のブラックマトリクスパターンとを同一走査時に形成する工程を含むことを特徴とする請求項8記載のカラーフィルタの製造方法。
  10. 前記複数のレーザ光により、線幅の異なるライン状のブラックマトリクスパターンを同一走査時に形成する工程を含むことを特徴とする請求項8または9記載のカラーフィルタの製造方法。
  11. 前記複数のレーザ光の照射領域が、ステージの走査方向に対して同一線上に縦列または並列するように前記複数のレーザ光を照射する工程を含むことを特徴とする請求項5ないし7のいずれか一項記載のカラーフィルタの製造方法。
  12. 前記複数のレーザ光の照射領域が、ステージの走査方向に対して同一線上に隣接して縦列または隣接して並列するように前記複数のレーザ光を照射する工程を含むことを特徴とする請求項5ないし7のいずれか一項記載のカラーフィルタの製造方法。
  13. 請求項1ないし5のいずれか一項記載のレーザ光を用いた熱転写装置によるカラーフィルタの製造方法、または、請求項5ないし12のいずれか一項記載のカラーフィルタの製造方法に用いられ、
    50〜120℃の軟化点を有すると共に熱硬化性を有する熱硬化性樹脂と、遮光性材料とで構成されるブラックマトリックス転写層をフィルム基材の片面に形成したことを特徴とする熱転写シート。
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