JP2005186140A - スポット溶接機 - Google Patents

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Abstract

【課題】下部の板状の電極板の上で上部の溶接ガンにより、被溶接物をはさんでスポット溶接するスポット溶接機を提案する。
【解決手段】被溶接物Wを上下からはさんで通電加熱してスポット溶接する上部および下部電極10、20のうちで、この上部電極20を被溶接物Wに点接触する溶接ガンとして構成する一方、下部電極10に、平坦な板状の導電性材料からなって、しかも、被溶接物Wがのせられてスポット溶接される電極板11を設け、この電極板11の裏側には絶縁層12を介してベ−ス台13を取付け、さらに、電極板11には平面状に冷却水が流通する流通回路90を設ける。
【選択図】図1

Description

この発明はスポット溶接機に係り、なかでも、下部電極として構成される板状の電極板の上で上部電極として構成される溶接ガンにより、上下から被溶接物をはさんでスポット溶接する際に、この電極板の全面にわたって冷却でき、しかも、この電極板をその上に置かれた被溶接物による通電の間の電磁誘導の影響を小さくでき、さらに、下部電極を板状の電極板として構成することにもとづく溶接時の分流をなるべく少なく押さえることができるスポット溶接機に係る。
一般に、金属板などの溶接において、溶接すべき金属板や金属箱又は金属枠など(以下、被溶接材又は被溶接物という)を重ね合わせ、この部分を加圧通電して接合する溶接が抵抗溶接であって、抵抗溶接の中で最っとも広く用いられているのがスポット溶接である。また、抵抗溶接の熱源は重ね合わせ部分の通電によって生じる抵抗熱であることから、被溶接材を加圧接合する溶接熱源として利用するには、熱源温度が不安定なため必ずしも好ましくない面があり、被溶接物をはさんで加圧することから打こんが残るという面もあるが、自動車ボディの製造や板金加工の分野には、スポット溶接やシ−ム溶接として実用化されている。この主たる理由は、ア−ク溶接法などに較べると、抵抗溶接は溶接棒やフラックスなどの添加剤を必要としないからであって、現在最っとも利用されている溶接法の一つである。このため、現在では、その用途は多方向にわたり、自動車ボディの組立や金属函、枠組物などの組立てのほかに、広く板金加工一般に広く用いられている。
すなわち、広く普及かつ利用されているスポット溶接などの抵抗溶接は先にのべたとおり、溶接熱源は被溶接物間に発生するジュ−ル熱である。このジュ−ル熱は被溶接物の物性に左右される欠点をもっているが、被溶接物をとかす融接法でなく、元来が圧接法であり、溶接条件を左右するのは溶接電流や溶接時間、さらに溶接時の加圧力であって、これらを制御調和させると、熱源温度も制御でき、きわめて有益な溶接法である。
このようなところから、スポット溶接は自動車ボディを含めて数多くの分野で利用され、その用途に応じて種々の型式の溶接機が実用化されている。しかし、いずれの用途に適用する場合でも、スポット溶接機は被溶接物に強大な電流と加圧力を与えることが必要である。したがって、スポット溶接機はこの溶接条件を調和させる構造になっており、ほとんど直上型の定置型といわれる加圧方式がとられ、プレス機器と同様に加圧する構造になっている。
すなわち、スポット溶接の原理は、重ね合わされた2枚の被溶接物を上下の電極の間ではさみ、各電極の先端に取付けた溶接チップによってはさみ込んだ領域、つまり、スポット又は点の被溶接部を加圧通電して溶接するものである。
この接合原理からして、直上加圧式のスポット溶接機は、上下の電極で対向する端部には溶接チップが設けられ、上部電極を下部電極に向けて下降させ被溶接物の被溶接部を局部的に加圧して溶接するという、プレス機器と同様な構造をとるものである。下部電極は上部電極による加圧力を直接受けることになるため、強固に支持装置で支持される。上部電極は下部電極の上に設けられ、下部電極に向って下降し、高い加圧力が加えられるよう構成される。このため、通常、上下の電極はプレス機器のように加圧装置や支持装置と一体に構成され、この一体化されたスポット溶接機が一定の場所に据付けられて使用され、この意味からも定置式と云われている。
定置式溶接機で溶接するときには、被溶接物を据付けられた溶接機のところまで移動させて保持し、そこで溶接すべきところ、すなわち、被溶接点を順次に溶接する。平たくいうと、被溶接物を溶接機の設置場所まで移動させ、そのところで被溶接物を作業員などが保持しながら被溶接点のところを順次に送って溶接する。このため、大型の被溶接物、例えば自動車ボディや大型金属箱であると、その運搬や被溶接点の順次の送りおよび移動位置での保持は大変な重筋作業となる。とくに、組立作業や治具設備が合理化されている自動車ボディの組立作業を除くと、このところがほとんどの板金加工では共通して解決されない問題点になっている。
この点を改善するものとして、定置型スポット溶接機に代ってポ−タブル型のスポット溶接機も提案されている。すなわち、ポ−タブル型は上下の電極を溶接電源その他の溶接機本体から分離して持ち運びできるように構成し、この間をフレキシブルな導電ケ−ブルで接続している。この溶接機は、上下の電極を自由に移動できるが、これら電極がプレス機器のような加圧機構によって加圧できるよう構成されていないため、大きな加圧力が加えることができない。このため、圧接としての特徴が十分にいかせないところが弱点であって、強固な溶接継手の形成には不適当である。さらに、上下の電極が導電ケ−ブルで接続され、導電ケ−ブルはきわめて長くなるため、通電の間の電磁誘導により大きなリアクタンスが生じ、電流量を大きくできない欠点があって、強固な接合強度が要求される被溶接物には不適当である。
要するに、可搬式として構成した上部電極には一体として機械的な加圧機構を設けることができないため、溶接時の加圧力が制限され所定の強度の溶接継手が得られないほか、この面からも溶接継手の強度が高められない。
このようなところから、本発明者らは、先に、特願平5−139543号(特許第3445636号)明細書に示す構造のスポット溶接機を提案した。
このスポット溶接機は、上下から被溶接物をはさんで加圧通電してスポット溶接する上下一対の電極において上部電極は先端に溶接チップを具える棒状の溶接ガンとして構成する一方、下部電極は従来例の如く棒状に構成することなく板状の導電性材料から成る板状の電極板から構成する溶接機である。この溶接機は下部電極として働く板状の電極板の表面のいずれのところでも電極として働くことができるため、上部電極として働く溶接ガン先端の溶接チップによって加圧されるところが下部の点弧電極となり、このところの局部的な通電によってスポット溶接が達成できる。このところは板状の電極板のいずれのところも電極として働くことができるため、板状の電極板の上で置いたままで被溶接物は移動させることなく溶接できることになる。
また、板状の電極板の下部電極に対し、上部電極として働く溶接ガンは板状の電極板上で自由に移動できる構造をとっている。横向き姿勢で用いる溶接ガンは、その中間点で支持ポストを介して回転自在に支持され、てこ方式によって後端に加えた上向きの引張り力によって先端の溶接チップが下向きに旋回され、被溶接物に高い加圧力を加えることができる構造に構成され、溶接ガンは支持ポストとともに板状の電極板の全面にわたって自由に平面移動できる構造に構成されている。このため、板状の電極板上に置いたままの被溶接物上の各被溶接点のところに上部電極として働く溶接ガンを順次に移動させて被溶接点のところに位置決めすると、連続的に溶接できる。
また、この溶接機であると、支持ポストには横向き姿勢の溶接ガンの後端に上向きの引張り力を加えるためにエア−シリンダなどの加圧機構を支持ポストに塔載すると、プレス機器と同様な方式をとって加圧させることもでき、先端の溶接チップによって加えられる加圧力はてこの倍力機構の原理を利用して高めることもでき、電流を通し易いアルミニウム合金材なども溶接できる。
しかしながら、このように表面がきわめて広い板状の電極板として上部電極を構成する場合には、電極の表面全体が溶接時に通電されている状態になりその上に被溶接物が置かれることになる。このため、溶接するときには板状の電極板全体が通電により加熱されることになり、少なくとも平均して冷却することが必要になる。さらに、板状の電極は実質的には溶接するところのみが局部的に高い加圧力で加圧されることになって相当強固な構造でないと加圧力により表面にくぼみ、その部分が電極面としての性能が変わり溶接性が劣化する。つまり、表面の凹凸により被溶接物をはさんで溶接するときに被溶接物の接触度合が変化し、均一に加熱通電して溶接ができない。
このようなところから、板状の電極板を構成する電極板はその表面が常に均一で平坦であることが必要で、さらに、通電性から云ってそのものは導電性の材料、なかでも、銅またはその合金板から構成するが、銅または合金板は鋼板などに比べると柔かい。さらに、通常銅またはその合金板はきわめて高価であり、これを厚く強固なものにすると、きわめて高価になって経済的な面からも好ましくない。
また、溶接時には被溶接物を電極板の上にのせるため、溶接時には被溶接物そのものが加電されてそれによる電磁誘導が起こる。とくに、電極板全体が加熱されているときにはその影響が大きく電圧を高めてもそれに応じて電流量を高めることはできない。このため、高い加圧力や電流量を必要とする被溶接物、例えば、ステンレス材やアルミニウム材などの溶接が必ずしも達成できないという問題が生じる。さらに、板状の電極板を下部電極として用いるため、どうしても先に接合した溶接点との間で分流が起こり、溶接性が損なわれる。
さらに、全面が電極となる電極板ではその支持機構に対する電流の漏洩が避けられず、これによって装置そのものや各構成部分が影響され、劣化し好ましくない。
要するに、下部電極を板状の電極板として構成すると、スポット溶接機を含め、抵抗溶接機では致命的と云われる、ふところが広いと云われる現象がどうしても生ずることになり、この問題をどの程度緩和できるかどうかという問題がつきまとうことになる。これに併せ、電極面がきわめて広いため、これに応じての障害、つまり、他の溶接点との分流が除去できるかどうかが問題になる。
特願平5−139543号(特許第3445636号)明細書
本発明は上記欠点を解決することを目的とし、具体的には、下部電極として構成される板状の電極板の上で上部電極として構成される溶接ガンにより、上下から被溶接物をはさんでスポット溶接する溶接機であって、この溶接機において下部電極としての電極板を全面にわたって冷却でき、電極板の上に置かれた被溶接物による通電の間の電磁誘導や他の溶接点との間の分流の影響も小さくできるスポット溶接機を提案する。
すなわち、本発明に係るスポット溶接機は、被溶接物を上下からはさんで通電加熱してスポット溶接する上部および下部電極のうちで、この上部電極を被溶接物に点接触する溶接ガンとして構成する一方、下部電極に、平坦な板状の導電性材料からなって、しかも、被溶接物がのせられてスポット溶接される電極板を設け、この電極板の裏側には絶縁層を介してベ−ス台を取付け、さらに、電極板には平面状に冷却水が流通する流通回路を設けて成ることを特徴とする。
本発明は電極板には平面状に流通回路が設けられ、この流通回路によって冷却水が循環して流通して配置されるため、電極板の全面は常に冷却されて一定の温度に保たれており、これにより電磁誘導や分流などの影響が極力避けられ、平面状の電極板に用いるのにもかかわらず、良好なスポット溶接機が達成できる。
また、電極板は絶縁層を介してベ−ス台が取付けられ、これらは植込みボルトを介して一体に構成されているため、電極板の全面は全く平坦でしかも導電性材料のみから成るため、良好な下部電極が構成できる。
また、電極板そのものはそれほど厚くすることなく、高価な銅合金などを用いてもきわめて経済的に構成できる。冷却水が通電する冷却通路は電極板の側面から穿孔した縦、横の通路を交互に組み合わせて一部が循環する閉回路を成すように構成されているために、工作する上においても支障なく工作できる。
そこで、上記のところの手段たる構成ならびにその作用について図面に示すところを通じてさらに具体的に示すと、つぎのとおりである。
なお、図1は本発明の一つの実施例に係るスポット溶接機の構造の一部を示す説明図である。
図2は図1に示すスポット溶接機における下部電極の構造の一部を示す説明図である。
図3は図1に示すスポット溶接機における電極板の構造を示す説明図である。
図4は図1に示すスポット溶接機の電極板における流通回路の説明図である。
図5は図1に示すスポット溶接機全体の一例の説明図である。
まず、図1、図2、図3、図4および図5において、なかでも図5において符号100は本発明の一つの実施例に係るスポット溶接機を示す。このスポット溶接機100において符号10は下部電極、20は上部電極、30は支持ア−ム、40は流通回路、50は溶接電源(図1でその一部を示す)を示す。このスポット溶接機100において、上部電極20は図5に示す通り、被溶接物Wに点接触する溶接ガンとして構成されるが、下部電極10は図2および図3に示す通り板状に構成され、その電極板は平坦な板状の導電性材料から成っている。
すなわち、上部電極20は下部電極10との間で被溶接物Wをはさんでスポット溶接するものである。これら上下の電極10、20のうち、上部電極20は溶接ガン21、溶接チップ22、エア−シリンダ60およびこれらを支持する支持ポスト80から成って、溶接のときに上部の電極として働く棒状の溶接ガン21が横向き姿勢に保持されるかあるいは図示は省略するが、棒状の溶接ガンを縦向き姿勢で保持することもできる。下部電極10として働く電極は板状の電極板11であって、電極面は板状の電極板11上に形成され、その上で溶接ガン21が平面方向に移動できるよう、支持ポスト80によって平面方向に移動できるよう支持される。
図4に示すように、下部電極10として働く電極板11は平坦な導電性板状材から成って、この板状材が表面に設けられ、全体にわたって電極として用いられるよう構成されている。このため、溶接のときには電極板11上に被溶接物Wが置かれると、電極板11は全面にわたって通電されているため、被溶接物Wはそのまま移動させることなく、所望の被溶接点のところを溶接ガン21の先端の溶接チップ22と電極板11との間ではさむと、所望の被溶接点は点弧状にスポット溶接できる。このような溶接機であるから、上部電極20の溶接ガン21を所望の被溶接点まで移動させて位置決めするだけで被溶接物Wを移動させることなく溶接できる。
更にくわしくのべると、電極板11の全面は、図1に示す通り、例えば溶接電源50、なかでも、変圧器の一方の極に接続され、表面のいずれのところでも下部電極10として働かすことができる。このため、溶接のときには電極板11の上に工作物や加工物などの被溶接物Wがおかれ、上部電極20として働く溶接ガン21により上からはさまれて加圧されると、電極板11上の加圧区域が下部電極10として働く。要するに、下部電極10を電極板11として構成するものであるから、被溶接物Wは移動させることはなく電極板11上で所望の被溶接点を順次に溶接できる利点を持つ。
しかしながら、このように電極板全面が通電されているため、溶接時に被溶接物などの電磁誘導により抵抗やリアクタンス、つまり、インピ−ダンスが増加し、電流量が減少する欠点が生ずる。さらに、このような欠点は高温になると増幅される。この欠点を解決するために後に述べる通り下部電極10を構成する。
一方、上部電極20として働く溶接ガン21はどのような加圧方式をとることもできるが、図5に示すように溶接ガン21を支持ポスト80によって横向き姿勢に支持し、てこ方式によって加圧することができる。
すなわち、支持ポスト80は図5に示すように下端部を折り曲げて折り曲げ部81を構成し、その先端の回転ピン82によって溶接ガン21を中間点で回転自在に支承する。このため、溶接ガン21の後端を例えばエア−シリンダ60によって引張ると(なお、手動のときは手動ハンドル25によって上向きに引張ることもできる)、先端の溶接チップ22は回転ピン82を中心として下向きに旋回して下降することになり、溶接チップ22により板状の電極板11上の被溶接物Wの被溶接点を局部的に加圧できスポット溶接できる。
下部電極10は、図1および図2に示すように、表面の電極板11と介在する絶縁層12とそれらを支持するベ−ス台13とから構成されている。すなわち、ベ−ス台13上に絶縁層12を貼り付ける。その上に電極板11を重ねて、これらを裏面から植込みボルト14によって一体に結合する。電極板11の表面はその上にのせた被溶接物Wを加圧したところが溶接点として働く。このため、被溶接物Wには電極板11の表面がどこにおいても平均して接触することが必要である。このところから、電極板11の表面には植込みボルト14の先端が突出することなく、電極板11にはメクラ孔15を裏側から形成して植込みボルト14によりベ−ス台13と一体に結合する。
介在させる絶縁層12は、ある程度の耐久性を持ち、絶縁性にすぐれているものであれば、いずれのものでも用いることができる。シリコンテ−プ、樹脂テ−プあるいはガラスファイバ−テ−プなどを用いることができる。これを介在させるときには予め、ベ−ス台13の上に凹凸なくシリコンテ−プなどを貼り付け、その上に電極板11を積層して植込みボルト14により一体化する。
このように構成すると、下部電極10は電極板11と絶縁層12とベ−ス台13とから成って、このベ−ス台13の一部を切欠き、その切欠き16から溶接電源50の一方の極を連結すると、全体が通電できる。
植込みボルト14で一体化をはかる場合も植込みボルト14の周辺には絶縁層12を介在させる。このように絶縁層12を介在させると、表面の電極板11からの電流をまったく他の溶接機の構成部材に流れないように構成できる。
また、以上の通りに構成される電極板11には冷却水が流通する流通回路90を設ける。この流通回路90は電極板11の表面が全体にわたって冷却できればどのような回路としても構成できる。しかし、流通回路90は電極板11の内部に設けるため、直線通路をコの字状に組み合わせた一部を循環した回路として構成するのが好ましい。
さらにくわしく説明すると、電極板11は銅またはその合金から成っている。これを厚くするときわめて高価になり経済性から云っても好ましくない。なるべく薄く構成するのが望ましいが、溶接時にかける加圧力によって表面にくぼみがアットランダムに生じ、溶接性が損なわれる。この点から下部電極10は電極板11の裏側に絶縁層12を介在させ、機械的強度の強いベ−ス台13によって補強する構造をとっている。
このような構造であると、上部電極20からきわめて高い加圧力が加えられても、十分にそれを支持することができる。とくに、完全に裏側からベ−ス台13によって支承されていると、上部電極20によっての加圧力により凹凸が生じたり、表面の平坦さが失なわれることがない。しかし、このように電極板11をあまり薄く構成すると、そのものの内部から冷却するのがむづかしい。具体的には、内部に冷却水の流通回路90を設けることはきわめてむづかしい。このところから電極板11の厚さは通常10mm〜20mm程度に構成するのが好ましい。
そこで、本発明では、図4に示すように、電極板11の側方から平行に穿孔して流通通路を形成し、この流通通路を組み合わせてコの字状の流通回路90を形成する。このように流通回路90を組み合わせると、電極板全体にわたって冷却水が循環でき、後に示す通り、広い電極板に起因するふところの深さにもとずく障害が除去あるいは緩和できる。
例えば、図4に示す例によると、電極板11の側方からドリルなどを用いて穿孔し、縦方向に直線状の流通通路91を形成し、この先端を貫通させることなくメクラ孔とし、このところに流入口92を取付ける。
これに対し、その側面に直交する他の側面から横方向にドリルなどを用いて穿孔し、例えば2本の平行な流通通路93、93を形成する。これら横方向の流通通路91の先端は先に形成した縦方向の流通通路93、93に連通させ、これら連通点に流入口92や流出口を設けてもコの字状の流通回路が形成できる。例えば一つの流入口から冷却水を流入させると、直交する流通通路に冷却水が流れ、それが流出口から排出されて電極板11の全面にわたって均一に冷却できる。
このように広い電極板11の内部に流通回路を形成すると、先に述べた通り、そこに置かれた被溶接物Wにより生ずる電磁誘導などのインピ−ダンスなどの増加が緩和できるが、これに併せて電極板11上に置かれた被溶接物Wにおける分流も大幅に軽減できる。
すなわち、電極板11そのものでスポット、つまり、点として加圧されたところのみが溶接に利用されるとしても、どうしても他の溶接点などを通じて所謂分流が生じることは否めない。この点、上記のように流通回路を形成し、電極板11の全面にわたって順次に溶接に利用すると、どうしても分流が起こる。しかしながら、電極板11そのものが定常的に冷却されていると、抵抗があまり大きくならないこともあって、分流の度合は大幅に削減できる。
この点について本発明者らは電極板11そのものを定常的に冷却する場合と冷却しない場合とを冷却水量を変えながら検討した。この結果、冷却水量が冷却回路をある程度満たしているときには冷却水量を必ずしも増やさなくとも分流量は20〜30%程度削減でき、きわめて冷却回路そのものを設けることが有効であることがわかった。
以上のとおり、一方が板状の昇降自在の電極板、他方が棒状溶接ガンから成って、この他方の溶接ガンが上部電極として移動して溶接するスポット溶接機であって、板状の電極板によるふところが広いという現象が軽減でき、板金加工を中心とする溶接作業を広く用いることができる。
本発明の一つの実施例に係るスポット溶接機の構造の一部を示す説明図である。 図1に示すスポット溶接機における下部電極の構造の一部を示す説明図である。 図1に示すスポット溶接機における電極板の構造を示す説明図である。 図1に示すスポット溶接機の電極板における流通回路の説明図である。 図1に示すスポット溶接機全体の一例の説明図である。
符号の説明
10 下部電極
11 電極板
12 絶縁層
13 ベ−ス台
16 切欠き
20 上部電極
22 溶接チップ
50 溶接電源
90 流通回路
91 流通通路
93 流通通路
W 被溶接物

Claims (6)

  1. 被溶接物を上下からはさんで通電加熱してスポット溶接する上部および下部電極のうちで、この上部電極を前記被溶接物に点接触する溶接ガンとして構成する一方、前記下部電極に、平坦な板状の導電性材料からなって、しかも、前記被溶接物がのせられてスポット溶接される電極板を設け、この電極板の裏側には絶縁層を介してベ−ス台を取付け、さらに、前記電極板には平面状に冷却水が流通する流通回路を設けて成ることを特徴とするスポット溶接機。
  2. 前記ベ−ス台の一部を切欠いて溶接電源の一方の極を連結することを特徴とする請求項1記載のスポット溶接機。
  3. 前記導電性材料を銅またはその合金の板状材から構成することを特徴とする請求項1記載のスポット溶接機。
  4. 前記電極板の表面を平坦に構成し、しかも、この電極板の裏側から植込みボルトを介してベ−ス台を取付け、植込みボルトの先端を前記電極板のほぼ中央まで延在させ、その先端を前記電極板の表面に全く露出させないことを特徴とする請求項1記載のスポット溶接機。
  5. 前記絶縁層を合成樹脂シ−トから構成することを特徴とする請求項1記載のスポット溶接機。
  6. 前記流通回路は前記電極板の一つの側面から穿孔した縦通路と他の側面から穿孔した横通路とから構成し、横通路の先端を縦通路に連通させ、これら縦および通路により閉回路が構成されるようにすることを特徴とする請求項1記載のスポット溶接機。
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