JP2007175747A - スポット溶接装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】鋼板その他の金属板を横向き姿勢の溶接ガンをてことして用いて加圧通電して溶接するスポット溶接装置を提供する。
【解決手段】下部電極120との間で被溶接材Wを加圧通電してスポット溶接する横向き姿勢の溶接ガン130を支持ユニット140によっててことして支持し、この支持ユニット140を縦方向に貫通する昇降通路内に縦方向に昇降自在に通電加圧棒150が挿通され、この通電加圧棒150によって溶接ガン130の後端の力点に上向き力を加えると共に溶接電流を通電させ、この通電加圧棒150を昇降通路の内壁面から全長にわたって離間しかつ通電加圧棒150の外周に筒状間隙に設ける。
【選択図】図1
【解決手段】下部電極120との間で被溶接材Wを加圧通電してスポット溶接する横向き姿勢の溶接ガン130を支持ユニット140によっててことして支持し、この支持ユニット140を縦方向に貫通する昇降通路内に縦方向に昇降自在に通電加圧棒150が挿通され、この通電加圧棒150によって溶接ガン130の後端の力点に上向き力を加えると共に溶接電流を通電させ、この通電加圧棒150を昇降通路の内壁面から全長にわたって離間しかつ通電加圧棒150の外周に筒状間隙に設ける。
【選択図】図1
Description
本発明はスポット溶接装置に係り、詳しくは、鋼板その他の金属板を被溶接材として先端の電極チップにより加圧通電して溶接する溶接ガンを横向き姿勢でてことして用いて溶接するスポット溶接装置であって、なかでも、この溶接ガンを溶接電流の通電経路および加圧手段として併用し、通電ケ−ブルなど溶接電流の通電経路を大巾に削減して、構造のコンパクト化および合理化をはかり、併せて溶接ガンをてことして用いることに起因する通電性や溶接性への不都合の改善をはかったスポット溶接装置に係る。
金属加工、なかでも板金加工においては、広く一般に溶接すべき金属板などの金属材を重ね合わせて通電加熱して全く溶加材を用いることなく溶接する溶接装置が用いられている。この溶接装置はこの通電によって生じる抵抗熱を熱源として加圧溶接するところから、圧接と融接との融合といわれる抵抗溶接であって、箱や枠などの薄板金属構造物の製作や製造に用いられている。また、この抵抗溶接のうちでも溶接部が点又は点弧を成すスポット溶接装置が最も普及している。
このスポット溶接装置のうちでも大型のものは自動車ボディの量産などに多く用いられるが、板金加工などにも小型の定置式といわれるものが古くから用いられている。前者の大型のものは自動車工業の発達とともに大巾な技術的改善がみられ、自動車ボディの製造などの分野の専用機として開発され急速な進歩改善がはかられている。これに対し、後者の小ロッド多種の工作物の板金加工分野には定置型スポット溶接機といわれるものが普及され一般化されているにも拘らず、この溶接機は改善されることなく数十年にわたってほとんど同じ構造のものであって、現在でもそのまま使用されている。
すなわち、定置型スポット溶接機は2枚の被溶接材を重ね合わせ、これらを上下から上下一対の電極ではさみ加圧通電する型式の溶接機であって、溶接原理としては大型の自動車ボディ専用溶接機などと同じであるが、ほとんどが手動式の溶接機である。この溶接機は上方から下降して2枚の被溶接材に加圧力を加えて溶接するものである。とくに、短時間に大電流を供給して点弧状溶接部として所謂ナゲットを形成するために、上下の電極はともに棒状として被溶接材への加圧通電面積を絞るように構成され、加圧力と電流量を高めて溶接する型式のものである。
このように自動車ボディなどの製造ラインの一部として組込まれる大型スポット溶接機と同じ抵抗溶接原理を利用するのに拘らず、自動車ボディの製造などの分野ではロボット化、自動化などの要請から、溶接すべき部品や組立てや搬送や溶接などの治具の分野の開発がめざましいのに拘らず、所謂板金加工などに供されている定置型スポット溶接機は、このようなところは全く改善されていない。つまり、定置型スポット溶接機ではそれに必要とされている治具などの改善はなく、依然としてほとんどのものが手動で操作されている。
更に説明すると、所謂板金加工の分野では、金属枠や金属箱などのように、内部に溶接すべきところがあってその溶接部が外側から直接加圧できないものや、多品種小ロッドのものが多い。このようなものの溶接では、ライン化は困難であり、その都度溶接機まで搬送して作業員が手でもって溶接が行なわざるを得ない。
いずれにしても、複雑な形状の構造物では内部を溶接することが多く、このときは、上側から上部の棒状電極、要するに溶接ガンといわれる上部の電極を縦向き姿勢のもとで下向きに下降させて溶接することになるが、このような電極操作は困難でありきわめて重筋労働である。また、上下の電極の先端の溶接チップは高電流、高加圧を得るためには絞った形状に構成するが、このように絞った溶接チップによる加圧であると、相当な熟練度をもつ作業者であっても板金加工などでは溶接部には溶接きずや溶接あとなどが残り、これを除去する作業がきわめてはん雑であって板金加工で大きな重筋労働の一つになっている。
このところから、本発明者らは、先に、小ロッドで複雑な形状の構造であっても、また、内部に溶接すべき溶接部があるような構造物であっても、個々の溶接部に応じて溶接姿勢を選択して溶接でき、溶接にともなう加工、組立てなどの作業も併せて達成できるスポット溶接装置を提案した。(特許第3445636号明細書参照)
このスポット溶接機1は、図3に示すとおりであって、下部の電極2は平坦な導電性の板状材から成るテ−ブル式電極あるいはシ−ト状電極としていわれるものとして構成する溶接機である。このスポット溶接機1はシ−ト式電極2上で金属材などの被溶接材Wの加工、組立もできるものである。このスポット溶接機1では、テ−ブル式電極2上におかれた金属材Wに対し溶接ガン3を縦向き姿勢で下降させて溶接するものであって、この装置においては溶接ガン3が伸縮自在の支持ビ−ム4および支持ア−ム5により支持され、テ−ブル式電極2の上で溶接ガン3が昇降すると同時に、自由に平行移動できるように構成され、溶接打点の位置に応じて溶接ガン3を横方向に移動できるように構成されている。
このスポット溶接機1であると、下部電極として用いる板状のシ−ト式電極2の表面を作業面としても利用でき、その表面は全面にわたって通電されて電極としての機能を果すことができ、被溶接材や工作物を置いたままで溶接できる。テ−ブル式電極には、溶接面として働く表面全体にわたって多量の冷却水が流通でき、冷却能力もきわめて大きく溶接時の加圧力も分散して支承できるため溶接跡も残らない。さらに、溶接ガン3そのものをてことして用いるところから、加圧力を高められ、強度の高い溶接継手を得ることができる。
特許第3445636号明細書
しかしながら、このスポット溶接機は、先のとおりの利益が得られ、とくに、被溶接材を溶接打点毎に移動させることなく溶接できるものであるが、この溶接毎に溶接ガンそのものをてことして下向きに下向きの加圧力を加え、電流を流すため、溶接ガン先端の溶接チップが垂直に下降することなく溶接ガンの枢支点を中心とする円弧状軌跡を画いて下向するために加圧力は被溶接材に傾斜して加えられるようになり、さらに溶接ガンが自由に平行移動するために、溶接ガンの加圧機構や給電配線、冷却水の供給系配管等の諸設備をシ−ト式電極の上に吊って配置することになる。必然的に、それらを吊るために支持ビ−ムや支持ア−ムが必要になり、設備が大型化する欠点がある。このため、このようなところについて改善、省略、さらに集約化が望まれる。
さらに、下部電極もテ−ブル式としてそれを作業面としても利用する構造であるから、そのスペ−スを大きくとることになり、なかでも、高価な銅や特殊な銅合金(例えばクロム銅)が多量に必要になって、経済コストの上昇、重量化などの問題があり、この面での改善が望まれている。
本発明は上記欠点を解決を目的とするものであって、このスポット溶接装置は下部電極との間で被溶接材を加圧通電してスポット溶接する横向き姿勢の溶接ガンをてことして支持ユニットにより支持し、この支持ユニットとともに溶接ガンを横方向又は水平方向に移動できるように構成すること、この支持ユニットにはその縦方向に貫通する昇降通路を設けるとともに、この昇降通路内に縦方向に通電加圧棒を昇降自在に挿通すること、この通電加圧棒により溶接ガンの後端を力点として上向き力を加えると共に溶接電流を通電させること、この通電加圧棒と支持ユニットの昇降通路の内壁面との間に全長又は略々全長にわたって離間する筒状間隙を設け、さらにこの筒状間隙内に絶縁性および弾力性をもつ合成樹脂材を介在させることを特徴とする。
依って、溶接機の加圧機構の一つを成す溶接ガンがてことして利用すると同時に溶接電流の通電手段としても利用するため、それを吊り上げる支持ビ−ムや冷却水配管、通電ケ−ブルなどがほとんど必要がなく、構造がきわめてコンパクトになり、究極には製品としての経済性を高めることができる。さらに、通電加圧棒の周囲に筒状空間が設けられているために、てことして加圧したときに生じる溶接ガン先端の横方向のすべりに対応して通電加圧棒がわずかに微動でき、構造的にも無理なく作動できる。
すなわち、溶接ガンをてことして用いることに伴って、先端の溶接チップが円弧軌道を画いて下降し、この円弧軌道に沿っての溶接チップの下降に起因して生じる通電加圧棒の横方向へのわずかのすべりが生じるが、このわずかのすべりに応じて通電加圧棒も横方向に微動でき、溶接ガンに支障なく加圧でき溶接電流も所定のとおりに供給できる。
そこで、これら手段たる構成ならびにその作用について、図面によって具体的に説明すると、つぎのとおりである。
なお、図1は本発明の一つの実施例に係るスポット溶接装置の原理的構造を示す説明図である。
図2は図1に示すスポット溶接装置の溶接ガンを支持する支持ユニットの一部を断面で示す説明図である。
図3は先に提案したテ−ブル式溶接機を側面からみた説明図である。
まず、図1においては、符号100は一般的に本発明の一つの実施例に係るスポット溶接装置が原理的に示され、符号Wは鋼板などの被溶接材を示している。図1においては、符号110は通電ブロック、120は下部電極として働く板状のテ−ブル式電極、130は上部電極として働く溶接ガン、131は溶接ガン130先端の溶接チップ、140は支持ユニット、150は通電加圧棒をそれぞれ示している。
なお、下部電極120は必ずしも板状に構成しなくとも棒状の電極としても構成できる。
この溶接機100によって被溶接物を溶接するときは、被溶接材Wはテ−ブル式電極120の上におかれ、その被溶接材Wに対し溶接ガン130をてことして作動させて溶接チップ131によって下向きに所望の加圧力が加えられ、この加圧力は後記の如く、通電加圧棒150を介して与えられ、間欠的に通電され、所望のところの溶接部(図示せず)が抵抗溶接される。
また、被溶接材Wは板状材であっても、板状材を組立てた金属函や枠体などの構造物であっても、テ−ブル式電極120の上に置かれ、所定のところを溶接しながら組立てることもできる。
要するに、下部の電極120を板状のテ−ブル状として構成すると、その表面は一方の電極とともに作業面として利用でき、例えば、金属函などをつくるときには、オフラインで組立てる必要がなく、テ−ブル式電極120の上でその加工や組立てを行ない、必要が生じたときに溶接を行なうことができる。
したがって、テ−ブル式電極120は平坦でかつなるべく広い導電性板状材、例えば銅又はその合金板から構成し、それの一部に溶接電源(図示せず)の一方の電極が接続される。
すなわち、テ−ブル式電極120は平坦な表面のいずれのところも一つの電極として働き、全表面又は少なくとも中央部を含めてほとんどの部を銅又はそれらの合金材から構成する。このように構成すると、溶接時の加圧などに耐える十分な強度が確保でき、しかも、内部に全体にわたって冷却通路を網目のように形成でき、冷却能力を高めることができる。
以上のとおり、本発明に係るスポット溶接装置100では、上下一対の電極のうちで下方に相当する下部電極を成すテ−ブル式電極120として構成する。それにも拘らず、上部の電極130を接触面積が絞られた棒状の溶接ガンとして構成すると、溶接時の加圧力や電流量を集中して高めてご石状の溶接部、つまりナゲットを形成できる。しかしながら、このような構造のテ−ブル式スポット溶接装置100は、先に説明したとおり、本発明者らがかねてから提案している型式の溶接機と同じ構造である。しかし、構造的にはこのように従来例の定置式などといわれるスポット溶接機とは異なって下部電極120が面積の広い板状のテ−ブル式として構成されているが、溶接ガン130によって加圧通電する部分が点弧部分に限られるため、点溶接が達成できる。
すなわち、テ−ブル式電極120の表面は全面にわたって通電されている。被溶接材Wがおかれるところはどこでも一方の電極として利用できるが、一つの溶接打点毎に電極として利用できるのは、上部の電極として用いられる溶接ガン130の先端に取付けた溶接チップ131が点状又はスポット状に絞られた部分に限られるからである。
また、先端の溶接チップ131は溶接ガン130の先端に着脱自在に保持され、この溶接ガン130は下部の電極を成すテ−ブル式電極120上において横向き姿勢をとって配置される。この溶接ガン130が単に通電経路として使用されるほかに、溶接ガン130をその後端を力点、先端の溶接チップ131とするてことして利用して高い加圧力を加える。
この溶接ガン130には溶接チップ131まで冷却水の供給経路が設けられて先端部分における被溶接材などの溶着を防止するほか、後にのべる通り、溶接時にてことして利用して溶接チップ131への加圧力を高める。
すなわち、溶接ガン130は横向き姿勢に保持され、棒状材として構成され、棒状の溶接ガン130はてことして枢支点160によって回転自在に支持ユニット141によって構成されている。このように構成すると、通電加圧棒150を昇降させて通電ブロック110によって溶接ガン130の後端を上向きに突き上げ、通電ブロック110と通電加圧棒150を間欠的に当接させる。このようにすると、上向きに突き上げたとき、つまり被溶接材Wをてことして加圧したときに、通電加圧棒150からの溶接電流は通電ブロック110を経て溶接ガン130の先端の溶接チップ131に作用して被溶接材Wの溶接部を加熱溶融させる一方、溶接チップ131によって被溶接材Wは加圧され、抵抗溶接される。
以上のとおり、本発明に係るスポット溶接装置100は全面にわたって下部電極を成す板状電極120との間で被溶接材Wは横向き姿勢の溶接ガン130により挾まれ、この溶接ガン130をてことして被溶接材Wに加圧力をかけ通電するスポット溶接機であるが、この横向き姿勢の溶接ガン130の後端に通電ブロック110を取付け、この通電ブロック110を介して通電加圧棒150からの溶接電流を通電させて溶接する。この際、従来例のスポット溶接機のように、溶接ガン130に直接給電ケ−ブル(図示せず)を接続して給電する構造のものに較べると、図1に示すスポット溶接機100は、通電加圧棒150そのものが給電経路となり、それが通電ブロック110を介して溶接ガン130に接触したときのみ給電される構造となっている。
また、通電ブロック110はその下面に、図2に示すように、半球状の受電凹所111を設け、この受電凹所111に通電加圧棒150の半球状ヘッド部151を整合させる。受電凹所111は半球状を成し、これに整合するヘッド部151は受電凹所111とほとんど同じ曲率半径をもつ球面から成っている。したがって、受電凹所111とヘッド部151とは互いに球面対偶を成しており、通常の玉継手などで対偶を成す両球面の曲率半径がなるべく一致させるのが好ましい。また、溶接ガン130は棒状に構成すればいずれにも構成できる。通常は、図1に示すとおり、先端の溶接チップ131、シャンク部材132、ホルダ部材133を連結して構成し、図示を省略するが、その中心軸に沿って冷却通路を設けて、注入口134から入った冷却水が内部を循環し、排出口135から排出される。
溶接ガン130は支持ユニット140に設けた支持ブロック141の先端の枢支点160で回転自在に支持され、溶接ガン130は後端を力点、先端の溶接チップ131を荷重点、枢支点160を支点とするてこで機構が構成され、その先端の溶接チップ131によって加圧力を被溶接材Wに作用させるものである。溶接ガン130には大きな曲げ応力や捩り応力が溶接中瞬間的に作用している。このため、通電ブロック110の受電凹所111に半球状ヘッド部151の食い込みが起こり、本質的に面対偶を成して接触面積をなるべく多くすることが必要であるが、その両面対偶が不規則な線や点の対偶となり、平たくいうと、線接触や点接触で接触面積が小さくなる。このように接触面積が小さくなり接触位置が大きく変ると、大きな電流が仲々流れにくくなる。とくに、8000Aや10000Aの大電流を必要とする抵抗溶接が達成することがむづかしい。
このようなところから、半球状受電凹所111の曲率半径を半球状ヘッド部151の曲率半径に較べて大きく構成する。捩りや曲げが生じ易い溶接ガン130に一体に通電ブロック110を設けても、受電凹所111に対し半球状ヘッド部151は常に接触し、電流ロスを最小限にとどめることができる。
また、先に示したとおり、上記構成の溶接ガン130を少なくとも板状の下部電極120の範囲内で平行方向に自由に移動させるために、溶接ガン130を支持する支持ユニット140を横方向に移動自在に構成し、シ−ト状の下部電極120の上におかれた被溶接材Wを動かすことなく溶接ガン130は平面方向に直線移動できるように構成される。これに併せて溶接ガン130を枢支点160で支持ア−ム190によって支持し、この支持ア−ム190が支持ユニット140に取付けられているため、溶接ガン130は平面方向で旋回移動できるように構成されている。このように溶接ガン130は構成されているため、被溶接材Wの溶接打点の位置に応じて溶接ガン130を横方向に直線移動させると共に旋回移動させて溶接チップ131を所定の打点位置に位置決めできる。また、溶接打点に位置決めしてから、支持ユニット140内で通電加圧棒150を上昇させると、溶接チップ131は下降し、スポット溶接できる。この昇降装置170は通電ブロック110を介して通電加熱できればいずれにも構成できるが、昇降装置170は溶接ガン130の平行移動経路に相当する長さのリフティング板171とエア−シリンダなどの附勢ユニット172とから構成するのが好ましい。
すなわち、長尺状のビ−ムを成すリフティング板171の略々中央にエア−シリンダなどの附勢ユニット172をT字状に連結し、附勢ユニット172上において通電加圧棒150を平行に移動させても、リフティング板171により通電加圧棒150を昇降できるように構成する。
このように通電加圧棒150の水平移動経路に相当するリフティング板171に対し、附勢ユニット172をT字状に連結し、これを附勢ユニット172より昇降させるよう構成すると、溶接ガン130を平行に直線移動させても、リフティング板171上の何れかの位置で通電加圧棒150を上向きに押上げることができる。
しかしながら、通電加圧棒150の昇降機構をこのように構成すると、溶接ガン130の移動位置によってはリフティング板171にかかるモ−メント乃至負荷荷重の大きさが変化し、それによって通電加圧棒150が横方向にずれて通電ブロック110を介しての溶接ガン130への通電性が損なわれることが多い。しかし、この点について後に示すとおり本発明は通電加圧棒150の周囲に筒状空隙Gを形成し、所望に応じてウレタンその他の合成樹脂を介在させるため、通電加圧棒150は横方向にすべり、溶接ガン130への通電性が損なわれることがない。併せて、通電加圧棒150の昇降に合成樹脂により潤滑性が与えられる。
また、通電加圧棒150は銅又は銅合金から構成し、これを直接溶接電源(図示せず)の一方の極に接続し、不必要な配電線などを省くこともできる。
また、通電加圧棒150の下降は、ばね(図示を省略)などを介在させて早戻り機構を介在させて達成することができる。この早戻り機構としては何れの機構も用いることもできる。
このように本発明に係るスポット溶接装置100は、一方の電極の溶接ガン130をてことして利用すると共に、平行方向乃至横方向に移動自在に構成し、この溶接ガン130の後端に通電加圧棒で上向き力を与えるよう構成するが、加圧通電時に溶接ガン130の先端が被溶接材W上でほとんど滑ることなく、僅かに滑ってもそれが吸収されるため、溶接打点の位置の変動に応じて溶接ガン130を移動させても溶接時の加圧や通電に支障が生じることがない。
すなわち、溶接ガン130の先端で加圧する場合には、その加圧力は被溶接材Wに対し垂直に加圧力が加わらない。図1で矢印で示す円弧軌道をとって下降し加圧力が加えられる。このため、先端の溶接チップ131には曲げモ−メントが働く。加圧力は水平成分と垂直成分に分かれ、垂直成分が被溶接材Wの加圧力として利用される。水平成分は溶接チップ131を水平方向に移動する力として作用し、それによって溶接チップ131は水平方向に滑る。また、一方において、溶接ガン130の枢支点160には上向きの反力がかかり、枢支点160が上向きに持ち上げる力が働く。このように力が作用するため、溶接ガン130を支持する支持ユニット140は、次のとおり構成する。
まず、図2で示すとおり、横向き姿勢の溶接ガンをてことして支持する支持ユニット140は、溶接ガン130とともに横方向に移動するよう構成されている。この支持ユニット140の平行移動によって溶接ガン130を移動させて下部電極120上の被溶接材Wの各溶接打点を順次に打って溶接する。この支持ユニット140は溶接ガン130をてことして支持するものであるから、この目的達成のために、縦方向に貫通する昇降通路142が設けられ、この昇降通路142内に縦方向に昇降自在に通電加圧棒150が挿通されて構成される。通電加圧棒150はその周囲、なかでも、略々全長にわたり筒状間隙143を形成する。
すなわち、昇降通路142の内壁面にはその全長又は略々全長にわたって筒状間隙143を形成し、この間隙143をとって通電加圧棒150の外周を昇降通路142の内壁面に接触させることなく設けられ、昇降させる。
この場合、筒状間隙143の厚さGをあまり大きくとることは好ましくないが、その厚さGは少なくとも1.2mm又はそれ以上に構成する。
また、支持ユニット140は水平基板180の上又はハウジングの一部の上で横方向又は平行方向に移動自在に構成し、その上で案内レ−ルなどの案内部材181に沿って平行移動できるように構成する。このように支持ユニット140を構成すると、中央で上向きの押上げ力が加えられるリフティング板171の上面によって通電加圧棒150に加圧力として溶接ガン130に加えられても、これによる通電加圧棒150の滑りも吸収できる。
すなわち、リフティング板171は中央が固定点として支持されるはりとみることができる。したがって、リフティング板171に対しその中央をはさんで右側か左側に通電加圧棒150が接触したときは、その接触部分に作用する曲げモ−メントの方向が反射になり、この曲げに応じて通電加圧棒150は右か左かのいずれに僅かであっても滑る。しかし、この滑りを見込んで間隙143がとってあるため、通電加圧棒150の昇降に支障がない。
さらに、筒状間隙143には所望に応じて伸縮性乃至弾力性をもつ絶縁性合成樹脂層を介挿して設けることもできる。このように構成すると、間隙143により上記のところのすべりや横移動を吸収できるほか、潤滑性に優れる合成樹脂層の介挿により通電加圧棒150が円滑に昇降できる。
上記のところは下部電極としてシ−ト状電極を用いた溶接装置について説明したが、本発明は棒状の電極を用いたスポット溶接装置にも適用できる。
100 スポット溶接装置
110 通電ブロック
111 受電凹所
120 下部電極のシ−ト状電極
130 上部電極
140 支持ユニット
142 昇降通路
143 筒状間隙
150 通電加圧棒
160 枢支点
170 昇降装置
171 リフティング板
172 附勢ユニット
180 水平基板
181 案内部材
190 支持ア−ム
110 通電ブロック
111 受電凹所
120 下部電極のシ−ト状電極
130 上部電極
140 支持ユニット
142 昇降通路
143 筒状間隙
150 通電加圧棒
160 枢支点
170 昇降装置
171 リフティング板
172 附勢ユニット
180 水平基板
181 案内部材
190 支持ア−ム
Claims (7)
- 下部電極との間で被溶接材を加圧通電してスポット溶接する横向き姿勢の溶接ガンをてことして支持し、横方向に移動できる支持ユニットと、この支持ユニットを縦方向に貫通する昇降通路と、この昇降通路内に縦方向に昇降自在に挿通され、前記溶接ガンの後端の力点に上向き力を加えると共に溶接電流を通電させる通電加圧棒と、この通電加圧棒を前記昇降通路の内壁面から離間しかつ前記通電加圧棒の外周に設けられた筒状間隙とを具えて成ることを特徴とするスポット溶接装置。
- 前記筒状間隙の厚さを少なくとも1.2mmに構成することを特徴とする請求項1記載のスポット溶接装置。
- 前記筒状間隙内に伸縮性又は弾力性をもつ筒状合成樹脂体を介挿して成ることを特徴とする請求項1又は2記載のスポット溶接装置。
- 前記下部電極を銅又はその合金の板状材から構成することを特徴とする請求項1記載のスポット溶接装置。
- 前記支持ユニットを横方向に移動させるための案内部材を設けて成ることを特徴とする請求項1記載のスポット溶接装置。
- 前記通電加圧棒を銅又は銅合金から構成して成ることを特徴とする請求項1記載のスポット溶接装置。
- 前記通電加圧棒に溶接電源の一つの電極に接続して成ることを特徴とする請求項1記載のスポット溶接装置。
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-
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- 2005-12-28 JP JP2005379223A patent/JP2007175747A/ja active Pending
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CN101905421A (zh) * | 2010-09-07 | 2010-12-08 | 航天科技控股集团股份有限公司 | 车用电路断电器的记忆金属片自动焊接成形系统 |
CN101944446A (zh) * | 2010-09-10 | 2011-01-12 | 航天科技控股集团股份有限公司 | 车用电路断电器自动组装焊成形系统 |
CN105215562A (zh) * | 2015-10-14 | 2016-01-06 | 孙俊 | 全自动点焊机 |
CN105215562B (zh) * | 2015-10-14 | 2018-01-30 | 张校阳 | 全自动点焊机 |
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