JP2005186112A - 無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
無方向性電磁鋼板の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005186112A JP2005186112A JP2003430749A JP2003430749A JP2005186112A JP 2005186112 A JP2005186112 A JP 2005186112A JP 2003430749 A JP2003430749 A JP 2003430749A JP 2003430749 A JP2003430749 A JP 2003430749A JP 2005186112 A JP2005186112 A JP 2005186112A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rolling
- hot
- peripheral speed
- steel sheet
- annealing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Metal Rolling (AREA)
- Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)
- Soft Magnetic Materials (AREA)
Abstract
【課題】 圧延方向(L方向) の磁束密度を低下させることなく、圧延垂直方向(C方向)の磁束密度を向上させることによって、L方向とC方向双方の磁気特性が優れた無方向性電磁鋼板を得る。
【解決手段】 質量%で、C:0.05%以下、Si:7%以下、Al:7%以下を含有した鋼片を熱間圧延、酸洗を経て冷間圧延する際、上側および下側ワークロール間の周速比が10%以上である異周速圧延を少なくとも1パス以上行なう。この異周速圧延の300℃以上600℃以下の温間で施すのが望ましい。また熱間圧延と酸洗の間に熱延板焼鈍を行なう場合、その焼鈍温度を900℃以上1150℃以下とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 質量%で、C:0.05%以下、Si:7%以下、Al:7%以下を含有した鋼片を熱間圧延、酸洗を経て冷間圧延する際、上側および下側ワークロール間の周速比が10%以上である異周速圧延を少なくとも1パス以上行なう。この異周速圧延の300℃以上600℃以下の温間で施すのが望ましい。また熱間圧延と酸洗の間に熱延板焼鈍を行なう場合、その焼鈍温度を900℃以上1150℃以下とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、電気機器の鉄心材料として使用される無方向性電磁鋼板の製造方法、特に磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板の製造方法に関するものである。
モータの鉄心等に用いられる無方向性電磁鋼板は鋼板の特定方向だけではなく、全周方向の磁気特性を向上させることが重要である。磁気特性の改善手段としては、特許文献1では熱延巻取後に自己焼鈍する方法、特許文献2ではSnとCuを添加してかつ自己焼鈍あるいは熱延板焼鈍を施して熱延板の結晶粒径を50μm以上とする方法が提案されている。これらの方法によって磁気特性は向上するものの、主に圧延方向(以下L方向と記す)の磁束密度が向上する効果であり、圧延垂直方向(以下C方向と記す)の磁気特性についてはほとんど効果がみられていない。また特許文献3では熱延板焼鈍と冷間圧延の圧下率を制御することによって、L方向とC方向の磁束密度の差を小さくする方法が提案されている。この方法では磁束密度の差は小さくなるもののL方向の磁束密度が低下してしまい、例えばL方向とC方向を平均化した磁束密度は特許文献1や2に対してほとんど変わらないという問題があった。
このように、無方向性電磁鋼板の磁気特性改善について多くの提案がなされているが、L方向とC方向双方の磁気特性改善が十分とは言えないのが実情である。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1)質量%で、C:0.05%以下、Si:7%以下、Al:7%以下を含有する鋼片を熱間圧延し、次いで酸洗、冷間圧延、仕上焼鈍を施す無方向性電磁鋼板の製造方法において、冷間圧延における上側と下側ワークロール間の周速比が10%以上である異周速圧延を、少なくとも1パス以上行なうことを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
ここで周速比は、高周速側のワークロール速度をV1、低周速側のワークロール速度をV0とした場合、(V1/V0-1)×100%で示される値。
(2)上記冷間圧延における上側と下側ワークロール間の周速比が10%以上である異周速圧延を、300℃以上600℃以下の温度で少なくとも1パス以上行なうことを特徴とする(1)記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
(3)上記熱間圧延と酸洗の間で900℃以上1150℃以下の熱延板焼鈍を行なうことを特徴とする(1)または(2)記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
本発明は、熱延板に異周速圧延を施して製品厚とし、仕上焼鈍を施すことによって、L方向とC方向双方の磁気特性が優れた無方向性電磁鋼板を得ることが可能になる。
まず、本発明に至った実験結果について述べる。
(実験1)
実験室の真空溶解炉にて、質量%で、C:0.0020%、Si:3.0%、Al:1.0%を含有した鋼片を作製し、熱間圧延して板厚2.0mmとした後、酸洗を施した。この酸洗板を冷間圧延するに際し、圧延温度500℃とし、下側ワークロールに対する上側ワークロールの周速比を0〜30%に変化させて1パス目の圧延を施した後、ロール周速を上下で入れ替えた上で1パスとは反対方向に2パス目の圧延を施した。これを繰り返し6パス行なって板厚を0.50mmとした後、900℃で1分間の仕上焼鈍を施した。ここで周速比とは高周速側のワークロール速度をV1、低周速側のワークロール速度をV0とした場合、(V1/V0-1)×100%で示される値である。こうして作製した試料について、L方向およびC方向の磁気特性を測定した。
実験室の真空溶解炉にて、質量%で、C:0.0020%、Si:3.0%、Al:1.0%を含有した鋼片を作製し、熱間圧延して板厚2.0mmとした後、酸洗を施した。この酸洗板を冷間圧延するに際し、圧延温度500℃とし、下側ワークロールに対する上側ワークロールの周速比を0〜30%に変化させて1パス目の圧延を施した後、ロール周速を上下で入れ替えた上で1パスとは反対方向に2パス目の圧延を施した。これを繰り返し6パス行なって板厚を0.50mmとした後、900℃で1分間の仕上焼鈍を施した。ここで周速比とは高周速側のワークロール速度をV1、低周速側のワークロール速度をV0とした場合、(V1/V0-1)×100%で示される値である。こうして作製した試料について、L方向およびC方向の磁気特性を測定した。
その結果を表1に示す。表1から分かるように周速比を10%以上とした試料3,4ではL方向、C方向ともに磁束密度と鉄損が著しく向上した。
(実験2)
実験室の真空溶解炉にて、質量%で、C:0.0050%、Si:0.5%、Al:0.003%を含有した鋼片を作製し、熱間圧延して板厚2.5mmとした後、酸洗を施した。この酸洗板を冷間圧延するに際し、圧延温度300℃とし、下側ワークロールに対する上側ワークロールの周速比を0〜40%に変化させて1パス目の圧延を施した後、ロール周速を上下で入れ替えた上で1パスとは反対方向に2パス目の圧延を施した。これを繰り返し4パス行なって板厚を0.50mmとした後、800℃で1時間の仕上焼鈍を施した。
実験室の真空溶解炉にて、質量%で、C:0.0050%、Si:0.5%、Al:0.003%を含有した鋼片を作製し、熱間圧延して板厚2.5mmとした後、酸洗を施した。この酸洗板を冷間圧延するに際し、圧延温度300℃とし、下側ワークロールに対する上側ワークロールの周速比を0〜40%に変化させて1パス目の圧延を施した後、ロール周速を上下で入れ替えた上で1パスとは反対方向に2パス目の圧延を施した。これを繰り返し4パス行なって板厚を0.50mmとした後、800℃で1時間の仕上焼鈍を施した。
その結果を表2に示す。表2から分かるように周速比を15%以上とした試料3〜5ではL方向、C方向ともに磁束密度と鉄損が著しく向上した。
以上の結果より、熱延板を異周速で冷間圧延し、仕上焼鈍を施すことで無方向性電磁鋼板の磁気特性が向上することを知見した。これは異周速圧延によって鋼板に形成される剪断変形が板厚表面のみならず板厚中心層まで著しく増加するために、仕上焼鈍における再結晶および結晶粒成長で、無方向性電磁鋼板にとって望ましい集合組織が発達したものと考えられる。
なお、異周速圧延の従来技術としては特開昭56-152923号公報あるいは特開平3-138317号公報において、鋼スラブを熱間圧延する方法として提案されているが、これらの特許文献はいずれもスラブ凝固時に発達した柱状組織を異周速圧延で破壊することで熱延板の再結晶を促進し、熱延板焼鈍を省略しても磁気特性が改善できることを提案している。一方、本発明は異周速圧延を冷間圧延に適用することで、仕上焼鈍板の再結晶および結晶粒成長における集合組織を改善する方法であり、従来技術とは発想が全く異なるものである。
次に、本発明における製品の数値限定理由について説明する。
Cは0.05%を超えると著しく鉄損劣化するので上限を0.05%とした。
Siは電気抵抗を増加させるために有効な元素であるが、過度に添加すると熱延板焼鈍有無にかかわらず冷延性を著しく悪くするため、7%を上限とした。
AlはSi同様に電気抵抗を増加させるのに有効な元素であるが、添加量が3.0%を超えると鋳造性を悪化させるため、生産性を考慮して7%を上限とした。
異周速圧延は仕上焼鈍時の再結晶および結晶粒成長で形成される集合組織に効果を発揮させるためには、仕上焼鈍前の最終冷延で行なう必要がある。上下ワークロールの周速比が10%未満では板厚の中心部にまで十分に剪断歪が入らないので、周速比は10%以上とした。また異周速圧延は複数の圧延パスのうち、少なくとも1パス施せば磁性改善の効果が表われるが、更に効果を発揮させるためには全パスとも異周速圧延することが望ましい。圧延温度については常温でも効果は表われるが、300℃以上で行なうことによって磁性改善効果が大きくなるため300℃以上が望ましいが、600℃を超えてしまうと材料が軟化して十分な剪断歪が入らなくなるので600℃以下とした。
熱延板焼鈍は必要に応じて行なうこととする。特にSiやAl含有量が多く、変態を有しない高級材では、柱状晶が残存した熱延ままで冷延するとリジングが発生して表面性状が損なわれることから、その改善が得られる熱延板焼鈍温度として900℃以上1150℃以下とした。
実験室の真空溶解炉にて、質量%で、C:0.0030%、Si:2.0%、Al:0.3%を含有した鋼片を作製し、熱間圧延して板厚2.3mmとした後、1000℃で2分の熱延板焼鈍と酸洗を施した。この酸洗板を冷間圧延するに際し、計6回の圧延パスうち、1パスのみを異周速圧延とし、その周速比を5〜40%に変化させて板厚を0.35mmとした。この時の圧延温度は220℃であった。得られた冷延板は900℃で30秒の焼鈍を施した後、磁気測定した。
結果を表3に示すが、周速比を10%以上とした試料2〜4ではL方向、C方向ともに磁束密度と鉄損が著しく向上した。
実験室の真空溶解炉にて、質量%で、C:0.0020%、Si:1.5%、Al:0.5%を含有した鋼片を作製し、熱間圧延して板厚2.0mmとした後、900℃で1分の熱延板焼鈍と酸洗を施した。この酸洗板を冷間圧延するに際し、圧延温度を100℃〜500℃まで変化させ、計4回の圧延パスうち2パスを周速比20%の異周速圧延として板厚を0.50mmとした。得られた冷延板は1000℃で30秒の焼鈍を施した後、磁気測定した。また比較として冷間圧延の温度100℃で、異周速圧延なしの試験も行なった。
結果を表4に示す。異周速圧延した試料2〜6でL方向、C方向ともに磁束密度と鉄損が著しく向上しているが、特に圧延温度を300℃以上にした試料4〜6でより高い磁束密度が得られている。
Claims (3)
- 質量%で、C:0.05%以下、Si:7%以下、Al:7%以下を含有する鋼片を熱間圧延し、次いで酸洗、冷間圧延、仕上焼鈍を施す無方向性電磁鋼板の製造方法において、冷間圧延における上側と下側ワークロール間の周速比が10%以上である異周速圧延を、少なくとも1パス以上行なうことを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
ここで、周速比は、高周速側のワークロール速度をV1、低周速側のワークロール速度をV0とした場合、(V1/V0-1)×100%で示される値。 - 前記冷間圧延における上側と下側ワークロール間の周速比が10%以上である異周速圧延を、300℃以上600℃以下の温度で少なくとも1パス以上行なうことを特徴とする請求項1記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
- 前記熱間圧延と酸洗の間で900℃以上1150℃以下の熱延板焼鈍を行なうことを特徴とする請求項1または2記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003430749A JP2005186112A (ja) | 2003-12-25 | 2003-12-25 | 無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003430749A JP2005186112A (ja) | 2003-12-25 | 2003-12-25 | 無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005186112A true JP2005186112A (ja) | 2005-07-14 |
Family
ID=34789029
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003430749A Withdrawn JP2005186112A (ja) | 2003-12-25 | 2003-12-25 | 無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005186112A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019163509A (ja) * | 2018-03-20 | 2019-09-26 | 日本製鉄株式会社 | 無方向性電磁鋼板およびその製造方法 |
-
2003
- 2003-12-25 JP JP2003430749A patent/JP2005186112A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019163509A (ja) * | 2018-03-20 | 2019-09-26 | 日本製鉄株式会社 | 無方向性電磁鋼板およびその製造方法 |
JP7040184B2 (ja) | 2018-03-20 | 2022-03-23 | 日本製鉄株式会社 | 無方向性電磁鋼板およびその製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2960345B1 (en) | Production method for semi-processed non-oriented electromagnetic steel sheet exhibiting superior magnetic properties | |
RU2529258C1 (ru) | Способ получения листа из неориентированной электротехнической стали | |
KR101498404B1 (ko) | 방향성 전기 강판의 제조 방법 | |
EP3225704B1 (en) | Method for manufacturing grain-oriented electrical steel sheet | |
CN104451378B (zh) | 一种磁性能优良的取向硅钢及生产方法 | |
TWI732507B (zh) | 無方向性電磁鋼板的製造方法 | |
JP5794409B2 (ja) | 電磁鋼板およびその製造方法 | |
JP2006299297A (ja) | 磁気特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法 | |
JP3997712B2 (ja) | Eiコア用の方向性電磁鋼板の製造方法 | |
JP4224957B2 (ja) | 下地被膜を有しない方向性電磁鋼板の製造方法 | |
JP2001303261A (ja) | 張力付与異方性被膜を有する低鉄損一方向性電磁鋼板 | |
JP4692518B2 (ja) | Eiコア用の方向性電磁鋼板 | |
JP2008260996A (ja) | 圧延方向の磁気特性に優れる無方向性電磁鋼板およびその製造方法 | |
JP4235132B2 (ja) | 磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板の製造方法 | |
JP7037657B2 (ja) | 方向性電磁鋼板およびその製造方法 | |
JP2005186112A (ja) | 無方向性電磁鋼板の製造方法 | |
JPH086135B2 (ja) | 磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法 | |
JP3994667B2 (ja) | 方向性電磁鋼板の製造方法 | |
JP3893783B2 (ja) | 方向性電磁鋼板およびその製造方法 | |
JPH0657332A (ja) | 磁束密度が高くかつ鉄損が低い無方向性電磁鋼板の製造方法 | |
JP4259002B2 (ja) | 方向性電磁鋼板の製造方法 | |
JPH04337050A (ja) | 磁気特性の優れた高抗張力磁性材料およびその製造方法 | |
JP2000309858A (ja) | 電磁鋼板及びその製造方法 | |
JPS63186823A (ja) | 磁気特性の優れた電磁鋼板の製造方法 | |
JPH0737651B2 (ja) | 磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070306 |