JP2005186084A - 摩擦撹拌接合装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】 被接合物の大きさおよび形状にかかわらずに、柔軟な対応が可能な摩擦撹拌接合装置を提供する。
【解決手段】 接合ツール24を保持したツール保持部31を回転させて被接合物23に没入した状態で、被接合物23の接合線29に沿って車体34が走行する。これによって2つの被接合部材21,22を接合する。車体34は、被接合物23の上方または下方を走行する。これによって摩擦撹拌接合装置20は、ツール保持部31、回転駆動手段32および変位駆動手段33を、被接合物23の水平方向外方で支持する必要がない。したがって被接合物23の大きさおよび形状にかかわらずに摩擦撹拌接合を行うことができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被接合物を摩擦撹拌接合する摩擦撹拌接合装置に関する。
被接合物は、2つの被接合部材が突合わされることによって継ぎ手部分を形成する。摩擦撹拌接合装置は、接合ツールによる摩擦熱によって、被接合物の継ぎ手部分を流動化するとともに撹拌し、2つの被接合部材を接合する。
図30は、第1の従来技術の摩擦撹拌接合装置1を示す斜視図である。第1の従来の摩擦撹拌接合装置1は、FSWヘッド2と、テーブル3とを有する。FSWヘッド2は、接合ツール4を装着し、接合ツール4を予め定める基準軸線L1まわりに回転するとともに、接合ツール4を基準軸線L1に沿って移動させる。テーブル3は、2つの被接合部材5,6を突合わせて、被接合物9として保持する。
テーブル3は、被接合物9を保持するワーク保持部7と、基台部8と、テーブル駆動手段(図示せず)とを有する。ワーク保持部7は、基台部8に対して変位可能に設けられる。テーブル駆動手段は、ワーク保持部7を被接合物9の接合線10に平行に走行させる。FSWヘッド2は、コラム部12によってテーブル3の基台部8に固定される。コラム部12は、水平方向に延びてFSWヘッド2を片持ち支持する。
図31および図32は、第2の従来技術の摩擦撹拌接合装置13,15を示す斜視図である。第2の従来技術の摩擦撹拌接合装置13,15は、FSWヘッド2を支持する支持部16と、支持部16を変位駆動するヘッド駆動手段14とを有する。支持部16は、水平方向に延びてFSWヘッド2を片持ちまたは両持ち支持する。ヘッド駆動手段14は、被接合物9の接合線10に平行に支持部16を移動させる(たとえば特許文献1参照)。
特開2002−160077号公報
上述した第1の従来技術では、テーブル駆動手段は、接合線10の長さ以上にわたってワーク保持部7を搬送する必要がある。また第2の従来技術では、ヘッド駆動手段14は、接合線10の長さ以上にわたって支持部16を搬送する必要がある。またヘッド駆動手段14は、被接合物9の水平方向外方で支持部16を担持する必要がある。
棟梁パネル、船殻構造材または鉄道車両用パネルなどのように被接合物9が大型かつ大重量である場合がある。この場合、従来技術の摩擦撹拌接合装置1,13,15では、テーブル駆動手段およびヘッド駆動手段もまた大型化する。これによって、設備コストおよび設置スペースもまた大きくなる。摩擦撹拌接合装置が大型化すると、摩擦撹拌接合に要求される接合ツールの位置決め精度を広い空間において確保する必要がある。また大型化によって装置自体の自重が大きくなるので、駆動手段の強度を大きくする必要がある。
このように従来技術では被接合物9が大型の場合、大型の摩擦撹拌接合装置が必要であって、その製造および導入に費やす設備投資コストが必然的に巨額となる。また1つの摩擦撹拌接合装置では、異なる形状の被接合物に対して柔軟に対応することが困難である。
したがって本発明の目的は、被接合物の大きさおよび形状にかかわらずに、柔軟な対応が可能な摩擦撹拌接合装置を提供することである。
本発明は、複数の被接合部材によって構成される被接合物を、接合ツールによって摩擦撹拌して、各被接合部材を接合する摩擦撹拌接合装置であって、
予め定める基準軸線まわりに回転自在に設けられ、接合ツールを保持するツール保持部と、
ツール保持部を基準軸線まわりに回転駆動する回転駆動手段と、
ツール保持部を基準軸線に沿って変位駆動する変位駆動手段と、
ツール保持部、回転駆動手段および変位駆動手段を搭載して走行可能な車体とを含み、
車体は、被接合物の上方を走行可能に形成されることを特徴とする摩擦撹拌接合装置である。
本発明に従えば、接合ツールを保持したツール保持部を回転させて被接合物に没入した状態で、被接合物の接合線に沿って車体が走行する。これによって2つの被接合部材を接合する。車体が被接合物の上方を走行するので、摩擦撹拌接合装置は、ツール保持部、回転駆動手段および変位駆動手段を、被接合物の水平方向外方で支持する必要がない。したがって被接合物の大きさおよび形状にかかわらずに摩擦撹拌接合を行うことができる。
また本発明は、複数の被接合部材によって構成される被接合物を、接合ツールによって摩擦撹拌して、各被接合部材を接合する摩擦撹拌接合装置であって、
予め定める基準軸線まわりに回転自在に設けられ、接合ツールを保持するツール保持部と、
ツール保持部を基準軸線まわりに回転駆動する回転駆動手段と、
ツール保持部を基準軸線に沿って変位駆動する変位駆動手段と、
ツール保持部、回転駆動手段および変位駆動手段を搭載して走行可能な車体とを含み、
車体は、被接合物の下方を走行可能に形成されることを特徴とする摩擦撹拌接合装置である。
本発明に従えば、接合ツールを保持したツール保持部を回転させて被接合物に没入した状態で、被接合物の接合線に沿って車体が走行する。これによって2つの被接合部材を接合する。車体が被接合物の下方を走行するので、摩擦撹拌接合装置は、ツール保持部、回転駆動手段および変位駆動手段を、被接合物の水平方向外方で支持する必要がない。したがって被接合物の大きさおよび形状にかかわらずに摩擦撹拌接合を行うことができる。
また本発明は、車体は、走行路面に対して回転する車輪または履帯が設けられ、
車輪または履帯は、車体の基準軸線方向両端部に着脱可能に形成されることを特徴とする。ここで、車輪または履帯は車体の基準軸線方向両端部の両方にそれぞれ設けられ、動力伝達を片側のみに選択可能に形成されてもよい。
本発明に従えば、基準軸線方向は、摩擦撹拌接合時において上下方向となる。車体が被接合物に対して上方に配置される場合には、ツール保持部が下方側に配置され、車輪または履帯が車体の下端部に装着される。接合にあたっては、下方にツール保持部を変位駆動して接合ツールを被接合物に没入させる。
また車体が被接合物に対して下方に配置される場合には、ツール保持部が上方側に配置され、車輪または履帯が車体の下端部に装着される。接合にあたっては、上方にツール保持部を変位駆動して接合ツールを被接合物に没入させる。
このように基準軸線方向両端部に車体または履帯を装着可能とすることによって、被接合物に対して車体が上下方向のいずれかに配置される場合であっても、下方からツール保持部、回転駆動手段および変位駆動手段を支持した状態で走行可能であって、摩擦撹拌接合が接合可能である。
また本発明は、接合にあたって、被接合物から与えられる基準軸線方向の反力に抗した力を車体に与える車体押付け手段をさらに含むことを特徴とする。
本発明に従えば、接合ツールを被接合物に没入するにあたって、車体は、被接合物から基準軸線方向の反力を受ける。車体押付け手段によって、反力に抗した押付け力を車体に与えることによって、車体が被接合物から離反することを防止することができる。これによって被接合物に没入する接合ツールの没入量が不足することを防ぐことができる。
また本発明は、接合にあたって、被接合物から与えられる基準軸線に対して垂直な方向の反力を考慮して車体を所定の移動径路に沿って走行させる走行補助手段をさらに含むことを特徴とする。
本発明に従えば、接合ツールを回転させながら被接合物に没入させた状態で、所定の移動径路に沿って車体を走行させる場合、車体は、被接合物から基準軸線方向に垂直な方向の反力を受ける。走行補助手段がその反力を考慮して車体を走行すべき走行経路に沿って走行させることで、接合ツールが移動径路から逸れることを防ぐことができる。
また本発明は、ツール保持部と接合位置とのずれ量を解消する位置にツール保持部を移動可能な補正移動手段をさらに含むことを特徴とする。
本発明に従えば、補正移動手段によって、ずれを解消するようにツール保持部を被接合物に対して移動させることができる。補正移動手段は、車体に対してツール保持部を移動させてもよく、車体ごとツール保持部を移動させてもよい。このようにツール保持部と接合位置とのずれを解消することによって、接合位置の教示ミス、接合位置の誤差、走行移動における誤差などが生じる場合であっても、接合位置で被接合物を精度よく接合することができる。また車体が、被接合物から反力を受けた場合であっても、接合ツールが走行すべき走行経路から逸れることを防ぐことができる。
また本発明は、ツール保持部と接合位置とのずれ量を検出するずれ量検出手段と、
ずれ量検出手段の検出結果に基づいて、補正移動手段を制御する制御手段とをさらに含むことを特徴とする。
本発明に従えば、ずれ量検出手段によってツール保持部と接合位置とのずれ量を検出し、制御手段が、補正移動手段を用いてずれを解消するようにツール保持部を被接合物に対して移動させる。これによって、作業者が補正移動手段を操作する必要がなく、利便性を向上することができる。
また本発明は、補正移動手段は、車体に対してツール保持部を移動させることを特徴とする。
本発明に従えば、車体に対してツール保持部を移動させることによって、車体の移動にかかわらずに、ずれに応じてツール保持部を移動させることができる。これによってツール保持部の接合位置に対する追従性を向上して、接合ツールが走行すべき走行経路から逸れることを防ぐことができる。また接合ツールの位置を微調整することができる。
また本発明は、補正移動手段は、車体の進行角度を修正することを特徴とする。
本発明に従えば、車体の進行角度を修正するだけで、ずれに応じてツール保持部を移動させることができる。これによって進行方向と接合線とがずれており、走行するにつれてずれ量が大きくなる場合であっても、接合ツールが走行すべき走行経路から逸れることを防ぐことができる。
また本発明は、車輪または履帯は、走行路面との摩擦係数の高い材料によって外周部が形成されることを特徴とする。
本発明に従えば、車輪または履帯の摩擦係数が高く設定されることによって、車輪または履帯がスリップすることを防ぐことができる。
また本発明は、接合ツールが被接合物に没入する量が予め定める没入量となるように、ツール保持部の移動を規制する規制手段をさらに含むことを特徴とする。
本発明に従えば、規制手段によって接合ツールの没入量が予め定める没入量に調整される。これによって接合ツールが被接合物に過剰に没入することを防ぐことができる。
また本発明は、前記規制手段は、ツール保持部に連結される連結部と、
連結部に連なり、弾発性を有して基準軸線に沿って伸縮する伸縮部とを有し、
接合ツールが予め定める没入量没入した状態から、さらに没入しようとした場合、被接合物に当接した伸縮部からツール保持部に与えられるばね力によって接合ツールの没入を規制することを特徴とする。
本発明に従えば、接合ツールを没入させると、ツール保持部とともに連結部および伸縮部が被接合物に向かって移動する。接合ツールが予め定める没入量まで被接合物に没入すると、伸縮部の先端部分は、被接合物に当接し、基準軸線方向への変位が阻止される。さらに接合ツールが没入すると、伸縮部は、収縮して没入方向と反対方向のばね力をツール保持部に与える。これによって接合ツールが予め定める没入量よりも深く没入すると、伸縮部からのばね力がツール保持部に与えられるので、接合ツールの更なる没入を規制することができる。
本発明によれば、摩擦撹拌接合装置が自走しながら摩擦撹拌接合を行う。これによって第1の従来技術のように、被接合物を移動させる必要がない。また第2の従来技術のように、回転駆動手段および変位駆動手段を被接合物の水平方向外方で支持する必要がない。これによって被接合物の大きさおよび形状にかかわらず摩擦撹拌接合を行うことができる。
したがって被接合物が大型である場合であっても、摩擦撹拌接合装置が大型化することがない。これによって摩擦撹拌接合装置の設備コストおよび設置スペースを低減することができる。また被接合物の形状が変化しても、摩擦撹拌接合装置の走行経路が変化するだけであって、別途新たな装置を必要としない。これによって柔軟な対応が可能となり、汎用性を向上することができる。
また本発明によれば、被接合物に対して車体が上下方向のいずれかに配置される場合であっても、接合可能であり、利便性を向上することができる。たとえば被接合物が大型である場合、他の保持装置に被接合物を保持した状態で、摩擦接合装置を自走させて摩擦撹拌接合することができる。このとき被接合物に対して車体を上下方向のうち、一方側にしか摩擦撹拌接合装置を配置できない場合があっても、その方向にあわせて接合を行うことができ、他の保持装置によって被接合物を保持した状態で、接合作業を行うことができる。
また本発明によれば、車体押付け手段が、被接合物から与えられる反力に抗した押付け力を車体に与えることによって、車体が被接合物から離反することを防止することができる。これによって被接合物に没入する接合ツールの没入量が不足することを防ぐことができ、接合品質を向上することができる。
たとえば接合ツールの没入方向が、鉛直方向下向きの場合、自走する摩擦撹拌接合装置の浮き上がりを防止することができる。車体押付け手段は、天井などの壁から延びて、車体を物理的に押付ける押圧機構であってもよい。そのほか、電磁力、空気吸引による吸着力を用いて、車体に力を与えてもよい。また、車体押付け手段は、接合ツールが被接合物に与える押圧力を超える力を生じさせるために、車体に搭載される錘であってもよい。
また本発明によれば、走行補助手段が、被接合物から与えられる反力を考慮して、車体を走行すべき走行経路に沿って走行させる。これによって摩擦撹拌接合装置が、自走した場合であっても、接合ツールが移動径路から逸れることを防ぐことができる。これによって被接合物の接合線に沿って精度よく、接合ツールを倣わせることができる。これによって接合線が長い場合、すなわち被接合物が大型である場合であっても、接合線に沿って接合ツールを移動させることができ、接合品質の低下を防止することができる。たとえば走行補助手段は、進行方向を調整する舵、接合線に沿って車体を案内するガイドレールなどによって実現されてもよい。
また本発明によれば、補正移動手段によってずれを解消するようにツール保持部を被接合物に対して移動させることができる。補正移動手段は、車体に対してツール保持部を移動させてもよく、車体ごとツール保持部を移動させてもよい。このようにツール保持部と接合位置とのずれを解消することによって、接合位置の教示ミス、接合位置の誤差、走行移動における誤差などが生じる場合であっても、接合位置で被接合物を精度よく接合することができる。また車体が、被接合物から反力を受けた場合であっても、接合ツールが走行すべき走行経路から逸れることを防ぐことができる。
また本発明によれば、ずれ量検出手段によってツール保持部と接合位置とのずれ量を検出し、制御手段が補正移動手段を用いて、ずれを解消するようにツール保持部を被接合物に対して移動させる。これによって、作業者が補正移動手段を操作する必要がなく、利便性を向上することができる。
また本発明によれば、車体に対してツール保持部を移動させることによって、車体の移動にかかわらずに、ずれに応じてツール保持部を移動させることができる。これによってツール保持部の接合位置に対する追従性を向上して、接合ツールが走行すべき走行経路から逸れることを防ぐことができる。また接合ツールの位置を微調整することができる。
また本発明によれば、車体の進行角度を修正するだけで、ずれに応じてツール保持部を移動させることができる。これによって進行方向と接合線とがずれており、走行するにつれてずれ量が大きくなる場合であっても、接合ツールが走行すべき走行経路から逸れることを防ぐことができる。
また本発明によれば、車輪または履帯の摩擦係数が高く設定されることによって、車輪または履帯がスリップすることを防ぐことができる。
また本発明によれば、規制手段によって接合ツールの没入量が予め定める没入量に調整される。これによって接合ツールが被接合物に過剰に没入することを防ぐことができる。
また本発明によれば、弾発性を有する伸縮部を有して規制手段が実現される。摩擦撹拌接合装置が自走する場合、走行路面の状態などの状態によっては、接合ツールの没入量を一定に保つことが困難な場合があるが、上述した伸縮部を有する規制手段を用いることによって、接合ツールの没入量を予め定める没入量からずれることを防止することができる。これによって被接合物の接合線が長い場合であっても、その接合線を移動する間に、接合ツールの没入量が変動することを防止することができ、接合品質を向上することができる。また機構的に没入量を一定にすることによって、センサを用いる必要がなく、簡単な構成によって規制手段を実現することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態である摩擦撹拌接合装置20を示す分解斜視図であり、図2は、摩擦撹拌接合装置20を示す斜視図である。また図3は、摩擦撹拌接合装置20による接合手順を示す断面図である。
摩擦撹拌接合(Friction Stir Welding:略称FSW)装置20は、2つの被接合部材21,22が突合わされて並んで成る被接合物23を接合する。被接合物23は、2つの被接合部材21,22が突合わされる部分に継ぎ手部分28が形成される。接合装置20は、継ぎ手部分28に沿って接合ツール24を移動させて、各被接合部材21,22を連続接合する。継ぎ手部分28は、各被接合部材21,22の境界線である接合線29が表面に形成される。接合線29は、たとえば直線状に延びる。
摩擦撹拌接合装置20(以下単に接合装置20という)は、円筒状の接合ツール24を装着し、接合ツール24を用いて摩擦撹拌接合を行う。接合ツール24は、略円柱状に形成される本体部25と、本体部25から軸線方向一方A1に突出し、略円柱状に形成されるピン部26とを有する。本体部25は、軸線方向一方A1側端面となるショルダ面30を有する。ショルダ面30は、接合ツール24の軸線L1に対して略垂直に形成される。ピン部6は、ショルダ面30から垂直に突出する。本体部25とピン部26とは、同軸に形成され、ピン部26の外径は、本体部25の外径よりも小さく形成される。
回転しながら接合ツール24が被接合物23に没入することによって、被接合物23は、接合ツール24との摩擦熱によって部分的に流動化し、流動化した部分27が固相撹拌される。被接合物23のうち流動化した部分27が互いに混ぜ合わされる。この後、流動化した部分27が固まることによって、各被接合部材21,22が接合される。被接合部材21,22は、たとえばアルミ合金から成る。
図1に示すように、接合装置20は、ツール保持部31と、回転駆動手段32と、変位駆動手段33と、車体34と、走行手段35と、制御手段60(図示せず)とを含んで構成される。
接合装置20は、予め定める基準軸線L1を有する。なお、基準軸線L1は、接合ツール24が装着された場合に接合ツール24と同軸となる軸線である。また基準軸線L1は、接合時には上下方向に延びる。また本発明において、基準軸線L1に沿って延びる方向を基準軸線方向Aとし、接合ツール24が接合線29に沿って走行する方向を走行方向Xとする。また走行方向Xと、基準軸線方向Aとに垂直な方向を交差方向Yとする。
ツール保持部31は、接合ツール24を着脱可能に保持する。ツール保持部31に装着された接合ツール24は、その軸線が、接合装置20の基準軸線L1と同軸に配置される。ツール保持部31は、車体34に搭載され、車体34に対して基準軸線L1まわりに回転可能に設けられる。またツール保持部31は、車体34に対して基準軸線方向Aに沿って変位可能に設けられる。
回転駆動手段32は、ツール保持部31を基準軸線L1まわりに回転駆動する。回転駆動手段32は、回転動力発生源50と回転伝達部51とを備える。回転動力発生源50は、ツール保持部31を基準軸線L1まわりに回転させるための動力を発生する。具体的には、回転動力発生源50は、電動モータ、たとえば誘導モータまたはサーボモータによって実現される。電動モータは、電源から電力が供給されることによって、その出力軸を回転する。なお、電動モータは、制御手段によって制御される。この場合、制御手段は、電動モータに供給される電流を調整する。
回転伝達部51は、回転動力発生源50で発生される回転力をツール保持部31に伝達する。具体的には、回転伝達部51は、複数の歯車と歯車を回転可能に支持するギアボックスとを含む歯車伝達機構によって実現される。回転伝達部51は、サーボモータの出力軸の回転を減速して、ツール保持部31に回転力を与える。なお、回転伝達部51は、歯車伝達機構以外の機構、たとえばベルト伝達機構であってもよい。
変位駆動手段33は、ツール保持部31を基準軸線方向Aに変位駆動する。変位駆動手段33は、変位動力発生源52を備える。変位動力発生源52は、ツール保持部31を基準軸線方向Aに変位させるための動力を発生する。具体的には、変位駆動力発生源51は、圧力シリンダによって実現され、本実施の形態では、復動式エアシリンダによって実現される。
エアシリンダは、シリンダチューブが基準軸線L1と同軸に配置され、圧力源から圧縮空気が供給されることによって、ピストンロッドを基準軸線方向に伸縮させる。ピストンロッドは、シリンダチューブから露出した部分に結合部が形成される。結合部は、ツール保持部31に直接または間接的に結合される。ピストンロッドは、ピストンロッドを伸縮することによって、ツール保持部31に動力を与える。なお、エアシリンダは、制御手段によって制御される。この場合、制御手段は、シリンダに供給される圧縮空気の供給径路および供給状態を調整する。
車体34は、ツール保持部31、回転駆動手段32および変位駆動手段33を搭載する。本実施の形態では、車体34は、モータ支持部41と、シリンダ支持部42と、枠体43と、カバー44と、車輪47とを含んで構成される。モータ支持部41は、基準軸線L1まわりに回転可能にツール保持部31を支持する。またモータ支持部41は、電動モータ50およびギアボックス51を支持する。またシリンダ支持部42は、エアシリンダ52を支持する。
シリンダ支持部42は、枠体43に搭載される。またシリンダ支持部42は、基準軸線方向Aに変位可能にモータ支持部41を支持する。シリンダ支持部42は、モータ支持部41を基準軸線方向Aに案内するレール機構55を有する。
レール機構55は、基準軸線方向Aに延びるレール54と、レール54に案内される案内体53とを含む。案内体53は、基準軸線方向Aに変位自在に設けられ、その他の方向の変位が阻止される。モータ支持部41は、案内体53に連結される。これによってモータ支持部41が、シリンダ支持部42に対して基準軸線方向Aに変位可能に設けられる。本実施の形態では、複数、たとえば4つのレール機構55が設けられる。4つのレール機構55は、走行方向Xおよび交差方向Yにそれぞれ並ぶ。
枠体43は、シリンダ支持部42およびモータ支持部41を収容する。枠体43は、摩擦撹拌接合時に被接合物23から反力が与えられても、破損しない十分な強度に設定される。本実施の形態では、枠体43は、立方体形状に形成される。またカバー44は、枠体43の外周をそれぞれ覆う。これによってカバーに覆われた枠体43は、立方体箱状に形成される。なお、カバー44のうち、基準軸線方向一方A1側のカバー44は、基準軸線方向L1に貫通する貫通孔が形成される。これによってツール保持部31が車体34から基準軸線方向一方A1に突出可能に形成される。
車体34は、車輪47と、車輪47を回転自在に支持する車輪支持部48a,48bとを有する。車輪支持部48a,48bは、枠体43およびカバー44のいずれかに設けられる。車輪47が車輪支持部48a,48bに装着されることによって、車体34は、走行可能に構成される。
車輪支持部48a,48bは、第1車輪支持部48aと第2車輪支持部48bとを含む。第1車輪支持部48aは、基準軸線方向他方A2、すなわちツール保持部31と反対側に設けられる。第2車輪支持部48bは、基準軸線方向一方A1、すなわちツール保持部31側に設けられる。車輪47は、車輪支持部48に着脱可能に装着され、第1車輪支持部48aおよび第2車輪支持部48bの両方に装着可能に設けられる。
接合装置20は、摩擦撹拌接合にあたって、基準軸線L1が上下方向に延びるように配置される。また車体34は、基準軸線方向一方A1の端面となる対向面37を車体34の上面および下面のいずれとしても配置可能である。図2に示すように、対向面37が車体34の上面となる配置状態では、第1車輪支持部48aに車輪47が装着される。また対向面37が車体34の下面となる配置状態では、第2車輪支持部48bに車輪が装着される。これによって対向面37が上下いずれに配置される場合であっても、車輪47によって車体34が走行可能に構成される。
図4は、接合装置20の走行状態を示す断面図である。保持装置(図示せず)によって、被接合物23が車体34の走行路面38よりも上方に固定される場合、車体34は、対向面37が上面となる上向き姿勢状態に配置され、車輪47が、第1車輪支持部48aに装着される。
車体34は、摩擦撹拌接合にあたって、被接合物94の下方の走行路面38、たとえば床または定盤上を走行する。このとき、被接合物23の継ぎ手部分の上面部分には、裏当て金などの当接部材36が当接されることが好ましい。これによって接合時における継ぎ手部分の変形が防止される。なお、本実施の形態の接合装置20は、接合面に対してツール保持部31の軸線が垂直な状態から予め定める傾斜角度θ傾斜した状態で走行する。具体的には、接合ツール24の軸線L1は、走行方向に沿って延びる仮想平面内で、ツール保持部31から接合ツールの先端24に向かうにつれて走行方向前方に傾斜する。たとえば接合ツール24の軸線L1と鉛直な軸線L10との傾斜角度θは、1〜3度に設定される。これによって走行時に被接合物23と接合ツール24との間で発生する摩擦熱を大きくすることができる。また接合ツールと裏当て部材とで挟み込みやすくすることができ、接合品質を向上することができる。
図5は、接合装置20の他の走行状態を示す断面図であり、図6は、他の走行状態を示す斜視図である。車体34が被接合物23の上方を走行する場合、車体34は、対向面37が下面となる下向き姿勢状態に配置され、車輪47が、第2車輪支持部48bに装着される。
車体34は、摩擦撹拌接合にあたって、被接合物94の上面を走行路面38として走行する。このとき、被接合物23の継ぎ手部分の下面部分には、裏当て金または定盤などの当接部材36が当接されることが好ましい。これによって接合時における継ぎ手部分の変形が防止される。
図7は、走行手段35を備える接合装置20を示す断面図である。走行手段35は、車輪支持部48に装着された車輪47を回転させる車輪回転手段を有する。車輪回転手段は、車体34に設けられる車輪回転用モータ49と、車輪回転用モータ49の回転を車輪47に伝達する回転伝達手段39とを含む。
回転伝達手段39は、ベルト機構によって実現される。具体的には、ベルトが、車輪回転用モータ49の出力軸と車輪47の車軸とにわたって巻掛けられる。車輪回転用モータ49の出力軸が回転することで、車輪47が回転する。車輪回転用モータ49は、車体34の走行方向前方側に設けられて、少なくとも走行方向前輪側を回転駆動する。これによって車体の直進走行性を向上することができる。なお、車輪回転用モータ49は、回転伝達手段によって全ての車輪を回転駆動、いわゆる四輪駆動してもよく、油圧モータによって実現されてもよい。このように車体34に走行手段35が搭載されることによって、車体34は、自走可能となる。
図8は、接合装置20の電気的構成を示すブロック図である。制御手段60は、入力部61と、出力部62と、記憶部63と、演算部64とを含む。入力部61は、操作者からの指令が入力され、入力された指令を演算部64に与える。また入力部61は、作業者から摩擦撹拌接合に関する設定値が入力されてもよい。
入力部61は、ボタンなどによって実現される。出力部62は、演算部64によって演算される演算結果を出力する。具体的には、出力部62は、回転駆動手段32、変位駆動手段33および走行手段35に駆動指令および停止指令などを与える。記憶部63は、予め定める演算プログラムを記憶するとともに、演算部64が演算した演算結果を記憶する。演算部64は、記憶部63に記憶される演算プログラムを読出して実行する。演算部64は、演算プログラムを実行することによって、予め定める摩擦撹拌接合手順に従った指令を出力部62に与える。たとえば記憶部63は、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)によって実現される。またたとえば演算部64は、CPU(Central Processing Unit)によって実現される。
図9は、摩擦撹拌接合における制御手段60の動作手順の一例を示すフローチャートである。作業者は、被接合部材21,22を突合わさせた状態で保持させる。摩擦撹拌接合にあたって、被接合物23は、作業場所の床面または定盤上に静置され、被接合部材21,22は、仮付け溶接または拘束治具などによって、ギャップや目違いが許容値以下となるように予め突合わされる。そして作業者は、制御手段60の入力部61から接合条件を入力する。接合装置20は、接合ツール24が装着され、クレーンまたはフォークリフトを用いて、接合を行う位置まで搬送され、接合開始点に位置合せされる。
ステップa0で、制御手段60は、接合条件が入力された状態で待機する。作業者は、入力部61を操作して、接合装置20に接合開始を指令する。これによって制御手段60は、入力部61から接合開始指令が与えられて、ステップa1に進み、接合動作を開始する。
ステップa1では、制御手段60は、回転指令を回転駆動手段32に与える。これによってツール保持部31とともに接合ツール24が回転し、ステップa2に進む。
ステップa2では、制御手段60は、ツール保持部31の回転速度が接合条件として設定される設定回転速度に達したことを判定する。たとえば電動モータにエンコーダが設けられる場合、エンコーダから電動モータの出力軸の角度位置を取得し、その角度位置に基づいて、ツール保持部31の回転速度が設定回転速度に達したかどうかを判定する。また制御手段60は、回転指令を与えてから設定回転速度に達するまでに必要な時間をカウントし、その時間を超えると、設定回転速度に達したことを判定してもよい。このようにサーボモータの回転速度が設定回転速度に達すると、ステップa3に進む。
ステップa3では、制御手段60は、没入指令を変位駆動手段33に与える。これによって図3(1)に示すように、ツール保持部31とともに接合ツール24が、設定回転速度で回転しながら被接合物23に向かって移動し、ステップa4に進む。
ステップa4では、接合ツール24は、図3(2)に示すように、ピン部26が被接合物23に当接し、さらに被接合物23に没入する。次に、図3(3)に示すように、ショルダ面30が被接合物23に当接する。
制御手段60は、ショルダ面30が被接合物23に当接したかどうかを判定する。電動モータの回転速度がフィードバック制御される場合、電動モータに流れる電流は、接合ツール24が被接合物23に与えるトルクに応じて変化する。したがって電動モータに流れる電流を検出して、その電流が予め定めるしきい値を越えると、ショルダ面30が被接合物23に当接したことを判定する。
また制御手段60は、没入指令を与えてからショルダ面30が被接合物23に当接するまでに必要な時間をカウントし、その時間を超えると、ショルダ面30が被接合物23に達したことを判定してもよい。また接合装置20が、ショルダ面30が被接合物23に当接したか否かを検出するセンサを有する場合には、そのセンサから与えられる検出結果に基づいて、ショルダ面30が被接合物23に達したことを判定してもよい。
このように制御手段60が、ショルダ面30が被接合物23に当接したことを判定すると、ステップa5に進む。
ステップa5では、必要に応じて接合ツール24の回転速度を予め定める走行用回転速度に変更し、設定回転速度から走行用回転速度に達すると、ステップa6に進む。たとえば各被接合部材21,22が厚板の場合には、走行用回転速度よりも没入時の設定回転速度を高くすることが好ましい。これによって接合ツール24が被接合物に没入するまでに、被接合物23に接合ツール24から与える入熱量を大きくすることができる。
ステップa6では、制御手段60は、没入停止指令を変位駆動手段33に与える。これによって、接合ツール24は、被接合物23への没入を停止する。このとき、接合ツール24は、摩擦熱によって被接合物23の継ぎ手部分を流動化し、流動化した部分を撹拌する。没入停止指令を与えてから予め定める時間が経過し、被接合物23を部分的に十分に流動化させると、制御手段60は、走行指令を走行手段35に与える。これによって接合ツール24は、図3(3)に示すように、回転しながら接合線29に沿う走行方向Xに移動し、ステップa7に進む。
ステップa7では、制御手段60は、車体34が走行を開始してから、接合条件として設定される設定走行距離分移動したことを判定する。たとえば車輪回転用モータ49にエンコーダが設けられる場合、エンコーダから車輪47の角度位置を取得し、その角度位置に基づいて、車体34が設定走行距離分移動したか否かを判定する。
また車体34が設定走行距離移動したか否かを検出するセンサから与えられる検出結果に基づいて、車体34が設定走行距離移動したことを判定してもよい。このセンサとして、たとえばリミットスイッチが用いられる。このように制御手段60が、車体34が設定走行距離分移動したことを判定すると、ステップa8に進む。
ステップa8では、制御手段60は、走行停止指令を走行手段35に与える。これによって車体34が停止する。車体34が停止すると、ステップa9に進む。ステップa9では、制御手段60は、退出指令を変位駆動手段33に与える。これによって、図3(4)に示すように、接合ツール24は、被接合物23から退出し、ステップa10に進む。ステップa10では、制御手段60は、回転停止指令を回転駆動手段32に与える。これによって接合ツール24の回転が停止し、ステップa11に進む。ステップa11では、摩擦撹拌接合における制御手段60の動作が完了する。
このように制御手段60が動作することによって、回転する接合ツール24を被接合物23に没入した状態で、被接合物23の接合線29に沿って車体34が走行し、被接合部材21,22を接合することができる。
たとえば、被接合部材21,22の板厚が10mmである場合、接合条件として、接合ツール24が走行方向Xに移動する走行速度は200mm/minであり、接合ツール24の回転数は500rpmであり、接合ツール24が被接合物23を押圧する押圧力は15kNに設定される。
以上のように本発明の実施の形態に従えば、車体34が被接合物23の上方または下方を自走することによって、被接合物23を移動させる必要がなく、回転駆動手段32および変位駆動手段33を被接合物23の水平方向外方で支持する必要がない。
これによって被接合物23の大きさおよび形状にかかわらず摩擦撹拌接合を行うことができ、柔軟な対応を可能とすることができる。したがって被接合物23が大型である場合であっても、被接合物23の大きさに合わせて接合装置20を大型化する必要がない。したがって接合装置20の製造コストを低下することができる。また不使用時には、予め定める格納場所に収容することができ、作業現場の省スペース化を実現することができる。たとえば長さが20mを越える車両用および船舶用被接合部材21,22を接合する場合であっても、長手方向寸法、幅方向寸法、高さ寸法が1m程度に接合装置20を形成することができ、大型化することがない。
また車輪47は、車輪支持部48a,48bのいずれかに装着可能であり、車輪支持部48a,48bに対して着脱自在に設けられる。これによって被接合物23に対して車体34が上下方向のいずれか一方に配置される場合であっても、接合可能であり利便性を向上することができる。
また、接合ツール24、ツール保持部31およびエアシリンダ52を基準軸線L1に沿って同軸に配置されることによって、エアシリンダ52で発生した変位駆動力を押圧力として接合ツール24に与えることができる。エアシリンダを用いることによって、変位駆動手段を小型化することができる。
また電動モータを用いて変位駆動手段32を実現した場合には、予め定める押圧力を持続して与え続けるために電動モータに電流を流しつづける必要がある。これに対してエアシリンダ52を用いて変位駆動手段32を実現した場合には、予め定める押圧力を与えるための圧縮空気を供給するだけでよく、電動モータに比べて押圧時のエネルギー消費を低減することができる。また回転駆動手段32の電動モータ50と、変位駆動手段33のエアシリンダ52とを基準軸線方向Aに垂直な方向に並べて配置することによって、車体の上下方向寸法を安値で単純な構造とすることができる。
図10は、接合ツール没入時の接合反力F1を示す断面図である。接合ツール24を被接合物23に没入するにあたって、車体34は、被接合物23から基準軸線方向Aの接合反力F1が与えられる。接合反力F1は、接合ツール24が被接合物23を押付ける力と同じ力でかつ方向が逆の向きの力である。
図10に示すように、下向き姿勢に配置された状態で、接合装置20に働く重力F2が、接合反力F1未満である場合には、車体34が浮き上がり、接合ツール24を没入することができない。したがって本実施の形態では、接合装置20の重量が小さい場合には、車体34の浮き上がりを防止するために、錘56が接合装置20に搭載される。この場合、錘56が接合反力F1に抗した力を車体34に与えるための車体押付け手段となる。
図11は、車体進行時に被接合物23に与えられる接合反力F12を説明するための斜視図である。回転する接合ツール24を、被接合物23に没入させて走行方向Xに移動させた場合において、被接合物23は、走行方向Xに働く第1作用力F10を接合ツール24から受ける。第1作用力F10は、走行方向下流側から走行方向上流側に向かう力である。第1作用力F10は、適正な接合条件においてエアシリンダ52が接合ツール24を押圧するツール押圧力Fzの0.1〜0.3倍程度であり、被接合部材21,22の板厚および走行速度の増加にともなって増加する。
また、接合ツール24には、被接合物23に与えた力と反対方向に、被接合物23から反力を受ける。したがって接合ツール24は、走行方向上流側から走行方向下流側に向かう反力である第1走行反力F12が与えられる。第1走行反力F12は、Fz・αで表わされる。ここでFzは、ツール押圧力であり、αは、ツール押圧力Fzと第1接合反力F12との関係を表わす係数である。第1接合反力F12と第1作用力F10の力の大きさは同じであるので、αは、0.1以上0.3以下に設定される。
図12は、車体進行時に被接合物23に与えられる力を説明するための斜視図である。回転する接合ツール24を、被接合物23に没入させて走行方向Xに移動させた場合において、ツール保持部31は、接合ツール24から交差方向Yに働く第2走行反力F11を受ける。第2作用力F11は、走行方向上流側から接合ツール24を見て、接合ツール24が向かう交差方向一方の力である。第2走行反力F11は、エアシリンダ52が接合ツール24を押圧するツール押圧力Fzの0.1倍以上〜0.3倍以下である。
第2走行反力F11は、Fz・βで表わされる。ここでFzは、ツール押圧力であり、βは、ツール押圧力Fzと第2走行反力F13との関係を表わす係数である。βは、0.1以上0.3以下に設定される。
図13は、走行時に被接合物23から車体34に与えられる反力を示す平面図である。上述したように、車体34は、走行時には、第1走行反力F12と、第2走行反力F11とが与えられる。
したがって被接合物23と車輪47との走行方向Xの摩擦係数をμとし、車体の自重をWとし、ツール押圧力をFzとすると、Fz・α<(W−Fz)・μの関係を満たす必要がある。この関係を満たさないと、車輪47が空転し、走行方向Xに走行できないおそれがある。また被接合物23と車輪47との交差方向Yの摩擦係数をμとすると、Fz・β<(W−Fz)・μの関係を満たす必要がある。この関係を満たさないと、車輪47が基準軸線L1まわりに角変位するおそれがある。
したがって、上式を満たすように、車体の自重Wと、車輪47と被接合物23との摩擦係数μ,μを設定する必要がある。たとえば摩擦係数μ,μを大きくするために、無端帯状の履帯を走行方向に並ぶ車輪に巻き掛けて、無限軌道履帯式走行機構、いわゆるキャタピラ(登録商標)としてもよい。また摩擦係数μ,μを高くするために車輪または履帯の外周部に摩擦係数の高いゴムなどの材質を貼り付けてもよい。走行路面38に車輪または履帯との摩擦係数の高いシートを敷設してもよい。また走行路面38と車輪47との接触面積が大きくなるように、車輪の軸線方向寸法を大きくしてもよい。また上述したように、車体34の重量を大きくしてもよい。
被接合物23から与えられる反力に起因して交差方向Yに移動することを見越して、被接合物23から与えられる反力によって移動する方向と反対側に移動するように、車輪47の形状および配置状態が設定されてもよい。たとえば第2走行反力F11が与えられない場合に、第2走行反力F11が与えられる方向と反対方向に、車体34が移動するように舵を切っていてもよい。この場合、第2走行反力F11が車体に与えられた状態で、車体が走行すると、車体34を直進させることができる。
図14は、接合装置20の他の接合状態を示す正面図であり、図15は、接合装置20の他の接合状態を示す断面図である。摩擦撹拌接合装置は、C字状に形成されるパイプ前駆体70の周方向一端部71と、周方向他端部72とを接合することができる。パイプ前駆体70は、周方向一端部71と周方向他端部72とが接合されることによって、円筒状のパイプを形成する。
パイプ前駆体70の周方向両端部70,71を接合する場合、パイプ前駆体70の周方向両端部71,72が突合わされた継ぎ手部分に当接する裏当て装置73を設けてもよい。裏当て装置73は、パイプ前駆体70の軸線方向に移動可能に設けられる。裏当て装置73は、パイプ前駆体70の継ぎ手部分に当接する履帯74が設けられる。履帯74は、ローラ47に巻き掛けられ、裏当て装置73の移動とともに、パイプ前駆体70に当接する位置が移動する。
摩擦撹拌接合にあたって、接合装置20は、パイプ前駆体70の内周面を走行する。この場合、裏当て装置73の履帯74は、パイプ前駆体70の外周面に当接する。接合ツール24と裏当て装置73の履帯74とは、パイプ前駆体73を挟んで対向する位置に配置される。接合装置20と、裏当て装置73とが連動して、パイプ前駆体70の軸線方向に進む。これによって継ぎ当て部分が変形することを防ぐことができる。なお、接合ツール24がパイプ前駆体70の外周面に当接し、裏当て装置73の履帯74がパイプ前駆体70の内周面に当接した状態で、摩擦撹拌接合することや、両周面側からそれぞれ板厚の半分程度を摩擦撹拌接合してもよい。また履帯74に代えてローラ47が直接路面に接触してよい。
図16は、図14に示す接合状態の変形例を示す正面図であり、図17は、図15に示す接合状態の変形例を示す断面図である。図16および図17に示すように、パイプ前駆体70の外周面が定盤または床などに当接することによって、接合装置20は、裏当て装置73を必要とせずに、パイプ前駆体70の内部空間を走行して、パイプ前駆体70の周方向両端部71,72を接合することができる。
図18は、図14の一部を拡大して示す断面図である。上述したように車体34が、パイプ前駆体70などの内周面を通過する場合、すなわち車体34の走行路面が曲面である場合、車輪47の車軸76が傾けられる。具体的には、走行路面の接線75に対して、略垂直となるように、車軸76が傾けられる。これによって履帯24または車輪47と走行路面とが接触する領域を増やすことができ、履帯74または車輪47のスリップを低減することができる。
図19は、本発明の他の実施の形態の車輪77を示す断面図である。車体34の走行路面が曲面である場合、車輪77の外周面78が、走行路面の傾斜に沿うように形成されてもよい。たとえば車輪77は、円錐台形状に形成される。これによって車輪47と走行路面とが接触する領域を増やすことができ、車輪47のスリップを低減することができる。また車輪47には、履帯が巻き掛けられてもよい。
図20は、本発明の第2の実施の形態である接合装置100の一部を示す分解斜視図である。第2の実施形態の接合装置100は、ツール保持部31を交差方向Yに変位可能に設けられる。その他の構成については、図1に示す第1の実施形態の接合装置20と同様の構成を有する。第2の実施形態の接合装置100において、第1の実施形態の接合装置20と同様の構成については、説明を省略し、同一の参照符号を付する。
接合装置100は、搭載部101と、交差駆動手段102とをさらに有する。搭載部101は、シリンダ支持部42を交差方向Yに変位自在に支持する。交差駆動手段102は、シリンダ支持部42を交差方向Yに変位駆動する。搭載部101は、枠体43に固定され、シリンダ支持部42を交差方向Yに変位可能に連結するレール機構103を有する。
レール機構103は、交差方向Yに沿って延びるレール104と、レール104に案内される案内体105とを含む。案内体105は、交差方向Yに変位自在に設けられ、その他の方向の変位が阻止される。シリンダ支持部42は、案内体105に連結される。これによってシリンダ支持部42が搭載体101に対して交差方向Yに変位可能に設けられる。本実施の形態では、複数、たとえば2つのレール機構101が設けられる。2つのレール機構101は、走行方向Xに並ぶ。
交差駆動手段102は、動力発生源106と、動力伝達部107とを有する。動力発生源106は、電動モータによって実現される。電動モータは、電源から電力が供給されることによって、その出力軸を回転する。なお、電動モータは、制御手段によって制御される。この場合、制御手段は、電動モータに供給される電流を調整する。
動力伝達部107は、動力発生源106で発生される回転力を、交差方向Yに進む直進力に変換して、その直進力をシリンダ支持部42に与える。動力伝達部107は、ベルトまたは歯車などの回転伝達機構108によって、回転力をボールねじ109のねじ軸110に伝達する。ねじ軸110が回転することによって、ねじ軸110に螺合する移動体111が移動する。ねじ軸110は、交差方向Yに延び、移動体111は、シリンダ支持部42に固定される。これによって動力発生源106が動力を発生すると、移動体111とともにシリンダ支持部42を移動させることができる。また動力発生源の出力軸の回転方向を変更可能とすることで、シリンダ支持部42を交差方向両方に移動させることができる。
図21は、第2の実施の形態の接合装置100の変形例を示す断面図である。図20では、動力発生源106によってボールねじ109のねじ軸110を動力発生源106によって回転させたが、ねじ軸110を回転させる動力を作業者が与えてもよい。この場合、ねじ軸110を回転させるためのハンドル112を作業者が回転させることによって、シリンダ支持部42を交差方向Y両方に移動させることができる。
図22は、本発明の第3の実施の形態である接合装置120の一部を拡大して示す図である。第3の実施形態の接合装置120は、被接合物23の接合線29の位置を検出する検出手段121と、接合ツール24が被接合物23に没入する没入量が予め定める没入量となるようにツール保持部31の移動を規制する規制手段122とを有する。
第3の実施形態の接合装置120は、その他の構成については、第2の実施形態の接合装置100と同様の構成を有する。第3の実施形態の接合装置120において、第2の実施形態の接合装置100と同様の構成については、説明を省略し、同一の参照符号を付する。なお、本実施の形態では、検出手段121は、略棒状に形成され、その先端部で、接合装置に対する開先位置を検出する。検出手段121の軸線L2と鉛直線L3との角度が接合ツール24の傾斜角度θと反対向きの後退角γとなる。言換えると検出手段121は、基端部から先端部に向かうにつれて、その軸線L3が接合方向下流側から上流側に延びる。
図23は、検出手段121を示す正面図である。検出手段121は、ツール保持部31と接合位置とのずれ量を検出するずれ量検出手段となる。たとえば検出手段121は、接触センサによって実現される。検出手段121は、車体34が走行路面に配置された状態で、接触子122が接合線29に近接または当接して配置される。接触子122は、接合線121に形成される開先を検出し、開先と接触子122との交差方向Yのずれを検出する。このずれ量は、ツール保持部と接合位置とのずれ量を表わす。
検出手段121は、検出結果を制御手段60に与える。制御手段60は、検出手段121の検出結果に基づいて、交差駆動手段102にずれ量補正指令を与える。これによって交差駆動手段120が、接合ツール24と接合位置との交差方向Yのずれを解消する位置にシリンダ支持部42を移動させる。したがって制御手段60と交差駆動手段102とによって、交差方向Yのずれを補正する補正移動手段となる。
また制御手段60は、検出手段121の検出結果に基づいて、交差駆動手段102を駆動したが、走行手段35に舵機能が設けられる場合には、その舵機能を制御してもよい。たとえば走行手段35が車輪47の向きを変更可能に形成される場合、検出手段121の検出結果に基づいて、車輪47の向きを変更してもよい。また交差方向一方側の車輪47と交差方向他方側の車輪47とが個別に駆動される場合、検出手段121の検出結果に基づいて、駆動する車輪47を設定してもよい。このようにして車体47を接合線29に追従させるように、走行方向を変更させてもよい。この場合、制御手段60と走行手段35とによって、交差方向Yのずれを補正する補正移動手段となる。
検出手段121によってツール保持部31と接合位置とのずれ量を検出すると、そのずれ量に基づいて、制御手段60が、ずれを解消するようにツール保持部31を被接合物23に対して移動させる。このようにツール保持部31と接合位置とのずれを解消することによって、接合位置の教示ミス、接合位置の誤差、走行移動における誤差などが生じる場合であっても、接合位置で被接合物23を精度よく接合することができる。また車体34が、被接合物23から反力を受けた場合であっても、接合ツール24が走行すべき走行経路から逸れることを防ぐことができる。
また、交差駆動手段102によって、車体34に対してツール保持部31を交差方向Yに移動させることによって、車体34の移動にかかわらずに、ずれに応じてツール保持部31を移動させることができる。これによってツール保持部31の接合位置に対する追従性を向上して、接合ツール24が接合線29から逸れることを防ぐことができる。また接合ツール24の位置を微調整することができる。
また、走行手段35によって、ツール保持部31を交差方向Yに移動させることによって、進行方向と接合線とがずれており、走行するにつれてずれ量が大きくなる場合であっても、接合ツール24が接合線29から逸れることを防ぐことができる。
図24は、規制手段122を簡略化して示す断面図である。規制手段122は、連結部130と、伸縮部131と、ローラ部132とを有する。連結部130は、モータ支持部42に固定され、モータ支持部42とともに基準軸線方向Aに変位する。また伸縮部131は、連結部130に連なり、弾発性を有して基準軸線L1に沿って伸縮する。ローラ部132は、連結部130の軸線方向他方部分に設けられる。
エアシリンダ52がモータ支持部42を押圧すると、モータ支持部42とともに接合ツール24および伸縮部131が被接合物23に向かって移動する。接合ツール24は、予め定める押圧力F5で被接合物24を押圧しながら、被接合物23に没入する。また伸縮部131は、接合ツール24が予め定める没入量に達した状態でローラ部132が被接合物23に当接する。そして接合ツール24がさらに没入すると、伸縮部131が縮退する。このとき、伸縮部131は、自然状態に復帰する方向にばね力を発生する。これによってモータ支持部42は、ツール没入方向と反対方向の力を受ける。伸縮部131によって生じるばね力は、伸縮部131の縮退量ΔLに応じて大きくなり、接合ツール24の没入が進行するとともに大きくなる。
接合ツール24が予め定める没入量Pに達したときに、伸縮部131から与えられるばね力F6がほぼゼロとなる。このときばねの長さは、自然長となり、収縮および伸長量がゼロとなる。このように設定されることによって、接合ツール24が予め定める没入量を超えて没入することを制御することができる。伸縮部131は、たとえばコイルばねまたは空気ばねによって実現することができる。
またローラ部132は、伸縮部131に回転可能に支持される。これによって車体が走行状態であっても、伸縮部131のばね力F6をもータ支持部42に与えることができ、車体の走行中であっても、接合ツール23の没入量を設定没入量に保つことができる。この場合には、走行中においても、エアシリンダ52によってモータ支持部41を予め定める押圧力F5で押圧することができる。
これによって車体34の移動速度にかかわらず、接合ツール24が被接合物23に過剰に没入することを防ぐことができる。摩擦撹拌接合装置が自走する場合、走行路面38の状態などの状態によっては、接合ツール24の没入を一定に保つことが困難な場合があるが、上述した規制手段122を用いることによって、被接合物23の接合線29が長い場合であっても、その接合線29を移動する間に、接合ツール24の没入量が変動することを防止することができ、接合品質を向上することができる。また機構的に没入量を一定にすることによって、センサを用いる必要がなく、簡単な構成によって規制手段を実現することができる。これによって没入位置を正確に調整することが困難なエアシリンダを、変位駆動手段に用いた場合であっても、接合ツールの没入量を一定にすることができる。またエアシリンダによる加圧を継続した状態で、接合ツール24を走行させることができる。
図25は、本発明の第4の実施の形態である接合装置220を示す断面図である。第4の実施形態の接合装置220は、被接合物23から与えられる基準軸線方向の反力に抗した力を車体に与える車体押付け手段が設けられ、その他の構成については、第1の実施形態の接合装置20と同様の構成を有する。したがって第1の実施形態の接合装置と同様の構成については、説明を省略する。
被接合物23または当接部材36のうち少なくともいずれか一方が強磁性体である場合、接合装置220には、浮き上がりを防止するために、車体23の基準軸線方向一方側A1に磁石体57が設けられる。磁石体57は、永久磁石であってもよく電磁石であってもよい。磁石体57が電磁石である場合、接合ツール没入にあたって、制御手段60は、電磁石57を励磁する。これによって車体54に、被接合物23に向かう磁力F3を発生させる。この場合、磁石体57が接合反力F1に抗した力を車体34に与える車体押付け手段となる。また、接合ツール24が没入していない状態においては、電磁石の励磁を停止することによって、被接合物23に向かう力F3を解除することができ、利便性を向上することができる。
図26は、本発明の第5の実施の形態である接合装置320を示す断面図である。第5の実施形態の接合装置320は、被接合物23から与えられる基準軸線方向の反力に抗した力を車体に与える車体押付け手段58が設けられ、その他の構成については、第1の実施形態の接合装置20と同様の構成を有する。したがって第1の実施形態の接合装置20と同様の構成については、説明を省略する。
接合装置320は、浮き上がりを防止するために、接合作業現場の天井または壁などから車体34を基準軸線方向一方A1に押圧する車体押付け手段58を有する。斜体押付け手段58は、伸縮部65と、天井当接部66と、車体当接部67とを含む。伸縮部66は、長手方向に伸縮自在に設けられる。天井当接部66は、伸縮体66の長手方向一端部に設けられ、天井68などに当接する。車体当接部67は、伸縮体66の長手方向他端部に設けられ、車体34に当接する。たとえば伸縮部65は、エアシリンダによって実現される。天井当接部66は、天井68に当接して回転可能なローラと、ローラを回転可能に支持する当接部分とを含む。
接合ツール没入にあたって、制御手段60は、押圧手段58の伸縮部65を伸長させる。天井当接部66が天井68に当接しているので、押圧手段58は、車体当接部67によって車体34を下方に押圧する。これによって反力による車体34の浮き上がりを防ぐことができる。
図27は、本発明の第6の実施の形態の接合装置420を示す断面図である。第6の実施形態の接合装置は、第1の実施の形態の接合装置20に比べて走行手段の構成が異なる。その他の構成については、第1の実施形態の接合装置20と同様の構成を有する。したがって第1の実施形態の接合装置と同様の構成については、説明を省略する。
被接合物23の接合線29が直線である場合では、ウインチ機構によって、車体34を走行させてもよい。この場合、被接合物23の接合線29の一端部にワイヤ巻取り装置80を配置し、被接合物23の接合線29の他端部に車体34を配置する。そしてワイヤ81によって車体34とワイヤ巻取り装置80とを連結する。ワイヤ巻取り装置80がワイヤ81を巻き取ることによって、車体34を接合線に沿って移動させることができる。このようにして車体34を走行させることができる。
図28は、本発明の第7の実施の形態の接合装置520を示す断面図である。第7の実施形態の接合装置520は、第1の実施の形態の接合装置20に比べて走行手段の構成が異なる。その他の構成については、第1の実施形態の接合装置20と同様の構成を有する。したがって第1の実施形態の接合装置と同様の構成については、説明を省略する。
被接合物23の接合線29が直線である場合では、チェーン機構によって、車体34を走行させてもよい。この場合、被接合物23の接合線29の一端部に第1スプロケット回転体が設けられ、被接合物23の接合線29の他端部に第2スプロケット回転体が設けられる。第1スプロケット回転体82および第2スプロケット回転体83は、それぞれスプロケットを回転可能に支持する。
2つのスプロケットには、チェーン84が巻掛けられる。2つのスプロケット回転体82,83のうち、少なくともいずれか一方は、スプロケットを回転駆動する回転手段を有する。チェーン84の一部は、車体34に連結される。回転手段によってスプロケットを回転させることによって、チェーン84が変位し、チェーン84とともに車体34が接合線29に沿って走行する。
図29は、本発明の第8の実施の形態である接合装置620を示す断面図である。第8の実施形態620の接合装置は、第1の実施形態の接合装置20に比べて、走行経路を正確に走行するためにさらにガイド機構を有する。その他の構成については、第1の実施形態の接合装置20と同様の構成を有する。したがって第1の実施形態の接合装置と同様の構成については、説明を省略する。
接合装置620がガイド機能を有する場合、被接合物23は、接合線29に対して、平行に延びるガイド部材90が被接合物23に仮止めされる。接合装置620は、ガイド部材90に添って移動するガイド機構91を有する。ガイド機構91は、ガイド部材90を交差方向両側から挟持する一対のローラ92,93と、ローラ92,93を回転可能に支持して、車体に固定される固定部94とを有する。ガイド機構91は、いわゆるカムフォロア(片持ち式ラジアル軸受)によって実現される。
ガイド機構91によって車体が案内されることによって、車体は、被接合物から反力が与えられる場合であっても、交差方向にずれることがない。これによって正確に接合線29に沿って移動することができる。なお、被接合物23に形成されるリブなどをガイド部材90として利用してもよい。このようにガイド機構は、車体を走行すべき走行経路に沿って走行させる走行補助手段となる。仮止めされたガイドレールは、摩擦撹拌接合後に取外する。また作業現場または定盤上ガイドレールを設けた場合には、恒久的に繰り返して使用してもよい。
またガイド機構91は、車輪47に溝を形成して、ガイド部材上を走行するようにしてもよい。また車輪に代えて直動式ベアリングを取り付けて、ガイド部材と組合わせて、リニアガイドとして用いてもよい。またレールをラック形状に形成し、車輪の外周にピニオン形状に形成して、レールと車輪とを噛合させてもよい。
上述した本発明の形態は、本発明の一例示であり発明の範囲内において構成を変更することができる。たとえば回転駆動手段32は、電動モータ以外、たとえば油圧モータおよびエアモータによって実現されてもよい。なお変位駆動手段32は、エアシリンダ以外、たとえば油圧シリンダ、電気サーボ加圧機構によって実現されてもよい。また各実施の形態を組合わせた構成であってもよい。
本発明の第1の実施の形態である接合装置20を示す分解斜視図である。 接合装置20を示す斜視図である。 接合装置20による接合手順を示す断面図である。 接合装置20の走行状態を示す断面図である。 接合装置20の他の走行状態を示す断面図である。 接合装置20の他の走行状態を示す斜視図である。 走行手段35を備える接合装置20を示す断面図である。 接合装置20の電気的構成を示すブロック図である。 摩擦撹拌接合における制御手段60の動作手順の一例を示すフローチャートである。 接合ツール没入時の接合反力を示す断面図である。 車体進行時に被接合物23に与えられる力を説明するための斜視図である。 車体進行時に被接合物23に与えられる力を説明するための斜視図である。 走行時に被接合物23から車体34に与えられる反力を示す平面図である。 接合装置20の他の接合状態を示す正面図である。 接合装置20の他の接合状態を示す断面図である。 他の接合状態の変形例を示す正面図である。 他の接合状態の変形例を示す断面図である。 図14の一部を拡大して示す断面図である。 本発明の他の実施の形態の車輪77を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態である接合装置100の一部を示す分解斜視図である。
接合装置100の変形例を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態である摩擦撹拌接合装置120の一部を拡大して示す図である。 検出手段121を示す正面図である。 規制手段122を簡略化して示す断面図である。 本発明の第4の実施の形態である接合装置220を示す断面図である。 本発明の第5の実施の形態である接合装置320を示す断面図である。 本発明の第6の実施の形態である接合装置420を示す断面図である。 本発明の第7の実施の形態である接合装置520を示す断面図である。 本発明の第8の実施の形態である接合装置620を示す断面図である。 第1の従来技術の摩擦撹拌接合装置1を示す斜視図である。 第2の従来技術の摩擦撹拌接合装置13を示す斜視図である。 第2の従来技術の摩擦撹拌接合装置15を示す斜視図である。
符号の説明
20,100,120,220,320,420,520,620 摩擦撹拌接合装置
21,22 被接合部材
23 被接合物
24 接合ツール
31 ツール保持部
32 回転駆動手段
33 変位駆動手段
34 車体
35 走行手段
L1 基準軸線

Claims (12)

  1. 複数の被接合部材によって構成される被接合物を、接合ツールによって摩擦撹拌して、各被接合部材を接合する摩擦撹拌接合装置であって、
    予め定める基準軸線まわりに回転自在に設けられ、接合ツールを保持するツール保持部と、
    ツール保持部を基準軸線まわりに回転駆動する回転駆動手段と、
    ツール保持部を基準軸線に沿って変位駆動する変位駆動手段と、
    ツール保持部、回転駆動手段および変位駆動手段を搭載して走行可能な車体とを含み、
    車体は、被接合物の上方を走行可能に形成されることを特徴とする摩擦撹拌接合装置。
  2. 複数の被接合部材によって構成される被接合物を、接合ツールによって摩擦撹拌して、各被接合部材を接合する摩擦撹拌接合装置であって、
    予め定める基準軸線まわりに回転自在に設けられ、接合ツールを保持するツール保持部と、
    ツール保持部を基準軸線まわりに回転駆動する回転駆動手段と、
    ツール保持部を基準軸線に沿って変位駆動する変位駆動手段と、
    ツール保持部、回転駆動手段および変位駆動手段を搭載して走行可能な車体とを含み、
    車体は、被接合物の下方を走行可能に形成されることを特徴とする摩擦撹拌接合装置。
  3. 車体は、走行路面に対して回転する車輪または履帯が設けられ、
    車輪または履帯は、車体の基準軸線方向両端部に着脱可能に形成されることを特徴とする請求項1または2記載の摩擦撹拌接合装置。
  4. 接合にあたって、被接合物から与えられる基準軸線方向の反力に抗した力を車体に与える車体押付け手段をさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の摩擦撹拌接合装置。
  5. 接合にあたって、被接合物から与えられる基準軸線に対して垂直な方向の反力を考慮して車体を所定の移動径路に沿って走行させる走行補助手段をさらに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の摩擦撹拌接合装置。
  6. ツール保持部と接合位置とのずれ量を解消する位置にツール保持部を移動可能な補正移動手段をさらに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の摩擦撹拌接合装置。
  7. ツール保持部と接合位置とのずれ量を検出するずれ量検出手段と、
    ずれ量検出手段の検出結果に基づいて、補正移動手段を制御する制御手段とをさらに含むことを特徴とする請求項6記載の摩擦撹拌接合装置。
  8. 補正移動手段は、車体に対してツール保持部を移動させることを特徴とする請求項6または7記載の摩擦撹拌接合装置。
  9. 補正移動手段は、車体の進行角度を修正することを特徴とする請求項6または7記載の摩擦撹拌接合装置。
  10. 車輪または履帯は、走行路面との摩擦係数の高い材料によって外周部が形成されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の摩擦撹拌接合装置。
  11. 接合ツールが被接合物に没入する量が予め定める没入量となるように、ツール保持部の移動を規制する規制手段をさらに含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の摩擦撹拌接合装置。
  12. 前記規制手段は、ツール保持部に連結される連結部と、
    連結部に連なり、弾発性を有して基準軸線に沿って伸縮する伸縮部とを有し、
    接合ツールが予め定める没入量没入した状態から、さらに没入しようとした場合、被接合物に当接した伸縮部からツール保持部に与えられるばね力によって接合ツールの没入を規制することを特徴とする請求項11記載の摩擦撹拌接合装置。
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