JP2005185630A - 養育補助装置、感情緩和制御装置及びプログラム - Google Patents

養育補助装置、感情緩和制御装置及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】乳幼児又は動物の音声から感情を判定し、感情を和らげるための出力を自動で行うことで養育を補助する。
【解決手段】マイクロフォン1102で赤ちゃん2の声をサンプリングし、音声分析して赤ちゃん2の感情を判定する。判定した感情が予め設定された緩和すべき感情に該当する場合、当該感情を緩和するためにスピーカ1108から所定の音パターンで音出力し、電動玩具1206をリモコン操作して所定の動作パターンで駆動させ、ライト1208をリモコン操作して所定の点灯パターンで点灯させる。
【選択図】図16

Description

本発明は、乳幼児又は動物の音声を音声分析して感情を判定する機能を備えた養育補助装置、感情緩和制御装置等に関する。
人間の言葉を発しない動物とのコミュニケーションは、人間の大いなる関心の一つである。例えば、犬やネコと言ったペットを家族のようにかわいがる人にとっては、常日頃彼らの気持ちを知りたいと思う。また、同じく人間の言葉を発することができない赤ちゃん(乳幼児)の気持ちが知りたいと思うのは、赤ちゃんがなぜ泣いているか分からずに手を焼いたことのある父母であれば当然抱く願いである。
こうした願望に応える技術としては、例えば、動物の鳴声を音声分析してその特徴を抽出したパターンを求め、動物行動学的に分析された基準の音声パターンと比較することによって鳴声の意味する感情を判定し、人間が理解できる文字や画像として表示させるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、同様にして、赤ちゃんの声を音声分析することで赤ちゃんの感情を判定する商品も市販化されている。
特開平10−3479号公報
上記従来の技術によれば、飼主や赤ちゃんの父母は、ある程度ペットや赤ちゃんの感情を知ることが可能となり、要求がある場合にはそれを理解し応えてあげることができるようになった。しかしながら、飼主や父母がペットや赤ちゃんに機嫌良くいて欲しいと望む一方で、常に側にいて面倒を見ることができないのが実情である。そのため、従来の技術によって赤ちゃんが「退屈」でぐずっていると分かったとしても、お母さんが家事で手を離せない状況であれば、結果的に赤ちゃんの機嫌をとることもできず最終的には泣き出してしまうといった問題があった。
本発明は、こうした問題を鑑みて成されたものである。その目的とするところは、乳幼児又は動物の音声から感情を判定し、感情を和らげるための出力を自動で行うことで養育を補助することである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明の養育補助装置(例えば、図1の育児補助機1000)は、乳幼児又は動物を話者としてその音声を入力する音声入力手段(例えば、図1のマイクロフォン1102、図2のCPU10、音入力部14、図11のステップS40)と、この音声入力手段により入力された音声を分析して話者の感情を判定する感情判定手段(例えば、図1の制御ユニット1104、図2のCPU10、図10のステップS4、図11のステップS42)と、この感情判定手段により判定された感情が予め設定された緩和対象の感情であるか否かを判断する判断手段(例えば、図1の制御ユニット1104、図2のCPU10、図10のステップS20、図12のステップS60)と、前記緩和対象の感情を和らげるための予め設定された動作が可能な動作手段(例えば、図1のスピーカ1108、電動玩具1206、ライト1208、図2の感情緩和出力部70)と、前記判定された感情が前記緩和対象の感情であると前記判断手段に判断された場合に前記動作手段による動作を開始させる制御を行う動作制御手段(例えば、図1の制御ユニット1104、図2のCPU10、図12のステップS62〜S72)と、を備えることを特徴とする。
請求項8に記載の発明のプログラムは、乳幼児又は動物を話者としてその音声を入力する音声入力手段(例えば、図1のマイクロフォン1102)と、予め設定された緩和対象の感情を和らげるための予め設定された動作が可能な動作手段(例えば、図1のスピーカ1108、電動玩具1206、ライト1208、図2の感情緩和出力部70)とを備えたコンピュータ(例えば、図1の育児補助機1000、制御ユニット1104)に、
前記音声入力手段により入力された音声を分析して話者の感情を判定する感情判定機能(例えば、図2のCPU10、図11のステップS42)と、この感情判定機能により判定された感情が予め設定された緩和対象の感情であるか否かを判断する判断機能(例えば、図2のCPU10、図12のステップS60)と、前記判定された感情が前記緩和対象の感情であると前記判断機能により判断された場合に前記動作手段による動作を開始させる制御を行う動作制御機能(例えば、図2のCPU10、図12のステップS62〜S72)と、を実現させることを特徴とする。
請求項1又は8に記載の発明によれば、乳幼児又は動物の声を音声分析して、声に表された感情を判定することができる。そして、判定した感情が、予め設定された緩和すべき感情である場合に、当該感情を和らげるための動作を実行することができる。したがって、乳幼児又は動物の感情を和らげることで、乳幼児がぐずったり動物が騒がしくなるといった事態を防ぎ、養育の手間を省くことができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の養育補助装置であって、前記動作手段は、所定の音データに基づく音出力動作を行うことで前記緩和対象の感情の緩和を図る音出力手段(例えば、図1のスピーカ1108、図2のCPU10、音出力部72、図12のステップS62〜S64)を有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を奏するとともに、所定の音データに基づいて音を出力することができる。効果音や音楽で感情の高ぶりを抑制し、反対に沈んだ感情を持ち上げるといったことが、音楽療法などで実践されている。そうした観点から適当な音データを設定し出力することによって、緩和対象の感情を和らげることができる。また、耳に聞こえれば良いので、比較的離れた場所からでも効果を発揮することができる。したがって、養育補助装置の設置場所の自由度が高くなる。また、乳幼児や動物の姿勢や動作にかかわらずに聞かせることができるので、様々な状況で使用することができる。
更に、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の養育補助装置であって、前記音データは、前記話者の安静時の心拍数に応じた音律の音データであることを特徴とする。
安静時の心拍数は、母体内に居た状態(すなわち絶対的に安心で安らぐ環境)を連想させることから、特に乳幼児の感情を和らげるのに効果的であるのは経験的に認められるところである。また、安静時の心拍数の刺激を受けると、人間も動物もリラックスし易い傾向にあることも経験的に認められるところである。
請求項3に記載の発明によれば、安静時の心拍数に応じた音律で音を出力することができる。したがって、乳幼児又は動物の感情をより効果的に和ませることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の養育補助装置であって、前記動作手段は、所定の動作パターンに基づいて所定の可動部材を可動させることで前記緩和対象の感情の緩和を図る可動手段(例えば、図1の電動玩具1206、モータ1207、制御ユニット1104、図2のCPU10、図12のステップS70〜S72)を有することを特徴とする。
機嫌をとるために、おもちゃを動かして乳幼児や動物をあやすことは周知の策である。請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明と同様の効果を奏するとともに、所定の動作パターンに基づいて可動部材を可動させることができるので、より効果的に感情の緩和を図ることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の養育補助装置であって、前記動作手段は、所定の発光パターンに基づく発光動作を行うことで前記緩和対象の感情の緩和を図る発光手段(例えば、図1のライト1208、制御ユニット1104、図2のCPU10、点灯部74、図12のステップS66〜S68)を有することを特徴とする。
発光の周期や発光色を適切にコントロールすることによって、感情を高ぶらせ或いはりリラックスさせることは、色彩心理学やリラクゼーションテクニックとして知られていることである。請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明と同様の効果を奏するとともに、所定の発光パターンで発光動作させることができるので、より効果的に感情の緩和を図ることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の養育補助装置であって、前記感情判定手段により判定された感情を判定された時間に対応づけて累積的に記憶する感情履歴記憶手段(例えば、図1の制御ユニット1104、図2のCPU10、フラッシュメモリ60、感情出現履歴情報62、図11のステップS44)と、この感情履歴記憶手段による記憶内容に基づいて感情の1日当たりの出現時間分布を算出する分布算出手段(例えば、図1の制御ユニット1104、図2のCPU10、図11のステップS46)と、この分布算出手段により算出された分布を表示する制御を行う分布表示制御手段(例えば、図1の制御ユニット1104、図2のCPU10、表示部16、図10のステップS14〜S16)と、を更に備えることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明と同様の効果を奏するとともに、乳幼児又は動物の感情をその出現時間に対応づけて累積的に記憶し、出現分布を表示させることができる。したがって、ユーザに乳幼児又は動物の統計的な感情出現状況、すなわち生活パターンにおける感情の出方を通知することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の養育補助装置であって、前記分布算出手段により算出された分布に基づいて、前記緩和対象の感情の出現頻度が所定の出現頻度条件を満たす時間を判定し、当該時間に前記動作手段による動作を開始させる制御を行う統計的動作制御手段(例えば、図1の制御ユニット1104、図2のCPU10、図13の生活パターン対応自動制御処理)を更に備えることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明と同様の効果を奏するとともに、更に乳幼児や動物の感情の1日当たりの出現時間分布に基づいて、緩和すべき感情が所定の出現頻度条件を満たす時間に、自動的に感情を和ませるための動作をすることができる。すなわち、統計的な傾向から乳幼児や動物の機嫌が損ね易い時間には、予防処置的に感情を緩和する動作を開始させることができる。
請求項9に記載の発明の感情緩和制御装置(例えば、図1の育児補助機1000)は、音声を入力する音声入力手段(例えば、図1のマイクロフォン1102、図2のCPU10、音入力部14、図11のステップS40)と、この音声入力手段により入力された音声を分析して感情を判定する感情判定手段(例えば、図1の制御ユニット1104、図2のCPU10、図10のステップS4、図11のステップS42)と、この感情判定手段により判定された感情が予め設定された感情であるか否かを判断する判断手段(例えば、図1の制御ユニット1104、図2のCPU10、図10のステップS20、図12のステップS60)と、この判断手段により判定された感情が前記予め設定された感情であると判断された場合に当該感情を緩和させるための音、光、動きのうちのいずれかを制御する制御手段(例えば、図1のスピーカ1108、電動玩具1206、ライト1208、図2の感情緩和出力部70;図1の制御ユニット1104、図2のCPU10、図12のステップS62〜S72)と、を備えることを特徴とする。
請求項9に記載の発明によれば、音声入力手段により入力された音声を分析して感情を判定し、判定された感情が予め設定された感情であるか否かを判断した結果、判定された感情が予め設定された感情であると判断された場合には当該感情を緩和させるための音、光、動きのうちのいずれかを自動的にかつ容易に制御することができる。
請求項10に記載の発明も、請求項9に記載の発明と同様な構成を備え、同様な効果を奏することができる。
本発明によれば、乳幼児又は動物の声を音声分析して、声に表された感情を判定することができる。そして、判定した感情が、予め設定された緩和すべき感情である場合に、当該感情を和らげるための動作を実行することができる。または、本発明によれば、入力された音声を分析して感情を判定し、判定された感情が予め設定された感情であるか否かを判断した結果、判定された感情が予め設定された感情であると判断された場合には当該感情を緩和させるための音、光、動きのうちのいずれかを自動的にかつ容易に制御することができる。したがって、たとえば、乳幼児又は動物等の感情を和らげることで、乳幼児がぐずったり、または動物が騒がしくなったりするといった事態を防ぎ、養育の手間を省くことができる。
感情を和らげるための動作として音を出力することによって、音楽療法などに見られるように、音や音楽によって緩和対象の感情を和らげることができる。また、耳に聞こえれば良いので、比較的離れた場所からでも効果を発揮することができる。したがって、養育補助装置の設置場所の自由度が高くなる。また、乳幼児や動物の姿勢や動作にかかわらずに聞かせることができるので、様々な状況で使用することができる。
また、感情を和らげるための動作として所定の動作パターンに基づいて可動部材を可動させることで、乳幼児や動物の気を惹き、より効果的に感情の緩和を図ることができる。或いは、感情を和らげるための動作として所定の発光パターンで発光動作させることで、より効果的に感情の緩和を図ることもできる。
また、乳幼児又は動物の感情をその出現時間に対応づけて累積的に記憶し、出現分布を表示させることで、ユーザに乳幼児又は動物の統計的な感情出現状況、すなわち生活パターンにおける感情の出方を通知することができる。
そして、乳幼児や動物の感情の1日当たりの出現時間分布に基づいて、緩和すべき感情が所定の出現頻度条件を満たす時間に、自動的に感情を和ませるための動作をすることで、統計的な傾向から乳幼児や動物の機嫌が損ね易い時間には、予防処置的に感情を緩和する動作を開始させることができる。
発明を実施するための最良の形態として、本発明を養育補助装置の一つである育児補助機に適用して赤ちゃんの感情を緩和させる場合を例に挙げて説明する。尚、赤ちゃんに限らず、犬やネコ、小鳥と言ったペットや家畜など、他の動物についても同様に適用することができる。
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態における感情緩和制御装置または育児補助装置としての育児補助機1000全体システムの一例を示す構成図である。
同図(a)に示すように、ベビーベッド1には、ユーザが面倒を看る赤ちゃん2が入れられている。育児補助機1000は、コントローラ1100と、補助機本体1200と、電源部(図示略)とから構成されており、コントローラ1100は赤ちゃん2の声を集音できるようにベビーベッド1に取り付けられ、補助機本体1200はベビーベッド1の脇に設置される。
補助機本体1200は、スタンド1202の先端にスイングアーム1204を備え、スイングアーム1204の更に先端には、赤ちゃん2の感情を緩和するために種々の動きをする電動玩具1206と、同じく感情を緩和するために種々のパターンで点灯するライト1208とが備えられている。
電動玩具1206は、例えば、縫いぐるみや飛行機模型などのおもちゃ1205を吊下げ、内蔵するモータ1207を駆動させることによって、おもちゃを回転させたり上下動させたりすることができる。ライト1208は、電球やLEDなどの発光素子によって実現され、さまざまな色や点灯パターンで点灯/消灯することができる。そして、モータ1207及びライト1208は、通信モジュール1210を介してコントローラ1100によってリモコン制御される。通信モジュール1210は、例えば短距離無線通信、赤外線通信などの公知の通信規格によって実現することができる。
コントローラ1100は、同図(b)に示すように、赤ちゃん2の声を集音するマイクロフォン1102と、集音された声を音声分析処理するとともにコントローラ1100の各部を制御する制御ユニット1104と、音声分析の結果や各種の操作画面を表示するディスプレイ1106と、音声分析によって判定された赤ちゃん2の感情を緩和するための音を発するスピーカ1108と、各種の操作を入力するため操作入力キー1110と、補助機本体1200にリモコン信号を送信するための通信モジュール1120と、乾電池などの電源部(図示略)とを備え、クリップ1122でベビーベッド1に取り付けられる。
制御ユニット1104には、CPU(Central Processing Unit)や各種ICメモリ、ASIC等の演算処理のためのハードウェアが搭載されており、所定のプログラムに従って演算処理することによって、マイクロフォン1102で集音した音声の音声分析や各部の制御をする。
操作入力キー1110としては、カーソルの移動やメニューの選択を入力するための方向キー1112やENTERキー1114、ESCキー1116、及び赤ちゃん2の感情判定と感情緩和のための出力とを即時実行させるためのスタートキー1118とが備えられている。
ディスプレイ1106は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)などの表示素子及びこれらの駆動回路等によって実現される。
尚、マイクロフォン1102やスピーカ1108は、コントローラ1100に一体的に具備されている構成に限らない。例えば、マイク端子1117やスピーカ端子1119を備え、外部のマイクロフォンから信号を入力したり、外部のスピーカで音出力する構成とすると、より利用形態に自由度が増して好適である。また、コントローラ1100は、同図(b)のような専用の装置としてだけでなく、ノート型パソコンやホームサーバ装置などによって実現するとしても良い。
[機能ブロックの説明]
図2は、本実施形態における育児補助機1000の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。同図に示すように、育児補助機1000は、CPU10と、操作入力部12と、音入力部14と、表示部16と、RAM(Random Access Memory)20と、ROM(Read Only Memory)40と、フラッシュメモリ60と、感情緩和出力部70と、これらを結ぶ信号伝達部80とを備える。
操作入力部12は、例えば、ボタンスイッチやレバー、ダイヤル、タッチパネル、トラックパッドなどによって実現され、メニュー操作や設定の変更などの各種操作を入力して操作信号をCPU10に出力する。図1では、操作入力キー1110が該当する。
音入力部14は、声(音)を入力し音声信号をCPU10に出力する。図1ではマイクロフォン1102が該当する。
表示部16は、LCDやELDなどの表示素子及びバックライトや駆動回路等によって実現される表示出力手段である。表示部16は、CPU10の制御によって文字(テキスト)や図形、画像などを表示することができる。図1では、ディスプレイ1106が該当する。
感情緩和出力部70は、入力された声が音声解析され、解析結果に基づいて判定された感情を緩和するための出力をする手段である。本実施形態では、図1のスピーカ1108が該当する音出力部72と、図1のライト1208が該当する点灯部74と、図1の電動玩具1206が該当する動作部76とが含まれる。
信号伝達部80は、各要素間で送受される信号を伝える。例えば、信号線、データバス、通信機などがこれに該当する。図1では、通信モジュール1120,1210が該当する。
CPU10は、RAM20やROM40及びフラッシュメモリ60に記憶されているプログラム及びデータに従って各種の演算処理を実行し、育児補助機1000を統合的に制御する。例えば、入力された音声の音声データファイル(音データファイル)を生成する処理や、入力された音声の特徴を抽出する音声分析処理、音声分析の結果から感情を判定する処理、判定した感情をユーザに通知する処理、判定した感情を緩和させるための種々の出力をする処理、時計機能処理などを実行する。本実施形態では、CPU10は、RAM20やROM40及びフラッシュメモリ60と共に、コントローラ1100の制御ユニット1104に搭載されている。
尚、音声分析処理については、専用のICチップによって実現するとしても良い。具体的には、例えば、A/D変換器やフィルタ回路、DSP(Digital Signal Processor)などの演算処理用集積回路等によって、入力された音声に含まれるノイズ成分の除去処理や、音声信号をA/D変換して所定形式の音声データに変換する処理、音声データの特徴抽出のためのパターン化処理、予め登録されている基準音声パターンとの比較処理等を実行することによって実現する。
RAM20は、CPU10が演算処理を実行する際にプログラムやデータを一時的に記憶する。本実施形態では、入力された音声のデータを格納する入力音声データ記憶領域21と、音声分析の結果を格納する音声分析結果記憶領域22と、現在の日時を格納する日時記憶領域23とを備える。
ROM40は、システムプログラム(図示略)や、CPU10に育児補助機1000の起動モードをユーザ設定するための機能を実現させるための起動モード設定プログラム41、入力された音声を音声分析して感情を判定する機能を実現させるための感情分析プログラム42と、判定された感情に基づいて該感情を緩和するための出力を制御する機能を実現させるための感情緩和出力制御プログラム43と、感情判定の履歴に基づいて自動的に感情を緩和するための出力制御の機能を実現させるための生活パターン対応自動制御プログラム44とを記憶している。
また、データとしては、赤ちゃん2の感情を判定するための基準となる感情判定用TBL(テーブル)45を記憶している。例えば、感情判定用TBL45には、対象とする乳幼児又は動物(この場合、赤ちゃん2)の感情毎に、当該感情を表す基準音声パターンを格納している(詳細については公知であるのでここでの説明は省略する。)。すなわち、感情判定用TBL45に格納されている基準音声パターンと、実際に入力された音声の音声分析によって得られる音声パターンとをマッチング判定することによって、対象とする乳幼児又は動物の感情を判定することができる。また、図示されていないが、ROM40には、判定された感情を表情や仕草のグラフィックスで表示するための情報が記憶されている。
フラッシュメモリ60は、何度でも電気的に記憶の消去・書き込みができるROMの一種であって、例えばNOR型フラッシュメモリによって実現される。本実施形態では、使用中に適宜更新されるデータとして、起動モード設定情報61と、感情出現履歴情報62と、感情出現分布情報63とを記憶している。予め設定されている情報としては、感情緩和音出力パターン設定TBL64と、感情緩和点灯パターン設定TBL65と、感情緩和動作パターン設定TBL66とを記憶している。
起動モード設定情報61は、育児補助機1000の起動モードに関する情報を格納する。例えば、図3に示すように、現在設定されている「手動」「定期監視」「生活パターン対応」の各起動モードの種類を格納する起動モード61aと、定期監視モードが選択されている場合の実行タイミングを格納する定期時間61bとを格納している。
具体的には、手動モードは、ユーザ自身がスタートキー1118を操作して必要な時に育児補助機1000を作動させるモードである。定期監視モードは、所定の定期時間61b毎に自動的に赤ちゃん2の声を集音して音声分析し、感情を判定し、判定した感情がネガティブな感情である場合に、その感情を緩和させるための出力を自動的に実行するモードである。生活パターン対応モードとは、1日における赤ちゃん2の感情の出現分布に基づいて、機嫌を損ねる傾向の高い時間帯になると予防処置的に、統計的に最も出現頻度の高い感情を緩和するための出力を自動的に実行するモードである。
感情出現履歴情報62は、例えば、図4に示すように、赤ちゃん2の音声を音声分析して判定した感情種類62bと、集音時の日時62aとを対応づけて累積的に格納する。具体的には、1ヶ月間累積的に履歴を格納し、翌月に一旦クリアされる。
感情出現分布情報63は、感情出現履歴情報62に基づく1日24時間における赤ちゃん2の感情の出現頻度を表す情報である。例えば、図5に示すように、時間帯63a毎に、感情の種類毎の出現率63bが対応付けられて格納される。時間帯63aの設定は、同図の例に限らず適宜設定しても良い。出現分布の対象となる感情は、ネガティブな感情を必須とし、適宜、「たのしい」「きもちいい」「自己表現」などのポジティブな感情や、安静な状態を対象としても良い。
感情緩和音出力パターン設定TBL64は、例えば図6に示すように、赤ちゃん2のネガティブな対象感情64aと、それぞれを緩和させるための音出力部72の音出力パターン64bとを対応づけて格納する。音出力パターン64bには、音データや音源制御用のデータなどが格納される。ここで言う「ネガティブな感情」とは、赤ちゃん2がぐずる要因となる感情であって、例えば、「不快」「退屈」「空腹」「眠い」「ストレス」などが挙げられるが、その他適宜設定しても良い。
具体的な音の内容としては、例えば、「不快」の感情には、1/fゆらぎの音としてオルゴール音やホワイトノイズなどを設定するのが好ましい。「退屈」の感情には、動物の鳴声やアップビートな音楽などを設定するのが好ましい。「眠い」の感情には、催眠を促す心音(擬似体内音)などが好ましいし、「ストレス」の感情にはいわゆる「リラクゼーション音楽」と称されるものを設定するのが好ましい。このように、音出力パターン64bは、動物の鳴声、海の波音や木々のすれる音などの自然音、擬似体内音、クラシック音楽などが適宜設定されている。尚、対象感情64aと音出力パターン64bは、同図の関係に限るものではなく、統計的、心理療法学的或いは音楽療法的に有効とされるならばその他の組み合せであっても良いし、全てクラシック音楽にするなどであっても良い。
同様に、感情緩和点灯パターン設定TBL65は、例えば図7に示すように、色彩心理学的に或いは経験的に対象感情65aを緩和する効果のある点灯部74の点灯パターン65bを対応づけて格納する。点灯パターンは、明滅のパターンや、点灯色の組み合せ、点灯色の変化などの情報を含み、例えば「眠い」の感情には、心音などの擬似体内音の周期で明滅させる設定が好ましい。
また同様に、感情緩和動作パターン設定TBL66は、例えば図8に示すように、経験的に対象感情66aを緩和する動作部76の動作パターン66bを対応づけて格納する。例えば、「退屈」の感情には、ランダムで変化に富んだ動作を設定するのが好ましい。また、安静時の心拍数は、母体内に居た状態(すなわち絶対的に安心で安らぐ環境)を連想させることから、特に乳幼児の感情を和らげるのに効果的であるのは経験的に認められるところである。また、安静時の心拍数の刺激を受けると、人間も動物もリラックスし易い傾向にあるのも経験的に認められるところである。したがって、「眠い」の感情には、心音などの擬似体内音の周期で揺れるなどの設定が好ましい。
本実施形態では、こうした感情を緩和させる音・点灯・動作の各パターンを、例えば図9に示すように対象とする乳幼児又は動物の可聴域の音周波数67bと、平均的な正常時心拍数67cと、平均的な安静時心拍数67dとに基づいて、出力条件67eに示すような条件を満たすように設定する。尚、各パターン設定TBLでは、対象感情に1対1の関係でそれぞれのパターンを設定しているが、これに限らず1対多の関係で複数のパターンを設定しランダムに選択する構成としても良いし、「設定無し」を含めるとしても良い。
尚、本実施形態を人間の赤ちゃん2以外の動物に適用する場合には、その動物の種類に応じた感情判定用TBL45と、感情緩和音出力パターン設定TBL64、感情緩和点灯パターン設定TBL65及び感情緩和動作パターン設定TBL66を予め用意して、ROM40やフラッシュメモリ60に記憶させることによって同様に適用することが可能となる。
[処理の流れの説明]
次に、本実施形態における処理の流れについて説明する。図10は、本実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。ここで説明する処理は、育児補助機1000の電源が「ON」されると、CPU10がシステムプログラムを読み込み実行することによって実現され、電源が「OFF」になるまで処理を繰り返す。尚、図示されないが、所定の操作を入力された場合に、起動モード設定プログラム41を読み出して実行し、起動モードをユーザが自在に設定することができるものとする。
同図に示すように、スタートキー1118が押下された場合(ステップS2;YES)、CPU10は感情分析プログラム42を読み出して感情分析処理を実行する(ステップS4)。
図11は、本実施形態における感情分析処理の流れを説明するためのフローチャートである。先ず、CPU10は、マイクロフォン1102から入力された音声を所定時間の分だけサンプリングして入力音声データを生成し、入力音声データ記憶領域21に格納する(ステップS40)。次に、入力音声データを音声分析して、分析結果を感情判定用TBL45に格納されている基準音声パターンと比較して、音声の示す感情を判定する(ステップS42)。具体的には、例えば、音声データをパターン化してソノグラフを求め、感情判定用TBL45の基準音声パターンと比較し、パターンの特徴が近似するものが有れば当該パターンにマッチングし、入力された音声はマッチングした音声パターンに対応する感情を示しているものと判断する。その他、詳細な音声分析及び音声パターンのマッチングについては、適宜、公知の技術を用いて実現しても良い。
そして、感情を判定したならば判定結果を感情出現履歴情報62に登録し(ステップS44)、感情出現履歴情報62に基づいて感情の出現分布を算出し感情出現分布情報63を更新して(ステップS46)、感情分析処理を終了する。
図10において、感情分析処理が終了したならば、CPU10は判定した感情に基づいて、ディスプレイ1106に判定結果を表示してユーザに通知し(ステップS6)、感情出現分布情報63を表示させる選択肢を表示させる(ステップS8)。また、判定された感情が予め定められたネガティブな感情に分類される種類である場合には(ステップS10;YES)、更に感情緩和を実行するか否かの選択肢を表示させる(ステップS12)。
そして、感情出現分布情報63を表示させる選択が入力された場合には(ステップS14;YES)、CPU10は感情出現分布情報63に基づいて出現分布グラフを表示させ(ステップS16)、ステップS2にもどる。感情緩和の実行をする選択が入力された場合には(ステップS18;YES)、CPU10は感情緩和出力制御プログラム43を読み出して感情緩和出力制御処理を実行し(ステップS20)、ステップS2にもどる。
図12は、本実施形態における感情緩和出力処理の流れを説明するためのフローチャートである。同図に示すように、先ず感情出現履歴情報62を参照して、先にステップS42で判定された感情が、緩和対象であるネガティブな感情か否かを判定する(ステップS60)。本実施形態では、不快・退屈・空腹・眠い・ストレスをネガティブな感情とみなし、緩和対象と判定する。
判定された感情が緩和対象である場合(ステップS60;YES)、CPU10は感情緩和音出力パターン設定TBL64を参照して、判定された感情に対応する音出力パターン64bを選択し(ステップS62)、スピーカ1108から選択した音出力パターン64bで音を出力させる(ステップS64)。
次に、感情緩和点灯パターン設定TBL65を参照して、判定された感情に対応する点灯パターン65bを選択し(ステップS66)、通信モジュール1120から補助機本体1200の通信モジュール1210に所定のリモコン信号を送信して、ライト1208に選択した点灯パターン65bに従った点灯をさせる(ステップS68)。尚、ライト1208のリモコン制御については、公知の電灯の遠隔操作技術を適宜用いることによって実現可能であるので詳細な説明は省略する。
次に、感情緩和動作パターン設定TBL66を参照して、判定された感情に対応する動作パターン66bを選択し(ステップS70)、通信モジュール1120から補助機本体1200の通信モジュール1210に所定のリモコン信号を送信して、モータ1207に選択した動作パターン66bに従って駆動させる(ステップS72)。尚、モータ1207のリモコン制御については、公知の遠隔操作技術を適宜用いることによって実現可能であるので詳細な説明は省略する。
次に、CPU10は所定時間をカウントし(ステップS74)、マイクロフォン1102から入力された音声を所定時間の分だけサンプリングして入力音声データを生成し、入力音声データ記憶領域21に格納する(ステップS76)。そして、新たに入力された入力音声データを音声解析して声が示す感情を判定し(ステップS78)、ステップS60に移行する。
ここまでの処理、すなわちステップS62〜S72による感情緩和出力によって、赤ちゃん2の感情が緩和されたならば、ステップS60では緩和対象の感情ではないと判定され(ステップS60;NO)、感情緩和出力制御処理を終了する。感情緩和出力の効果がまだ現われていなければ、再び緩和対象の感情であると判定され(ステップS60;YES)、感情緩和のための出力が続けられる。
したがって、赤ちゃん2の感情を単に判定するだけでなく、判定した感情がネガティブなもので機嫌を損ねているような場合には、ユーザ赤ちゃん2の側についていなくともそれを緩和させる音声、光、動作を出力して、赤ちゃん2の感情を緩和し機嫌を直させることができる。
次に、図10において、スタートキー1118が押下されない場合(ステップS2;NO→S14;NO→S18;NO)、CPU10は起動モード設定情報61に基づいて自動的に感情の判定と感情緩和出力を実行する。
すなわち、起動モード設定情報61を参照し、起動モード61aに「定期監視」が設定されている場合(ステップS22;YES)、CPU10は現在時刻が定期時間61bの条件に合致するか否かを判定する(ステップS24)。例えば、定期時間が「30分毎」である場合には、現在時刻の分の単位が30分又は00分である場合には、条件に合致すると判定する。そして、定期時間61bの条件に合致する場合(ステップS24;YES)、CPU10は感情分析処理を実行し(ステップS26)、次いで感情緩和出力制御処理を実行する(ステップS28)。
したがって、定期的に赤ちゃん2の感情を自動的に判定し、ネガティブな感情の状態に有る場合(図16(a))、面倒を見るユーザが側について対応しなくとも、自動的に感情緩和出力処理を実行してその感情を緩和し、赤ちゃん2の機嫌を良くすることができる(図16(b))。
一方、スタートキー1118が押下されない場合で(ステップS2;NO→S14;NO→S18;NO→S22;NO)、起動モード61aに「生活パターン対応」が設定されている場合(ステップS30;YES)、CPU10は感情分析処理を実行して(ステップS32)、生活パターン対応自動制御プログラム44を読み出して生活パターン対応自動制御処理を実行する(ステップS34)。
図13は、本実施形態における生活パターン対応自動制御処理の流れを説明するためのフローチャートである。同図に示すように、先ずCPU10は感情出現分布情報63を参照して、現在時刻が当てはまる時間帯63aの出現率63bにおいて、ネガティブな感情が所定の基準を超えて出現する場合(ステップS90;YES)、出現頻度の最も高いネガティブな感情を選択する(ステップS92)。そして、感情緩和音出力パターン設定TBL64から選択した感情を緩和するための音出力パターン64bを選択し(ステップS94)、スピーカ1108から選択した音出力パターン64bで音を出力させる(ステップS96)。
次に、感情緩和点灯パターン設定TBL65を参照して、選択した感情に対応する点灯パターン65bを選択し(ステップS98)、通信モジュール1120から補助機本体1200の通信モジュール1210に所定のリモコン信号を送信して、ライト1208に選択した点灯パターン65bに従った点灯をさせる(ステップS100)。
次に、感情緩和動作パターン設定TBL66を参照して、選択した感情に対応する動作パターン66bを選択し(ステップS102)、通信モジュール1120から補助機本体1200の通信モジュール1210に所定のリモコン信号を送信して、モータ1207に選択した動作パターン66bに従った駆動を行わせる(ステップS104)。そして、CPU10は所定時間をカウントし(ステップS106)、感情緩和のための出力を停止し(ステップS108)、生活パターン対応自動制御処理を終了する。
したがって、赤ちゃん2の平均的な1日の生活パターンにおいて統計的に機嫌を損ねる傾向が強い時間帯に、出現率の高いネガティブな感情を緩和させるための音声、光、動作を予防措置的に自動出力し、赤ちゃん2の機嫌を良好に保つことができる。
[表示画面例の説明]
図14は、本実施形態における判定された感情の通知画面の一例を示す図であって、手動によってスタートキーが入力された場合に相当する。同図(a)に示すように、ディスプレイ1106の画面には、タイトルP1と、時刻表示P2と、判定された感情を表情や仕草のグラフィックスで表示する感情表示マークP3と、感情の種類をテキストで表示する感情種類表示P4とが表示され(ステップS6)、更に感情出現分布情報63を表示させる選択肢P5が表示される(ステップS8相当)。ユーザは、これらを見て赤ちゃん2がどのような感情を持っているかを知ることができる。そして、赤ちゃん2の感情の1日の出現傾向を知りたければ、選択肢P5の指示に従って、例えば方向キー1112の下方向を入力すると感情の出現分布が表示される。同図(b)は、判定された感情が「退屈」といったネガティブな感情である場合の表示例であって、感情緩和の実行をする選択肢P6が更に表示されている(ステップS12相当)。したがって、赤ちゃん2の機嫌が優れない場合には、選択肢P6の指示にしたがって、例えばENTERキー1114を入力すると感情を緩和するための出力が実行される。
図15は、本実施形態における感情の出現分布の表示画面の一例を示す図であって、感情出現分布情報63を表示させる選択肢P5が選択された場合に相当する。同図に示すように、ディスプレイ1106の画面には、タイトルP8と、グラフの凡例P9と、出現分布のグラフ表示P10とが表示される。同図の場合では、朝6時半を中心に「空腹」で機嫌を損ねることが分かる。そして、他の時間帯を見る場合には、方向キー1112の右方向を入力すれば10時以降のグラフが表示され、左方向を入力すれば6時以前の出現分布のグラフが表示される。尚、出現分布の表示形態は同図に限らず、適宜設定しても良いのは勿論であり、表示処理も公知のグラフ表示処理を適宜用いるものとする。
〔変形例の説明〕
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の適用可能な形態がこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱せず同様の作用・効果を奏する限りにおいて、適宜構成要素の追加・削除・変更を行っても良い。
例えば図17に示すように、本発明を可搬性に優れた腕時計1002として実現しても良い。この場合、腕時計1002にはマイクロフォン1102−2と、スピーカとして文字盤面上にユニモルフスピーカ1108−2を設ける。そして、マイクロフォン1102−2で赤ちゃん2の声を集音し、内蔵する制御ユニット1104−2で音声分析及び感情の判定処理を実行し、判定した感情を緩和するための音をユニモルフスピーカ1108−2(ユニモルフ圧電振動板を用いたスピーカ)から出力する。育児補助機1000に比べて、点灯や動作による感情の緩和出力ができないが、お母さん4などが常時身につけることができるので、抱いたり背負って赤ちゃん2の世話をする場合にはより使い勝手がよく好適である。
また、例えば図18に示すように、本発明を電動縫いぐるみ1004(育児玩具)として実現しても良い。電動縫いぐるみ1004は、頭部や手足などを駆動させる制御兼駆動ユニット1123と、通信モジュール1124と、スピーカ1108−3とを備える。この場合、制御兼駆動ユニット1123は、通信モジュール1124でコントローラ1100−3から動作パターンや音出力パターンを受信し、受信した動作パターンで手足を動かし、スピーカ1108−3から音出力をする。
更には、電動縫いぐるみ1004に、マイクロフォン1102−3を備えるとしても良い。この場合、制御兼駆動ユニット1123は、マイクロフォン1102−3で集音した声の音声データを、通信モジュール1124でコントローラ1100−3に送信する。コントローラ1100−3は、受信した音声データから感情を判定し、動作パターンや音出力パターンを選択して電動縫いぐるみ1004に返信する。そして、制御兼駆動ユニット1123は、受信した動作パターンで手足を動かし、スピーカ1108−3から音出力をする構成とする。係る構成によれば、コントローラ1100−3をお母さんが持ち、電動縫いぐるみ1004を赤ちゃん2のお気に入りにすることで、常に赤ちゃん2の感情をコントローラ1100−3でモニタしながらも、自動で赤ちゃん2の機嫌を保つことができるようになる。
さらにまた、上述した実施の形態では感情緩和制御装置または育児補助装置として、携帯機器型、時計型機器で説明したが、たとえば、音声またはデータの通信可能な携帯電話型電子機器に適用しても良い。このような携帯電話型電子機器によれば、通話相手先の音声を分析して、上述した実施の形態の場合と同様、感情を緩和させることができる。
育児補助機の全システムの構成の一例を示す構成図。 育児補助機の機能構成の一例を示す機能ブロック図。 起動モード設定情報のデータ構成の一例を示す図。 感情出現履歴情報のデータ構成の一例を示す図。 感情出現分布情報のデータ構成の一例を示す図。 感情緩和音出力パターン設定TBL(テーブル)のデータ構成の一例を示す図。 感情緩和点灯パターン設定TBLのデータ構成の一例を示す図。 感情緩和動作パターン設定TBLのデータ構成の一例を示す図。 感情を緩和させる音・点灯・動作の各パターンの好適な出力条件を示す図。 育児補助機の処理の流れを説明するためのフローチャート。 感情分析処理の流れを説明するためのフローチャート。 感情緩和出力処理の流れを説明するためのフローチャート。 生活パターン対応自動制御処理の流れを説明するためのフローチャート。 判定された感情の通知画面の一例を示す図。 感情の出現分布の表示画面の一例を示す図。 定期監視モードにおける動作を示す概念図。 本発明を腕時計として実現した場合の一例を示す外観図。 本発明を電動縫いぐるみとして実現した場合の一例を示す外観図。
符号の説明
10 CPU
12 操作入力部
14 音入力部
16 表示部
20 RAM
21 入力音声データ記憶領域
22 音声分析結果記憶領域
23 日時記憶領域
40 ROM
41 起動モード設定プログラム
42 感情分析プログラム
43 感情緩和出力制御プログラム
44 生活パターン対応自動制御プログラム
45 感情判定用TBL
60 フラッシュメモリ
61 起動モード設定情報
62 感情出現履歴情報
63 感情出現分布情報
64 感情緩和音出力パターン設定TBL
65 感情緩和点灯パターン設定TBL
66 感情緩和動作パターン設定TBL
70 感情緩和出力部
1000 育児補助機
1102 マイクロフォン
1104 制御ユニット
1106 ディスプレイ
1108 スピーカ
1110 操作入力キー
1206 電動玩具
1208 ライト
P2 時刻表示
P3 感情表示マーク
P4 感情種類表示
P10 グラフ表示

Claims (10)

  1. 乳幼児又は動物を話者としてその音声を入力する音声入力手段と、
    この音声入力手段により入力された音声を分析して話者の感情を判定する感情判定手段と、
    この感情判定手段により判定された感情が予め設定された緩和対象の感情であるか否かを判断する判断手段と、
    前記緩和対象の感情を和らげるための予め設定された動作が可能な動作手段と、
    前記判定された感情が前記緩和対象の感情であると前記判断手段に判断された場合に前記動作手段による動作を開始させる制御を行う動作制御手段と、
    を備えることを特徴とする養育補助装置。
  2. 前記動作手段は、所定の音データに基づく音出力動作を行うことで前記緩和対象の感情の緩和を図る音出力手段を有することを特徴とする請求項1に記載の養育補助装置。
  3. 前記音データは、前記話者の安静時の心拍数に応じた音律の音データであることを特徴とする請求項2に記載の養育補助装置。
  4. 前記動作手段は、所定の動作パターンに基づいて所定の可動部材を可動させることで前記緩和対象の感情の緩和を図る可動手段を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の養育補助装置。
  5. 前記動作手段は、所定の発光パターンに基づく発光動作を行うことで前記緩和対象の感情の緩和を図る発光手段を有することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の養育補助装置。
  6. 前記感情判定手段により判定された感情を判定された時間に対応づけて累積的に記憶する感情履歴記憶手段と、
    この感情履歴記憶手段による記憶内容に基づいて感情の1日当たりの出現時間分布を算出する分布算出手段と、
    この分布算出手段により算出された分布を表示する制御を行う分布表示制御手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の養育補助装置。
  7. 前記分布算出手段により算出された分布に基づいて、前記緩和対象の感情の出現頻度が所定の出現頻度条件を満たす時間を判定し、当該時間に前記動作手段による動作を開始させる制御を行う統計的動作制御手段を更に備えることを特徴とする請求項6に記載の養育補助装置。
  8. 乳幼児又は動物を話者としてその音声を入力する音声入力手段と、予め設定された緩和対象の感情を和らげるための予め設定された動作が可能な動作手段とを備えたコンピュータに、
    前記音声入力手段により入力された音声を分析して話者の感情を判定する感情判定機能と、
    この感情判定機能により判定された感情が予め設定された緩和対象の感情であるか否かを判断する判断機能と、
    前記判定された感情が前記緩和対象の感情であると前記判断機能により判断された場合に前記動作手段による動作を開始させる制御を行う動作制御機能と、
    を実現させるためのプログラム。
  9. 音声を入力する音声入力手段と、
    この音声入力手段により入力された音声を分析し感情を判定する感情判定手段と、
    この感情判定手段により判定された感情が予め設定された感情であるか否かを判断する判断手段と、
    この判断手段により判定された感情が前記予め設定された感情であると判断された場合に当該感情を緩和させるための音、光、動きのうちのいずれかを制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする感情緩和制御装置。
  10. 音声を入力する音声入力手段を備えているコンピュータに、
    前記音声入力手段により入力された音声を分析し感情を判定する感情判定機能と、
    この感情判定機能により判定された感情が予め設定された感情であるか否かを判断する判断機能と、
    この判断機能により判定された感情が前記予め設定された感情であると判断された場合に当該感情を緩和させるための音、光、動きのうちのいずれかを制御する制御機能と、
    を実現させるためのプログラム。
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