JP2005185116A - 核酸の分離精製方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
(1)核酸を含む試料溶液を核酸吸着性多孔性膜に通過させて、該多孔性膜内に核酸を吸着させる工程、
(2)洗浄液を該核酸吸着性多孔性膜に通過させて、核酸が吸着した状態で該多孔性膜を洗浄する工程、及び
(3)回収液を該核酸吸着性多孔性膜に通過させて、該多孔性膜内から核酸を脱着させる工程
を含有する核酸の分離精製方法において、該核酸吸着性多孔性膜がイオン結合が関与しない相互作用で核酸が吸着する多孔性膜であり、且つ、核酸を含む試料溶液が、
乾燥状態で供給された核酸可溶化試薬を用いる、あるいは、凍結乾燥されたたんぱく質分解酵素を含む容器を用いる、または両条件を含む条件で得られることを特徴とする、核酸の分離精製方法。
Description
の小型化を図る際の障害となり、減圧容積が大きいために減圧を作用させるまでの時間が掛かり、また、液が全部排出されたことの検出が困難で、時間設定が長く、処理効率の向上の障害となる。また、粘度の低い試料液では、フィルターチューブより勢いよく液が排出されて、泡状の飛沫が隣接するフィルターチューブおよびラックに付着してコンタミネーションを生じ、精度低下を招く問題がある。
即ち、本発明に係わる核酸の分離精製方法は下記構成である。
(2)洗浄液を該核酸吸着性多孔性膜に通過させて、核酸が吸着した状態で該多孔性膜を洗浄する工程、及び
(3)回収液を該核酸吸着性多孔性膜に通過させて、該多孔性膜内から核酸を脱着させる工程
を含有する核酸の分離精製方法において、該核酸吸着性多孔性膜がイオン結合が関与しない相互作用で核酸が吸着する多孔性膜であり、且つ、核酸を含む試料溶液が、
細胞又はウイルスを含む検体と、カオトロピック塩と界面活性剤を含む乾燥状態の核酸可溶化試薬を添加し、混合する工程によって得られることを特徴とする、核酸の分離精製方法。
(2)洗浄液を該核酸吸着性多孔性膜に通過させて、核酸が吸着した状態で該多孔性膜を洗浄する工程、及び
(3)回収液を該核酸吸着性多孔性膜に通過させて、該多孔性膜内から核酸を脱着させる工程
を含有する核酸の分離精製方法において、該核酸吸着性多孔性膜がイオン結合が関与しない相互作用で核酸が吸着する多孔性膜であり、且つ、核酸を含む試料溶液が、
細胞又はウイルスを含む検体と、カオトロピック塩と界面活性剤を含む核酸可溶化試薬を、凍結乾燥されたタンパク質分解酵素を含む容器に注入する工程を含む方法によって得られることを特徴とする、核酸の分離精製方法。
(II)該核酸吸着性多孔性膜を、核酸が吸着した状態で、洗浄する工程、及び
(III)回収液を、該核酸吸着性多孔性膜に通過させて、該多孔性膜内から核酸を脱着させる工程が、
(a)核酸を含む試料溶液を、少なくとも二個の開口を有する容器内に、溶液が内部を通過可能な核酸吸着性多孔性膜を収容した核酸分離精製カ−トリッジの一の開口に注入する工程、(b)核酸分離精製カ−トリッジの上記一の開口に結合された圧力差発生装置を用いて核酸分離精製カ−トリッジト内を加圧状態にし、注入した核酸を含む試料溶液を、核酸吸着性多孔性膜を通過させ、核酸分離精製カ−トリッジの他の開口より排出することによって、核酸吸着性多孔性膜内に核酸を吸着させる工程、(c)核酸分離精製カ−トリッジの上記一の開口に洗浄液を注入する工程、(d)核酸分離精製カ−トリッジの上記一の開口に結合させて圧力差発生装置を用いて核酸分離精製カ−トリッジ内を加圧状態にし、注入した洗浄液を、核酸吸着性多孔性膜を通過させ、他の開口より排出することによって、核酸吸着性多孔性膜を、核酸が吸着した状態で、洗浄する工程、(e)核酸分離精製カ−トリッジの上記一の開口に回収液を注入する工程、(f)核酸分離精製カ−トリッジの上記一の開口に結合させて圧力差発生装置を用いて核酸分離精製カ−トリッジ内を加圧状態にし、注入した回収液を、核酸吸着性多孔性膜を通過させ、他の開口より排出することによって、核酸吸着性多孔性膜内から核酸を脱着させ、核酸分離精製カ−トリッジ容器外に排出する工程、を含むことを特徴とする、1.〜10.のいずれかに記載の核酸の分離精製方法。
また、ピペッタは片手操作が容易にできるという利点を有する。好ましくは、圧力差発生装置は、核酸分離精製カートリッジの一の開口に着脱可能に結合されている。
溶液を得る工程において、タンパク質分解酵素を含む核酸可溶化試薬を使用することにより、核酸の回収量及び回収効率が向上し、必要な核酸を含む検体の微量化及び迅速化が可能となる。
セリンプロテアーゼとしては、特に限定されず、例えばプロテアーゼKなどを好ましく用いることができる。
システインプロテアーゼとしては、特に限定されず、例えばパパイン、カテプシン類などを好ましく用いることができる。
金属プロテアーゼとしては、特に限定されず、例えばカルボキシペプチターゼ等を好ましく用いることができる。
タンパク質分解酵素は、添加時の反応系全容積1mlあたり好ましくは0.001IU〜10IU、より好ましくは0.01IU〜1IUの濃度で用いることができる。
また、タンパク質分解酵素は、カオトロピック塩、界面活性剤等のその他の試薬とは個別の2つ以上の試薬として供されても良い。後者の場合、タンパク質分解酵素を含む試薬を先に検体と混合した後に、カオトロピック塩、界面活性剤を含む試薬と混合される。また、カオトロピック塩、界面活性剤を含む試薬を先に混合した後に、タンパク分解酵素を混合してもよい。
また、タンパク質分解酵素を検体または、検体とカオトロピック塩、界面活性剤を含む試薬との混合液に、タンパク質分解酵素保存容器から直接目薬状に滴下させることもできる。この場合、操作を簡便にすることができる。
混合する際、攪拌装置により30から3000rpmで1秒から3分間混合することが好ましい。これにより、分離精製される核酸収量を増加させることができる。または、転倒混和を5から30回行うことで混合することも好ましい。また、ピペッティング操作を、10から50回行うことによっても混合することができる、この場合、簡便な操作で分離精製される核酸収量を増加させることができる。
本発明においてはノニオン界面活性剤をこのましく用いることができる。ノニオン界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤、脂肪酸アルカノールアミドを用いることができるが、好ましくは、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系界面活性剤を用いることができる、さらに好ましくは、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系界面活性剤は、POEオクチルフェニルエーテルが挙げられ、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤は、POEデシルエ−テル、POEラウリルエ−テル、POEトリデシルエ−テル、POEアルキレンデシルエ−テル、POEソルビタンモノラウレ−ト、POEソルビタンモノオレエ−ト、POEソルビタンモノステアレ−ト、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、POEアルキルアミン、POEアセチレングリコ−ルから選択されるポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤である。
また、アニオン界面活性剤も好ましく用いることができる。さらに好ましくは、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、コール酸ナトリウム又はサルコシンナトリウムから選択されるアニオン界面活性剤である。
これらの界面活性剤は、単独または複数組み合わせて用いてもよい。
これら界面活性剤の核酸可溶化試薬の溶液における濃度は0.1〜20質量%であることが好ましい。
DNAを回収する場合、DNA分解酵素阻害剤を加えることが好ましい。DNA分解酵素阻害剤としては、例えば、キレート剤が好ましい。キレート剤としては、例えば、EDTA等を挙げることができる。DNA分解酵素阻害剤は、その阻害能力に併せて適宜濃度を調整できる。
RNAを回収する場合、RNA分解酵素阻害剤を加えることがこのましい。DNA分解酵素阻害剤は、その阻害能力に併せて適宜濃度を調整できる。
たとえば、DNAを回収する場合は核酸可溶化試薬にRNA分解酵素を加えると、回収された核酸に共存するRNAによる干渉を軽減することができるので好ましい。
また、RNAを回収する場合は、核酸可溶化試薬にDNA分解酵素を加えると、回収された核酸に共存するDNAによる干渉を軽減することができるので好ましい。
RNA分解酵素は特に限定されず、例えば、リボヌクレアーゼ H(RNase H)等のRNA特異的分解酵素を好ましく用いることができる。
DNA分解酵素は特に限定されず、例えば、DNase I等のDNA特異的分解酵素を好ましく用いることができる。
核酸分解酵素は、添加した核酸分解酵素が通常用いられる濃度および量で用いることが出来る。
核酸分解酵素を添加した後、試料溶液をインキュベートすることが好ましい。インキュベーション条件は、添加した核酸分解酵素の指摘条件であることが好ましい。
性膜を形成する材料は有機高分子などの有機材料を用いることが好ましい。
鹸化率を変えるには、水酸化ナトリウムの濃度を変えて鹸化処理を行えば良い。鹸化率は、NMR、IR又はXPSにより、容易に測定することができる(例えば、カルボニル基のピーク減少の程度で定めることができる)。
特にトリアセチルセルロースとジアセチルセルロースの混合物を好ましく使用することができる。トリアセチルセルロースとジアセチルセルロースの混合比(質量比)は、99:1〜1:99である事が好ましく、90:10〜50:50である事がより好ましい。
トリアセチルセルロースとジアセチルセルロースの混合比(質量比)は、99:1〜1:99である事が好ましい。さらには、トリアセチルセルロースとジアセチルセルロースの混合比は、90:10〜50:50である事が好ましい。
有機材料の多孔性膜にグラフトポリマー鎖を結合する方法としては、多孔性膜とグラフトポリマー鎖とを化学結合させる方法と、多孔性膜を起点として重合可能な二重結合を有する化合物を重合させグラフトポリマー鎖とする2つの方法がある。
基材に結合しているグラフトポリマー鎖を形成するのに有用な化合物は、重合可能な二重結合を有しており、核酸の吸着に関与する親水基を有するという、2つの特性を兼ね備えていることが必要である。これらの化合物としては、分子内に二重結合を有していれば、親水基を有するポリマー、オリゴマー、モノマーのいずれの化合物をも用いることができる。特に有用な化合物は親水基を有するモノマーである。
とができる。また、アクリル酸、メタアクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー、もしくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩も好ましく用いることができる。
多孔性膜とグラフトポリマー鎖とを化学結合にて付着させる場合は、グラフトポリマー鎖の末端の官能基と反応する官能基を無機材料に導入し、そこにグラフトポリマーを化学結合させる。また、分子内に二重結合を有している親水基を有するモノマーを使用して、多孔性膜を起点として、グラフトポリマー鎖を重合する場合は、二重結合を有する化合物を重合する際の起点となる官能基を無機材料に導入する。
親水基を持つグラフトポリマー、および分子内に二重結合を有している親水基を有するモノマーとしては、上記、親水基を持たない有機材料の多孔性膜とグラフトポリマー鎖とを化学結合させる方法において、記載した親水基を持つグラフトポリマー、および分子内に二重結合を有している親水基を有するモノマーを好ましく使用することができる。
いセルロース誘導体からなる多孔性膜を好ましく使用する事ができる。
すなわち、(a)核酸を含む試料溶液を、少なくとも二個の開口を有する容器内に、溶液が内部を通過可能な、核酸吸着性多孔性膜を収容した核酸分離精製カートリッジの一の開口に注入する工程、(b)核酸分離精製カートリッジの上記一の開口に結合された圧力差発生装置を用いて核酸分離精製カートリッジト内を加圧状態にし、注入した核酸を含む試料溶液を、核酸吸着性多孔性膜を通過させ、核酸分離精製カートリッジの他の開口より排出することによって、核酸吸着性多孔性膜内に核酸を吸着させる工程、(c)核酸分離精製カートリッジの上記一の開口に洗浄液を注入する工程、(d)核酸分離精製カートリッジの上記一の開口に結合された圧力差発生装置を用いて核酸分離精製カートリッジ内を加圧状態にし、注入した洗浄液を、核酸吸着性多孔性膜を通過させ、他の開口より排出することによって、核酸吸着性多孔性膜を、核酸が吸着した状態で、洗浄する工程、(e)核酸分離精製カートリッジの上記一の開口に回収液を注入する工程、(f)核酸分離精製カートリッジの上記一の開口に結合された圧力差発生装置を用いて核酸分離精製カートリッジ内を加圧状態にし、注入した回収液を、核酸吸着性多孔性膜を通過させ、他の開口より排出することによって、核酸吸着性多孔性膜内から核酸を脱着させ、核酸分離精製カートリッジ容器外に排出する工程が挙げることができる。
上し、必要な核酸を含む検体の量を微量とすることができる。また、洗浄や回収操作を自動化することによって、操作が簡便かつ迅速に行うことが可能になる。洗浄工程は、迅速化のためには1回の洗浄で済ませてもよく、また純度がより重要な場合には複数回洗浄を繰返すことが好ましい。
洗浄工程における洗浄液の液量は、2μl/mm2以上が好ましい。洗浄液量が多量であれば洗浄効果は向上するが、操作性を保ち、試料の流出を抑止するためには、200μl/mm2以下が好ましい。
また洗浄工程において、その核酸分離精製カートリッジを器械的な振動や超音波による攪拌を与えながら、または遠心分離により洗浄することもできる。
水溶性塩が洗浄液中に含まれる場合、その濃度は10mmol/l以上であることが好ましく、その上限は不純物の溶解性を損なわない範囲であれば特に問わないが、1mol/l以下であることが好ましく、0.1mol/l以下であることがより好ましい。
とりわけ、水溶性塩が塩化ナトリウムであり、さらには、塩化ナトリウムが20mmol/l以上含まれていることが特に好ましい。
ここで、カオトロピック物質とは、前記したように尿素、グアニジン塩、イソチアン酸ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムなどである。
って抑止することができる。
回収工程において、回収液は、チューブ、ピペット、又は自動注入装置、もしくはこれらと同じ機能をもつ供給手段を使用して、核酸吸着性多孔性膜を装着した核酸分離精製カートリッジへ供給される。回収液は、核酸分離精製カートリッジの一の開口(核酸を含む試料溶液を注入した開口)から供給され、該開口に結合された圧力差発生装置(例えばスポイド、注射器、ポンプ、パワーピペットなど)を用いて核酸分離精製カートリッジ内を加圧状態にして核酸吸着性多孔性膜を通過させ、一の開口と異なる開口より排出させることができる。また、回収液を一の開口から供給し、同じ一の開口より排出させることもできる。さらには、核酸分離精製カートリッジの核酸を含む試料溶液を供給した一の開口と異なる開口より回収液を供給し、排出させることも可能である。しかしながら、核酸分離精製カートリッジの一の開口から供給し、核酸吸着性多孔性膜を通過させ、一の開口と異なる開口より排出さる方法が回収効率が優れてより好ましい。
る。例えば、回収液の温度を0〜10℃にして多孔性膜からの核酸の脱着を行うことで、酵素による分解を防止する何らかの試薬や特別な操作を加えることなく核酸分解酵素の働きを抑制して、核酸の分解を防ぎ、簡便に、効率よく核酸溶液を得ることができる。
内径7mm、核酸吸着性多孔膜を収容する部分を持つ核酸精製カートリッジをハイインパクトポリスチレンで作成した。
表1に示す処方で核酸可溶化試薬を乾燥状態で準備し供給する。使用直前に、規定量の蒸留水で溶解し溶液を作る及び洗浄液を調製した。
ガン化人骨髄細胞HL60の培養液200μlを凍結乾燥されたプロテアーゼK(SIGMA製)400μgを含む容器に添加し、乾燥状態から水溶液にした上記核酸可溶化試薬溶液200μlを添加して60℃で10分間インキュベートした。インキュベート後、100容積%のエタノール200μlを加え、攪拌した。攪拌後、上記(2)で作成した核酸吸着性多孔膜を有する核酸精製カートリッジの一の開口に注入し、続いて上記一の開口に圧力差発生装置(チュウビングポンプ)を結合し、核酸分離精製カ−トリッジト内を加圧状態(80kpa)にし、注入した核酸を含む試料溶液を、核酸吸着性多孔膜に通過させることで、核酸吸着性多孔膜に接触させ、核酸分離精製カ−トリッジの他の開口より排出した。続いて、上記核酸分離精製カ−トリッジの上記一の開口に上記洗浄液500μlを注入し、上記一の開口にチュウビングポンプを結合し、核酸分離精製カ−トリッジ内を加圧状態にし、注入した洗浄液を、核酸吸着性多孔膜に通過させ、他の開口より排出した。続いて、上記核酸分離精製カ−トリッジの上記一の開口に回収液(滅菌蒸留水200μl)を注入し、核酸分離精製カ−トリッジの上記一の開口にチュウビングポンプを結合して核酸分離精製カ−トリッジ内を加圧状態にし、注入した回収液を、核酸吸着性多孔膜に通過させ、他の開口より排出し、この液を回収した。一連の操作は室温で行った。
凍結乾燥されたたんぱく質分解酵素を含む容器を用いず、相当量の酵素溶液をピペットで添加した以外は、実施例1と同様にして行った。
実施例1と比較例1の実験を3回繰り返した。
本発明の方法は、ピペット操作不要で簡便(操作時間 5秒以下)であったのに対し、比較例の方法は、ピペット操作が必要で、簡便に劣る(操作時間 10秒以上)。
図1は、本発明の方法に従って核酸を含む試料溶液から精製した核酸の電気泳動の代表的な結果を示す。
Claims (15)
- (1)核酸を含む試料溶液を核酸吸着性多孔性膜に通過させて、該多孔性膜内に核酸を吸着させる工程、
(2)洗浄液を該核酸吸着性多孔性膜に通過させて、核酸が吸着した状態で該多孔性膜を洗浄する工程、及び
(3)回収液を該核酸吸着性多孔性膜に通過させて、該多孔性膜内から核酸を脱着させる工程
を含有する核酸の分離精製方法において、該核酸吸着性多孔性膜がイオン結合が関与しない相互作用で核酸が吸着する多孔性膜であり、且つ、核酸を含む試料溶液が、
細胞又はウイルスを含む検体と、カオトロピック塩と界面活性剤を含む乾燥状態の核酸可溶化試薬を添加し、混合する工程を含む方法によって得られることを特徴とする、核酸の分離精製方法。 - (1)核酸を含む試料溶液を核酸吸着性多孔性膜に通過させて、該多孔性膜内に核酸を吸着させる工程、
(2)洗浄液を該核酸吸着性多孔性膜に通過させて、核酸が吸着した状態で該多孔性膜を洗浄する工程、及び
(3)回収液を該核酸吸着性多孔性膜に通過させて、該多孔性膜内から核酸を脱着させる工程
を含有する核酸の分離精製方法において、該核酸吸着性多孔性膜がイオン結合が関与しない相互作用で核酸が吸着する多孔性膜であり、且つ、核酸を含む試料溶液が、
細胞又はウイルスを含む検体と、カオトロピック塩と界面活性剤を含む核酸可溶化試薬を、凍結乾燥されたタンパク質分解酵素を含む容器に注入する工程を含む方法によって得られることを特徴とする、核酸の分離精製方法。 - 細胞又はウイルスを含む検体に添加するカオトロピック塩と界面活性剤を含む核酸可溶化試薬が、乾燥状態のものであることを特徴とする、請求項2に記載の核酸の分離精製方法。
- カオトロピック塩がグアニジウム塩であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の核酸の分離精製方法。
- 核酸を含む試料溶液が、細胞又はウイルスを含む検体と、カオトロピック塩と界面活性剤を含む乾燥状態の核酸可溶化試薬を添加し、混合する工程の後に、メタノール、エタノール、イソプロパノール又はn−プロパノールであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の核酸の分離精製方法。
- 核酸吸着性多孔膜が、水酸基を有する有機材料の多孔性膜であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の核酸の分離精製方法。
- 水酸基を有する有機材料の多孔性膜が、多糖構造を有する多孔性膜であることを特徴とする、請求項6に記載の核酸の分離精製方法。
- 水酸基を有する有機材料の多孔性膜が、再生セルロ−スの多孔性膜であることを特徴とする、請求項6または7に記載の核酸の分離精製方法。
- 洗浄液が、メタノール、エタノール、イソプロパノール又はn−プロパノールを20〜100質量%含む溶液であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の核酸の分離精製方法。
- 回収液の塩濃度が0.5mol/l以下であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の核酸の分離精製方法。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の(I)核酸を含む試料溶液を核酸吸着性多孔性膜に通過させて、該多孔性膜内に核酸を吸着させる工程、
(II)該核酸吸着性多孔性膜を、核酸が吸着した状態で、洗浄する工程、及び
(III)回収液を、該核酸吸着性多孔性膜に通過させて、該多孔性膜内から核酸を脱着させる工程が、
(a)核酸を含む試料溶液を、少なくとも二個の開口を有する容器内に、溶液が内部を通過可能な核酸吸着性多孔性膜を収容した核酸分離精製カ−トリッジの一の開口に注入する工程、(b)核酸分離精製カ−トリッジの上記一の開口に結合された圧力差発生装置を用いて核酸分離精製カ−トリッジト内を加圧状態にし、注入した核酸を含む試料溶液を、核酸吸着性多孔性膜を通過させ、核酸分離精製カ−トリッジの他の開口より排出することによって、核酸吸着性多孔性膜内に核酸を吸着させる工程、(c)核酸分離精製カ−トリッジの上記一の開口に洗浄液を注入する工程、(d)核酸分離精製カ−トリッジの上記一の開口に結合させて圧力差発生装置を用いて核酸分離精製カ−トリッジ内を加圧状態にし、注入した洗浄液を、核酸吸着性多孔性膜を通過させ、他の開口より排出することによって、核酸吸着性多孔性膜を、核酸が吸着した状態で、洗浄する工程、(e)核酸分離精製カ−トリッジの上記一の開口に回収液を注入する工程、(f)核酸分離精製カ−トリッジの上記一の開口に結合させて圧力差発生装置を用いて核酸分離精製カ−トリッジ内を加圧状態にし、注入した回収液を、核酸吸着性多孔性膜を通過させ、他の開口より排出することによって、核酸吸着性多孔性膜内から核酸を脱着させ、核酸分離精製カ−トリッジ容器外に排出する工
程、を含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の核酸の分離精製方法。 - 圧力発生装置が、核酸分離精製カ−トリッジの一の開口に着脱加納に結合されるポンプであることを特徴とする請求項11に記載の核酸分離精製方法。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の核酸分離精製工程を自動で行う装置。
- 核酸分離精製カ−トリッジと、カオトロピック塩および界面活性剤を含む乾燥状態の核酸可溶化試薬、洗浄液、および回収液の試薬とを含む請求項1〜12のいずれかに記載の核酸分離精製方法を行うためのキット。
- 核酸分離精製カ−トリッジと、カオトロピック塩および界面活性剤を含む核酸可溶化試薬、凍結乾燥されたタンパク質分解酵素を含む容器、洗浄液、および回収液の試薬とを含む請求項1〜12のいずれかに記載の核酸分離精製方法を行うためのキット。
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