JP2005183500A - 超小型電力変換装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】保護膜とコイル導体のエッジ部との界面に発生する熱応力を緩和して、長期信頼性を確保できる薄膜インダクタを有する超小型電力変換装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】薄膜インダクタを構成する磁性絶縁基板1の第1主面に形成されるコイル導体4、電極6aと第2主面に形成されるコイル導体5、電極6bは、この磁性絶縁基板1の第1主面(表面側)と第2主面(裏面側)に凹部を形成し、その凹部に導電性材料を充填して形成し、磁性絶縁基板1の第1主面、第2主面と電極6a、6bの表面(露出面)は同一高さで平坦化されている。平坦化されることで、コイル導体4、5および電極6a、6bのエッジ部は無くなり、温度変化に対して薄膜インダクタのコイル導体5、6、電極6a、6bと接触している保護膜16との界面で応力は発生しなくなり、クラックの発生が防止されて、長期信頼性を確保することができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、半導体基板に形成した半導体集積回路(以下、ICと記す)と、コイルやコンデンサ、抵抗などの受動部品で構成されるDC−DCコンバータなどで、コイルに薄膜磁気誘導素子を用い、この薄膜磁気誘導素子上にICを配置した超小型電力変換装置およびその製造方法に関する。
近年、電子情報機器、特に携帯型の各種電子情報機器の普及が著しい。それらの電子情報機器は、電池を電源とするものが多く、DC−DCコンバータなどの電力変換装置を内蔵している。通常その電力変換装置は、スイッチング素子、整流素子、制御用ICなどの能動素子とコイル、トランス、コンデンサ、抵抗などの受動素子の各個別部品をセラミック基板やプラスチック等のプリント基板などの上にハイブリッド型のモジュールとして構成されている。
図14は、DC−DCコンバータの回路構成図である。図中の外枠の点線部分50がDC−DCコンバータの回路である。
DC−DCコンバータは、入力コンデンサCi、出力コンデンサCo、調整用の抵抗RT 、コンデンサCT 、薄膜インダクタLoおよび電源用ICで構成される。直流の入力電圧Viを入力し、電源用IC(図では単に電源ICとした)のMOSFETをスイッチングさせて、直流の所定の出力電圧Voを出力する。薄膜インダクタLoと出力コンデンサCoは直流電圧を出力するためのフィルタ回路である。この回路においては、薄型化されたインダクタLoの直流抵抗が大きくなると、この部分での電圧降下が大きくなり、出力電圧Voが低くなる。つまり、DC−DCコンバータの変換効率は小さくなる。
前記した携帯用を含めた各種電子情報機器の小型軽量化の要望に伴い、内蔵される電力変換装置の小型化の要求も強い。ハイブリッド型電源モジュールの小型化は、MCM(マルチチップモジュール)技術や,積層セラミック部品等の技術により進歩してきている。しかしながら、個別の部品を同一基板上に並べて実装するため、電源モジュールの実装面積の縮小化が制限されている。特にインダクタやトランス等の磁気誘導部品は、集積回路と比べると体積が非常に大きいために、電子機器の小型化を図る上で最大の制約となっている。
これら磁気誘導部品の小型化に対する今後の方向としては、チップ部品として限りなく小さくし、面実装により電源全体を小さくする方向と、シリコン基板上に薄膜で形成する方向の二つが考えられる。近年、磁気誘導部品の小型化の要求に応えて、半導体技術の適用により、半導体基板上に薄型のマイクロ磁気素子(コイル、トランス)を搭載した例も報告されている。また、発明者もそのような平面型の薄膜磁気誘導部品を考案した(特許文献1参照)。これは、スイッチング素子や制御回路等の半導体装置を作り込んだ半導体基板の表面上に、薄膜コイルを磁性薄膜とフェライト薄板とで挟んだ形の平面型の薄膜磁気誘導素子(薄膜インダクタ)を薄膜技術により形成したものである。これにより、磁気誘導素子の薄型化とその実装面積の削減が可能となった。
しかしなお、個別チップ部品数が多いことや、また実装面積が大きいという問題があった。
これを解決するために、超小型電力変換装置が提案されている(特許文献2参照)。この超小型電力変換装置に用いられている平面型の薄膜インダクタは、渦巻き状(蚊取り線香状)のコイル導体の隙間に磁性を帯びた微粒子を混入した樹脂を充填し、上面、下面を磁性絶縁基板であるフェライト薄板で挟んで形成される。
また、さらに小型化を図るために渦巻き状のコイルをソレノイド状のコイルにした薄膜インダクタを有する超小型電力変換装置について、特願2002−224578号、特願2003−086942号で提案している。これらは、半導体集積回路を形成した半導体基板と、薄膜インダクタと、コンデンサとをそれぞれ積層して接続して超小型の電力変換装置を形成している。この薄膜インダクタは、磁性絶縁基板の表裏に形成された導体パターンを、磁性絶縁基板を貫通する貫通孔に形成された接続導体で接続し、ソレノイド状コイルを形成して製作される。この構造とすることで、渦巻き状コイルより高いインダクタンスを持たせたまま小型化できる。
特開2001−196542号公報 特開2002−233140号公報 図1
この薄膜インダクタは、長期信頼性を確保するために、レジストなどの保護膜がその表面を被覆している。また、薄膜インダクタと半導体基板との固着を補強するために、薄膜インダクタと半導体基板の隙間にアンダーフィル樹脂を充填している。
図15は、特願2003−086942号で報告された薄膜インダクタの要部構成図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のX−X’線で切断した断面図、同図(b)は同図(a)のY−Y’線で切断した断面図である。
図15に示すように、コイル導体4、5の平面形状は直線状であり、それらがフェライト基板のような磁性絶縁基板1の第1主面にコイル導体4、第2主面にコイル導体5が形成されており、それぞれのコイル導体4、5が貫通孔に形成された接続導体3によって電気的に接続され、ソレノイド状に形成される。尚、図中の2は接続導体、6aは第1主面の電極、6bは第2主面の電極、16は保護膜、16aは開口部である
図16は、図15の薄膜インダクタ上に半導体基板を固着した超小型電力変換装置の要部断面図である。
磁性絶縁基板1の片面側(上側)に電源用ICなどのICチップ11(電源用集積回路が形成されている)を配置することで、インダクタと電源用ICの電力変換装置の2つの主要素を超小型で形成する。尚、図中では超小型電力変換装置を構成するコンデンサは省略されている。このコンデンサは外付けでもよいが、積層セラミックコンデンサアレイなどのコンデンサ素子をもう片方(下側)の面に配置することで、さらに小型化された超小型電力変換装置とすることができる。
これらのICチップ11やコンデンサ素子は、磁性絶縁基板1の周辺に形成された電極6a、6bを介して電気的に接続される。
尚、図中の2は貫通孔に形成された接続導体、16は保護膜、16aはスタッドバンプを固着するための保護膜の開口部(パッドとなる)、17はICチップに形成されたスタッドバンプ、18はアンダーフィルである。接続導体2は表面側の電極6aと裏面側の6bを電気的に接続するものである。また、スタッドバンプ17はICチップ11と電極6aを固着するのに用いられ、アンダーフィル18はICチップ11とインダクタとの隙間に充填されてこれらの固着をさらに強化するために用いられる。
図15、図16に示すように、コイル導体は磁性絶縁基板の面上に形成されるため、磁性絶縁基板面より凸状に突出している。この突出したコイル導体をレジストのような保護膜16で被覆している。
このように、コイル導体4、5が矩形の凸状に突出していると、通電などでコイル導体4、5と保護膜16に温度変化が生じると、コイル導体4、5と保護膜16の界面に熱応力が発生する。特にこの熱応力はコイル導体4、5のエッジ部が大きい。この熱応力で熱膨張係数の大きな保護膜16にクラックが入り、そのクラックから水分などが入り込み、コイル導体4、5を腐食して、抵抗増大などコイル特性を変化させる。また、この保護膜16上にアンダーフィル樹脂18がある場合でも、このクラックがアンダーンフィル樹脂18にも進展して、同様のことが起こり、薄膜インダクタの長期信頼性を確保することが困難となる。また、アンダーフィル樹脂18が直接コイル導体4、5と接する場合でも同様のことが起こる。
この発明の目的は、前記の課題を解決して、保護膜とコイル導体のエッジ部との界面に発生する熱応力を緩和し、保護膜にクラックが導入されるのを防止して、長期信頼性を確保できる薄膜インダクタを有する超小型電力変換装置およびその製造方法を提供することである。
前記の目的を達成するために、半導体集積回路の形成された半導体基板と、薄膜磁気誘導素子とを有する超小型電力変換装置において、磁性絶縁基板と、該磁性絶縁基板の第1主面に形成された第1導体と前記磁性絶縁基板の第2主面に形成された第2導体と前記磁性絶縁基板を貫通する貫通孔に形成された接続導体とをそれぞれ接続してなるソレノイド状コイル導体と、からなる薄膜磁気誘導素子であって、前記第1導体および第2導体が形成される箇所の前記磁性絶縁基板に凹部を形成し、該凹部に前記第1導体および第2導体を埋め込んだ構成とする。
また前記凹部に埋め込まれた前記第1導体および第2導体の露出面(磁性絶縁基板と接触していない表面のこと)と前記磁性絶縁基板の表面とが同一高さで平坦化されているとよい。
また、前記薄膜磁気誘導素子の前記磁性絶縁基板の第1主面および第2主面に貫通孔を介して電気的に接続された第1電極および第2電極を有し、前記第1電極が形成される箇所の前記磁性絶縁基板の第1主面に凹部を形成し、該凹部に前記第1電極を埋め込んだ構成とする。
また、前記凹部に埋め込まれた前記第1電極の露出面と前記磁性絶縁基板の表面とが同一高さであるとよい。
また、前記磁性絶縁基板がフェライト基板であるとよい。
また、前記半導体基板が前記薄膜磁気誘導素子の前記磁性薄膜基板上に形成した前記電極と電気的に接続されているとよい。
また、半導体集積回路の形成された半導体基板と、薄膜磁気誘導素子とを有する超小型電力変換装置の製造方法において、
磁性絶縁基板の表面と裏面に複数の凹部を形成し、該磁性絶縁基板に複数の貫通孔を形成する工程と、
前記凹部を導電性材料で充填して、前記磁性絶縁基板の表面と裏面に表面側コイル導体となる複数の第1導体と裏面側コイル導体となる複数の第2導体と電極をそれぞれ形成し、前記貫通孔を充填して複数の接続導体を形成する工程と、
一つの第1導体の一端と一つの第2導体の一端の位置を合わせて一つの接続導体と接続し、他端をずらし、該他端がソレノイドの終端となるものを除き、前記一つの第1導体の他端を前記一つの第2導体とは別の第2導体の一端と位置を合わせて前記一つの接続導体とは別の接続導体で接続し、前記一つの第2接続導体の他端を前記一つの第1導体とは別の第1導体の一端と位置を合わせて前記接続導体とは別の接続導体により接続して、ソレノイドを形成し、前記磁性絶縁基板の表面と裏面に形成された電極を前記接続導体とは別の接続導体で接続し、前記ソレノイドの両終端を別々の前記電極にそれぞれ接続する工程と、
前記第1、第2導体表面を絶縁膜もしくは磁性を有する微粒子を分散させた樹脂もしくはアンダーフィルの少なくとも一つで被覆する工程と、
を含むことを特徴とする超小型電力変換装置の製造方法。
また、前記凹部を充填した導電性材料の表面の高さと前記磁性絶縁基板の表面の高さを同一にして平坦化する工程を含む製造方法とするとよい。
また、前記平坦化する工程でCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用いるとよい。
この発明によれば、薄膜磁気誘導素子の磁性絶縁基板に凹状の溝を形成し、この中にコイル導体や電極を形成し、コイル導体や電極の露出面と磁性絶縁基板面とを平坦化し、コイル導体のエッジ部をなくすることで、その上に被覆されるレジスト保護膜やアンダーフィル樹脂とコイル導体の界面での温度変化により発生する熱応力が緩和され、保護膜やアンダーフィル樹脂にクラックが導入されることが防止されることによって、、コイル導体の長期信頼性(長期にコイル特性が安定すること)を確保することができる。
以下に示す図面を用いて、発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1および図2は、この発明の第1実施例の超小型電力変換装置の要部構成図であり、図1(a)は薄膜磁気誘導素子である薄膜インダクタの要部平面図、図1(b)は図1(a)のX−X’線で切断した要部断面図、図1(c)は図1(a)のY−Y’線で切断した要部断面図、図2は図1の薄膜インダクタを有する超小型電力変換装置の要部断面図である。尚、図16 と同一部位には同一の符号を付した。
薄膜インダクタを構成する磁性絶縁基板1の第1主面に形成されるコイル導体4、電極6aと第2主面に形成されるコイル導体5、電極6bは、この磁性絶縁基板1の第1主面(表面側)と第2主面(裏面側)に凹部を形成し、その凹部に導電性材料を充填して形成し、磁性絶縁基板1の第1主面、第2主面の表面高さとコイル導体4、5の表面高さおよび電極6a、6bの表面(露出面)は同一高さで平坦化されている。
このように平坦とすることで、コイル導体4、5および電極6a、6bのエッジ部は無くなり、前記したような温度変化に対して薄膜インダクタのコイル導体5、6、電極6a、6bと接触しているレジスト膜である保護膜16との界面で応力は発生しなくなり、クラックの発生が防止されて、長期信頼性を確保することができる。
また、コイル導体4、5のエッジ部を無くする方法として、前記のように平坦化する他に、例えば、図3に示すように、凹部の深さより、コイル導体4、5の高さを低くしてもよい。また図4に示すように、コイル導体4、5の端部の高さを凹部の深さと同じにして、コイル導体4、5の中央部を円弧を描くように凸状としてもよい。
尚、図中の2は電極6a、6bを接続する接続導体、3はコイル導体4、5を接続する接続導体、11はICチップ、16aは保護膜の開口部、17はICチップ11と薄膜インダクタを接続するスタッドバンプ、18はICチップ11と薄膜インダクタの固着を補強するアンダーフィル樹脂である。
図5−1および図5−2は、図1の薄膜インダクタとこれを有する図2の超小型電力変換装置の製造方法であり、図5−1(a)〜図5−2(k)は工程順に示した要部製造工程断面図である。これらの要部製造工程断面図は図1(c)に相当する断面図である。
磁性絶縁基板1として、厚さ525μmのNi−Zn系のフェライト基板を用いた。磁性絶縁基板1の厚さは、必要とされるインダクタンス、コイル電流値、磁性絶縁基板1の特性(例えば、透磁率やB−H特性)などから決定されるものであり、この厚さに限ったものではない。但し、磁性絶縁基板1が100μm程度以下と薄い場合は磁性飽和が起こりやすくなり、また、1mm以上と厚い場合には超小型電力変換装置の厚さ自体厚くなってしまうため使用目的に合わせて選定するとよい。今回は容易に基板状に形成しうる材料としてフェライト基板を用いた。
まず、磁性絶縁基板1の第1主面および第2主面にレジスト膜を形成し、図1(c)のコイル導体4、コイル導体5を形成する箇所Aと電極6a、6bを形成する箇所Bを開口してレジストパターン19aを形成する(図5−1(a))。
つぎに、このレジストパターン19aをマスクとして磁性絶縁基板1の第1主面および第2主面に図1(c)のコイル導体4、5および電極6a、6bを形成する箇所の磁性絶縁基板1の第1主面および第2主面に凹部を形成する。この凹部の形成方法にはレーザー加工、サンドブラスト加工、放電加工、超音波加工および機械加工などがあり、コスト、適用性で加工方法を選定する。今回は、加工寸法幅が狭く、多数の加工箇所ある場合に適するサンドブラスト加工を用いる。
凹部の深さは、インダクタの要求特性(流す電流の大きさなど)に応じたコイル導体4、5の厚さ(例えば、40μm程度)があるため、その厚さのコイル導体4、5を収容できる深さ(例えば、40μm程度)とする。こうすることで、磁性絶縁基板1の表面高さと後工程で形成するコイル導体4、5の表面高さを等しくすることができる。サンドブラスト加工後、レジストパターン19aを除去する(図5−1(b))。
つぎに、磁性絶縁基板1の第1主面および第2主面にレジスト膜を形成し、貫通孔2a、3aを形成する箇所Cを開口してレジストパターン19bを形成する(図5−1(c))。
つぎに、レジストパターン19bをマスクとして磁性絶縁基板1の両面からサンドブラスト加工して貫通孔2a、3aを形成する。具体的には、一方の面から磁性絶縁基板1の厚さの半分以上の深さまで溝を堀り、他方の面からこの溝に到達する溝を掘ることで、一方の面から貫通孔を形成した場合より、貫通孔2a、3aの開口部の大きさを小さくできて、貫通孔2a、3aのピッチを狭めることができる。この貫通孔の形成方法には、前記と同様にサンドブラスト加工以外にレーザー加工、放電加工、超音波加工および機械加工などがあるが、コスト、適用性で選定する。その後、レジストパターン19bを除去すると凹部と貫通孔が形成された磁性絶縁基板1となる(図5−1(d))。
つぎに、導電性を与えるために、凹部の表面および貫通孔2a、3aの壁面を含め磁性絶縁基板1の全面に薄いTi/Cu膜をスパッタで形成し、メッキシード層12とする。このとき貫通孔2a、3aにも導電性が与えられるが、必要であれば無電解メッキなどを行ってもよい。また、真空蒸着法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法などでもよい。また、メッキシード層12を構成する密着層としてはTiに限らずCr、W、Nb、Taなどを用いてもよい(図5−1(e))。
つぎに、全面にレジスト膜を全面に形成し、図1(c)のコイル導体4、5、電極6a、6bを形成する箇所で凹部が形成されている箇所を開口してレジストパターン13を形成する。レジストとしてはネガ型のフィルムタイプを用いる(図5−1(f))。
つぎに、レジストパターン13の開口部に電解メッキで凹部の深さが埋まる厚さのCu層でコイルパターン14と電極パターン15を形成し、このコイルパターン14、電極パターン15の電解メッキで貫通孔2a、3aもメッキされ図1(c)のコイル導体4、5、電極6a、6bおよび接続導体2、3がメッキシード層12上に形成される(図5−1(g))。
つぎに、レジストパターン13、不要なメッキシード層12を除去することで、図1(c)のコイル導体4、5と接続導体3で構成されるソレノイド状のコイル(図中のコイルパターン14がこれに相当する)と接続導体3で接続している電極6a、6b(図中の電極パターン15がこれに相当する)が形成される。磁性絶縁基板1の第1、第2主面の凹部にコイル導体4、5となるコイルパターン14および電極6a、6bとなる電極パターン15が形成され、これらパターン14、15の表面高さと磁性絶縁基板1の表面高さを同一になるように平坦化する。
この平坦化は、メッキ条件を選定することで行うことができる。また、一旦、コイルパターン14と電極パターン15の表面高さを磁性絶縁基板1の高さより高くして、その後でCMP(Chemical Mecanical Polishing)法を用いて磁性絶縁基板1の表面高さと同一なるように前記パターン14、15を研磨にしてもよい(図5−2(h))。
つぎに、コイル導体4、5と電極6a、6bの表面にレジスト膜などの絶縁性のある保護膜16を形成する(図5−2(i))。
この段階で薄膜インダクタの形成は終了する。
つぎに、ICチップ11の図示しない電極にスタッドバンプ17を形成し、このスタッドバンプ17を電極6aに超音波ボンディング法で接続することで、ICチップと薄膜磁気誘導素子を固着する(図5−2(j))。
最後に、アンダーフィル樹脂18でICチップ11と薄膜インダクタの固定を補強し、点線箇所で切断して超小型電力変換装置は完成する。ICチップと薄膜インダクタの固着は半田接合、導電性接着剤接合など行ってもよい。また、アンダーフィル樹脂18の代わりにエポキシ樹脂などの封止材を用いてもよく、これらの固定補強材の使用は長期信頼性の上から好ましい。
また、保護膜16として、レジスト膜の代わりに磁性を有する微粒子を分散させた樹脂を用いると、前記の効果に加えて、薄膜インダクタの特性を向上させることができる。
図6および図7は、この発明の第2実施例の超小型電力変換装置の要部構成図であり、図6(a)は、図1(a)に相当する要部平面図のX−X’線で切断した要部断面図、図6(b)は図1(a)に相当する要部平面図のY−Y’線で切断した要部断面図、図7は図6の薄膜インダクタを有する超小型電力変換装置の要部断面図である。
図1との違いは、薄膜インダクタの電極6bを凹部を形成しないで磁性絶縁基板1の表面に形成していることである。電極6bが第2主面で凸状となるなるため、凹部に電極6bを形成して電極6bと磁性絶縁基板1の表面が平坦な状態と比べて、電極6bを用いて図示しないDC−DCコンバータを構成するセラミックコンデンサアレーチップやプリント基板などの実装基板に半田付けなどで固着するような場合、半田による接合強度を補強することができる。
また、この場合もコイル導体4、5と電極6aは磁性絶縁基板1の凹部に形成されているため、保護膜16にクラックが発生せず、第1実施例と同様の効果が得られる。
また、図6の薄膜インダクタを形成する場合には図5−1(e)のレジスト膜工程において、電極6bを形成する形成する箇所Bに凹部を作らないようなレジストパターンを形成すればよい。
図8および図11は、この発明の第3実施例の超小型電力変換装置の要部構成図であり、図8(a)は、図1(a)に相当する要部平面図、図8(b)は図8(a)の要部平面図のX−X’線で切断した要部断面図、図11は図8の薄膜インダクタを有する超小型電力変換装置の要部断面図である。
図1との違いは、電極6aを磁性絶縁基板1の端より後退させ、電極6aの側面が露出しないようにした点である。
また、保護膜16にレジスト膜を適用した場合、保護膜16と電極6aとの密着力が低いため、保護膜16と電極6aの界面から水分が侵入し、その後の工程、長期使用により不良を発生することがある。図8の構造とすることにより、外周部で保護膜16が磁性絶縁基板1に直接接触するようになるため、金属(電極6a)との密着性より強固にすることが可能となり、信頼性を向上させることができる。
また、この場合もコイル導体4、5は磁性絶縁基板1の凹部に形成されているため、保護膜16にグラックなどは発生せず、第1実施例と同様の効果が得られる。
図9および図12は、この発明の第4実施例の超小型電力変換装置の要部構成図であり、図8(a)に相当する要部平面図のX−X’線で切断した要部断面図、図12は図9の薄膜インダクタを有する超小型電力変換装置の要部断面図である。
図8との違いは、電極6aの周辺部に保護膜16を形成しない点である。この構造では電極6aの周辺部が保護膜16の代わりに密着性が高いアンダーフィル樹脂18で覆われるため、実施例1、2、3より一層信頼性を向上させることができる。
図10および図13は、この発明の第5実施例の超小型電力変換装置の要部構成図であり、図8(a)に相当する要部平面図のX−X’線で切断した要部断面図、図13は図10の薄膜インダクタを有する超小型電力変換装置の要部断面図である。
図9との違いは、コイル導体4と電極6aが形成される側に形成される保護膜16を除去した点である。この構造では、コイル導体4と電極6aが保護膜16の代わりに密着性が高いアンダーフィル樹脂18で全て覆われるため、第4実施例より一層信頼性を向上させることができる。
第3から第5実施例においては、保護膜16を形成するレジストマスクパターンを変更することで対応できる。
また、第3から第5実施例において、第2実施例のように電極6bを凸状に形成することで、実装基板との接合強度を同様に向上させることができる。
この発明の第1実施例の超小型電力変換装置の要部構成図であり、(a)は薄膜磁気誘導素子である薄膜インダクタの要部平面図、(b)は(a)のX−X’線で切断した要部断面図、(c)は(a)のY−Y’線で切断した要部断面図 この発明の第1実施例の超小型電力変換装置のの要部構成図であり、図1の薄膜インダクタを有する超小型電力変換装置の要部断面図 図1のコイル導体の高さが凹部の深さより低い場合の断面図 図1のコイル導体の露出面が中央部で高くなっている場合の断面図 図1の薄膜インダクタとこれを有する図2の超小型電力変換装置の製造方法であり、(a)〜(g)は工程順に示した要部製造工程断面図 図5−1に続く、図2の超小型電力変換装置の製造方法であり、(h)〜(k)は工程順に示した要部製造工程断面図 この発明の第2実施例の超小型電力変換装置の要部構成図であり、(a)は、図1(a)に相当する要部平面図のX−X’線で切断した要部断面図、(b)は図1(a)に相当する要部平面図のY−Y’線で切断した要部断面図 この発明の第2実施例の超小型電力変換装置の要部構成図であり、図6の薄膜インダクタを有する超小型電力変換装置の要部断面図 この発明の第3実施例の超小型電力変換装置の要部構成図であり、(a)は、図1(a)に相当する要部平面図、(b)は図8(a)の要部平面図のX−X’線で切断した要部断面図 この発明の第4実施例の超小型電力変換装置の要部構成図であり、図8(a)に相当する要部平面図のX−X’線で切断した要部断面図 この発明の第5実施例の超小型電力変換装置の要部構成図であり、図8(a)に相当する要部平面図のX−X’線で切断した要部断面図 この発明の第3実施例の超小型電力変換装置の要部構成図であり、図8の薄膜インダクタを有する超小型電力変換装置の要部断面図 この発明の第4実施例の超小型電力変換装置の要部構成図であり、図9の薄膜インダクタを有する超小型電力変換装置の要部断面図 この発明の第5実施例の超小型電力変換装置の要部構成図であり、図10の薄膜インダクタを有する超小型電力変換装置の要部断面図 DC−DCコンバータの回路構成図 従来の薄膜インダクタの要部構成図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X’線で切断した断面図、(b)は(a)のY−Y’線で切断した断面図 図15の薄膜インダクタ上に半導体基板を固着した超小型電力変換装置の要部断面図
符号の説明
1 磁性絶縁基板
2 接続導体(電極を接続する)
3 接続導体(コイル導体を接続する)
4 コイル導体(第1主面)
5 コイル導体(第2主面)
6a 電極(第1主面)
6b 電極(第2主面)
11 ICチップ
12 メッキシート層
13 レジストパターン(導体パターン)
14 コイルパターン(コイル導体4、5と接続導体3を含む総称)
15 電極パターン(電極6a、6bと接続導体を含む総称)
16 保護膜
16a 開口部
17 スタッドバンプ
18 アンダーフィル樹脂
19a レジストパターン(凹部パターン)
19b レジストパターン(貫通孔パターン)

Claims (9)

  1. 半導体集積回路の形成された半導体基板と、薄膜磁気誘導素子とを有する超小型電力変換装置において、
    磁性絶縁基板と、該磁性絶縁基板の第1主面に形成された第1導体と前記磁性絶縁基板の第2主面に形成された第2導体と前記磁性絶縁基板を貫通する貫通孔に形成された接続導体とをそれぞれ接続してなるソレノイド状コイル導体と、からなる薄膜磁気誘導素子であって、前記第1導体および第2導体が形成される箇所の前記磁性絶縁基板に凹部を形成し、該凹部に前記第1導体および第2導体を埋め込むことを特徴とする超小型電力変換装置。
  2. 前記凹部に埋め込まれた前記第1導体および第2導体の露出面と前記磁性絶縁基板の表面とが同一高さであることを特徴とする請求項1に記載の超小型電力変換装置。
  3. 前記薄膜磁気誘導素子の前記磁性絶縁基板の第1主面および第2主面に貫通孔を介して電気的に接続された第1電極および第2電極を有し、前記第1電極が形成される箇所の前記磁性絶縁基板の第1主面に凹部を形成し、該凹部に前記第1電極を埋め込むことを特徴とする請求項1または2のいずれか一項に記載の超小型電力変換装置。
  4. 前記凹部に埋め込まれた前記第1電極の露出面と前記磁性絶縁基板の表面とが同一高さであることを特徴とする請求項3に記載の超小型電力変換装置。
  5. 前記磁性絶縁基板がフェライト基板であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の超小型電力変換装置。
  6. 前記半導体基板が前記薄膜磁気誘導素子の前記磁性薄膜基板上に形成した前記電極と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の超小型電力変換装置。
  7. 半導体集積回路の形成された半導体基板と、薄膜磁気誘導素子とを有する超小型電力変換装置の製造方法において、
    磁性絶縁基板の表面と裏面に複数の凹部を形成し、該磁性絶縁基板に複数の貫通孔を形成する工程と、
    前記凹部を導電性材料で充填し、前記磁性絶縁基板の表面と裏面に表面側コイル導体となる複数の第1導体と裏面側コイル導体となる複数の第2導体と電極をそれぞれ形成し、前記貫通孔を充填して複数の接続導体を形成する工程と、
    一つの第1導体の一端と一つの第2導体の一端の位置を合わせて一つの接続導体と接続し、他端をずらし、該他端がソレノイドの終端となるものを除き、前記一つの第1導体の他端を前記一つの第2導体とは別の第2導体の一端と位置を合わせて前記一つの接続導体とは別の接続導体で接続し、前記一つの第2接続導体の他端を前記一つの第1導体とは別の第1導体の一端と位置を合わせて前記接続導体とは別の接続導体により接続して、ソレノイドを形成し、前記磁性絶縁基板の表面と裏面に形成された電極を前記接続導体とは別の接続導体で接続し、前記ソレノイドの両終端を別々の前記電極にそれぞれ接続する工程と、
    前記第1、第2導体表面を絶縁膜もしくは磁性を有する微粒子を分散させた樹脂もしくはアンダーフィルの少なくとも一つで被覆する工程と、
    を含むことを特徴とする超小型電力変換装置の製造方法。
  8. 前記凹部を充填した導電性材料の表面の高さと前記磁性絶縁基板の表面の高さを同一にして平坦化する工程を含むことを特徴とする請求項7に記載の超小型電力変換装置の製造方法。
  9. 前記平坦化する工程でCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用いることを特徴とする請求項8に記載の超小型電力変換装置の製造方法。
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