JP2005183449A - フリップチップ搭載用プリント配線板 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体チップの裏面にバンプを作製しないで搭載できるフリップチップ搭載用プリント配線板を得る。
【解決手段】導体回路fが形成された基板k表面を被覆する樹脂組成物jは熱硬化性樹脂組成物であり、半導体チップa搭載下の導体回路fにブラインドビア孔e及び/又は貫通孔gが形成され、このブラインドビア孔e及び/又は貫通孔gが銅メッキで充填され、この銅メッキ充填部の先端部分dが熱硬化性樹脂組成物表面から突出した構造のプリント配線板とする。
【選択図】 図1
【解決手段】導体回路fが形成された基板k表面を被覆する樹脂組成物jは熱硬化性樹脂組成物であり、半導体チップa搭載下の導体回路fにブラインドビア孔e及び/又は貫通孔gが形成され、このブラインドビア孔e及び/又は貫通孔gが銅メッキで充填され、この銅メッキ充填部の先端部分dが熱硬化性樹脂組成物表面から突出した構造のプリント配線板とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、フリップチップ搭載用プリント配線板に関するものであり、特にプリント配線板側に半導体チップ搭載接続用のバンプが形成された構造を有するプリント配線板であり、更にはこのバンプに半導体チップを接続するためのバンプ用金属が付着した構造のプリント配線板である。本発明のフリップチップ搭載用プリント配線板は、プリント配線板上に形成されたバンプに半導体チップを直接接続して使用するものであり、小型、軽量で高密度な半導体プラスチックパッケージ用等に好適に使用される。
近年、ますます小型、薄型、軽量化する電子機器において、高密度のプリント配線板が使用されるようになってきており、半導体チップをプリント配線板に搭載接続する方法は、ワイヤボンディング方式からフリップチップ方式になってきている。このフリップチップは裏面にハンダバンプ等が付いた半導体チップであり、これをバンプ接続用回路が形成されたプリント配線板上にバンプ金属を溶融させて搭載接続し、アンダーフィル樹脂で半導体チップとプリント配線板間の隙間を充填する構造となっている(例えば特許文献1〜3参照)。この場合、フリップチップを搭載するプリント配線板の表面は、一般にUV選択熱硬化型レジストで被覆されているが、UV選択熱硬化型レジストを塗布、露光、現像して得られる表面は凹凸が大きいことから、半導体チップを搭載接続後にアンダーフィル樹脂で充填する際に、未充填箇所が発生し、吸湿後の耐熱性が低下する等の問題があった。更に、バンプ接続用回路間の距離は狭いため、該UV選択熱硬化型レジストでは耐マイグレーション性等の電気的信頼性が劣る問題があり、改善が必要であった。更に、フリップチップにハンダバンプ等の接続用金属を予め接着するため厳密さが要求され、作製時の不良が多い等の問題点があった。
本発明は、フリップチップにハンダバンプ等の接続用金属を接着することなく、半導体チップをプリント配線板に搭載接続することが可能であり、且つ、プリント配線板の半導体チップ搭載面の被覆樹脂表面が平滑な、耐熱性、信頼性に優れるフリップチップ搭載用プリント配線板を提供するものである。
本発明は、導体回路が形成された基板表面を被覆する樹脂組成物は熱硬化性樹脂組成物であり、半導体チップ搭載箇所の導体回路にブラインドビア孔及び/又は貫通孔が形成され、このブラインドビア孔及び/又は貫通孔が銅メッキで充填され、この銅メッキ充填部の先端部分が熱硬化性樹脂組成物表面から突出した構造であることを特徴とするフリップチップ搭載用プリント配線板であり、プリント配線板表裏は、銅メッキされた該ブラインドビア孔及び/又は貫通孔部から裏面の導体回路に銅メッキされた貫通孔及び/又はブラインドビア孔で接続する。好ましくは、該銅メッキ充填部の先端部分に、半導体チップ接続用バンプ金属が付着したフリップチップ搭載用プリント配線板であり、銅メッキ充填部の先端部分の突出した高さが、1〜10μmであるフリップチップ搭載用プリント配線板である。より好適には、該熱硬化性樹脂組成物が、シアン酸エステル樹脂を必須成分とする樹脂組成物であり、基材補強されており、熱硬化性樹脂組成物の表面凹凸が、3μm以下であるフリップチップ搭載用プリント配線板である。
本発明は、半導体チップ側でなく、プリント配線板側に半導体チップを接続するバンプを形成しておくことで、半導体チップにバンプを形成する手間が省け、作業性、経済性等に優れたフリップチップ搭載用プリント配線板である。更に、プリント配線板の半導体チップ搭載面の被覆樹脂表面が平滑なため、半導体チップ搭載接続後にアンダーフィル樹脂の充填不良発生がなく、また被覆樹脂として、シアン酸エステル樹脂組成物を使用することにより、耐熱性、電気的信頼性に優れたものが得られ、今後ますます高密度化するフリップチップ搭載用プリント配線板として非常に有用なものが得られた。
本発明のフリップチップ搭載用プリント配線板は、導体回路が形成された基板表面を被覆する樹脂組成物は熱硬化性樹脂組成物であり、半導体チップ搭載箇所の導体回路にブラインドビア孔及び/又は貫通孔が形成され、このブラインドビア孔及び/又は貫通孔が銅メッキで充填され、この銅メッキ充填部の先端部分が熱硬化性樹脂組成物表面から突出した構造であり、この突出した先端部分を回路保護用金属で被覆し、半導体チップ搭載用バンプ金属を付着させ、プリント配線板表裏はブラインドビア孔及び/又は貫通孔部から裏面の導体回路を銅メッキされた貫通孔及び/又はブラインドビア孔で接続してなるプリント配線板である。本発明のフリップチップ搭載用プリント配線板は、半導体チップに接続用バンプを接着することなく、半導体チップをプリント配線板に搭載接続することが可能で、且つ、被覆樹脂表面が平滑なため、アンダーフィル樹脂の充填不良を防止できることから、耐熱性、電気的信頼性に優れたものが得られる。
本発明のフリップチップ搭載用プリント配線板は、導体回路が形成された基板表面を被覆する樹脂組成物は熱硬化性樹脂組成物であり、半導体チップ搭載箇所の導体回路にブラインドビア孔及び/又は貫通孔が形成され、このブラインドビア孔及び/又は貫通孔が銅メッキで充填され、この銅メッキ充填部の先端部分が熱硬化性樹脂組成物表面から突出した構造を有するものであれば、特に限定されない。銅メッキ充填部の先端部分の突出した高さは特に限定されないが、1〜10μmが好適である。
本発明のフリップチップ搭載用プリント配線板は、半導体チップを搭載接続させるため、銅メッキ充填部の先端部分に、半導体チップ接続用バンプ金属を付着させることが好適である。半導体チップ接続用バンプ金属としては、公知のバンプ用金属が使用可能であるが、例えばハンダ、ハンダペースト等を付着させ、必要により加熱して銅メッキ充填部の先端上に半導体チップ接続用バンプ金属を接着させ、このバンプ用金属面と半導体チップのバンプ接続面を合わせて加熱することにより搭載接続し、フリップチップ搭載プリント配線板とする。
本発明のフリップチップ搭載用プリント配線板を製造する方法は、導体回路が形成された基板表面を被覆する樹脂組成物は熱硬化性樹脂組成物であり、半導体チップ搭載箇所の導体回路上にブラインドビア孔及び/又は貫通孔が形成され、このブラインドビア孔及び/又は貫通孔が銅メッキで充填され、この銅メッキ充填部の先端部分が熱硬化性樹脂組成物表面から突出した構造を有するプリント配線板が得られる製法であれば、特に限定されない。具体的な製法としては、銅箔或いは離型フィルムの片面に薬液に可溶性の第1樹脂組成物層を形成し、その上に薬液に難溶性の第2樹脂組成物層を形成した銅箔或いは離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シートを使用し、(本発明で使用する「可溶性」、「難溶性」の意味は、硬化処理後に同一の薬液で同一時間浸漬した場合に、相対的に溶解速度の速いものを「可溶性」、遅いものを「難溶性」と表現する。)このBステージ樹脂組成物シートを、導体回路を形成した基板の半導体チップ搭載面上に配置し、積層成形して半導体チップ搭載用基板とする。この基板にレーザー、プラズマ等でブラインドビア孔及び/又は貫通孔を形成させ、銅メッキして孔内部を銅メッキで充填させ、銅メッキ表面を研磨した後、表層銅箔及び/又は銅メッキ部分を、第1樹脂組成物層面まで溶解除去し、その後に銅メッキを溶解せず、第1樹脂組成物層を溶解する薬液で第1樹脂組成物層を溶解除去することにより、銅メッキ充填部の先端部分が熱硬化性樹脂組成物表面から突出したフリップチップ搭載用プリント配線板を得る製法などが例示される。本発明のフリップチップ搭載用プリント配線板の半導体チップ搭載用のバンプ金属を接着する孔は、全てブラインドビア孔及び/又は貫通孔とし、このブラインドビア孔及び貫通孔は銅メッキで全て充填する。ブラインドビア孔は、底部の導体回路上或いは導体回路から少し横に配線された導体回路と裏面の導体回路を、銅メッキされた貫通孔及び/又はブラインドビア孔で接続してなり、貫通孔は裏面まで貫通しているために銅メッキで充填された孔は、裏面の導体回路と接続した形態となっている。裏面はハンダボールを接続するパッドがあり、銅メッキされた貫通孔及び/又はブラインドビア孔はこのパッド回路と接続している。
本発明のフリップチップ搭載用プリント配線板の具体的な製法に使用される銅箔或いは離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シートの薬液に可溶性の第1樹脂組成物層に使用する樹脂組成物としては、公知のアディティブ用樹脂組成物、光選択熱硬化型樹脂組成物等が挙げられ、1種或いは2種以上が適宜組み合わせて使用される。銅箔或いは離型フィルムの片面に第1樹脂組成物層を形成する方法は特に限定はなく、溶剤に溶解した第1樹脂組成物溶液をロール等で銅箔或いは離型フィルムに塗布・乾燥する方法、第1樹脂組成物を無溶剤で加熱溶融させてシート状に押し出してから銅箔或いは離型フィルムにラミネート等で圧着させる方法等、公知の方法が用いられる。第1樹脂組成物層の厚さは特に限定はないが、好適には 1〜10μmである。第1樹脂組成物層の表面は、積層成形後に第1樹脂組成物層を溶解除去した際に、第2樹脂組成物層表面を平滑にするため、好ましくは表面凹凸を3μm以下とする。
銅箔或いは離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シートに使用される薬液に溶解しにくい第2樹脂組成物層に使用する樹脂組成物は、プリント配線板に使用される公知の熱硬化性樹脂組成物であれば、特に限定されない。これらの樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアン酸エステル樹脂、マレイミド樹脂、2重結合付加ポリフェニレンエーテル樹脂、これらの樹脂の臭素やリン含有化合物等の樹脂組成物などが挙げられ、1種或いは2種以上が組み合わせて使用される。耐マイグレーション性等の信頼性、耐熱性等の点から、シアン酸エステル樹脂を必須成分とする樹脂組成物、例えばエポキシ樹脂等との併用が好適である。これら熱硬化性樹脂には、必要に応じて、公知の触媒、硬化剤、硬化促進剤を使用する。
銅箔或いは離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シートの第2樹脂組成物層に好適に使用されるシアン酸エステル樹脂とは、分子内に2個以上のシアナト基を有する化合物である。具体的に例示すると、1,3-又は1,4-ジシアナトベンゼン、1,3,5-トリシアナトベンゼン、1,3-、1,4-、1,6-、1,8-、2,6-又は2,7-ジシアナトナフタレン、1,3,6-トリシアナトナフタレン、4,4-ジシアナトビフェニル、ビス(4-ジシアナトフェニル)メタン、2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジブロモー4-シアナトフェニル)プロパン、ビス(4-シアナトフェニル)エーテル、ビス(4-シアナトフェニル)チオエーテル、ビス(4-シアナトフェニル)スルホン、トリス(4-シアナトフェニル)ホスファイト、トリス(4-シアナトフェニル)ホスフェート、およびノボラックとハロゲン化シアンとの反応により得られるシアネート類等である。
これらのほかに特公昭41-1928、同43-18468、同44-4791、同45-11712、同46-41112、同47-26853及び特開昭51-63149等に記載のフェノールノボラック型シアン酸エステル化合物類等も用い得る。また、これらシアン酸エステル化合物のシアナト基の三量化によって形成されるトリアジン環を有する分子量 400〜6,000 のプレポリマーが使用される。このプレポリマーは、上記のシアン酸エステルモノマーを、例えば鉱酸、ルイス酸等の酸類;ナトリウムアルコラート等、第三級アミン類等の塩基;炭酸ナトリウム等の塩類等を触媒として重合させることにより得られる。この樹脂中には一部未反応のモノマーも含まれており、モノマーとプレポリマーとの混合物の形態をしており、このような原料は本発明の用途に好適に使用される。更にはシアナト化ポリフェニレンエーテル樹脂も使用できる。これらに1官能のシアン酸エステル化合物も特性に大きく影響しない量を添加できる。好適には1〜10重量%である。これらのシアン酸エステル化合物は上記のものに限定されず、公知のものが使用可能である。これらは1種或いは2種以上が適宜組み合わせて使用される。
シアン酸エステル樹脂に好適に併用されるエポキシ樹脂としては、公知のものが使用できる。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂類;ブタジエン、ペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、ジシクロペンチルエーテル等の二重結合をエポキシ化したポリエポキシ化合物類;ポリオール、エポキシ化ポリフェニレンエーテル樹脂、水酸基含有シリコン樹脂類とエポハロヒドリンとの反応によって得られるポリグリシジル化合物類等が挙げられる。又、これらの公知の臭素付加樹脂、リン含有エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種或いは2種類以上が適宜組み合わせて使用される。
銅箔或いは離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シートの第2樹脂組成物層に使用する樹脂組成物には、組成物本来の特性が損なわれない範囲で、所望に応じて上記以外の種々の添加物を配合することができる。これらの添加物としては、ポリフェニレンエーテル樹脂;エポキシ(メタ)アクリレート等、更にこれらの公知の臭素化物、リン含有化合物等の各種樹脂類、公知の上記以外の無機、有機の充填剤、染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、光増感剤、難燃剤、光沢剤、重合禁止剤、チキソ性付与剤等の各種添加剤が、所望に応じて適宜組み合わせて用いられる。必要により、反応基を有する化合物は公知の硬化剤、触媒が適宜配合される。
銅箔或いは離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シートの第2樹脂組成物層には、全体のプリント配線板の剛性率を向上させることから、基材を使用することが好適である。使用される基材としては、プリント配線板に使用される公知の基材であれば、特に限定されない。具体的には、E、NE、D、S、Tガラス等の一般に公知のガラス繊維の不織布、織布;、ポリオキサゾール、全芳香族ポリアミド、液晶ポリエステル等の一般に公知の有機繊維不織布、織布;これらの混抄布;ポリイミドフィルム、全芳香族ポリアミドフィルム、ポリオキサゾールフィルム、液晶ポリエステルフィルム等が挙げられる。これらの基材は、樹脂との密着性を向上させるため、公知の表面処理を施すことが好適である。
銅箔或いは離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シートの第1樹脂組成物層に第2樹脂組成物層を形成する方法は特に限定されなく、前記第1樹脂組成物層の形成方法や、基材を使用する場合、第2樹脂組成物ワニスを基材に塗布、乾燥させてBステージ化するか、或いは前記第1樹脂組成物層の形成方法等で形成した離型フィルム付き第2樹脂組成物シートを、基材の両面に配置して加熱圧着等で一体化してプリプレグを作製し、ラミネート等で第1樹脂組成物面に圧着させる方法等、公知の方法が用いられる。第2樹脂組成物層の厚さは特に限定されないが、好適には 10〜50μmであり、積層する基板の導体回路の高さ、銅残率等によって適宜選択し、銅箔或いは離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シートと基板の導体回路間の絶縁性が保たれる厚みとする。第2樹脂組成物の硬化度は、第1樹脂組成物層上に形成させた時点では、Bステージとする。
銅箔或いは離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シートの第1樹脂組成物層が形成される銅箔は、プリント配線板に使用される公知の銅箔であれば、特に限定されないが、好適には電解銅箔、圧延銅箔、これらの銅合金が使用される。銅箔表面は平滑でも凹凸が大きくても良いが、薬液で厚さ方向に溶解するために平滑な方が好ましい。銅箔の厚さは特に限定されないが、好適には 3〜35μmである。一方、離型フィルムとしては一般に公知のものが使用できるが、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の、樹脂組成物を塗布、乾燥した場合に収縮しないものを使用するのが好ましい。
本発明で使用される導体回路を形成する基板は、特に限定されず、プリント配線材料用の公知の金属箔張板、好適には銅張板が使用できる。具体的には、熱硬化性樹脂組成物や熱可塑性樹脂組成物などを使用した、無機繊維及び/又は有機繊維基材銅張積層板、耐熱性フィルム基材銅張板またこれらの基材の組み合わせた複合基材銅張積層板等、これらの多層銅張板やアディティブ法等で作製した多層銅張板等、公知のものが使用できる。金属箔張板に導体回路を形成した基板の導体厚さは特に限定されないが、好適には 3〜35μmである。この導体回路上は、被覆樹脂との接着性を高める公知の処理、例えば黒色酸化銅処理、薬液処理(例えばメック社のCZ処理)等を施すのが好ましい。
本発明のフリップチップ搭載用プリント配線板の具体的な製法は、下記の製造工程によるものである。(1)上記導体回路を形成した基板の少なくとも半導体チップ搭載面に、銅箔或いは離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シートの第2樹脂組成物層面を対向させて配置し、加熱、加圧、好ましくは真空下に積層成形し、硬化させ、半導体チップ搭載用基板とする。積層条件は特に限定されないが、好ましくは、温度 100〜250℃、圧力 5〜40kgf/ cm2、真空度 30mmHg以下で 30分〜5時間積層成形する。積層は、最初から最後までこの条件でも良いが、ゲル化までは積層成形し、その後、取り出して加熱炉で後硬化することも可能である。もちろん、半硬化しておいて、表層銅箔及び/又は銅メッキ部分を第1樹脂組成物層面の位置までエッチング除去した後に、更に第1樹脂組成物層を溶解する薬液で第2樹脂組成物表面まで溶解して銅メッキ充填部の先端部分を露出突出させ、後硬化することも可能である。これは樹脂の薬液への耐性により、適宜選択することができる。
(2)半導体チップ搭載用基板に、ブラインドビア孔及び/又は貫通孔を形成する。基板にブラインドビア孔及び/又は貫通孔を形成する方法は、特に限定されなく、公知の方法が使用できる。例えば、孔径 20〜100μmであればUV-YAGレーザー、UV-Vanadateレーザー等の公知のUVレーザー、孔径 60〜150μmであれば炭酸ガスレーザーを使用する。又、ブラインドビア孔においてはプラズマ等の公知の方法でも加工可能である。貫通孔は金属ドリルでも形成できる。
次いで、孔あけした半導体チップ搭載用基板を銅メッキして、基板全体を銅メッキするとともに、孔内部を銅メッキで充填する。銅メッキは、無電解銅メッキ、電解銅メッキでブラインドビア孔を充填する公知の方法で行う。銅メッキ終了後に銅メッキの表面は、研磨して平滑するのが好ましい。炭酸ガスレーザーでブラインドビア孔及び/又は貫通孔をあけた場合、孔部の銅箔上に僅かに樹脂層が残存するため、デスミア処理等を行なって付着残存した樹脂組成物を除去後に全体を銅メッキするとともにブラインドビア孔、貫通孔内部を銅メッキで充填する。
その後、銅メッキでブラインドビア及び/又は孔貫通孔を充填した半導体チップ搭載用基板の表層金属箔及び/又は銅メッキ部分を、第1樹脂組成物層面まで、厚さ方向に平面的にエッチングする。エッチングする方法は、プリント配線板の製造工程で使用される公知の金属箔及び/又は銅メッキ部分のエッチング方法による。
(3)表層金属箔及び/又は銅メッキ部分を、第1樹脂組成物層面まで、厚さ方向に平面的にエッチングした半導体チップ搭載用基板の第1樹脂組成物層を、銅メッキが溶解しにくい薬液を使用して、第2樹脂組成物層面まで溶解除去させ、銅メッキ充填部の先端部分を第2樹脂組成物層面より突出させる。使用する薬液は、第1樹脂組成物と第2樹脂組成物の樹脂組成により適宜選択して使用する。具体的には、第1樹脂組成物が熱硬化性樹脂系の場合、強酸、強アルカリ等を使用する。この場合、第1樹脂組成物の方が、第2樹脂組成物よりも溶解しやすい樹脂組成とする。例えば、第1樹脂組成物にアディティブ用樹脂組成物を使用し、第2樹脂組成物に一般の薬液に強い熱硬化性樹脂(シアン酸エステル樹脂等)を使用する。この場合は、薬液は過マンガン酸カリウム、重クロム酸溶液等のデスミア溶液を使う。又、第1樹脂組成物にUV選択熱硬化型樹脂組成物を使用する場合、第2樹脂組成物を溶解しにくい溶液、例えば水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液を使用する。第1樹脂組成物層を溶解する場合、薬液により銅メッキが僅かに溶解しても第2樹脂組成物層の表面から銅メッキ充填部の先端部分が突出していれば良い。第1樹脂組成物層は薬液で溶解し易い樹脂組成物であり、銅メッキ部は薬液に対し殆ど溶解しないことから、銅メッキ充填部の先端部分が、第2樹脂組成物層面より 1〜10μm 突出した形状となり、第2樹脂組成物表面が平滑なプリント配線板が得られる。これら一連の工程により、本発明のフリップチップ搭載用プリント配線板が作製される。
次に、プリント配線板の表裏面に露出した回路を保護用金属で被覆する。もちろん保護用金属で被覆しないですぐに銅メッキ充填部の先端部上に公知のバンプ用金属を付着させ、必要により加熱して銅メッキ充填部の頭頂部上に半導体チップ接続用バンプ金属を接着させることは可能であるが、裏面のハンダボール接着までには時間がかかり、回路表面が酸化される、錆が発生する等のために、公知の保護用金属で被覆する。その後、銅メッキ充填部分の先端部上にバンプ用金属を接着させ、このバンプ用金属面と半導体チップのバンプ接続面を合わせて加熱することにより搭載接続し、フリップチップ搭載プリント配線板とする。この半導体チップとプリント配線板の表層との隙間には、アンダーフィル樹脂で充填することが好適である。プリント配線板表面の第2樹脂組成物層面は平滑なため、アンダーフィル樹脂は確実に充填される。又、導体回路を被覆するのにUV選択熱硬化型レジストを使用しないため、耐熱性、信頼性等に優れたフリップチップ搭載プリント配線板が得られる。
以下に実施例、比較例で本発明を具体的に説明する。尚、『部』は重量部を表す。
実施例1
2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパンモノマー 400部を 150℃に溶融させ、撹拌しながら4時間反応させ、モノマーとプレポリマーの混合物を得、これをメチルエチルケトンに溶解し、ワニスAとした。これにビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828、ジャパンエポキシレジン<株>製) 350部、ビフェニル型エポキシ樹脂(NC3000、日本化薬<株>製) 50部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DEN431、ダウ・ケミカル<株>製) 100部を配合し、アセチルアセトン鉄 0.3部、緑色顔料 5部をメチルエチルケトンに溶解混合し、更に焼成タルク(BST200、日本タルク<株>製) 500部加え、均一に攪拌混合してワニスBとした。又、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート1001、ジャパンエポキシレジン<株>製) 700部、同(エピコート828) 300部、ポリブタジエン樹脂(B-2000、日本石油化学<株>製) 100部、ジシアンジアミド 35部、2-エチル-4-メチルイミダゾール 0.5部、緑色顔料 5部をメチルエチルケトンとジメチルホルムアミド混合溶剤に溶解混合し、ワニスCとした。このワニスCを、厚さ 12μmの圧延銅箔(凹凸max.1.1μm)の片面に塗布、乾燥して、厚さ 5μmでゲル化時間(at170℃、以下同じ) 0秒のアディティブ用第1樹脂組成物層を形成した銅箔付き樹脂組成物シートDを作製した。また上記ワニスBを、厚さ 25μmのPETフィルムの片面に塗布し、乾燥して、厚さ 40μmでゲル化時間 121秒の第2樹脂組成物層シートEを作製し、この樹脂組成物面を、上記銅箔付き樹脂組成物シートDの樹脂組成物層面側に対向させて配置し、90℃、線圧 5kgf/cmで連続的にラミネート接着して、第1及び第2樹脂組成物層の形成した銅箔付きBステージ樹脂組成物シートFを作製した。又、上記ワニスBを、12μm圧延銅箔のマット面に塗布し、乾燥して、厚さ 40μmでゲル化時間 120秒の第2樹脂組成物層のみを形成した銅箔付きBステージ樹脂組成物シートGを作製した。一方、厚さ 0.8mmのBTレジン銅張積層板(CCL-HL832、三菱ガス化学<株>)の表層銅箔(12μm)をエッチングして 3μmとした後に、金属ドリルで孔径 75μmの貫通孔を半導体チップ搭載部の外側に形成し、デスミア処理後に全体を銅メッキするとともに貫通孔内を銅メッキで充填し、表層を研磨して平滑にしてから、回路を形成し、表層回路に黒色酸化銅処理を施した回路基板の半導体チップ搭載面側に、上記銅箔付きBステージ樹脂組成物シートFのPETフィルムを剥離して配置し、裏面のハンダボールを接続する面には、銅箔付きBステージ樹脂組成物シートGを配置し、190℃、20kgf/cm2、10mmHgの真空下で2時間積層成形してから、半導体チップ搭載用基板Hを作製した。この基板Hの両面に、孔あけ用補助材料(LSE30、三菱ガス化学<株>製)を配置し、100℃、線圧 6kgf/cmでラミネート接着した後、この上から炭酸ガスレーザーを片面ずつ照射して、半導体チップ搭載部の表面に孔径 80μmの半導体チップバンプ形成用ブラインドビア孔をあけた。反対の裏面は同様に孔径 150μmのブラインドビア孔をあけた。デスミア溶液でブラインドビア孔部に残存する樹脂残をデスミア除去し、ブラインドビア孔内部を銅メッキで充填するとともに基板全体に銅メッキを施した。その後、表層の銅メッキ部分及び銅箔を厚さ方向にエッチングして、表面の第1樹脂組成物層、裏面の第2樹脂組成物層を露出した後、過マンガン酸カリウム溶液で表面の第1樹脂層を溶解除去し、表面の銅メッキ充填部の先端部分を突出させ、これにニッケルメッキ、金メッキを施し、フリップチップ搭載用プリント配線板を作製した。その後、貴金属メッキされた銅メッキ充填部の先端部分にバンプ用ハンダを付着させて、この上にバンプ接続用の回路を裏面に形成した半導体チップを置き、加熱して半導体チップを搭載接着した。次いで半導体チップと第2樹脂組成物層の間にアンダーフィル樹脂を充填して硬化させ、ハンダボールを接合し、フリップチップ搭載プリント配線板とした。評価結果を表1に示す。
実施例1
2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパンモノマー 400部を 150℃に溶融させ、撹拌しながら4時間反応させ、モノマーとプレポリマーの混合物を得、これをメチルエチルケトンに溶解し、ワニスAとした。これにビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828、ジャパンエポキシレジン<株>製) 350部、ビフェニル型エポキシ樹脂(NC3000、日本化薬<株>製) 50部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DEN431、ダウ・ケミカル<株>製) 100部を配合し、アセチルアセトン鉄 0.3部、緑色顔料 5部をメチルエチルケトンに溶解混合し、更に焼成タルク(BST200、日本タルク<株>製) 500部加え、均一に攪拌混合してワニスBとした。又、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート1001、ジャパンエポキシレジン<株>製) 700部、同(エピコート828) 300部、ポリブタジエン樹脂(B-2000、日本石油化学<株>製) 100部、ジシアンジアミド 35部、2-エチル-4-メチルイミダゾール 0.5部、緑色顔料 5部をメチルエチルケトンとジメチルホルムアミド混合溶剤に溶解混合し、ワニスCとした。このワニスCを、厚さ 12μmの圧延銅箔(凹凸max.1.1μm)の片面に塗布、乾燥して、厚さ 5μmでゲル化時間(at170℃、以下同じ) 0秒のアディティブ用第1樹脂組成物層を形成した銅箔付き樹脂組成物シートDを作製した。また上記ワニスBを、厚さ 25μmのPETフィルムの片面に塗布し、乾燥して、厚さ 40μmでゲル化時間 121秒の第2樹脂組成物層シートEを作製し、この樹脂組成物面を、上記銅箔付き樹脂組成物シートDの樹脂組成物層面側に対向させて配置し、90℃、線圧 5kgf/cmで連続的にラミネート接着して、第1及び第2樹脂組成物層の形成した銅箔付きBステージ樹脂組成物シートFを作製した。又、上記ワニスBを、12μm圧延銅箔のマット面に塗布し、乾燥して、厚さ 40μmでゲル化時間 120秒の第2樹脂組成物層のみを形成した銅箔付きBステージ樹脂組成物シートGを作製した。一方、厚さ 0.8mmのBTレジン銅張積層板(CCL-HL832、三菱ガス化学<株>)の表層銅箔(12μm)をエッチングして 3μmとした後に、金属ドリルで孔径 75μmの貫通孔を半導体チップ搭載部の外側に形成し、デスミア処理後に全体を銅メッキするとともに貫通孔内を銅メッキで充填し、表層を研磨して平滑にしてから、回路を形成し、表層回路に黒色酸化銅処理を施した回路基板の半導体チップ搭載面側に、上記銅箔付きBステージ樹脂組成物シートFのPETフィルムを剥離して配置し、裏面のハンダボールを接続する面には、銅箔付きBステージ樹脂組成物シートGを配置し、190℃、20kgf/cm2、10mmHgの真空下で2時間積層成形してから、半導体チップ搭載用基板Hを作製した。この基板Hの両面に、孔あけ用補助材料(LSE30、三菱ガス化学<株>製)を配置し、100℃、線圧 6kgf/cmでラミネート接着した後、この上から炭酸ガスレーザーを片面ずつ照射して、半導体チップ搭載部の表面に孔径 80μmの半導体チップバンプ形成用ブラインドビア孔をあけた。反対の裏面は同様に孔径 150μmのブラインドビア孔をあけた。デスミア溶液でブラインドビア孔部に残存する樹脂残をデスミア除去し、ブラインドビア孔内部を銅メッキで充填するとともに基板全体に銅メッキを施した。その後、表層の銅メッキ部分及び銅箔を厚さ方向にエッチングして、表面の第1樹脂組成物層、裏面の第2樹脂組成物層を露出した後、過マンガン酸カリウム溶液で表面の第1樹脂層を溶解除去し、表面の銅メッキ充填部の先端部分を突出させ、これにニッケルメッキ、金メッキを施し、フリップチップ搭載用プリント配線板を作製した。その後、貴金属メッキされた銅メッキ充填部の先端部分にバンプ用ハンダを付着させて、この上にバンプ接続用の回路を裏面に形成した半導体チップを置き、加熱して半導体チップを搭載接着した。次いで半導体チップと第2樹脂組成物層の間にアンダーフィル樹脂を充填して硬化させ、ハンダボールを接合し、フリップチップ搭載プリント配線板とした。評価結果を表1に示す。
実施例2
2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパンモノマーを 450部、ビス(4-マレイミドフェニル)メタンモノマー 50部を 150℃で溶融させ、撹拌しながら 5時間反応させてモノマーとプレポリマーの混合物とした後、メチルエチルケトンとN,N-ジメチルホルムアミドに溶解混合し、ワニスIとした。これにビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828) 300部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DEN431) 100部、ナフタレン型エポキシ樹脂(ESN-175S、新日鐵化学<株>製) 100部、オクチル酸亜鉛 0.3部、緑色顔料 5部をメチルエチルケトンに溶解混合し、ワニスJとした。 又、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828) 500部、同 (エピコート1001) 400部、ポリブタジエン樹脂(B-2000)100部、2-エチルイミダゾール 0.3部をメチルエチルケトンに溶解し、ワニスKとした。これを厚さ 25μmのPETフィルムの片面に塗布、乾燥して、ゲル化時間 0秒、厚さ 7μmのアディティブ用第1樹脂組成物層を形成した離型フィルム付き樹脂組成物シートLを作製した。また、上記ワニスJを、厚さ 15μmのガラス織布に含浸、乾燥して、厚さ 25μmでゲル化時間 120秒の第2樹脂組成物層シートMを作製し、出てきた時点で厚さ 25μmのPETフィルムを両面に配置して、温度 90℃、圧力 5kgf/cmの線圧でラミネートしてから巻き取った。この片面のPETフィルムを剥離して第2樹脂組成物面を、上記離型フィルム付き第1樹脂組成物シートLの樹脂組成物層面側に対向させて配置し、90℃、線圧 5kgf/cmで連続的にラミネート接着して、基材入り第1及び第2樹脂組成物層を形成した離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シートNを作製した。一方、厚さ 0.2mm、両面 3μm銅箔のBTレジン銅張積層板(CCL-HL830、三菱ガス化学<株>製)の半導体チップ搭載部の外側に金属ドリルで孔径 75μmの貫通孔をあけ、デスミア処理後に銅メッキを充填し、表面を平滑に研磨後、回路を形成し、表層回路に黒色酸化銅処理を施した後に、回路基板の半導体チップ搭載側面に、上記離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シートNの第2樹脂組成物側のPETフィルムを剥がして配置し、裏面のハンダボールを接続する面には、上記離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シートMを配置して圧力 20kgf/cm2、温度 150℃、30mmHg以下の真空下で 30分積層成形後にプレス装置から取り出して加熱炉に入れ、160℃で 10時間加熱して硬化させ、半導体チップ搭載用基板Oを得た。この基板Oの半導体チップ搭載部の表面に、UV-Vanadateレーザーを照射して孔径 40μmのブラインドビア孔及び貫通孔をあけた。裏面は孔径 150μmでハンダボール接続用孔部分を、同様にレーザーを照射してブラインドビア孔を形成した。離型フィルムを剥離後に基板全体を銅メッキするとともにブラインドビア孔及び貫通孔内を銅メッキで充填してから、表層銅メッキ部を研磨して平滑にした後、表層の銅メッキ部分をエッチングして溶解除去し、表面の第1樹脂組成物層、裏面の第2樹脂組成物層を露出した。表面の第1樹脂組成物層を重クロム酸溶液で溶解除去して、表面の銅メッキ充填部の先端部分を突出させ、これにニッケルメッキ、金メッキを施しフリップチップ搭載用プリント配線板を作製した。その後、実施例1と同様にして、半導体チップを搭載接着し、アンダーフィル樹脂を充填して硬化させ、ハンダボールを接合してフリップチップ搭載プリント配線板とした。評価結果を表1に示す。
2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパンモノマーを 450部、ビス(4-マレイミドフェニル)メタンモノマー 50部を 150℃で溶融させ、撹拌しながら 5時間反応させてモノマーとプレポリマーの混合物とした後、メチルエチルケトンとN,N-ジメチルホルムアミドに溶解混合し、ワニスIとした。これにビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828) 300部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DEN431) 100部、ナフタレン型エポキシ樹脂(ESN-175S、新日鐵化学<株>製) 100部、オクチル酸亜鉛 0.3部、緑色顔料 5部をメチルエチルケトンに溶解混合し、ワニスJとした。 又、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828) 500部、同 (エピコート1001) 400部、ポリブタジエン樹脂(B-2000)100部、2-エチルイミダゾール 0.3部をメチルエチルケトンに溶解し、ワニスKとした。これを厚さ 25μmのPETフィルムの片面に塗布、乾燥して、ゲル化時間 0秒、厚さ 7μmのアディティブ用第1樹脂組成物層を形成した離型フィルム付き樹脂組成物シートLを作製した。また、上記ワニスJを、厚さ 15μmのガラス織布に含浸、乾燥して、厚さ 25μmでゲル化時間 120秒の第2樹脂組成物層シートMを作製し、出てきた時点で厚さ 25μmのPETフィルムを両面に配置して、温度 90℃、圧力 5kgf/cmの線圧でラミネートしてから巻き取った。この片面のPETフィルムを剥離して第2樹脂組成物面を、上記離型フィルム付き第1樹脂組成物シートLの樹脂組成物層面側に対向させて配置し、90℃、線圧 5kgf/cmで連続的にラミネート接着して、基材入り第1及び第2樹脂組成物層を形成した離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シートNを作製した。一方、厚さ 0.2mm、両面 3μm銅箔のBTレジン銅張積層板(CCL-HL830、三菱ガス化学<株>製)の半導体チップ搭載部の外側に金属ドリルで孔径 75μmの貫通孔をあけ、デスミア処理後に銅メッキを充填し、表面を平滑に研磨後、回路を形成し、表層回路に黒色酸化銅処理を施した後に、回路基板の半導体チップ搭載側面に、上記離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シートNの第2樹脂組成物側のPETフィルムを剥がして配置し、裏面のハンダボールを接続する面には、上記離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シートMを配置して圧力 20kgf/cm2、温度 150℃、30mmHg以下の真空下で 30分積層成形後にプレス装置から取り出して加熱炉に入れ、160℃で 10時間加熱して硬化させ、半導体チップ搭載用基板Oを得た。この基板Oの半導体チップ搭載部の表面に、UV-Vanadateレーザーを照射して孔径 40μmのブラインドビア孔及び貫通孔をあけた。裏面は孔径 150μmでハンダボール接続用孔部分を、同様にレーザーを照射してブラインドビア孔を形成した。離型フィルムを剥離後に基板全体を銅メッキするとともにブラインドビア孔及び貫通孔内を銅メッキで充填してから、表層銅メッキ部を研磨して平滑にした後、表層の銅メッキ部分をエッチングして溶解除去し、表面の第1樹脂組成物層、裏面の第2樹脂組成物層を露出した。表面の第1樹脂組成物層を重クロム酸溶液で溶解除去して、表面の銅メッキ充填部の先端部分を突出させ、これにニッケルメッキ、金メッキを施しフリップチップ搭載用プリント配線板を作製した。その後、実施例1と同様にして、半導体チップを搭載接着し、アンダーフィル樹脂を充填して硬化させ、ハンダボールを接合してフリップチップ搭載プリント配線板とした。評価結果を表1に示す。
実施例3
ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート5045、ジャパンエポキシレジン<株>製) 800部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DEN431)200部、緑色顔料 5部、ジシアンジアミド 35部、2-エチル-4-メチルイミダゾール 1部をメチルエチルケトンとジメチルホルムアミド混合溶剤に溶解混合し、更に焼成タルク(BST200) 300部加え、均一に攪拌混合してワニスPとした。このワニスPを、厚さ 25μmのPETフィルムの片面に塗布、乾燥して、樹脂組成物層厚さ 25μmでゲル化時間 151秒の第2樹脂組成物層シートQを作製した。又、UV選択熱硬化樹脂組成物(PSR303、太陽インキ製造<株>製)を厚さ 25μmの離型PETフィルムの片面に塗布、乾燥して溶剤を飛ばし、厚さ 10μmのUV選択熱硬化型樹脂組成物シートRを作製し、これにUV光を 2000mJ照射してUV硬化したシートSを作製した。次に、厚さ 4.2μmのプラズマ表面処理した全芳香族ポリアミドフルムの両面に樹脂組成物層シートQを配置し、90℃、線圧 5kgf/cmで連続的にラミネート接着して、フィルム基材入りBステージ樹脂組成物シートTを作製した。このフィルム基材入りBステージ樹脂組成物シートTの片面のPETフィルムを剥離し、シートSの樹脂面に配置し、100℃、6kgf/cmの線圧でラミネートして第1及び第2樹脂組成物層を形成した離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シートUを作製した。これを実施例2の導体回路を形成した基板の半導体チップ搭載面側に配置し、反対面にはシートTの片面のPETフィルムを剥離して配置し、60℃、20kgf/cm2、10mmHgの真空下で 30分積層成形後にプレス装置から取り出し、加熱炉で 170℃にて5時間硬化させ、半導体チップ搭載用基板Vを得た。この基板Vを用いて実施例2において、半導体チップ搭載面下側は全て孔径 40μmの貫通孔にする以外は、実施例2と同様に行い、フリップチップ搭載用プリント配線板を作製した。その後、実施例2と同様にして、半導体チップを搭載接続し、アンダーフィル樹脂を充填して硬化させ、ハンダボールを接合してフリップチップ搭載プリント配線板とした。評価結果を表1に示す。
ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート5045、ジャパンエポキシレジン<株>製) 800部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DEN431)200部、緑色顔料 5部、ジシアンジアミド 35部、2-エチル-4-メチルイミダゾール 1部をメチルエチルケトンとジメチルホルムアミド混合溶剤に溶解混合し、更に焼成タルク(BST200) 300部加え、均一に攪拌混合してワニスPとした。このワニスPを、厚さ 25μmのPETフィルムの片面に塗布、乾燥して、樹脂組成物層厚さ 25μmでゲル化時間 151秒の第2樹脂組成物層シートQを作製した。又、UV選択熱硬化樹脂組成物(PSR303、太陽インキ製造<株>製)を厚さ 25μmの離型PETフィルムの片面に塗布、乾燥して溶剤を飛ばし、厚さ 10μmのUV選択熱硬化型樹脂組成物シートRを作製し、これにUV光を 2000mJ照射してUV硬化したシートSを作製した。次に、厚さ 4.2μmのプラズマ表面処理した全芳香族ポリアミドフルムの両面に樹脂組成物層シートQを配置し、90℃、線圧 5kgf/cmで連続的にラミネート接着して、フィルム基材入りBステージ樹脂組成物シートTを作製した。このフィルム基材入りBステージ樹脂組成物シートTの片面のPETフィルムを剥離し、シートSの樹脂面に配置し、100℃、6kgf/cmの線圧でラミネートして第1及び第2樹脂組成物層を形成した離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シートUを作製した。これを実施例2の導体回路を形成した基板の半導体チップ搭載面側に配置し、反対面にはシートTの片面のPETフィルムを剥離して配置し、60℃、20kgf/cm2、10mmHgの真空下で 30分積層成形後にプレス装置から取り出し、加熱炉で 170℃にて5時間硬化させ、半導体チップ搭載用基板Vを得た。この基板Vを用いて実施例2において、半導体チップ搭載面下側は全て孔径 40μmの貫通孔にする以外は、実施例2と同様に行い、フリップチップ搭載用プリント配線板を作製した。その後、実施例2と同様にして、半導体チップを搭載接続し、アンダーフィル樹脂を充填して硬化させ、ハンダボールを接合してフリップチップ搭載プリント配線板とした。評価結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、銅箔付きBステージ樹脂組成物シートFの替わりに、UV選択熱硬化型レジストを使用し、回路基板表面に塗布し、露光、現像し、ニッケルメッキ、金メッキを施してプリント配線板とした。このプリント配線板に半導体チップを搭載し、同様に接着し、アンダーフィル樹脂を充填して硬化させ、ハンダボールを接合してフリップチップ搭載プリント配線板とした。評価結果を表1に示す。
実施例1において、銅箔付きBステージ樹脂組成物シートFの替わりに、UV選択熱硬化型レジストを使用し、回路基板表面に塗布し、露光、現像し、ニッケルメッキ、金メッキを施してプリント配線板とした。このプリント配線板に半導体チップを搭載し、同様に接着し、アンダーフィル樹脂を充填して硬化させ、ハンダボールを接合してフリップチップ搭載プリント配線板とした。評価結果を表1に示す。
比較例2
実施例2において、離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シートN、Mの替わりに、パターンメッキレジストを使用し、回路基板の上に回路上から厚さ 14μmとなるように塗布し、回路の上に孔径 40μmの孔を現像してあけ、この孔を銅メッキで充填してメッキレジストと同じ高さになるように充填し、フリップチップ搭載用プリント配線板を作製した。その後、この上にハンダをのせて加熱し、実施例2と同様にして、半導体チップを置いて加熱し、搭載接続してからアンダーフィル樹脂を充填して硬化させ、ハンダボールを接合してフリップチップ搭載プリント配線板とした。評価結果表1に示す。
実施例2において、離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シートN、Mの替わりに、パターンメッキレジストを使用し、回路基板の上に回路上から厚さ 14μmとなるように塗布し、回路の上に孔径 40μmの孔を現像してあけ、この孔を銅メッキで充填してメッキレジストと同じ高さになるように充填し、フリップチップ搭載用プリント配線板を作製した。その後、この上にハンダをのせて加熱し、実施例2と同様にして、半導体チップを置いて加熱し、搭載接続してからアンダーフィル樹脂を充填して硬化させ、ハンダボールを接合してフリップチップ搭載プリント配線板とした。評価結果表1に示す。
表1
実 施 例 比 較 例
項 目 1 2 3 1 2
半導体バンプ接続度
(n/500) 0/ 0/ 0/ 0/ 55/
樹脂充填度(m/100) 0/ 0/ 0/ 22/ 6/
第2樹脂層表面凹凸(μm) <3 <3 <3 14 10
吸湿耐熱性 異常なし 異常なし 異常なし 膨れ発生 膨れ発生
耐マイグレーション
常態 6x1014 5X1014 5X1014 3x1014 4X1014
200hrs. 4x1011 5x1011 4x1010 3x109 8x109
500hrs. 4x1010 6x1010 <108 <108 <108
700hrs. 3x1010 5x1010 − − −
1000hrs. 2x1010 3x1010 − − −
弾性率(kgf/mm2) 2101 2417 2300 − 1840
実 施 例 比 較 例
項 目 1 2 3 1 2
半導体バンプ接続度
(n/500) 0/ 0/ 0/ 0/ 55/
樹脂充填度(m/100) 0/ 0/ 0/ 22/ 6/
第2樹脂層表面凹凸(μm) <3 <3 <3 14 10
吸湿耐熱性 異常なし 異常なし 異常なし 膨れ発生 膨れ発生
耐マイグレーション
常態 6x1014 5X1014 5X1014 3x1014 4X1014
200hrs. 4x1011 5x1011 4x1010 3x109 8x109
500hrs. 4x1010 6x1010 <108 <108 <108
700hrs. 3x1010 5x1010 − − −
1000hrs. 2x1010 3x1010 − − −
弾性率(kgf/mm2) 2101 2417 2300 − 1840
<測定方法>
1)半導体バンプ接続度:半導体チップの接続不良の有無を電気的に確認した。(分母に検査数、分子に接続不良が見られた数を示す)
2)樹脂充填度:アンダーフィル樹脂の半導体チップと基板間の充填状態を超音波探査機で確認した。(分母に検査数、分子に充填不良が見られた数を示す)
3)表面凹凸: プリント配線板の半導体チップ搭載面の表面凹凸を粗さ計で測定し、最大凹凸を示した。
4)吸湿耐熱性:ハンダボールの接合していないプリント配線板を用い、JEDEC Level IIで、鉛リフローハンダ温度 Max.260℃での外観異常の有無を観察した。
5)耐マイグレーション性:表層のバンプパッド導体間距離を 50μmとした半導体チップを搭載しないプリント配線板を用い、85℃・85%RH、100VDC 印加して回路間の絶縁抵抗値を測定した。
6)弾性率: 回路導体及び孔の形成を行わずに、同様の構成で絶縁体だけの積層板を作製し、JIS C6481のDMA法に準じて弾性率を測定し、25℃の弾性率を示した。
1)半導体バンプ接続度:半導体チップの接続不良の有無を電気的に確認した。(分母に検査数、分子に接続不良が見られた数を示す)
2)樹脂充填度:アンダーフィル樹脂の半導体チップと基板間の充填状態を超音波探査機で確認した。(分母に検査数、分子に充填不良が見られた数を示す)
3)表面凹凸: プリント配線板の半導体チップ搭載面の表面凹凸を粗さ計で測定し、最大凹凸を示した。
4)吸湿耐熱性:ハンダボールの接合していないプリント配線板を用い、JEDEC Level IIで、鉛リフローハンダ温度 Max.260℃での外観異常の有無を観察した。
5)耐マイグレーション性:表層のバンプパッド導体間距離を 50μmとした半導体チップを搭載しないプリント配線板を用い、85℃・85%RH、100VDC 印加して回路間の絶縁抵抗値を測定した。
6)弾性率: 回路導体及び孔の形成を行わずに、同様の構成で絶縁体だけの積層板を作製し、JIS C6481のDMA法に準じて弾性率を測定し、25℃の弾性率を示した。
a 半導体チップ
b 半導体チップに形成されたバンプ接続用回路
c バンプ金属
d 露出した銅メッキ充填部の先端部分
e 銅メッキで充填されたブラインドビア孔
f 半導体チップ搭載基板の回路
g 半導体チップ下に存在する銅メッキ充填貫通孔(表面に導体回路有り)
h 半導体チップ下に存在する銅メッキ充填貫通孔(表面に導体回路無し)
i アンダーフィル樹脂
j 第2熱硬化性樹脂組成物層
k 積層板
l ハンダボール
m 半導体チップ接続回路から裏面回路に接続する銅メッキで充填された貫通孔
b 半導体チップに形成されたバンプ接続用回路
c バンプ金属
d 露出した銅メッキ充填部の先端部分
e 銅メッキで充填されたブラインドビア孔
f 半導体チップ搭載基板の回路
g 半導体チップ下に存在する銅メッキ充填貫通孔(表面に導体回路有り)
h 半導体チップ下に存在する銅メッキ充填貫通孔(表面に導体回路無し)
i アンダーフィル樹脂
j 第2熱硬化性樹脂組成物層
k 積層板
l ハンダボール
m 半導体チップ接続回路から裏面回路に接続する銅メッキで充填された貫通孔
Claims (6)
- 導体回路が形成された基板表面を被覆する樹脂組成物は熱硬化性樹脂組成物であり、半導体チップ搭載箇所の導体回路にブラインドビア孔及び/又は貫通孔が形成され、このブラインドビア孔及び/又は貫通孔が銅メッキで充填され、この銅メッキ充填部の先端部分が該熱硬化性樹脂組成物表面から突出した構造であることを特徴とするフリップチップ搭載用プリント配線板。
- 該銅メッキ充填部の先端部分に、半導体チップ接続用バンプ金属が付着した請求項1記載のフリップチップ搭載用プリント配線板。
- 該銅メッキ充填部の先端部分の突出した高さが、1〜10μmである請求項1又は2記載のフリップチップ搭載用プリント配線板。
- 該熱硬化性樹脂組成物が、シアン酸エステル樹脂を必須成分とする樹脂組成物である請求項1〜3のいずれかに記載のフリップチップ搭載用プリント配線板。
- 該熱硬化性樹脂組成物が、基材補強されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフリップチップ搭載用プリント配線板。
- 該熱硬化性樹脂組成物の表面凹凸が、3μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のフリップチップ搭載用プリント配線板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003418023A JP2005183449A (ja) | 2003-12-16 | 2003-12-16 | フリップチップ搭載用プリント配線板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003418023A JP2005183449A (ja) | 2003-12-16 | 2003-12-16 | フリップチップ搭載用プリント配線板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005183449A true JP2005183449A (ja) | 2005-07-07 |
Family
ID=34780341
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003418023A Pending JP2005183449A (ja) | 2003-12-16 | 2003-12-16 | フリップチップ搭載用プリント配線板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005183449A (ja) |
-
2003
- 2003-12-16 JP JP2003418023A patent/JP2005183449A/ja active Pending
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