JP2005183338A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】セパレータ材料として耐食性に富むステンレス鋼を使用することを前提とし、使用環境下での腐食を防止して不純物金属イオンの混入による耐久性能の低下を防止するとともに、セパレータと電極構造体との接触抵抗の上昇による出力性能の低下を防止した燃料電池を提供する。
【解決手段】電解質膜を燃料極と酸化極とにより挟んでなる電極構造体を、ステンレス鋼製セパレータによりさらに挟んでなる積層体を備え、上記電極構造体の燃料極側セパレータの表面のCr濃度をCr/Fe質量比で0.7〜1.3とし、上記電極構造体の酸化極側セパレータの表面のCr濃度をCr/Fe質量比で0.7未満とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、固体高分子型燃料電池に係り、特に、電極構造体の燃料極側では、セパレータの腐食を防止することにより、電解質膜等への不純物金属イオンの混入による耐久性能の低下を防止するとともに、電極構造体の酸化極側では、セパレータの電極構造体との接触抵抗を過度に高めることなく、出力性能を向上させるものである。
固体高分子電解質を用いた燃料電池は、水素を含有する燃料ガスと空気など酸素を含有する酸化剤ガスとを電気化学的に反応させることにより、電力と熱とを同時に発生させる。この燃料電池は、基本的には、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜と、高分子電解質膜の両面に形成された一対の電極、即ちアノード及びカソードとから構成される。これらの電極は、通常、白金族金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とし、高分子電解質膜の表面に形成される触媒層と、この触媒層の外面に形成され、通気性と電子伝導性とを兼備する拡散層とからなる。電極に供給される燃料ガス又は酸化剤ガスの外部へのリークや、これらのガスが混合しないように、電極の周囲には高分子電解質膜を挟んでガスシール材やガスケットが配置される。これらのシール材やガスケットは、高分子電解質膜及び電極と一体化するように予め組み立てられる。このような組立体を一般に電極構造体(以下、「MEA」と称する。)と称する。MEAの外側には、これを機械的に固定するとともに、隣接したMEAを互いに電気的に直列又は並列に接続するための導電性のセパレータが配置される。セパレータのMEAとの接触部分には、電極面に反応ガスを供給するとともに、生成ガスや余剰ガスを回収するためのガス流路が形成される。このガス流路は、セパレータと別個に設けることもできるが、セパレータの表面に溝を設けてガス流路とする方式が一般的に採用されている。
上記の溝に燃料ガス又は酸化剤ガスを供給するためには、燃料ガス又は酸化剤ガスを供給する配管を、使用するセパレータの枚数に分岐させ、その分岐先を直接セパレータの溝に連結する配管治具が必要となる。この治具をマニホールドと称し、特に上記のような燃料ガス又は酸化剤ガスの供給配管から直接連結するタイプを外部マニホールドと称する。このマニホールドには、構造をより簡単にした内部マニホールドと称する形式のものもある。内部マニホールドとは、ガス流路を形成したセパレータに、貫通した孔を設け、ガス流路の出入り口をこの孔まで連通させ、この孔から直接燃料ガス又は酸化剤ガスを供給するものである。燃料電池は、運転中に発熱するので、電池を良好な温度状態に維持するために、冷却水等で冷却する必要がある。その冷却態様としては、通常、1〜3セル毎に、冷却水を流す冷却部が設けられる態様がある。また、この冷却部の形式には、一のセパレータと他のセパレータとの間に挿入する形式と、セパレータの背面に冷却水流路を設けて冷却部とする形式とがあり、特に後者が多く利用されている。
これらのMEAとセパレータ及び冷却部とを交互に積層して、10〜200セルの積層体を作製し、その積層体を集電板と絶縁板とを介して端板で挟み、締結ボルトで両端から固定すると、一般的な積層電池が得られる。このような高分子電解質型燃料電池では、セパレータは導電性が高く、且つ燃料ガス及び酸化剤ガスに対して気密性が高く、さらに水素又は酸素を酸化又は還元する際の反応に対して高い耐食性を具備する必要がある。このような理由から、従来のセパレータは、通常、グラッシーカーボンや膨張黒鉛などのカーボン材料で構成され、ガス流路もその表面の切削や、膨張黒鉛の場合は型による成型により作製されていた。しかしながら、これらの材料は、ガスリークの防止のために緻密化する工程が必須となり、しかも材料が脆いため、加工が困難でその加工費が高くなり、燃料電池価格の高騰の要因となっていた。
近年、上記コストを低減するため、燃料電池に関し、種々の提案がなされている。例えば、セパレータ材料として金属板を用い、プレスやパンチング加工によりセパレータを得る手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、金属板に上記加工手段のみを施してセパレータを得た場合には、セパレータの腐食により電池の集電抵抗が増加し、耐久性能が低下するという問題がある。
また、上記問題を解決する技術として、セパレータの腐食及び溶解を抑制すべく、表面に凹凸を形成したステンレス鋼からなり、且つその表面がCr富化された不動態皮膜で覆われている導電性セパレータ板が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、上記ステンレス鋼表面のCr濃度を富化する手段では、十分な耐酸化性は得られるものの、MEAの燃料極に対向するセパレータ(以下、「燃料極側セパレータ」と称する。)の表面のみならず、酸化極に対向するセパレータ(以下、「酸化極側セパレータ」と称する。)の表面においても強固な不動態皮膜が形成されるため、MEAとの接触抵抗が過度に高くなり、初期性能として、優れた出力性能を得ることができないという問題がある。
さらに、セパレータ表面のCr濃度の規定はないが、酸化極側セパレータの表面を粗面化し、その後に不動態皮膜を形成する技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、この技術においては、酸化極側セパレータの表面にTiN等の不動態皮膜を形成することから、加工費が嵩むという問題がある。このような従来技術の種々の問題から、特に、セパレータの腐食による耐久性能の低下を防止するとともに、MEAとの接触抵抗の過度な上昇による出力性能の低下を防止した燃料電池の開発が要請されていた。
特開平8−180883号公報(発明の詳細な説明) 特開2002−270196号公報(特許請求の範囲) 特開2003−123783号公報(特許請求の範囲)
本発明は、上記要請に鑑みてなされたものであり、使用環境下でのセパレータの腐食による耐久性能の低下を防止するとともに、MEAとの接触抵抗の過度な上昇による出力性能の低下を防止した燃料電池を提供することを目的としている。
ステンレス鋼製セパレータを組み込んだ燃料電池の耐久性能を劣化させる要因の一つとしては、ステンレス鋼製セパレータから溶出した不純物金属イオンによって電極触媒やイオン交換膜が汚染されることが挙げられる。即ち、酸性水溶液に接触するセパレータ表面から不純物金属イオンが溶出すると、電解触媒やイオン交換膜を汚染し、電解触媒等の集電抵抗が増大することによって耐久性能が劣化する。本発明者等は、従来のステンレス鋼製セパレータを燃料電池に組み込み、燃料極側セパレータ及び酸化極側セパレータの双方について、一定時間発電前後のMEAとの接触抵抗と、一定時間発電後の表面性状とについて調査した。発電前後の両極側セパレータの接触抵抗を表1に示す。
Figure 2005183338
表1によれば、燃料極側セパレータ及び酸化極側セパレータについて、発電後の接触抵抗は共に上昇していないことが判る。また、表面性状については、発電後の各セパレータ表面を電子顕微鏡により観察した。その結果を図1(a),(b)にそれぞれ示す。これらの図によれば、燃料極側セパレータ表面には金属溶出の痕跡であるファセットがみられるが、酸化極側セパレータ表面にはファセットはみられない。この理由は以下のとおりである。即ち、燃料極側セパレータ表面は、水素による還元性雰囲気下にあるため、不動態皮膜は成長せず、またセパレータがステンレス鋼の活性溶解電位付近に位置するため、不純物金属イオンが溶出し易い。これに対し、酸化極側セパレータ表面は、酸素による酸化性雰囲気下にあるため、基本的には不動態皮膜が成長する。さらに、酸化極側セパレータ表面の不動態皮膜はその安定領域にあるため、上記電子の導通する部分以外についても不純物金属イオンの溶出が防止される。
本発明者等は、上記接触抵抗及び表面性状の結果に基づき、以下の知見を得た。即ち、燃料極側セパレータについては、表面から不純物金属イオンが溶出し、長期的には電解質膜を汚染する。このため、電解質膜の集電抵抗が上昇し、これに伴って、電解質膜でのジュール熱による損失が増大することから、結果的に電池の耐久性能が低下する。よって、燃料極側セパレータからの不純物金属イオンの溶出を防止すれば、電解質膜の集電抵抗の上昇による耐久性能の低下を防止することができる。また、酸化極側セパレータについては、セパレータのMEAとの接触抵抗が高い場合には、初期性能としての出力性能を十分に得ることができない。よって、酸化極側セパレータのMEAとの接触抵抗を低下させれば、出力性能を十分に得ることができる。
さらに、本発明者等は、燃料極側セパレータについて不純物金属イオンの溶出を防止するとともに、酸化極側セパレータについて接触抵抗を低下させる具体的手段について検討した。その結果、セパレータ表面への不動態化処理を燃料極側セパレータにのみ行い、これによって燃料極側セパレータについては表面のCr濃度を高める一方、酸化極側セパレータについては表面のCr濃度を高めないことが適当であるとの知見を得た。また、燃料極側セパレータへの具体的な不動態化処理については、硝酸、硝ふっ酸等へのステンレス製セパレータの浸漬により、不動態皮膜中のCr/Fe質量比を0.7〜1.3とすることが適当であるとの知見を得た。一方、酸化極側セパレータについては、事前に不動態化処理を施すことにより、初期の接触抵抗が増大してしまうことに鑑みれば、不動態化処理を施さずに初期の接触抵抗を過度に高めないことが好ましく、しかも酸化極側セパレータからの金属溶出は、自然酸化によって形成される不動態皮膜によって十分に防止できるとの知見を得た。また、酸化極側セパレータ表面のCr/Fe質量比を0.7未満とすることが適当であるとの知見も併せて得た。ここで、Cr/Fe質量比とは、不動態皮膜中の最大Cr/Fe比を意味する。
本発明の燃料電池は、これらの知見に鑑みてなされたものであり、電解質膜を燃料極と酸化極とにより挟んでなるMEAを、ステンレス鋼製セパレータによりさらに挟んでなる積層体を備えるものであって、燃料極側セパレータの表面のCr濃度がCr/Fe質量比で0.7〜1.3であり、酸化極側セパレータの表面のCr濃度がCr/Fe質量比で0.7未満であることを特徴としている。
本発明によれば、燃料極側セパレータのみに不動態化処理を行うことで、使用環境下での燃料極側セパレータの腐食を防止して不純物金属イオンの混入による耐久性能の低下を防止するとともに、酸化極側セパレータのMEAとの接触抵抗の上昇による出力性能の低下を防止した燃料電池を提供することができる。よって、本発明の燃料電池は、長時間にわたって高位に安定した出力性能を発揮することができる。
本発明の燃料電池を製造するにあたり、セパレータ基材として使用するステンレス鋼板は、燃料電池の使用雰囲気で必要な耐食性を具備する限り、鋼種に特段の制約が加わるものではない。具体的には、種々のフェライト系、オーステナイト系又は二相系等のステンレス鋼板を使用することができる。これらのステンレス鋼板の成分組成は、必要な耐酸化性を確保する上で、12質量%以上のCrを含有することが好ましい。また、ステンレス鋼板の板厚は、燃料電池の組み立てを考慮すると、0.05〜0.3mmであることが好ましい。
燃料電池の使用環境下では、ステンレス鋼製セパレータの表面には、大気中で自然に生成した不動態皮膜が形成されている。このような不動態皮膜生成状況下では、酸化極側セパレータ表面は、酸化性雰囲気に曝されても、十分な耐酸化性を呈する。このため、酸化極側セパレータ表面にはさらに不動態化処理を行う必要はない。これに対し、燃料極側セパレータ表面は、還元性雰囲気に曝されると、十分な耐酸化性を呈さず、不純物金属イオンの溶出を招来する。このため、燃料極側セパレータ表面には、大気中で自然に生成した不動態皮膜の他に、さらに不動態化処理を行う必要がある。この不動態化処理の手段としては、硝酸及び硝ふっ酸等の酸化性の酸へのセパレータの浸漬を採用することができる。なお、塩酸のような塩素イオンを含む溶液中にセパレータを浸漬した場合には、ステンレス鋼表面にピッティングが発生し、十分な耐食性が得られない。
上記のように、硝酸及び硝ふっ酸中にセパレータを浸漬する場合には、不動態皮膜を適度に成長させるために、硝酸濃度を5〜30質量%とすることが好ましい。硝酸濃度が5質量%未満では、不動態皮膜が十分に成長しない。これに対し、硝酸濃度が30質量%を超えると、不動態皮膜が厚く成長し過ぎ、初期の接触抵抗を増大させる。また、溶液の温度範囲は20〜80℃以下が好ましい。溶液の温度が20℃未満では不動態皮膜が成長する時間が多大になる一方、80℃を超えると不動態皮膜のCr組成を制御し難くなるだけでなく、酸ヒュームにより作業環境が悪化する。
以上のように、燃料極側セパレータに不動態化処理を施す一方、酸化極側セパレータには不動態化処理を施さずに、これらのセパレータをMEAの両側に設置して燃料電池を組み立てた場合には、腐食環境が厳しい燃料極側セパレータ表面では、不純物金属イオンの溶出が防止されることから、優れた耐久性能が得られる。また、腐食環境が比較的穏やかな酸化極側セパレータ表面では、過剰な不動態皮膜の生成を防止することから、優れた接触抵抗が得られ、結果的に出力性能が向上する。その結果、ジュール発熱による損失等が抑えられ、長期間にわたって高い発電効率を保持することができる。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明する。
先ず、ステンレス鋼製セパレータ表面に施した不動態化処理について説明する。セパレータ表面からの不純物金属イオンの溶出を防止するため、セパレータ表面に、硝酸で処理することによりCr富化した不動態皮膜を形成した。本発明例1〜3では、50質量%の硝酸水溶液中に表2に示す組成のステンレス鋼を浸漬し、浸漬温度を50℃とするとともに、浸漬時間を5分、30分又は120分とした。比較例1,2では、不動態化処理を施さないものと、50質量%硝酸水溶液中で24時間煮沸を行ったものとをサンプルとした。次いで、これらの不動態皮膜の組成を、オージェ電子分光法により分析した。表3に、各本発明例及び各比較例の不動態皮膜中のCr/Feの最大比の測定結果と、不動態化処理後のカーボンペーパーとの15kgf/cm負荷時の接触抵抗の測定結果とを示す。
Figure 2005183338
Figure 2005183338
表3から明らかなように、本発明例1〜3においては、不動態化処理を施すことにより、比較例1に比して不動態皮膜中の最大Cr/Fe比は増加している。また、24時間煮沸処理を行った比較例2は、比較例1に比して、Cr/Fe比の増加と同時に、カーボンペーパーとの接触抵抗も増加している。これは煮沸処理を行った比較例2は表面が黄色を呈しており、不動態皮膜中のCr/Fe比が増加しただけでなく、不動態皮膜の厚さも増加したためである。
以上の実施例1の結果に基づき、燃料電池の燃料極側セパレータと酸化極側セパレータとの組み合わせについて、以下に示す(1)〜(4)の各タイプを用意した。
(1)燃料極側セパレータとして、表2に示す組成のステンレス鋼板をセパレータ形状に加工した後、50℃、50質量%硝酸中にて30分間不動態化処理を行ったステンレス鋼製セパレータを用意するとともに、酸化極側セパレータとして、表2に示す組成のステンレス鋼板をセパレータ形状に加工したままのステンレス鋼製セパレータを用意した。
(2)燃料極側セパレータとして、表2に示す組成のステンレス鋼板をセパレータ形状に加工したままのステンレス鋼製セパレータを用意するとともに、酸化極側セパレータとして、燃料極側セパレータと同じものを用意した。
(3)燃料極側セパレータとして、表2に示す組成のステンレス鋼板をセパレータ形状に加工したままのステンレス鋼製セパレータを用意するとともに、酸化極側セパレータとして、表2に示す組成のステンレス鋼板をセパレータ形状に加工した後、50℃、50質量%硝酸中にて30分間不動態化処理を行ったステンレス鋼製セパレータを用意した。
(4)燃料極側セパレータとして、表2に示す組成のステンレス鋼板をセパレータ形状に加工した後、50℃、50質量%硝酸中にて30分間不動態化処理を行ったステンレス鋼製セパレータを用意するとともに、酸化極側セパレータとして、燃料極側セパレータと同じものを用意した。
上記(1)〜(4)の各タイプにおいて、各セパレータを燃料電池の燃料極側及び酸化極側に組み込み、燃料電池を組み立て、本発明例4の燃料電池及び比較例3〜5の各燃料電池を得た。これらの燃料電池には、燃料ガスとして水素を使用するとともに、酸化剤ガスとして空気を使用し、0.5A/cmで200時間連続運転した。さらに、発電終了後、ステンレス鋼製セパレータの腐食状態を観察するとともに、カーボンペーパーに対する15kgf/cm負荷時の接触抵抗を測定した。これらの結果を表4に示す。
Figure 2005183338
表4から明らかなように、腐食状況について、燃料極側セパレータに不動態化処理を施した燃料電池(本発明例4及び比較例5)は、燃料極側セパレータ及び酸化極側セパレータの双方共に腐食の痕跡はみられなかった。これに対し、燃料極側セパレータに不動態化処理を施した燃料電池(比較例3,4)は、燃料極側セパレータの表面にファセットが発生し、腐食の痕跡がみられた。
また、表4から明らかなように、接触抵抗については、いずれの燃料電池においても、燃料極側セパレータ及び酸化極側セパレータの双方の接触抵抗の増加はみられなかった。
以上の結果から明らかなように、燃料極側セパレータにのみ不動態化処理を施したステンレス鋼製セパレータを組み込んだ燃料電池(本発明例4)は、過酷な腐食環境に曝される燃料極側でも腐食の発生はなく、また酸化極側の初期の接触抵抗の増加もないため、長時間運転後においても高い発電効率を有することが判る。
本発明の燃料電池は、高い発電効率を長時間にわたって維持することが要請されている各種電源として使用することができ、特に、自動車産業、電機機器産業、並びに通信産業等の幅広い分野で使用することができる。
従来のセパレータの一定時間発電後の表面性状を示す写真であり、(a)は燃料極側セパレータを示し、(b)は酸化極側セパレータを示す。

Claims (1)

  1. 電解質膜を燃料極と酸化極とにより挟んでなる電極構造体を、ステンレス鋼製セパレータによりさらに挟んでなる積層体を備える燃料電池において、前記電極構造体の燃料極に対向する前記セパレータの表面のCr濃度が、Cr/Fe質量比で0.7〜1.3であり、前記電極構造体の酸化極に対向する前記セパレータの表面のCr濃度が、Cr/Fe質量比で0.7未満であることを特徴とする燃料電池。
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