JP2005183308A - 燃料電池用電圧検出装置の接続異常検出方法及び燃料電池の異常検出方法 - Google Patents

燃料電池用電圧検出装置の接続異常検出方法及び燃料電池の異常検出方法 Download PDF

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実 越沼
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Abstract

【課題】電圧検出装置の接続異常を確実に検出するとともに、組み替え工数を大幅に削減して電圧検出作業を迅速且つ効率的に遂行することを可能にする。
【解決手段】電圧検出部62の電圧検出用端子66を第2金属セパレータ26の端子接続部28に接触させた状態で、アノード側電極38に不活性ガスを供給する一方、カソード側電極40に空気を供給する工程と、前記電圧検出部62により発電セル14の開回路電圧を検出する工程と、検出された前記開回路電圧の異常の有無から前記検出端子66の接続異常の有無を検出する工程とを有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、電解質膜の両側にアノード側電極とカソード側電極を設けた電解質膜・電極構造体が、セパレータにより挟持された発電セルを備える燃料電池の電圧を検出する燃料電池用電圧検出装置の接続異常検出方法及び燃料電池の異常検出方法に関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる固体高分子電解質膜を採用している。この燃料電池は、固体高分子電解質膜の両側に、それぞれ電極触媒と多孔質カーボンからなるアノード側電極及びカソード側電極を対設して構成される電解質膜・電極構造体を、セパレータ(バイポーラ板)によって挟持している。
この燃料電池において、アノード側電極に供給された燃料ガス、例えば、主に水素を含有するガス(以下、水素含有ガスともいう)は、電極触媒上で水素がイオン化され、電解質膜を介してカソード側電極側へと移動する。その間に生じた電子は外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。
この種の燃料電池は、所望の発電性能を有しているか否かを検出するために、通常、電圧検出装置を用いてセル電圧を検出することが行われている。例えば、特許文献1には、燃料電池のセル電圧検出構造が開示されている。
この特許文献1は、図7に示すように、複数の単セル1が積層された燃料電池スタック2を備えており、各単セル1は、電解質膜3を一対の電極4で挟持し、さらにその外側を一対のセパレータ5で挟持することにより構成されている。セパレータ5は、角部に面取り部5aを設けており、隣接する2つのセパレータ5の面取り部5a同士が対向することにより、V溝6が形成されている。
各単セル1のセパレータ5には、セル電圧を検出するための端子7が各V溝6に挿入されて接触している。この状態で、燃料電池スタック2に燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されて発電が行われることにより、各単セル1のセル電圧が端子7により検出され、前記単セル1が正常に動作しているか否かの検査がなされている。
一方、特許文献2には、膜電極構造体を挟持するプレス成形されたセパレータを備える燃料電池の電圧検出構造が開示されている。
この特許文献2では、図8に示すように、プレス成形された金属製のセパレータ8に端子接続部9が設けられており、この端子接続部9は、周縁側に凹部9aが形成されるとともに、この凹部9aの内側が凸部9bとなっている。この端子接続部9には、電圧検出用端子7aが接続され、各セパレータ8の電圧を検出して燃料電池セルの電圧を検出するように構成されている。
ところで、上記の特許文献1では、各単セル1間に設けられているV溝6に端子7が確実に挿入されない場合がある。例えば、図9に示すように、V溝6に配置されている端子7に対して隣接する他の端子7が接触してしまい、前記端子7の接続異常が発生するおそれがある。
一方、上記の特許文献2においても同様に、図10に示すように、2つの端子接続部9が1つの端子7aに接触してしまい、前記端子7aの接続異常が発生するおそれがある。
そこで、一般的には、電圧検出装置(セル電圧監視モニタ)を燃料電池スタックに取り付け、この燃料電池スタックに燃料ガス及び酸化剤ガスを流して発電させ、燃料電池の開回路電圧(OCV)を検出することによって、前記電圧検出装置の取り付け異常の有無を確認する方法が行われている。ここで、開回路電圧とは、負荷をかけない状態(電流を流さない状態)でのカソード側電極とアノード側電極との間の電位差をいう。
特開2002−184434号公報(図4) 特開2003−115304号公報(図3)
上記の従来方法では、端子7、7aの接続異常を検出するために燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されている。従って、接続異常が検出された際には、単セル同士及びセパレータ間の短絡を防止するために、不活性ガスを用いて燃料電池スタック内をパージした後、端子7、7aを付け替える必要がある。このため、電圧検出装置の接続異常が発生した際の段取り工程数が多大となり、作業全体が煩雑で且つ時間のかかるものとなるとともに、特に燃料ガスがパージされて不経済であるという問題がある。
また、電圧検出装置を用いてセル電圧を検出する際に、正常でない発電セルが検出されると、不活性ガスを用いて燃料電池スタックをパージした後、前記燃料電池スタックを分解して異常な発電セルを取り出す作業が必要である。これにより、発電セルの取り換え作業が煩雑化するとともに、不経済であるという問題がある。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、電圧検出装置の接続異常を確実に検出するとともに、組み替え工数を大幅に削減して電圧検出作業を迅速且つ効率的に遂行することが可能な燃料電池用電圧検出装置の接続異常検出方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、燃料電池の異常を容易に検出するとともに、異常発生時に、前記燃料電池を迅速且つ確実に分解及び再組み付けすることが可能な燃料電池の異常検出方法を提供することを目的とする。
本発明に係る燃料電池用電圧検出装置の接続異常検出方法では、電圧検出装置の検出端子をセパレータに接触させた状態で、アノード側電極に不活性ガスを供給する一方、カソード側電極に空気を供給する工程と、前記電圧検出装置により発電セルの開回路電圧を検出する工程と、検出された前記開回路電圧の異常の有無から前記検出端子の接続異常の有無を検出する工程とを有している。
また、検出された開回路電圧の少なくとも1つが設定電圧以下である際、異常であると判定することが好ましい。さらに、検出された開回路電圧が所定の時間内に所定の電圧値以下になる際、異常であると判定することが好ましい。
さらにまた、本発明に係る燃料電池の異常検出方法では、アノード側電極に不活性ガスを供給する一方、カソード側電極に空気を供給しながら、前記発電セルの開回路電圧を検出することにより、該発電セルの異常の有無を検出している。
本発明では、アノード側電極に不活性ガスを供給する一方、カソード側電極に空気を供給した状態で、開回路電圧を検出するため、検出される電圧が微弱となる。従って、発電セルやセパレータが短絡しても、多大な電流が流れることがない。これにより、電圧検出装置の接続異常が検出された際に、燃料ガスのパージが不要になって、組み替え工数を大幅に削減することができ、電圧検出作業を迅速且つ効率的に遂行することが可能になる。しかも、大量の燃料ガスが廃棄されることがなく、経済的である。
また、本発明では、燃料電池の異常を容易に検出するとともに、異常発生時に、前記燃料電池を迅速且つ確実に分解及び再組み付けすることができる。しかも、燃料ガスのパージが不要になって、経済的である。
図1は、本発明を実施するための設備10の概略構成図である。この設備10は、燃料電池12を備え、前記燃料電池12は、複数の発電セル14を矢印A方向に積層してスタックを構成する(図1及び図2参照)。
発電セル14の積層方向両端部には、負極側ターミナルプレート16a及び正極側ターミナルプレート16bと、絶縁プレート18a、18bと、エンドプレート20a、20bとが、順次、設けられる。エンドプレート20a、20bが図示しないタイロッド等によって締め付けられることにより、燃料電池12が組み付けられる。
図3に示すように、発電セル14は、電解質膜・電極構造体22と、この電解質膜・電極構造体22を挟持する第1及び第2金属セパレータ24、26とを備える。第1及び第2金属セパレータ24、26には、後述する連通孔の周囲及び電極面(発電面)の外周を覆って、シール材が一体成形されている。
第2金属セパレータ26には、矢印C方向上部一端側に位置して端子接続部28が一体的に設けられる。この端子接続部28には、シール材が設けられていない。なお、第1及び第2金属セパレータ24、26に代替して、例えば、カーボンセパレータを使用してもよい。
発電セル14の矢印B方向の一端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス供給連通孔30a、冷却媒体を排出するための冷却媒体排出連通孔32b、及び燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出するための燃料ガス排出連通孔34bが、矢印C方向(鉛直方向)に配列して設けられる。
発電セル14の矢印B方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを供給するための燃料ガス供給連通孔34a、冷却媒体を供給するための冷却媒体供給連通孔32a、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス排出連通孔30bが、矢印C方向に配列して設けられる。
電解質膜・電極構造体22は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜36と、該固体高分子電解質膜36を挟持して保持するアノード側電極38及びカソード側電極40とを備える(図2及び図3参照)。
アノード側電極38及びカソード側電極40は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層と、白金合金が表面に支持された多孔質カーボン粒子を前記ガス拡散層の表面に一様に塗布した電極触媒層とをそれぞれ有する。電極触媒層は、固体高分子電解質膜36の両面に接合されている。
図3に示すように、第1金属セパレータ24の電解質膜・電極構造体22に向かう面24aには、酸化剤ガス供給連通孔30aと酸化剤ガス排出連通孔30bとに連通する酸化剤ガス流路46が設けられる。酸化剤ガス流路46は、例えば、矢印B方向に延びて存在する複数の溝部(図示せず)とカソード側電極40との間に形成される。
第2金属セパレータ26の電解質膜・電極構造体22に向かう面26aには、燃料ガス供給連通孔34aと燃料ガス排出連通孔34bとに連通する燃料ガス流路48が形成される。この燃料ガス流路48は、例えば、矢印B方向に延びて存在する複数の溝部とアノード側電極38との間に形成される。
第1金属セパレータ24の面24bと第2金属セパレータ26の面26bとの間には、冷却媒体供給連通孔32aと冷却媒体排出連通孔32bとに連通する冷却媒体流路50が形成される。この冷却媒体流路50は、第1金属セパレータ24に設けられる複数の溝部と、第2金属セパレータ26に設けられる複数の溝部とを重ね合わせることにより、矢印B方向に延びて一体的に構成される。
図1に示すように、設備10は、燃料電池12のセル電圧を検出する電圧検出装置60を備える。電圧検出装置60は、燃料電池12に装着される電圧検出部62と、前記電圧検出部62で検出されるセル電圧を表示する電圧表示部(電圧モニタ)64とを設ける。図4に示すように、電圧検出部62は、各発電セル14を構成する第2金属セパレータ26の端子接続部28に電気的に接続される複数の電圧検出用端子66を備える。
図1に示すように、設備10は、燃料電池12を構成する燃料ガス供給連通孔34aに燃料ガスに代えて不活性ガス、例えば、窒素ガスを供給するための不活性ガス供給部70と、前記燃料電池12を構成する酸化剤ガス供給連通孔30aに空気を供給するための空気供給部72とを備える。なお、不活性ガスとして、不活性ガスにより十分に希釈された、例えば、2%以下程度に希釈された水素ガスを使用してもよい。
不活性ガス供給部70は、燃料ガス供給連通孔34aに連通する不活性ガス供給流路74を備える。この不活性ガス供給流路74には、高圧窒素を貯留する窒素タンク76と、前記窒素タンク76から供給される窒素ガスの圧力を減圧するレギュレータ78とが配設される。
空気供給部72は、酸化剤ガス供給連通孔30aに連通する空気供給流路82を備え、この空気供給流路82には、コンプレッサ(又はスーパーチャージャ)84が配設される。
次いで、電圧検出装置60の接続異常検出方法について説明する。
先ず、複数の発電セル14を矢印A方向に積層するとともに、前記発電セル14の積層方向両端部には、負極側ターミナルプレート16a及び正極側ターミナルプレート16bと、絶縁プレート18a、18bと、エンドプレート20a、20bとが、順次、設けられる。そして、エンドプレート20a、20bが図示しないタイロッド等によって締め付けられることにより、燃料電池12が組み付けられる。その際、負極側ターミナルプレート16a及び正極側ターミナルプレート16bには、外部負荷が電気的に接続されていない。
この燃料電池12に電圧検出装置60が装着された状態で、燃料電池12を構成する燃料ガス供給連通孔34aに不活性ガス供給部70が連通するとともに、前記燃料電池12を構成する酸化剤ガス供給連通孔30aに空気供給部72が連通する。
そこで、不活性ガス供給部70では、窒素タンク76から不活性ガス供給流路74に窒素ガスが供給され、この窒素ガスは、レギュレータ78を介して所定の圧力に調整された後、燃料電池12の燃料ガス供給連通孔34aに供給される。従って、窒素ガスは、燃料ガス供給連通孔34aから各発電セル14の燃料ガス流路48を通って燃料ガス排出連通孔34bに排出される。
一方、空気供給部72では、コンプレッサ84の作用下に空気供給流路82に空気が供給されると、この空気は、燃料電池12の酸化剤ガス供給連通孔30aに供給される。この空気は、酸化剤ガス供給連通孔30aから各発電セル14の酸化剤ガス流路46を通って酸化剤ガス排出連通孔30bに排出される。
上記のように、燃料ガス供給連通孔34aに窒素ガスが供給される一方、酸化剤ガス供給連通孔30aに空気が供給されると、各発電セル14で発電が行われて微弱な電圧(開回路電圧)が発生する。
このため、各発電セル14に発生する電圧は、各第2金属セパレータ26の端子接続部28に電気的に接続される複数の電圧検出用端子66を介して電圧検出部62により検出され、電圧表示部64に表示される。そして、各発電セル14から発生する電圧が、例えば、図5に示されるとともに、検出された電圧と時間との関係が、例えば、図6に示される。
その際、いずれかの発電セル14を構成する第2金属セパレータ26の端子接続部28が、隣接する端子接続部28と一緒に同一の電圧検出用端子66に電気的に接続されると、接続異常が発生した発電セル14(セルNo.n)の電圧(開回路電圧)が低下する(図5参照)。従って、検出された各発電セル14の電圧の中、少なくとも1つの電圧が設定電圧V1以下になる際、端子接続部28と電圧検出用端子66との接続異常が発生していると判定される。
同様に、図6に示すように、検出された電圧が、所定の時間内に所定の電圧値V2以下になる際、端子接続部28と電圧検出用端子66との接続異常が発生していると判定される。
上記のように、発電セル14を構成する端子接続部28と電圧検出用端子66との接続異常が検出されると、不活性ガス供給部70及び空気供給部72の駆動が停止される。次に、電圧検出部62が燃料電池12から一旦取り外され、各第2金属セパレータ26の端子接続部28が調整された後、再度、前記燃料電池12に装着される。
この場合、本実施形態では、燃料ガス供給連通孔34aに不活性ガス、例えば、窒素ガスが供給されるとともに、酸化剤ガス供給連通孔30aに空気が供給された状態で、開回路電圧を検出している。このため、各発電セル14では、検出される電圧が微弱となり、前記発電セル14や第1及び第2金属セパレータ24、26が短絡しても、多大な電流が流れることがない。
これにより、電圧検出部62の接続異常が検出された際に、従来の不活性ガスによるパージが不要になって、組み替え工数を大幅に削減することができ、電圧検出作業を迅速且つ効率的に遂行することが可能になるという効果が得られる。しかも、燃料ガスが廃棄されることがなく、経済的である。
次いで、電圧検出部62が燃料電池12に良好に接続されたことが検出されると、この燃料電池12が図示しない外部負荷に接続されて通常の発電が行われる。すなわち、図2に示すように、燃料電池12内では、複数の発電セル14に水素含有ガス等の燃料ガス、空気等の酸素含有ガスである酸化剤ガス、及び純水やエチレングリコールやオイル等の冷却媒体が供給される。
図3に示すように、各発電セル14では、燃料ガス供給連通孔34aから第2金属セパレータ26の燃料ガス流路48に燃料ガスが導入され、この燃料ガスが電解質膜・電極構造体22を構成するアノード側電極38に沿って移動する。一方、酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給連通孔30aから第1金属セパレータ24の酸化剤ガス流路46に導入され、電解質膜・電極構造体22を構成するカソード側電極40に沿って移動する。
従って、電解質膜・電極構造体22では、アノード側電極38に供給される燃料ガスと、カソード側電極40に供給される酸化剤ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費され、発電が行われる。
次いで、アノード側電極38に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス排出連通孔34bに沿って矢印A方向に排出される。同様に、カソード側電極40に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス排出連通孔30bに沿って矢印A方向に排出される。
さらに、冷却媒体供給連通孔32aに供給された冷却媒体は、第1及び第2金属セパレータ24、26間の冷却媒体流路50に導入された後、矢印B方向に沿って流通する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体22を冷却した後、冷却媒体排出連通孔32bから排出される。
ところで、本実施形態では、設備10を使用して燃料電池12を構成する発電セル14の異常検出を行うことができる。
具体的には、燃料電池12に電圧検出装置60が装着された状態で、この燃料電池12に不活性ガス供給部70及び空気供給部72が連結される。そして、不活性ガス供給部70から燃料電池12の燃料ガス供給連通孔34aに窒素ガスが供給されるとともに、空気供給部72から前記燃料電池12の酸化剤ガス供給連通孔30aに空気が供給され、各発電セル14に微弱電圧を発生させる。
その際、電圧検出部62を介して、発電セル14の開回路電圧を検出し、検出された前記開回路電圧が設定電圧以下である発電セル14、又は検出された前記開回路電圧が所定の時間内に所定の電圧値以下になった発電セル14を、異常と判定する。
燃料電池12中に異常な発電セル14が存在していることが検出されると、不活性ガス供給部70及び空気供給部72の駆動が停止され、前記燃料電池12の分解が開始される。すなわち、図示しないタイロッド等が弛緩されて、燃料電池12の締め付け荷重が開放された後、異常な発電セル14が前記燃料電池12から取り出されて、新たな発電セル14が組み付けられる。
この場合、発電セル14の異常の有無を検出する際に、燃料ガス供給連通孔34aに不活性ガス、例えば窒素ガスが供給されており、各発電セル14で検出され、電圧(開回路電圧)が微弱となる。これにより、発電セル14に異常が検出された際、従来の不活性ガスよるパージが不用になって、前記発電セル14の交換作業工数が大幅に削減され、良好な燃料電池12を迅速且つ効率的に組み立てることが可能になるという効果が得られる。しかも、燃料ガスが廃棄されることがなく、経済的であるという利点がある。
なお、本実施形態では、第1及び第2金属セパレータ24、26を含む燃料電池12を用いて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図7に示す特許文献1に係る単セル1を構成するセパレータ5を用いても、同様の効果が得られる。
本発明を実施するための設備の概略構成図である。 前記設備に使用される燃料電池の概略断面図である。 前記燃料電池を構成する発電セルの分解斜視説明図である。 前記燃料電池及び電圧検出部の説明図である。 発電セル毎の開回路電圧の説明図である。 時間の経過と開回路電圧との関係説明図である。 特許文献1のセル電圧検出構造の説明図である。 特許文献2のセル電圧検出構造の説明図である。 前記特許文献1の接続異常の説明図である。 前記特許文献2の接続異常の説明図である。
符号の説明
10…設備 12…燃料電池
14…発電セル 16a…負極側ターミナルプレート
16b…正極側ターミナルプレート 18a、18b…絶縁プレート
20a、20b…エンドプレート 22…電解質膜・電極構造体
24、26…金属セパレータ 28…端子接続部
30a…酸化剤ガス供給連通孔 30b…酸化剤ガス排出連通孔
32a…冷却媒体供給連通孔 32b…冷却媒体排出連通孔
34a…燃料ガス供給連通孔 34b…燃料ガス排出連通孔
36…固体高分子電解質膜 38…アノード側電極
40…カソード側電極 46…酸化剤ガス流路
48…燃料ガス流路 50…冷却媒体流路
60…電圧検出装置 62…電圧検出部
64…電圧表示部 66…電圧検出用端子
70…不活性ガス供給部 72…空気供給部

Claims (4)

  1. 電解質膜の両側にアノード側電極とカソード側電極を設けた電解質膜・電極構造体が、セパレータにより挟持された発電セルを備える燃料電池に配設され、セル電圧を検出する電圧検出装置において、前記セパレータに接触する検出端子の接続異常を検出する方法であって、
    前記検出端子を前記セパレータに接触させた状態で、前記アノード側電極に不活性ガスを供給する一方、前記カソード側電極に空気を供給する工程と、
    前記電圧検出装置により前記発電セルの開回路電圧を検出する工程と、
    検出された前記開回路電圧の異常の有無から前記検出端子の接続異常の有無を検出する工程と、
    を有することを特徴とする燃料電池用電圧検出装置の接続異常検出方法。
  2. 請求項1記載の接続異常検出方法において、検出された前記開回路電圧の少なくとも1つが設定電圧以下である際、異常であると判定することを特徴とする燃料電池用電圧検出装置の接続異常検出方法。
  3. 請求項1記載の接続異常検出方法において、検出された前記開回路電圧が所定の時間内に所定の電圧値以下になる際、異常であると判定することを特徴とする燃料電池用電圧検出装置の接続異常検出方法。
  4. 電解質膜の両側にアノード側電極とカソード側電極を設けた電解質膜・電極構造体が、セパレータにより挟持された発電セルを備える燃料電池の異常検出方法であって、
    前記アノード側電極に不活性ガスを供給する一方、前記カソード側電極に空気を供給しながら、前記発電セルの開回路電圧を検出することにより、該発電セルの異常の有無を検出することを特徴とする燃料電池の異常検出方法。

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