以下、本発明の各実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図2〜図8を用いて、本発明の第1実施形態について説明する。まず、図2を用いて、本発明の第1形態に係るシステム構成について説明する。図2は、第1形態の健康維持支援システムを実現するための構成を例示する図である。
本健康維持支援システムの核となる支援装置1は、病院内、或いは、併設される事務所内に装備される。この支援装置1は、例えば、デスクトップコンピュータで具現化されるインターネットサーバであり、インターネットテレビ電話101等が接続されている。支援装置1は、インターネットを介して、利用者端末3に通信接続されている。なお、支援装置1については、図3を用いて補足説明する。
インターネットテレビ電話101は、支援装置1等のコンピュータを介してインターネットに接続されて、利用者側のインターネットテレビ電話301との間で、通話と共に双方向の画像情報送受信が可能な、周知の機器が利用される。これらインターネットテレビ電話101及び301は、例えば、医師と利用者が後述の説明と同意を実施する際に利用される。
利用者端末3は、この健康維持支援システムの利用者宅内、或いは、所属会社内に装備される。利用者端末3は、例えばデスクトップ型コンピュータやノート型コンピュータで具現化されるインターネット端末であり、インターネットテレビ電話301やバイタルセンサ機器302等が接続されている。利用者端末3は、表示部、操作部、記憶部、通信機能や情報処理機能を有する制御部を含んで構成される。
バイタルセンサ機器302は、利用者の体温、脈拍、血圧等のバイタル情報を取得する、例えば、電子体温計、血圧計、心電計等であるが、これらは利用者端末3の入出力端子に接続可能である。バイタルセンサ機器302は、赤外線を利用して、端末3に計測結果を送信できるタイプのものであってもよい。バイタルセンサ機器302による計測結果は、問診データのひとつとして利用可能である。なお、問診データは、バイタルセンサ機器302のみならず、問診票に含まれる各問診内容に対する回答を、利用者が上記操作部を用いて入力するようにしてもよい。
次に、図3〜図5を用いて、上記支援装置、マスターテーブル、問診票等について説明する。図3は、第1実施形態の健康維持支援システムに係る支援装置を例示するブロック図である。図4は、上記マスターテーブルを例示する図である。図5は、問診票及び上記合計点数を説明するための図である。
図3に示すように、支援装置1は、制御部11、記憶部12、入力部13、出力部14及び通信I/F部15を含んで構成される。制御部11は、ハードウエア的には、CPU(中央演算装置)、ブートプログラム等を記憶するROM、各種処理結果を一時的に記憶するRAMを含んで構成される。機能的には、制御部11は、問診処理部111、カルテ処理部112、健診処理部113及びヘルスライフプラン(HLP)処理部114とから構成される。
問診処理部111は、利用者に記入される問診票13a中の複数種の問診内容と、記憶部12に格納されるマスターシート12aを参照して、利用者にチェックされた内容項目に該当する病気及びその重付点数を抽出し、抽出した重付点数を病気別に合計した病気別合計点数や系統別に合計した系統別合計点数を算出し、病気別合計点数や系統別合計点数に基づいて、利用者の健康状況を評価する。問診処理部111は、後述の図6に示す処理手順に対応する。
カルテ処理部112は、利用者が過去に何れかの医院又は病院にて受診した際のカルテが利用される。カルテの内容は、入力部13等を利用して、打ち込まれてもよいし、インターネットを経由して、各医院又は病院からオンラインで取得するようにしてもよい。カルテの内容は、病名等の項目別に分類された電子カルテとして、記憶部12に一時保存されている。この電子カルテの内容をここではカルテデータとよぶ。
健診処理部113は、入力部13等を利用して、打ち込まれた利用者が受けた健康診断の結果に基づいて作成された電子データ化された健康診断書である。この健康診断書では、例えば、肝機能、貧血、尿検査、脂質等の機能別に、A〜Eの5段階の判定値に分類され、項目、数値等が関連づけられている。この健康診断書は、記憶部12に一時保存されている。この健康診断書の内容をここでは健康診断データとよぶ。
HLP処理部114は、問診処理部111により生成される評価結果や健診処理部113により生成される健康診断データに基づいて、後述のHLP基準値を出力したり、このHLP基準値に基づいて医師により出された所見、上記評価結果、健康診断データ及びカルテデータに基づいて、後述のマスターテーブル12bを作成して、記憶部12に格納する。また、このマスターテーブル12bを参照して、利用者の健康維持を支援するための情報として、健康状況説明資料14a、健康基準表14b、健康メニュー表14c及び検査表14d等を出力する。HLP処理部114は、後述の図7に示す処理手順に対応する。
記憶部12は、マスターシート12aやマスターテーブル12b、本発明を実現するためのアプリケーションプログラム等を格納するハードディスクドライブである。なお、記憶部12は、コンパクトディスクやDVD等の可搬型記録媒体も含むものとする。
マスターシート12aは、図4に示すように、利用者に記入される問診票中の複数種の問診内容12a1と、それぞれの問診内容12a1に予め割り付けられた相関性のある病気(病名)12a2及びその相関性を示す重付点数12a3と、の関係を示すテーブルである。例えば、「咳がでますか」という問診内容には、重付点数0.4でウイルス性発熱が、重付点数0.6でインフルエンザが、重付点数0.7で気管支炎が、重付点数0.8で気管喘足が、重付点数0.9で肺結核が、が予め割り当てられている。これらの割り当ては、過去のデータに基づいて、医師等の専門家により統計的に求められたものである。重付点数の数値は、ここでは、1.0が最高点とするが、他の点数を最高点としてもよい。更に、各病気12a2は、病気の系統12a4別に分類されている。なお、マスターシート12a上の問診内容12a1と、後述の問診票13a上の問診内容13a1は基本的に一致している。
マスターテーブル12bは、医師の所見、問診処理の評価結果、健康診断データ、カルテデータ等が統合された、利用者の健康状況を示す最新データが、利用者別に分類された、データベースである。なお、このようなマスターシート12a及びマスターテーブル12bを格納する記憶部12は、請求項のマスターシート格納手段及びマスターテーブル格納手段に対応する。
入力部13は、キーボード、マウス等であり、出力部14は、CRTや液晶ディスプレイ、或いは、印字装置も含まれる。通信インターフェース(I/F)部15は、インターネットに接続するためのモデムやLAN回線に接続するためのLANカードである。
問診票13aは、図5に示すように、少なくとも、「喉が痛みますか」、「喉が渇きますか」等のような問診内容13a1及びそのチェック欄13a1′を含む周知のフォーマットで形成される。問診票13aは、周知のように紙を利用したものであってもよいし、電子データを利用したものであってもよい。問診票13a中のチェック項目は、紙を利用したものである場合には、例えば、上記入力部13を利用して打ち込まれ、電子データを利用したものである場合には、例えば、インターネット及び通信I/F部15を経由して取得される。重要なことは、チェック項目が、支援装置1では電子データ化されることである。
また、出力部14からは、健康状況説明資料14a、健康基準表14b、健康メニュー表14c及び検査表14dが出力される。これらは、印字装置によるプリントアウトであってもよいし、ディスプレイ上の表示であってもよい。
更に、図6及び図7、並びに図8を加えて、第1実施形態の健康維持支援システムに係る処理手順、データフロー、並びに出力される資料や表について説明する。図6は、第1実施形態に係る問診処理を例示するフローチャートである。図7は、第1実施形態に係るHLP処理の一実施形態を示すフローチャートであり、特に、図7(A)及び図7(B)はそれぞれ、HLP判定処理及びHLP支援処理を例示するフローチャートである。図8は、第1実施形態の支援装置における各処理部間のデータフロー、並びにその結果として出力される資料及び表を例示する図である。
まず、図6に示す問診処理では、ステップS111aにおいて、問診票13a中のチェックされている内容項目が取得される。チェックされている内容項目は、例えば、図5において、レ点が付されている項目であり、上述のように、入力部13又はインターネット及び通信I/F部15を経由して取得される。
次に、ステップS111bにおいて、記憶部12に格納されている図4に示したようなマスターシート12aが読み出される。次に、ステップS111cにおいて、このマスターシート12aを参照して、チェックされている内容項目に対応する重付点数が抽出される。例えば、図5に網掛けにて示すように、レ点が付されたチェック項目に対応する各重付点数が抽出される。なお、ステップS111cは、請求項の重付点数抽出手段に対応する。
更に、ステップS111dにおいて、図5に示すように、抽出された各重付点数が、少なくとも、病気別、好ましくは、病気別及び系統別に合計される。病気別の合計点数及び系統別の合計点数はそれぞれ、図5において、病気別合計点数及び系統別合計点数として示されている。なお、ステップS111dは、請求項の合計点数算出手段に対応する。そして、ステップS111eにおいて、系統別合計点数が5段階評価されて上記判定値が算出される。なお、これらステップS111a〜ステップS111eに示す処理は、問診処理部111にて行われる。
判定値は、例えば、系統別合計点数が0〜2点の範囲はA(最良)、2〜4点の範囲はB、4〜5点の範囲はC、5〜7点の範囲はD、7〜10点の範囲はE(最悪)とする。系統別合計点数と共に、或いは、系統別合計点数の替わりに、病気別合計点数の判定値が算出されるようにしてもよい。また、判定値は、A〜Eのみならず、更に詳細に10段階に分けてもよい。なお、上述した病名、病気別合計点数、系統別合計点数、判定値等は、後述の処理で利用するため、評価結果として、記憶部12に一時保存される。
なお、ステップS111fにおいて、入力部13の所定操作等の出力トリガーを待機し(SステップS111fのN)、出力トリガーありと判定すると(ステップS111fのY)、ステップS111gにおいて、上記病気別合計点数(或いは、系統別合計点数)の判定値を病名(病気の系統)と共に、健康維持を支援するための情報として出力する処理を加えてもよい。
また、図7(A)に示すHLP判定処理では、ステップS114aにおいて、上記問診処理の評価結果が取得される。評価結果は、上述したように、病名、病気別合計点数、系統別合計点数、判定値等である。次に、ステップS114bにおいて、健診処理部113にて生成されて一時保存されている健康診断データが取得される。
次に、ステップS114cにおいては、上記取得された問診処理評価結果及び健康診断データに基づき、HLP判定値が決定される。このHLP判定値の決定に際しては、問診処理評価結果及び健康診断データの各判定項目毎のそれぞれの判定値の論理和をとり、例えば、健康状態がより悪いと評価される方の判定値を採用して、これをHLP判定値とする。これにより、より安全性の高いHLP判定値が決定可能になる。また、このHLP判定値により、緊急治療を要する病気の発見やその早期対応も可能になる。そして、ステップS114dにおいて、このHLP判定値が出力部14にて出力、すなわち、表示又はプリントアウトされる。
なお、HLP判定値は、図7(B)に示すHLP支援処理に進んで利用者の健康維持に関する情報を出力すべきか、或いは、精密検査を必要とするかを、医師が判断する際の情報となり、付記請求項3′中の判断情報に対応する。例えば、HLP判定値が、A〜Cであれば図7(B)に示すHLP支援処理に進んで健康メニュー表等を出力し、D又はEであれば直ちに精密検査を受ける旨の所見を出すように、促すことができる。すなわち、HLP判定値は、医師が最終判断を下すための有用な材料を提供できる。なお、上記ステップS114a〜ステップS114dは、請求項の判断情報生成手段に対応する。
更に、図7(B)に示すHLP支援処理では、ステップS114eにおいて、上記HLP判定値に基づく医師の所見が所得される。この所見は、例えば、入力部13を利用して打ち込まれたものである。次に、ステップS114fにおいて、上記問診処理の評価結果が取得される。次に、ステップS114gにおいて、健診処理部113にて生成されて一時保存されている健康診断データが取得される。次に、ステップS114hにおいて、カルテ処理部112にて生成されて一時保存されているカルテデータが取得される。
続いて、ステップS114iにおいて、これら医師の所見、問診処理の評価結果、健康診断データ、カルテデータが統合された、利用者の健康状況を示す最新データを含むマスターテーブルが作成され、ステップS114jにおいて、記憶部12に格納されるマスターテーブル12bが更新される。このマスターテーブル12bは、例えば、可能性のある病名、病気別合計点数、系統別合計点数、判定値、医師の所見、健康診断データやカルテデータに含まれる各検査値等が、利用者別に分類された、データベースである。このようなマスターテーブル12bを利用することにより、医師の所見、特定の病気との相関性、利用者の過去の病歴等を含む総合的な情報が随時取得可能になる。なお、ステップS114e〜ステップS114jは、請求項のマスタテーブル作成手段に対応する。
そして、このマスターテーブル12bを参照して、ステップS114kにおいて、健康状況説明資料14a、健康基準表14b、健康メニュー表14c及び検査表14d等、利用者の健康維持を支援するための情報が生成され、ステップS114lにおいて、このうちの少なくともいずれかひとつが、出力部14から出力される。出力すべき表や資料は、入力部13にて任意に指定可能であり、また、プリントアウト又はディスプレイへの表示も任意に指定可能である。更に、生成された表や資料を、記憶部12や可搬型記憶媒体に格納することも可能である。なお、これらステップS114a〜ステップS114d及びステップS114e〜ステップS114lに示す処理は、HLP処理部114にて行われる。特に、ステップS114a〜ステップS114dはHLP処理部114中のHLP判定処理部にて行われ、ステップS114e〜ステップS114lはHLP処理部114中のHLP支援処理部にて行わる。
上記健康状況説明資料14aには、利用者の過去、現在、将来予測される健康状況や、過去の病歴等が時系列的に示されている。特に、将来の健康状況は、家族歴、現在及び過去の健康状況、過去の病歴等から推測されるものである。特記事項としては、健康状況の問題点が示されている。この資料14aは、利用者の健康状況を示すマスタ資料となる。
また、上記健康基準表14bには、利用者の過去、現在、将来予測される健康状況や、過去の病歴、家族の病歴等から推測された、利用者別の(1)体重、(2)体脂肪率、(3)血圧等のような健康維持のための基準値が示されている。これらの基準値は、利用者が健康を維持するための目標値として利用される。
また、上記健康メニュー表14cには、体重増加等のような問題点を改善するための方策や目標値が示されている。例えば、徒歩10km/日、自転車20km/日、又は水泳7km/日等のように、奨励される(1)運動が具体的に示されている。また、奨励される(2)食事、(3)医薬部外品、(4)健康機能食品等も具体的に示されている。
また、上記検査表14dには、例えば、(1)問診の結果、(2)尿検査、(3)血糖値、(4)血圧等が含まれる。
なお、これら健康状況説明資料14a、健康基準表14b、健康メニュー表14c及び検査表14d等は、電子データとして、インターネットを介して、病院側の支援装置1に送信される。これらのデータは、支援装置1の問診処理部111、カルテ処理部112及び健診処理部113にフィードバックされる。
また、上記健康状況説明資料14a、健康基準表14b、健康メニュー表14c及び検査表14d等に基づいて、利用者と医師との間で説明と同意が実施される。この説明と同意には、上述した病院側のインターネットテレビ電話101及び利用者側のインターネットテレビ電話301が利用可能である。
説明と同意では、例えば、医師が利用者の健康状況を示す健康状況説明資料14aを説明して、利用者に同意を得る。すなわち、健康状況説明資料14aで利用者の過去、現在、将来予測される健康状況や、過去の病歴等を時系列的に説明し、利用者の同意を得る。また、健康状況説明資料14aに示される特記事項の健康状況の問題点及び留意点を説明し、利用者の同意を得る。
また、説明と同意では、例えば、健康基準表14bに基づき、医師が利用者別の管理項目の基準値を説明し、利用者の同意を得る。また、説明と同意では、例えば、健康メニュー表14cに基づき、医師が利用者別の管理項目のメニューを説明し、利用者の同意を得る。
更に、説明と同意では、必要に応じて、医師が利用者に処方箋の不要なアスピリン等の医薬部外品の服用や、健康機能食品又は特定保健食品の摂取の指示を行う。
このように、本発明の第1実施形態によれば、利用者の健康維持を支援するための、より具体的で正確な情報、すなわち、健康状況説明資料14a、健康基準表14b、健康メニュー表14c及び検査表14dを出力することができる。このような資料や表を用いたり、更に医師との間で説明と同意を実施したりして、利用者は確実に健康維持計画を遂行することができる。
なお、図2に示す利用者側に装備されるインターネット端末は、携帯型のインターネット端末であってもよい。また、重付点数の最高点や判定値の分け方等も適宜変更可能である。更に、病気別合計点数を算出することなしに、系統別合計点数を直接算出して、これから利用者の健康維持を支援するための情報を出力するようにしてもよい(請求項2に対応)。
[付記]
上記第1実施形態から把握できる請求項記載以外の技術思想について、以下にその効果と共に記載する。
上記課題を解決するためになされた請求項2′記載の健康維持支援システムは、図1(A)の基本構成図に示すように、請求項1記載の健康維持支援システムにおいて、前記利用者の健康維持を支援するための情報を出力するか、或いは、精密検査を必要とするかを判断するための判断情報を、前記病気別合計点数及び既存の健康診断データに基づいて生成する判断情報生成手段11C、を更に含むことを特徴とする。
請求項2′記載の発明によれば、利用者の健康維持に関する情報を出力するか、或いは、精密検査を必要とするかを判断するための判断情報が、病気別合計点数及び既存の健康診断データに基づいて生成されるので、利用者の健康維持のみならず、緊急治療を要する病気の発見やその早期対応も可能になる。
上記課題を解決するためになされた請求項3′記載の健康維持支援システムは、図1(A)の基本構成図に示すように、請求項2′記載の健康維持支援システムにおいて、前記判断情報生成手段11Cは、前記病気別合計点数及び前記健康診断データを比較し、より健康状態が悪いと判断される方を選択して前記判断情報とする、ことを特徴とする。
請求項3′記載の発明によれば、病気別合計点数及び健康診断データを比較し、より健康状態が悪いと判断される方が選択されるので、より安全性の高い判断情報を提供できるようになる。
上記課題を解決するためになされた請求項4′記載の健康維持支援システムは、図1(A)の基本構成図に示すように、請求項3′記載の健康維持支援システムにおいて、前記判断データに基づいて医師により出された所見、前記病気別合計点数、前記健康診断データ及び前記利用者のカルテに記載されているカルテデータに基づいて、前記利用者の健康状況を示す最新データを含むマスターテーブルを作成するマスタテーブル作成手段11Dと、前記マスタテーブルを格納するマスターテーブル格納手段12Bと、前記マスターテーブルを参照して、前記利用者の健康維持を支援するための情報を出力する、ことを特徴とする。
請求項4′記載の発明によれば、上記判断データに基づいて医師により出された所見、病気別合計点数、健康診断データ及び利用者のカルテに記載されているカルテデータに基づいて、利用者の健康状況を示す最新データを含むマスターテーブルが作成及び格納される。そして、このマスターテーブルを参照して、利用者の健康維持を支援するための情報が出力される。このようなマスターテーブルを利用することにより、医師の所見、特定の病気との相関性、利用者の過去の病歴等を含む総合的な情報が随時取得可能になる。したがって、利用者の健康維持を支援するための、より正確で有用な情報を出力することができるようになる。
上記課題を解決するためになされた請求項5′記載の健康維持支援システムは、図1(A)の基本構成図に示すように、請求項1記載の健康維持支援システムにおいて、前記マスターシート上の病気は各病気の属する系統別に分類されており、前記合計点数算出手段11Bは、前記病気別合計点数と共に系統別合計点数も算出し、前記病気別合計点数及び系統別合計点数に基づいて、前記利用者の健康維持を支援するための情報を出力する、ことを特徴とする。
請求項5′記載の発明によれば、病気別合計点数と共に各病気の属する系統別合計点数も算出され、病気別合計点数及び系統別合計点数に基づいて、利用者の健康維持を支援するための情報が出力される。このように、系統別合計点数も利用することにより、利用者の健康維持を支援するための、より具体的かつ幅広い情報を出力することができるようになる。
このように、第1実施形態によれば、利用者の健康維持を支援するための、より具体的で正確な情報、すなわち、健康状況説明資料14a、健康基準表14b、健康メニュー表14c及び検査表14dを出力することができる。このような資料や表を用いたり、更に医師との間で説明と同意を実施したりして、利用者は確実に健康維持計画を遂行することができる。
[第2実施形態]
図9〜図18を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。まず、図9を用いて、本健康維持支援システムの核となる支援装置の構成について説明する。図9は、第2実施形態の健康維持支援システムに係る支援装置を例示するブロック図である。
第2実施形態の健康維持支援システムに係る支援装置2もまた、上記第1実施形態と同様、図2で例示したような構成において実現可能であるが、スタンドアローン型でも実現可能である。なお、以下の説明は、スタンドアローン型を想定して説明する。
図9に示すように、支援装置2は、制御部21、記憶部22、入力部23、出力部24及び通信I/F部25を含んで構成される。制御部21は、ハードウエア的には、CPU(中央演算装置)、ブートプログラム等を記憶するROM、各種処理結果を一時的に記憶するRAMを含んで構成される。機能的には、制御部21は、問診処理部211、健診処理部212及びHLP統合処理部213から構成される。
問診処理部211は、利用者に対する問診結果から得られる問診データに基づいて予め定められた問診項目毎の点数をそれぞれ求める。また、問診項目毎の点数をそれぞれ、所定の母集団から得られる統計値を参照して、問診項目毎の点数に対応する偏差値を求める。更に、問診項目毎の偏差値及び統計値に基づいて、問診項目毎の評価値を求める。問診項目毎の評価値は、問診結果表示24aとして、出力部24から適宜出力される(図10(A)、図15(A)、図16参照)。
健診処理部212は、利用者の健診結果から得られる健診データに基づいて予め定められた健診項目毎の点数をそれぞれ求める。また、健診項目毎の点数をそれぞれ、所定の母集団から得られる統計値を参照して、健診項目毎の点数に対応する偏差値を求める。更に、健診項目毎の偏差値及び統計値に基づいて、健診項目毎の評価値を求める。健診項目毎の評価値は、健診結果表示24bとして、出力部24から適宜出力される(図10(B)、図15(B)、図17参照。)。
HLP統合処理部213は、上記問診項目毎の偏差値及び健診項目毎の偏差値を統合した統合項目毎の偏差値を求める。また、統合項目毎の偏差値及び所定の母集団から得られる統計値に基づいて、利用者の健康状態を示す統合項目毎の評価値を求める。統合項目毎の評価値は、HLP統合演算結果表示24cとして、出力部24から適宜出力される(図10(C)、図15(C)、図18参照)。
記憶部22は、問診演算結果22a、健診演算結果22b、HLP統合偏差値演算結果22c及びHLP統合マスターテーブル22dや、本実施形態を実現するためのアプリケーションプログラム等を格納するハードディスクドライブである。なお、記憶部22は、コンパクトディスクやDVD等の可搬型記録媒体も含むものとする。
問診演算結果22aは、上記問診処理部211にて演算された問診項目毎の偏差値及び評価値である(図11参照)。健診演算結果22bは、上記健診処理部212にて演算された健診項目毎の偏差値及び評価値である(図12参照)。これらは、HLP統合処理部213により統合項目毎の評価値を演算するために格納されている。なお、問診演算結果22a及び健診演算結果22bは、最新のデータに基づく演算結果のみならず、過去の演算履歴を含むものである。
HLP統合演算結果22cは、上記HLP統合処理部213にて演算されたHLP統合項目毎の偏差値及び評価値である(図13(A)、図13(B)参照)。このHLP統合演算結果22cもまた、最新のデータに基づく演算結果のみならず、過去の演算履歴を含むものである。
HLP統合マスターテーブル22dは、上記HLP統合処理部213にて、問診項目毎の偏差値及び健診項目毎の偏差値を統合するときに参照されるテーブルである(図14参照)。
入力部23は、キーボード、マウス等であり、出力部24は、CRTや液晶ディスプレイ、或いは、印字装置も含まれる。通信インターフェース(I/F)部25は、インターネットに接続するためのモデムやLAN回線に接続するためのLANカードである。
入力部23から問診データや健診データが入力され、出力部24から問診結果表示24a、健診結果表示24b及びHLP統合演算結果表示24cが可視出力される。問診結果表示24a、健診結果表示24b及びHLP統合演算結果表示24cはそれぞれ、上記問診項目毎、健診項目毎、統合項目毎の評価値が評価対象となった母集団の問診項目毎、健診項目毎、統合項目毎の項目毎の分布図(横軸が偏差値や点数等を表し、縦軸が人数を表す周知の図)と共に出力されたり、時系列的な遷移グラフとして出力されたものである(図16、図17及び図18参照)。これらは、印字装置によるプリントアウトであってもよいし、ディスプレイ上の可視出力であってもよい。また、問診データをマニュアル入力するときには、出力部24としてのディスプレイ上に、問診内容(質問項目)が呈示される。
続いて、図10〜図14を加えて、第2実施形態の健康維持支援システムにおける演算処理及びデータ構造、テーブル等について説明する。図10(A)、図10(B)及び10(C)はそれぞれ、問診演算処理、健診演算処理、HLP統合演算処理を例示するフローチャートである。図11は、問診項目演算結果のデータ構造を例示する図であり、図12は、健診演算結果のデータ構造を例示する図であり、図13(A)及び図13(B)は、HLP統合偏差値演算結果データ構造を例示する図である。図14は、HLP統合マスターテーブルを例示する図である。
まず、図10(A)に示す問診演算処理では、ステップS211aにおいて、利用者に対する問診結果から得られる問診データが取得され、ステップS211bにおいて、問診データに基づいて予め定められた問診項目毎の点数がそれぞれ求められる。続いて、ステップS211cにおいて、問診項目毎の点数がそれぞれ、所定の母集団から得られる統計値が参照されて、問診項目毎の点数に対応する偏差値が求められる。更に、ステップS211dにおいて、問診項目毎の偏差値及び統計値に基づいて、問診項目毎の評価値が求められる。そして、ステップS211eにおいて、利用者の健康状態を示す問診項目毎の評価値が、問診演算結果22aとして記憶部22に格納される。
詳しくは、ステップS211aにおける問診データは、出力部24に呈示された複数種の問診内容に対する入力部23による利用者の回答に基づいて取得される。例えば、問診内容は、図4で例示したように、「喉が痛みますか」、「喉が渇きますか」等であり、利用者の回答は「はい」、「いいえ」等である。複数種の問診内容に対する回答が終了すると、問診内容に対する回答結果を確認又は訂正するための一覧を表示することが好ましい。
なお、複数種の問診内容に対する回答効率を上げるために、まず、「喉になにか異常はありますか」というような基本問診内容を呈示し、この回答が「いいえ」ならば、「喉が痛みますか」、「喉が渇きますか」等の喉に関する回答はすべて自動的に「いいえ」と設定するようにしてもよい。すなわち、立体問診とよぶ、質問項目を階層的に構成したものでもよい。また、回答としては二者択一を求めるものでなくてもよく、「いつも」、「時々」、「ごくまれに」、「いいえ」等のように、多段階に回答できるようにしてもよい。
なお、問診データは、入力部23にてマニュアル入力されたもののみならず、CD等の記録媒体にて電子データとして提供されたものであってもよいし、他端末からインターネットを経由して提供されたものであってもよい。
ステップS211bにおける点数化では、例えば、「いつも」10点、「時々」5点、「ごくまれに」1点、「いいえ」0点という具合に割り当てた点数を、本発明でいう問診項目毎に集計する。問診項目とは、図11に示すように、脳神経、眼、耳等の関連するグループ名である。これは、第1実施形態(図4参照)の病気の系統に類似しているが、ここでは、病名やその系統ではなく、利用者の各臓器や各部位に対応したものになっている。そして、各利用者に対する問診項目毎の合計点数を算出してそれらを集計する。
例えば、問診項目「眼」に関する合計点数(該当人数)が、0点(9人)、1点(9人)、5点(4人)、6点(5人)、12点(4人)、25点(4人)、29点(2人)、30点(2人)、48点(4人)、49点(1人)、50点(1人)というような集計結果が得られる。
なお、この合計点数を算出する根拠となる利用者全体が母集団となる。問診項目毎の合計点数は、図5に示すようなマスターシート12aを利用して重みづけして算出するようにしてもよい。ステップS211bは、請求項中の問診点数演算手段に対応する。
ステップS211cにおける偏差値演算では、集計結果に基づいて、問診項目毎に分散、標準偏差、平均、最大値、最小値等の統計値が求められると共に、各利用者の問診項目毎の偏差値が求められる。ステップS211cは、請求項中の問診偏差値演算手段に対応する。
ステップS211dにおける評価値演算では、上記問診項目毎の偏差値及び統計値、に基づいて、問診項目毎の評価値が求められる。この評価値は、利用者の健康状態を示す尺度であり、たとえは、A、B、C、D等のように段階的に表現する。評価値は、例えば、Aが最良であり、以下、B、C、Dの順になるように表現する。評価値は、分布図を併用して、+A、+B、+C、+D、−A、−B、−C、−D等のように表現してもよい。偏差値と評価値との関係は、必ずしも一意ではなく、問診項目毎に異なる。ステップS211bは、請求項中の問診評価値演算手段に対応する。
そして、ステップS211eにおいては、図11に示すように、上記問診項目毎の偏差値及び評価値が記憶部22に、問診演算結果22aとして格納される。図11に示すように、問診項目としては、脳神経、眼、耳、循環器、呼吸器、肝臓、…、腎臓等である。このような問診演算結果22aは、図示しないが、最新のデータに基づく演算結果のみならず、過去の演算履歴を含むものである。
また、図10(B)に示す健診演算処理では、ステップS212aにおいて、利用者の健診結果から得られる健診データが取得され、ステップS212bにおいて、健診データに基づいて予め定められた健診項目毎の点数がそれぞれ求められる。続いて、ステップS212cにおいて、健診項目毎の点数がそれぞれ、所定の母集団から得られる統計値が参照されて、健診項目毎の点数に対応する偏差値が求められる。更に、ステップS212dにおいて、健診項目毎の偏差値及び統計値に基づいて、健診項目毎の評価値が求められる。そして、ステップS212eにおいて、利用者の健康状態を示す健診項目毎の評価値が、健診演算結果22bとして記憶部22に格納される。
詳しくは、ステップS212aにおける健診データは、出力部24に呈示された複数種の健診内容項目に対する入力部23による利用者の回答に基づいて取得される。例えば、健診内容項目は、一般的な健康診断書に記載されている、例えば、身長、体重、視力、聴力、肝機能に関するGOT、GPT、γ−GTP、貧血、尿検査等の項目であり、健診データは、そこに記載されている数値や評価結果等である。複数種の健診内容項目に対する回答が終了すると、健診内容項目に対する回答結果を確認又は訂正するための一覧を表示することが好ましい。
なお、健診データは、入力部23にてマニュアル入力されたもののみならず、CD等の記録媒体にて電子データとして提供されたものであってもよいし、他端末からインターネットを経由して提供されたものであってもよい。
ステップS212bにおける点数化では、問診の場合と同様、回答結果に割り当てた点数を、本発明でいう健診項目毎に集計する。健診項目とは、図12に示すように、視力、聴力、肝機能等に対応するグループ名である。例えば、健診内容項目中のGOT、GPT、γ−GTPはともに、健診項目のひとつである肝機能に属する。そして、各利用者に対する健診項目毎の合計点数を算出してそれらを集計する。この健診項目も、病名やその系統ではなく、利用者の各臓器や各部位に対応したものになっている。
そして、問診の場合と同様に、各健診項目毎に、合計点数及び該当人数を求める。なお、この合計点数を算出する根拠となる利用者全体が母集団となる。ステップS212bは、請求項中の健診点数演算手段に対応する。
ステップS212cにおける偏差値演算でも、問診の場合と同様、集計結果に基づいて、健診項目毎に分散、標準偏差、平均、最大値、最小値等の統計値が求められると共に、各利用者の健診項目毎の偏差値が求められる。ステップS212cは、請求項中の健診偏差値演算手段に対応する。
ステップS212dにおける評価値演算でも、問診の場合と同様、上記健診項目毎の偏差値及び統計値、に基づいて、健診項目毎の評価値が求められる。この評価値も、利用者の健康状態を示す尺度であり、たとえは、A、B、C、D等のように段階的に表現する。評価値は、例えば、Aが最良であり、以下、B、C、Dの順になるように表現する。評価値は、分布図を併用して、+A、+B、+C、+D、−A、−B、−C、−D等のように表現してもよい。偏差値と評価値との関係は、必ずしも一意ではなく、健診項目毎に異なる。ステップS212dは、請求項中の健診評価値演算手段に対応する。
そして、ステップS212eにおいては、図12に示すように、上記健診項目毎の偏差値及び評価値が記憶部22に、健診演算結果22bとして格納される。図11に示すように、健診項目としては、視力、聴力、肝機能、脂質、血糖、…、腎機能等である。このような健診演算結果22bは、図示しないが、最新のデータに基づく演算結果のみならず、過去の演算履歴を含むものである。
また、図10(C)に示すHLP統合演算処理では、ステップS213aにおいて、記憶部22に格納されている上記問診演算結果22aが読み出され、ステップS213bにおいて、記憶部22に格納されている上記健診演算結果22bが読み出される。続いて、ステップS213cにおいて、HLP統合項目毎の点数がそれぞれ、所定の母集団から得られる統計値が参照されて、HLP統合項目毎の点数に対応する偏差値が求められる。更に、ステップS213dにおいて、HLP統合項目毎の偏差値及び統計値に基づいて、HLP統合項目毎の評価値が求められる。そして、ステップS213eにおいて、利用者の健康状態を示すHLP統合項目毎の評価値が、HLP統合演算結果22cとして記憶部22に格納される。
詳しくは、ステップS213cにおける偏差値演算では、記憶部22に格納される図14に示すようなHLP統合マスターテーブル22dを参照しつつ、以下のように演算が行われる。図14に示すように、HLP統合マスターテーブル22dには、各HLP統合項目に対する問診項目22d1と健診項目22d2の重み付けの割合22d3が示されている。この割合は、過去のデータに基づき、予め求められており、HLP統合項目は、例えば、問診項目22d1に一致又は対応するものとする。勿論、HLP統合項目が、健診項目22d2に一致又は対応するようにしてもよい。HLP統合項目もまた、病名やその系統ではなく、利用者の各臓器や各部位に対応したものになっている。
HLP統合項目「眼」を例にとると、問診項目「眼」の偏差値に0.5が重みづけられており、健診項目「視力」の偏差値に(1−0.5)が重みづけられていることがわかる。問診項目「眼」の偏差値が42、健診項目「視力」の偏差値が50であるとすると、例えば、HLP統合項目「眼」の偏差値(HLP統合偏差値)は、0.5×42+(1−0.5)×50=46のような式で表されて計算することができる。
基本的に、このようにして、HLP統合偏差値を求めることができるが、以下のようにするのがより好ましい。すなわち、上記HLP統合偏差値(例えば、上記46)をHLP統合合計点数とみなす。そして、上述のステップS211bにおける点数化の場合と同様、この点数をHLP統合項目毎に集計する。そして、各利用者に対するHLP統合項目毎の合計点数を算出してそれらを集計する。
例えば、HLP統合項目「目」に関する合計点数(該当人数)が、42点(4人)、43点(2人)、44点(1人)、45点(3人)、50点(3人)、51点(2人)、52点(2人)、60点(2人)というような集計結果が得られる。なお、この合計点数を算出する根拠となる利用者全体が母集団となる。続いて、上述のステップS211cにおける偏差値演算の場合と同様、集計結果に基づいて、HLP統合項目毎に分散、標準偏差、平均、最大値、最小値等の統計値が求められると共に、各利用者のHLP統合項目毎の偏差値が求められる。ステップS213cは、請求項中のHLP統合偏差値演算手段に対応する。
ステップS213dにおける評価値演算でも、上述のステップS211dにおける評価値演算の場合と同様、上記HLP統合項目毎の偏差値及び統計値、に基づいて、HLP統合項目毎の評価値が求められる。この評価値も、利用者の健康状態を示す尺度であり、例えば、A、B、C、D等のように段階的に表現する。評価値は、例えば、Aが最良であり、以下、B、C、Dの順になるように表現する。評価値は、分布図を併用して、+A、+B、+C、+D、−A、−B、−C、−D等のように表現してもよい。偏差値と評価値との関係は、必ずしも一意ではなく、HLP統合項目毎に異なる。ステップS213dは、請求項中のHLP統合評価値演算手段に対応する。
そして、ステップS213eにおいては、図13(A)に示すように、上記HLP統合項目毎の偏差値及び評価値が記憶部22に、HLP統合演算結果22cとして格納される。図13(A)に示すように、HLP統合項目としては、例えば、問診項目と同様、脳神経、眼、耳、循環器、呼吸器、肝臓、…、腎臓等である。なお、HLP統合項目毎の偏差値及び評価値は、図13(B)の22c′に示すように、時刻情報(データ取得日やデータ取得月等)と共にが記憶部22に、HLP統合演算結果22cとして格納することが好ましい。
更に、図15〜図18を加えて、第2実施形態の健康維持支援システムにおける出力処理及び出力表示例について説明する。図15(A)、図15(B)及び15(C)はそれぞれ、問診出力処理、健診出力処理、HLP統合出力処理を例示するフローチャートである。図16は、問診結果表示を例示する図であり、図17は、健診結果表示を例示する図であり、図18は、HLP統合演算結果表示を例示する図である。
まず、図15(A)に示す問診出力処理では、ステップS211pにおいて、入力部23の所定操作等の出力トリガーが待機されており(ステップS211pのN)、出力トリガーありと判定されると(ステップS211pのY)、ステップS211qにおいて、記憶部22に格納されている問診演算結果22aが読み出される。そして、ステップS211rにおいて、問診演算結果22a、すなわち、問診項目毎の評価値及び分布が、問診結果表示24aとして出力部24から出力される。
詳しくは、問診結果表示24aでは、図16に示すように、タイトル24a1、当該利用者の位置24a2(請求項6の評価値に対応)、各評価段階24a3(A、B、C、D)の説明、問診項目24a4、分布図24a5、コメント24a6等が出力表示される。分布図24a5は、評価値を算出する根拠となった母集団の分布であり、各評価段階24a3が分布図24a5に重ねて表示される。そして、当該利用者の健康レベルを意味する、この分布における利用者の位置24a2が、分布図24a5と共に示される。これらはいうまでもなく問診項目毎に表示される。属する問診項目に関して、特記事項がある場合には、コメント24a6として、表示することが好ましい。上述のように、各評価段階24a3は、色分け表示するようにしてもよい。
なお、各評価段階24a3(A、B、C、D)及び利用者の位置24a2は、異なる色で表示し、特に、利用者の位置24a2は目立つ色で表示することが好ましい。例えば、Aはかなりよい、Bはまあまあよい、Cはもう少し、Dは気をつけましょう等を意味する旨を併記するようにしてもよい。また、平均値を分布図24a5中に縦棒で表示するようにしてもよい。また、全問診項目に対応する分布図24b5が、一画面内に表示不可能の場合には、スクロールにより所望の分布図が表示可能になるようにする。出力部24としては、モニタ表示のみならず、印字装置へのプリントアウトも想定される。ステップS211rは、請求項中の出力手段に対応する。
このように、問診項目毎の偏差値に基づく問診項目毎の評価値が分布図と共に可視出力されるので、所定の母集団における利用者の相対的な健康状態がより正確に把握可能になる。したがって、利用者は健康維持を支援するための、より正確な情報を得ることができる。
また、図15(B)に示す健診出力処理でも、図15(A)で示した問診出力処理同様、ステップS212pにおいて、入力部23の所定操作等の出力トリガーが待機されており(ステップS212pのN)、出力トリガーありと判定されると(ステップS212pのY)、ステップS212qにおいて、記憶部22に格納されている健診演算結果22bが読み出される。そして、ステップS212rにおいて、健診演算結果22b、すなわち、健診項目毎の評価値及び分布が、健診結果表示24bとして出力部24から出力される。
詳しくは、健診結果表示24bでは、図17に示すように、タイトル24b1、当該利用者の位置24b2(請求項6の評価値に対応)、各評価段階24b3(±−A、±B、±C、±D)の説明、健診項目24b4、分布図24b5、コメント24b6等が出力表示される。分布図24b5は、評価値を算出する根拠となった母集団の分布であり、各評価段階24b3が分布図24b5に重ねて表示される。そして、当該利用者の健康レベルを意味する、この分布における利用者の位置24b2が、分布図24b5と共に示される。これらはいうまでもなく健診項目毎に表示される。属する健診項目に関して、特記事項がある場合には、コメント24b6として、表示することが好ましい。
なお、各評価段階24b3(±A、±B、±C、±D)及び利用者の位置24b2は、異なる色で表示し、特に、利用者の位置24b2は目立つ色で表示することが好ましい。例えば、Aはかなりよい、Bはまあまあよい、Cはもう少し、Dは気をつけましょう等を意味する旨を併記するようにしてもよい。また、+Aと−Aの間に示すように、平均値を分布図24b5中に縦棒で表示するようにしてもよい。また、全健診項目に対応する分布図24b5が、一画面内に表示不可能の場合には、スクロールにより所望の分布図が表示可能になるようにする。出力部24としては、モニタ表示のみならず、印字装置へのプリントアウトも想定される。ステップS212rは、請求項中の出力手段に対応する。
このように、健診項目毎の偏差値に基づく健診項目毎の評価値が分布図と共に可視出力されるので、所定の母集団における利用者の相対的な健康状態がより正確に把握可能になる。したがって、利用者は健康維持を支援するための、より正確な情報を得ることができる。
また、図15(C)に示すHLP統合出力処理でも、図15(A)で示した問診出力処理同様、ステップS213pにおいて、入力部23の所定操作等の出力トリガーが待機されており(ステップS213pのN)、出力トリガーありと判定されると(ステップS213pのY)、ステップS213qにおいて、記憶部22に格納されているHLP統合演算結果22c(特に、図13(B)の22c′)が読み出される。そして、ステップS213rにおいて、HLP統合演算結果22c、すなわち、HLP統合項目毎の評価値及び時系列的な遷移グラフが、HLP統合演算結果表示24cとして出力部24から出力される。
詳しくは、HLP統合演算結果表示24cでは、図18に示すように、タイトル24c1及び遷移グラフが表示される。特に、遷移グラフには、時点情報24c2(データ取得日やデータ取得月等)、各時点情報24c2に対応する評価値24c3、24c4、24c5、及び評価段階24c6が含まれている。各時点の評価値24c3、24c4、24c5は、正確にはそれらの偏差値に対応しており、折れ線で繋がれて表示されている。特に最新の評価値24c5には、HLP統合項目が付されている。また、各評価段階24c6は、図17等で示した評価段階に対応する色分けや符号が付されている。
なお、利用者の評価値24c3、24c4、24c5及びグラフは目立つ色で表示することが好ましい。また、より過去の時点のグラフを表示させたいときには、スクロールにより所望の時点のグラフが表示可能になるようにすることが好ましい。出力部24としては、モニタ表示のみならず、印字装置へのプリントアウトも想定される。ステップS213rは、請求項中の出力手段に対応する。
このように、問診項目毎の偏差値及び健診項目毎の偏差値を統合したHLP統合項目毎の評価値及び偏差値が時系列的な遷移グラフとして可視出力されるので、利用者の健康状態の傾向までも正確に把握可能になる。したがって、利用者は健康維持を支援するための、更に正確な情報を得ることができる。
なお、HLP統合演算結果表示24cでも、図16及び図17で示したような分布図形式で表示するようにしてもよいし、逆に、問診結果表示24aや健診結果表示24bでも、この図18のような折れ線グラフ形式で表示するようにしてもよい。
また、第2実施形態において参照する母集団は、利用者の属する団体や用途等によって、適宜変更してもよい。例えば、利用者が特定のスポーツ団体に属しており、そのスポーツ団体における自身の相対的な健康状態を把握したいときには母集団を当該スポーツ団体とし、利用者が特定の山村に在住しており、その山村における自身の相対的な健康状態を把握したいときには母集団を当該山村にとする。勿論、母集団を所属会社の従業員としたり、全国規模の健康診断受診者としてもよい。
これにより、所定の母集団(日本全国、ある地域、スポーツ団体等)の中で、自分がどの位置にいて、どうような健康状態であることが即座にわかる。これは、偏差値という概念を用いた結果である。また、偏差値という概念を用いることにより、GOT、GPT、血糖値等のように異なる単位をもつ健康に関するデータを統合することも可能になる。
更に、問診項目、健診項目、HLP統合項目のいずれにおいても、病名を無理に特定しようとするものではなく、利用者の各臓器や各部位の偏差値を求めている点に大きな特徴がある。
以上のように、第2実施形態によれば、問診項目毎の偏差値に基づく問診項目毎の評価値、健診項目毎の偏差値に基づく健診項目毎の評価値、及び、問診項目毎の偏差値及び健診項目毎の偏差値を統合したHLP統合項目毎の評価値が出力されるので、所定の母集団における利用者の相対的な健康状態がより正確に把握可能になる。したがって、利用者は健康維持を支援するための、より正確な情報を得ることができる。
なお、第2実施形態の変形例として、各問診項目、健診項目、HLP統合項目の偏差値を計算した段階で各偏差値に関する情報を出力するようにしてもよい(必ずしも評価値は計算及び出力しなくてもよい)。また、第1実施形態及び第2実施形態において、図2に示す利用者側に装備されるインターネット端末は、携帯型のインターネット端末であってもよい。本発明は、その主旨の範囲内での種々の変形例も含むものである。