JP2005181905A - 譜面台装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 譜面板および譜面受け部を設置台に設けた譜面台装置について、組立工数を減らし、かつ精度よく組立可能な譜面台装置を提供すること。
【解決手段】 譜面板31と、譜面受け部34とを有する設置台32を備えた譜面台装置30において、譜面板31の裏面に一端が固定され、他端が前記設置台32に固定されるとともに、前記一端及び他端が回動自在である支持アーム33と、譜面板31を立設状態から倒伏状態へ、または倒伏状態から立設状態へ案内するガイド部40とを備えさせるとともに、ガイド部40を保持し、その位置を規定するガイド規定部51と、前記譜面受け部34とを集成して設けた譜面台集成部50を備えさせ、譜面板31の立設時に、譜面板31が、ガイド部40にガイドされて設置台32上の所定の立設位置に設置されるようにした。
【選択図】 図3

Description

本発明は、鍵盤楽器等の譜面台装置に関する。
従来の鍵盤楽器の譜面台装置では、譜面板裏面の所定の2箇所に備えられた支持部材を、天板上の係合部に係合させることで、譜面板を所定の角度に傾斜させて固定していた。このような譜面台装置では、譜面板を一方の手で起こし、他方の手を譜面板の裏側に回して、前記支持部材を係合部に係合させることで、譜面板を立設させていた。
このような譜面台装置の一例として、例えば下記の特許文献1に記載のものがある。この譜面台装置では、天板上に設置された取付板と、譜面板に固定された固定板とをヒンジ部材等の回転部を介して回動自在に結合し、譜面板を天板に対して回動自在にしている。さらに、前述のような支持部材と係合部との係合によって、譜面板を立設させている。
特開平9−114448号公報
しかしながら、前述のような譜面台装置は、譜面板に固定された固定板と支持部材との結合や、天板に固定された取付板と支持部材との結合等をヒンジ部材を介して行っているため、装置の組立に必要な工程数が多く、組立に時間を要していた。また、譜面板の立設・倒伏動作を正確に行わせるためには、前記結合箇所や、支持部材と係合部とを係合させる位置を精密に定める必要があり、組立作業が複雑になっていた。
本発明は、このような問題を解決し、譜面板を立設・倒伏動作を滑らかに行わせるような、精密な組立を容易に行うことができる譜面台装置を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するために、設置台に立設または倒伏される譜面板と、前記設置台に載置された譜面受け部とを有する譜面台装置であって、譜面板の裏面に一端が固定され、他端が前記設置台に固定されるとともに、前記一端及び他端が回動自在である支持アームと、譜面台集成部とで構成され、前記譜面台集成部は、前記譜面板を立設状態から倒伏状態へまたは倒伏状態から立設状態へ案内するガイド部と、前記ガイド部を保持しその位置を規定するガイド規定部と前記譜面受け部とを集成して設けてなり、前記譜面板の立設時に、前記譜面板が前記ガイド部にガイドされて、前記設置台上の所定の立設位置に設置されるようにしたことを特徴とする譜面台装置を提案している。
前述のような構成を有する譜面台装置は、ガイド規定部、譜面受け部を一体的に形成した譜面台集成部を備えているため、ガイド部の固定位置や譜面板を組み込む位置等を調整する必要がない。また、ガイド部の位置が予め固定されるため、譜面板と設置台との結合位置も自動的に定まる。したがって、譜面台装置の精密な組立を容易に行うことができる。
以下、本発明を電子鍵盤楽器に適用した実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。なお説明に用いる図面においては、同一又は同種の部分に同じ番号を付して説明を省略することがある。
図1は、本発明に係る譜面台装置30を楽器本体10の上に載置した場合の一実施形態であって、要部を断面にて示す側面図である。図1は、鍵盤や音源部等が略された電子鍵盤楽器1を表しており、譜面台装置30上に設けられた譜面板31が倒伏された状態を示している。図2は、図1におけるI−Iの断面を矢視方向に見た部分断面図である。図3は本発明に係る譜面台装置30の一部を構成する譜面台集成部50の外観を示す斜視図である。また、図4は本発明に係る譜面板31を倒伏した譜面台装置30を上方及び下方から見た正面図であり、図4(A)は譜面台装置30を上方から見た状態、図4(B)は譜面台装置30を下方から見た状態を示している。図5は、本発明に係る譜面台装置30を形成する譜面台集成部50の一部を拡大して示す側面図である。また、図6は、図1に示す譜面台装置30において、譜面板31を立設させた状態を示している。なお、本明細書中では電子鍵盤楽器において、演奏者側を「前」、背板側を「後」と称し、「右」及び「左」で指す方向は、前記演奏者側から見た方向であるものとする。
図1に示すように、譜面台装置30の設置台32は、楽器本体10の背板7及び側板8で支持され、楽器本体10の天板(屋根板)でもある。譜面板31は、支持アーム33によって立設可能であり、この支持アーム33の一端33aが譜面板31の裏面中間部に、その他端33bが各ヒンジ部33aa、33bbを介して設置台32上にそれぞれ回動自在に連結されている。また、譜面板31の前端(譜面板31の立設時における下端)には、固定部31Aを介して腕部31bを備えた軸体31aが取り付けられている。
図1〜図3に示すように、設置台32の上面には、略方形の空洞を形成する凹陥部32aが形成され、この凹陥部32aに対して次に説明する譜面台集成部50が正確に嵌合している。譜面台集成部50は下方に凸である凸部52を備えており、図2及び図3に示すように、凸部52は凹陥部32a内に隙間無く収まるように嵌め込まれる。これによって譜面台集成部50は設置台32に対して位置関係が定められている。
また、図3に示すように、譜面台集成部50の底面には凹凸が形成され、この凹凸が譜面受け部34および段差部36を構成している。より詳細には、譜面台集成部50の中央手前側(Q1)から奥行き側(Q2)に向かって下方に傾斜する凹部(34a)を設けることで、譜面受け部34を形成し、この譜面受け部34に対して略垂直をなす前面36aと、この前面36aと略垂直をなす上面36bとによって、上方に凸である段差部36を形成する。すなわち、譜面受け部34は、譜面板31が所定角度で立設した際に譜面板31とほぼ90度をなすように形成される。また、図6に示すように、段差部36の上面36bは、立設時の譜面板31の表面311に対しほぼ垂直に形成され、前面36aと立設時の譜面板31の表面311とは同一平面をなすように構成されている。
この譜面台集成部50はさらに、凹陥部32aの一部を底面に向けて貫通させることで形成したガイド規定部51を備えている。ガイド規定部51は、ガイド部40に適合した形状及びサイズの空間を形成しており、ガイド部40の位置を特定する位置決め手段として作用する。また、ガイド規定部51の上方には、ガイド部40を収納した際にガイド規定部51の上方を覆うようにフランジ部70が譜面台集成部50の一部として一体に設けられている。このフランジ部70の開放端面71と、ガイド規定部51の端面501との平面視距離Dは所定長(約3〜8mm)あり、この隙間に腕部31bが介入している。また、譜面受け部34の手前側(鍵盤楽器を演奏する演奏者側)には、図3に示すように、譜面止め部35を設けるための凹部53が設けられ、譜面止め部35が図の矢印Pの方向(直立/倒設方向)に回動するように取り付けられている。
なお、譜面台集成部50の底部は、止め金具64を介するとともに、譜面板32の底部に形成されたスリット32cを貫通するビス63aと螺合する螺合部(図示せず;例えば下に凸のボス)を備えており、譜面台集成部50はこのビス63aによって止め金具64に固定される。さらに、ビス63bと止め金具64とによって譜面台集成部50の下面を引き寄せ、設置台32に止め金具64を固定することで、譜面台集成部50は設置台32に対して固定される。
また、図1〜図3に示すように、ガイド部40は、ガイド規定部51内に収納され、前後に延びる細長板形状を有しており、その内部に譜面板31に備えられた軸体31aを導く案内路43を備える。案内路43は、図1に示すように、ガイド部40の内部を前後に延びており、始端部41と終端部42とをつなぐ連続した溝によって形成されている。また、案内路43は始端部41から所定の距離だけ終端部42に近づくまで、前記案内路43は若干の昇り傾斜をなすように形成される。また、終端部42は、溝部を下方に屈曲させて形成した落ち込み部42aを備えている。譜面板31の軸体31aは、図3に示すように、案内路43に嵌入し、譜面板31の倒伏時には案内路43の始端部41付近に位置し、立設するに従って案内路43の奥行き方向に摺動する。さらに、軸体31aが終端部42に設けられた落ち込み部42aに係合することによって、譜面板31は立設する。
また、図1〜3に示すように、ガイド部40の底部にはビス61と螺号する孔(図示せず)を備えたボス44が形成されている。ビス61aは、止め金具62を介するとともに、設置台32の底部の、ガイド規定部51に対応する位置に形成された孔部32bを貫通してボス44に螺合し、ガイド規定部51の内部に収納されたガイド部40を止め金具62に対して固定している。さらに、ビス61bによって止め金具62と設置台32とを固定することで、ガイド部40は設置台32に対して固定される。
前述のようにして組み上げられた譜面台装置30を、上側及び下側から見た全体図をそれぞれ図4(A)、(B)に示す。図4(A)に示されるように、譜面板31を設置台32に対して支持するための支持アーム33は、設置台32上の左右2箇所に設けられている。
譜面台集成部50のガイド規定部51には、ガイド部40が下側から挿入され固定される。ガイド規定部51は、ガイド部40の大きさに合わせて予め所定の形状、幅、深さ、長さに形成されており、ガイド部40を収納する際に特別の位置決め等しなくともガイド部40を所定の位置に納めることができる。
このように、ガイド部40がガイド規定部51内において位置決めされるため、軸体31aがガイド部40中の案内路43を滑らかに移動でき、落ち込み部42aに嵌合することができる。即ち、ガイド部40は、左右2箇所に設けられるため、このようなガイド規定部51を設けることにより、無造作にガイド部40をガイド規定部51に嵌め込んでも、正確に左右対称に形成することができる。また、図5に示すように、譜面板31と譜面受け部34とのの位置関係を適正に保つように、立設した譜面板31の下端は段差部36の上面36bとほぼ接する位置に規定される。従って、軸体31aと落ち込み部42aとの嵌合する位置関係と、譜面板31の下端が上面36bとほぼ接するように位置する位置関係とが、譜面台集成部50のガイド規定部51と譜面板位置規定部によって同時に規定される。
なお、図5(A)に示すように、段差部36は譜面を立て掛ける凹部として作用し、このような段差部36によって譜面80が段差部36の上面36bと、譜面板31の底面との隙間に入り込むことがなくなる。このように、段差部36は譜面を安定して載置するような譜面位置規定部として作用するが、他の実施形態として、図5(B)に示すように、譜面受け部34上の、段差部36の手前側に立上げ面36cを形成し、譜面80をより安定して設置するようにしてもよい。また、図5(B)に示す立上げ面36cに代えて、譜面受け部34上に細かな凹凸により形成した摩擦面を形成し、摩擦面と譜面80の底部との摩擦によって、譜面80を安定して載置するようにしてもよい。摩擦面は、譜面台集成部50を形成する際に、摩擦面36dに対応する部分の金型表面を荒仕上げすることによって形成することができる。このような摩擦面を形成した場合、段差部36を設けなくとも、譜面80の位置を安定して規定することができる。このように、譜面台集成部50に形成された段差部36や、立上げ面36c、摩擦面等は、その実施形態に応じて譜面位置規定部として作用する。
次に、前述のような譜面台集成部50を用いて、譜面台装置30を組み上げるまでの手順について説明する。
まず、設置台32の表面に、譜面台集成部50の凸部52と嵌合するための凹陥部32aを彫り込み等の溝加工によって形成する。このとき、譜面台集成部を設置台に固定する際にビス63aと螺合するような細長形状の大孔(図示せず)を、凹陥部32aの裏面に複数箇所設けておく。
次に、金型等によって譜面受け部34、段差部36、ガイド規定部51及び凸部52、譜面受け部34の一部である凹部53を備えた譜面台集成部50を一体的に形成する。
次に、譜面受け部34の一部に凹部53を設け、譜面止め部35を取り付ける。さらに、譜面台集成部50に収納されるガイド部40をガイド規定部51に挿入し、設置台32の表面からガイド部40の底部に設けられたボス44に向けて止め金具62を介してビス61aを挿入し、固定する。
さらに、譜面台集成部50を、設置台32に止め金具64及びビス63a、63bを介して固定する。これによって、ガイド部40は設置台32に対して強固に固定される。なお、譜面板31の譜面台集成部50への取付けは、ガイド部40の譜面台集成部50への取付けと同時に行うか、軸体31aを後付けすることによって行ってもよい。
最後に、予め譜面板31の背面に回動自在に取り付けられた回動軸33を、設置台32上に固定し、譜面台装置30を完成させる。
このようにして完成された譜面台装置30は、楽器本体10上に載置・固定され、電子鍵盤楽器1を構成する部材として組み込まれる。なお、回動軸の一端を、設置台32に対して取り付けるのではなく、譜面台集成部50上に回動自在に固定するようにしてもよい。
このような譜面台装置30において、譜面板31を立設・倒伏させる手順を図1及び図6を用いて説明する。
図1に示すような、譜面板31が倒伏している状態では、軸体31aは案内部材40の始端部41に位置する。この状態から、譜面板31の上端を手で持ち上げるように徐々に立設させると、軸体31aは始端部41を離れ、案内路43を摺動し、終端部42に到達する。さらに譜面板31を立設させると、終端部42に到達した軸体31aは図6に示すように落ち込み部42aに落ち込み、係合する。このとき軸体31a及び落ち込み部42aは譜面板31の自重を受け、これらの係合が安定し、譜面板31は所定の角度に立設させるように支持される。
図6に示すような譜面板31が立設した状態において、譜面板31の下底部と段差部36の前面36aとは同一平面を形成し、譜面板31と譜面受け部34とはほぼ直交する。また、譜面受け34の手前側に設けられた譜面止め部35を直立させることで、譜面受け34に立てかけた譜面が倒れるのを防止したり、見開いた譜面のページを保持したりすることが可能になる。
このように、譜面台装置30は、ガイド部収納部51,譜面受け部34,段差部36を一体的に形成した譜面台集成部50を備えているため、ガイド部40の固定位置や譜面板31の軸体31aを案内路43に嵌合させる位置等の調整する必要がない。また、ガイド部40の位置が予め固定されるため、譜面板31と設置台32との結合位置も自動的に定まる。したがって、譜面板31がガイド部40に設けられた案内路43中を滑らかに摺動することができ、また、譜面板31を容易に立設または倒伏させることができる。さらに、譜面台装置30の組立が容易となり、かつ、組立工数も減少する。
また、前述の実施形態のように、前記譜面台集成部50に譜面止め部35を予め取り付けた場合、譜面台装置30を組み上げた後にこのような譜面止め部を設ける必要がなくなる。この場合、より少ない工数で譜面台装置30を完成することができる。
さらに、このような譜面台装置においては、楽器の不使用時に譜面板31を倒設させる場合、図1に示すように、譜面板31が鍵盤楽器1の後方に突出しない。また、逆に言えば、大型の譜面を載置可能なだけの高さの譜面板31を備えた譜面台装置を楽器の奥行きをコンパクトにしつつ製造することが可能となる。
本発明に係る譜面台装置の縦断面を示す側面図である。 図1に示す譜面台装置について、I−Iを矢視方向に見た断面図である。 本発明に係る譜面台装置の一部を形成する譜面台集成部の一部及びガイド部を示す斜視図である。 本発明に係る譜面台装置を表側及び裏側から見た全体図である。 本発明に係る譜面台装置の一部を形成する譜面台集成部の一部を拡大して示す側面図である。 本発明に係る譜面台装置において、譜面板が立設した状態を示す側面図である。
符号の説明
1:鍵盤楽器 10:楽器本体 30:譜面台装置 31:譜面板 311:表面 31a:軸体 31b:腕部 31A:固定部 32:設置台 32a:凹陥部 32b:孔部 32c:スリット 33:支持アーム 33a:一端 33b:他端 33aa,33bb:ヒンジ部 34:譜面受け部 34a:凹部 35:譜面止め部 36:段差部 36a:前面 36b:上面 36c:立上げ面 40:ガイド部 41:始端部 42:終端部 42a:落ち込み部 43:案内路 50:譜面台集成部 501:端面 51:ガイド規定部 52:凸部 61a,61b:ビス 62:止め金具 63a、63b:ビス 64:止め金具 70:フランジ部 71:開放端面 80:譜面

Claims (3)

  1. 設置台に立設または倒伏される譜面板と、前記設置台に載置された譜面受け部とを有する譜面台装置であって、
    譜面板の裏面に一端が固定され、他端が前記設置台に固定されるとともに、前記一端及び他端が回動自在である支持アームと、譜面台集成部とで構成され、
    前記譜面台集成部は、前記譜面板を立設状態から倒伏状態へまたは倒伏状態から立設状態へ案内するガイド部と、前記ガイド部を保持しその位置を規定するガイド規定部と前記譜面受け部とを集成して設けてなり、
    前記譜面板の立設時に、前記譜面板が前記ガイド部にガイドされて、前記設置台上の所定の立設位置に設置されるようにしたことを特徴とする譜面台装置。
  2. 前記譜面台集成部は、前記譜面受け部に譜面を載置した時に譜面の脱落を防止する譜面止め部をさらに集成して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の譜面台装置。
  3. 前記譜面台集成部は、譜面の立設位置を規定する譜面位置規定部をさらに集成して構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の譜面台装置。
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