JP2005181680A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、中間転写体を用いた画像形成装置及び画像形成方法を用いて良好なカラーの電子写真画像を提供することである。
【解決手段】 複数の画像形成ユニット毎の電子写真感光体上に形成された各色トナー像を中間転写体上に順次重ね合わせて転写してカラートナー像を形成し、該カラートナー像を記録材上に一括して再転写し、再転写されたカラートナー像を定着してカラー画像を形成する画像形成装置において、電子写真感光体の支持体がアルミニウム酸化物とアルミニウム金属の放出電子の強度比が光電子分光法で1.7〜7.0の表面酸化皮膜を有し、現像手段に用いられる各色トナーが、トナー粒子の50%個数粒径をDp50とすると、粒径0.7×(Dp50)以下のトナー粒子の含有量が10個数%以下であり、中間転写体上に残留した転写残トナーを複数のクリーニングブレードで除去する画像形成装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、カラー複写機やカラープリンタとして用いられる画像形成装置及び該画像形成装置を用いた画像形成方法に関するものである。
近年カラー複写機やカラープリンタにおいても、カラー画像を求める傾向が強い。実用的に価値の高いカラー画像形成方法を通常よく用いられる呼称で大別すると、中間転写方式、KNC方式(電子写真感光体(以後、単に感光体とも云う)上に多色重ね合わせ画像を作り一括転写する方式)、タンデム方式等がある。
無論これらは異なる観点から付けられた呼称であるから、例えば中間転写方式であり且つタンデム方式といったものが当然存在する。この中間転写方式で且つタンデム方式(以後タンデム方式とはこの中間転写方式で且つタンデム方式を云う)のカラー画像形成装置は、高画質のフルカラー画像が得られることで知られている。この方式ではイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応したそれぞれの感光体で、トナー画像を形成し、中間転写体上にカラー重ね合わせ像を造り、転写材に一括転写するものである。
このタンデム方式のカラー画像形成では、トナー画像を各感光体から中間転写体に転写する一次転写と中間転写体から記録紙へ転写する二次転写の2段階の転写工程があり、また、クリーニングも一次転写後の感光体のクリーニングと二次転写後の中間体のクリーニングの2段階あるため、しばしば、トナー画像の転写不良に伴う画像不良やクリーニングに伴う画像欠陥が発生しやすい。
中間転写体を用いた画像形成装置では、装置の大型化を避けるため、中間転写体に装置の小型化が可能なベルト状の中間転写体を採用する方式が多いが、ベルト状の中間転写体のクリーニングは、クリーニング部材と中間転写体の当接状態が変化しやすく、クリーニング不良が発生しやすい。該中間転写体のクリーニング不良を解決する為に、これまでいくつかの提案が為されている。例えば、クリーニングブレードと金属薄板部材を密着させたクリーニング装置(特許文献1)、クリーニングブレードと金属スクレーパを用いたクリーニング装置(特許文献2)等を用い中間転写体上の残留トナーを除去する方式が提案されている。
しかしながら、現像剤のトナーの粒度分布で、粒径が1μm近辺の微小粒径のトナー成分が多く含まれていると、感光体や中間転写体の表面に微小粒径トナー成分が付着しやすく、感光体から或いは中間転写体からの転写性やクリーニング不良が発生しやすい。特に、表面摩耗が小さい中間転写体に微小粒径トナーが付着すると、中間転写体上に部分的なトナーフィルミングが発生し、このトナーフィルミング部分はクリーニング部材との接触摩擦が不安定となり、前記したクリーニングブレードと金属スクレーパを用いたクリーニング装置を用いても十分な中間転写体のクリーニングができずに、トナーがクリーニングブレードをすり抜けやすく、その結果、画像むら等の画像欠陥を発生しやすい。
又、感光体から中間転写体へのトナーの転写不良では、画像濃度の低下、転写抜け等の画像不良が発生しやすい。一方、中間転写体から記録紙へのトナーの転写不良では転写はじきに伴う文字チリや鮮鋭性の低下等が報告されている。
この「転写抜け」や「文字チリ」の原因となる転写性の改善するために、電子写真感光体の表面層に微粒子を含有させて、表面に凹凸をつけ、感光体表面のトナーの付着力を低減し、転写性を改良したり、ブレードとの摩擦力を低減させるなどの技術が検討されてきた。例えば、感光層にアルキルシルセスキオキサン樹脂微粒子を含有させることが報告されている(特許文献3)。しかし、アルキルシルセスキオキサン樹脂微粒子は吸湿性があり、高湿環境下では感光体の表面の濡れ性、即ち表面エネルギーが大きくなり、転写性が低下しやすいといった問題が発生する。一方、感光体表面を低表面エネルギー化するために、フッ素樹脂粉体を含有させた電子写真感光体が報告されている。しかしながらフッ素樹脂粉体では十分な表面強度が得られず、感光体表面の傷に起因したスジ故障は発生し易く、画像ボケも発生しやすいという問題があった(特許文献4)。
一方、中間転写体の転写性やクリーニング性を改善する為には、中間転写体に固形の潤滑剤を供給し、中間転写体の表面エネルギーを低下させる技術が公開されている(特許文献5、6、7)。しかしながら、このように中間転写体の表面エネルギーを低下させると感光体との表面エネルギーのバランスが不安定となり、感光体から中間転写体へのトナーの転写性がしばしば不十分となり、2回の転写工程と中間転写体のクリーニング性をトータルに改善するには、不十分であることが見出された。
一方、電子写真プロセスに目を向けると潜像画像形成方式は、ハロゲンランプを光源とするアナログ画像形成とLEDやレーザを光源とするデジタル方式の画像形成に大別される。最近はパソコンのプリンターとして、また通常の複写機においても画像処理の容易さや複合機への展開の容易さからデジタル方式の潜像画像形成方式が急激に主流となりつつある。
デジタル方式の画像形成では、コピーのみならず、オリジナル画像を作製する使用法が多くなり、デジタル方式の電子写真画像形成はより高画質が要求される傾向にある。
前記高画質化の要求に対して、形状因子や粒度分布を制御した重合トナーを用いて、電子写真感光体上の潜像を忠実に顕像化する研究が進められているが、これら重合トナーをタンデム方式のカラー画像形成装置用いると、トナーの転写性の向上、クリーニング性の改良効果が当初予想した程には上がらず、転写不良に起因する画像欠陥やクリーニング不良に伴うトナーのすり抜けの発生が起きやすい。
特に、中間転写体を用いたタンデム方式のカラー画像形成装置では前記した一次転写と二次転写の両方トータルのトナーの転写性を改善し、且つ中間転写体のクリーニング性の改善が重要であることが見出された。
特開2002−162839号公報 特開2002−278319号公報 特開平5−181291号公報 特開昭63−56658号公報 特開平6−337598号公報 特開平6−332324号公報 特開平7−271142号公報
本発明は、上記問題点を解決するためになされた。本発明の目的は、中間転写体を用いた画像形成装置を用いて良好なカラーの電子写真画像を提供することであり、特に多数枚のカラー画像形成において、感光体から中間転写体への転写性、中間転写体からの記録材への転写性、及び中間転写体上の残留トナー成分の除去を改善することにより、転写不良に起因する転写抜けや文字チリ、或いはクリーニング不良に起因する画像むら等を防止し、鮮鋭性が良好で鮮やかな色相のカラー画像を再現する電子写真方式の画像形成装置、画像形成方法を提供することにある。特にベルト状の中間転写体を用い、中間転写体で発生しやすいクリーニング不良に起因する画像むらや転写不良に起因する転写抜けや文字チリ等を防止し、鮮鋭性が良好で鮮やかな色相のカラー画像を再現する電子写真方式の画像形成装置、画像形成方法を提供することにある。
本発明の中間転写体を用いるカラー画像を形成する画像形成装置において、感光体から中間転写体へのカラートナー像の一次転写性、及び中間転写体上に重ねあわされた各色トナー像の記録材への二次転写性、感光体及び中間転写体上のトナーのクリーニング性について詳しく検討した結果、感光体の支持体の表面処理の違い及び各色トナー毎の微小粒径トナー成分の存在比が一次転写性及び二次転写性の画像品質に影響し、且つ中間転写体のクリーニング性の良否に関与していることを見出し、本発明を完成した。即ち、平均粒径がほぼ3〜8μmのトナーは感光体の支持体の表面処理により生成する酸化皮膜が特定の物性値の範囲内で、前記トナーの一次転写性、二次転写性が良好であり、且つ中間転写体のトナーのクリーニング性も良好であるが、前記酸化皮膜が特定の物性値の範囲外であると、感光体から中間転写体への微小粒径のトナーの転写率が著しく増加したり、減少したりし、その結果、文字チリや転写抜けが発生したり、鮮鋭性が劣化したり、又中間転写体のトナーのクリーニング性も劣化しやすいことを見出し本発明を完成した。
即ち、本発明の目的は下記構成の何れかを採ることにより達成される。
(請求項1)
少なくとも電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段を有する画像形成ユニットを複数配列して設け、該複数の画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて電子写真感光体上に形成された各色トナー像を中間転写体上に順次重ね合わせて転写してカラートナー像を形成し、該カラートナー像を記録材上に一括して再転写し、再転写されたカラートナー像を定着してカラー画像を形成する画像形成装置において、前記電子写真感光体の支持体がアルミニウム酸化物とアルミニウム金属の放出電子の強度比が光電子分光法で1.7〜7.0の範囲の表面酸化皮膜を形成しており、前記現像手段に用いられる各色トナーが、トナー粒子の50%個数粒径をDp50とすると、粒径0.7×(Dp50)以下のトナー粒子の含有量が10個数%以下であり、前記中間転写体上に残留した転写残トナーを複数のクリーニングブレードで除去する中間転写体用クリーニング手段を有することを特徴とする画像形成装置。
(請求項2)
少なくとも電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段を有する画像形成ユニットを複数配列して設け、該複数の画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて電子写真感光体上に形成された各色トナー像を中間転写体上に順次重ね合わせて転写してカラートナー像を形成し、該カラートナー像を記録材上に一括して再転写し、再転写されたカラートナー像を定着してカラー画像を形成する画像形成装置において、前記電子写真感光体の支持体がアルミニウム酸化物とアルミニウム金属の放出電子の強度比が光電子分光法で1.7〜7.0の範囲の表面酸化皮膜を形成しており、前記現像手段に用いられる各色トナーが、トナー粒子の50%体積粒径(Dv50)と50%個数粒径(Dp50)の比(Dv50/Dp50)が1.0〜1.15であり、体積粒径の大きい方からの累積75%体積粒径(Dv75)と個数粒径の大きい方からの累積75%個数粒径(Dp75)の比(Dv75/Dp75)が1.0〜1.20であり、且つ粒径が0.7×(Dp50)以下のトナー粒子の含有量が10個数%以下であり、前記中間転写体上に残留した転写残トナーを複数のクリーニングブレードで除去する中間転写体用クリーニング手段を有することを特徴とする画像形成装置。
(請求項3)
複数の画像形成ユニットが4つの画像形成ユニットであり、黒色系トナーを有する画像形成ユニット、黄色系トナーを有する画像形成ユニット、マゼンタ色系トナーを有する画像形成ユニット及びシアン色系トナーを有する画像形成ユニットからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
(請求項4)
黒色系トナーの体積平均粒径が3.0〜8.0μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(請求項5)
前記黒色系トナーが重合トナーであることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
(請求項6)
前記黒色系トナー、黄色系トナー、マゼンタ色系トナー及びシアン色系トナーが重合トナーであることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(請求項7)
前記複数のクリーニングブレードの内、少なくとも1つのクリーニングブレードが非変形部材であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(請求項8)
前記非変形部材が金属性スクレーパで構成されていることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
(請求項9)
前記複数のクリーニングブレードの内、少なくとも1つのクリーニングブレードが弾性ブレードであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(請求項10)
前記弾性ブレードがウレタンゴムブレードであることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
(請求項11)
前記電子写真感光体の表面の水に対する接触角が90°以上であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(請求項12)
前記電子写真感光体の表面層がフッ素樹脂粒子を含有していることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(請求項13)
前記電子写真感光体の表面層が酸化防止剤を含有していることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(請求項14)
前記中間転写体がベルト状中間転写体であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(請求項15)
請求項1〜14のいずれか1項に記載の画像形成装置を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
本発明を用いることにより、中間転写体を用いた電子写真方式のトナー転写特性の改善を達成でき、トナー転写の低下から発生する転写抜けや文字チリ等の画像欠陥を防止でき、且つ画像濃度や鮮鋭性が良好なカラー画像を形成できる電子写真方式の画像形成装置、画像形成方法を提供することができる。
本発明の画像形成装置は、前記した電子写真感光体の支持体がアルミニウム酸化物とアルミニウム金属の放出電子の強度比が光電子分光法で1.7〜7.0の範囲の表面酸化皮膜を形成しており、前記現像手段に用いられる各色トナーが、トナー粒子の50%個数粒径をDp50とすると、粒径0.7×(Dp50)以下のトナー粒子の含有量が10個数%以下であり、前記中間転写体上に残留した転写残トナーを複数のクリーニングブレードで除去する中間転写体用クリーニング手段を有することを特徴とする。本発明の画像形成装置は、このような構成を有することにより、2回の転写による転写抜け、文字チリを防止でき、且つ中間転写体上のトナーのクリーニング性等による画像むら等を著しく改善でき、鮮鋭性が良好で、色相が鮮やかなカラー画像を形成することができる。
又、本発明の画像形成装置は前記した電子写真感光体の支持体がアルミニウム酸化物とアルミニウム金属の放出電子の強度比が光電子分光法で1.7〜7.0の範囲の表面酸化皮膜を形成しており、前記現像手段に用いられる各色トナーが、トナー粒子の50%体積粒径(Dv50)と50%個数粒径(Dp50)の比(Dv50/Dp50)が1.0〜1.15であり、体積粒径の大きい方からの累積75%体積粒径(Dv75)と個数粒径の大きい方からの累積75%個数粒径(Dp75)の比(Dv75/Dp75)が1.0〜1.20であり、且つ粒径が0.7×(Dp50)以下のトナー粒子の含有量が10個数%以下であり、前記中間転写体上に残留した転写残トナーを複数のクリーニングブレードで除去する中間転写体用クリーニング手段を有することを特徴とする。本発明の画像形成装置はこのような構成を有することにより、2回の転写による転写抜け、文字チリを防止でき、且つ中間転写体上のトナーのクリーニング性等による画像むら等を著しく改善でき、鮮鋭性が良好で、色相が鮮やかなカラー画像を形成することができる。
以下、本発明に用いるトナー、感光体及び画像形成装置等について、順次詳細な記載を行なう。
本発明に用いるトナーとしては、重合トナーが好ましい。粒径0.7×(Dp50)以下のトナー粒子の含有量が10個数%以下にした重合トナーを用いて、前記本発明の電子写真感光体上に形成されたトナー像は電子写真感光体から中間転写体への一次転写性及び中間転写体から記録材上への二次転写性の画像品質が良く、且つ中間転写体上の残留トナーのクリーニング性も良好である。
一方、粒径0.7×(Dp50)以下のトナー粒子の含有量が10個数%を超えたトナーを用いた場合は、前記本発明の電子写真感光体上のトナー像自体に文字チリが発生しやすく、更に前記一次転写性が劣化しやすく、文字チリや転写抜けが発生しやすい。
ここで、重合トナーとは、トナー用バインダーの樹脂の生成とトナー形状がバインダー樹脂の原料モノマーの重合と、必要によりその後の化学的処理により形成されるトナーを意味する。より具体的には懸濁重合、乳化重合等の重合反応と、必要によりその後に行われる粒子同士の融着工程を経て形成されるトナーを意味する。
本発明者らの検討では、前記したように平均粒径がほぼ3μm〜8μmの小粒径トナーを用いて中間転写体方式の画像形成装置の問題点を鋭意検討した結果、平均粒径よりも微小粒径のトナー成分は前記した一次転写性、二次転写性、中間転写体のクリーニング性等に前記したような問題が発生しやすい。しかしながら、電子写真感光体にアルミニウム酸化物とアルミニウム金属の放出電子の強度比が光電子分光法で1.7〜7.0の範囲の表面酸化皮膜を形成した支持体を使用した電子写真感光体を用い、小粒径化されたトナーでは、以下に示したような分布を有するトナーを用いると前記した一次転写性、二次転写性が改善され、安定したトナーの転写画像が得られ、中間転写体上の残留トナーのクリーニング性も安定して良好な結果が得られる。即ち、小粒径されたトナーでは、単に付着力の大きくなる小粒径成分の存在量を低減するだけではなく、全トナーでのトナー粒径の中央値である50%粒径に着目し、トナー粒子の50%個数粒径をDp50とすると、該Dp50から大きく乖離している粒径0.7×(Dp50)以下のトナー粒子の含有量を10個数%以下にすることにより、前記した転写不良やクリーニング不良に基づく転写抜けや画像むら等の画像欠陥を発生を防止することができることを見出し、以下のような微小トナー成分を少なくしたトナーを使用することが有効であることを見出した。
即ち、前記した中間転写体を用いた画像形成装置に用いられる画像形成ユニットの現像手段に用いられる各色トナーが、該各色トナーが、トナー粒子の50%個数粒径をDp50とすると、粒径0.7×(Dp50)以下のトナー粒子の含有量が10個数%以下であることにより、感光体や中間転写体のトナーの転写性を改善し、併せて中間転写体のクリーニング手段に複数のクリーニングブレードを用いることにより、中間転写体のクリーニング性を改善することができる。
又、トナーの50%体積粒径(Dv50)と50%個数粒径(Dp50)の比(Dv50/Dp50)が1.0〜1.15、該トナーの体積粒径の大きい方からの累積75%体積粒径(Dv75)と、前記トナーの前記個数粒径の大きい方からの累積75%個数粒径(Dp75)の比(Dv75/Dp75)が1.0〜1.20であり、全トナー中において、粒径が0.7×(Dp50)以下のトナーの個数が10個数%以下であり、中間転写体のクリーニング手段として、複数のクリーニングブレードを有するクリーニング手段を用いることにより、転写性、クリーニング性を改善し、鮮鋭な電子写真画像を形成することが出来る。
まず、本発明に係るトナーの体積粒径、個数粒径及び、前記体積粒径と前記個数粒径との比について説明する。
本発明のトナーは、微小粒径のトナー成分を一定値以下にすることが必要である。即ち、全トナー中において、トナー粒子の50%個数粒径をDp50とすると、粒径が0.7×(Dp50)以下のトナーの個数が10個数%以下であることが必要である。より好ましくは、0.7×(Dp50)以下のトナーの個数が5個数%〜8個数%である。
更に、本発明に記載の効果を得る観点から、本発明に係るトナーは、粒径分布として単分散であることが好ましく、50%体積粒径(Dv50)と50%個数粒径(Dp50)の比(Dv50/Dp50)が1.0〜1.15であることが必要であるが、好ましくは1.0〜1.13である。
また、転写性や現像性の変動幅を抑制するためには、トナーの大きい方からの累積75%体積粒径(Dv75)と75%個数粒径(Dp75)の比(Dv75/Dp75)が1.0〜1.20であることが必要であるが、好ましくは、1.1〜1.19である。
本発明に係るトナーの50%体積粒径(Dv50)は3μm〜8μmが好ましく、更に、好ましくは3μm〜7μmである。また、本発明に係るトナーの50%個数粒径(Dp50)は、2μm〜7.5μmが好ましく、更に好ましくは、2.5μm〜7μmである。この範囲とすることにより、本発明の効果をより顕著に発揮することができる。
ここで、大きい方からの累積75%体積粒径(Dv75)或いは累積75%個数粒径(Dp75)とは、粒径の大きな方からの頻度を累積し、全体積の和或いは個数の和に対して、それぞれが75%を示す粒径分布部位の体積粒径或いは個数粒径で表す。
本発明において、50%体積粒径(Dv50)、50%個数粒径(Dp50)、累積75%体積粒径(Dv75)、累積75%個数粒径(Dp75)等は、コールターカウンターTA−II型或いはコールターマルチサイザー(コールター社製)で測定することが出来る。
本発明のトナーの粒径は、体積平均粒径で3〜8μmのものが好ましい。特に黒色系トナーの体積平均粒径がこの範囲の粒径で用いられると、カラー画像及び文字画像の混合した画像で鮮鋭性が良好な電子写真画像が得られやすい。この粒径は、重合法によりトナー粒子を形成させる場合には、凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、または融着時間、さらには重合体自体の組成によって制御することができる。
本発明に係るトナーの構成成分、トナーの構成成分である結着樹脂の成分、その製造などについて説明する。
本発明に係るトナーは着色剤、結着樹脂などを少なくとも含有するが、前記トナーは、粉砕・分級工程を経て製造してもよく、下記に示すような重合性単量体を重合して得た樹脂粒子を用いてトナーを作製する、いわゆる重合法で製造してもよい。重合法を用いてトナーを製造する場合には樹脂粒子を塩析/融着する工程を有する製造方法が特に好ましい。
重合法に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合性単量体を構成成分として用い、必要に応じて架橋剤を使用することができる。また、以下の酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体を少なくとも1種類含有させることが好ましい。
(1)ラジカル重合性単量体
ラジカル重合性単量体成分としては、特に限定されるものではなく従来公知のラジカル重合性単量体を用いることができる。また、要求される特性を満たすように、1種または2種以上のものを組み合わせて用いることができる。
具体的には、芳香族系ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単量体等が挙げられる。
芳香族系ビニル単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン系単量体およびその誘導体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げられる。
ビニルエーテル系単量体としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられる。
モノオレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
ジオレフィン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
ハロゲン化オレフィン系単量体としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等が挙げられる。
(2)架橋剤
架橋剤としては、トナーの特性を改良するためにラジカル重合性架橋剤を添加しても良い。ラジカル重合性架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリル等の不飽和結合を2個以上有するものが挙げられる。
(3)酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体
酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体としては、例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体、スルホン酸基を有する重合性単量体、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等のアミン系の重合性単量体が挙げられる。
カルボキシル基を有する重合性単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル等が挙げられる。
スルホン酸基を有する重合性単量体としては、スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、アリルスルホコハク酸オクチル等が挙げられる。
これらは、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩あるいはカルシウムなどのアルカリ土類金属塩の構造であってもよい。
塩基性基を有するラジカル重合性単量体としては、アミン系の化合物があげられ、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、および上記4化合物の4級アンモニウム塩、3−ジメチルアミノフェニルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩、アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、ピペリジルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド;ビニルピリジン、ビニルピロリドン;ビニルN−メチルピリジニウムクロリド、ビニルN−エチルピリジニウムクロリド、N,N−ジアリルメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジアリルエチルアンモニウムクロリド等を挙げることができる。
本発明に用いられるラジカル重合性単量体としては、酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体が単量体全体の0.1〜15質量%使用することが好ましく、ラジカル重合性架橋剤はその特性にもよるが、全ラジカル重合性単量体に対して0.1〜10質量%の範囲で使用することが好ましい。
〔連鎖移動剤〕
分子量を調製することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることが出来る。連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく例えばオクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル、四臭化炭素およびスチレンダイマー等が使用される。
〔重合開始剤〕
本発明に用いられるラジカル重合開始剤は水溶性であれば適宜使用が可能である。例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、アゾ系化合物(4,4′−アゾビス4−シアノ吉草酸及びその塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等)、パーオキシド化合物等が挙げられる。
更に上記ラジカル性重合開始剤は、必要に応じて還元剤と組み合わせレドックス系開始剤とする事が可能である。レドックス系開始剤を用いる事で、重合活性が上昇し重合温度の低下が図れ、更に重合時間の短縮が期待できる。
重合温度は、重合開始剤の最低ラジカル生成温度以上であればどの温度を選択しても良いが例えば50℃から90℃の範囲が用いられる。但し、常温開始の重合開始剤、例えば過酸化水素−還元剤(アスコルビン酸等)の組み合わせを用いる事で、室温またはそれ以上の温度で重合する事も可能である。
〔界面活性剤〕
前述のラジカル重合性単量体を使用して重合を行うためには、界面活性剤を使用して水系媒体中に油滴分散を行う必要がある。この際に使用することのできる界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、下記のイオン性界面活性剤を好適なものの例として挙げることができる。
イオン性界面活性剤としては、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム等)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等)が挙げられる。
また、ノニオン性界面活性剤も使用することができる。具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等をあげることができる。
本発明において、これらは、主に乳化重合時の乳化剤として使用されるが、他の工程または使用目的で使用してもよい。
〔着色剤〕
着色剤としては無機顔料、有機顔料、染料を挙げることができる。
無機顔料としては、従来公知のものを用いることができる。具体的な無機顔料を以下に例示する。
黒色の顔料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
これらの無機顔料は所望に応じて単独または複数を選択併用する事が可能である。また顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%が選択される。
磁性トナーとして使用する際には、前述のマグネタイトを添加することができる。この場合には所定の磁気特性を付与する観点から、トナー中に20〜60質量%添加することが好ましい。
有機顔料及び染料としても従来公知のものを用いることができる。具体的な有機顔料及び染料を以下に例示する。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー156、等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いる事ができ、またこれらの混合物も用いる事ができる。
これらの有機顔料及び染料は所望に応じて単独または複数を選択併用する事が可能である。また顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%が選択される。
着色剤は表面改質して使用することもできる。その表面改質剤としては、従来公知のものを使用することができ、具体的にはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等が好ましく用いることができる。
本発明に係るトナーは離型剤を併用してもよく、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの低分子量ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、エステルワックス等を離型剤として使用することが出来る。また、本発明においては、下記一般式(1)で示されるエステルワックスを好ましく用いることが出来る。
一般式(1)
1−(OCO−R2n
式中、nは1〜4の整数を表すが、好ましくは2〜4であり、さらに好ましくは3〜4、特に好ましくは4である。
1、R2は置換基を有しても良い炭化水素基を示す。
1:炭素数=1〜40、好ましくは1〜20、更に好ましくは2〜5
2:炭素数=1〜40、好ましくは13〜29、更に好ましくは12〜25
以下に、本発明に係るエステル基を有する結晶性化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2005181680
Figure 2005181680
これらエステルワックスは、樹脂粒子中に含有され、樹脂粒子を融着させて得られるトナーに良好な定着性(画像支持体に対する接着性)を付与する機能を有する。
本発明に用いられる離型剤の添加量は、トナー全体に1質量%〜30質量%が好ましく、更に好ましくは2質量%〜20質量%であり、更に好ましくは3〜15質量%である。また、本発明のトナーは、上記の重合性単量体中に前記離型剤を溶解させたものを水中に分散し、重合させ、樹脂粒子中に離型剤として上記のようなエステル系化合物を内包させた粒子を形成させ、着色剤粒子ととも塩析/融着する工程を経て作製されたトナーが好ましい。
本発明に係るトナーは、着色剤、離型剤以外にトナー用材料として種々の機能を付与することのできる材料を加えてもよい。具体的には荷電制御剤等が挙げられる。これらの成分は前述の塩析/融着段階で樹脂粒子と着色剤粒子と同時に添加し、トナー中に包含する方法、樹脂粒子自体に添加する方法等種々の方法で添加することができる。
荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、且つ水中に分散することができるものを使用することができる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
本発明に係るトナーに用いられる外添剤について説明する。
本発明に係るトナーには、流動性、帯電性の改良およびクリーニング性の向上などの目的で、いわゆる外添剤を添加して使用することができる。これら外添剤としては特に限定されないが、種々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することができる。
無機微粒子としては、従来公知のものを使用することができる。具体的には、シリカ、チタン、アルミナ微粒子等が好ましく用いることができる。これら無機微粒子としては疎水性のものが好ましい。具体的には、シリカ微粒子として、例えば日本アエロジル社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
チタン微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
アルミナ微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
また、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。このものとしては、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体を使用することができる。
滑剤には、例えばステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩等の高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。
これら外添剤の添加量は、トナーに対して0.1〜5質量%が好ましい。
外添剤の添加方法としては、タービュラーミキサー、ヘンシエルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置が挙げられる。
本発明に係る静電荷像現像用トナーの製造方法について説明する。
《製造工程》
本発明のトナーは、離型剤を溶解した上記記載のような重合性単量体または重合性単量体溶液を水系媒体中に分散し、ついで重合法により離型剤を内包した樹脂粒子を調製する工程、前記樹脂粒子分散液を用いて水系媒体中で樹脂粒子を融着させる工程、得られた粒子を水系媒体中より濾過し界面活性剤などを除去する洗浄工程、得られた粒子を乾燥させる工程、さらに乾燥させて得られた粒子に外添剤などを添加する外添剤添加工程などから構成される重合法で製造することが好ましい。ここで樹脂粒子としては着色された粒子であってもよい。また、非着色粒子を樹脂粒子として使用することもできる、この場合には、樹脂粒子の分散液に着色剤粒子分散液などを添加した後に水系媒体中で融着させることで着色粒子とすることができる。
特に、融着の方法としては、重合工程によって生成された樹脂粒子を用いて塩析/融着する方法が好ましい。また、非着色の樹脂粒子を使用した場合には、樹脂粒子と着色剤粒子を水系媒体中で塩析/融着させることができる。
また、着色剤や離型剤に限らず、トナーの構成要素である荷電制御剤等も本工程で粒子として添加することができる。
なお、ここで水系媒体とは主成分として水からなるもので、水の含有量が50質量%以上であるものを示す。水以外のものとしては、水に溶解する有機溶媒を挙げることができ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどをあげることができる。好ましくは樹脂を溶解しない有機溶媒である、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール系有機溶媒が特に好ましい。
本発明での好ましい重合法としては、モノマー中に離型剤を溶解したモノマー溶液を臨界ミセル濃度以下の界面活性剤を溶解させた水系媒体中に機械的エネルギーによって油滴分散させた分散液に、水溶性重合開始剤を加え、ラジカル重合させる方法をあげることができる。この場合、モノマー中に油溶性の重合開始剤を加えて使用してもよい。
この油滴分散を行うための分散機としては特に限定されるものでは無いが、例えばクレアミックス、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等をあげることができる。
着色剤自体は表面改質して使用してもよい。着色剤の表面改質法は、溶媒中に着色剤を分散し、その中に表面改質剤を添加した後昇温し反応を行う。反応終了後、ろ過し同一の溶媒で洗浄ろ過を繰り返し乾燥させ表面改質剤で処理された顔料を得る。
着色剤粒子は着色剤を水系媒体中に分散して調製される方法がある。この分散は、水中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われることが好ましい。
顔料分散時の分散機は特に限定されないが、好ましくはクレアミックス、超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。
ここで使用される界面活性剤は、前述の界面活性剤を使用することができる。
塩析/融着を行う工程は、樹脂粒子及び着色剤粒子とが存在している水中にアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等からなる塩析剤を臨界凝集濃度以上の凝集剤として添加し、ついで樹脂粒子のガラス転移点以上に加熱することで塩析を進行させると同時に融着を行う工程である。
ここで、塩析剤であるアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩は、アルカリ金属として、リチウム、カリウム、ナトリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属として、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられ、好ましくはカリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが挙げられる。また塩を構成するものとしては、塩素塩、臭素塩、沃素塩、炭酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
トナーの粒径分布を達成するための方法としては特に限定されないが、例えば分級などの手法による制御や会合時における温度や時間、さらには会合を終了させるための停止方法の制御などの手法を使用することができる。
特に好ましい製造方法として、水中での会合時間、会合温度、停止速度などを制御する方法をあげることができる。すなわち、塩析/融着で行う場合、塩析剤を添加した後に放置する時間をできるだけ短くすることが好ましい。この理由として明確では無いが、塩析した後の放置時間によって、粒子の凝集状態が変動し、粒径分布が不安定になったり、融着させたトナーの表面性が変動したりする問題が発生する。この塩析剤を添加する温度は特に限定されない。
本発明では、樹脂粒子の分散液をできるだけ速やかに昇温し、樹脂粒子のガラス転移温度以上に加熱する方法を使用することが好ましい。この昇温までの時間としては30分未満、好ましくは10分未満である。さらに、昇温を速やかに行う必要があるが、昇温速度としては、1℃/分以上が好ましい。上限としては特に明確では無いが、急速な塩析/融着の進行により粗大粒子の発生を抑制する観点で、15℃/分以下が好ましい。特に好ましい形態としては、塩析/融着をガラス転移温度以上になった時点でも継続して進行させる方法をあげることができる。この方法とすることで、粒子の成長とともに融着が効果的に進行させることができ、最終的なトナーとしての耐久性を向上することができる。
さらに、会合時に2価の金属塩を使用して塩析/融着することで特に粒径を制御することが可能となる。この理由としては明確ではないが、2価の金属塩を使用することで塩析時の斥力が大きくなり、界面活性剤の分散能を効果的に抑制することが可能となり、結果として流刑分布を制御することが可能となったものと推定される。
また、塩析/融着を停止するために1価の金属塩及び水を添加することが好ましい。このものを添加することにより、塩析を停止させることができ、結果として大粒径成分や小粒径成分の存在を抑制することが可能となる。
樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させる重合法トナーでは、融着段階での反応容器内の媒体の流れおよび温度分布を制御することで、さらには融着後の形状制御工程において加熱温度、攪拌回転数、時間を制御することで、トナー全体の形状分布および形状を任意に変化させることができる。
すなわち、樹脂粒子を会合あるいは融着させる重合法トナーでは、反応装置内の流れを層流とし、内部の温度分布を均一化することができる攪拌翼および攪拌槽を使用して、融着工程および形状制御工程での温度、回転数、時間を制御することにより、本発明の形状係数および均一な形状分布を有するトナーを形成することができる。この理由は、層流を形成させた場で融着させると、凝集および融着が進行している粒子(会合あるいは凝集粒子)に強いストレスが加わらず、かつ流れが加速された層流においては攪拌槽内の温度分布が均一である結果、融着粒子の形状分布が均一になると推定される。さらに、その後の形状制御工程での加熱、攪拌により融着粒子は徐々に球形化し、トナー粒子の形状を任意に制御できる。
本発明のトナーを所定の形状に制御するためには、塩析と融着を同時進行させることが好ましい。凝集粒子を形成した後に加熱する方法ではその形状に分布を生じやすく、さらに微粒子の発生を抑制することができない。すなわち、凝集粒子を水系媒体中で攪拌しながら加熱するために凝集粒子の再分断が発生し、小粒径の成分が発生しやすいものと推定される。
《現像剤》
本発明に用いられるトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤でもよいが、好ましくは二成分現像剤である。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤として前記トナーをそのまま用いる方法もあるが、通常はトナー粒子中に0.1〜5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤として用いる。その含有方法としては、着色剤と同様にして非球形粒子中に含有させるのが普通である。
又、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いる。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜60μmのものがよい。
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
次に、本発明に用いられる感光体について詳細に説明する。
本発明の画像形成装置に用いられる電子写真感光体は無機感光体、有機感光体のいずれを用いてもよいが、潜像形成の際に、像露光に用いられるレーザ光への感色性、生産性の良好さ等から有機感光体が好ましい。
ここで、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機電子写真感光体を全て含有する。
以下に本発明に用いられる具体的な感光体の構成について記載する。
導電性支持体
本発明の感光体に用いられる支持体としてはシート状或いは円筒状の導電性支持体が用いられる。
本発明の円筒状の導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
本発明の電子写真感光体は構成要件の1つである導電性支持体にアルミニウム酸化物とアルミニウム金属の放出電子の強度比が光電子分光法で1.7〜7.0の範囲の酸化膜を表面に有するアルミニウム支持体を用いることを特徴とする。ここで、アルミニウム支持体とは、円筒状アルミニウム支持体でも、シート状(ポリエステルフイルム等にアルミニウムが蒸着されたものも含む)でもよい。又、アルミニウム支持体としてはその主成分がアルミニウム元素がら構成され、強度や腐食性等の特性を改良する為に混合されるマグネシウム、亜鉛、シリカ等の他の金属、遷移金属等を含有していてもよい。
円筒状アルミニウム支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できる円筒形状のアルミニウム支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある円筒状アルミニウム支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
上記アルミニウム支持体上にアルミニウム酸化物とアルミニウム金属の放出電子の強度比が光電子分光法で1.7〜7.0の範囲の酸化膜を均一に形成するには、アルミニウム支持体の表面に以下のような処理を施すことが好ましい。
1)硫酸水溶液中で浸積処理
20〜50%の硫酸水中にアルミニウム支持体を浸積し、常温或いは加熱して支持体表面を酸化する。
2)オゾン水中で浸積処理
オゾンを吹き込んだ水中にアルミニウム支持体を浸積し、加熱して支持体表面を酸化する。
3)空中で加熱処理
アルミニウム支持体を空中で長時間(2時間〜100時間)加熱処理する。加熱温度は100℃以上が好ましい。
本発明のアルミニウム支持体表面の酸化膜は、アルミニウム酸化物とアルミニウム金属の放出電子の強度比が光電子分光法で1.7〜7.0であるが、このような表面酸化皮膜を有する支持体の電子写真感光体と前記した粒度分布を有するトナーを併用することにより、前記した一次転写性、二次転写性が良好で中間転写体のクリーニング性も良好で、その結果、画像欠陥の少ない良好な電子写真画像を得ることができる。該強度比が1.7未満では、トナーの粒度分布を前記したように構成しても、感光体上の非画像部にもトナー画像が形成され、前記一次転写及び二次転写の電子写真画像に文字チリが発生しやすく、中間転写体上の残留トナーのクリーニング性も劣化しやすい。一方、該強度比7.0を超えると感光体の残留電位の増加や感度の低下が発生しやすいためか、感光体から中間転写体への一次転写性が低下し、画像濃度が低下しやすく、転写抜けも発生しやすい。前記強度比は2.0〜6.0がより好ましい。
光電子分光法によるAl(oxido)/Al(metal)の強度比の測定条件
使用装置;ESCALAB 200−R
条件;アノード:Mg(600W)、チルト:60度、
P.E.;100eV/10eV(定性・定量状態分析モード)
光電子取り出し角度;45度
又、上記酸化膜の膜厚は1.7〜10nmの範囲が好ましい、該膜厚が1.7nm未満の場合は、アルミニウム支持体から感光層にフリーキャリアが注入されやすい。又10nmを超えると残留電位の増加や感度の低下が発生しやすい。該酸化膜は2.0〜8.0nmがより好ましい。
アルミ酸化膜(Al(oxido)膜)の測定法
本発明では、SeahとDenchの下記経験式を用い、Al(oxido)とAl(metal)中の光電子の平均自由行程、密度、分子量が等しいと仮定して、前記ESCALABの測定データを用い計算した。
酸化膜膜厚(d:nm)=
λAl(oxido)×sinα×ln(I(oxido)/I(metal)+1)
λAl(oxido):Al中のAl2pの光電子の平均自由行程=2.36nm
α:45度
(oxido)、I(metal);各々Al2p(oxide)、Al2p(metal)のピークのエリア強度を表す。
中間層
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤー機能を備えた中間層を設けることが好まく、特にはポリアミド等のバインダー樹脂中に酸化チタン微粒子を分散含有させる中間層が好ましい。該酸化チタン粒子の平均粒径は、数平均一次粒径で10nm以上400nm以下の範囲が良く、15nm〜200nmが好ましい。10nm未満では中間層によるモアレ発生の防止効果が小さい。一方、400nmより大きいと、中間層塗布液の酸化チタン粒子の沈降が発生しやすく、その結果中間層中の酸化チタン粒子の均一分散性が悪く、又黒ポチも増加しやすい。数平均一次粒径が前記範囲の酸化チタン粒子を用いた中間層塗布液は分散安定性が良好で、且つこのような塗布液から形成された中間層は黒ポチ発生防止機能の他、環境特性が良好で、且つ耐クラッキング性を有する。
本発明に用いられる酸化チタン粒子の形状は、樹枝状、針状および粒状等の形状があり、このような形状の酸化チタン粒子は、例えば酸化チタン粒子では、結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型及びアモルファス型等があるが、いずれの結晶型のものを用いてもよく、また2種以上の結晶型を混合して用いてもよい。その中でもルチル型で且つ粒状のものが最も良い。
本発明の酸化チタン粒子は表面処理されていることが好ましい。中でも複数回の表面処理を行い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理を行うものが好ましい。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理を行い、最後に反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理を行うことが好ましい。
尚、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニア処理とは酸化チタン粒子表面にアルミナ、シリカ、或いはジルコニアを析出させる処理を云い、これらの表面に析出したアルミナ、シリカ、ジルコニアにはアルミナ、シリカ、ジルコニアの水和物も含まれる。又、反応性有機ケイ素化合物の表面処理とは、処理液に反応性有機ケイ素化合物を用いることを意味する。
この様に、酸化チタン粒子の表面処理を少なくとも2回以上行うことにより、酸化チタン粒子表面が均一に表面被覆(処理)され、該表面処理された酸化チタン粒子を中間層に用いると、中間層内における酸化チタン粒子の分散性が良好で、かつ黒ポチ等の画像欠陥を発生させない良好な感光体を得ることができるのである。
表面処理に用いる好ましい反応性有機ケイ素化合物としてはメチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキチシルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等の各種アルコキシシラン及びメチルハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。
感光層
本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取ることが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好ましい感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体構成である。
以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成について説明する。
電荷発生層
電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
本発明の電子写真感光体には、電荷発生物質としてフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを単独、或いは併用して用いることができる。
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.1μm〜2μmが好ましい。
電荷輸送層
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
電荷輸送物質(CTM)としては公知の電荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。
電荷輸送層(CTL)に用いられるバインダー樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂かを問わない。例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらの中で吸水率が小さく、CTMの分散性、電子写真特性が良好なポリカーボネート樹脂が最も好ましい。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し10〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の膜厚は10〜40μmが好ましい。
電荷輸送層は2層以上で構成してもよい。電荷輸送層を2層以上で構成する場合は、最上層の電荷輸送層に前記したフッソ系樹脂粒子を含有させ、感光体の表面層とすることが好ましい。
本発明の画像形成装置に用いられる電子写真感光体は感光体表面を低表面エネルギーの物性にし、感光体から中間転写体へのトナーの転写性を向上させることが好ましい。このための方策として、1つは、本発明では感光体の表面層をフッ素系樹脂粒子を含有させた表面層にすること、他の1つは感光体の表面に表面エンルギー低下剤を供給することにより、感光体の表面エネルギーを小さくし、感光体から中間転写体へのトナーの転写性を良好にすることができる。この感光体の表面エネルギーを低下させることと、前記したトナー濁度を調製したトナー群を用いることを併用することにより、中間転写体を用いた画像形成装置のトナーの一次転写性と二次転写性の両方の転写効率を挙げ、その相乗効果により、文字画像、カラー画像とも鮮鋭性が良好で、且つ色相再現が良好なカラーの電子写真画像を提供することができる。
又、本発明の電子写真感光体は表面エネルギーを低下させることにより、表面層は水に対する接触角が90°以上であることが好ましい。水に対する接触角が90°以上にすることによりトナー等のクリーニング性を改善すると共に、感光体から中間転写体へのトナーの転写性を良好にすることができる。
上記フッ素系樹脂粒子としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ三フッ化塩化エチレン、ポリフッ化ビニル、ポリ四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリ四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリエチレン−三フッ化エチレン共重合体、ポリ四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等の樹脂粒子を挙げることができ、体積平均粒径で0.05〜10μmが好ましく、より好ましくは0.1〜5μmである。又、本発明の感光体に含有するフッ素系樹脂粒子の量は、感光体の表面層のバインダー樹脂に対して、好ましくは0.1〜90質量%、より好ましくは1〜50質量%であり、0.1%未満の場合は感光層に十分な耐刷性や潤滑性を付与することができず、前記トナーの一次転写性の改善が小さく、画像濃度の低下、転写抜け、鮮鋭性の劣化等が発生しやすい。90質量%を超えると表面層の形成が困難に成りやすい。
なお、上記フッ素系樹脂粒子の体積平均粒径はレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置「LA−700」(堀場製作所(株)社製)により測定される。又、感光体の表面接触角は、純水に対する接触角を接触角計(CA−DT−A型:協和界面科学社製)を用いて20℃50%RHの環境下で測定する。
以上、本発明の最も好ましい感光体の層構成を例示したが、本発明では上記以外の感光体層構成でも良い。
図1は、本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としてのベルト状中間転写体70を有する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動するベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された記録材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての用紙Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5Aに搬送され、用紙P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された用紙Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5Aにより用紙Pにカラー画像を転写した後、用紙Pを曲率分離したベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6Aにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに圧接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに圧接する。
二次転写ローラ5Aは、ここを用紙Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、ベルト状中間転写体70に圧接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方にはベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74、75を巻回して回動可能なベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、及びクリーニング手段6Aとから成る。
筐体8の引き出し操作により、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、ベルト状中間転写体ユニット7とは、一体となって、本体Aから引き出される。
筐体8の図示左側の支持レール82Lは、ベルト状中間転写体70の左方で、定着手段24の上方空間部に配置されている。筐体8の図示右側の支持レール82Rは、最下部の現像手段4Bkの下方付近に配置されている。支持レール82Rは、現像手段4Y、4M、4C、4Bkを筐体8に着脱する動作に支障を来さない位置に配置されている。
筐体8の感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示右方は、現像手段4Y、4M、4C、4Bkにより囲まれ、図示下方は、帯電手段2Y、2M、2C、2Bk、及びクリーニング手段6Y、6M、6C、6Bk等により囲まれ、図示左方は、ベルト状中間転写体70により囲まれている。
その中で感光体、クリーニング手段及び帯電手段等は一つの感光体ユニットを形成し、現像手段及びトナー補給装置等は一つの現像ユニットを形成している。
本発明の画像形成装置は中間転写体上の残留トナーのクリーニング手段として、複数のクリーニングブレードを用いることを特徴とする。この複数のクリーニングブレードで中間転写体上の残留トナーを除去することにより、平均粒径より小さい微小粒径のトナーが中間転写体上に付着していても、それら付着トナーをより効果的に除去することができる。
図2は中間転写体のクリーニング手段の一例である。
本発明の中間転写体のクリーニング手段は複数のクリーニングブレードを有する。本発明の一形態において、ベルト状中間転写体のクリーニング手段6Aは、特に図1及び図2(a)に示すように、ベルト状中間転写体70のトナー像担持面に対向して開口するクリーナケース61Cを有し、このクリーナケース61Cの開口に面してベルト状中間転写体70の移動方向上流側から順に2つのクリーニングブレード、即ち、ウレタンゴムブレード等の弾性ブレード61A及びSUS等の金属製スクレーパ61Bを備えている。本実施の形態において、弾性ブレード61A及び金属製スクレーパ61Bの取付構造は、クリーナケース61C内に揺動アーム61Dを一端側を揺動支点61Eとして揺動自在に設け、この揺動アーム61Dの一部をホルダ61Fとして、このホルダ61Fに前記弾性ブレード61A及び金属製スクレーパ61Bの一端部を固定保持し、更に、揺動アーム61Dの自由端とクリーナケース61Cとの間には復帰スプリング61Gを介在させ、図示外の駆動機構にて前記揺動アーム61Dをクリーニング位置とリトラクト位置との間で揺動させるようにしたものである。尚、図2(a)中、符号61Hのブラシロールはクリーナケース61Cの開口下縁に設けられて、弾性ブレード及び金属スクレーパで除去されたトナーを回収する。61Iはブラシロール61Hに付着したトナーを吸着するフリッカーであり、該フリッカーに付着したトナーは61Jのスクレーパで除去し、搬送スクリュー61Kで回収する。
特に、本実施の形態では、弾性ブレード61Aの各種条件(自由長、接触圧、厚み、セットアングルなど)については、ベルト状中間転写体70の駆動源に不必要な負荷がかかることなく、清掃性が確保されるという観点から適宜選定される。一方、金属製スクレーパ61Bの各種条件についても主として清掃性を確保するという観点から適宜選定されるが、金属製スクレーパ61Bの先端部での清掃性をより向上させるという観点からすれば、例えばベルト状中間転写体70面に当接する先端エッジについてエッチング処理を施すことが好ましい。更に、弾性ブレード61Aと金属製スクレーパ61Bとの間隔dについては、クリーナケース61Cの形状や設定位置等の関係で適宜選定して差し支えない。但し、両者2枚の間隔dがあまりに近いと経時的にトナーが両者間の隙間に溜まり、清掃性能が低下することがあるため、好ましくは2mm程度以上離間配置することが好ましい。
更にまた、本実施の形態では、弾性ブレード61A及び金属製スクレーパ61Bは、ローラ75(バックアップローラ)に対応したベルト状中間転写体70部分からベルト状中間転写体70の移動方向上流側に外れた近傍位置に配設されており、ローラ75とベルト状中間転写体70との間に浮遊トナーや塵埃が付着し、ローラ75に対応したベルト状中間転写体70表面部分に微小凸部が形成されたとしても、弾性ブレード61A及び金属製スクレーパ61Bの清掃性に影響しないようになっている。但し、弾性ブレード61Aについては、ローラ75に対応したベルト状中間転写体70部分に弾性ブレード61Aを接触させても差し支えない。また、本実施の形態では、ローラ75とローラ77(ブラシローラ61Hに対応したバックアップローラ)間に位置するベルト状中間転写体70の部位に対応してクリーニング手段6Aが配設されており、このベルト状中間転写体70の部位に弾性ブレード61A及び金属製スクレーパ61Bを接触させている。
そして、このクリーニング手段6Aは、クリーニングサイクル時には、図示外の駆動機構により前記揺動アーム61Dをクリーニング位置(リトラクト位置よりもベルト状中間転写体70寄りの位置)に移動させ、ベルト状中間転写体70表面に弾性ブレード61A及び金属製スクレーパ61Bの先端部を所定の接触圧で接触配置する一方、クリーニングサイクル以外、例えば作像サイクル時には、図示外の駆動機構により前記揺動アーム61Dを復帰スプリング61Gに抗してリトラクト位置に移動させ、ベルト状中間転写体70表面から弾性ブレード61A及び金属製スクレーパ61Bの先端部を離間配置するようにしたものである。
前記のように、弾性ブレード61Aと金属製スクレーパ61Bとの組合せた態様を用いることで、ベルト状中間転写体70の駆動源に高い回転トルクを必要とせず、粒径が1〜2μmの微小粒径トナーが多少中間転写体上に付着しても該微小粒径トナーの清掃性を向上させると共に、ベルト状中間転写体70上の微小凸部に対しても安定した清掃性を維持することができる。これらの作用については後述する実施例にて確認した。
前記弾性ブレードの材質としてはゴム弾性体が用いられ、その材料としてはウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、クロロピレンゴム、ブタジエンゴム等が知られているが、これらの内、ウレタンゴムブレードは他のゴムブレードに比して摩耗特性が優れている点で特に好ましい。
本発明の中間転写体のクリーニング手段に用いられる複数のクリーニングブレードの内少なくとも1つが非変形部材であることが好ましい。非変形部材とは、中間転写体との当接により弾性変形を生じない部材を意味する。該非変形部材としては金属スクレーパが好ましく用いられる。
又、前記金属スクレーパとは厚さが0.01〜2mm、特に好ましくは0.02〜0.5mmの金属薄板であり、金属薄板の材料としては柔軟性が有り且つ剛性の金属薄板であれば、どのような金属材料でも用いることができるが、好ましくはSUS300系、SUS400系のステンレス板、アルミニウム板、リン青銅板等が用いられる。
弾性ブレードの中間転写体への当接角θ1と金属スクレーパの中間転写体への当接角θ2の好ましい値としては、どちらも5〜35°である。また、弾性ブレード及び金属スクレーパの自由長(ホルダ61Fに固定されていない先頭部の長さ)は6〜15mmが好ましい。
弾性ブレード及び金属スクレーパの中間転写体に対する食い込み量は0.4〜2.0mmに設定されるのが好ましく、0.5〜1.5mmがより好ましい。この食い込み量は、中間転写体と弾性ブレード又は金属スクレーパの相対運動によって発生する弾性ブレードの先頭部又は金属スクレーパの先頭部にかかる負荷を意味する。この負荷は、中間転写体から見れば、弾性ブレード又は金属スクレーパから受ける擦過力に相当し、その範囲を規定することは、中間転写体が適度な力で擦過されることが必要であることを意味する。又、この食い込み量とは弾性ブレード又は金属スクレーパを中間転写体に当接したとき、弾性ブレードの先頭部又は金属スクレーパの先頭部が中間転写体表面で曲がらずに、直線的に内部に進入したと仮定した時の内部への食い込み長さを云う。
図3は感光体とベルト状中間転写体と一次転写ローラとの位置関係を示す配置図である。一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkを中間転写体としてのベルト状中間転写体70の背面から各感光体1Y、1M、1C、1Bkへ押圧するが、図3の配置図にも示すように、押圧しない時の中間転写体としてのベルト状中間転写体70と各感光体1Y、1M、1C、1Bkとの接触点よりも感光体回転方向下流側に一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkを配置し各感光体1Y、1M、1C、1Bkへ押圧する。このとき中間転写体としてのベルト状中間転写体70は各感光体1Y、1M、1C、1Bkの外周に沿うように曲げられ、感光体とベルト状中間転写体70の接触領域の最も下流側に一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkが配置される構成となる。
図4はバックアップローラとベルト状中間転写体と二次転写ローラとの位置関係を示す配置図である。二次転写ローラ5Aは図4の配置図にも示すように、該二次転写ローラ5Aで押圧しない時の中間転写体としてのベルト状中間転写体70とバックアップローラ74との接触中央部よりもバックアップローラ74の回転方向上流側に配置されていることが望ましい。
中間転写体は、ポリイミド、ポリカーボネート、PVdF等の高分子フィルムや、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の合成ゴムにカーボンブラック等の導電性フィラーを添加して導電化したもの等が用いられ、ドラム状、ベルト状どちらでもよいが、装置設計の自由度の観点からベルト状が好ましい。
又、中間転写体の表面は、適当に粗面化されていることが好ましい。中間転写体の十点表面粗さRzを0.5〜2μmにすることにより、感光体に供給された表面エネルギー低下剤を中間転写体表面に取り込み、中間転写体上のトナー付着力を低下させ、中間転写体から記録材へのトナーの二次転写の転写率を向上させることが容易になる。この場合、中間転写体の十点表面粗さRzが感光体の十点表面粗さRzより、大きい方が効果が大きい傾向にある。
一方感光体のクリーニング手段は基本的に図2に示した中間転写体のクリーニング手段から金属スクレーパを除いた構成のものを取り付ける。該クリーニング手段を図1の6Y、6M、6C、6Bk等のクリーニング手段として用いる。
次に、本発明の態様を具体的に説明するが、本発明の構成はこれに限られるものではない。
《現像剤》
《着色粒子の製造》
(着色粒子1Bkの製造)
テックスの製造
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた5000mlのセパラブルフラスコに予めアニオン系活性剤(ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム:SDS)7.08gをイオン交換水(2760g)に溶解させた溶液を添加する。窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しつつ、内温を80℃に昇温させた。一方で例示化合物19)72.0gをスチレン115.1g、n−ブチルアクリレート42.0g、メタクリル酸10.9gからなるモノマーに加え、80℃に加温し溶解させ、モノマー溶液を作製した。ここで循環経路を有する機械式分散機により上記の加熱溶液を混合分散させ、均一な分散粒子径を有する乳化粒子を作製した。ついで、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)0.84gをイオン交換水200gに溶解させた溶液を添加し80℃にて3時間加熱、撹拌することでラテックス粒子を作製した。引き続いて更に重合開始剤(KPS)7.73gをイオン交換水240mlに溶解させた溶液を添加し、15分後、80℃でスチレン383.6g、n−ブチルアクリレート140.0g、メタクリル酸36.4g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル14.0gの混合液を120分かけて滴下した。滴下終了後60分加熱撹拌させた後40℃まで冷却し、重合反応を停止した後、減圧下(減圧条件:1.33kPa)で残留モノマーを留去し、「ラテックス粒子」を得た。
着色粒子の製造
n−ドデシル硫酸ナトリウム=9.2gをイオン交換水160mlに撹拌溶解する。この液に、撹拌下、リーガル330R(キャボット社製カーボンブラック)20gを徐々に加え、ついで、クレアミックスを用いて分散した。大塚電子社製の電気泳動光散乱光度計ELS−800を用いて、上記分散液の粒径を測定した結果、重量平均径で112nmであった。この分散液を「着色剤分散液」とする。
前述の「ラテックス粒子」1250gとイオン交換水2000ml及び「着色剤分散液」を、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を付けた5リットルの四つ口フラスコに入れ撹拌する。30℃に調整した後、この溶液に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを10.0に調整した。ついで、塩化マグネシウム6水和物52.6gをイオン交換水72mlに溶解した水溶液を攪拌下、30℃にて5分間で添加した。その後、2分間放置した後に、昇温を開始し、液温度90℃まで5分で昇温する(昇温速度=12℃/分)。その状態で粒径をコールターカウンターTAIIにて測定し、体積平均粒径が4.3μmになった時点で塩化ナトリウム115gをイオン交換水700mlに溶解した水溶液を添加し粒子成長を停止させ、さらに継続して液温度85℃±2℃にて、8時間加熱撹拌し、塩析/融着させる。その後、6℃/minの条件で30℃まで冷却し、塩酸を添加し、pHを2.0に調整し、撹拌を停止した。生成した着色粒子を下記条件で濾過/洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥し、着色粒子を得た。このものを「着色粒子1Bk」とする。着色粒子1Bkの粒度分布を表1に示す。
(着色粒子2Bk〜11Bkの製造)
着色粒子1Bkの製造において、ラテックスの製造工程中の減圧条件、及び着色粒子の製造工程中の塩化マグネシウム添加量、液温90℃迄の昇温速度、塩化ナトリウムの添加時期等を変更して、表1に記載の粒度分布の着色粒子2Bk〜12Bkを製造した。
(着色粒子1Y〜11Yの製造)
着色粒子1Bk〜11Bkの各製造において、「着色剤分散液」の作製に用いたリーガル330R(キャボット社製カーボンブラック)の代わりにC.I.ピグメントイエロー185を使用し、ラテックスの製造工程中の減圧条件、及び着色粒子の製造工程中の塩化マグネシウム添加量、液温90℃迄の昇温速度、塩化ナトリウムの添加時期等を変更した以外同様にして着色粒子1Y〜11Yを得た。着色粒子1Y〜11Yの粒度分布を表1に示す。
(着色粒子1M〜11Mの製造)
着色粒子1Bk〜11Bkの各製造において、「着色剤分散液」の作製に用いたリーガル330R(キャボット社製カーボンブラック)の代わりにC.I.ピグメントレッド122を使用しラテックスの製造工程中の減圧条件、及び着色粒子の製造工程中の塩化マグネシウム添加量、液温90℃迄の昇温速度、塩化ナトリウムの添加時期等を変更した以外同様にして着色粒子1M〜11Mを得た。着色粒子1M〜11Mの粒度分布を表1に示す。
(着色粒子1C〜11Cの製造)
着色粒子1Bk〜11Bkの各製造において、「着色剤分散液」の作製に用いたリーガル330R(キャボット社製カーボンブラック)の代わりにC.I.ピグメントブルー15:3を使用しラテックスの製造工程中の減圧条件、及び着色粒子の製造工程中の塩化マグネシウム添加量、液温90℃迄の昇温速度、塩化ナトリウムの添加時期等を変更した以外同様にして着色粒子1C〜11Cを得た。着色粒子1C〜11Cの粒度分布を表1に示す。
(トナー粒子の製造)
得られた着色粒子1Bk〜11Bk、着色粒子1Y〜11Y、着色粒子1M〜11M、着色粒子1C〜11Cの各々に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)を1質量%及び疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)を0.5質量%添加し、ヘンシェルミキサーにより混合してトナー1Bk〜11Bk、トナー1Y〜11Y、トナー1M〜11M、トナー1C〜11Cを得た。
なお、トナー1Bk〜11Bk、トナー1Y〜11Y、トナー1M〜11M、トナー1C〜11Cの粒度分布はこれら対応する着色粒子1Bk〜11Bk、着色粒子1Y〜11Y、着色粒子1M〜11M、着色粒子1C〜11Cの粒度分布と同一であった。
(現像剤の製造)
上記トナー粒子の各々に対してシリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が6%の現像剤1Bk〜11Bk、現像剤1Y〜11Y、現像剤1M〜11M、現像剤1C〜11Cを各々製造し、表1に記載の現像剤群1〜11を作製した。
Figure 2005181680
〔感光体の作製〕
円筒状アルミニウム支持体の洗浄及び酸化膜の形成
厚さ1.5mmに表面切削加工を施した円筒状アルミニウム支持体を25%硫酸水中に浸積し、水温30℃で処理時間を変えて、表面に表2に示すようなAl(oxide)/Al(metal)強化比の酸化膜を有する円筒状アルミニウム支持体A〜Iを作製した。
下記のごとくして、実施例に用いる感光体を作製した(各感光体は各画像ユニットに同じ種類の感光体を用いる為、計4本以上を作製した)。
感光体Aの作製
下記中間層塗布液を調製し、洗浄済み円筒状アルミニウム支持体A上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの中間層を形成した。
〈中間層(UCL)塗布液〉
ポリアミド樹脂(アミランCM−8000:東レ社製) 60g
メタノール 1600ml
下記塗布液成分を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
〈電荷発生層(CGL)塗布液〉
Y型チタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折の
最大ピーク角度が2θで27.3) 60g
シリコーン樹脂溶液(KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液
:信越化学社製) 700g
2−ブタノン 2000ml
下記塗布液成分を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
〈電荷輸送層(CTL)塗布液〉
電荷輸送物質(4−メトキシ−4′−(4−メチル−α−フェニルスチリル)トリフェニルアミン) 200g
ビスフェノールZ型ポリカーボネート
(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製) 300g
ヒンダードアミン(サノールLS2626:三共社製) 3g
1,2−ジクロロエタン 2000ml
〈表面保護層〉
電荷輸送物質(4−メトキシ−4′−(4−メチル−α−フェニルスチリル)トリフェニルアミン) 200g
ビスフェノールZ型ポリカーボネート
(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製) 300g
ヒンダードアミン(サノールLS2626:三共社製) 3g
ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子(平均粒径0.5μm) 100g
1−ブタノール 50g
を混合し、溶解して表面保護層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷輸送層の上に浸漬塗布法で塗布し、100℃、40分の加熱硬化を行い乾燥膜厚4μmの表面保護層を形成し、感光体Aを作製した。該感光体Aの水に対する表面接触角は106°であった。
感光体B〜Iの作製
感光体Aの作製において、円筒状アルミニウム支持体Aを円筒状アルミニウム支持体B〜Iに変更した以外は同様にして感光体B〜Iを作製した。感光体B〜Iの水に対する表面接触角は106°であった。
Figure 2005181680
〈評価〉
各画像形成ユニットの感光体及び現像手段に、上記表1に示す現像剤群(トナー群)毎のY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の現像剤(トナー)を含有する各現像手段4組と表2の感光体各4本を表3のように組み合わせ、これらの感光体及び現像手段を図1〜4記載の中間転写体を有するデジタル複写機に搭載し、オリジナル画像に白地部、Bk及びY、M、Cのソリッド(べた)画像部、文字画像部、ハーフトーン画像を有するA4画像を常温常湿(20℃、50%RH)下、1万枚印刷し評価した。評価項目、評価方法、評価基準を下記に記載する。
文字チリ
文字画像を形成し、目視及び20倍ルーペにて文字周辺のトナーチリを観察し、以下の基準で評価した。
◎:ルーペ観察でも、文字周辺のトナーチリが観察されない(良好)
○:目視では判別できないが、ルーペでは文字周辺のトナーチリが観察される(実用上問題ない)
×:目視で文字周辺のトナーチリが観察され、文字の鮮鋭性が劣る(実用上問題あり)
転写抜け
濃度0.4のハーフトーン画像を転写紙(坪量200g/m2)の両面に形成し、転写抜けによるホワイトスポットの発生を目視にて評価した。
◎◎:まったく転写抜けない(非常に良好)
◎:画像100枚あたり裏面のみ1〜2個の転写抜けが存在するものの凝視しなければ判別できない(良好)
○:画像50枚あたり1〜4個の転写抜けが存在するものの凝視しなければ判別できない(実用上問題ない)
×:画像50枚あたり、表裏関係なく、5個以上の明瞭な転写抜けが存在する(実用上問題あり)
中間転写体のクリーニング性
◎:中間転写体上にトナー等の凝集の発生もなく、クリーニングが良好で、画像むらの発生もなし(良好)
○:中間転写体上にトナー等の凝集の発生がわずかにあるが、クリーニングは良好で、画像むらの発生もなし(実用上問題なし)
×:中間転写体上にトナー等の凝集の発生があり、トナーのすり抜けが発生し、画像むらが発生している。(実用上問題有り)
画像濃度
画像濃度の測定は、各色のべた部を濃度計「RD−918」(マクベス社製)を使用し、記録紙をゼロとした相対反射濃度で測定した。
◎:Bk、及びY、M、Cのソリッド(べた)画像部の各濃度が1.2以上
(良好)
○:Bk、及びY、M、Cのソリッド(べた)画像部の各濃度が0.8以上
(実用上問題なし)
×:Bk、及びY、M、Cのソリッド(べた)画像部の各濃度が0.8未満
(実用上問題あり)
(鮮鋭性)
画像の鮮鋭性は、低温低湿(10℃20%RH)、高温高湿(30℃80%RH)の両環境において画像を出し、文字潰れで評価した。3ポイント、5ポイントの文字画像を形成し、下記の判断基準で評価した。
◎:3ポイント、5ポイントとも明瞭であり、容易に判読可能
○:3ポイントは一部判読不能、5ポイントは明瞭であり、容易に判読可能
×:3ポイントは殆ど判読不能、5ポイントも一部あるいは全部が判読不能
中間転写体を有するデジタル複写機のプロセス条件
画像形成のライン速度L/S:180mm/s
感光体(40mmφ)の帯電条件:非画像部の電位は、電位センサで検知し、フィードバック制御できるようにし、その制御可能範囲は−500V〜−900Vであり、全露光した場合の感光体の表面電位は−50〜0Vの範囲にした。
像露光光:半導体レーザ(波長:780nm)
中間転写体:シームレスのベルト状中間転写体70を用い、半導電樹脂製のベルトで体積抵抗率が1×108Ω・cm、Rzが0.9μmのものを用いた。
一次転写条件
一次転写ローラ(図1の5Y、5M、5C、5Bk(各6.05mmφ)):芯金に弾性ゴムを付した構成:表面比抵抗1×106Ω、転写電圧印加
二次転写条件
中間転写体としてのベルト状中間転写体70とそれを挟み込むようにバックアップローラ74と二次転写ローラ5Aが配置され、バックアップローラ74の抵抗値が1×106Ωであり、二次転写手段としての二次転写ローラの抵抗値が1×106Ωであり定電流制御(約80μA)をするようにしてある。
定着はローラ内部にヒータを配置した定着ローラによる熱定着方式である。
中間転写体と感光体との最初の接触点から次色感光体との最初の接触点までの中間転写体上での距離Yは95mmにした。
駆動ローラ71、ガイドローラ72、73及び二次転写のためのバックアップローラ74の外周長さ(円周長さ)を31.67mm(=95mm/3)にし、テンションローラ76の外周長さを23.75mm(=95mm/4)にした。
そして、一次転写ローラの外周長さを19mm(=95mm/5)にした。
感光体のクリーニング条件
クリーニングブレード:JISA硬度65度、反発弾性60のウレタンゴムブレード(自由長8mm)を、当接加重18N/mで、感光体回転方向にカウンター方式で当接した。
中間転写体のクリーニング条件
クリーニング手段6Aには図2記載のクリーニング手段を用いた。
弾性ブレード61A:ゴム硬度75°、23°Cにおける反発弾性35のウレタンゴムを用いた。弾性ブレード61Aの厚さは2mm、自由長10mmで支持部材(揺動アーム61D+ホルダ61F)に支持され、ベルト状中間転写体70とのなす角度を中間転写体移動方向にカウンター方式で当接した(角度16.5°)。弾性ブレード61A先端のベルト状中間転写体70への食い込み量は1.25mmとした。
金属製スクレーパ61B:先端をエッチング処理したSUS304を使用した。金属製スクレーパ561Bの厚みは0.15mm、自由長は10mmで、支持部材(揺動アーム61D+ホルダ61f)に支持され、ベルト状中間転写体70とのなす角度を中間転写体移動方向にカウンター方式で当接した(角度16.5°)。金属スクレーパ61B先端のベルト状中間転写体70への食い込み量は1.00mmとした。また、上流側の弾性ブレード61Aと下流側の金属製スクレーパ61Bとの間隔dは2mmに設定した。
結果を表3に示す。
Figure 2005181680
上記表3より、本発明の要件を満足する感光体と現像剤群、即ち、各画像形成ユニットの感光体の支持体がアルミニウム酸化物とアルミニウム金属の放出電子の強度比が光電子分光法で1.7〜7.0の範囲の表面酸化皮膜を形成しており、現像手段に用いられる各色トナーの粒径0.7×(Dp50)以下のトナー粒子の含有量が10個数%以下である現像剤群の組み合わせ(No.1〜3、5、6、8、9、11、13〜15、17〜19)は文字チリ、転写抜け、中間転写体のクリーニング性、画像濃度、鮮鋭性とも実用範囲以上の良好な評価を達成しているのに対し、感光体は本発明の要件を満たしていても、粒径0.7×(Dp50)以下のトナー粒子の含有量が10個数%より大きいトナー粒子を含有する本発明外の現像剤群(No.4、7、10)を用いた場合は、現像剤群No.4では文字チリ、転写抜け、中間転写体のクリーニング性が劣化し、鮮鋭性が低下しており、No.7では文字チリ、No.10では文字チリ及び中間転写体のクリーニング性が劣化し、いずれも鮮鋭性が低下している。又、現像剤は本発明の要件を満たしていても、本発明外の感光体Aを用いた組み合わせNo.12では、文字チリの発生が多く、中間転写体のクリーニング性も劣化し、鮮鋭性が劣化している。同様に本発明外の感光体Fを用いた組み合わせNo.16では、転写抜けの発生が多く、画像濃度も低下し、鮮鋭性が劣化している。
実施例2(中間転写体のクリーニング手段の変更)
上記実施例1の組み合わせNo.3及び9の評価を中間転写体のクリーニング手段の金属スクレーパを取り外した条件で評価した。評価項目、評価方法、評価基準も実施例1と同様にした。評価結果を表4に示す。
Figure 2005181680
表4の結果より、実施例1に比し、評価結果がいずれも低下していることが見出される。特に、中間転写体のクリーニング性の低下及びこれに伴う鮮鋭性の劣化が大きく成っている。即ち、中間転写体のクリーニング手段から金属スクレーパを取り外した条件では、本発明の範囲内の現像剤群を用いても中間転写体のクリーニング性が低下し、十分な画像性能が得られないことが見出される。
本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。 中間転写体のクリーニング手段の一例である。 感光体とベルト状中間転写体と一次転写ローラとの位置関係を示す配置図である。 バックアップローラとベルト状中間転写体と二次転写ローラとの位置関係を示す配置図である。
符号の説明
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
5A 二次転写ローラ(二次転写手段)
5Y、5M、5C、5Bk 一次転写ローラ(一次転写手段)
6Y、6M、6C、6Bk 感光体のクリーニング手段
7 ベルト状中間転写体ユニット
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成部(画像形成ユニット)
6A 中間転写体のクリーニング手段
70 ベルト状中間転写体

Claims (15)

  1. 少なくとも電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段を有する画像形成ユニットを複数配列して設け、該複数の画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて電子写真感光体上に形成された各色トナー像を中間転写体上に順次重ね合わせて転写してカラートナー像を形成し、該カラートナー像を記録材上に一括して再転写し、再転写されたカラートナー像を定着してカラー画像を形成する画像形成装置において、前記電子写真感光体の支持体がアルミニウム酸化物とアルミニウム金属の放出電子の強度比が光電子分光法で1.7〜7.0の範囲の表面酸化皮膜を形成しており、前記現像手段に用いられる各色トナーが、トナー粒子の50%個数粒径をDp50とすると、粒径0.7×(Dp50)以下のトナー粒子の含有量が10個数%以下であり、前記中間転写体上に残留した転写残トナーを複数のクリーニングブレードで除去する中間転写体用クリーニング手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 少なくとも電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段を有する画像形成ユニットを複数配列して設け、該複数の画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて電子写真感光体上に形成された各色トナー像を中間転写体上に順次重ね合わせて転写してカラートナー像を形成し、該カラートナー像を記録材上に一括して再転写し、再転写されたカラートナー像を定着してカラー画像を形成する画像形成装置において、前記電子写真感光体の支持体がアルミニウム酸化物とアルミニウム金属の放出電子の強度比が光電子分光法で1.7〜7.0の範囲の表面酸化皮膜を形成しており、前記現像手段に用いられる各色トナーが、トナー粒子の50%体積粒径(Dv50)と50%個数粒径(Dp50)の比(Dv50/Dp50)が1.0〜1.15であり、体積粒径の大きい方からの累積75%体積粒径(Dv75)と個数粒径の大きい方からの累積75%個数粒径(Dp75)の比(Dv75/Dp75)が1.0〜1.20であり、且つ粒径が0.7×(Dp50)以下のトナー粒子の含有量が10個数%以下であり、前記中間転写体上に残留した転写残トナーを複数のクリーニングブレードで除去する中間転写体用クリーニング手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  3. 複数の画像形成ユニットが4つの画像形成ユニットであり、黒色系トナーを有する画像形成ユニット、黄色系トナーを有する画像形成ユニット、マゼンタ色系トナーを有する画像形成ユニット及びシアン色系トナーを有する画像形成ユニットからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 黒色系トナーの体積平均粒径が3.0〜8.0μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記黒色系トナーが重合トナーであることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記黒色系トナー、黄色系トナー、マゼンタ色系トナー及びシアン色系トナーが重合トナーであることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記複数のクリーニングブレードの内、少なくとも1つのクリーニングブレードが非変形部材であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記非変形部材が金属性スクレーパで構成されていることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記複数のクリーニングブレードの内、少なくとも1つのクリーニングブレードが弾性ブレードであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記弾性ブレードがウレタンゴムブレードであることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記電子写真感光体の表面の水に対する接触角が90°以上であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 前記電子写真感光体の表面層がフッ素樹脂粒子を含有していることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  13. 前記電子写真感光体の表面層が酸化防止剤を含有していることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  14. 前記中間転写体がベルト状中間転写体であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の画像形成装置を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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