JP2005181013A - 燃料電池用高分子膜のピンホール検査装置及びピンホール検査方法 - Google Patents

燃料電池用高分子膜のピンホール検査装置及びピンホール検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高分子膜単体だけでなくMEAの段階であっても特性不良を発見する高精度なピンホール検出装置及びピンホール検出方法を提供する。
【解決手段】 本発明の燃料電池用高分子膜のピンホール検出装置は、燃料電池用高分子膜の一方の面側に検査ガスを供給するガス供給源と、前記燃料電池用高分子膜の他方の面との距離を保持する保持機構を備え、かつガスを吸引するプローブと、前記プローブを前記燃料電池用高分子膜の他方の面側で走査させる走査機構と、前記プローブにより吸引したガスに前記検査ガスが含まれているか否かに基づいてピンホールの有無を判定する判定部と、を備える。保持機構は、プローブを燃料電池用高分子膜の面に垂直な方向に遠ざかるように付勢する弾性部材である。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料電池用高分子膜のピンホール検査装置及びピンホール検査方法に関する。
固体高分子型燃料電池は運転温度が低く、出力密度が高いという特徴があることから、次世代自動車の動力源、家庭用コージェネレーションシステムの電池として開発が進められている。
燃料電池は積層体(以下「スタック」と呼ぶ。)を容器に収納した構造を有する。スタックは、電解膜を燃料極と空気極で挟んだ構造を有するMembrane Electrode Assemblies(以下「MEA」と呼ぶ。)と、隣接するMEAの間に挟み込まれた導電性のガス分離・供給板であるセパレータとからなる基本構成単位(以下「モジュール」と呼ぶ。)を、数10個(個数は必要な出力電圧に応じて定められる。)積層した構造を有する。MEAは燃料極であるアノード触媒層、電解膜である高分子膜、空気極であるカソード触媒層の3層を導電性のガス拡散層(以下「GDL」と呼ぶ。)で挟み込んだ構成であり、燃料電池の心臓部である。例えば各層の厚さは、アノード触媒層が15μm、高分子膜が30μm、カソード触媒層が15μmである。
製造段階におけるMEAの不良原因として最も多いのは、高分子膜に直径数μm以上の微少なピンホールが発生することである。
例えば、直径数μm以上のピンホールのない正常なMEAを燃料電池として使用すると、燃料極において水素が電子と分離してイオン化する。高分子膜には数nm程度の微細な孔が多数存在し、水素イオンは高分子膜の微細な孔を通り、電子は外部負荷を通り空気極に到達する。空気極で水素イオンが電子と再結合して水素に戻り、次いで水素は空気中の酸素と結合して水になる。この場合、水素と酸素とから水が生成される反応のギブズ自由エネルギーは、極めて高い効率で直接電気エネルギーに変換される。
しかし、直径数μm以上のピンホールを有するMEAを燃料電池として使用すると、燃料極の水素がイオン化せずに気体のままで高分子膜のピンホールを通り空気極に到達する。空気極で水素は触媒により酸素と結合して水になる。この場合、ギブズ自由エネルギーは電気エネルギーでなく熱エネルギーとしてその場で放出される。MEAはピンホールにおいて局部的に加熱され、劣化する。燃料電池として繰り返し使用するうちにピンホールは拡大していき、燃料電池が特性不良になる。
燃料電池の耐久性という観点からすると、高分子膜に直径数μm以上のピンホールがないことが重要であり、スタックにする前にMEAに直径数μm以上のピンホールが存在するかを漏れなく検出し、ピンホールを有する高分子膜を排除することが重要な課題となっている。
従来例のピンホール検査方法として、光方式(例えば、特許文献1)及びガス漏れ検出方式がある。図7は、従来例の光学式のフィルム検査装置の概略的な構成を示すブロック図である。図7において、701、702はピンホール検出装置、703は検出タイミング測定装置、704は位置演算手段、717は遮光板である。ピンホール検出装置701は、ハロゲン光源705、スリット707、集光レンズ709、光センサ711、A/D変換装置713、良否判定装置715を有する。同様にピンホール検出装置702は、ハロゲン光源706、スリット708、集光レンズ710、光センサ712、A/D変換装置714、良否判定装置716を有する。
従来例の光学式のフィルム検査装置においては、所定速度でフィルム(検査対象)718を走行させながら、フィルム718を下方からハロゲン光源705、706で照明する。光センサ711、712は、フィルム718を介してハロゲン光源705、706の真上に設置されたスリット707、708、集光レンズ709、710を通過したフィルムの透過光量を検出する。ピンホールを照明すると、散乱光が発生するため照明光が光センサ711、712で明るく検出される。このため、検出明度値が判定明度値以上の明るさを示す場合に、フィルム検査装置はピンホールが検出されたものと判断する。
図8は、従来例のガス漏れ検出装置の概略的な構成を示すブロック図である。図8において、801はピンホール検出装置である。ピンホール検出装置801は、ガスボンベ802、ワーク803、検査対象804、チャンバ805、真空ポンプ806、検出器807を有する。
従来例のガス漏れ検出装置においては、チャンバ805内に検査対象804に治具を取り付けたワーク803を置き、真空ポンプ806によりチャンバ805内を真空にし、ガスボンベ802の検査ガスをワーク803内に供給する。検出器807は、ワーク803内からチャンバ805にリークした検査ガスを検出し、検査ガスのリーク量に基づきピンホールの有無を判断する。
特開2000−146861号公報
従来、スタックを完成させた後、スタックの特性検査を行うことにより、燃料電池の高分子膜にピンホールがあるか否かを検査していた。スタックに特性不良のモジュールが発見された場合には、スタックを分解して、その中の不良モジュールの交換を行っていた。しかし、完成したスタックを分解して、不良のモジュールを交換し、再びスタックを組み立てる作業は、多大な労力が必要である。スタックに組み立てられた状態になる前に、高分子膜またはMEAにピンホールがあるか否かを検査し、ピンホールを有する高分子膜またはMEAを生産工程から排除できれば、組み立てられたスタックの歩留まりを大幅に向上させ、実効的な製造工数を大幅に低減することが可能である。
しかし、従来例の光学式のフィルム検査装置は、フィルムの透過光量を検出し、透過光量に基づきピンホールの有無を判断していた。しかし、光を吸収し反射しない触媒層を積層したMEAは、ハロゲン光を透過しない。従来例の光学式のフィルム検査装置は、MEAのように光を透過しない物について、ピンホールがあるか否かを検査することができなかった。
燃料電池用の高分子膜は、正常な高分子膜にも気体が通過する直径数nmの孔が無数に存在する。このため、従来例のガス漏れ検出装置により高分子膜からリークしたガスを検出した場合、正常な高分子膜と直径数μm以上のピンホールを有する高分子膜とではガスリーク量に差が出ず、高分子膜に存在するピンホールを検出することが困難であった。さらに、高分子膜は真空中に入れるとダメージを受けやすく、真空中でガスリークを検査することにより正常な高分子膜が不良になることもある。このため、従来例のガス漏れ検出装置は、燃料電池用の高分子膜のように直径数nmの孔を無数に有する物について、ピンホールがあるか否かを検査することができなかった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、光を透過せず及び/又は直径数nmの気体が通過する孔が無数に存在する膜についてピンホールの有無を検出可能な、高精度、非破壊、非接触なピンホール検査装置及びピンホール検査方法を提供することを目的とする。
本発明は、スタックに組み立てられた状態になる前に、燃料電池用の高分子膜またはMEAにピンホールがあるか否かを検査し、ピンホールを有する高分子膜またはMEAを生産工程から排除し、組み立てられたスタックの歩留まりを大幅に向上させ、実効的な製造工数を大幅に低減するピンホール検査装置及びピンホール検査方法を提供することを目的とする。
本発明は、常圧中で検査対象を検査可能な検査効率の良いピンホール検査装置及びピンホール検査方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は下記の構成を有する。請求項1に記載の発明は、燃料電池用高分子膜の一方の面側に検査ガスを供給するガス供給源と、前記燃料電池用高分子膜の他方の面との距離を保持する保持機構を備え、かつガスを吸引するプローブと、前記プローブを前記燃料電池用高分子膜の他方の面側で走査させる走査機構と、前記プローブにより吸引したガスに前記検査ガスが含まれているか否かに基づいてピンホールの有無を判定する判定部と、を備えたことを特徴とする燃料電池用高分子膜のピンホール検査装置である。
請求項5に記載の発明は、燃料電池用高分子膜の一方の面側に検査ガスを供給し、プローブと前記燃料電池用高分子膜との距離を保持しながら前記燃料電池用高分子膜の他方の面側で走査させつつ前記プローブによりガスを吸引し、前記吸引したガスに前記検査ガスが含まれているか否かに基づいてピンホールの有無を判定することを特徴とする燃料電池用高分子膜のピンホール検査方法である。
本発明は、スタックに組み立てられた状態になる前に、燃料電池用の高分子膜またはMEAにピンホールがあるか否かを検査し、ピンホールを有する高分子膜またはMEAを生産工程から排除し、組み立てられたスタックの歩留まりを大幅に向上させ、実効的な製造工数を大幅に低減するピンホール検査装置及びピンホール検査方法を実現出来るという作用を有する。
請求項2に記載の発明は、保持機構は、プローブを燃料電池用高分子膜の面に垂直な方向に遠ざかるように付勢する弾性部材であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用高分子膜のピンホール検査装置である。
本発明は、直径数nmの孔を無数に有する燃料電池用の高分子膜について、直径数μm以上のピンホールからのガスリークを高速、高精度、非破壊、非接触に検査可能であり、ピンホールの有無も正確に検出出来るためピンホールのみのリペアも可能なピンホール検査装置及びピンホール検査方法を実現できるという作用を有する。
請求項3に記載の発明は、保持機構は、プローブを燃料電池用高分子膜の面に垂直な方向に移動させる移動機構と、前記プローブと前記燃料電池用高分子膜の面とのギャップ長を測定するギャップセンサと、を備えたことを特徴とする請求項1記載の燃料電池用高分子膜のピンホール検査装置である。
本発明は、直径数nmの孔を無数に有する燃料電池用の高分子膜について、直径数μm以上のピンホールからのガスリークを高速、高精度、非破壊、非接触に検査可能であり、ピンホールの有無も正確に検出出来るためピンホールのみのリペアも可能なピンホール検査装置及びピンホール検査方法を実現できるという作用を有する。本発明は、簡単な構成で高精度な検査を実現できるという作用を有する。
請求項4に記載の発明は、保持機構は、プローブを燃料電池用高分子膜の面に垂直な方向に移動させる移動機構と、前記プローブと前記燃料電池用高分子膜の面との間に働く力を測定する力センサと、を備えたことを特徴とする請求項1記載の燃料電池用高分子膜のピンホール検査装置である。
本発明は、直径数nmの孔を無数に有する燃料電池用の高分子膜について、直径数μm以上のピンホールからのガスリークを高速、高精度、非破壊、非接触に検査可能であり、ピンホールの有無も正確に検出出来るためピンホールのみのリペアも可能なピンホール検査装置及びピンホール検査方法を実現できるという作用を有する。本発明は、検査対象である膜の表面の凹凸が激しく、ギャップセンサが安定的に機能しないような膜質である場合にも、安定的にギャップを維持することができ、検査信頼性を向上させることができるという作用を有する。
本発明によれば、燃料電池用の高分子膜のように直径数nmの孔を無数に有する物について、直径数μm以上のピンホールからのガスリークを高速、高精度、非破壊、非接触に検査可能であり、ピンホールの有無も正確に検出出来るためピンホールのみのリペアも可能な簡単な構成のピンホール検査装置及びピンホール検査方法を実現できるという有利な効果が得られる。
本発明によれば、高分子膜単体又はMEAの状態で高分子膜にピンホールがあるか否かを検査し、ピンホールを有する高分子膜またはMEAを生産工程から排除し、組み立てられたスタックの歩留まりを大幅に向上させ、実効的な製造工数を大幅に低減するピンホール検査装置及びピンホール検査方法を実現出来るという有利な効果が得られる。
本発明によれば、常圧中で検査対象を検査可能である故、検査効率の良いピンホール検査装置及びピンホール検査方法を実現できるという有利な効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について、図面とともに記載する。
《実施の形態1》
本発明の実施の形態1による燃料電池用高分子膜のピンホール検査装置及びピンホール検査方法について、図1〜図4を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1におけるピンホール検査装置の概略的な構成を示すブロック図である。ピンホール検査装置101は、ワークチャック112と検査ガスを供給するガス供給源113とを備えたワーク固定部と、後ほど図3で詳しく説明するセンサヘッド114と、センサヘッド114に接続されたガス検知器115(ガス吸引ポンプを含む。)と、センサヘッド114を走査させるXY走査機構116を備えている。
検査ガスはヘリウムガスである。検査対象111は燃料電池のMEAであり、検査対象111のサイズは100mm×100mmである。ワーク固定部は、ワークチャック112に検査対象111を取り付けることにより、検査対象111の一方の面側(図では下面)に外気から遮断された空間を作り、その空間に1気圧の検査ガスを充填する。検査対象111の他方の面側(図では上面)は、常圧の大気に接している。121は検査対象111に存在する1μmm以上の直径を有するピンホール(ガスリーク箇所)を示しており、ピンホール121から検査ガスがリークする。ピンホール(ガスリーク箇所)が無い場合は、ヘリウムガスは内部に充填したままでほとんど外に漏れ出すことがない。燃料電池用高分子膜は直径数nmの孔を無数に有するが、高分子膜の他方の面が常圧の大気に接している状態においては、直径数nmの孔の微細な孔からヘリウムはほとんど漏れない。
図2は、センサヘッド114が検査対象111の他方の面上を走査する軌跡を示す図である。センサヘッド114は、図2に示す検査軌跡201で検査対象111の他方の面を全面走査する。122はセンサヘッド114がガスを吸引する点である検査点を示している。
図3は、本発明の実施の形態1におけるピンホール検査装置のセンサヘッドの概略的な構成を示す断面図である。センサヘッド114は、保持部303と、開口部を有するプローブ301と、一端(下端)を保持部303で支持され他端(上端)でプローブ301を検査対象111から遠ざける方向に押圧する弾性部材(実施の形態1においてはバネ機構)302と、を有する。保持部303は、XY走査機構116によって所定の高さに保持され、検査対象111の他方の面上を走査される。123はプローブ301の先端(開口部が設けられている。)と検査対象111の間のギャップを拡大して示している。ガス検知器115は、ヘリウムディテクタであり、プローブ301の先端からガスを吸引し、吸引したガスに含まれる検査ガス(ヘリウム)の量を計測し、ガスリークの有無(ピンホールの有無)を判定する。検査対象111に直径1μmm以上のピンホール(ガスリーク箇所)が存在すると、ガス検知器115は、検査ガス(ヘリウム)を検知する。
ギャップ123の長さが所定値より小さい場合、プローブ301と検査対象111との接触部の気圧が大幅に低下し、プローブ301はピンホールのみならず正常な高分子膜において無数に存在する直径数nmの微細孔からも強く検査ガスを吸引する。そのため、ガス検知器115はピンホールが存在しない正常部分からも検査ガスを検知し、かえってピンホールの有無を判別できなくなる。また、プローブ301の先端が検査対象111に接触し、検査対象111に損傷を与える。プローブ301はガスを吸引できず、ガス検知器115はリークしたガスを計測できず、ガスリークの有無を判定できない。
ギャップ123の長さが所定値より大きい場合、検査点122がピンホールのリーク箇所121にきても、プローブ301は空気中のガスを吸引してしまい、ガス検知器115はガスリークの有無を判定できない。このように、プローブ301の先端と検査対象111のギャップ123の長さを所定値で一定に保つ必要がある。
図4は、本発明の実施の形態1におけるピンホール検査装置のギャップ長と、ガス検知器115の吸引ポンプによる吸引力と、バネ機構302の力と、の関係を示す図である。図4において、401はガス検知器115の吸引ポンプによる吸引力とギャップ長との関係を示すグラフであり、402はバネ機構302による引張力とギャップ長との関係を示すグラフである。縦軸は力[単位:N/m]を表し、横軸はプローブ301の先端と検査対象111のギャップ123の長さ[単位:mm]を表す。ガス検知器115(ガス吸引ポンプを含む。)が検査ガスを吸引するため、プローブ301にはプローブを検査対象111に引きつける吸引力が作用する。一方、バネ機構302は、プローブ301を検査対象111から遠ざける方向に付勢する。図4に示すように、吸引力とギャップ123の長さには一定の相関関係がある。バネ機構302の弾性係数を適切に設定することにより、プローブ301の吸引力がSのポイントで、プローブ301の吸引力とバネ機構302の力とが釣り合い、ギャップ123の長さが所定値G(実施の形態1においては0.5mm)で安定して保たれる。
センサヘッド114は、ギャップ123の長さを所定値に維持した状態で、検査対象111全面を走査する。ガス検知器115は、閾値以上の検査ガスを検知した箇所をリーク箇所121として自動的に検知する。ピンホールの位置やリーク存在箇所は、センサヘッド114を搭載するステージ(XY走査機構116によって駆動される。)のX軸及びY軸の側面に設置された2つのエンコーダの測定値より算出する。
実施の形態1においては、バネ機構による力とプローブの先端からの吸引力とが所定値Sで釣り合い、プローブの先端と検査対象とのギャップ長を所定値Gに保つことが可能となる。これにより、簡単な構成で高精度なピンホール検査装置及びピンホール検査方法を実現できる。さらにピンホール等の位置も正確に検出できるため、検出されたピンホールのみをリペアすることも可能となる。
《実施の形態2》
本発明の実施の形態2による燃料電池用高分子膜のピンホール検査装置及びピンホール検査方法について、図1、図5を用いて説明する。実施の形態2によるピンホール検査装置及びピンホール検査方法が実施の形態1によるピンホール検査装置及びピンホール検査方法と異なる点は、プローブの先端と検査対象111とのギャップ長を所定値に保つ方法である。それ以外の点において、実施の形態2は、実施の形態1と同一である。
図1は、本発明の実施の形態2におけるピンホール検査装置の概略的な構成を示す図である。本発明の実施の形態2におけるピンホール検査装置の概略的な構成は、実施の形態1と同一であるため、説明を省略する。
図5は、本発明の実施の形態2におけるピンホール検査装置のセンサヘッドの構成を示すブロック図である。図5において、実施の形態1(図3)と同一のブロックには同一の符号を付している。センサヘッド114は、プローブ301とギャップセンサ502と駆動機構503から構成されている。ピンホール検査装置は更に制御部504を有する。ギャップセンサ502(任意の公知のギャップセンサを用いることができる。例えば検査対象との間の静電容量に基づいてギャップ長を検出するギャップセンサ、又は検査対象111に光を照射する発光部と検査対象111からの反射光を受光する受光部とを有し、受光部の受光位置に基づいてギャップ長を測るギャップセンサである。)は、プローブ301の先端付近に設置され、プローブ301の先端(開口部が設けられている。)と検査対象111とのギャップ123の長さを計測する。
駆動機構503はプローブ301を上方向(検査対象111の他方の面に垂直な方向)に駆動する。制御部504は、ギャップセンサ502が計測したギャップ123の長さの情報に基づき、ギャップ123の長さが所定値を維持するように駆動機構503を制御する。駆動機構503は、例えばボイスコイルモータである。プローブにコイルを巻回し、プローブの側面をガイドする保持部(図示していない。)を通じて、コイルに磁界を印加する。コイルに所定の方向に電流を流すことにより、プローブは上方向(検査対象111から遠ざかる方向)に付勢される。実施の形態1で説明したように、ガス検知器115(ガス吸引ポンプを含む。)が検査ガスを吸引するため、プローブ301にはプローブを検査対象111に引きつける吸引力が作用する。ギャップセンサ502が検出したギャップ長の情報に基づいて、コイルに流す電流を適切に制御することにより、図4のSのポイントで、プローブ301の吸引力とバネ機構302の力とが釣り合い、ギャップ123の長さが所定値G(実施の形態1においては0.5mm)で安定して保たれる。
センサヘッド114は、ギャップ123の長さを所定値に維持した状態で、検査対象111全面を走査する。ガス検知器115は、閾値以上の検査ガスを検知した箇所をリーク箇所121として自動的に検知する。ピンホールの位置やリーク存在箇所は、センサヘッド114を搭載するステージ(XY走査機構116によって駆動される。)のX軸及びY軸の側面に設置された2つのエンコーダの測定値より算出する。
実施の形態2においては、ギャップセンサによりギャップ長を計測し、プローブ301を上方向に駆動することにより、プローブの先端と検査対象とのギャップ長を所定値に保つことが可能となる。これにより、実施の形態1より更に高精度なピンホール検査装置及びピンホール検査方法を実現できる。さらにピンホール等の位置も正確に検出できるため、検出されたピンホールのみをリペアすることも可能となる。
《実施の形態3》
本発明の実施の形態3による燃料電池用高分子膜のピンホール検査装置及びピンホール検査方法について、図1、図6を用いて説明する。実施の形態3によるピンホール検査装置及びピンホール検査方法が実施の形態2によるピンホール検査装置及びピンホール検査方法と異なる点は、プローブの先端と検査対象とのギャップ長を所定値に保つ方法である。それ以外の点において、実施の形態3は、実施の形態2と同一である。
図1は、本発明の実施の形態3におけるピンホール検査装置の概略的な構成を示す図である。本発明の実施の形態3におけるピンホール検査装置の概略的な構成は、実施の形態2と同様であるため、説明を省略する。
図6は、本発明の実施の形態3におけるピンホール検査装置のセンサヘッドの構成を示すブロック図である。図6において、実施の形態2(図5)と同一のブロックには同一の符号を付している。センサヘッド114は、プローブ301と駆動機構503と力センサ602から構成されている。ピンホール検査装置は更に制御部604を有する。力センサ602は、プローブ301が検査対象111に吸引される吸引力(実際には、プローブ301が検査対象111に吸引される吸引力と駆動機構503の力との差分の力)を計測する。力センサ602として、任意の公知の力センサを用いることが出来る。例えば、プローブ301と保持部(プローブ301と力センサ602とを上下に移動可能に保持する。図示しない。)との間に弱いバネと、圧力センサ(力センサ602)とを挟む。圧力センサ(力センサ602)は、吸引力と駆動機構503の力との差分の力に応じたバネ圧を検出する。
駆動機構503はプローブ301を上方向(検査対象111の他方の面に垂直な方向)に駆動する。制御部604は、力センサ602が計測した吸引力の情報に基づき、ギャップ123の長さが所定値を維持するように駆動機構503を制御する。駆動機構503の構成は、例えば実施の形態2と同様である。力センサ602が検出した吸引力の情報に基づいて、駆動機構503の駆動力を適切に制御することにより、図4のSのポイントで、プローブ301の吸引力とバネ機構302の力とが釣り合い、ギャップ123の長さが所定値G(実施の形態1においては0.5mm)で安定して保たれる。
センサヘッド114は、ギャップ123の長さを所定値に維持した状態で、検査対象111全面を走査する。ガス検知器115は、閾値以上の検査ガスを検知した箇所をリーク箇所121として自動で検知する。ピンホールの位置やリーク存在箇所は、センサヘッド114を搭載するステージ(XY走査機構116によって駆動される。)のX軸及びY軸の側面に設置された2つのエンコーダの測定値より算出する。
実施の形態3においては、力センサ602により吸引力を計測し、プローブ301を上方向に駆動することにより、プローブの先端と検査対象とのギャップ長を所定値に保つことが可能となる。これにより、実施の形態2のリーク検査よりさらに膜の表面の凹凸が激しくギャップセンサが安定して機能しないような膜質の場合でも、安定的にギャップ長を維持することができ、さらに信頼性の高いピンホール検査装置及びピンホール検査方法を実現できる。さらにピンホール等の位置も正確に検出できるため、検出されたピンホールのみをリペアすることも可能となる。
なお、実施の形態1〜3では検査ガスはヘリウムガスであったが、ヘリウムガス以外のガスを検査ガスとして使用してもよい。
実施の形態1〜3では検査対象はMEAであったが、高分子膜単体であってもよい。
実施の形態1〜3では検査軌跡の一例として図2を示したが、検査対象全面を検査できればよく、これに限られない。
実施の形態2〜3において駆動機構503は、プローブ301を上方向にのみ付勢したが、上下方向に付勢可能に構成しても良い。
実施の形態1の構成に代えて、XY走査機構がワークチャックをXY方向に駆動することにより、センサヘッド114が検査対象111の他方の面上を図2に示す検査軌跡201で全面走査しても良い。
本発明は、例えば燃料電池の高分子膜またはMEAのピンホールを検出するピンホール検査装置及びピンホール検査方法として有用である。
本発明の実施の形態1〜3におけるピンホール検査装置の概略的な構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1〜3におけるピンホール検査装置の検査対象上の検査軌跡の一例を示す図 本発明の実施の形態1におけるピンホール検査装置のセンサヘッドの構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1におけるピンホール検査装置のギャップ長と吸引力との関係、及びギャップ長とバネの力との関係を示す図 本発明の実施の形態2におけるピンホール検査装置のセンサヘッドの構成を示すブロック図 本発明の実施の形態3におけるピンホール検査装置のセンサヘッドの構成を示すブロック図 従来例の光学式のフィルム検査装置の概略的な構成を示すブロック図 従来例のガス漏れ検出装置の概略的な構成を示すブロック図
符号の説明
101 ピンホール検査装置
111 検査対象
112 ワークチャック
113 ガス供給源
114 センサヘッド
115 ガス検知器
116 XY走査機構
121 ガスリーク箇所
122 検査点
123 ギャップ
301 プローブ
302 バネ機構
502 ギャップセンサ
503 駆動機構
602 力センサ
504、604 制御部

Claims (5)

  1. 燃料電池用高分子膜の一方の面側に検査ガスを供給するガス供給源と、
    前記燃料電池用高分子膜の他方の面との距離を保持する保持機構を備え、かつガスを吸引するプローブと、
    前記プローブを前記燃料電池用高分子膜の他方の面側で走査させる走査機構と、
    前記プローブにより吸引したガスに前記検査ガスが含まれているか否かに基づいてピンホールの有無を判定する判定部と、
    を備えたことを特徴とする燃料電池用高分子膜のピンホール検査装置。
  2. 保持機構は、
    プローブを燃料電池用高分子膜の面に垂直な方向に遠ざかるように付勢する弾性部材であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用高分子膜のピンホール検査装置。
  3. 保持機構は、
    プローブを燃料電池用高分子膜の面に垂直な方向に移動させる移動機構と、
    前記プローブと前記燃料電池用高分子膜の面とのギャップ長を測定するギャップセンサと、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の燃料電池用高分子膜のピンホール検査装置。
  4. 保持機構は、
    プローブを燃料電池用高分子膜の面に垂直な方向に移動させる移動機構と、
    前記プローブと前記燃料電池用高分子膜の面との間に働く力を測定する力センサと、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の燃料電池用高分子膜のピンホール検査装置。
  5. 燃料電池用高分子膜の一方の面側に検査ガスを供給し、
    プローブと前記燃料電池用高分子膜との距離を保持しながら前記燃料電池用高分子膜の他方の面側で走査させつつ前記プローブによりガスを吸引し、
    前記吸引したガスに前記検査ガスが含まれているか否かに基づいてピンホールの有無を判定する
    ことを特徴とする燃料電池用高分子膜のピンホール検査方法。
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