JP2005180803A - 回転式焼成装置及び石灰焼成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 熱効率を向上できかつ簡単な構成でメンテナンス回数を少なくできる回転式焼成装置及び石灰焼成方法を提供する。
【解決手段】 回転駆動可能で、一端部に投入部、他端部に排出部を有する筒状本体1と、筒状本体1内にその他端から燃焼ガスを導入する燃焼バーナーとを備えた回転式焼成装置において、筒状本体1の一端部内周にその一端側から他端側に向けて、螺旋状リフター4と、軸心と平行な平行リフター5を配設し、投入された内容物と燃焼ガスとの熱交換効率を向上するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】 回転駆動可能で、一端部に投入部、他端部に排出部を有する筒状本体1と、筒状本体1内にその他端から燃焼ガスを導入する燃焼バーナーとを備えた回転式焼成装置において、筒状本体1の一端部内周にその一端側から他端側に向けて、螺旋状リフター4と、軸心と平行な平行リフター5を配設し、投入された内容物と燃焼ガスとの熱交換効率を向上するようにした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ロータリーキルンと呼ばれる回転式焼成装置とそれを用いた石灰焼成方法に関するものである。
例えば、パルプ製造工程の薬品回収サイクルにおいては、Na2 CO3 などを主成分とする緑液にCaO(生石灰)を添加してNaOH(苛性ソーダ)などを主成分とする白液を製造する工程があり、さらにその工程で生成したCaCO3 を主成分とする石灰泥を分離回収し、この石灰泥をロータリーキルンから成る石灰キルンに投入して焼成し、CaOを再生する工程がある。
この石灰キルンは、図4に示すように、内面に耐火物をライニングした筒状本体21をその軸心を若干傾斜させて回転自在に配設するとともに駆動手段(図示せず)にて軸心まわりに回転駆動可能に構成され、この筒状本体21の上方側に位置する一端部に石灰泥を投入する投入部22を、下方側に位置する他端部に生成された生石灰を排出する排出部23と高温の燃焼ガスを導入する燃焼バーナー24を配設した構成とされている。なお、図4において、25は投入コンベア、26は排ガスダクト、27は生成した塊の生石灰を粉砕するクラッシャー、28は排出コンベアである。
筒状本体21は、通常、円筒状の外筐の内面に耐火キャスタブルや耐火レンガから成る耐火壁が内張りされるとともにその内周面から突出するリフターが周方向に適当間隔置きに配設され、筒状本体21の回転に伴って内容物を持ち上げて攪拌し、加熱効率を高めるように構成されている。また、リフターとしては、耐火性と強度を確保するためにアンカーにて補強された成形耐火物にて構成したものが知られている(例えば、特許文献1や特許文献2参照。)。
また、石灰泥を焼成して生石灰を生成する石灰キルンにおいて、図5(a)に示すように筒状本体21の投入側一端部に多数のチェーン32を配設したチェーンゾーン31を設け、その奥側にリフター34を配設したリフターゾーン33を設けたものも知られている。チェーン32は、図5(b)に示すようにスパイラル状に懸垂され、リフター34は、図5(c)に示すように周方向に等間隔おきに複数配設されている。このように、投入側にチェーンゾーン31を設けることにより、燃焼ガスと石灰泥との熱交換効率を高めて乾燥効率を高めるとともにダストの循環を低減するようにしている。
特開昭58−140589号公報
特開平4−292785号公報
しかしながら、上記のように筒状本体21の内面にリフター34を配設した回転式焼成装置では、投入された石灰泥などの内容物がリフターゾーン33に達するまでは筒状本体21の内面に沿って滑動するだけであるので、筒状本体21を通過する燃焼ガスとの熱交換があまり行われず、熱効率が悪く、燃焼バーナー24の重油使用量が多いという問題がある。また、そのような問題を解消するために、図5に示すようにチェーンゾーン31を設けたものにおいても、チェーン32が燃焼ガスと熱交換して加熱され、加熱されたチェーン32と石灰泥と熱交換するため、熱交換効率があまり向上せず、さらに筒状本体21の回転に伴ってチェーン32が筒状本体21内面の耐火壁と衝突を繰り返して損傷を与えるのを避けることができず、筒状本体21の耐久性が低く、メンテナンスを頻繁に行う必要となるとともに寿命が短くなり、また生成した石灰に不純物が混合することで石灰生産能力も低下するという問題があり、さらにチェーンが頻繁に切れて石灰とともに排出され、搬送設備にダメージを与えるという問題もある。
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、熱効率を向上できかつ簡単な構成でメンテナンス回数を少なくできる回転式焼成装置及び石灰焼成方法を提供することを課題とする。
本発明の回転式焼成装置は、回転駆動可能で、一端部に投入部、他端部に排出部を有する筒状本体と、筒状本体内にその他端から燃焼ガスを導入する燃焼バーナーとを備えた回転式焼成装置において、筒状本体の一端部内周にその一端側から他端側に向けて、螺旋状リフターと、軸心と平行な平行リフターを配設したものである。
この構成によると、筒状本体内に投入された内容物は乾燥域、昇温域、焼成域を通過して焼成されるが、その乾燥域において投入された内容物がまず螺旋状リフターにて他端側に向けて適正量づつ送り込まれながら持ち上げられて落下する間に燃焼ガスと効率的に接触し、さらに引き続いて平行リフターにて持ち上げられて落下する動作を繰り返すことで燃焼ガスと効率的に接触するため、熱交換効率よく内容物を乾燥・昇温させることができ、燃焼バーナーの燃料使用量を低減することができる。特に、螺旋状リフターにて平行リフターに送り込まれる内容物の量がコントロールされることで、平行リフター部分における内容物の持ち上げ・落下が適正に行われ、内容物の乾燥・昇温を均一かつ効率的に行うことができる。また、耐火物の損傷の恐れがないことから、焼成物の純度が向上することでその生産能力も向上できる。
また、螺旋状リフターと平行リフターを、例えば耐熱性を有するステンレス鋼板などの金属製とすると、筒状本体内の一端部の乾燥域では昇温・焼成域に比して比較的温度が低いので高価な耐熱材料を用いなくても十分に耐久性と強度を確保できるとともに、耐火物製のリフターなどに比して伝熱効率が高いので、一層熱効率を向上することができる。
また、本発明の石灰焼成方法は、上記構成の回転式焼成装置の筒状本体内に石灰泥を投入して生石灰を生成するものであり、熱交換効率よく生石灰を焼成することができ、燃料使用量の低減を図り、また焼成石灰の純度が改善されることで生産能力も向上することができる。
本発明によれば、筒状本体内に投入された内容物が螺旋状リフターにて他端側に向けて送り込まれながら持ち上げられて落下する間に燃焼ガスと効率的に接触し、さらに引き続いて平行リフターにて持ち上げられて落下する動作を繰り返すことで燃焼ガスと効率的に接触するため、熱交換効率よく内容物を乾燥・昇温させることができ、燃焼バーナーの燃料使用量を低減することができる。
以下、本発明の回転式焼成装置を、石灰泥を焼成して生石灰を再生する石灰キルンに適用した一実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
図1において、1は石灰キルンの筒状本体であり、回転駆動手段(図示せず)にて回転駆動可能に構成されるとともに、一端部に投入部1aが、他端部に排出部(図示せず)が設けられており、他端には筒状本体1内に燃焼ガスを導入する燃焼バーナー(図示せず)が配設されている。筒状本体1は、円筒状の外筐2の内面に耐火キャスタブルや耐火レンガから成る耐火壁3を内張りして構成されている。筒状本体1の耐火壁3の内面には、石灰泥を投入する投入部1aにおいて、筒状本体1の軸心に対して45°〜70°の傾斜角で傾斜した複数条(図示例では8条)の螺旋状リフター4が等間隔に突設され、さらにこの螺旋条リフター4の配設領域の他端側に、筒状本体1の軸心と平行な適当長さの平行リフター5が周方向に等間隔置きに複数(図示例では8つ)かつ軸心方向に複数列(図示例では8列)千鳥状に配列して突設されている。
これら螺旋条リフター4及び平行リフター5の配設領域は、筒状本体1内の乾燥領域に対応しており、この乾燥領域の他端側には耐火物から成る平行リフター(図示せず)を配設した昇温領域、及び焼成領域が配設されている。また、螺旋条リフター4及び平行リフター5は、昇温領域や焼成領域に比して低温の乾燥領域に配設されているので、耐火物ではなく、ステンレス鋼板などの耐熱性と耐腐食性のある金属板にて構成されている。
本実施形態では、螺旋状リフター4はその長手方向に適当間隔おきに配設した取付ブラケット6に固定されて配設されている。具体的には、図2(a)、(b)に示すように、螺旋状リフター4が配設されている領域の耐火壁3は耐火キャスタブル3aにて構成されており、取付ブラケット6の配設部分に耐火壁3を除去した開口窓7が形成され、外筐2が露出されている。そして、取付ブラケット6は、外筐2に対して垂直に立設された取付板6aの両側に補強リブ板6bを垂直に固着した横断面略コ字状に構成され、その下端が外筐2に溶接等にて固着され、この取付ブラケット6の取付板6aに取付ボルト8にて螺旋状リフター4が締結固定されている。開口窓7には耐火キャスタブル9が充填され、かつこの耐火キャスタブル9を確実に固定するためのY字状の固定金具10が開口窓7内に適当間隔おきに配設され、その下端が外筐2に固着されている。
また、各平行リフター5は、それぞれの取付ブラケット11に固定されて配設されている。具体的には、図3(a)、(b)、(c)に示すように、平行リフター5が配設されている領域の耐火壁3は耐火レンガ3bを配列して構成されており、取付ブラケット11の配設部分では耐火レンガ3bを取り除いて開口窓12が形成され、外筐2が露出されている。そして、取付ブラケット11は、外筐2に対して垂直に立設された取付板11aの両側と中央部に補強リブ板11bを垂直に固着した横断面略ヨ字状に構成され、その下端が外筐2に溶接等には固着され、この取付ブラケット11の取付板11aに取付ボルト13にて平行リフター5が締結固定されている。平行リフター5は、図3の例では、その半径方向の先端部5aが筒状本体1の回転方向に向けて傾斜形成され、石灰泥をより効率的に持ち上げるように構成されている。勿論、傾斜させずに全面を平面としても良い。
開口窓12の周方向に対向する側壁12a、12bにはそれぞれ当板14a、14bが配置されるとともにその両側部間にはターンバックル式の押圧機構15が介装され、開口窓12に臨む耐火レンガ3bを押し付けることで耐火レンガ3bを固定している。また、開口窓12には耐火キャスタブル16が充填され、かつこの耐火キャスタブル16を確実に固定するためのY字状の固定金具17が開口窓12内に適当間隔おきに配設され、その下端が外筐2に固着されている。
以上の構成によれば、投入部1aから筒状本体1内に投入された石灰泥は、乾燥域、昇温域、焼成域を通過して焼成されるが、その乾燥域において投入された石灰泥が螺旋状リフター4にて他端側に向けて送り込まれながら大きく持ち上げられて落下する間に燃焼ガスと効率的に接触し、さらに引き続いて平行リフター5にて持ち上げられて落下する動作を繰り返すことで燃焼ガスと効率的に接触することになり、石灰泥を熱交換効率よく乾燥・昇温させることができる。その結果、燃焼バーナーの重油使用量を低減することができ、実際の適用例においては11%程度重油消費量を低減でき、またそれに応じて排ガス量が低減して排ガスの吸引ファンや冷却ファンの駆動電力も低減できるため、大幅にランニングコストの低減を図ることができた。
また、昇温域や焼成域に比して比較的高温にはならない乾燥域に配設している螺旋状リフター4と平行リフター5は、高価な耐熱材料を用いなくても十分に耐久性と強度を確保できるため、比較的安価なステンレス鋼板などの金属製としており、その結果耐火物製のリフターなどに比して伝熱効率が高いので、一層熱効率を向上することができる。また、金属製のリフター4、5で石灰泥を持ち上げて燃焼ガスとの熱交換効率の向上を図っているので、焼成した生石灰に不純物が混入せず、純度が向上することでその生産能力も約5%向上できた。また、従来のように筒状本体内面の耐火壁にチェーンが衝突し、耐火壁の頻繁なメンテナンスが必要となったり、寿命が低下したり、生成した生石灰に不純物が混入したりする恐れがなく、またチェーン切れ等による操業トラブルの発生の恐れもなく、生産性を向上できる。
また、本実施形態では、螺旋状リフター4及び平行リフター5をそれぞれ外筐2に固着した取付ブラケット6、11に対して取付ボルト8、13にて締結固定しているので、これらのリフター4、5のメンテナンス時や交換時における着脱を容易に行うことができ、保守作業のための稼働停止時間を低減することができる。
なお、上記実施形態の説明では、螺旋状リフター4を配設した部分の耐火壁3は耐火キャスタブル3aから成り、平行リフター5を配設した部分の耐火壁3は耐火レンガ3bから成る例を示したが、耐火壁3の構成は何れであっても良いことは言うまでもない。そして、耐火レンガ3bから成る場合に、形成した開口窓12の周方向に対向する側壁12a、12b間を押し広げるように押圧する押圧機構15を設けることで、開口窓12を設けても耐火レンガ3bの脱落を確実に防止できる。
本発明の回転式焼成装置は、筒状本体内の投入側一端部に螺旋状リフターと平行リフターを設けて投入された内容物が燃焼ガスと効率的に接触するようにしているので、熱交換効率よく内容物を乾燥・昇温させることができ、燃焼バーナーの燃料使用量を低減できるため、石灰泥を焼成して生石灰を再生する石灰キルンを含めて各種ロータリーキルンに有用である。
1 筒状本体
1a 投入部
4 螺旋状リフター
5 平行リフター
1a 投入部
4 螺旋状リフター
5 平行リフター
Claims (3)
- 回転駆動可能で、一端部に投入部、他端部に排出部を有する筒状本体と、筒状本体内にその他端から燃焼ガスを導入する燃焼バーナーとを備えた回転式焼成装置において、筒状本体の一端部内周にその一端側から他端側に向けて、螺旋状リフターと、軸心と平行な平行リフターを配設したことを特徴とする回転式焼成装置。
- 螺旋状リフターと平行リフターは金属製であることを特徴とする請求項1記載の回転式焼成装置。
- 請求項1又は2記載の回転式焼成装置の筒状本体内に石灰泥を投入して生石灰を生成することを特徴とする石灰焼成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003422676A JP2005180803A (ja) | 2003-12-19 | 2003-12-19 | 回転式焼成装置及び石灰焼成方法 |
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JP2003422676A JP2005180803A (ja) | 2003-12-19 | 2003-12-19 | 回転式焼成装置及び石灰焼成方法 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2003422676A Pending JP2005180803A (ja) | 2003-12-19 | 2003-12-19 | 回転式焼成装置及び石灰焼成方法 |
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-
2003
- 2003-12-19 JP JP2003422676A patent/JP2005180803A/ja active Pending
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