JP2005180502A - ゴムホース及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホースの柔軟性を低下させることなく、優れた耐摩耗性を有し、かつ外部から押圧されて扁平化しても割れが生じにくいゴムホースを提供する。
【解決手段】未加硫ゴム6と短繊維5とを混合し、該混合物を圧延手段により圧延して短繊維5が長手方向に配向した未加硫ゴムテープ10を製造し、該未加硫ゴム10をマンドレル13の外周面に螺旋状に巻き付けて筒状に成形した後、この筒状体14を加硫することを特徴とする。
【選択図】図3
【解決手段】未加硫ゴム6と短繊維5とを混合し、該混合物を圧延手段により圧延して短繊維5が長手方向に配向した未加硫ゴムテープ10を製造し、該未加硫ゴム10をマンドレル13の外周面に螺旋状に巻き付けて筒状に成形した後、この筒状体14を加硫することを特徴とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、骨材を含む流体を圧送するのに適した耐磨耗性を備えたゴムホースに関するものであり、特にスラリーや生コンクリートを圧送するスクイーズ式ポンプのポンピングホースとして好適に使用可能なゴムホースに関するものである。
従来、スクイーズ式ポンプのポンピングホースとして使用される耐摩耗性を備えたゴムホースとして、特許文献1に示すものが知られている。このゴムホースは、内層ゴムとして短繊維を配合した短繊維複合ゴムを使用し、かつ短繊維複合ゴム中の短繊維の配列方向をポンピングホースの長手方向に向けて配置した構成とされている。上記構成によれば、骨材による早期損傷や高速流体摩耗に起因する寿命の低下を効果的に防止することが可能となる。
また、特許文献2には、スクイーズ式ポンプのポンピングホースとして、スラリーの逆流による磨耗損傷を最小限に抑えることを目的として、内面ゴム層の内周面をテーパ状に形成したゴムホースが記載されている。
実開平6−1789号公報
特開平10−16075号公報
しかしながら、特許文献1記載のゴムホースにおいては、内層ゴム中に短繊維を配合することにより、ゴムが補強されて耐摩擦性が向上するものの、短繊維をホース長手方向に配列させることによって曲げ応力も高くなるため、ホースが曲がりにくくなり、柔軟性が低下するといった問題があった。
さらに、上記ゴムホースをポンピングホースとして使用する場合、ゴムホースをスクイーズ式ポンプのローラーで押圧すると、扁平化したホースに対して、周方向にゴムを開こうとする応力が発生するが、ホース長手方向は短繊維によって補強されているものの、ホース周方向はほとんどゴムの補強がなされていないため、ゴムに割れが発生しやすくなるといった問題が生じていた。
また、上記ゴムホースを製造する際には、短繊維配合ゴムをカレンダーにてシート状に圧延し、繊維の配列方向をマンドレルの軸芯方向に向けて被覆して内層ゴムを形成する方法が採られていたが、この方法では肉厚のゴムホースを製造するにはシートを何枚も重ねる必要が生じることから手間がかかり、特に特許文献2記載のゴムホースのように内面ゴム層の内周面をテーパ状に形成することは困難であるといった問題も生じていた。
そこで、本発明は、ホースの柔軟性を低下させることなく、優れた耐摩耗性を有し、かつ外部から押圧されて扁平化しても割れが生じにくいゴムホースを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るゴムホースは、ゴムと短繊維とを混合した複合ゴムからなり、複合ゴム中の短繊維がホース周方向に配向したことを特徴とする。
上記構成によれば、ゴムが短繊維で補強されているため、骨材による早期損傷を効果的に防止することができるとともに、短繊維がホース周方向に配向しているため、ゴムホースを押圧して扁平化しても、ゴムの割れの発生を防止することができる。
短繊維がホース周方向に配向しているかどうかは、ホース周方向と、ホース軸方向との引張り応力を比較することで判断することができる。すなわち、ホース周方向に短繊維が配向すると、この方向にゴムが補強されるためホース軸方向よりも引張り応力が大きくなる。従って、ホース周方向に配向する短繊維の割合が多くなるほど、ホース周方向と、ホース軸方向との引張り応力の比(ホース周方向/ホース軸方向)は大きくなり、その分ホース周方向にゴムが補強され、かつホース軸方向の柔軟性が維持されることになり好ましい。
具体的に、ホース周方向と、ホース軸方向との100%伸張時の引張り応力の比が、ホース周方向/ホース軸方向で1.5〜10であれば、ホース軸方向の柔軟性は短繊維未配合のゴムとあまり変わらないまま、ホース周方向にゴムが補強されることになり好ましく、2.0〜5.0であるのがより好ましい。なお、上記引張り応力の比の値が10を超えると、短繊維がゴムに均一に混合されにくく、また、複合ゴムをテープ状ないしシート状に加工するのが難しくなるおそれが生じる。
本発明において使用される未加硫ゴムのベース配合としては特に限定は無く、従来からこの分野において公知の配合であればいずれも使用可能であり、例えば、耐摩耗性、耐水性、加工性において優れる天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)或いはNRとシス-1,4-ポリブタジエンゴム(BR)及び/又はSBRとのブレンド配合組成物等を挙げることができる。
これらのベース配合に混入される短繊維の材質としては、タイヤ、ベルト等の補強用繊維として用いられる繊維素材である炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維、ナイロン繊維及びポリエステル繊維等を例示することができる。
中でも、炭素繊維及び芳香族ポリアミド繊維は高耐熱性と高強度を有するので、それぞれ25kg/cm2 、20kg/cm2 をこえる高圧の作動条件下におかれるチューブ用として特に好適である。一方、ナイロン繊維とポリエステル繊維は耐熱性、強度とも前二者より劣るが、一般の作動条件(圧力15kg/cm2)下での使用には充分機能し、コストも安く、かつ柔軟なので、小さな湾曲径のポンプケースに収納し使用する場合に特に好適である。
短繊維の繊維径はゴムマトリックス中での分散性、配向性、補強性、埋設したホースの圧縮変形性等の観点から繊維長さ0.1mm〜20mmで、かつ繊維長さ/繊維径の比が50〜5000であることが好ましく、100〜2000であるのがより好ましい。上記繊維長さ/繊維径の比が50未満になると、配向性が低下して一方向のみの補強効果が低くなり、また、5000を超えると繊維がちぎれやすくなり、複合ゴムとして特性にバラツキが生じやすくなる。ベースゴムに対する短繊維の配合量は、ゴム100重量部に対して0.5〜10重量部とするのが好ましく、2〜5重量部とするのがより好ましい。
短繊維の長さ、径及び配合量を上記範囲にすることにより、短繊維を効果的にホース周方向に配向させることが可能となり、耐損傷性や耐摩耗性を向上させながら、その他ゴムホースとして必要とされる柔軟性等の特性を維持することが可能となる。
ゴムホースは、内径及び外径が均一な円筒状とすることができるほかに、内周面をテーパ状に形成することもできる。この場合、複合ゴム中の短繊維はホース軸方向に配向していないため、テーパ状に形成されたゴムホースにおける厚肉部の曲げ応力は、短繊維配合による影響をあまり受けず、柔軟性を維持することができる。
本発明に係るゴムホースは、複合ゴム単層で形成してもよいが、複合ゴム層の外周面側を、補強コードで補強した補強ゴムや外面ゴムで被覆して積層構造とすることもでき、さらに複合ゴムを内面ゴム層とし、その外側に補強ゴム層、外面ゴム層の順に積層した3層構造とすることも可能である。複合ゴムを補強ゴムで被覆した場合には、耐圧性を高めることができ、外面ゴムで被覆した場合は、その内側の層を保護するとともに、美観に優れるといった効果を奏する。
補強ゴムは、繊維からなるすだれ織布(コード)に公知の未加硫ゴムをトッピング処理したシート状物を複合ゴムの外周面に、ホースの軸線に対して所定の成形角度で繊維方向が交差するように、交互に偶数プライ巻き付け、加硫することにより形成される。コードに使用される繊維としては、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、アラミド、カーボンなどの有機繊維及びガラス、スチールなとの無機、金属繊維などが挙げられる。
外面ゴムは、未加硫ゴムを加硫させたものであり、公知の主材料及び副資材を使用することができ、予めシート状に成形された未加硫ゴムシートを複合ゴム又は補強ゴムの外周面に積層して加硫成形される。
本発明に係るゴムホースは、未加硫ゴムと短繊維とを混合し、得られた混合物を圧延手段により圧延して短繊維が長手方向に配向した未加硫ゴムテープを製造し、該未加硫ゴムテープをマンドレル外周に螺旋状に巻き付けて筒状に成形した後、この筒状体を加硫することにより製造することができる。
圧延手段としては、例えば、ロール機を使用し、混合物をシート状に圧延し、このシートを圧延方向にカットすることにより、短繊維が長手方向に配向した未加硫ゴムテープを作製することができる。
また、他の圧延手段として、押出し成形機を使用することも可能である。この場合、押出ダイの開口形状をスリット状にすれば、混合物を直接テープ状に押出すことが可能となり、テープ状にカットする手間が不要となるため好ましい。スリットの形状としては、具体的に幅0.5〜3mmで、長さが前記幅の3〜20倍とすれば、短繊維を押出し方向に効率よく配向させることができる点で好ましい。上記スリットから得られた未加硫ゴムテープは、厚みが0.5〜3mmで、幅が厚みの3〜20倍の形状となる。
また、スリットを環状にし、混合物を円筒状に押出すようにしてもよい。この場合、得られた円筒状押出物を扁平化すれば、同じ幅の直線状のスリットから押出された未加硫ゴムテープよりも2倍の肉厚の未加硫ゴムテープを得ることが可能となり、未加硫ゴムテープをマンドレル外周に巻き付けるのに要する時間を短縮することができる。
未加硫ゴムテープは、テープ表面をマンドレル外周に巻き付けてもよいが、テープを立てた状態で、テープの一方の側面がマンドレル外周に当接して上述した筒状体の内周面を構成し、他方の側面が筒状体の外周面を構成するようにしてマンドレルに巻き付ければ、最大でテープの幅に相当する肉厚のゴムホースを得ることができる。
さらに、未加硫ゴムテープを回転するマンドレルに巻き付ける場合、マンドレルを軸方向に移動可能に設け、マンドレルを移動させながら未加硫ゴムテープをマンドレルに巻き付ける構成とすれば、マンドレルの移動速度を調節することで、筒状体の厚みを制御したり、ホースをテーパ状に形成することが可能となる。
このようにして得られたゴムホースは、骨材を含む流体を圧送するゴムホールとして好適に使用することができる。具体的には、スクイーズ式ポンプのポンピングホースのほかに、生コンクリート打設用の先端ホースやドッキングホースとして使用することが可能である。
また、ポンピングホースとして使用する場合、ホース全長にわたり、短繊維を混合した複合ゴムから構成してもよいし、ホースの一部、例えば、スクイーズ式ポンプの圧送ユニットの作動時にローラーの圧接摺動下に晒される範囲のみ複合ゴムから構成するようにしてもよい。
本発明に係るゴムホースは、ゴムと短繊維とを混合した複合ゴムから構成し、複合ゴム中の短繊維をホース周方向に配向させたため、ホースの柔軟性を低下させることなく、優れた耐摩耗性を有し、かつ外部から押圧されて扁平化しても割れが生じにくいゴムホースを得ることができる。
以下、図面を基に本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明に係るゴムホースを示すホース周方向断面図である。このゴムホース1は、スクイーズ式ポンプのポンピングホースとして使用されるものであり、ホース内面を形成する筒状の内面ゴム層2と、内面ゴム層2の外周面を被覆する補強ゴム層3と、さらに補強ゴム層3の外周面を被覆する外面ゴム層4の3種類の層からなる積層構造とされている。
内面ゴム層2は、ベースとなるゴム6として天然ゴムを使用し、これにナイロン短繊維5を混合して得られた複合ゴムからなり、短繊維5はホース周方向に配向している。
補強ゴム層3は、スチールコードに公知の未加硫ゴムをトッピング処理したシート状物3aをホースの軸線に対して所定の成形角度で繊維方向が交差するように、内面ゴム層2の外周面上に交互に2プライを巻き付け、加硫することにより形成されており、これによりゴムホース全体の耐圧性を高めることが可能になる。
外面ゴム層4は、ゴム組成物からなり、公知の主材料および副資材を使用することができ、予めシート状に成形されたゴム組成物を補強ゴム層3の外周面に積層して加硫成形される。
図2は、上記ゴムホースを使用したスクイーズ式ポンプの概略図である。このスクイーズ式ポンプは、円筒ドラム7を備えており、この円筒ドラム7の中心を通る垂線XYの左側のドラム内周半円弧部にゴムホース1が内接するように設置されている。そして、ゴムホース1両端部は、ドラム内周上のX点およびY点における接線方向に延びてドラム外に突出するように設けられている。
円筒ドラム7の内部には、一定速度で時計廻りに回転運動するアーム8が設けられており、アーム8の先端には、回転自在のスクイーズローラー9が取り付けられている。上記構成のスクイーズ式ポンプを作動させると、ゴムホース1は、スクイーズローラー9によりY点からX点まで押し潰されて扁平化されながら、内部のスラリーを絞り作用によって吐出するようになっている。
上述したように、ポンピングホースにはスクイーズローラー9により繰返して外力がかかることになるが、本発明に係るゴムホース1をポンピングホースとして使用すると、ホース周方向に短繊維5を配向させているため、ホース1に割れを生じにくくすることが可能となる。
また、ゴムホース1の軸方向には短繊維5は配向していないため、ホースの柔軟性を維持することができ、円筒ドラム7内にゴムホース1を設置するのが容易で、さらに任意の方向に容易にホース1を曲げてスラリーSを吐出させることができる。
上記ゴムホース1を製造するには、先ず、未加硫ゴム6と短繊維5とを混合し、この混合物を押出し成形機から押出すことによって、押出し方向に短繊維5を配向させた未加硫ゴムテープ10を作製する。このとき、押出し成形機の押出しダイ11は、図3に示すように、開口部としてスリット12が設けられており、これによりダイ11から直接未加硫ゴムテープ10を得ることができる。
未加硫ゴムテープ10において、押出し方向に配向する短繊維5の割合は、未加硫ゴム6に対する短繊維5の配合量、短繊維長さ、スリット12の幅及びスリット12の長さ等の影響を受ける。そして、この未加硫ゴムテープ10の押出し方向に配向する短繊維5の割合は、そのまま複合ゴムにおける短繊維のホース周方向への配向する割合に相当する。
したがって、短繊維5の配合量、短繊維長さ、スリット12幅及びスリット12長さを選択することにより、ホース周方向と、ホース軸方向との100%伸張時の引張り応力の比(ホース周方向/ホース軸方向)を高くすることが可能となる。具体的に、100%伸張時の引張り応力の比(ホース周方向/ホース軸方向)が3以上となる条件の組合せ例を表1に示す。
その後、上記筒状体14の外周面に、スチールコードに公知の未加硫ゴムをトッピング処理したシート状物3aと、外面ゴム用の未加硫ゴムからなるシート状物をこの順に重ねて加硫することにより3層構造のゴムホース1を得ることができる。
筒状体14は、加硫することにより内面ゴム層2を構成するが、上記方法によれば内径及び外径が一定の円筒形状を有する筒状体14を得ることができる。また、マンドレル13の移動速度を調節することで、筒状体14の厚みを制御することが可能となる。
具体的に説明すると、図4及び図5は、外周面に未加硫ゴムテープ10を螺旋状に巻き付けて筒状体14を形成した状態のマンドレル13を示す軸方向断面図である。先ず、図4に示すように、円筒形状のマンドレル13に未加硫テープ10を巻き付ける際に、テープ巻き始めに方向Eへのマンドレル13の移動速度を遅くしておくと、テープの立ち上がり角度が大きくなり(A)、形成される筒状体14の肉厚が厚くなるが、マンドレル13の移動速度を徐々に速くすると、移動速度に応じてテープがだんだんと寝た状態となってテープの立ち上がり角度が緩やかになり(B及びC)、形成される筒状体14の肉厚が薄くなって、外周面がテーパ状に形成された筒状体14を得ることができる。なお、マンドレル13の周りに未加硫テープ10を巻き付ける際には、既に巻き終えたテープ10に対して方向Dに押さえつけるようにしながら巻くとテープ同士を確実に密着させた状態で筒状体を形成することができる。
また、図5に示すように、外周面がテーパ状のマンドレル13を用い、方向Eへのマンドレル13の移動速度を遅くしてマンドレル13の先端側(外径の小さい側)から未加硫テープ10を巻き始め、筒状体14の外周径が均一になるようにマンドレル13の移動速度を調節(徐々に速度を速める)すると、外周面が円筒状で、かつ内周面がテーパ状に形成された筒状体14を得ることができる。
上記筒状体14を加硫すれば、内周面がテーパ状に形成されたゴムホースを作製することができる。このようにして得られたゴムホースをポンピングホースとして使用する場合には、ホースの内径が入口から出口に向って縮小するテーパ部を、スクイーズローラー9の回転軌道の頂上に達する手前から、頂上位置を通過してローラー9がホースから離れる直前までの領域に設定するのが好ましい。このような構成とすることで、ホースの開口開始状態から完全開口状態までに起こるスラリーの逆流を抑制して逆流による摩耗損傷を最小限に抑えることができる。
本発明に係るゴムホースにおいて、内面ゴム層に配合した短繊維によるゴム補強効果を評価した。具体的には、上記実施形態にて作製したゴムホースから外面ゴム層及び補強ゴム層を除去して内面ゴム層のみを残し、そこからJIS K 6301に規定する引張試験に供する試料をホース周方向及びホース軸方向の2方向から切り出して、試料を引っ張ったときの引張り応力を測定した。以下引張試験用の試料の調製方法について説明する。
複合ゴムのベースゴムとしては、加硫後の硬度(JIS K 6253に規定するデュロメータA硬度)が60度となる天然ゴムを使用し、この天然ゴム100重量部に対してナイロン短繊維を5重量部配合して混合した。ナイロン短繊維は、繊維長さ0.3mm、繊維径0.3μmのものを使用した。
上記混合物を、幅2mm、長さ20mmのスリットから押出して未加硫ゴムテープを作製し、テープを立てた状態で円筒状のマンドレルの外周に巻き付けて筒状体を形成し、その上に2mm厚の補強コードを2プライを積層した。さらにその上に外面ゴムとして加硫後の硬度が60度となる天然ゴムからなる2mm厚の未加硫ゴムシートを積層した後、加硫してゴムホースを得た。なお、ゴムホースにおける内面ゴム層のサイズは、厚み16mm、外径130mmであった。
引張試験に供する材料は、上記内面ゴムを使用した。試験用試料は、JIS K 6301に規定するダンベル状3号試験片の形状(全長100mm×幅25mm×厚み16mm)とした。試料としては、試験片の長さ方向がゴムホースの周方向に沿うようにして切り出したものを試料1とし、試験片の長さ方向がゴムホースの軸方向に沿うようにして切り出したものを試料2とした。
また、比較材としては、上記複合ゴムを厚み16mm、外径130mmの円筒状に直接押出して、押出し方向(ホース軸方向)に短繊維を配向させたゴムホースを使用し、試験片の長さ方向がゴム押出し方向(ホース軸方向)に沿うようにして切り出したものを用いた(試料3)。さらに、他の比較材として、上記複合ゴムで使用した天然ゴムのみを単体で加硫したものを試料4とした。
上記4種類の試料を用いて引張試験を行なった。結果を図6に示す。これによると、ゴムホースの実用ひずみ(50〜100%伸張時)の範囲内である100%伸張時において各試料の引張り応力を比較すると、短繊維の配向方向(ホース周方向)に試験片を引っ張ることになる試料1の引張り応力は、短繊維の配向方向と直交する方向(ホース軸方向)に試験片を引っ張る試料2に比べ約2.5倍高い値となっていることが判る。
また、試料2によるホース軸方向の引張り応力は、短繊維を配合しない試料4と比較すると、10%程度高くなっているにすぎず、天然ゴム単体のゴムホースと同等の柔軟性を保持することが明かになった。
一方、実施例で作製したゴムホースと同じ複合ゴムを使用した場合でも、押出しダイの開口幅が広く、複合ゴムを一挙に押出すことになる試料3においては、短繊維配向方向であっても引張り応力はあまり高くならず、ゴム補強効果が低いことが確認された。
1 ゴムホース
2 内面ゴム層
3 補強ゴム層
4 外面ゴム層
5 短繊維
6 ゴム
10 未加硫ゴムテープ
11 押出しダイ
12 開口部
13 マンドレル
14 筒状体
2 内面ゴム層
3 補強ゴム層
4 外面ゴム層
5 短繊維
6 ゴム
10 未加硫ゴムテープ
11 押出しダイ
12 開口部
13 マンドレル
14 筒状体
Claims (9)
- ゴムと短繊維とを混合した複合ゴムからなり、前記複合ゴム中の短繊維がホース周方向に配向したことを特徴とするゴムホース。
- 前記複合ゴムは、ホース周方向と、ホース軸方向との100%伸張時の引張り応力の比が、ホース周方向/ホース軸方向で1.5〜10であることを特徴とする請求項1記載のゴムホース。
- 前記短繊維が、繊維長さ0.1mm〜20mmで、かつ繊維長さ/繊維径の比が50〜5000であり、前記ゴムに対する短繊維の配合量が、ゴム100重量部に対して0.5〜10重量部であることを特徴とする請求項1又は2記載のゴムホース。
- 前記複合ゴムの外周面が、ゴムを補強コードで補強した補強ゴム及び/又は外面ゴムで被覆されたことを特徴とする請求項1、2又は3記載のゴムホース。
- スクイーズ式ポンプのポンピングホースとして用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のゴムホース。
- 未加硫ゴムと短繊維とを混合し、該混合物を圧延手段により圧延して短繊維が長手方向に配向した未加硫ゴムテープを製造し、該未加硫ゴムをマンドレル外周に螺旋状に巻き付けて筒状に成形した後、この筒状体を加硫することを特徴とするゴムホースの製造方法。
- 前記圧延手段が、押出し成形機であり、未加硫ゴムを押出すダイの開口形状が幅0.5〜3mmで、長さが前記幅の3〜20倍のスリット状であることを特徴とする請求項6記載のゴムホースの製造方法。
- 前記未加硫ゴムテープの一方の側面がマンドレル外周に当接して前記筒状体の内周面を構成し、他方の側面が筒状体の外周面を構成するようにして、未加硫ゴムテープをマンドレル外周に巻き付けることを特徴とする請求項6又は7記載のゴムホースの製造方法。
- 前記マンドレルが軸方向に移動可能に設けられ、マンドレルの移動速度を調節することで、前記筒状体の厚みを制御することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のゴムホースの製造方法。
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Legal Events
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