JP2005180372A - 圧縮機のインペラ - Google Patents

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弘高 東森
Keiji Hisama
啓司 久間
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邦夫 住田
Toru Mizuta
徹 水田
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Abstract

【課題】 ハブの表面に発生する境界層の局部集中を防止するとともに境界層の厚みを低減させることにより、圧縮機の高効率化を図ることを目的とする。
【解決手段】 複数枚のブレード11と、これら複数枚のブレード11の根元部Rに配置されるハブ12とを有し、流体が流れる前記ハブ12の表面12cの少なくとも一部が回転軸線に対して傾斜した圧縮機のインペラ10であって、前記ハブ12の表面12cに、流体の流れにより生じる境界層の厚みを低減させる境界層低減手段13a,13bが設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は遠心圧縮機や斜流圧縮機のインペラ、たとえば航空用ガスタービン、舶用過給機、自動車用過給機などに用いられる遠心圧縮機や斜流圧縮機のインペラに関するものである。
従来、遠心圧縮機や斜流圧縮機に用いられるインペラのハブ表面についてはあまり注目して研究がなされておらず、インペラのハブ表面上に工夫が施されるというようなことは今までなかった(たとえば、特許文献1参照)。
特開昭55−35173号公報
そこで、本出願の発明者らは、回転するインペラのハブ面に注目して研究を進めることとし、その結果、ハブ面上で次のような現象が起きていることがわかってきた。
たとえば、図5(a)に示す遠心圧縮機のインペラ100では、インペラ入口部101から流入した流れに、インペラ100のブレード11により回転軸線C周りの旋回速度が与えられる際、この流れに遠心力F1が作用することとなる。この遠心力F1はハブ面12cに対して垂直な方向およびこの垂直な方向と直交する方向に分けることができ、ハブ面12cに対して垂直な方向に作用する力F2は、流れをハブ面12cから剥がす方向に作用しており、これにより、流れの境界層が拡大して(あるいはひどい場合にはハブ面近傍で流れが逆流したり、流れがハブ面12cから剥離して)、インペラ内部の損失が増加し、遠心圧縮機100の効率の低下を招いているということがわかってきた。
なお、インペラ出口部102では遠心力F1の方向とハブ面12c接線の方向とが一致する(すなわち、ハブ面に対して垂直な方向に作用する力F2は0(零)となる)ので、流れをハブ面12cから剥がす方向に作用する力はなくなる。
また、図において符号12,12a,12b,LE,TE,およびBはそれぞれ、ハブ、ハブの小径部、ハブの大径部、ブレード11の前縁、ブレード11の後縁、および境界層の拡大が特に著しい領域(すなわち、境界層の厚みが著しく増加する領域)を示している。
また、図5(b)に示す斜流圧縮機のインペラ200でも同様の現象が起きており、特に斜流圧縮機では、流れをハブ面12cから剥がそうとする力F2が、ハブ面12cが傾斜するインペラ出口部102まで作用するため、インペラ出口部102まで境界層拡大による流速歪みが残り、インペラ出口部102での損失が増加し、斜流圧縮機200の効率の低下を招いているということがわかってきた。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、ハブの表面に発生する境界層の局部集中を防止するとともに境界層の厚みを低減させることにより、圧縮機の高効率化を図ることを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
請求項1に記載の圧縮機のインペラは、複数枚のブレードと、これら複数枚のブレードの根元部に配置されるハブとを有し、流体が流れる前記ハブの表面の少なくとも一部が回転軸線に対して傾斜した圧縮機のインペラであって、前記ハブの表面に、流体の流れにより生じる境界層の厚みを低減させる境界層低減手段が設けられていることを特徴とする。
このような圧縮機のインペラによれば、ハブの表面(ハブ面)に設けられた境界層低減手段によりハブの表面に形成される境界層の局部集中が防止されるとともに、境界層低減手段を有していないインペラよりも境界層の厚みが減少することとなる。
請求項2に記載の圧縮機のインペラは、前記境界層低減手段が、流体の流れに作用する遠心力が流体の流れを前記ハブの表面から剥がす方向に作用する部位に設けられていることを特徴とする。
このような圧縮機のインペラによれば、比較的大きな遠心力が作用するとともに、インペラの回転軸線に対して傾斜角を有するハブの表面、すなわち、インペラの回転軸線からある程度の距離を有する傾斜したハブの表面上に境界層低減手段が設けられている。
請求項3に記載の圧縮機のインペラは、前記境界層低減手段が、当該インペラの入口端から出口端までの長さの、インペラの入口端から約1/4の位置よりも下流側に設けられていることを特徴とする。
このような圧縮機のインペラによれば、インペラの入口端から所定距離離間した位置に境界層低減手段の始点が位置することとなる。すなわち、インペラの入口端から下流側にかけて暫くの間、境界層低減手段は設けられていないことになる。
請求項4に記載の圧縮機のインペラは、前記境界層低減手段が、前記ハブの表面に対して垂直方向に突出する凸部として形成されていることを特徴とする。
このような圧縮機のインペラによれば、ハブの表面に対して垂直な方向に作用する力(F2)によって、凸部の表面にハブの表面からブレード間に形成された流路に向かう流れ(以下、「2次流れ」という)が発生することとなる。ハブの表面あるいは凸部の表面に形成された境界層は、この2次流れによりブレード間に形成された流路の方に移動していくとともに、この流路を流れる主流に引きずられて(吸引されて)この主流とともに下流側に運び去られることとなる。
請求項5に記載の圧縮機のインペラは、前記凸部が、前記ブレード間において前記ブレードの翼面に沿って形成された少なくとも一本の小翼として設けられていることを特徴とする。
このような圧縮機のインペラによれば、主流の流れを妨げることなくかつ損失の発生が最小限となるように形成された、請求項4の凸部よりも大きな表面積を有する小翼の表面上に2次流れが発生することとなり、ハブの表面あるいは小翼の表面に形成された境界層が、流路を流れる主流によってより多く下流側に運ばれていく。
請求項6に記載の圧縮機のインペラは、前記小翼の高さが、前記ブレードの高さの約1/10〜約1/2に設定されていることを特徴とする。
このような圧縮機のインペラによれば、小翼の先端が流体の主流中に入り込む格好となるので、小翼の表面に生じた2次流れが、ブレード間を通過する主流内に確実かつ効果的に導かれ、境界層の厚みがより低減されることとなる。
請求項7に記載の圧縮機のインペラは、前記小翼間の最大距離が、前記ハブの表面に、流体の流れにより生じる境界層の厚みの2倍よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする。
このような圧縮機のインペラによれば、小翼と小翼との間隔が、流体の流れによりハブの表面に生じる境界層の厚みの2倍よりも大きくなるように形成されており、小翼と小翼との間を流体の主流が通過するようになるので、小翼の表面に生じた2次流れと流体の主流との合流が促進され、境界層の厚みがより一層低減されることとなる。
請求項8に記載の圧縮機のインペラは、遠心圧縮機のインペラであり、前記境界層低減手段が、前記ハブ面に対して垂直な方向に作用する力がゼロとなる位置まで設けられていることを特徴とする。
このような圧縮機のインペラによれば、境界層低減手段が、流体の流れに作用する遠心力が流体の流れを前記ハブの表面から剥がす方向に作用する部位、すなわち、当該インペラの入口端から出口端までの長さの、インペラの入口端から約1/4の位置から、ハブ面に対して垂直な方向に作用する力がゼロとなる位置まで設けられており、これによりハブ面近くに形成された境界層の厚みが、ハブ面の全体にわたって低減される。
請求項9に記載の圧縮機のインペラは、前記境界層低減手段が、前記ハブ面に対して垂直な方向に作用する力がゼロとなる位置からさらに下流側にも延設されていることを特徴とする。
このような圧縮機のインペラによれば、境界層低減手段が、ハブ面に対して垂直な方向に作用する力がゼロとなる位置からさらに下流側に延長して設けられているので、この延長された境界層低減手段に沿って境界層がインペラの半径方向外側に放出され、境界層の厚みがさらに低減される。
請求項10に記載の圧縮機のインペラは、前記境界層低減手段が、当該インペラの出口端まで設けられていることを特徴とする。
このような圧縮機のインペラによれば、境界層低減手段が、インペラ出口端まで延長して設けられているので、この延長された境界層低減手段に沿って境界層がインペラの半径方向外側に放出され、境界層の厚みがより一層低減される。
また、境界層低減手段のインペラ出口端から流出した流体は、下流側に設けられたディフューザに最短距離で到達することとなるので、遠心圧縮機全体における流体の流速歪みによる損失が低減される。
請求項11に記載の圧縮機のインペラは、斜流圧縮機のインペラであり、前記境界層拡大防止手段が、当該インペラの出口端まで設けられていることを特徴とする。
このような圧縮機のインペラによれば、境界層低減手段が、流体の流れに作用する遠心力が流体の流れを前記ハブの表面から剥がす方向に作用する部位、すなわち、当該インペラの入口端から出口端までの長さの、インペラの入口端から約1/4の位置から、インペラの出口端まで設けられており、これによりハブ面近くに形成された境界層の厚みが、ハブ面の全体にわたって低減される。
請求項12に記載の圧縮機のインペラは、請求項1から11のいずれか一項に記載のインペラを具備してなることを特徴とする。
このような圧縮機によれば、ハブの表面に発生する境界層の局部集中が防止するとともに、境界層の厚みを低減する境界層低減手段が設けられたインペラが具備されている。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
境界層低減手段によりハブの表面に発生する境界層の局部集中を防止することができるとともに、境界層の厚みを低減させることができる。
また、境界層低減手段が設けられたインペラを採用することにより、境界層の局部集中を防止することができるとともに、境界層の厚みを低減させることができ、インペラ内部の損失を低減させることができて、圧縮機の圧縮効率の向上を図ることができる。
以下、本発明による圧縮機のインペラの第1実施形態について、図1を参照しながら説明する。なお、本実施形態のインペラは遠心圧縮機に適用された場合の具体例を示している。
図1(a)は本実施形態に係るインペラ10の要部斜視図であって、インペラ10の入口側の端部を省略した図である。また、図1(b)は図1(a)のI−I矢視断面図であり、図1(c)は図1のII−II矢視断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るインペラ10は、複数枚のブレード11と、これらブレード11の根元部Rに配置されるハブ12とを主たる要素として構成されたものである。
ブレード11はそれぞれ、ハブ12の小径側端部12aにその前縁LEが位置するとともに、ハブ12の大径側端部12bにその後縁TEが位置するようにハブ12の表面上に設けられている(図5(a)参照)。
ハブ面(ハブの表面)12cの、遠心力F1(図5(a)参照)がハブ面12cに対して垂直に作用する領域、たとえば、インペラ入口端から出口端までの長さのうち、入口側の約1/4の位置(図1(a)において中央に位置する小翼13aの最も上流側の位置(起点))からハブ面12cに対して垂直な方向に作用する力F2が0となる位置(図1(a)において小翼13a,13bの最も下流側の位置(終点))までの領域で、かつブレード11とブレード11との間に位置する領域には、ブレード11の翼面(あるいはブレード11の根本部R)に沿って小翼(境界層低減手段;凸部)13a,13bが、たとえば3本設けられている。
図1(a)に示すように、これら3本の小翼13a,13bのうち中央に位置する小翼(すなわち、真ん中に位置する小翼)13aは、インペラ入口端から出口端までの長さのうち、入口側の約1/4の位置からハブ面12cに対して垂直な方向に作用する力F2が0となる位置までの領域で、かつブレード11間の略中央部に設けられている。
また、この小翼13aの両脇に位置する小翼13bは、インペラ入口端から出口端までの長さのうち、入口側の約1/2の位置からハブ面12cに対して垂直な方向に作用する力F2が0となる位置までの領域で、かつブレード11と小翼13aとの略中央部に設けられている。
これら小翼13a,13bの断面形状はそれぞれ、図1(b)および図1(c)に示すように、ハブ面12cから離れていくにしたがって漸次細くなるように形成されている。 また、これら小翼13a,13bの前縁および後縁もまた、上流側および下流側にかけてそれぞれ漸次細くなるように形成されている。
これら小翼13a,13bの高さ(すなわち、ハブ面12cから小翼13a,13bの先端までの最短距離)hは、ブレード11の同じ半径方向位置における高さHの約1/10〜約1/2となるように形成されている。
また、小翼13aと小翼13bとの間隔(すなわち、小翼13aの先端と小翼13bの先端との間の最短距離)Wは、流体の流れによりハブ表面12cに生じる境界層BLの厚みδの2倍よりも大きくなるように形成されている。
このように、ハブ面12cの、遠心力F1(図5(a)参照)がハブ面12cに対して垂直に作用する領域に、ブレード11の翼面に沿って小翼13a,13bを設けることにより、小翼13a,13bの表面上に、ハブ面12cに対して略垂直の方向(図中の白抜き矢印の方向)に2次流れが生じる。ハブ面12cおよび小翼13a,13b上の境界層BLは、この2次流れに引きずられて(のって)ブレード11間に形成された流路、すなわち、ブレード11間を通過する流体の主流の方に導かれていき、最終的に流体の主流と合流して下流側に流れていくこととなるので、境界層BLの局部集中を防止することができるとともに、境界層BLの厚みδを低減させることができる。
また、小翼13a,13bの高さhが、ブレード11の同じ半径方向位置における高さHの約1/10〜約1/2となるように形成されているので、小翼13a,13bの表面に生じた2次流れを、ブレード11間を通過する主流内に確実かつ効果的に導くことができて、境界層BLの厚みδをさらに低減させることができる。
さらに、小翼13aと小翼13bとの間隔Wが、流体の流れによりハブ表面12cに生じる境界層BLの厚みδの2倍よりも大きくなるように形成されており、小翼13aと小翼13bとの間を流体の主流が通過するようになるので、小翼13a,13bの表面に生じた2次流れと流体の主流との合流が促進され、境界層BLの厚δみをより一層低減させることができる。
さらにまた、小翼13a,13bの前縁および後縁が、上流側および下流側にかけてそれぞれ漸次細くなるように形成されているので、流体の主流がこれら小翼13a,13bの前縁に衝突するとき、あるいはこれら小翼13a,13bの後縁から離れていくときに生じる渦損失を最小限にすることができる。
さらにまた、小翼13a,13bの先端が、ハブ面12cから離れていくにしたがって漸次細くなるように形成されているので、小翼13a,13bの表面に生じた2次流れがこれら小翼13a,13bの先端から離れていくときに生じる渦損失を最小限にすることができる。
図2を用いて本発明による圧縮機のインペラの第2実施形態について説明する。図2(a)は前述した図1(a)と同様の図で、インペラ20の入口側の端部を省略した図である。また、図2(b)は図2(a)のIII−III矢視断面図である。
本実施形態におけるインペラ20は、境界層低減手段(凸部)としての小翼23すべての起点が、前述した第1実施形態の小翼13aの起点と同じ位置に設けられているとともに、小翼23すべての終点が、前述した第1実施形態の小翼13a,13bの終点よりも下流側、すなわち、出口端側に延長して設けられているという点で第1実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略し、小翼23についてのみ説明することにする。
なお、第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
ハブ面(ハブの表面)12cの、インペラ入口端から出口端までの長さのうち、入口側の約1/4の位置(図2(a)において小翼23の最も上流側の位置(起点))から出口側の約1/5の位置(図2(a)において小翼23の最も下流側の位置(終点))までの領域で、かつブレード11とブレード11との間に位置する領域には、ブレード11の翼面(あるいはブレード11の根本部R)に沿って小翼23が、たとえば3本設けられている。
これら小翼23の断面形状はそれぞれ、第1実施形態同様、ハブ面12cから離れていくにしたがって漸次細くなるように形成されている。
また、これら小翼23の前縁および後縁もまた、第1実施形態同様、上流側および下流側にかけてそれぞれ漸次細くなるように形成されている(図1(b)および図1(c)参照)。
これら小翼23の高さ(すなわち、ハブ面12cから小翼23の先端までの最短距離)hは、前述した第1実施形態同様、ブレード11の同じ半径方向位置における高さHの約1/10〜約1/2となるように形成されている。
また、小翼23と小翼23との間隔(すなわち、一の小翼23の先端とこの一の小翼23に隣接する小翼23の先端との間の最短距離)Wは、前述した第1実施形態同様、流体の流れによりハブ表面12cに生じる境界層BLの厚みδの2倍よりも大きくなるように形成されている。
このような小翼23を設けることにより、前述した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、小翼23すべての起点が、インペラ入口端から出口端までの長さのうち、入口側の約1/4の位置、すなわち、前述した第1実施形態の小翼13aの起点と同じ位置とされているので、前述した第1実施形態のものよりも小翼23の表面積が増加し、これに伴って2次流れが増加して、境界層BLの集中をさらに防止することができるとともに、境界層BLの厚みδをさらに低減させることができる。
さらに、小翼23すべての終点が、インペラ入口端から出口端までの長さのうち、出口側の約1/5の位置、すなわち、前述した第1実施形態の小翼13a,13bの終点よりも下流側(出口端側)に延長して設けられているので、この延長された小翼23の表面に沿って境界層BLがインペラ20の半径方向外側に放出されることとなって、境界層BLの厚みδをより一層低減させることができる。
図3を用いて本発明による圧縮機のインペラの第3実施形態について説明する。図3は前述した図1(a)および図2(a)と同様の図で、インペラ30の入口側の端部を省略した図である。
本実施形態におけるインペラ30は、境界層低減手段(凸部)としての小翼33すべての終点が、インペラ30の出口端まで延長して設けられているという点で第2実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した第2実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略し、小翼33についてのみ説明することにする。
なお、第1実施形態および第2実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
ハブ面(ハブの表面)12cの、インペラ入口端から出口端までの長さのうち、入口側の約1/4の位置(図3において小翼33の最も上流側の位置(起点))から出口端までの領域で、かつブレード11とブレード11との間に位置する領域には、ブレード11の翼面(あるいはブレード11の根本部R)に沿って小翼33が、たとえば3本設けられている。
これら小翼33の断面形状はそれぞれ、第1実施形態同様、ハブ面12cから離れていくにしたがって漸次細くなるように形成されている。
また、これら小翼33の前縁および後縁もまた、第1実施形態同様、上流側および下流側にかけてそれぞれ漸次細くなるように形成されている(図1(b)および図1(c)参照)。
これら小翼33の高さ(すなわち、ハブ面12cから小翼33の先端までの最短距離)hは、前述した第1実施形態同様、ブレード11の同じ半径方向位置における高さHの約1/10〜約1/2となるように形成されている。
また、小翼33と小翼33との間隔(すなわち、一の小翼33の先端とこの一の小翼33に隣接する小翼33の先端との間の最短距離)Wは、前述した第1実施形態同様、流体の流れによりハブ表面12cに生じる境界層BLの厚みδの2倍よりも大きくなるように形成されている。
このような小翼33を設けることにより、前述した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、小翼33すべての終点が、インペラ出口端まで延長して設けられているので、この延長された小翼33の表面に沿って境界層がインペラ30の半径方向外側に放出されることとなって、境界層BLの厚みδをより一層低減させることができる。
さらに、小翼33すべての終点が、インペラ出口端まで延長して設けられていることにより、小翼33の後縁から流出した流体は、下流側に設けられたディフューザに最短距離で到達することとなるので、遠心圧縮機全体における流体の流速歪みによる損失を低減させることができる。
図4を用いて本発明による圧縮機のインペラの第4実施形態について説明する。図4は前述した図1(a)、図2(a)、および図3と同様の図で、インペラ40の入口側の端部を省略した図である。
本実施形態におけるインペラ40は、斜流圧縮機に適用されるものであって、図1に示す境界層低減手段(凸部)としての小翼13と同様の小翼が、ハブ面12cに形成されているものである。
図4に示すように、本実施形態に係るインペラ40は、複数枚のブレード11と、これらブレード11の根元部Rに配置されるハブ12とを主たる要素として構成されたものである。
ブレード11はそれぞれ、ハブ12の小径側端部12aにその前縁LEが位置するとともに、ハブ12の大径側端部12bにその後縁TEが位置するようにハブ12の表面上に設けられている(図5(b)参照)。
ハブ面(ハブの表面)12cの、遠心力F1(図5(b)参照)がハブ面12cに対して垂直に作用する領域、たとえば、インペラ入口端から出口端までの長さのうち、入口側の約1/4の位置(図4において中央に位置する小翼の最も上流側の位置(起点))からインペラの出口端(図4において小翼の最も下流側の位置(終点))までの領域で、かつブレード11とブレード11との間に位置する領域には、ブレード11の翼面(あるいはブレード11の根本部R)に沿って小翼43a,43bが、たとえば3本設けられている。
図4に示すように、これら3本の小翼43a,43bのうち中央に位置する小翼(すなわち、真ん中に位置する小翼)43aは、インペラ入口端から出口端までの長さのうち、入口側の約1/4の位置からインペラの出口端までの領域で、かつブレード11間の略中央部に設けられている。
また、この小翼43aの両脇に位置する小翼43bは、インペラ入口端から出口端までの長さのうち、入口側の約1/2の位置からインペラの出口端までの領域で、かつブレード11と小翼13aとの略中央部に設けられている。
これら小翼43a,43bの断面形状はそれぞれ、第1実施形態同様、ハブ面12cから離れていくにしたがって漸次細くなるように形成されている。
また、これら小翼43a,43bの前縁および後縁もまた、第1実施形態同様、上流側および下流側にかけてそれぞれ漸次細くなるように形成されている(図1(b)および図1(c)参照)。
これら小翼43a,43bの高さ(すなわち、ハブ面12cから小翼43a,43bの先端までの最短距離)hは、前述した第1実施形態同様、ブレード11の同じ半径方向位置における高さHの約1/10〜約1/2となるように形成されている。
また、小翼43aと小翼43bとの間隔(すなわち、小翼43aの先端と小翼43bの先端との間の最短距離)wは、流体の流れによりハブ表面12cに生じる境界層BLの厚みδの2倍よりも大きくなるように形成されている。
このように、ハブ面12cの、遠心力F1(図5(b)参照)がハブ面12cに対して垂直に作用する領域に、ブレード11の翼面に沿って小翼43a,43bを設けることにより、小翼43a,43bの表面上に、ハブ面12cに対して略垂直の方向(図1(a)および図1(b)の白抜き矢印と同じ方向)に2次流れが生じる。ハブ面12cおよび小翼43a,43b上の境界層BLは、この2次流れに引きずられて(のって)ブレード11間に形成された流路、すなわち、ブレード11間を通過する流体の主流の方に導かれていき、最終的に流体の主流と合流して下流側に流れていくこととなるので、境界層BLの局部集中を防止することができるとともに、境界層BLの厚みδを低減させることができる。
また、小翼43a,43bの高さhが、ブレード11の同じ半径方向位置における高さHの約1/10〜約1/2となるように形成されているので、小翼43a,43bの表面に生じた2次流れを、ブレード11間を通過する主流内に確実かつ効果的に導くことができて、境界層BLの厚みδをさらに低減させることができる。
さらに、小翼43aと小翼43bとの間隔Wが、流体の流れによりハブ表面12cに生じる境界層BLの厚みδの2倍よりも大きくなるように形成されており、小翼43aと小翼43bとの間を流体の主流が通過するようになるので、小翼43a,43bの表面に生じた2次流れと流体の主流との合流が促進され、境界層BLの厚δみをより一層低減させることができる。
さらにまた、小翼43a,43bの前縁および後縁が、上流側および下流側にかけてそれぞれ漸次細くなるように形成されているので、流体の主流がこれら小翼43a,43bの前縁に衝突するとき、あるいはこれら小翼43a,43bの後縁から離れていくときに生じる渦損失を最小限にすることができる。
さらにまた、小翼43a,43bの先端が、ハブ面12cから離れていくにしたがって漸次細くなるように形成されているので、小翼43a,43bの表面に生じた2次流れがこれら小翼43a,43bの先端から離れていくときに生じる渦損失を最小限にすることができる。
なお、本発明は上述した実施形態のものに限定されるものではなく、たとえば図4に示した小翼43bの起点を、図2(a)あるいは図3同様、インペラ入口端から出口端までの長さのうち、入口側の約1/4の位置に位置させることもできる。
これによる作用効果については第2実施形態のところで述べたので、ここではその説明を省略する。
また、小翼の本数は3本限定されるものではなく、小翼と小翼との間に主流の流速が存在できれば何本でもよい。
本発明によるインペラの第1実施形態を示す図であって、(a)は要部斜視図、(b)は(a)のI−I矢視断面図、(c)は(a)のII−II矢視断面図である。 本発明によるインペラの第2実施形態を示す図であって、(a)は要部斜視図、(b)は(a)のIII−III矢視断面図である。 本発明によるインペラの第3実施形態を示す要部斜視図である。 本発明によるインペラの第4実施形態を示す要部斜視図である。 従来のインペラの問題点を説明するための図であって、(a)は遠心圧縮機のインペラの断面図、(b)は斜流圧縮機のインペラの断面図である。
符号の説明
10 インペラ
11 ブレード
12 ハブ
12c ハブ面(ハブの表面)
13a 小翼(境界層低減手段;凸部)
13b 小翼(境界層低減手段;凸部)
20 インペラ
23 小翼(境界層低減手段:凸部)
30 インペラ
33 小翼(境界層低減手段:凸部)
40 インペラ
43a 小翼(境界層低減手段)
43b 小翼(境界層低減手段)
BL 境界層
C 回転軸線
F1 遠心力
H ブレードの高さ
R 根元部
W 小翼間の最大距離
h 小翼の高さ
δ 境界層の厚み

Claims (12)

  1. 複数枚のブレードと、これら複数枚のブレードの根元部に配置されるハブとを有し、流体が流れる前記ハブの表面の少なくとも一部が回転軸線に対して傾斜した圧縮機のインペラであって、
    前記ハブの表面に、流体の流れにより生じる境界層の厚みを低減させる境界層低減手段が設けられていることを特徴とする圧縮機のインペラ。
  2. 前記境界層低減手段が、流体の流れに作用する遠心力が流体の流れを前記ハブの表面から剥がす方向に作用する部位に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機のインペラ。
  3. 前記境界層低減手段が、当該インペラの入口端から出口端までの長さの、インペラの入口端から約1/4の位置よりも下流側に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の圧縮機のインペラ。
  4. 前記境界層低減手段が、前記ハブの表面に対して垂直方向に突出する凸部として形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の圧縮機のインペラ。
  5. 前記凸部が、前記ブレード間において前記ブレードの翼面に沿って形成された少なくとも一本の小翼として設けられていることを特徴とする請求項4に記載の圧縮機のインペラ。
  6. 前記小翼の高さが、前記ブレードの高さの約1/10〜約1/2に設定されていることを特徴とする請求項5に記載の圧縮機のインペラ。
  7. 前記小翼間の最大距離が、前記ハブの表面に、流体の流れにより生じる境界層の厚みの2倍よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項5に記載の圧縮機のインペラ。
  8. 前記圧縮機のインペラは遠心圧縮機のインペラであり、前記境界層低減手段が、前記ハブ面に対して垂直な方向に作用する力がゼロとなる位置まで設けられていることを特徴とする請求項3から7のいずれか一項に記載の圧縮機のインペラ。
  9. 前記境界層低減手段が、前記ハブ面に対して垂直な方向に作用する力がゼロとなる位置からさらに下流側にも延設されていることを特徴とする請求項8に記載の圧縮機のインペラ。
  10. 前記境界層低減手段が、当該インペラの出口端まで設けられていることを特徴とする請求項9に記載の圧縮機のインペラ。
  11. 前記圧縮機のインペラは斜流圧縮機のインペラであり、前記境界層拡大防止手段が、当該インペラの出口端まで設けられていることを特徴とする請求項3から7のいずれか一項に記載の圧縮機のインペラ。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載のインペラを具備してなることを特徴とする圧縮機。
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