JP2005180337A - エンジン停止制御装置およびその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】より適切なタイミングでエンジンを自動停止させることができるエンジン停止制御装置を提供する。
【解決手段】所定の停止条件が成立した場合にエンジンを自動停止させる車両のエンジン停止制御装置は、信号処理により、車両に設けられた車速検出器で検出された検出車速Vfや車両に設けられた制動装置の制動力であるブレーキマスタ圧F、車速の変化の度合いである車速変化量ΔVなどを取得する(S10)。検出車速Vfが0である状態が所定の待機時間A継続した場合(S18)、停車フラグをONする(S20)。そして、停車フラグONであることを含む停止条件が成立した場合には、エンジン停止指令を出力しエンジンを停止させる(S24)。待機時間Aは、車速変化量ΔVおよびブレーキマスタ圧Fに基づいて決定する(S16)。
【選択図】図4

Description

本発明は、所定の停止条件が成立した場合に、エンジンを自動停止させる車両のエンジン停止制御装置およびその方法に関する。
従来から、車両の燃費向上や排気エミッションの低減などの目的で、車両が停止した際に自動的にエンジンを停止させるエンジン停止制御装置が多数提案されている。これは、予め設定された停止条件が成立した場合にエンジンを自動的に停止させるものである。停止条件の一つとして、車速が0であること、すなわち、車両が停止していることが挙げられる。車両が停止していない状態でエンジンを停止させることは、この装置本来の目的から外れ、また、乗車者に多大な不快感を与えるからである。
ところで、市街地などを走行する場合、先行車両との関係や信号機の表示などによっては、瞬間的に車両を停止させるものの、すぐに、再加速、走行を開始したい場合がある。そのような場合に、車両停止後すぐにエンジンも停止させることは、運転者に対し違和感を与えることになる。
この問題を解決するために、特許文献1には、車速0が検出されてから所定の待機時間経過した後にエンジンを停止させるエンジン停止制御装置が開示されている。この装置では、待機時間をブレーキ踏力に応じて決定している。すなわち、ブレーキ踏力が小さいほど待機時間が長くなるようになっている。これは、運転者が確実な停車を望む場合は、大きな力でブレーキを踏むことが多く、瞬間的な停車を望む場合は、小さい力でブレーキを踏むことが多いからである。したがって、ブレーキ踏力が小さいほど待機時間を長くすることにより、運転者の意思を反映したエンジン停止制御ができる。
特開平11−324755号公報
しかしながら、現状、多くの車両に設けられている車速検出器は、極低車速領域(例えば、5Km/h以下)が検出できない。このような検出器の検出結果に基づいてエンジン停止制御を行った場合、車両走行中にも関わらずエンジンを停止させてしまう場合がある。その場合、乗車者に対し多大な不快感を与えてしまう。
そこで、本発明では、より適切なタイミングでエンジンを自動停止させることができるエンジン停止制御装置を提供することを目的とする。
本発明の車両のエンジン停止制御装置は、所定の停止条件が成立した場合にエンジンを自動停止させる車両のエンジン停止制御装置であって、車両に設けられた車速検出器で検出された検出車速を取得する車速取得手段と、車両に設けられた制動装置の制動力を取得する制動力取得手段と、車速の変化の度合いである車速変化率を取得する車速変化率取得手段と、検出車速が0である状態が所定時間継続することを含む停止条件が成立した場合に、エンジンを停止させる停止手段と、を有し、停止手段における所定時間は、車速変化率および制動力に基づいて決定することを特徴とする。
好適な態様では、待機時間は、車速変化率が大きいほど短く、かつ、制動力が大きいほど短くなるように決定される。
本発明の車両のエンジン停止制御方法は、所定の停止条件が成立した場合にエンジンを自動停止させる車両のエンジン停止制御方法であって、車両に設けられた制動装置の制動力および車速の変化の度合いである車速変化率に基づいて所定の待機時間を決定し、車両に設けられた車速検出器で検出される検出車速が0である状態が決定された待機時間継続することを含む停止条件が成立した場合に、エンジンを停止させることを特徴とする。
ここで、車速変化率は、所定の単位時間における検出車速の変化量であることが好適であるが、車速の変化の度合いを示す値であれば、他の値でもよい。例えば、検出車速に基づいて算出される加速度や、車両に加速度検出器などを設け、これから検出される加速度などであってもよい。
また、制動力としては、車両に搭載された制動装置の制動力を反映する値であれば、制動装置に設けられたマスタシリンダの油圧値や、ブレーキペダルの踏込力や踏込量などでもよい。
本発明によれば、より適切なタイミングでエンジンを自動停止させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1に本発明の実施の形態であるエンジン停止始動制御部40を有する車両10の概略構成図を示す。エンジン停止始動制御部40は、所定の停止条件が成立した場合に自動的にエンジン12を停止させるとともに、所定の始動条件が成立した場合には自動的にエンジン12を始動させるものである。
車両10には、エンジン12が搭載されており、自動変速機14をおよび伝達機構16介して、その出力が駆動輪28に伝達される。これらエンジン12および自動変速機14などは、電子制御装置(ECU)30により制御されている。ECU30は、エンジンの挙動を制御するエンジン制御部32とエンジンの自動停止始動を制御するためのエンジン停止始動制御部40とを有している。
エンジン12には、インジェクタ(燃料噴射弁)18およびイグナイタ20が接続されている。ECU30に設けられたエンジン制御部32は、吸入空気量とエンジン回転速度およびエンジン冷却水温などの信号からエンジン12に最適な空気比となるように燃料噴射量を算出する。そして、各気筒の吸気管に設けられているインジェクタ18から最適な燃料量を噴射させる。また、エンジン制御部32は、エンジンの回転速度信号およびエンジン負荷信号から最適な点火タイミングとなるようにイグナイタ20を制御する。
自動変速機14には、エンジン12の出力を伝達するトルクコンバータ22と、このトルクコンバータ22によって駆動される変速機構24とが備えられている。変速機構24の変速比は、車速やエンジン12の出力に応じて、図示しない油圧回路により切り替えられる。この自動変速機14は、運転席に設けられたシフトレバー(図示せず)の操作によって、運転モードがパーキング、後進、ニュートラル、ドライブ、3速、2速、1速の各レンジに切り替えられる。この自動変速機14からの出力は、伝達機構16により駆動輪28に伝達される。これにより車輪が回転駆動される。
この車両10のECU30には、上述したように、エンジン停止始動制御部40が設けられている。このエンジン停止始動制御部40は、各種センサおよびスイッチ等からの入力信号に基づき、エンジンの停止または始動判定を行う。そして、その判定結果に基づいてエンジン停止始動のための信号をエンジン制御部32に出力する。これら信号の流れについて図2を用いて説明する。
図2は、エンジン停止始動制御部40を中心とした各種信号の流れを示す図である。エンジン停止始動制御部40は、各種センサおよびスイッチに接続されており、各種信号が入力される。入力信号としては、エンジン回転速度NE、エンジン冷却水温、イグニッションスイッチの状態に関する信号、バッテリの蓄電量SOC、AT油温、シフトポジション信号、サイドブレーキのON/OFF信号、アクセル開度信号、クランク位置の信号、ブレーキマスタ圧力、車速、車速変化量などが挙げられる。
エンジン停止始動制御部40は、これら入力信号に基づき、後述する処理フローに従ってエンジン停止または始動判定を行う。そして、エンジン停止と判定した場合はエンジン制御部32に対し停止信号を出力する。停止信号が入力されると、エンジン制御部32は、エンジンへの燃料の供給および点火を停止し、エンジンを停止させる。また、エンジン停止始動制御部40は、エンジン始動と判定した場合はエンジン制御部32およびスターターモータに始動信号を出力する。始動信号が入力されると、エンジン制御部32は、エンジンへの燃料供給と点火を行う制御を開始する。また、スターターモータを通電し、エンジンの自動始動を行う。
次に、車両10に設けられた制動装置の制動力(ブレーキ力)を検出するためのブレーキマスタ圧検出器52について図3を用いて説明する。図3は、車両10に搭載された制動装置50の概略構成図である。
この制動装置50は、運転者がブレーキペダル54を踏み込むと、その踏み込み力がブレーキブースター56によって増大され、制動力となる、この制動力は、マスタシリンダ58に加えられてブレーキ油圧を発生する。油圧はブレーキ配管60を介してホイールシリンダ62へ伝達される。そして、一対のブレーキパッド64がブレーキディスク68に摩擦係合して、ブレーキディスク68が取り付けられている図示しない駆動輪を制動する。
ブレーキマスタ圧検出器52は、マスタシリンダ58の先端面に取り付けられた油圧センサである。ブレーキマスタ圧検出器52は、マスタシリンダ58が発するブレーキ油圧(ブレーキマスタ圧力)を受け入れて、その大きさを電圧或いは電流等の電気的信号に変換する。このブレーキマスタ圧力は、制動装置の制動力とほぼ比例関係にある力であり、このブレーキマスタ圧力から制動力を推定することができる。したがって、本実施の形態では、このマスタシリンダ58の先端面に取り付けられた油圧センサを制動力検出器として用いている。
なお、本実施の形態では、制動装置(ブレーキ装置)の制動力を検出するために、ブレーキマスタ圧力を検出する検出器を用いているが、制動力の大きさが検出できれば他の検出器でもよい。例えば、ブレーキペダルの踏込力や踏込量などを検出する検出器などでもよい。
次に、エンジン停止始動制御部40への入力信号の一つである車速Vの検出手段について説明する。車速Vは、図示しない車速検出器により検出される。この車速検出器としては、本実施の形態では、ローターとピックアップからなるパルス式車速検出器を用いることができる。ローターは、車輪の駆動軸等に装着され、車速に比例した回転速度で回転するようになっている。ピックアップは、このローターの外周の一部に対向するように車体に固定されており、ローターの回転に応じた波形の電圧パルスをECU30に出力する。ECU30は、電圧パルスの時間間隔を計測、または、所定時間内のパルス数をカウントすることにより車速Vを算出し、これを車速Vの検出値としている。以下、この算出された車速を検出車速Vf、実際の車両の車速を実車速Vrという。
ところで、実車速Vrが極低車速(例えば5km/h以下)の場合は、ローターの回転速度も低下するためにパルスの入力時間間隔が長くなる。ECU30は、1個のパルスが入力されてから所定時間内に次のパルスが入力されない場合、検出車速Vfを0として算出する。しがって、車両が極低車速で走行している場合は、検出車速Vfは0となる。言い換えれば、この車速検出器は、極低車速領域においては、検出精度が低いといえる。
したがって、パルス式車速検出器では、図6に示すように、車両を減速させ、停止させる場合、検出車速Vf(図6において破線で表示)として0が検出されても、実際に車両が停止し、実車速Vr(図6において実線で表示)が0となるまでの間には、誤差時間Teが存在することになる。
このような極低車速の検出ができないパルス式車速検出器を用いるのは、運転者のための計器盤の表示には十分な精度であること、安価で入手が容易であることなどが挙げられる。また、従来から、多種類の車両に用いられているため、この車速検出器であれば、他の種類の車両と同一の部品(車速検出器やその保持具等)を用いることができ、コストダウンを図ることができるからである。そして、後述するように、かかる車速検出器であっても、本実施の形態によれば、適切にエンジン停止制御が可能であるからである。なお、車速を検出できる検出器であれば、他の形態の検出器を用いてもよい。
次に、車速変化量ΔVについて説明する。車速変化量ΔVは、所定の単位時間における車速変化量である。すなわち、ある時間t0における車速をVoldとし、t0から所定の単位時間経過後(時間t1)の車速をVnewとした場合、車速変化量ΔVは、VnewとVoldの差分の絶対値(|Vnew−Vold|)で表される。言い換えれば、車速変化量ΔVは、加速度(減速度)を反映する値である。この車速変化量ΔVは、検出車速Vfに基づいて算出され、エンジン停止始動制御部40に出力される。
なお、車速の変化率を表すものであれば、車速変化量ΔVに限らず、例えば、検出車速Vfに基づいて算出される加速度などであってもよい。また、検出車速Vfを用いずに、車両に加速度センサを設け、この出力値を用いてもよい。
次に、このように構成された車両におけるエンジン停止制御について図4を用いて説明する。図4は、エンジンの停止制御における処理の流れ図である。
エンジンの停止制御では、はじめに、エンジン停止始動制御部40に入力された各種信号に基づいて信号処理がなされる(S10)。この信号処理としては、車速検出器からのパルス信号に基づく検出車速Vfや車速変化量ΔVの算出、ブレーキマスタ圧検出器からの電気的信号に基づくブレーキマスタ圧Fの算出などが挙げられる。
そして、検出車速Vfとして0の値が検出された場合(S12)、カウンタによる経過時間tの計測を開始する(S14)とともに、後述する待機時間Aを決定する(S16)。経過時間tが待機時間Aに達した場合(S18)、すなわち、検出車速Vf=0の状態が待機時間A継続した場合、車両が停車したと判断し、停車フラグをONにする(S20)。経過時間tが待機時間Aに達する前に検出車速Vfが0を超えた場合は、車両が再出発したと判断し、カウンタの値をクリアした後(S28)、最初に戻る。すなわち、エンジンを停止させることなく、再び、検出車速Vfのモニタリングを行う。
停車フラグON、すなわち、停車したと判定した場合は、予め定められた停止条件がクリアされているかを判定する(S22)。停止条件としては、停車フラグがONであることの他、バッテリの逐電量が所定値以上であることや、アクセルがOFF状態(アクセルペダルが踏み込まれていない)であることなどが挙げられる。停止条件が成立している場合には、エンジン制御部32に対して、エンジン停止指令を出力し、エンジンを停止させる(S24)。停止条件が成立していない場合は、最初の処理に戻り、検出車速Vfのモニタリングを繰り返す。
このように検出車速Vf=0が検出されてから待機時間Aの経過後に停車フラグをONにするのは、上述したように、検出車速Vf=0が検出されても、実際に車両が停止するまでには誤差時間Teが存在するからである。したがって、検出車速Vf=0が検出されてすぐにエンジンを停止した場合、走行途中でエンジン停止してしまうことになる。そして、急激なエンジン停止によるショックが生じ、運転者に多大な不快感を与えることになる。そのため、検出車速Vf=0が検出される状態が待機時間A継続した場合にエンジン停止と判断する。
待機時間Aは、検出車速Vf=0が検出された際に、ブレーキマスタ圧Fおよび車速変化量ΔVに基づいて算出される(S20)。これについて図5を用いて説明する。図5は、ブレーキマスタ圧Fおよび車速変化量ΔVによって決定される待機時間Aを表すグラフで、横軸にマスタブレーキ圧を、縦軸に待機時間Aをとっている。また、グラフにおいて、破線は車速変化量ΔVが小さい場合の、一点鎖線は車速変化量ΔVが大きい場合の、実線は車速変化量ΔVが中程度の大きさの場合における待機時間Aを示している。
図5から明らかなように、待機時間Aは車速変化量ΔVが小さいほど長い。また、待機時間Aはブレーキマスタ圧F、すなわち、制動力が大きいほど長い。したがって、例えば、ブレーキマスタ圧Fが大きく、かつ、車速変化量ΔVが大きい場合は、待機時間Aは非常に短い時間となる。また、ブレーキマスタ圧Fが小さく、かつ、車速変化量ΔVが小さい場合、待機時間Aは、非常に長い時間となるように決定される。
エンジン停止始動制御部40は、図5に示すようなグラフを内部的に記憶しており、入力されたブレーキマスタ圧Fおよび車速変化量ΔVに基づいて待機時間Aを算出する。すなわち、入力された車速変化量ΔVをその値に応じて3段階(大、中、小)のいずれであるかを判断する。そして、車速変化量ΔVの段階およびブレーキマスタ圧Fを図5のグラフに照らし合わせ、対応する時間を待機時間Aとして決定する。ここで、待機時間Aの算出に用いられるブレーキマスタ圧Fおよび車速変化量ΔVは、それぞれ、検出車速Vf=0が検出された時点のものが使用される。
待機時間Aが、上述のような値に設定される理由について図7から図9を用いて説明する。図7は平坦な道を、図8は下り勾配の坂道を、図9は上り勾配の坂道を、それぞれ走行した場合の実車速Vrおよび車速変化量ΔVの経時変化を示すグラフである。図中、上に示すグラフが車速Vrの経時変化グラフであり、下に示すグラフが車速変化量ΔVの経時変化グラフである。また、いずれのグラフにおいても、横軸に時間tをとっている。また、実線は弱くブレーキペダルを踏んだ場合(ブレーキマスタ圧Fが低い場合)を示しており、破線は強くブレーキペダルを踏んだ場合(ブレーキマスタ圧Fが高い場合)を示している。
車両が平坦な道を走行する場合、図7に示すように、ブレーキマスタ圧が大きいほど車速変化量ΔVも大きくなる。したがって、ブレーキマスタ圧Fが大きい場合は、車速変化量ΔVもある程度大きな値となり、実車速Vrが極低車速領域(5Km/h以下の領域)になってから実際に停車に至るまでの時間、誤差時間Teは比較的短い。また、ブレーキマスタ圧Fが大きい場合(ブレーキペダルを強く踏んだ場合)、運転者は確実な停車を望むことが多い。そのため、待機時間Aとしては、短めの時間a2が設定される。これにより、運転者の意思に反することなく、車両の停止からエンジン停止までの時間を短くすることができ、燃料節約などを行うことができる。なお、この待機時間a2は、実際の誤差時間Teより、若干長めの時間が設定される。これは、走行途中でエンジンが停止されることのないように安全をみた「猶予時間Tr」が付加されているからである。
ブレーキマスタ圧Fが小さい場合は、車両に働く制動力そのものが小さくなるため、車速変化量ΔVも小さくなる。したがって、実車速Vrが極低車速領域に至ってから停車に至るまでの時間、誤差車時間Teは比較的長くなる。また、ブレーキマスタ圧Fが小さい場合は、運転者は瞬間的な停止は望むものの、すぐに最加速、走行を開始したい場合が多い。そのため、猶予時間Trも比較的長めであることが望ましい。したがって、待機時間Aはやや長めの時間a5に設定される必要がある。これにより、エンジンが停止される前に再加速、走行を行うことができ、運転者はスムーズな運転操作を行うことができる。また、軽くブレーキを踏んだ場合でも、長時間停車している場合には、エンジンを自動的に停止させることができ、燃料の節約などができる。
一方、下り勾配の坂道を走行する場合、図8に示すようにブレーキマスタ圧Fが大きくても車速変化量ΔVは比較的大きくなってしまう。これは、車両に対して、制動装置によい後進方向に制動力が働くとともに、重力により前進方向(制動力と反対の方向)の力が働くからである。そのため、平坦な道の走行する場合に比べ、同じブレーキ力を加えても、車速変化量ΔVが大きくなってしまう。この場合、検出車速Vf=0が検出されてから停車までの時間Teは、平坦な道に比べ長くなる。しかし、車速変化量ΔVが比較的小さくても、ブレーキマスタ圧Fが大きい場合には、運転者は確実な停車を望んでいることが多い。そのため、猶予時間Trは比較的短めでもよい。したがって、待機時間Aとしては、若干長めの値a3が設定される。つまり、運転者の意思を反映するとともに走行路の状況(勾配)を考慮した待機時間が設定される。そして、車両の停車からエンジン停止までの時間を短くすることができ、燃料節約などを行うことができる。
下り勾配の坂道では、ブレーキマスタ圧Fが小さいと、車速変化量ΔVはかなり大きくなる。これは、上述したように重力により車両に対して前進方向の力が加わるからである。したがって、検出車速Vf=0が検出されてから停車までの時間Teは、かなり長くなる。また、通常、下り勾配において、確実な停車を望む場合は、強くブレーキを踏む(ブレーキマスタ圧Fが大きい)ことが多い。言いかえれば、下り勾配の坂道でブレーキマスタ圧Fが小さい場合、運転者は瞬間的な停車は望むもののすぐに再加速、走行を行いたい場合が多い。そのため、停車後すぐにエンジン停止するのではなく、ある程度の時間は、エンジンを稼動させておき、すぐに車両を再出発できる状態にしておくことが望ましい。つまり、猶予時間Trは、長めの時間であることが望ましい。そのため、待機時間Aは、できるだけ長めの時間a6に設定される。これにより、運転者の意思に反したエンジン停止が防止される。
反対に、上り勾配の坂道を走行している場合、図9に示すようにブレーキマスタ圧Fが小さくても、車速変化量ΔVは比較的大きくなる。これは、重力によって、後進方向(制動力と同じ方向)に力が働くからである。この場合は、検出車速Vf=0が検出されてから停車までの時間Teは、比較的短くなる。しかしながら、ブレーキマスタ圧Fが小さい場合には、運転者は瞬間的な停車を望む場合が多い。つまり、猶予時間Trは、長めであることが望ましい。したがって、待機時間Aは、比較的短い時間a4が設定される。これにより運転者の意思に反したエンジン停止が防止される。
上り勾配の坂道で、ブレーキマスタ圧Fが大きい場合、車速変化量ΔVは、非常に大きくなる。言い換えれば、非常に短時間で車両が停止することになる。したがって、検出車速Vf=0が検出されてから停車までの時間Teは、非常に短くなる。また、運転者は、確実な停車を望んでいる場合が多く、猶予時間Trを短めにしてもよい。そのため、待機時間Aは、非常に短い時間a1が設定できる。これにより、停車からエンジン停止までの時間を短くすることができ燃料の節約などができる。
このように、ブレーキマスタ圧Fおよび車速変化量ΔVを考慮することにより運転者の意思および走行路の状況を反映した待機時間Aを設定できる。これにより、適切なタイミングでエンジンの停止制御を行うことができる。そして、必要以上のエンジン稼動による燃料損失や運転者の意思に反したエンジン停止などが防止できる。なお、本実施の形態によれば、走行路の勾配の違いだけでなく、他の走行路の状況、例えば、路面の摩擦度(雨天の道路、砂利道など)等の路面状況も反映した待機時間Aが設定できる。すなわち、摩擦度の低い路面では、車速変化量ΔVも小さくなるため、比較的長めの待機時間Aが設定できる。
なお、待機時間Aの算出において、車速変化量ΔVは3段階に限らず、より多段階または小段階に分けてもよい。また、ブレーキマスタ圧Fを段階的に区切り、車速変化量ΔVを連続的または段階的にしてもよい。さらに、このようなグラフに基づく図5のようなテーブルを内部的に有し、これから、待機時間Aを決定してもよい。さらに、車速変化量ΔVまたはブレーキマスタ圧Fのいずれか一方の値にのみ基づいて待機時間Aを一時的に決定し、決定された待機時間Aに、他方の値から決定した係数をかけて算出してもよい。
また、車速変化量ΔVから車両の誤差時間Teを推定し、これに、ブレーキマスタ圧Fに応じた猶予時間を加算した値を待機時間Aとして算出してもよい。すなわち、検出車速Vf=0が検出された際の実車速Vrを車速変化量ΔVで割り、これに猶予時間Trを加算した値を待機時間Aとして算出する(A=5/ΔV+Tr 車速検出器の最小検出範囲5Km/h、Trはブレーキマスタ圧Fにより変動)。
次に、エンジン始動制御について簡単に説明する。上述したエンジン停止制御によりエンジンを停止させた場合、エンジン停止始動制御部40は、所定の始動条件が成立すればエンジンを再始動させる。始動条件としては、例えば、アクセルペダルの踏み込みなどが挙げられる。エンジン停止始動制御部40は、始動条件が成立した場合、エンジン制御部32およびスターターモータに始動指令を出力する。エンジン制御部32は、始動指令に基づきエンジンへの燃料噴射および点火を開始させる。また、スターターモータも始動指令により通電し、エンジンを始動させる。
以上、説明したように本実施の形態によれば、より適切なタイミングでエンジンの停止制御を行うことができる。
本発明の実施の形態であるエンジン停止始動制御部40を有する車両の概略構成図である。 エンジン停止始動制御部への信号の入出力を示す図である。 車両に設けられた制動装置とその制動力の大きさを検出するブレーキマスタ圧検出器を示す図である。 エンジン停止始動制御部によるエンジン停止処理の流れ図である。 待機時間Aを示す図である。 実車速Vrと検出車速Vfを示す図である。 平坦な道を走行する場合の実車速Vrと車速変化量ΔVを示す図である。 下り勾配の坂道を走行する場合の実車速Vrと車速変化量ΔVを示す図である。 上り勾配の坂道を走行する場合の実車速Vrと車速変化量ΔVを示す図である。 待機時間Aを決定するためのテーブルの一例を示す図である。
符号の説明
10 車両、12 エンジン、30 電子制御装置(ECU)、32 エンジン制御部、40 エンジン停止始動制御部、50 制動装置、52 ブレーキマスタ圧検出器、58 マスタシリンダ。

Claims (4)

  1. 所定の停止条件が成立した場合にエンジンを自動停止させる車両のエンジン停止制御装置であって、
    車両に設けられた車速検出器で検出された検出車速を取得する車速取得手段と、
    車両に設けられた制動装置の制動力を取得する制動力取得手段と、
    車速の変化の度合いである車速変化率を取得する車速変化率取得手段と、
    検出車速が0である状態が所定時間継続することを含む停止条件が成立した場合に、エンジンを停止させる停止手段と、
    を有し、
    停止手段における所定時間は、車速変化率および制動力に基づいて決定することを特徴とするエンジン停止制御装置。
  2. 請求項1に記載のエンジン停止制御装置であって、
    待機時間は、車速変化率が大きいほど短く、かつ、制動力が大きいほど短くなるように決定されることを特徴とするエンジン停止制御装置。
  3. 請求項1または2に記載のエンジン停止制御装置であって、
    車速変化率は、所定の単位時間における検出車速の変化量であることを特徴とするエンジン停止制御装置。
  4. 所定の停止条件が成立した場合にエンジンを自動停止させる車両のエンジン停止制御方法であって、
    車両に設けられた制動装置の制動力および車速の変化の度合いである車速変化率に基づいて所定の待機時間を決定し、
    車両に設けられた車速検出器で検出される検出車速が0である状態が決定された待機時間の間継続することを含む停止条件が成立した場合に、エンジンを停止させるエンジン停止制御方法。
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JP2008215294A (ja) * 2007-03-07 2008-09-18 Mazda Motor Corp 車両用エンジンの自動停止装置
JP2016031030A (ja) * 2014-07-28 2016-03-07 富士重工業株式会社 車両用制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008215294A (ja) * 2007-03-07 2008-09-18 Mazda Motor Corp 車両用エンジンの自動停止装置
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