JP2005179711A - レーザーcvd装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 反応槽からのガスの漏洩を防止すること。
【解決手段】CVD装置1は、反応槽5内においてレーザー照射によりCVDガスを反応させて基板表面に金属薄膜を形成する。反応槽5にCVDガスを供給するガス供給機構100を備える。ガス供給機構100は、CVDガスを供給及び排気する複数の第1ノズルと、シールドガスを供給及び排気する第2ノズルとを備える。第1ノズルはレーザー光を基板に対して垂直に導入する孔を中心部分に有し、この孔を通してレーザー光の照射を行う。第2ノズルは、シールドガスを基板側に供給する開口部を有する環状管と、供給したシールドガスを排気する開口部を有する環状管とを径方向に交互に配置して有する。第1ノズルと第2ノズルは、内側に第1ノズルを外側に第2ノズルを同心円状に配置する。CVDガスを不活性ガスによりシールドすることにより反応槽からのガスの漏洩を防止する。
【選択図】図1
【解決手段】CVD装置1は、反応槽5内においてレーザー照射によりCVDガスを反応させて基板表面に金属薄膜を形成する。反応槽5にCVDガスを供給するガス供給機構100を備える。ガス供給機構100は、CVDガスを供給及び排気する複数の第1ノズルと、シールドガスを供給及び排気する第2ノズルとを備える。第1ノズルはレーザー光を基板に対して垂直に導入する孔を中心部分に有し、この孔を通してレーザー光の照射を行う。第2ノズルは、シールドガスを基板側に供給する開口部を有する環状管と、供給したシールドガスを排気する開口部を有する環状管とを径方向に交互に配置して有する。第1ノズルと第2ノズルは、内側に第1ノズルを外側に第2ノズルを同心円状に配置する。CVDガスを不活性ガスによりシールドすることにより反応槽からのガスの漏洩を防止する。
【選択図】図1
Description
本発明は、試料に対してレーザー光を照射することにより試料表面に金属膜を蒸着するレーザーCVD装置に関する。
レーザーCVD装置では、試料表面に金属化合物のCVDガスを供給しながらレーザー光を照射することにより試料表面に金属膜を蒸着する。
従来、CVDガスを供給する方法として、試料を収納する容器にノズルを取り付け、容器内にCVDガスを充満させる第1の方法、試料表面のレーザー光照射点の側方又は斜め上方からCVDガスを照射点に吹き付ける第2の方法、ガス供給用の穴が明けられたガスノズルから試料上の照射点に垂直上方から吹き付ける第3の方法等が知られている(特許文献1)。
特許2776218号公報
金属カルボニルを気化させると、金属元素と共に一酸化炭素(CO)が生成される。例えば、W(CO)6の金属カルボニルを気化させると、タングステンWと共に一酸化炭素(CO)が生成される。この一酸化炭素(CO)は人体にとって有害であるため、常温常圧下で使用するには一酸化炭素(CO)を大気中に放出させないように排気を行う必要がある。
また、反応槽内において、供給されたCVDガスが全て反応に用いられるとは限らず、未反応のまま排出される場合がある。したがって、この未反応のCVDガスについても外気と遮断する必要がある。
上記した従来のCVDガスの供給方法では、一酸化炭素(CO)や未反応のCVDガスが大気中に漏洩するおそれがあるという問題がある。
上記した文献に示される第3の方法では、垂直上方からCVDガスを吹き付け、また、ノズルの周囲に排気口を設けることにより、CVDガスの濃度を一定に保つと共に照射点付近に不要なガスが侵入しないように防ぐ効果があることが示されている。
しかしながら、上記方法は有害なガスや未反応のCVDガスが大気中に漏洩するのを防ぐものではなく、仮に、ノズルの周囲に設けた排気口が有害なガスや未反応のCVDガスを排気する効果を有するとしても、供給されるガス圧力が変動するなどによって排気能力が低下すると、有害なガスや未反応のCVDガスが大気中に漏洩するおそれがある。
そこで、本発明は、反応槽からのガスの漏洩を防止することを目的とする。
本発明は、CVDガスを不活性ガスによりシールドすることにより反応槽からのガスの漏洩を防止するものであり、ガスシールドを多重とすることにより、圧力変動などによるシールド効果の低下を防ぐものである。
本発明のCVD装置は、反応槽内においてレーザー照射によりCVDガスを反応させて基板表面に金属薄膜を形成するCVD装置であって、反応槽にCVDガスを供給するガス供給機構を備える。
本発明のガス供給機構は、CVDガスを供給及び排気する複数の第1ノズルと、シールドガスを供給及び排気する第2ノズルとを備える。第1ノズルはレーザー光を基板に対して垂直に導入する孔を中心部分に有し、この孔を通してレーザー光の照射を行う。一方、第2ノズルは、シールドガスを基板側に供給する開口部を有する環状管と、供給したシールドガスを排気する開口部を有する環状管とを径方向に交互に配置して有する。第1ノズルと第2ノズルは、内側に第1ノズルを外側に第2ノズルを同心円状に配置する。
シールドガスは、環状管の開口部から基板側に供給された後、隣接する環状管の開口部から排気され、これによって一つのガスシールドが形成される。本発明の第2ノズルは、シールドの供給を行う環境管と排気を行う環状管を多重に設けることによって、多重のガスシールドを構成する。
本発明のガス供給機構の構成によれば、第2ノズルが形成するガスシールドが第1ノズルを同心円の外周から多重に囲むことになるため、第1ノズルから供給されたCVDガス及びCVDガスから生成される有毒ガスの大気側への漏洩をより効果的に防ぐことができる。
第2ノズルが形成するガスシールドのガス圧は、中心から外周に向かって順に高くなるように設定し、第2ノズルの最外周のガス圧はほぼ大気圧とする。これにより、CVDガスが供給されレーザー光による蒸着が行われる部分と大気圧部分の圧力差を段階的なものとし、大気側からのCVDの反応部分への大気の急激な流入を防ぐことができる。
また、本発明のCVD装置は、第1ノズルは前記中心部分の孔を挟んで対向配置した供給口及び排気口を備え、供給口から排気口の方向を走査方向としてレーザー光を走査する。これにより、基板表面上においてCVDガスが流れる方向を一定方向に制御すると共に、レーザー光を走査する際の走査方向をこのCVDガスが流れる方向と一致させることにより、CVDガスの供給及び排気の効率を高めることができる。
本発明のCVD装置に使用するCVDガスは、固体の金属カルボニル化合物を気化させた金属カルボニルガスであり、多重のガスシールドにより金属カルボニルガスの大気側への漏洩を防ぐことにより、反応槽において基板を加熱することなく、常温常圧において金属膜を基板表面に蒸着させることができる。
本発明によれば、反応槽からのガスの漏洩を防止することができる。
以下、図を用いて発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本発明のレーザーCVD装置の一構成例を説明するための概略図であり、金属カルボニルのガス濃度モニタ装置を備える構成について示している。
レーザーCVD装置1は、反応槽5と反応槽5にレーザー光を照射するレーザー照射手段4を備え、反応槽5は基板13を載置するXYステージ6を備える。反応槽5では、CVDガスを供給すると共にレーザー光を照射することによってCVDガスを分解し、基板13の表面上に薄膜を生成する。レーザー照射手段4は、基板13上のレーザー光の照射位置を光学的に観察する光学・観察手段を備えることができ、レーザー照射,光学・観察ユニットを構成することができる。
反応槽5は、基板13にCVDガスを供給し排気、反応後の分解生成物を排気するガス供給機構100を備える。反応槽5内にはCVDガスが供給され、ガス供給機構100により基板13に吹き付けられる。CVDガスの供給は、気化手段3内に充填した金属カルボニルの固体材料を気化させて金属カルボニルガスを形成し、キャリア/パージガス源2からアルゴンガス等の一定流量のキャリアガスを流すことによって行うことができる。
キャリア/パージガス源2と気化手段3との間にはバルブ21,23が設けられ、キャリアガスの気化手段3への供給制御が行われる。また、気化手段3と反応槽5との間にはバルブ24が設けられ、気化手段3で気化したCVDガスの排出制御が行われる。ここで、金属カルボニルとしては例えばW(CO)6が用いられる。
反応槽5の排出側の配管には加熱手段7が設けられ、反応槽5から排出された排出ガスを加熱し、反応槽5内で未反応であったCVDガスを熱分解する。加熱手段7は、未反応のCVDガスを加熱分解により生成した分解生成物を排出すると共に、反応槽5内においてレーザー照射により薄膜を形成したCVDガスの残り分解生成物を排出する。
加熱により生成される分解生成物は、CVDガスに含まれる薄膜形成用の金属と化合物を含み、W(CO)6の場合にはWとCOの混合ガスとなる。したがって、加熱手段7は、CVDガスがW(CO)6ガスである場合には、反応槽5から供給されたレーザー照射により生成されるCOをそのまま排出すると共に、反応槽5で未反応のまま排出されたCVDガスを熱により分解して得られる分解生成物のWとCOの混合ガスを排出する。
なお、後述するバイパス経路32を介することによって反応槽5を通らずにCVDガスが直接に加熱手段7に供給された場合には、供給されたCVDガスを熱により分解し、この熱分解で得られる分解生成物(WとCO(及び/又はCO2)の混合ガス))を排出する。
加熱手段7から排出された分解生成物は、フィルタ8(8a,8b)で金属が取り除かれた後、分析手段9によってガス濃度が検出される。CVDガスがW(CO)6ガスである場合には、フィルタ8により金属Wが除去されるため、分析手段9は残りの分解生成物(COガス及び/又はCO2ガス)のガス濃度を検出することになる。
加熱手段7により未反応のCVDガスについても分解生成物に分解されるため、分析手段9は、反応槽5に供給されるCVDガスに含まれる組成物の内で、薄膜形成に使用された残りの組成物を含めて検出対象の組成物の全濃度を検出することができる。
検出対象の組成物がCO及び/又はCO2である場合には、赤外線分析装置(IRモニタ)を用いることができる。分析手段9から排出されたCO(及び/又はCO2)ガスはCO除害手段10に通され、COの除去あるいは阻害性を除去する。
分析手段9で検出した検出信号はデータ処理演算部12において信号処理され、CO等の分解生成物のガス濃度の算出、分解生成物のガス濃度からCVDガスのガス濃度の算出、薄膜生成に用いられた金属量の算出、CVDガスの元である固体材料の残量算出等の算出演算が行われる。
例えば、CVDガスがW(CO)6の金属カルボニルである場合には、W(CO)6はレーザー照射によってWと6(CO)に分解され、Wは基板13上に成膜され、残りの6(CO)は分解生成物として排出される。未反応のCVDガスについても加熱手段7においてWと6(CO)に分解し、この分解生成物(CO)を反応槽5からの分解生成物(CO)と共に分析手段9で検出するため、分解生成物(CO)のガス濃度は、CVDガスのガス濃度、CVDガスの元となる固体材料の残量、成膜に用いられた金属(W)の量と組成比率に応じて定まる一定の関係を有している。したがって、分解生成物(CO)のガス濃度から、CVDガスのガス濃度、CVDガスの元となる固体材料の残量、成膜に用いられた金属(W)の量を算出することができる。なお、図1中の破線の矢印は制御信号を表している。
データ処理演算部12で算出したCVDガスのガス濃度、CVDガスの元となる固体材料の残量、成膜に用いられた金属(W)の量等のデータは制御ユニット11に送られ、バルブ制御や気化手段3の制御、及び反応槽5の制御に用いられる。
レーザーCVD装置1は、反応槽5をバイパスして気化手段3と加熱手段7を接続する分岐切替手段31,バイパス経路32,及び分岐手段33を備える。分岐切替手段31は、バルブ24を介して気化手段3から供給されるCVDガスを反応槽5と加熱手段7に切り替えて分岐する手段であり、加熱手段7へはバイパス32及び分岐手段33を介して供給される。一方、反応槽5に送られるCVDガスは、反応槽5においてレーザー照射によって基板13上に薄膜を形成し、残りの分解生成物及び未反応のCVDガスを排出する。排出されたガスは、分岐手段33を介して加熱手段7に送られる。
また、本発明のレーザーCVD装置1は、反応槽5にパージガスを供給する経路を備える。このパージガスを供給する経路は、バルブ21とバルブ23と間からバルブ22を介して反応槽5にパージガスを供給する経路を備える。供給されたパージガスは、ガス供給機構100から基板13に送られ、有害な分解生成物や未反応のCVDガスが大気側に漏洩させないためのガスシールドとして用いられる。
反応槽5から排出されたパージガスは分岐手段34を通して排出される。なお、フィルタ8a,8bは、分岐手段34に対して加熱手段7側あるいは分析手段9側に何れの位置に配置してもよい。
また、バルブ21,22,23、及び気化手段3と反応槽5との間に設けられた配管にはヒータ等による温度制御手段41が設けられ、反応槽5に供給するガスを所定温度に保持している。
次に、本発明のレーザーCVD装置が備えるガス供給機構について、図2〜図8を用いて説明する。
図2はガス供給機構の概略を説明するための図である。なお、図2(b)では、一部(第2ノズル)を切り欠いて断面を示している。
ガス供給機構100は、同心円状に配置した第1ノズル101と第2ノズル102を備える。第1ノズル101は、ガス供給機構100の内側に配置するノズル機構であり、CVDガスの供給及び排気を行う。一方、第2ノズル102は、第1ノズル101の外周に配置するノズル機構であり、ガスシールドを形成するパージガスの供給及び排気を行う。この第2ノズル102は、径方向に順に複数配置することにより多重のガスシールドを形成する。なお、図2では、第2ノズル102ではパージガスの供給,排気を行う一組の構成のみを占めている。
第1ノズル101は、中心部分にレーザー光110を通す孔103を有し、また、基板側の面にはCVDガスを供給するための開口部104A,105Aと、反応後のCVDガスを排気するための開口部104B,105Bとが形成される。開口部104Aには供給管107AからCVDガスが供給され、開口部105Aには供給管108AからCVDガスが供給される。また、開口部104Bは反応後のCVDガスを吸気して排気管107Bから反応槽外に排気し、開口部105Bは反応後のCVDガスを吸気して排気管108Bから反応槽外に排気する。
ここで、開口部104A(及び供給管107A)と開口部104B(及び排気管107B)は給排気の組を構成し、開口部105A(及び供給管108A)と開口部105B(及び排気管108B)は給排気の別の組を構成する。2つの給排気の組は、第1ノズル101の面上で直交した配置され、いずれか一方の組を用いてCVDガスの給排気を行うことにより、基板上においてCVDガスの流れの方向を90°変更することができる。
図2(a)、(b)中の白抜きの矢印は、供給管107Aを通して開口部104Aから基板側に供給され、開口部104Bから吸気され排気管107Bを通して反応槽外に排気されるCVDガスを示している。また、図2(b)中の斜線を付した矢印は、供給管108Aを通して開口部105Aから基板側に供給され、開口部105Bから吸気され排気管108Bを通して反応槽外に排気されるCVDガスを示している。
第2ノズル102は、第1ノズル101の外周を囲むように配置し、不活性ガスのパージガスによってガスシールドを形成し、第1ノズル101から供給されたCVDガスや、CVD反応によって生成された分解生成物(例えば、一酸化炭素(CO))の大気中への漏洩を防止する。
第2ノズル102は、パージガスを供給するための環状管102aとパージガスを排気するための環状管102bを備える。なお、図2では環状管102aと環状管102bによって形成する一重のガスシールドについて示しているが、本発明の第2ノズル102は、これら環境管を径方向に順に配置することにより多重のガスシールドを形成する。図2では、説明の便宜上から一重のガスシールドのみを示している。
環状管102aは供給管109aからパージガスの供給を受け、基板側に形成した開口部106aを通して基板側にパージガスを供給する。開口部109aは、環状管102aの周方向に沿って形成した溝の構成とすることも、あるいは複数の穴の構成とすることもできる。開口部109aから供給されたパージガスは第1ノズル101の外周を覆うガスシールドを形成し、第1ノズル101から供給されたCVDガスや一酸化炭素(CO)等の分解生成物の外側への漏洩を防ぐ作用を奏する。
図3は、供給管108AからのCVDガスを開口部105Aから基板側に供給し、その後、未反応のCVDガスや一酸化炭素(CO)等の分解生成物を開口部105Bから排気管108Bに排気する場合を示している。
基板13の広い面積部分に薄膜を形成する場合には、レーザー光110の走査し、レーザー照射位置を順に移動させる。このとき、レーザー光110を走査すると共に、ガス供給機構もレーザー光110と同期して移動させる。このガス供給機構の移動において、CVDガスの流れる方向と、レーザー光の走査方向(及びガス供給機構の移動方向)とを一致させる。図3は、第1ノズル101上に設けた供給・排気の開口部の2組の組み合わせの内、一方の組み合わせの例を示し、CVDガスを開口部104Aから供給し、開口部104Bから排気する場合を示しており、このCVDガスの流れる方向と同方向に向かってレーザー光110を走査する。
CVDガスの流れる方向とレーザー光の走査方向とを一致させることにより、レーザー光は常にCVDガスが流れる部分を通過することになり、CVDガスの供給・排気の効率及びレーザー光によるCVD反応の効率を高めることができる。
また、第1ノズル101上に設けた供給・排気の開口部の2組の組み合わせの内、他方の組み合わせを用いることもできる。図4は、CVDガスを開口部105Aから供給し、開口部105Bから排気する場合を示している。この場合には、図3の場合と直交する方向にレーザー光を走査して、CVDガスの流れる方向と同方向に向かってレーザー光110を走査する。
CVDガスの供給・排気を行う開口部及び供給・排気管の選択とレーザー光の走査方向との同期制御は、制御ユニット11の制御で行うことができる。
次に、CVDガスの流れと、パージガスによるガスシールドとの関係を図5,6を用いて説明する。
図5は、第2ノズル102の供給と排気の配置順を中心から外側に向かって供給、排気の順として複数のガスシールドを構成する例を示している。図5に示す第2ノズル102は、中心から102a〜102eの5個のノズルを備える例を示している。図中の黒い矢印はパージガスの供給、排気と、基板上に形成されるガスシールドを示している。また、図では、供給を行う環状管及び供給管に字模様を付して、排気を行う環状管及び供給管と区分して示している。
これにより、中心部にあるCVDガスの雰囲気部分は、多重のガスシールドで囲まれることになる。
図5(b)は、この構成における圧力分布例を示している。ガスシールドを構成する圧力は、中心部分から外周に向かって順に高くなるように設定され、ガスシールドの最外周部分の圧力は大気圧となるよう設定する。
このガスシールドの圧力差によって、中心部分のCVDガスや分解生成物の大気側への漏洩は防止される。例えば、図中の一点鎖線で示すCVDガスや分解生成物の圧力は低圧であるため、その外周部分の高い圧力で供給されるパージガスにより外側への流出は抑制される。仮に、供給されるパージガスの外側に流出した場合であっても、その外側に配置した排気ノズルにより排気される。
本発明では、この供給と排気からなるガスシールドを径方向に多重に設けることによって、中心部分のCVDガスや分解生成物の漏洩を多段階で防ぐことにより、大気側への漏洩を確実に防ぐことができる。
なお、ここでは、パージガスの供給圧は大気以上としているが、隣接する排気圧より高ければ大気圧以下でもよい。
図6は、複数のガスシールドの他の構成例を示している。図6の構成は、第2ノズル102の供給と排気の配置順を中心から外側に向かって排気、供給の順として複数のガスシールドを構成する例であり、図5の構成とは供給と排気の順が逆である他は共通である。
図6の構成においても、ガスシールドを構成する圧力は、中心部分から外周に向かって順に高くなるように設定され、ガスシールドの最外周部分の圧力は大気圧となるよう設定する。
図6の構成においても、図5の構成と同様に、ガスシールドの圧力差によって、中心部分のCVDガスや分解生成物の大気側への漏洩を防止することができる。
また、図7は図5,6の例とは異なる供給・排気の組み合わせを用いた場合を示している。この場合においても、図5,6の例と同様に、ガスシールドの構成及び作用を奏することができる。なお、図6に示す第2ノズル102は、中心から102a〜102eの5個のノズルを備えるが、供給と排気の関係は図5の例と逆になっている。
図8は、レーザー光の走査状態を示す図である。図8(a)は、レーザー光をX方向に走査する状態を示している。この走査方向の場合には、CVDガスの流れる方向が図3や図5,6に示した方向となるように供給・排気の組み合わせを選択して、レーザー光の走査方向とCVDガスの流れ方向とを共にX方向として一致させる。
また、図8(b)は、レーザー光をY方向に走査する状態を示している。この走査方向の場合には、CVDガスの流れる方向が図4や図7に示した方向となるように供給・排気の組み合わせを選択して、レーザー光の走査方向とCVDガスの流れ方向とを共にY方向として一致させる。
本発明によれば、CVDガスの外側に不活性ガスのガスシールドを設け、そのガスシールドを複数段階に設けることによって、常圧常温のCVD反応を安全に行うことができる。また、CVD反応部分を密閉容器でシールドし、内部に温度制御装置を設ける構成と比較して小型とすることができるため、CVD反応部分を小型化することができる。
本発明は、CVDガスとしてW(CO)6に限らず他のCVDガスに適用することができる。
1…CVD装置、2…キャリア/パージガス源、3…気化手段、4…レーザー照射手段、5…反応槽、6…XYステージ、7…加熱手段、8,8a,8b…フィルタ、9…分析手段、10…CO除害手段、11…制御ユニット、12…データ処理演算手段、13…基板、21〜24…バルブ、31…切替分岐手段、32…バイパス経路、33,34…分岐手段、100…ガス供給機構、101…第1ノズル、102,102a〜102e…第2ノズル、103…孔、104A,104B,1045,105B,106,106a,106b…開口部、107A…供給管、107B…排気管、108A…供給管、108B…排気管、109a…供給管、109b…排気管、110…レーザー光。
Claims (4)
- 反応槽内においてレーザー照射によりCVDガスを反応させて基板表面に金属薄膜を形成するCVD装置において、
前記反応槽にCVDガスを供給するガス供給機構を備え、
前記ガス供給機構は、CVDガスを供給及び排気する複数の第1ノズルと、
シールドガスを供給及び排気する第2ノズルとを備え、
前記第1ノズルはレーザー光を基板に対して垂直に導入する孔を中心部分に有し、
前記第2ノズルはシールドガスを基板側に供給する開口部を有する複数の環状管と供給したシールドガスを排気する開口部を有する複数の環状管とを径方向に交互に配置して有し、
内側に第1ノズルを外側に第2ノズルを同心円状に配置することを特徴とするレーザーCVD装置。 - 前記第2ノズルの最外周のガス圧はほぼ大気圧であることを特徴とする、請求項1に記載のレーザーCVD装置。
- 前記第1ノズルは前記中心部分の孔を挟んで対向配置した供給口及び排気口を備え、
前記供給口から排気口の方向を走査方向として前記レーザー光を走査すること特徴とする、請求項1又は2に記載のレーザーCVD装置。 - 前記CVDガスは固体の金属カルボニル化合物を気化させた金属カルボニルガスであり、常温常圧において金属膜を基板表面に蒸着させること特徴とする、請求項1乃至3の何れか一つに記載のレーザーCVD装置。
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